JP2012514680A - 改良型フルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチおよびその製造方法 - Google Patents
改良型フルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012514680A JP2012514680A JP2011545347A JP2011545347A JP2012514680A JP 2012514680 A JP2012514680 A JP 2012514680A JP 2011545347 A JP2011545347 A JP 2011545347A JP 2011545347 A JP2011545347 A JP 2011545347A JP 2012514680 A JP2012514680 A JP 2012514680A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluoroelastomer
- matrix material
- particle size
- particles
- particulate matrix
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/20—Compounding polymers with additives, e.g. colouring
- C08J3/22—Compounding polymers with additives, e.g. colouring using masterbatch techniques
- C08J3/226—Compounding polymers with additives, e.g. colouring using masterbatch techniques using a polymer as a carrier
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L23/02—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08L23/04—Homopolymers or copolymers of ethene
- C08L23/08—Copolymers of ethene
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2327/00—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers
- C08J2327/02—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08J2327/12—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2423/00—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers
- C08J2423/02—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers not modified by chemical after treatment
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L27/00—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L27/02—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
- C08L27/12—Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
- C08L27/16—Homopolymers or copolymers or vinylidene fluoride
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
粒子状マトリックス材料を含むフルオロエラストマーマスターバッチが提供されており、ここで、マトリックス材料の粒子は直径1μm〜1000μmの範囲から選択される平均粒径を有し、フルオロエラストマーの濃度は約0.2重量%〜40重量%であり、および、フルオロエラストマーは粒子状マトリックス材料の間隙空間中に分散されている。
Description
本発明は、粒子状マトリックス材料を用いて配合されたフルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチに関し、特に、広範なエラストマーをマトリックス材料中に分散して、改良された均質性、および、エラストマー粒径の制御、および、マスターバッチ中における改良されたエラストマー粒径分布を達成する方法に関する。
米国特許第3,125,547号明細書には、フルオロエラストマーなどの、プロセス温度で流動状態であるフルオロカーボンポリマーを0.01〜2.0重量%で用いて、高密度および低密度ポリエチレンおよび他のポリオレフィンなどの非フッ素化ポリマーの押出しにおけるダイ圧力を低減させることが記載されている。このような添加剤の使用は、押出されたポリマーにメルトフラクチュアを生じさせることなく押出し成形速度を顕著に高めることが可能である。
米国特許第6,005,025号明細書には固体形態の添加剤を合成熱可塑性ポリマー中に分散させる方法が記載されており、ここで、添加剤の粒径は一定でありプロセスの最中に変化する可能性は低い。しかしながら、フルオロエラストマーの場合には、粒径および粒径分布は、通常の溶融プロセス温度でのプロセスの最中にかなり劇的に変化する可能性がある。
米国特許第6,048,939号明細書には、フルオロエラストマーラテックスをホスト樹脂に直接的に添加することにより、非フッ素化ホスト樹脂中に分散された微量のフルオロポリマーを含む、押出し成形可能な組成物およびマスターバッチの製造方法が記載されている。この混合物は、次いで、乾燥されてラテックスの液体成分が除去されるか、または、押出し成形プロセスを用いて混合物を脱蔵するよう直接的に押出される。しかしながら、この記載の方法では、ホスト樹脂の物理的寸法を、混合物におけるフルオロポリマー粒径を制御するための手段として用いることは考慮されていない。ホスト樹脂の粒径は開示されておらず、フルオロエラストマーラテックスは、ホストポリマーの融点より高い温度でホストポリマーと混合されている。
米国特許第6,642,310号明細書および米国特許第6,875,814号明細書には、25〜2000ppmのフルオロポリマーがその中で分散されている非フッ素化ホスト樹脂を含む押出し成形可能な組成物が記載されており、ここで、フルオロポリマー粒子は、2〜10ミクロンの範囲内の重量平均直径を有する。直鎖低密度ポリエチレンにおいては、2〜10ミクロンの粒径範囲で、例えば、メルトフラクチュアなどの溶融欠陥が低減されて、フルオロポリマーはプロセス助剤としてより効率的に機能可能であることが記載されている。
