JP2009137916A - 肥満改善用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】食事タンパク質量を維持し、筋肉量や内臓重量を減少させず、体脂肪を低減させる作用及び/又は体脂肪の蓄積を抑制する作用を有する肥満改善用組成物を開発すること
【解決手段】酵母由来のタンパク質を有効成分とする肥満改善用組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は酵母由来のタンパク質を有効成分とする肥満改善用組成物に関する。
今日の日本人の食生活は急速に欧米化し、エネルギー摂取過多が進んでいる。特に摂取エネルギーに占める脂質の割合は高く、肥満を引き起こす原因となっている。
肥満は過食、運動不足、代謝障害、遺伝等、様々な因子が関係しているが、過食が直接原因であることが多い。
肥満の食餌療法は、摂取エネルギーを制限することが一般的であり、食事献立は脂質・炭水化物を抑えた内容であることが多い。しかしながら、前述した食餌療法においてはタンパク質が不足し、体脂肪ばかりでなく、骨格筋量が減少することも知られている。この骨格筋量の減少がダイエット後のリバウンドの原因の一つとなっている。
また運動療法の実行は体脂肪の低減に加え、筋肉を増大させる効果も併せ持つため、健康的な肥満療法として推奨される。しかしながら、近年の生活環境においては、運動療法を持続的に行う時間を作ることは難しい。
そこで、摂取エネルギーを制限した場合や運動ができない状況下でも、タンパク質の不足を招くことなく、筋肉量を維持できることが望ましい。
これまでに、肥満改善を目的とした脂肪低減効果および筋肉増強効果を併せ持つタンパク質としてそば粉(特許文献1)やそば粉からアルカリ性条件で抽出、乾燥して得られる組成物(非特許文献1)、分離大豆タンパク質(非特許文献2、3)や大豆タンパク質を酵素で低分子化したペプチド(非特許文献4)などの報告例がある。
しかしながら、上述のタンパク質は脂肪低減作用もしくは筋肉減少抑制作用を有するものの、いずれも摂取によって食物アレルギーを起こす原因となる原材料とされており、これらの原材料を使った食品は食物アレルギーの頻度が多く、重篤な症状を誘発するとして、利用しにくい側面がある。
したがって、より安全性の高い肥満改善用組成物についてのニーズが依然として存在する。
特開2004-166666、出願人キッセイ薬品工業株式会社、日穀製粉株式会社 Jun Kayashita, et al. ; Feeding buckwheat protein extract reduces hepatic triglyceride concentration, adipose tissue weight, and hepatic lipogenesis in rats, Journal of Nutritional Biochemistry, 1996, 7:10 555-559 Toshiaki Aoyama, PhD, Kensuke Fukui, MSc, Kiyoharu Takamatsu, PhD, Yukio Hashimoto, BS, and Yamamoto PhD (2000) Soy Protein Isolate and Its hydrolysate Reduce Body Fat of Dietary Obese Rats and Genetically Obese Mice (Yellow KK). Nutrition 16:349-354 石原健吾、福智喜子、水野谷航、瀬川貴久美、高橋美希、平山晃守、岡邊有紀、柴草哲朗、伏木亨、安本教博;糖尿病モデルマウスにおいて食餌中の大豆たんぱく質が糖質および脂質の酸化に及ぼす効果;大豆たん白質研究 2002; 5:92-98 Kengo Ishihara, Yoshiko Fukuchi Wataru Mizunoya, Yukiko Mita, Yoko Fukuya, Tohru Fushiki, and Kyoden Yasumoto (2003) Amino acid composition of soybean protein increased postprandial carbohydrate oxidation in diabetic mice. Bioscience Biotechnology Biochemistry 67(12):2505-2511
本発明の目的は、食事タンパク質量を維持し、筋肉量や内臓重量を減少させず、体脂肪を低減させる作用及び/又は体脂肪の蓄積を抑制する作用を有する肥満改善用組成物を開発することである。
