JP2008184392A - シークワーシャー由来の脂質代謝改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、生活習慣病やメタボリックシンドロームの発症・進展を抑制・防止する脂質代謝改善剤に関するものである。
【解決手段】本発明は、シークワーシャーを搾って得られるシークワーシャー残渣を含む脂質代謝改善用改善剤を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、脂質代謝改善組成物、特にシークワーシャー由来の成分が脂質代謝を改善するための脂質代謝改善剤およびそれらの組成物に関する。
シークワーシャー(Citrus depressa HAYATA)は、日本原産の小型柑橘類の一つであり、沖縄をはじめとする南方諸島で栽培されている。本作物は、主に果汁ジュースの製造に用いられる他、調味料などの酸味や香りを加えるため使用されている。シークワーシャーは、圧搾・搾汁後、果汁画分をジュースとして製造・販売されている。
例えば、特許文献1には、洗浄したシークワーサーを圧搾処理し、シークワーサー果汁とシークワーサー残渣を分離し、残渣を廃棄した後シークワーサー果汁を遠心分離してシークワーサージュースとシークワーサー精油とに分離する方法が開示されている。
一方、圧搾・搾汁された後の多量の残渣の多くは廃棄されているのが現状である。その圧搾・搾汁された後の多量の残渣を廃棄せず利用する技術として例えば、特許文献2に、シークワーサー残渣を焙煎した後ゴーヤー茶と混合してティーパック用茶にする技術が開示されている。
また、シークワーサーを柑橘類として考えて、その有効成分に着目した技術として例えば、特許文献3には温州みかんまたは伊予柑のじょうのう膜の主要成分である食物繊維が胆汁酸と結合、吸着することからコレステロールを低下させ、およびアミン誘導体(シネフリン)が脂質の吸収を低下させることが開示されている(明細書 段落「0017」、「0018」、「0022」など)。
さらに、柑橘類のじょうのう膜を原料とした内容が、特許文献4に開示されている。この特許文献4では、オリフィスディスチャージ排出物に含まれるじょうのう膜を主成分とする原料で生産され、膵リパーゼを阻害し脂質の吸収を低下させることが開示されている(明細書 段落「0001」、「0011」など)。
高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、近年、著しく増加している。さらに、最近、肥満とくに内臓脂肪型肥満が、これらの生活習慣病を二次的・副次的に発症・進展させ、動脈硬化の発症の危険性を相乗的に増加させることが報告されており、メタボリックシンドロームとも呼ばれている。これらの生活習慣病やメタボリックシンドロームの発症・進展は、脂質代謝異常と密接に関連している。我々が毎日食する食品にはこれらの疾患につながる脂質代謝異常の発症・進展を抑制する成分が含有されていることが知られている。その解決策として上記の特許文献3〜5に挙げられるような柑橘類のじょうのう膜を原料とした従来から周知な食物繊維の腸肝循環と、アミン誘導が脂肪細胞を刺激する作用、膵リパーゼを阻害し脂質の吸収を低下させる作用、血圧低下作用、または血糖値低下作用とを組み合わせた発明があった。
特開2003−183690号公報 特開2005−204586号公報 特開2006−225278号公報 特開2005−40107号公報 特開2001−240539号公報
しかしながら、上記の特許文献1はシークワーサー果汁の分離に関するものであり、また上記の特許文献2はシークワーサー残渣を茶として利用するため、シークワーサーの外果皮やじょうのう膜に含まれる食物繊維を効率よく摂取できない問題があった。また、茶殻も一般的には廃棄されるため、多量の残渣シークワーサー残渣を完全に有効利用していないという問題があった。さらに上記の特許文献3〜5は生化学的な作用・効果が完全に特定できないためその効能や安全性に関する問題があった。