米国特許第6,642,310号明細書および米国特許第6,875,814号明細書により教示されているとおり、フルオロポリマーコーティングをダイ内表面上に堆積させることによりフルオロポリマープロセス助剤が機能すること、および、フルオロポリマープロセス助剤を含有する押出し成形可能な組成物は、フルオロポリマーがかなり狭い粒径範囲内で分散されている場合に好ましい押出し成形加工性を示すことは周知である。しかしながら、最適なフルオロポリマー粒径範囲を達成するための現在公知である最良の方法は、ホスト樹脂が液体状態にある従来の配合技術を用いたきわめて大きいフルオロポリマー粒子(例えば、初期において直径が約100ミクロン超である)の分散に依存している。この技術は、狭い粘度範囲を有するフルオロエラストマーの選択と、その中への、例えば、ポリエチレングリコールまたはポリカプロラクトンなどの界面剤の導入とに依存している(例えば、米国特許第7,001,951号明細書を参照のこと)。このような押出し成形可能な組成物におけるフルオロエラストマーの粒径分布は、最適な粒径より小さい粒子(すなわち、2ミクロン未満)を多く含むと共に最適な粒径より大きい粒子(すなわち、10ミクロン超)を少量含んできわめて広くなる傾向にある。一般に2ミクロン未満の粒径では、組成物の押出し成形加工性に効果的に有益であるには小さ過ぎるために、最小粒径のフルオロエラストマー粒子は実用上「無駄」になる。最大粒径の粒子は、特にフィルム押出し成形の場合に、押出し物品に欠陥を形成することが観察されている。
それ故、押出し成形可能な組成物における、より良好な均質性、ならびに、フルオロエラストマー粒径および粒径分布の制御を達成することが可能であるプロセス助剤として使用するための改良型フルオロエラストマーマスターバッチに対する要求が存在する。
一態様によれば、本発明は、(a)粒子状マトリックス材料であって直径1μm〜1000μm以下の範囲から選択される数平均または平均粒径を有するマトリックス材料の粒子を含み、(b)約0.2重量%〜40重量%のフルオロエラストマーを含有するフルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチである。このフルオロエラストマーは、粒子状マトリックス材料の間隙空間内に分離した(個別の)粒子として分散されており、選択された粒子状マトリックス材料に応じて広い範囲にわたって様々であることが可能であるフルオロエラストマー粒子の粒径は、近接するマトリックス材料粒子の間隙空間内のサイズまたは利用可能な体積に一致する。
他の態様によれば、本発明は:
(a)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;
(b)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを、直径1μm〜1000μm以下の範囲から選択される数平均または平均粒径を有する粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;
(c)得られたブレンドを凝集させてフルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および
(d)スラリーを乾燥させ、これにより、フルオロエラストマーを分散させて、主に、すなわち、実質的に、近接するマトリックス材料粒子間に存在する間隙空間中に存在させるステップ
を含む、フルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチを製造する方法である。フルオロエラストマーの得られた粒径は近接するマトリックス材料粒子の間隙空間内のサイズまたは利用可能な体積に一致するが、マトリックス材料は、ステップ(b)、(c)および(d)を通して固体状態のままであることを条件とする。上記に定義されているプロセスにより製造され、本明細書に記載の特性を有するフルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチもまた本発明の範囲内であることが意図される。
(a)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;
(b)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを、直径1μm〜1000μm以下の範囲から選択される数平均または平均粒径を有する粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;
(c)得られたブレンドを凝集させてフルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および
(d)スラリーを乾燥させ、これにより、フルオロエラストマーを分散させて、主に、すなわち、実質的に、近接するマトリックス材料粒子間に存在する間隙空間中に存在させるステップ
を含む、フルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチを製造する方法である。フルオロエラストマーの得られた粒径は近接するマトリックス材料粒子の間隙空間内のサイズまたは利用可能な体積に一致するが、マトリックス材料は、ステップ(b)、(c)および(d)を通して固体状態のままであることを条件とする。上記に定義されているプロセスにより製造され、本明細書に記載の特性を有するフルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチもまた本発明の範囲内であることが意図される。
他の態様によれば、本発明は、粒子状マトリックス材料中のフルオロエラストマーの均質分散体を製造する方法に関し、ここで、マトリックス材料は、直径1μm〜1000μm以下の範囲から選択される数平均または平均粒径を有し、マトリックス材料は、50℃以下の温度で固体であり、方法は:
(a)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;
(b)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;
(c)得られたブレンドを凝集させてフルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および
(d)スラリーを乾燥させることによりフルオロエラストマーを分散させて、主に、すなわち、実質的に、近接するマトリックス材料粒子間に存在する間隙空間中に存在させるステップ
を含む。フルオロエラストマーの得られた粒径は、間隙空間中のサイズまたは利用可能な体積に一致する。
(a)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;
(b)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;