本発明は、食物アレルギーの原因となる可能性が低く、食経験の豊富なものの中から酵母由来のタンパク質が筋肉量の低下を抑制し、体脂肪量の低下を促進する作用を見出し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は以下の特徴を包含する:
(1) 酵母由来のタンパク質を有効成分とする肥満改善用組成物。
(2) 酵母由来のタンパク質が、酵母菌体の加熱処理と細胞壁溶菌酵素処理とにより得られることを特徴とする上記(1)記載の肥満改善用組成物。
(3) 肥満改善効果が筋肉量低下抑制及び脂肪量低下促進効果であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の肥満改善用組成物。
(4) 炭水化物、油脂、並びにビタミン類及びミネラル類をさらに含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の肥満改善用組成物。
(5) 20〜50重量%の酵母由来のタンパク質、30〜60重量%の炭水化物、5〜10重量%の油脂、並びにビタミン類及びミネラル類をさらに含むことを特徴とする上記(4)記載の肥満改善用組成物。
(6) 組成物が飲食品又は医薬であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか記載の肥満改善用組成物。
(7) 肥満を改善するための飲食品又は医薬の製造における上記(1)〜(5)のいずれか記載の組成物の使用。
本発明の組成物によれば、肥満解消のためのエネルギー制限による筋肉量の低下を抑制しつつ、蓄積した内臓脂肪及び皮下脂肪の低下を促進することができる。
また、本発明の組成物は、上記の通り内臓脂肪及び皮下脂肪の蓄積を抑制する効果を有するため、肥満の改善又は予防に有益である。
本発明で使用する「肥満改善」という用語は、脂肪量低下の促進の他、ダイエット後のリバウンドの原因の一つである筋肉量低下の抑制を含むことを意図して使用される。
本発明でいう「筋肉量」とは、内臓を除く、骨格筋のことをいう。筋肉量を測定する方法として、部位別に摘出した重量測定、或いは非侵襲的測定方法としては生体電気インピーダンス法、二重X線吸収測定法、核磁気共鳴画像診断法などがある。対象によって適切な方法で測定方法を選択することが可能である。また呼気中の酸素/二酸化炭素濃度分析による酸素消費量の増減などから基礎代謝量や筋肉量の増減を類推することができる。
本発明でいう「脂肪量」とは、皮下あるいは内臓に蓄積する脂肪組織全般を指す。脂肪量を測定する方法として、部位別に摘出した重量測定、或いは非侵襲的測定方法としては生体電気インピーダンス法、二重X線吸収測定法、核磁気共鳴画像診断法などがある。対象によって適切な方法で測定方法を選択することが可能である。
本発明でいう「筋肉量低下抑制」とは、摂取エネルギーを制限された条件下において、運動などの負荷がなくても筋肉の分解を抑制し、体重に占める筋肉量の割合の低下を抑えることをいう。
本発明でいう「脂肪量低下促進」とは、摂取したエネルギーを体脂肪として蓄積することを抑制し、筋肉などの活動エネルギーとして変換し、脂肪を低減する効果のことをいう。
以下、本発明の肥満改善用組成物について説明する。
本発明の肥満改善用組成物は、酵母由来のタンパク質を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明において、酵母由来のタンパク質の抽出対象として、酵母に分類されるもののうち、酵母細胞壁溶解酵素により溶解可能な任意の酵母菌を使用することができる。例えば、本発明で使用することができる酵母菌として、サッカロミセス、エンドミコプシス、サッカロミコデス、ネマトスボラ、カンディダ、トルロプシス、プレタノミセス、ロドトルラなどの属に属する菌、あるいはいわゆるビール酵母、パン酵母、ワイン酵母、清酒酵母等と俗称されるものが挙げられる。本発明では、これらの酵母菌を単独で又は組合せて使用することができる。またこれらの酵母の使用形態は特に制限されず、生又は乾燥形態の酵母のいずれを用いてもよい。
本発明の酵母由来タンパク質は、典型的には、酵母菌体の加熱処理と細胞壁溶菌酵素処理とにより取得することができる。加熱処理と酵母細胞壁溶菌酵素処理は任意の順序で実施することができる。例えば、上に列挙した酵母菌の少なくとも1種を加熱処理した後、酵母細胞溶解酵素を作用させることによって酵母細胞壁の全て又はその一部を除去し、酵母由来のタンパク質を回収することによって取得することができる。この場合、下記に記載するように、本発明の酵母由来のタンパク質は、酵母菌体を90℃以上100℃以下で加熱処理を行った後、酵母細胞壁溶菌酵素処理を行って得ることが好ましい。