そこで、本発明は上記の問題を解決し、かつ生活習慣病やメタボリックシンドロームの発症・進展を抑制・防止するために本発明の発明者らは鋭意努力し、シークワーシャー残渣が脂肪酸合成酵素の活性を抑制すること、およびカルニチンアシルトランスフェラーゼの活性を上昇させることを見出した。すなわち、本発明は、シークワーシャーを搾って得られるシークワーシャー残渣からなる脂質代謝改善剤により上記課題を解決する。
本発明によれば、血清コレステロール濃度の低下作用、血清HDLコレステロール濃度の上昇作用、血清中性脂肪濃度低下作用、血清過酸化脂質濃度低下作用、肝臓コレステロール濃度低下作用、肝臓コレステロールエステル化率低下作用、肝臓中性脂肪濃度低下作用、白色脂肪組織重量低下作用、脂肪酸のβ−酸化を介した熱産生を行なう褐色脂肪組織重量の上昇作用、糞重量増加作用、糞中総ステロイドの排泄増加作用だけではなく、肝臓での脂肪酸合成酵素活性低下作用、カルニチンアシルトランスフェラーゼの活性を上昇させる作用を有するため、相乗効果的に生活習慣病やメタボリックシンドロームの発症・進展を抑制・防止することができ、さらにはシークワーシャーの残渣の完全な有効利用をすることができる。
本発明は、シークワーシャーを搾って得られるシークワーシャー残渣からなる脂質代謝改善剤である。
これにより、生活習慣病やメタボリックシンドロームの発症・進展を抑制・防止することができ、かつ圧搾・搾汁された後の多量のシークワーシャー残渣を有効活用することができる。
なお、「シークワーシャー残渣」とは、一般的にはシークワーシャー果実を絞って果汁を取り出した後の、果汁以外のもの(すなわち、砂じょう(果肉残滓)、内菓皮、外菓皮、およびじょうのう膜から選択される少なくとも一つ)の総称をいうが、本発明に係る「シークワーシャー残渣」には乾燥残渣(すなわち、シークワーシャー果実を絞って果汁を取り出した後の、果汁以外のものを乾燥させたものをいう。)および非乾燥残渣(すなわち、シークワーシャー果実を絞って果汁を取り出した後の、果汁以外のものを乾燥させていないものをいう。)の両方を含む概念であり、一部または全部の果汁、種を含んでもよい。
本発明に係るシークワーシャーの残渣は、シークワーシャーの砂じょう(果肉残滓)、内菓皮、外菓皮、およびじょうのう膜からなる群から選択される少なくとも一つを含むものであればどのようなものでもよく特に制限されず、例えばクラッシャーなどで切断破砕処理、フードスライサー、2つの圧縮ロールの間に10〜20メッシュ程度のエンドレスのネットをはさんで回転させ、果実を連続的に供給し、2つの圧縮ロールで搾汁するようなロールプレス搾汁機や、果実を濾布に包み圧縮して搾汁する、濾布プレス機や、遠心濾過式分離装置、インライン搾汁機、またはチョッパーパルパー搾汁機などで圧搾や搾汁された残留物などが挙げられる。
本発明に係るシークワーシャー残渣は、シークワーシャーを搾った後、真空凍結乾燥、熱風乾燥、通風乾燥、遠赤外線乾燥、減圧乾燥、マイクロ波減圧乾燥および加熱蒸気乾燥等を用いて乾燥処理を行うことが好ましい。前記乾燥方法は、シークワーシャー残渣が有する脂質代謝改善作用を損なわなければ特に制限はない。例えば、45〜55℃で85〜120時間の通風乾燥すること、または40℃で75〜120時間の通風乾燥することを挙げることができる。
本発明に係るシークワーシャー残渣の乾燥温度は、好ましくは−80〜100℃、より好ましくは40〜70℃、さらに好ましくは45〜55℃である。乾燥温度が−80℃未満だと効率的な乾燥が望めなく、100℃未満だと脂質代謝改善作用が消失する可能性があるからである。
本発明に係るシークワーシャー残渣の乾燥時間は、限定されないが、好ましくは5〜120時間、より好ましくは5〜100時間、さらに好ましくは17〜95時間である。
また、本発明に係るシークワーシャー残渣は、シークワーシャー搾った後、シークワーシャー果汁と、シークワーシャー残渣とを分離して得られることが好ましい。
そのため、本発明に係るシークワーシャー残渣は、シークワーシャー搾った後、シークワーシャー果汁と、シークワーシャー残渣とを分離した後、上記の方法で乾燥させても、乾燥させなくてもよい。