(c)得られたブレンドを凝集させてフルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および
(d)スラリーを乾燥させることによりフルオロエラストマーを分散させて、主に、すなわち、実質的に、近接するマトリックス材料粒子間に存在する間隙空間中に存在させるステップ
を含む。フルオロエラストマーの得られた粒径は、間隙空間中のサイズまたは利用可能な体積に一致する。
本発明の好ましい実施形態において、粒子状マトリックス材料は、ポリカプロラクトン粉末、ポリエチレン粉末およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微小粉末、ならびに、これらの混合物からなる群から選択される。しかしながら、水性エマルジョンに溶解せず、所与の用途に対して所望の間隙空間をもたらす任意の他の粒子状マトリックス材料が用いられ得る。ダイを通したホスト樹脂の押出し成形の最中に典型的に受ける操作温度で固体のままである粒子状マトリックス材料が用いられる場合、最良の結果のために好ましくは、マトリックス材料粒子の表面は粘着性をほとんどまたは全く示さず、すなわち、フルオロエラストマー粒子の表面への分子引力を全く示さない。
本発明のフルオロポリマープロセス助剤マスターバッチは、第2の粒子状材料中に例えば2000ppm超のフルオロエラストマーといった高濃度のフルオロエラストマーをもたらす。フルオロポリマーは、第2の粒子状材料中に全体として均質に分散され、これは、フルオロエラストマー粒子が近接するマトリックス材料粒子間に存在する間隙空間中に主に存在することを意味する。分散フルオロエラストマー粒子の粒径は、間隙空間の体積により定義される。
本発明は、(a)マトリックス材料の粒子が、直径の1μm〜1000μm以下の範囲から選択される数平均または平均粒径を有する粒子状マトリックス材料、および、(b)約0.2重量%〜40重量%のフルオロエラストマーを含むフルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチに関する。フルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチは:
(a)所望フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;
(b)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを、直径1μm〜1000μm以下の範囲から選択される数平均粒径を有する粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;
(c)得られたブレンドを凝集させてフルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および次いで
(d)スラリーを乾燥させるステップ
により製造され得るが、粒子状マトリックス材料は、ステップ(b)、(c)および(d)を通して固体状態のままであることを条件とする。
(a)所望フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;
(b)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを、直径1μm〜1000μm以下の範囲から選択される数平均粒径を有する粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;
(c)得られたブレンドを凝集させてフルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および次いで
(d)スラリーを乾燥させるステップ
により製造され得るが、粒子状マトリックス材料は、ステップ(b)、(c)および(d)を通して固体状態のままであることを条件とする。
水性エマルジョンの凝集の最中および乾燥の後、フルオロエラストマーは、近接するマトリックス材料粒子間に対応して形成された間隙空間中に分散するか、または、分散され、このフルオロエラストマーの有する得られた粒径は、近接するマトリックス材料粒子間に形成された間隙空間のサイズまたは利用可能な体積に一致する。
所望のフルオロエラストマーの水性エマルジョン、すなわちラテックス、は、フリーラジカル重合、このように調製したエマルジョンの任意のpH調整、および、エマルジョンの任意の濃縮による富固形分−ラテックス組成物の形成を含むプロセスを介して調製されることが可能である。フルオロエラストマーラテックスを調製するための重合プロセスの第1のステップにおいては、少なくとも2種のモノマーの水性エマルジョンが形成される。第1のモノマーは、フッ化ビニリデンおよびテトラフルオロエチレンからなる群から選択され得る。少なくとも1種の他のフッ素化モノマーもまたエマルジョン中に存在し得る。エマルジョンは、一般に、気体状のモノマーおよび水を反応容器に導入することにより形成される。
最も一般的なフリーラジカル開始剤は、1)水溶性アンモニウムもしくは過硫酸カリウム、または、2)レドックス系過硫酸カリウムおよび亜硫酸ナトリウムである。開始剤は、重合反応を触媒すると共に、一般に、5〜100mmol/kgポリマーのラジカルフラックスをもたらすに十分な量で存在する。低レベルの連鎖移動剤の存在下に重合を行うことによりイオン性末端基濃度を最低限とすることが可能である。水素ベースのアルコール、エステルおよびハロゲン、ならびに、ジヨードメタンおよびフルオロヨウ化アルキルを含む種々のヨウ化化合物が良好な結果を伴って用いられている。過フッ素化されていない連鎖移動剤を重合反応において用いて、所望されるフラグメントを硬化のためにポリマー鎖に導入することが可能であり、これは硬化部位部分とみなされる。このような薬剤は、通例、ポリマー鎖の末端部に拘束されたヨウ素がもたらされるジヨード化合物を含む。フルオロエラストマーおよびパーフルオロエラストマーラテックス組成物の調製技術が、概して、Logothetis,Prog.Polymn.Sci,第14巻,第251〜296ページ(1989年)、ならびに、米国特許第4,281,092号明細書;米国特許第5,789,489号明細書;および、米国特許第5,789,509号明細書に記載されている。
重合プロセスの第1のステップからの水性エマルジョンは、バッチまたは半バッチ反応器も用いられ得るが、一般に、連続攪拌タンク反応器中で調製される。水性エマルジョンが連続プロセスで調製される場合、重合触媒、界面活性剤、任意の還元剤、連鎖移動剤および緩衝剤を含有する水溶液が、攪拌されている反応器中に連続的に添加される。同時に、モノマーが反応器に供給される。重合が生じ、これにより、フルオロエラストマーラテックス組成物が形成される。界面活性剤が重合プロセスを補助することが可能であることが見出された。連続重合からもたらされるエマルジョンは、典型的には、約20重量パーセントの固形分含有量を有することとなるが、この固形分含有量は、約10重量パーセントもの低量から35重量パーセント以下まで様々であることが可能である。エマルジョン中のフルオロエラストマーの粒径は、典型的には、得られたマスターバッチの目標粒径よりも小さいであろう。