加熱処理は、酵母菌体が適当濃度、例えば1〜10重量%となるように水性媒体中に懸濁することによって水性懸濁液を調製し、適当な手段により、90℃以上100℃以下、例えば95℃の温度に昇温する。加熱処理時間は長時間でも良いが、経済的な見地から30分程度が望ましい。工業的には、工場内で容易に入手できる水蒸気の吹き込みによって加熱を行うことが有利である。酵母の水性懸濁液は水及び酵母のみからなっている場合の他に、塩、培地成分、その他のものが溶存ないし懸濁していてもよい。pHは、一般的には5.0〜8.0とすることができる。
細胞壁溶菌酵素処理は、酵母菌体を含む水性懸濁液をpH5.0〜8.0に調製し、酵母細胞壁溶解酵素を酵母菌体1g当り1〜100単位、好ましくは5〜100単位添加し、反応温度は20〜50℃、好ましくは30〜45℃で1〜24時間緩やかに攪拌して反応させることによって実施することができる。その際、反応を促進するために、反応液に亜硫酸ソーダ溶液を最終濃度として0.15Mまで添加してもよい。この工程により、酵母細胞壁の一部あるいは全てを除去することができる。前述の反応時間内であれば、タンパク質の回収率にはなんら影響はない。なお、本明細書において、酵母細胞壁溶解酵素の活性の1単位は、酵母懸濁液を基質として、25℃、2時間に反応液の吸光度(800nm)が30%減少するために必要な酵素活性を指す。
本発明で使用することができる酵母細胞壁溶解酵素は、特に限定されないが、プロテアーゼ活性が低い酵母細胞壁溶解酵素が望ましく、たとえばアースロバクター(Arthrobacter)やオエルスコビア(Oerskovia)に属する菌の生産する酵素が挙げられる。
酵母由来のタンパク質の回収は、例えば固液分離により、水性懸濁液中の固形物を回収することによって行うことができる。固液分離の方法としては、これに限定されるものではないが、例えば遠心分離やフィルター濾過などを挙げることができる。その後、沈殿あるいはフィルター上に残存した固形物を十分に水で洗浄し、乾燥させることで、本発明のタンパク質を得ることができる。乾燥方法は、例えば風乾、スプレードライ、凍結乾燥などの方法を使用することができる。
このようにして取得される酵母由来のタンパク質の粗タンパク質含量は、通常50重量%以上、好ましくは約70〜約90重量%以上である。前記酵母由来のタンパク質は、水分、脂質、灰分などのその他の成分を含有していてもよい。
本発明の酵母由来のタンパク質を有効成分とする組成物は、筋肉量低下抑制及び/又は脂肪量低下促進効果を有するため(下記実施例参照)、肥満の改善又は予防に有用である。
本発明の組成物には、前記有効成分(すなわち、酵母由来のタンパク質)に加えて、肥満改善効果、すなわち筋肉量低下抑制及び/又は脂肪量低下促進効果を阻害しない限りにおいて、乳糖、マルチトール、ソルビトール、デキストリン、グルコース、果糖、スクラロース、ショ糖、異性化糖、パラチノース、トレハロース、キシロース、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水飴、アスパルテーム、ソーマチン、アセスルファムK、ステビアなどの甘味料;セルロース、微結晶セルロース、リン酸カルシウム、乳糖、糖、トウモロコシデンプン、ソルビトール、グリシンなどの充填剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、コハク酸などのpH調整剤;果糖、麦芽デキストリン、麦芽糖、メントール、はっか油、オレンジ油、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、ユーカリ油、サリチル酸メチル、バニラ抽出物、ガーリック油、アセト酢酸エチル、アニスアルデヒド、エチルバニリン、桂皮酸、酢酸シトロネリル、シトラール、バニリン、酢酸ブチル、エステル類などの香料;メチルセルロース、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、エチルセルロース、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、乳糖、白糖などの結合剤;エリソルビン酸、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロール、ルチンなどの抗酸化剤;硝酸カリウム、L−アスコルビン酸、硫酸第一鉄、亜硝酸ナトリウムなどの発色剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、モノステアリン酸グリセリン、タルク、カオリン、ショ糖脂肪酸エステル、セタノール、糖類(乳糖、マンニトール等)、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、酸化チタン、ベンガラなどのコーティング助剤、水などの成分を含んでもよい。
