JP2011105629A - 生活習慣病予防又は改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然物由来の成分から、肥満症、内臓脂肪蓄積、高脂血症、高尿酸血症、肝臓疾患等の生活習慣病の予防、治療又は改善剤を見出すこと。
【解決手段】オキアミタンパク質を有効成分とする生活習慣病の予防又は改善剤。
【選択図】なし
【解決手段】オキアミタンパク質を有効成分とする生活習慣病の予防又は改善剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、生活習慣病予防又は改善剤に関する。
近年、食生活や運動などのライフスタイルの変化に伴い、肥満症、内臓脂肪蓄積、高脂血症、高尿酸血症(特に痛風)、糖尿病、高血圧症、肝臓疾患、心疾患等の生活習慣病が急激に増えつつあり、大きな社会問題となっている。生活習慣病を予防又は改善できる物質の探索は重要であるが、そのような物質としては、クオリティオブライフ(QOL)の点から、日々食するような特定健康食品や機能性食品等の食品に配合しても、安全かつ長期間摂取できる天然由来の素材が望まれている。
ところで、オキアミには、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸等のn−3系脂肪酸を含む中性脂肪やリン脂質が多く含まれ、オキアミから抽出したこれらの成分を含有するオイルが、高脂血症等を改善することが知られている(非特許文献1)。
また、オキアミを煮熟処理したキチン等を含む煮熟オキアミ(主として身部分)は、体重増加量を減少させる作用を有することが知られているが、一方でその作用は血清コレステロールの上昇が認められなかった程度に留まると共に、高濃度で摂取すると鉄欠乏性貧血症状が発現してしまうことが知られている(非特許文献2)。
また、オキアミ等に含まれるキチンは、消化管からのプリン体吸収を阻害することにより尿酸値上昇を抑える作用を有することが実験的には知られているが、高尿酸血症の改善にあたって、食物からのプリン体吸収を阻害することの重要性は低く、むしろ血中の尿酸値上昇の原因は内因性の尿酸が原因となるので、血中の尿酸値上昇が抑制できることが重要である。
また、オキアミ等に含まれるキチンは、消化管からのプリン体吸収を阻害することにより尿酸値上昇を抑える作用を有することが実験的には知られているが、高尿酸血症の改善にあたって、食物からのプリン体吸収を阻害することの重要性は低く、むしろ血中の尿酸値上昇の原因は内因性の尿酸が原因となるので、血中の尿酸値上昇が抑制できることが重要である。
また、オキアミのアルコール水抽出物には、レプチン分泌促進作用があること(特許文献1)、またオキアミの熱水抽出物には、発ガンプロモーション阻害作用があること(特許文献2)が知られている。
しかしながら、オキアミタンパク質に、生活習慣病予防又は改善作用があることは知られていない。
栄養学雑誌,Vol.48,No.5,213-220(1990).
栄養学雑誌,Vol.38,No.6,311-319(1980).
本発明の目的は、天然物由来の成分から、肥満症、内臓脂肪蓄積、高脂血症、高尿酸血症、肝臓疾患等の生活習慣病の予防、治療又は改善剤を見出すことにある。
かかる実状に鑑み、本発明者は鋭意検討を行った結果、オキアミ由来の成分のうち、油脂でなくオキアミタンパク質に、優れた内臓脂肪(特に腸間膜脂肪)蓄積、肥満症、高脂血症、高尿酸血症や肝臓疾患等の生活習慣病の予防、治療又は改善効果があることを見出した。
すなわち、本発明は、オキアミタンパク質を有効成分とする生活習慣病予防又は改善剤を提供するものである。
オキアミタンパク質は、優れた抗尿酸上昇効果、抗内臓脂肪蓄積効果、抗遊離脂肪酸上昇効果や抗AST上昇効果を有するので、本発明の生活習慣病予防又は改善剤は、高尿酸血症、内臓脂肪(特に腸間膜脂肪)蓄積、肥満症、高脂血症や肝臓疾患等を予防、治療、改善することができる。