重合温度は、2〜9MPaの圧力で典型的には40℃〜130℃の範囲であり、10〜240分間の滞留時間である。典型的には、フッ化ビニリデンコポリマーについては20〜60分間の滞留時間とされる。重合の後、未反応モノマーが減圧下での蒸発により反応器流出液から除去され得、さらに界面活性剤が添加され得る。
フルオロエラストマーラテックス組成物の調製に続いて、そのpHが塩基の添加により調整され得る。塩基は、界面活性剤の添加の前、同時またはその後に添加され得る。すなわち、塩基および任意の追加の界面活性剤の添加の順番は重要ではない。添加される塩基の量は、フルオロエラストマーラテックス組成物のpHを5〜8の範囲内の値に調整するに十分な量となる。無機塩基または有機塩基が用いられ得るが、典型的には、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、および水酸化アンモニウムが、利用可能性および低コストのために用いられる。この段階では、得られたラテックス組成物は、典型的には、約20〜40重量パーセントの固形分含有量を有する。
次いで、得られたフルオロエラストマーラテックス組成物は、直径1μm〜1000μm以下の範囲内の数平均または平均粒径を有することが可能である所望の粒子状マトリックス材料とブレンドされる。混合は、高速回転翼ミキサ、低速プラウもしくはリボンブレンダー、タンブルブレンダー、または、一般に粒子状材料のラテックスでの均等な濡れをもたらすであろう任意の他の簡便な技術を含む広く多様な技術のいずれかにより達成され得る。選択されたマトリックス材料タイプおよび粒径、または、粒径範囲は、特定の最終用途およびマスターバッチの調製に必要であり得る追加のプロセスステップに応じる。ブレンド中のフルオロエラストマーの量は、最終の、すなわち乾燥されたマスターバッチ中に、少なくとも2000ppm、好ましくは少なくとも5000ppm(0.5重量%)のフルオロエラストマー濃度が達成されるよう選択されることとなる。フルオロエラストマー含有量の上限は、選択された粒子状材料の粒径および密度、ならびに、最終マスターバッチにおいて所望される目標フルオロエラストマー粒径に応じることとなる。しかしながら、フルオロエラストマーの含有量は40重量%もの高い範囲であってもよい。
得られたブレンドは、フルオロエラストマーおよびマトリックス材料の水性スラリーである。次いで、凝集剤(凝固剤)がスラリーに混合される。例えば、硫酸アルミニウム、カリウム硫酸アルミニウム、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどの塩、および、当業者によく知られている他の凝集剤を含む広く多様な凝集剤が用いられ得る。スラリーが凝集(凝固)するに伴って、フルオロエラストマーは、近接するマトリックス材料粒子間に形成された間隙空間内に分散し、すなわち、捕捉されて、近接するマトリックス材料粒子の間隙空間内のサイズ、または、利用可能な体積に一致するフルオロエラストマーの粒径がもたらされる。
本発明は、広範囲のフルオロエラストマー粒径にわたって分散された形態で第2のマトリックス材料を含むマスターバッチにおいて、比較的高濃度のフルオロエラストマープロセス助剤の達成を可能とする。これは、分散体中のフルオロポリマー粒子の粒径を選択された粒子状マトリックス材料の近接する粒子間に形成された間隙空間によって制御することができるために可能である。分散されたフルオロポリマー粒子の均質性および粒径は、主に選択された粒子状マトリックス材料の粒径および均質性によって限定される。次いで、スラリーは、好ましくは約200℃未満である粒子状材料の融点温度より低い任意の簡便な温度で乾燥される。
本発明の好ましい実施形態において、粒子状マトリックス材料は、ポリカプロラクトン粉末、ポリエチレン粉末およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微小粉末、および、これらの混合物からなる群から選択される。しかしながら、ラテックスに溶解せず、所与の用途に所望される間隙空間をもたらす任意の他の粒子状マトリックス材料が用いられ得る。
本発明は、マスターバッチにおいて明確に定義されたフルオロエラストマー粒径をもたらし、これは、フルオロエラストマー粘度とは実質的に独立しており、次いで、マスターバッチが押出し成形可能なホスト組成物に導入され希釈された場合に、より均一な粒径分布の形成を助ける。押出される組成物は、マスターバッチの添加/希釈と同時に添加され得るポリカプロラクトンまたはポリエチレングリコールなどの界面剤を任意により含有していてもよい。界面剤自体が粒子状材料を含んでいてもよく、または、界面剤が用いられなくてもよい。
本発明の実施におけるプロセス助剤として有用なフルオロエラストマーは、通常室温以上で流動状態であるフルオロポリマー、すなわち、約20℃未満のガラス転移温度(Tg)を有し、室温で結晶性をほとんどまたは全く示さないフルオロポリマーである。プロセスの容易性のために、必須ではないが、少なくとも1:1.5のフッ素対水素比を有するフルオロエラストマーを採用することが好ましい。好適なフルオロエラストマーを得るために共重合され得るフッ素化モノマーとしては、これらに限定されないが、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルが挙げられる。採用され得るフルオロエラストマーの特定の例としては、これらに限定されないが、フッ化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン、および2−ヒドロペンタフルオロプロピレンから選択されるコモノマーとのコポリマー;フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレン、1−ヒドロペンタフルオロプロピレンまたは2−ヒドロペンタフルオロプロピレンから選択されるコモノマーとのコポリマー;ならびに、テトラフルオロエチレン、プロピレンと、任意により、フッ化ビニリデンとのコポリマーが挙げられ得、これらのすべては技術分野において公知である。いくつかの場合において、これらのコポリマーはまた、例えば、ApothekerおよびKrusic、米国特許第4,035,565号明細書に教示されているとおり臭素含有コモノマー、または、米国特許第4,243,770号明細書に教示されているとおり末端ヨード基を含んでいてもよい。後者の特許にはまた、ヨード基−含有フルオロオレフィンコモノマーのフルオロエラストマーへの組み込みが記載されている。フッ素化モノマーがこれらのコポリマー中に一定のモル比で存在している場合、ポリマーのガラス転移温度は0℃に近いか0℃未満であり、この組成物は、容易に入手可能な商品である有用なエラストマーである。好ましくは、本発明のマスターバッチ組成物に採用されるフルオロエラストマーは、i)フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン;ii)フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン;iii)テトラフルオロエチレン/プロピレン;またはiv)テトラフルオロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデンの共重合された単位を含有する。