本発明に係るシークワーシャー残渣は、脂肪酸合成酵素の活性を抑制することおよび/またはカルニチンアシルトランスフェラーゼの活性を上昇させることが好ましい。
これにより、シークワーシャー残渣が脂肪酸合成酵素の活性を抑制し、および/またはカルニチンアシルトランスフェラーゼの活性を上昇させると同時に、シークワーシャー残渣に含まれる食物繊維の腸肝循環によるコレステロールの排出、脂肪細胞を刺激する作用、膵リパーゼを阻害し脂質の吸収を低下させる作用、血圧低下作用、および血糖値低下作用により生活習慣病やメタボリックシンドロームの発症・進展を抑制・防止する。
本発明に係る脂肪酸合成酵素とは、クエン酸から脂肪酸(パルミチン酸、ミスチリン酸、ステアリン酸など)を合成する過程において、アセチル転移、マロニル転移、縮合、3−オキソアシル還元、脱水、エノイル還元、パルミトイル転移などの異なった反応を触媒する多酵素複合体をいい、本明細書における「脂肪酸合成酵素の活性を阻害する」とは、クエン酸から脂肪酸(パルミチン酸、ミスチリン酸、ステアリン酸など)生成を阻害することをいい、少なくともアセチルCoAとマロニルCoAからNAD(P)Hを還元剤として脂肪酸を合成する反応を抑制・阻害することをいう。さらには、肝臓における脂肪酸合成酵素を抑制・阻害することが好ましい。
また、本発明に係る「カルニチンアシルトランスフェラーゼ」とは、脂肪酸分解反応、すなわち脂肪酸からアセチルCoAへの分解過程におけるミトコンドリア内膜外側と内側に存在する酵素であり、カルニチンアセチルトランスフェラーゼ、カルニチンオクタノイルトランスフェラーゼ、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼの三つの酵素の総称をいい、本明細書の「カルニチンアシルトランスフェラーゼの活性を上昇させる」とは、少なくともミトコンドリア内で行なわれるβ−酸化を受けるためのカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼを活性することをいい、さらには、肝臓における脂肪酸分解反応および/または褐色脂肪組織の脂肪酸分解反応を上昇させることが好ましい。
本発明に係る脂質代謝改善剤は、前記のシークワーシャーを搾って得られるシークワーシャー残渣そのままの形態でまたは前記シークワーシャーを搾って得られるシークワーシャー残渣に製薬上許容される担体を配合して経口投与用または非経口投与用組成物として患者(家畜、家禽やヒト等の哺乳動物、および魚を含む)に投与できる。本剤を経口投与用とする場合には、上記シークワーシャーを搾って得られるシークワーシャー残渣を適当な添加剤、例えば、乳糖、ショ糖、マンニット、トウモロコシデンプン、合成若しくは天然ガム、及び結晶セルロース等の賦形剤、デンプン、カルボキシメチルセルロースやメチルセルーロース等のセルロース誘導体、アラビアゴム、ゼラチン、及びポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルーロースナトリウム、デンプン、コーンスターチ、炭酸水素ナトリウム及びアルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸ナトリウム等の滑沢剤、および炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、及びリン酸ナトリウム等の充填剤または希釈剤などと適宜混合して、錠剤、散剤(粉末)、丸剤、および顆粒剤などの固型形態にすることができる。または、経口投与用の脂質代謝改善剤は、カプセル剤の形態を有していてもよく、この際、カプセルとしては、硬質あるいは軟質のゼラチンカプセルが用いられる。これらの固型製剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートフタレート、及びメタアクリレートコポリマー等の被覆用基剤を用いて腸溶性被覆を施してもよい。さらに、本発明のシークワーシャー残渣を、精製水等の一般的に用いられる不活性希釈剤またはトリカプリン、トリアセチン等のグリセリンエステル類またはエタノール等のアルコール類に懸濁して、必要に応じて、この溶液に浸潤剤、乳化剤、分散助剤若しくは界面活性剤、甘味料、フレーバー若しくは芳香物質などを適宜添加することにより、シロップ剤やエリキシル剤等の液状製剤とすることもできる。