本発明において有効成分として含有するオキアミタンパク質は、オキアミに含まれるタンパク質である。
本発明で用いられるオキアミとしては、この種類は特に限定されないが、ナンキョク(南極)オキアミ(Euphausia superba)が好ましく、原料として使用する形態は特に限定されず、非加熱品又は加熱品の何れでもよいが、該オキアミの非加熱品が好ましい。該非加熱品としては、例えば、漁獲後すぐのものだけではなく、通常の保管方法で保管されるもの、具体的には、冷蔵品、冷凍品、乾燥品(例えば、冷風乾燥品、自然乾燥品、凍結乾燥品等)等が挙げられ、このうち、品質管理上、冷凍品であるが好ましい。また、これらは原料として使用する際に、適宜加水、解凍、乾燥等を行った後に使用してもよく、例えば、乾燥品は水を含ませて、また冷凍品は解凍して、使用すればよい。
オキアミタンパク質としては、例えば、オキアミを圧搾して得られた圧搾液やオキアミから水抽出して得られた水抽出物をそのまま、またこれらを脱塩処理したものを利用することもできる。また例えば、オキアミ、該圧搾液や該水抽出物等から加熱凝固や塩析等の一般的な採取方法にて得られたタンパク質(例えば、加熱凝固物、塩析物等)を利用してもよく、必要に応じてこれらを凍結乾燥や噴霧乾燥等の乾燥により固化物としたものを利用してもよい。この固化物の形態は、配合する対象によって、適宜、液状、ペースト状、粉末状、粉砕状等にすればよい。
オキアミタンパク質としては、例えば、オキアミを圧搾して得られた圧搾液やオキアミから水抽出して得られた水抽出物をそのまま、またこれらを脱塩処理したものを利用することもできる。また例えば、オキアミ、該圧搾液や該水抽出物等から加熱凝固や塩析等の一般的な採取方法にて得られたタンパク質(例えば、加熱凝固物、塩析物等)を利用してもよく、必要に応じてこれらを凍結乾燥や噴霧乾燥等の乾燥により固化物としたものを利用してもよい。この固化物の形態は、配合する対象によって、適宜、液状、ペースト状、粉末状、粉砕状等にすればよい。
水抽出は、一例として、オキアミの0.01〜10倍量の水を用い、低温、常温又は加温下で、液液分液や固液分液、浸漬、攪拌、超音波、水蒸気、還流、超臨界抽出等の一般的な抽出手段にて、1分間〜10日間行う。抽出温度は、4〜105℃であるのが好ましく、具体的には、低温抽出の場合4〜10℃が好ましく、常温抽出の場合10〜30℃が好ましく、加温抽出の場合70〜105℃が好ましい。
加熱凝固は、オキアミ、又は該圧搾液や該水抽出物に、水蒸気や熱水、ヒーター、直火等により、好ましくは60〜121℃、より好ましくは70〜105℃、更に好ましくは90〜100℃まで加温し、必要に応じて撹拌しながら行う。
また、塩析は、オキアミ、又は該圧搾液や該水抽出物等のタンパク質含有の水溶液に、他の物質(主として無機塩類)を加えて、必要に応じて撹拌しながら、溶けているタンパク質を析出させる。
加熱凝固物や塩析物の採取は、特に限定されず、例えば、遠心分離、デカンテーション、ろ別等にて行うことができる。
また、塩析は、オキアミ、又は該圧搾液や該水抽出物等のタンパク質含有の水溶液に、他の物質(主として無機塩類)を加えて、必要に応じて撹拌しながら、溶けているタンパク質を析出させる。
加熱凝固物や塩析物の採取は、特に限定されず、例えば、遠心分離、デカンテーション、ろ別等にて行うことができる。
なお、脱塩処理は、特に限定されず、例えば限外ろ過、ゲルろ過、逆浸透、電気透析等にて行うことができる。脱塩処理により、オキアミに多く含まれる食塩等の塩類を低減又は除去することができる。
前記圧搾液や水抽出物、前記加熱凝固物や塩析物等が水分を多く含む場合には、本発明の薬理作用が損なわれない範囲で適宜水洗や乾燥をしてもよい。これにより、取り扱いを容易にしたり、夾雑物を除去することができる。
前記圧搾液や水抽出物、前記加熱凝固物や塩析物等が水分を多く含む場合には、本発明の薬理作用が損なわれない範囲で適宜水洗や乾燥をしてもよい。これにより、取り扱いを容易にしたり、夾雑物を除去することができる。