本発明の組成物において、酵母由来のタンパク質の含有量は、約15重量%以上、好ましくは約20重量%以上、さらに好ましくは約20〜50重量%である。
本発明の組成物の形状は特に限定されるものではなく、例えば粉末状、顆粒状、ペレット状、液体状、半固体状又はカプセル状とすることができる。
本発明の組成物は、飲食品又は医薬の形態で提供することができる。
この場合、本発明の組成物は、炭水化物、油脂、並びにビタミン類及びミネラル類をさらに含むことができる。その際、酵母由来タンパク質は、本発明の組成物中、20〜50重量%、好ましくは20〜30重量%となるように調整することが適当である。
本発明の組成物に使用することができる油脂としては、植物油脂が好ましく、リノール酸含有量が多い大豆油、コーン油、菜種油等が適当である。またその含有量は、本発明の組成物中、5〜10重量%であるのが適切である。少なすぎると必須脂肪酸を摂取することができず、過多であった場合、組成物のカロリーが高くなり、抗肥満効果が減少するからである。
本発明の組成物に使用することができるビタミン類及びミネラル類は、厚生労働省が定めた第六次改定日本人の栄養所要量のビタミン類及びミネラル類を含む。具体的に、これらのビタミン類及びミネラル類として、例えばビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC、カルシウム、鉄、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム及びモリブデンを挙げることができる。なおその含有量は、被験者の性別、年齢に応じて異なる。詳細については例えば第6次改定 日本人の栄養所要量-食餌摂取基準,健康栄養情報研究会編を参照されたい。
本発明の肥満改善用組成物に使用することができる炭水化物として、これに限定されるものではないが、例えば澱粉やデキストリン、食物繊維などの多糖類、その他の糖類等公知のものを挙げることができる。またその含有量は、本発明の組成物中、本発明のタンパク質、油脂並びにビタミン類及びミネラル類の合計量を100%から差し引いた量である、30〜60重量%、より好ましくは40〜60重量%であることが適当である。
本発明の肥満改善用組成物は、乾燥固形分中の酵母由来タンパク質が20〜50重量%、炭水化物が30〜60重量%、及び油脂が5〜10重量%となるように調製することが好ましい。乾燥固形分中の酵母由来のタンパク質が20〜30重量%、炭水化物が40〜60重量%及び油脂が5〜10重量%であることがさらに好ましい。
本発明の組成物を飲食品として提供する場合、あらゆる食品形態に加工することが可能である。必要に応じて、調味、加水、混練、焼成などで飲食品とすることができる。本発明の組成物を含有する飲食品としては、これに限定されるものではないが、例えばハム、ソーセージ等の食肉加工品、かまぼこ、ちくわ等の水産加工品、パン、菓子、バター、粉乳、水、果汁、牛乳、清涼飲料、茶飲料等の飲料、摂取時に流動性のあるカロリーを低く抑えた食品である低カロリー流動食、カロリーを最低限に抑え生命維持に必要な栄養素をバランスよく含んだ調製食品であるフォーミラー食、1回の食事と置き換えて摂取する食品である食事代替食、固形、粉末、液体などのサプリメントなどの健康食品、動物の飼料などが挙げられる。
本発明の肥満改善用組成物を医薬として提供する場合には、薬学的に許容される担体と共に製剤化することができる。薬学的に許容される担体としては、これに限定されるものではないが、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースカルシウム、澱粉グリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤;トウモロコシ澱粉、乳糖、大豆油、結晶セルロース、マンニトールなどの希釈剤;ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤;白糖、果糖、ソルビトールなどの甘味剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、α又はβシクロデキストリン、ビタミンC、クエン酸などの安定化剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、安息香酸ナトリウムなどの保存料;エチルバニリン、マスキングフラボール、メントルフラボノなどの香料などを挙げることができる。