また、本発明の脂質代謝改善剤を非経口投与用とする場合には、上記シークワーシャー残渣を精製水、リン酸緩衝液等の適当な緩衝液、生理的食塩水、リンガー溶液やロック溶液等の生理的塩類溶液、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよび慣用される防腐剤、安定剤及び界面活性剤等と適用に組み合わせた滅菌された水溶液若しくは非水溶液、懸濁液、リポソーム、またはエマルジョンとして、液状製剤化できる。この際、液状製剤は、生理学的なpH、好ましくは3.5〜8.5の範囲内のpHを有することが好ましい。また、本発明の脂質代謝改善剤を、公知の方法を用いて、軟膏、ローションまたはクリーム等の経皮用製剤として形成してもよい。
また、本発明の脂質代謝改善剤は、例えば、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸等からなる中性付近、あるいはpH5.5〜8.5の緩衝液を用い、必要に応じて防腐剤、安定剤、浸透圧調節剤等を加えて点眼剤の形態にしてもよい。
さらに、本発明の脂質代謝改善剤は、ペレットによる埋め込み、またはゼラチンソフトカプセル等の坐薬用基剤を用いた坐薬として投与されることも可能である。
上述したうち、好ましい投与形態や投与経路などは、担当の医師によって選択される。
本発明の脂質代謝改善剤中に含まれるシークワーシャー残渣の濃度は、投与時の形態、病気の種類や重篤度や目的とする投与量などによって様々であるが、一般的には、脂質代謝改善作用を発揮する割合であれば特に制限されず、原料の全重量に対して、シークワーシャー残渣(乾燥残渣)の重量が0.5〜99.5重量%、好ましくは0.5〜30重量%となる範囲である。特に、本発明の脂質代謝改善剤が経口投与される場合には、原料の全重量に対して、シークワーシャー残渣(乾燥残渣)の重量が0.5〜10重量%、より好ましくは1〜3重量%となる範囲であり、非経口投与される場合には、原料の全容量に対して、シークワーシャー残渣(乾燥残渣)の重量が0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜10重量%となる範囲であることが好ましい。この際、シークワーシャー残渣の濃度が前記上限値を超えると、均質な投与量が得られず好ましくない。これに対して、シークワーシャー残渣(乾燥残渣)の濃度が前記下限値未満であると、本発明によって得られるべき病態改善効果が十分に期待できずやはり好ましくない。
本発明の脂質代謝改善剤の投与量は、患者の年齢、体重及び症状、目的とする投与形態や方法、治療効果、および処置期間等によって異なり、正確な量は医師が決定するものである。具体的には、本発明の脂質代謝改善剤を経口投与する場合には、シークワーシャー残渣(乾燥残渣)として使用する際には、通常、0.1〜5000mg/kg体重/回、より好ましくは1〜1000mg/kg体重/回の投与量の範囲で、1日に1〜6回、より好ましくは1〜3回に分けて投与されるのが望ましい。この際、1日当たりの投与量が多い場合には、1回に複数個の錠剤等の製剤に分けて投与してもよい。また、本発明の脂質代謝改善剤を非経口投与する場合には、シークワーシャー残渣(乾燥残渣)重量に換算して、通常、0.1〜5000mg/kg体重/回、より好ましくは0.1〜500mgg/kg体重/回の投与量の範囲で、1日に1〜6回、好ましくは1〜3回に分けて投与されるのが望ましい。