本発明においては、タンパク質の純度を高め、脂質を除去するために、前記圧搾液や水抽出物、また前記加熱凝固物や塩析物等の上記で得られたものを、一般的な脱脂方法にて、脱脂するのが望ましい。
脱脂方法としては、特に限定されず、例えば、遠心分離、デカンテーション等の物理的方法;アルコール類(好ましくは、メタノール、エタノール、ブタノール等の炭素数1〜4のもの)、アセトン、ヘキサン等の脂溶性有機溶媒を用いる方法(例えば、固液分液、攪拌、還流等);二酸化炭素等を用いた超臨界抽出法等が挙げられる。なお、脂溶性有機溶媒は水を含んでいてもよく、例えば、含水脂溶性有機溶剤としては、アルコール類濃度60〜100容量%の含水アルコール類等が挙げられる。なお、安全性の面から、食品用途に用いることができる有機溶媒で脱脂することが特に好ましい。
このうち、加熱凝固物の脱脂処理の一例として、適宜粉砕や細断等を行った加熱凝固物1kgに対して、エタノール濃度60〜100容量%(好ましくは90〜100容量%)の含水エタノール0.05〜10L(好ましくは0.1〜6L)を添加して、室温(好ましくは10〜30℃)で、適宜1〜60分間撹拌し、ろ別して、固形分(脱脂加熱凝固物)を得る。脱脂加熱凝固物中の脂質を更に低減するため、必要に応じて前記脱脂方法にて、再び脱脂を行えばよい。例えば、該固形分に更に前記含水エタノールを0.05〜10L添加して、常圧で、30分間〜4時間(好ましくは1〜3時間)還流を行い、より脱脂された固形分(脱脂加熱凝固物)を得る。還流は、更に1〜2回繰り返し行ってもよい。また、適宜粉砕や細断等を行った加熱凝固物1kgに対して、上記含水エタノール等を用いた直接還流を行ってもよい。
得られた脱脂加熱凝固物は、自然乾燥、冷風乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の乾燥にて乾燥品としてもよい。
脱脂方法としては、特に限定されず、例えば、遠心分離、デカンテーション等の物理的方法;アルコール類(好ましくは、メタノール、エタノール、ブタノール等の炭素数1〜4のもの)、アセトン、ヘキサン等の脂溶性有機溶媒を用いる方法(例えば、固液分液、攪拌、還流等);二酸化炭素等を用いた超臨界抽出法等が挙げられる。なお、脂溶性有機溶媒は水を含んでいてもよく、例えば、含水脂溶性有機溶剤としては、アルコール類濃度60〜100容量%の含水アルコール類等が挙げられる。なお、安全性の面から、食品用途に用いることができる有機溶媒で脱脂することが特に好ましい。
このうち、加熱凝固物の脱脂処理の一例として、適宜粉砕や細断等を行った加熱凝固物1kgに対して、エタノール濃度60〜100容量%(好ましくは90〜100容量%)の含水エタノール0.05〜10L(好ましくは0.1〜6L)を添加して、室温(好ましくは10〜30℃)で、適宜1〜60分間撹拌し、ろ別して、固形分(脱脂加熱凝固物)を得る。脱脂加熱凝固物中の脂質を更に低減するため、必要に応じて前記脱脂方法にて、再び脱脂を行えばよい。例えば、該固形分に更に前記含水エタノールを0.05〜10L添加して、常圧で、30分間〜4時間(好ましくは1〜3時間)還流を行い、より脱脂された固形分(脱脂加熱凝固物)を得る。還流は、更に1〜2回繰り返し行ってもよい。また、適宜粉砕や細断等を行った加熱凝固物1kgに対して、上記含水エタノール等を用いた直接還流を行ってもよい。
得られた脱脂加熱凝固物は、自然乾燥、冷風乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の乾燥にて乾燥品としてもよい。
本発明においては、オキアミタンパク質を多量に含むオキアミ加熱凝固物の脱脂物を用いるのが好ましい。
斯様にして得られたオキアミ加熱凝固物の脱脂物中のタンパク質含量は、乾燥重量換算で、40〜100重量%、より50〜99.99重量%、更に60〜99.99重量%、より更に80〜99.99重量%、特に85〜99.99重量%であるのが好ましい。またオキアミ加熱凝固物の脱脂物中には脂質を含んでいてもよいが、この場合の脂質含量は、乾燥重量換算で、0.01〜20重量%、より0.01〜15重量%、更に0.01〜10重量%、より更に0.01〜5重量%、特に0.01〜3重量であるのが好ましい。