フルオロポリマープロセス助剤を商業ベースで製造するための現在のプロセスは、典型的には、以下の一般的なステップを含む:
1.重合−重合は、バッチ、半バッチまたは連続であり得るが、すべての事例においては、フルオロポリマーを反応容器中で水中のエマルジョンを形成する。エマルジョン粒子は、多様なプロセス可変要素に応じて広範囲にわたって様々であることが可能であるが、最良の結果のためには、例えば2ミクロン超といった大きなエマルジョン粒子は回避される。一般に、エマルジョン粒子は粒径(平均直径)が1ミクロン以下であり、反応器中の材料の15重量パーセント〜25重量パーセントを構成する。
1.重合−重合は、バッチ、半バッチまたは連続であり得るが、すべての事例においては、フルオロポリマーを反応容器中で水中のエマルジョンを形成する。エマルジョン粒子は、多様なプロセス可変要素に応じて広範囲にわたって様々であることが可能であるが、最良の結果のためには、例えば2ミクロン超といった大きなエマルジョン粒子は回避される。一般に、エマルジョン粒子は粒径(平均直径)が1ミクロン以下であり、反応器中の材料の15重量パーセント〜25重量パーセントを構成する。
2.仕上げ−ポリマーはエマルジョンの水相から分離されなければならず、任意により、洗浄されて石鹸(用いた場合)、緩衝剤、凝集剤等が除去される。水とポリマーとを分離させる方法は多様にあるが、簡便性、利用可能性およびコストの面から、例えば、硫酸アルミニウム、硝酸カルシウムまたは他の塩などのイオン性凝集剤の使用が最も広く実施されている方法である。イオン性凝集剤は、電気二重層による粒子間の斥力を排除し、結果的にポリマーを崩壊させて「団粒構造」を形成させる。団粒構造は海綿質のネットワークに相当するが、本質的には、ポリマーの凝集塊である。凝集塊を、洗浄し、乾燥させ、および、任意によりシートまたはペレットに押出すことが可能である。
3.粉砕−次いで、凝集塊、ペレットまたはシートを粉砕して、粗粉末を形成する。粉砕は低温で達成し得、これにより、最終ポリマー粒子を16〜20メッシュスクリーンに通過させる。低温粉砕した20メッシュフルオロエラストマー粒子を図1に見ることが可能である。図1に示すサンプルに対する粒径分布は以下のとおりである。
サンプルについての粒径の図示を図2に見ることが可能である。従来の低温粉砕により製造されたフルオロエラストマー粒子は、プロセス助剤がダイを通してホスト樹脂中に押出された場合、最適な2〜12ミクロン重量平均粒径よりおよそ100倍大きいことに注目されたい。
4.最終混合/ブレンド−粉砕の後、フルオロエラストマーサンプルを、典型的には、粉剤と混合して塊状化を防止すると共に、(任意)界面剤と混合してプロセス助剤としての性能を向上させる。次いで、最終生成物を販売用に梱包するか、または、さらなるプロセスのために輸送する。
上記のとおり、前述の商業的プロセスからのフルオロポリマー粒子は一般にきわめて大きく、すなわち、粒径が200〜約1200ミクロンの範囲である。この粒径のプロセス助剤の使用者は、フルオロポリマー粒子による最終的な押出し物における欠陥の形成が防止されるよう、フルオロポリマーをホスト樹脂中に十分に分散させることができない場合がある。ホスト樹脂中のフルオロポリマープロセス助剤は、狭い粒径分布中に均質に分解する傾向にはなく、代わりに、粒径のきわめて広い分布を示す。
実施例C−1および1〜10
材料
(a)VF2/HFPコポリマーフルオロエラストマーを、十分に攪拌した2.0−リットルステンレス鋼製の液体で満たされた反応容器中で、連続エマルジョン重合プロセスを108℃で実施することにより調製した。6.09g/時間(g/h)過硫酸アンモニウム開始剤、0.91g/h水酸化ナトリウムおよび0.70g/h亜硫酸ナトリウムからなる水溶液を、10.0L/時間の速度で反応器に供給した。この反応器を、流出液ラインにおける背圧制御バルブにより、6.2MPaの圧力で満液体レベルで維持した。30分後、ダイヤフラム圧縮機を介して供給される1547g/hフッ化ビニリデン(VF2)および1231g/hヘキサフルオロプロピレン(HFP)からなる気体モノマー混合物の導入により重合を開始した。0.5時間後、流出液分散体の回収を開始し、3.0時間かけて回収を継続した。4.30のpHを有すると共に19.60重量%固形分を含有する流出液ラテックスを、大気圧で脱気容器において、残存モノマーから分離した。得られたフルオロエラストマーは、98.9のムーニー粘度(ML1+10、150℃)を有しており、重合条件に基づいて、組成物は、60%フッ化ビニリデンおよび40%ヘキサフルオロプロピレンに近いことが予測された。
材料
(a)VF2/HFPコポリマーフルオロエラストマーを、十分に攪拌した2.0−リットルステンレス鋼製の液体で満たされた反応容器中で、連続エマルジョン重合プロセスを108℃で実施することにより調製した。6.09g/時間(g/h)過硫酸アンモニウム開始剤、0.91g/h水酸化ナトリウムおよび0.70g/h亜硫酸ナトリウムからなる水溶液を、10.0L/時間の速度で反応器に供給した。この反応器を、流出液ラインにおける背圧制御バルブにより、6.2MPaの圧力で満液体レベルで維持した。30分後、ダイヤフラム圧縮機を介して供給される1547g/hフッ化ビニリデン(VF2)および1231g/hヘキサフルオロプロピレン(HFP)からなる気体モノマー混合物の導入により重合を開始した。0.5時間後、流出液分散体の回収を開始し、3.0時間かけて回収を継続した。4.30のpHを有すると共に19.60重量%固形分を含有する流出液ラテックスを、大気圧で脱気容器において、残存モノマーから分離した。得られたフルオロエラストマーは、98.9のムーニー粘度(ML1+10、150℃)を有しており、重合条件に基づいて、組成物は、60%フッ化ビニリデンおよび40%ヘキサフルオロプロピレンに近いことが予測された。
(b)LyondellBasell製の以下の特性を有する低密度ポリエチレンであるMicrothene(登録商標)MN71120:
メルトインデックス(190℃、2160g):22g/10分間
密度:0.915g/cc
平均粒径:35メッシュ(約425ミクロン)
メルトインデックス(190℃、2160g):22g/10分間
密度:0.915g/cc
平均粒径:35メッシュ(約425ミクロン)
(c)LyondellBasell製の以下の特性を有する高密度ポリエチレンであるMicrothene(登録商標)FA 70000:
メルトインデックス(190℃、2160g):10g/10分間