本発明の脂質代謝改善剤は食品に混ぜて使用してもよく、本発明に係る食品としては、ヨーグルト、チーズ等の乳製品、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、なると、つみれ等の水産練り製品、でんぶ等の魚介類加工品、ソーセージ、フランクフルト、レバーペースト等の食肉加工品、豆腐、焼き豆腐、生揚げ、油揚げ、がんもどき、おから、凍り豆腐、湯葉等の豆製品、ピューレ等の野菜加工品、マッシュポテト、くず、はるさめ、こんにゃく、しらたき等の芋加工品、もち、白玉、白飯、麩、ビーフン、マカロニ、スパゲッティ、そうめん、そば、うどん、中華めん、食パン、乾パン、アンパン等の穀物の加工品、ジャム等の甘味類、バター、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング等の油脂類、あめ、らくがん、せんべい、あられ、カステラ、ようかん、もなか、まんじゅう、大福もち、だんご、ういろう、チョコレート、ビスケット、クッキー、ドーナツ、ケーキ、パイ、アイスクリーム、プリン、ババロア、ガム等の菓子類、豆腐、ゼリー、コンニャク、寒天またはトコロテン等のゲル状食品、コンブ、ワカメ、ノリ、テングサ等の海草類など、通常食することのできるすべての食品が挙げられる。
また、本発明の脂質代謝改善剤は飼料に混ぜて使用してもよく、本発明に係る飼料としては、ブタ、ウシ、ヒツジやヤギ等の家畜、イヌ、ネコ、ウサギやハムスター等のペット、家禽及び魚など、通常、飼育される動物用のエサはすべて含まれる。
本発明の脂質改善剤はもともと食されていたため安全でありゆえに食品や飼料に使用される量は味などに問題がなければ特に制限されない。
本発明について以下好ましい実施形態の一つを実施例として記載するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
「シークワーシャー残渣の化学組成の測定」
シークワーシャー残渣は、種子を除去し、45〜55℃で17〜19時間通風乾燥した後、ファイバーミキサーで粉砕して、シークワーシャー残渣粉末を得た。
このシークワーシャー残渣粉末の化学組成は、次の通りであった。
Figure 2008184392
「シークワーシャー残渣の調製方法およびその評価」
ラットにおけるシークワーシャー搾汁残渣粉末の脂質代謝に及ぼす影響を検討した。
シークワーシャー残渣は、種子を除去し、45〜55℃、17〜19時間通風乾燥した後、ファイバーミキサー(MX−X103−D、National)で粉砕した。なお、シークワーシャー残渣を乾燥する装置は、SP型乾燥機(SP−A、三州産業株式会社)を用いた。
4週齢雄のSprague−Dawleyラット(以下SDラットという)を室温22±1℃、湿度55±5%、8:00〜22:00点灯のライトサイクルの動物室内で飼育した。最初の1週間は市販粉末飼料CE−2を与えて予備飼育を行った。その後、ラットの体重に群間で差がないように群分けし、以下の試験食を2週間自由摂食させた。
試験食は、AIN−76組成に基づいた純化食をコントロール食とした。飼料の重量組成(g/kg)は、カゼイン200、コーン油10、ラード140、ミネラル混合(AIN−76)35、ビタミン混合(AIN−76)10、セルロース50、重酒石酸コリン2、DL−メチオニン3、コーンスターチ150およびショ糖で1000とした。
シークワーシャー搾汁残渣粉末添加群には、シークワーシャー搾汁残渣粉末を飼料総重量の3%添加し、その添加量分のショ糖を減じた。飼育期間中、摂食量は毎日、体重は1日おきに重量を測定した。
飼育終了後、腎臓周辺および睾丸周辺の白色脂肪組織を摘出し、その重量を測定して、和を算出した。シークワーシャー搾汁残渣粉末は、SDラットの白色脂肪組織質重量を低下させた。シークワーシャー搾汁残渣粉末は、最終体重には影響しなかったことから、体脂肪のみを効果的に減少させる作用を有すると判断される。
Figure 2008184392
血清高密度リポタンパク質(HDL)−コレステロール濃度は、N−テストS(ニットーボーメディカル)を用いて比色法で測定した。血清および肝臓の総脂質は、Folch法により抽出し、総脂質中のコレステロールをジギトニン沈殿法により沈殿させ、比色法によりコレステロール濃度を算出した。シークワーシャー搾汁残渣粉末は、SDラットの血清総コレステロール濃度を変化させずに、動脈硬化抑制作用を有するHDL−コレステロール濃度を増加させた。さらに、シークワーシャー搾汁残渣粉末は、肝臓コレステロール濃度を低下させた。また、血清過酸化脂質濃度をデタミナ−LPO(八木別法、協和メディックス)を用いて比色法で測定したところ、シークワーシャー搾汁残渣粉末は、血清過酸化脂質濃度を低下させた。結果を表3に示す。