ここで、タンパク質含量は、粗タンパク質含量を意味し、これは、ケルダール法にて算出したものである。
また、ここで、乾燥重量換算とは、全重量から水分重量を引いた重量当たりの各成分の重量%である。
なお、キチンを含有することは妨げない。
ここで、タンパク質含量は、粗タンパク質含量を意味し、これは、ケルダール法にて算出したものである。
また、ここで、乾燥重量換算とは、全重量から水分重量を引いた重量当たりの各成分の重量%である。
なお、キチンを含有することは妨げない。
後記実施例に示すように、本発明のオキアミタンパク質は腸間膜脂肪重量減少作用、総内臓脂肪重量減少作用、血中尿酸上昇抑制作用、血中遊離脂肪酸上昇抑制作用、及び血中AST上昇抑制作用を有するので、内臓脂肪蓄積、肥満症、高尿酸血症、高脂血症(例えば、高コレステロール血症、高中性脂肪血症)又は肝疾患(例えば、急性肝炎、劇症肝炎、 慢性肝炎、アルコール性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝癌等)等の生活習慣病の予防、治療又は改善に有効である。従って、本発明のオキアミタンパク質は、生活習慣病予防又は改善剤として使用でき、更にこの製剤を製造するために使用することができる。斯かる生活習慣病予防又は改善剤は、上述のような各効果を発揮する、ヒト若しくは非ヒト動物用の医薬品、食品、機能性食品等として又はこれらの有効成分として配合して使用することができる。
本発明の生活習慣病予防又は改善剤を、医薬品として使用する場合には、本発明のオキアミタンパク質単体でも使用することができるが、この他の配合成分として、内臓脂肪蓄積や生活習慣病等の予防及び治療効果を損なわない範囲において、例えば、セルロース及びその誘導体、デンプン及びその誘導体、天然及び合成高分子等の賦形剤、ステアリン酸及びその塩類、天然及び合成ワックス等の滑沢剤、糖類、酸味剤、香料等の種々の担体を配合することができる。また、本発明の医薬品は、投与方法、投与経路に応じて散剤、顆粒剤、錠剤、丸剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤等の剤型とすることができる。
また、本発明のオキアミタンパク質は天然由来の素材なので、本発明の生活習慣病予防又は改善剤を食品として又は食品に配合して用いてもよく、本発明のオキアミタンパク質をそのまま食材に混合したり、原材料として加工して用いたりすることができる。本発明の食品は、例えば、飲料、茶、スープ、ゼリー、ヨーグルト、プリン、ドレッシング、ジャム、マヨネーズなどの液状あるいは半固形食品や、ふりかけ、アイスクリーム、シャーベット、麺類、パン、菓子類、ハム、ソーセージなど粉末状あるいは固形状の食品や、味噌、醤油、焼肉のたれ等の調味料等が挙げられる。
さらに、本発明の薬理効果を損なわない範囲で、内臓脂肪蓄積や生活習慣病等の予防、治療又は改善効果が知られている公知の他の素材、内臓脂肪蓄積や生活習慣病等の予防、治療又は改善効果以外の生理活性効果が知られている公知の他の素材を配合しても良い。例えば、ガルシニアエキス、オキアミオイル、魚油、月見草油、ビタミン類、食物繊維、大豆イソフラボン、イチョウ葉エキスなどが挙げられる。
本発明の製剤中のオキアミタンパク質の含有量は、乾燥物換算で、通常0.01〜100重量%、0.1〜100重量%であるのが好ましい。本発明のオキアミタンパク質の投与量又は摂取量は、特に限定されないが、成人(60kg)1日当たり、通常10〜100,000mg、より100〜10,000mgであるのが好ましく、1回〜数回に分けて投与又は摂取するのが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
製造例1