本発明の医薬品は、適切な投与経路(例えば経口投与経路)で投与することができる。また剤形は、投与経路に応じて適切に選択することができる。例えば、本発明の医薬品は、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ錠などの経口剤等、各種製剤形態に調製することができる。
本発明の医薬品を適用する対象は特に限定されず、肥満症の患者、肥満症治療中の患者、肥満予防を検討している健常者等のいずれであってもよい。またその対象はヒトに限らず、ヒト以外の動物に適用してもよい。
本発明の医薬品の投与量は、被験者の年齢、体重、性別、肥満の程度など、様々な要因に応じて変化するが、典型的には、60kgの成人に対し、1日あたり、本発明の酵母由来タンパク質を10〜120g、好ましくは15〜100g、より好ましくは15〜60g投与する量とする。
肥満改善効果を評価する際、内臓/皮下脂肪及び筋肉量を測定する方法として、部位別に摘出した重量測定、或いは非侵襲的測定方法としては生体電気インピーダンス法、二重X線吸収測定法、核磁気共鳴画像診断法などがある。対象によって適切な方法で測定方法を選択することが可能である。また呼気中の酸素/二酸化炭素濃度分析による酸素消費量の増減などから基礎代謝量や筋肉量の増減を類推することができる。これらの技術は当該技術分野で公知である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:KK/Taマウス試験
本試験は、複数の遺伝子の影響を受けて緩やかに肥満を発現し、食餌によって発症が影響されるKK/Taマウスを用い、自由摂餌条件にて実施した。
酵母タンパク質の調製方法
<酵母菌>本試験ではビール酵母を乾燥させたものを原料として用いた。
<酵母細胞壁溶解酵素>プロテアーゼ活性が低い、アースロバクター(Arthrobacter)に属する菌の生産する酵素であるZymolyase-20T(Arthrobacter luteus, 生化学工業(株))を使用した。
<加熱工程>酵母菌体を、水中において、10重量%含む水性懸濁液とし、90℃に昇温し、30分加熱した
<酵母細胞壁溶解処理>加熱工程に供した懸濁液を45℃まで冷却し、pH6.0〜6.1に調整し、酵母細胞壁溶解酵素を酵母菌体1g当り5単位添加し、45℃で15時間攪拌して反応させた。
<固液分離、乾燥>反応後の懸濁液を遠心分離にて沈殿物を回収し、十分に水で洗浄して凍結乾燥させた。得られた酵母由来タンパク質のタンパク質含有量を下記表1に示す。
Figure 2009137916
試験飼料の調製方法
実験動物の飼料組成は表2に示す米国国立栄養研究所(AIN)が発表している標準精製飼料AIN-93Gを基本とした。酵母タンパク質を投与する場合、粗タンパク質含有量を補正し、カゼインと置き換えた。補正の結果、成分組成として20%を越える場合、超えた量に相当するβコーンスターチを減じた。
Figure 2009137916
評価方法
<実験動物、群構成、摂取方法>
KK/Taマウス(4週齢)16匹を1週間、AIN-93G飼料で馴化し、異常の無いマウスを体重が各群間で同じになるように2群に群分けした。第一の群のマウスにはAIN-93G飼料(対照群)、第二の群のマウスには酵母タンパク質飼料(試験群)を自由摂餌及び自由摂水させて4週間飼育し、経時的に体重を測定した。
<組織重量測定>
また飼育4週間後、対照群および試験群のマウスについて、肝臓、内臓脂肪(副精巣脂肪、腎周囲脂肪、腸間膜脂肪)、皮下脂肪(肩甲骨間脂肪、鼠径部〜股関節周辺脂肪)、大腿四頭筋、腓腹筋を摘出し、それぞれの重量を測定した。
<酸素消費量測定>
解剖前に呼気分析システムにて一日の酸素消費量を測定し、基礎代謝率を算出した。
結果
その結果を対照群と試験群で比較した。尚、表3に示した重量は、解剖日の体重で補正した値を示す。
Figure 2009137916
Figure 2009137916
図1及び図2に示すとおり、飼育期間中の累積摂餌量は対照群と試験群との間で差は認められなかったが、体重増加量は試験群で有意に低い値を示した。
また解剖日の体重で補正した各組織重量は、表3に示すとおり、下肢骨格筋(大腿四頭筋、腓腹筋)、肝臓の重量は両群間との間に差は認められなかった。内臓脂肪は各部位ごとに試験群の方が低減されており、特に副精巣脂肪重量は有意に低かった。また皮下脂肪についても試験群の方が有意に低減されており、部位別ごとの重量も有意に低い値を示した。