密度:0.952g/cc
平均粒径:20ミクロン
メルトインデックス(190℃、2160g):10g/10分間
密度:0.952g/cc
平均粒径:20ミクロン
(d)ExxonMobile Corp.製の以下の特性を有する直鎖低密度ポリエチレンであるLL1002.09:
メルトインデックス(190℃、2160g):2g/10分間
密度:0.918g/cc
メルトインデックス(190℃、2160g):2g/10分間
密度:0.918g/cc
粒径分布分析
これらの実施例の組成物について得られたフルオロエラストマー粒径の分布を、Carl Zeiss LSM 510 Confocal顕微鏡を用いて判定した。励起に488nmレーザラインを用いて、フルオロエラストマー粒子の三次元イメージを撮像した。この器具を用いた最小可分解粒子は0.5ミクロンであった。約200〜900粒子を各サンプルにおいてイメージ化し、これらのイメージを分析して、Khorosイメージ分析ソフトウェアパッケージを用いて球状粒子に対する相当直径を判定した。各粒径は、0.1ミクロン単位まで推定した。
これらの実施例の組成物について得られたフルオロエラストマー粒径の分布を、Carl Zeiss LSM 510 Confocal顕微鏡を用いて判定した。励起に488nmレーザラインを用いて、フルオロエラストマー粒子の三次元イメージを撮像した。この器具を用いた最小可分解粒子は0.5ミクロンであった。約200〜900粒子を各サンプルにおいてイメージ化し、これらのイメージを分析して、Khorosイメージ分析ソフトウェアパッケージを用いて球状粒子に対する相当直径を判定した。各粒径は、0.1ミクロン単位まで推定した。
比較組成物C1および本発明の組成物1〜10の製造に用いた方法のまとめが以下の表Iに示されている。
比較組成物C1は、凝集させるために攪拌しながら、60グラムの50%硫酸アルミニウム溶液を500gのフルオロエラストマーエマルジョンに添加する上記の従来の凝集技術により生成した。得られた凝集物をろ過し、脱イオン水で洗浄し、および、70℃のオーブンで一晩乾燥させて海綿質の団粒構造を生成した。
本発明の組成物1〜10は、先ず、フルオロエラストマーエマルジョンを脱イオン水で希釈することにより生成し、各々の量は表Iに示されている。次いで、特定したタイプの粒子状材料(Microthene(登録商標)MN71120またはFA70000のいずれか)を100gの粒子状材料および200gの水を仕込んだ高速ブレンダーを用いて脱イオン水中に分散した。硫酸アルミニウムの水中の50%溶液を凝集剤として用いた。表Iに記載の「レギュラー」凝集剤添加という用語は、フルオロエラストマーエマルジョンを先ず粒子/水混合物に混合し、次いで、凝集剤を得られた混合物に添加したことを示すために用いられている。「リバース」凝集剤添加という用語は、フルオロエラストマーエマルジョンを先ず水/粒子混合物にブレンドし、次いで、得られた混合物を凝集剤に添加したことを示すために表Iにおいて用いられている。いずれの場合においても、フルオロエラストマーエマルジョンを、先ず、表Iに示されているとおり水で希釈して粒子状材料との混合および凝集の前に所望の濃度を達成した。凝集の最中、全混合物を高速で1分間ブレンドした。凝集の後、フィルタ媒体としてナイロン布を用いて混合物から水を排出させた。表Iに示されているとおり洗浄したすべてのサンプルについて、200mL水の3アリコートをサンプルを通して注いだ。最終調製ステップにおいて、すべてのサンプルを皿に移し、70℃のオーブン中で一晩乾燥させた。
次いで、比較組成物C1および本発明の組成物1〜10をポリエチレンとブレンドして、本発明による改良されたフルオロエラストマー粒径分布を示した。ブレンド組成物が以下の表IIに示されており、その各々を、50rpm、150℃の設定温度で、カムロータを用いて作動するBradender(登録商標)混合ボールを用いて生成した。混合時間は3分間であり、総バッチ重量は60グラムであった。表II中の組成物の各々は、1重量%フルオロエラストマーを含む。表I中の組成物は、Bradender(登録商標)混合の最中に溶融してポリエチレンホスト組成物の一部を形成するMicrothene(登録商標)粒子状材料を様々な量で含有するため、メークアップレベルのMicrothene(登録商標)MN71120を表II中の一定の組成物に添加して、すべての組成物においてMicrothene(登録商標)成分を全般に均一なレベルに維持した。
表IIに示されている共焦点像分析の結果は、本発明の組成物1〜10の各々は、ポリエチレン中で希釈されたときに比較組成物C1より狭いフルオロエラストマー粒径分布をもたらすことを示す。比較組成物C1を希釈して対照組成物CAを生成した場合、平均粒径は1.8ミクロンであり、観察された最大の粒子は直径44.7ミクロンであったことに注目されたい。本発明の希釈組成物のすべて(A〜J)は、より大きな平均粒径示すが、それでも最大粒径は小さい。この分布における平均からの粒子のより小さい偏差は、本発明により生成した組成物は、従来のアプローチよりも優れた制御を分散プロセスにもたらすことを示す。組成物CAの顕微鏡写真を図3に見ることが可能である。図4は、希釈し、ポリエチレンにおけるプロセス助剤として用いた場合の本発明により生成した組成物の顕微鏡写真である。これは、きわめて微細な均質分散体を例示している。
上記において言及されているとおり、米国特許第6,642,310号明細書では、プロセス助剤に関して、押出し機ダイに進入する最適なフルオロポリマー重量平均粒径(直径)は、2〜10ミクロン内であるべきであり、10ミクロンを超える粒子は押出し物において欠陥を生じさせ得ることが教示されている。表IIに示されている結果は、本発明により生成した組成物は、希釈されて所望される2〜10ミクロン粒径範囲内の粒子をより多くの割合で生成することが可能であり、多くの事例において、希釈された対照組成物CAの10倍を超えることを示す。
Claims (9)
- (a)粒子状マトリックス材料であって直径1μm〜1000μmの範囲から選択される数平均または平均径を有する前記粒子を含み、(b)前記粒子状マトリックス材料の間隙空間中に分散された約0.2重量%〜40重量%のフルオロエラストマーを含有し、前記マトリックス材料が少なくとも50℃以下の温度で固体であることを条件とする、フルオロエラストマーマスターバッチ。
- 前記フルオロエラストマーが、前記粒子状マトリックス材料の近接する粒子間の前記間隙空間とサイズが一致する全体として分離した粒子の形態である、請求項1に記載のフルオロエラストマーマスターバッチ。
- 粒子状マトリックス材料が、ポリカプロラクトン粉末、ポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微小粉末およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載のフルオロエラストマーマスターバッチ。