南極海にて漁獲し、冷凍したオキアミ(Euphausia superba)(生冷)を室温で解凍した。この解凍オキアミをフィルタースクリュープレスを用いて圧搾した。得られた圧搾液を蒸気式加熱釜(ライスボイラー)にて95℃まで加温し、発生した加熱凝固物をステンレス製市販ザルにて自然落下法にて分別した。得られた加熱凝固物の組成を表1に示す。
水分は、105℃恒量での減量にて測定した。
粗タンパク質は、ケルダール法にて測定した。
脂質は、Bligh-Dyer法にて測定した。
脂質組成は、ベンゼン:クロロホルム:酢酸=150:60:1.5の展開溶媒により分離した各脂質成分を薄層自動検出装置(三菱化学ヤトロン社製、型式イアトロスキャン(登録商標)MK-6)を用いて測定した。
灰分は、直接灰化法にて測定した。
南極海にて漁獲し、冷凍したオキアミ(Euphausia superba)(生冷)を室温で解凍した。この解凍オキアミをフィルタースクリュープレスを用いて圧搾した。得られた圧搾液を蒸気式加熱釜(ライスボイラー)にて95℃まで加温し、発生した加熱凝固物をステンレス製市販ザルにて自然落下法にて分別した。得られた加熱凝固物の組成を表1に示す。
水分は、105℃恒量での減量にて測定した。
粗タンパク質は、ケルダール法にて測定した。
脂質は、Bligh-Dyer法にて測定した。
脂質組成は、ベンゼン:クロロホルム:酢酸=150:60:1.5の展開溶媒により分離した各脂質成分を薄層自動検出装置(三菱化学ヤトロン社製、型式イアトロスキャン(登録商標)MK-6)を用いて測定した。
灰分は、直接灰化法にて測定した。
製造例2
製造例1で得られた加熱凝固物(冷凍品)300kgをフローズンカッターにて粉砕し、92%エタノールを1000リットル添加して、15分間撹拌し、60メッシュにて排液することにより固形分を得た。さらに固形分に92%エタノールを1000リットル添加して常圧で2時間還流させ脂質を洗浄した後、60メッシュにて排液することを2回繰り返して、さらに自然乾燥させて、脱脂加熱凝固物50kgを得た。得られた脱脂加熱凝固物の組成を表2に示す。
粗繊維は、粗繊維測定法にて測定した。
製造例1で得られた加熱凝固物(冷凍品)300kgをフローズンカッターにて粉砕し、92%エタノールを1000リットル添加して、15分間撹拌し、60メッシュにて排液することにより固形分を得た。さらに固形分に92%エタノールを1000リットル添加して常圧で2時間還流させ脂質を洗浄した後、60メッシュにて排液することを2回繰り返して、さらに自然乾燥させて、脱脂加熱凝固物50kgを得た。得られた脱脂加熱凝固物の組成を表2に示す。
粗繊維は、粗繊維測定法にて測定した。
製造例3
南極海にて漁獲し、冷凍したオキアミ(Euphausia superba)(生冷)を室温で解凍した。この解凍オキアミを2倍量の水に5時間浸し、ガーゼにてろ過したろ液を凍結乾燥して固形物を得た。
南極海にて漁獲し、冷凍したオキアミ(Euphausia superba)(生冷)を室温で解凍した。この解凍オキアミを2倍量の水に5時間浸し、ガーゼにてろ過したろ液を凍結乾燥して固形物を得た。
実施例1
製造例2で製造されたオキアミ脱脂加熱凝固物を配合した高脂肪餌(表3)をウィスターラット(6週齢、n=7)に28日間摂取させた。給餌は、後述の比較例1と比較例2と実施例1が同じ摂餌量になるように行った。具体的には、比較例1に自由摂取させた摂餌量と同じになるように給餌量を調整し、いずれの例も摂取期間1日あたりの摂餌量は、20.5gと十分な量であった。実施例1と比較例1に体重の有意差は無かった。29日目にエーテル麻酔下で下大静脈より血液採取を行い、さらに、内臓脂肪(腸間膜脂肪)を採取・秤量した。採取した血液は血清を分離し、自動分析機(日立製作所製)により、尿酸(酵素法)、遊離脂肪酸(酵素法)及びAST(JSCC標準化対応法)等の分析を行った。