表4に示すとおり、酸素消費量や基礎代謝率は対照群よりも試験群のほうが高い傾向を示した。
このことから、酵母タンパク質をタンパク質源として摂取することは、摂取カロリーが同等であっても体重増加を抑制し、骨格筋や内臓重量を維持しつつ、体脂肪の蓄積を抑制していることが分かる。即ち、摂取エネルギーを除脂肪部位にて消費し、体脂肪として溜め込まないようにしていることが推察される。
実施例2:KK-A y /Taマウス試験
本試験は、高脂肪食を摂取させて肥満を誘発させた遺伝的糖尿病発症マウスを用い、摂取エネルギーを制限した条件において、減量期の体重や体脂肪に与える影響を評価した。
酵母タンパク質の調製方法
[実施例1]と同様にして調製した。
試験飼料の調製方法
実験動物の飼料組成は米国国立栄養研究所(AIN)が発表している標準精製飼料AIN-93Gの組成を一部改変した。即ちタンパク質源を30%に増量して高タンパク質飼料とし、炭水化物源をその分減じた。酵母タンパク質飼料の場合、粗タンパク質含有量を補正し、カゼインと置き換えた。補正の結果、成分組成として30%を越える場合、超えた量に相当するβコーンスターチを減じた。
Figure 2009137916
評価方法
<実験動物、群構成、摂取方法>
KK-Ay/Taマウス(5週齢)に高脂肪食(リサーチダイエット社製、D12451、45kcal%脂肪)を4週間自由摂取させて肥満を誘発させた。肥満を誘発した、異常の無いマウスの一部を解剖し、リファレンス群とした。また残った肥満誘発マウスから異常の無いマウス20匹を体重が群間で同じになるように2群に群分けし、この2群をエネルギー制限群とした。飼料の投与量は、高脂肪食で飼育したマウスの一匹あたりの平均摂取カロリーの60%に抑えるように調整した。エネルギー制限群の第一の群のマウスには30%カゼイン飼料(対照群)、第二の群のマウスには30%酵母タンパク質飼料(試験群)を与え、自由摂水させて4週間飼育し、経時的に体重を測定した。
<組織重量測定>
リファレンス群およびエネルギー制限群(対照群および試験群)のマウスについて、肝臓、内臓脂肪(副精巣脂肪、腎周囲脂肪、腸間膜脂肪)、皮下脂肪(肩甲骨間脂肪、鼠径部〜股関節周辺脂肪)、大腿四頭筋、腓腹筋を摘出し、それぞれの重量を測定した。
結果
結果を対照群と試験群で比較した。
Figure 2009137916
Figure 2009137916
表6に示すとおり、摂取エネルギーを制限して4週間飼育した時の体重は、両群間で差は無かった。
表7に示すとおり、内臓脂肪は試験群の方が低減されており、特に腎周囲脂肪重量は有意に低かった。また皮下脂肪についても試験群の方が低減され、肩甲骨間脂肪の重量は有意に低い値を示した。さらに下肢骨格筋(大腿四頭筋、腓腹筋)の占める割合は対照群と比較して低下抑制傾向であった。
以上のことから、摂取エネルギーを制限した減量条件下において、酵母タンパク質をタンパク質源として摂取することは、筋肉量や内臓重量を維持しつつ、体脂肪を低減していることが分かる。即ち、摂取エネルギーを除脂肪部位にて消費し、体脂肪として溜め込まないようにしていることが推察される。
図1は、対照群及び試験群における飼育期間中の体重増加量を示す。 図2は、対照群及び試験群における飼育期間中の累積摂餌量を示す。

Claims (7)

  1. 酵母由来のタンパク質を有効成分とする肥満改善用組成物。
  2. 酵母由来のタンパク質が、酵母菌体の加熱処理と細胞壁溶菌酵素処理とにより得られることを特徴とする請求項1記載の肥満改善用組成物。
  3. 肥満改善効果が筋肉量低下抑制及び脂肪量低下促進効果であることを特徴とする、請求項1又は2記載の肥満改善用組成物。
  4. 炭水化物、油脂、並びにビタミン類及びミネラル類をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の肥満改善用組成物。
  5. 20〜50重量%の酵母由来のタンパク質、30〜60重量%の炭水化物、5〜10重量%の油脂、並びにビタミン類及びミネラル類をさらに含むことを特徴とする請求項4記載の肥満改善用組成物。
  6. 組成物が飲食品又は医薬であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の肥満改善用組成物。
  7. 肥満を改善するための飲食品又は医薬の製造における請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物の使用。
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