- (a)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;(b)前記フルオロエラストマーの水性エマルジョンを、直径1μm〜1000μmの範囲内に数平均または平均粒径を有する粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;(c)得られたブレンドを凝集させて前記フルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および(d)前記スラリーを乾燥させて、前記フルオロエラストマーを、近接するマトリックス材料粒子間で形成した前記間隙空間中に分散させ、前記間隙空間のサイズと一致する前記フルオロエラストマーの粒径がもたらされるステップにより製造され、前記粒子状マトリックス材料がステップ(b)、(c)および(d)を通して固体のままであることを条件とする、フルオロエラストマーマスターバッチ。
- 前記粒子状マトリックス材料が、ポリカプロラクトン粉末、ポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微小粉末およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載のフルオロエラストマーマスターバッチ。
- (a)フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;
(b)前記フルオロエラストマーの水性エマルジョンを、直径1μm〜1000μmの範囲から選択される数平均または平均粒径を有する粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;
(c)前記得られたブレンドを凝集させて前記フルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および
(d)前記スラリーを乾燥させることにより、前記フルオロエラストマーが近接するマトリックス材料粒子間に形成された前記間隙空間中に分散し、前記間隙空間のサイズと一致する前記フルオロエラストマーの粒径がもたらされるステップ
を含むフルオロエラストマーマスターバッチを製造するための方法。 - 前記粒子状マトリックス材料が、ポリカプロラクトン粉末、ポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微小粉末およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 粒子状マトリックス材料中のフルオロエラストマーの均質分散体を製造する方法であって、前記マトリックス材料は、直径1μm〜1000μmの範囲から選択される数平均または平均粒径を有し:
(a)前記フルオロエラストマーの水性エマルジョンを形成するステップ;
(b)前記フルオロエラストマーの水性エマルジョンを前記粒子状マトリックス材料とブレンドするステップ;
(c)前記得られたブレンドを凝集させて前記フルオロエラストマーのスラリーを形成するステップ;および
(d)前記スラリーを乾燥させることにより、前記フルオロエラストマーが近接するマトリックス材料粒子間に形成された前記間隙空間中に分散し、かつ、捕捉され、前記間隙空間のサイズと一致する前記フルオロエラストマーの粒径がもたらされるステップを含み、前記粒子状マトリックス材料がステップ(b)、(c)および(d)を通して固体のままであることを条件とする、方法。 - 前記粒子状マトリックス材料が、ポリカプロラクトン粉末、ポリエチレン粉末、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微小粉末およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US12/349,120 US7915331B2 (en) | 2009-01-06 | 2009-01-06 | Fluoroelastomer processing aid masterbatch and method for producing same |
US12/349,120 | 2009-01-06 | ||
PCT/US2009/061988 WO2010080191A1 (en) | 2009-01-06 | 2009-10-26 | Improved fluoroelastomer processing aid masterbatch and method for producing same |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012514680A true JP2012514680A (ja) | 2012-06-28 |
Family
ID=41479089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011545347A Withdrawn JP2012514680A (ja) | 2009-01-06 | 2009-10-26 | 改良型フルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチおよびその製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7915331B2 (ja) |
EP (1) | EP2373731A1 (ja) |
JP (1) | JP2012514680A (ja) |
WO (1) | WO2010080191A1 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013023983A1 (en) | 2011-08-17 | 2013-02-21 | Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. | Milling process |
WO2023285511A1 (en) | 2021-07-16 | 2023-01-19 | Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. | Binder composition for secondary batteries |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3125547A (en) * | 1961-02-09 | 1964-03-17 | Extrudable composition consisting of | |
US4281092A (en) * | 1978-11-30 | 1981-07-28 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Vulcanizable fluorinated copolymers |
US6005025A (en) * | 1992-11-17 | 1999-12-21 | General Electric Company | Method of dispersing solid additives in polymers and products made therewith |