製造例2で製造されたオキアミ脱脂加熱凝固物を配合した高脂肪餌(表3)をウィスターラット(6週齢、n=7)に28日間摂取させた。給餌は、後述の比較例1と比較例2と実施例1が同じ摂餌量になるように行った。具体的には、比較例1に自由摂取させた摂餌量と同じになるように給餌量を調整し、いずれの例も摂取期間1日あたりの摂餌量は、20.5gと十分な量であった。実施例1と比較例1に体重の有意差は無かった。29日目にエーテル麻酔下で下大静脈より血液採取を行い、さらに、内臓脂肪(腸間膜脂肪)を採取・秤量した。採取した血液は血清を分離し、自動分析機(日立製作所製)により、尿酸(酵素法)、遊離脂肪酸(酵素法)及びAST(JSCC標準化対応法)等の分析を行った。
比較例1
対照の高脂肪餌(表3)をウィスターラット(6週齢、n=7)に28日間摂取させた。給餌は、実施例1と同様に行った。以下、実施例1と同様に行った。
対照の高脂肪餌(表3)をウィスターラット(6週齢、n=7)に28日間摂取させた。給餌は、実施例1と同様に行った。以下、実施例1と同様に行った。
比較例2
ラードを含まない餌(表3)をウィスターラット(6週齢、n=7)に28日間摂取させた。給餌は、実施例1と同様に行った。以下、実施例1と同様に行った。
ラードを含まない餌(表3)をウィスターラット(6週齢、n=7)に28日間摂取させた。給餌は、実施例1と同様に行った。以下、実施例1と同様に行った。
結果
オキアミの脱脂加熱凝固物(実施例1)は、オキアミの脱脂加熱凝固物無添加(比較例1)に比べ、ラットに対して抗内臓脂肪蓄積効果を示した。(図1)この効果は、特に腸間膜脂肪において顕著であった。(図2)
オキアミの脱脂加熱凝固物(実施例1)は、オキアミの脱脂加熱凝固物無添加(比較例1)に比べ、抗尿酸上昇効果を示した(図3)。
また、オキアミの脱脂加熱凝固物(実施例1)は、オキアミの脱脂加熱凝固物無添加(比較例1)に比べ、抗遊離脂肪酸上昇効果を示した(図4)。
また、オキアミの脱脂加熱凝固物(実施例1)は、オキアミの脱脂加熱凝固物無添加(比較例1)に比べ、抗肝臓疾患効果を示した(図5)。
オキアミの脱脂加熱凝固物(実施例1)は、オキアミの脱脂加熱凝固物無添加(比較例1)に比べ、ラットに対して抗内臓脂肪蓄積効果を示した。(図1)この効果は、特に腸間膜脂肪において顕著であった。(図2)
オキアミの脱脂加熱凝固物(実施例1)は、オキアミの脱脂加熱凝固物無添加(比較例1)に比べ、抗尿酸上昇効果を示した(図3)。
また、オキアミの脱脂加熱凝固物(実施例1)は、オキアミの脱脂加熱凝固物無添加(比較例1)に比べ、抗遊離脂肪酸上昇効果を示した(図4)。
また、オキアミの脱脂加熱凝固物(実施例1)は、オキアミの脱脂加熱凝固物無添加(比較例1)に比べ、抗肝臓疾患効果を示した(図5)。
実施例2
製造例2の脱脂加熱凝固物配合餌(表4、実施例2−1)をウィスターラット(7週齢、n=6)に7日間摂取させた。その後、製造例2の脱脂加熱凝固物配合のイノシン酸Na負荷餌(表5、実施例2−2)をウィスターラットに7日間摂取させた。給餌は、後述の比較例3と比較例4と実施例2が同じ摂餌量になるように行った。具体的には、比較例4に自由摂取させた摂餌量と同じ摂餌量になるように給餌量を調整した。いずれの例も摂取期間1日あたりの摂餌量は、前半が24.7g、後半が26.6gと十分な量であった。実施例2と比較例3および4に体重の有意差は無かった。15日目にエーテル麻酔下で下大静脈より血液採取を行い、血清を分離し、自動分析機(日立製作所製)により、尿酸(酵素法)の分析を行った。
製造例2の脱脂加熱凝固物配合餌(表4、実施例2−1)をウィスターラット(7週齢、n=6)に7日間摂取させた。その後、製造例2の脱脂加熱凝固物配合のイノシン酸Na負荷餌(表5、実施例2−2)をウィスターラットに7日間摂取させた。給餌は、後述の比較例3と比較例4と実施例2が同じ摂餌量になるように行った。具体的には、比較例4に自由摂取させた摂餌量と同じ摂餌量になるように給餌量を調整した。いずれの例も摂取期間1日あたりの摂餌量は、前半が24.7g、後半が26.6gと十分な量であった。実施例2と比較例3および4に体重の有意差は無かった。15日目にエーテル麻酔下で下大静脈より血液採取を行い、血清を分離し、自動分析機(日立製作所製)により、尿酸(酵素法)の分析を行った。