Figure 2008184392
血清および肝臓総脂質中の中性脂肪は、アセチルアセトン法による比色法で測定した。その結果、シークワーシャー搾汁残渣粉末は、血清と肝臓中性脂肪濃度を効果的に低下させた。結果を表4に示す。
Figure 2008184392
血清や肝臓の中性脂肪濃度は、肝臓での脂肪合成や分解による影響を大きく受ける。また、熱産生臓器である褐色脂肪組織の重量や脂肪酸分解の影響も受けると考えられる。そこで、肝臓のミトコンドリアおよびミクロソーム画分を密度勾配超遠心法により分画した。肝臓サイトソル画分のfatty acid synthase(FAS)活性をNADPHの消費量から吸光度法で算出した。また、肝臓および褐色脂肪組織のミトコンドリア画分におけるcarnitine palmitoyltransferase(CPT)活性は、長鎖アシル−CoAから遊離するCoA量を吸光度測定し、モル吸光係数を用いて算出した。シークワーシャー搾汁残渣粉末は、脂肪酸合成に関与する肝臓サイトソル画分のFAS活性を著しく低下させ、脂肪酸分解に関与する肝臓ならびに褐色脂肪組織のミトコンドリア画分のCPT活性を増加させた。また、褐色脂肪組織重量も増加させた。シークワーシャー搾汁残渣粉末は、肝臓FAS活性を低下させることで肝臓での脂肪合成を抑制し、また、CPT活性を上昇させることで脂肪酸分解を上昇させることにより、肝臓および血清中性脂肪濃度を低下させることが明らかとなった。結果を表5に示す。
Figure 2008184392
血清および肝臓のコレステロール濃度は、肝臓でのコレステロール合成や糞中へのステロイド排泄の影響を受ける。そこで、糞中へのステロイド排泄量をガスクロマトグラフィーを用いて測定した。シークワーシャー搾汁残渣粉末は、糞中の中性および酸性ステロイド量を増加させた。結果を表6に示す。
Figure 2008184392
これらの結果から、シークワーシャー搾汁残渣は、体脂肪減少作用、血清と肝臓中性脂肪濃度低下作用、HDL−コレステロール濃度上昇作用、肝臓コレステロール濃度低下作用および血清過酸化脂質濃度低下作用を有することから、脂質代謝改善作用を発揮することが示唆された。
また、本発明に係る脂質代謝改善剤は図1〜4に示すように、脂肪酸合成酵素の活性を抑制し、および/またはカルニチンアシルトランスフェラーゼの活性を上昇させるものであることがわかる。なお、図1、3、4の血清トリグリセリドノ濃度、肝臓トリグリセリドノ濃度、肝臓脂肪酸合成酵素活性のデータは、吸光度測定(島津理化器械 UVmini−1240)を用いて測定した。
本発明に係る血清トリグリセリド濃度の結果を示す図である。 本発明に係る血清過酸化脂質濃度の結果を示す図である。 本発明に係る肝臓トリグリセリド濃度の結果を示す図である。 本発明に係る肝臓脂肪酸合成酵素活性の結果を示す図である。

Claims (6)

  1. シークワーシャーを搾って得られるシークワーシャー残渣を含む脂質代謝改善剤。
  2. 前記シークワーシャー残渣は、シークワーシャーを搾った後、−80〜100℃で5〜120時間乾燥して得られることを特徴とする、請求項1に記載の脂質代謝改善剤。
  3. 前記シークワーシャー残渣は、シークワーシャー搾った後、シークワーシャー果汁と、シークワーシャー残渣とを分離して得られることを特徴とする、請求項1に記載の脂質代謝改善剤。
  4. 前記シークワーシャー残渣は、脂肪酸合成酵素の活性を抑制することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤。
  5. 前記シークワーシャー残渣は、カルニチンアシルトランスフェラーゼの活性を上昇させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤と、製薬上許容される担体とを含む脂質代謝改善用組成物。
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