US5877264A (en) * | 1996-11-25 | 1999-03-02 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Fast-curing perfluoroelastomer composition |
JP3676823B2 (ja) * | 1996-11-25 | 2005-07-27 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 改良された加工性を有するパーフルオロエラストマーおよびその製法 |
US6048939A (en) * | 1997-01-09 | 2000-04-11 | Dupont Dow Elastomers, L.L.C. | Process aid for melt processible polymers |
WO2001027197A1 (en) | 1999-10-14 | 2001-04-19 | Dyneon Llc | Process aid for melt processable polymers |
US6642310B2 (en) * | 2001-02-16 | 2003-11-04 | Dupont Dow Elastomers L.L.C. | Process aid for melt processable polymers |
-
2009
- 2009-01-06 US US12/349,120 patent/US7915331B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2009-10-26 WO PCT/US2009/061988 patent/WO2010080191A1/en active Application Filing
- 2009-10-26 JP JP2011545347A patent/JP2012514680A/ja not_active Withdrawn
- 2009-10-26 EP EP09748899A patent/EP2373731A1/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2373731A1 (en) | 2011-10-12 |
WO2010080191A1 (en) | 2010-07-15 |
US7915331B2 (en) | 2011-03-29 |
US20100174011A1 (en) | 2010-07-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0969027B1 (en) | TFE Polymerization process | |
JP6201236B2 (ja) | フルオロモノマーの水性重合における核形成 | |
EP3539995B1 (en) | Fluoropolymer disperson obtained with an aqueous polymerisation of fluoromonomer using hydrocarbon surfactant | |
CA2490136C (en) | Fluoropolymer dispersion and process for producing fluoropolymer dispersion | |
US7101925B2 (en) | Process for preparing fluoropolymer dispersions | |
KR101409098B1 (ko) | 미립 중합체에 고체 입자를 분산시키는 방법 | |
US20090272944A1 (en) | Fluoropolymer Dispersion Purification | |
EP3039073B1 (en) | Fluoropolymer blend | |
CN106046219A (zh) | 聚四氟乙烯水性分散液的制造方法 | |
JPWO2009020187A1 (ja) | 低分子量ポリテトラフルオロエチレン水性分散液、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及び低分子量ポリテトラフルオロエチレンの製造方法 | |
JP2013532740A (ja) | 溶融加工用の高融点ptfeポリマー | |
JP2004075978A (ja) | 含フッ素結晶性ポリマー分散体製造方法 | |
US11591430B2 (en) | Method for making fluoropolymers | |
CN101050250A (zh) | 稳定的水性含氟聚合物分散乳液及其制备方法 | |
EP1605011B1 (en) | Granulated powder of low-molecular polytetrafluoro- ethylene and powder of low-molecular polytetrafluoro- ethylene and processes for producing both | |
JP2012514680A (ja) | 改良型フルオロエラストマープロセス助剤マスターバッチおよびその製造方法 | |
US20230416421A1 (en) | Production method of fluoropolymer aqueous dispersion | |
JP4851254B2 (ja) | フッ化ビニリデン系樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP2009227754A (ja) | 含フッ素共重合体の製造法 | |
US20220340745A1 (en) | Fluoropolymer composition and method to make | |
JP3775420B2 (ja) | 低分子量ポリテトラフルオロエチレン造粒粉末、低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末及びこれらの製造方法 | |
JP2011524442A (ja) | 安定化されたフルオロエラストマーラテックス組成物 | |
WO2023055778A1 (en) | Fluoropolymer composition and method to make | |
WO2023182229A1 (ja) | フルオロポリマーの製造方法および組成物 | |
WO2020204082A1 (ja) | 含フッ素弾性共重合体組成物、フッ素ゴム及びこれらの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120727 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20130611 |