比較例3
ウィスターラット(7週齢、n=6)に無処置の餌(表4、比較例3−1)を7日間摂取させた。その後、対照のイノシン酸Na負荷餌(表5、比較例3−2)をウィスターラットに7日間摂取させた。給餌量は実施例2と同様に行った。以下、実施例2と同様に行った。
ウィスターラット(7週齢、n=6)に無処置の餌(表4、比較例3−1)を7日間摂取させた。その後、対照のイノシン酸Na負荷餌(表5、比較例3−2)をウィスターラットに7日間摂取させた。給餌量は実施例2と同様に行った。以下、実施例2と同様に行った。
比較例4
ウィスターラット(7週齢、n=6)に無処置の餌(表4、比較例4−1)を7日間摂取させた。その後、無処置の餌(表5、比較例4−2)をウィスターラットに7日間摂取させた。給餌量は実施例2と同様に行った。以下、実施例2と同様に行った。
ウィスターラット(7週齢、n=6)に無処置の餌(表4、比較例4−1)を7日間摂取させた。その後、無処置の餌(表5、比較例4−2)をウィスターラットに7日間摂取させた。給餌量は実施例2と同様に行った。以下、実施例2と同様に行った。
オキアミ脱脂加熱凝固物(実施例2)は、イノシン酸Na負荷餌(比較例3)に比べ、抗尿酸上昇効果を示した。実施例2の尿酸値は、イノシン酸Na負荷にも拘わらず、比較例4のイノシン酸Naを負荷しない例と同程度であった(図6)。すなわち、抗尿酸上昇効果は、図3及び図6から明らかなように、高脂肪負荷であっても、プリン体(イノシン酸Na)負荷であっても認められることから、脂質代謝やプリン体吸収阻害ではない作用機序によってなされているものである。
以上のことから、オキアミタンパク質には、抗尿酸上昇効果、抗遊離脂肪酸上昇効果、抗内臓脂肪蓄積効果や抗肝臓疾患効果があることが認められたので、本発明のオキアミタンパク質を有効成分とする医薬やこれを配合して含有する食品等には、高尿酸血症、高脂血症、内臓脂肪蓄積、肥満症や肝臓疾患等の生活習慣病の予防、治療や改善効果が期待できる。
Claims (7)
- オキアミタンパク質を有効成分とする生活習慣病の予防又は改善剤。
- 生活習慣病が、高尿酸血症、内臓脂肪蓄積、肥満症、高脂血症、又は肝臓疾患である請求項1記載の生活習慣病の予防又は改善剤。
- 腸間膜脂肪蓄積の予防若しくは改善剤、又は血中遊離脂肪酸濃度低下剤である請求項1又は2の記載の生活習慣病の予防又は改善剤。
- オキアミタンパク質として、オキアミ圧搾液の加熱凝固物の脱脂物を配合したものである請求項1〜3の何れか1項記載の生活習慣病の予防又は改善剤。
- オキアミ圧搾液の加熱凝固物の脱脂物が、タンパク質含量40〜99.99重量%及び脂質含量0.01〜20重量%を含むものである請求項4記載の生活習慣病の予防又は改善剤。
- オキアミがナンキョクオキアミ(Euphausia superba)である請求項1〜5の何れか1項記載の生活習慣病の予防又は改善剤。
- オキアミタンパク質の含有量が、乾燥重量換算で、0.1〜100重量%である請求項1〜6の何れか1項記載の生活習慣病の予防又は改善剤。
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2009
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CN110478373A (zh) * | 2019-09-23 | 2019-11-22 | 中国水产科学研究院东海水产研究所 | 南极磷虾油在制备抗高尿酸血症或抗痛风的药物或保健食品中的应用 |
CN110478373B (zh) * | 2019-09-23 | 2023-04-18 | 中国水产科学研究院东海水产研究所 | 南极磷虾油在制备抗高尿酸血症或抗痛风的药物中的应用 |
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