JP4401659B2 - インスリン分泌促進剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インスリン分泌促進剤、血糖上昇抑制剤および糖尿病改善剤、成長促進剤、母乳中のインスリンの増加剤に関する。また本発明は、インスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用または母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飲食品、飼料、飲食品用添加剤または飼料用添加剤に関する。また本発明は、成長促進作用を有する乳幼児用栄養組成物、飼料、乳幼児用栄養組成物用の添加剤または飼料用添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖尿病は、脳卒中や心臓病の危険因子となることが知られており、また、網膜症、神経症、腎障害、白内障などの合併症を引き起こす。1998年の厚生省の調査によれば、糖尿病が強く疑われる人が690万人、糖尿病の可能性を否定出来ない人を合わせると1370万人と推計されている。
【0003】
社団法人日本病院会の調査では、1999年に人間ドックを受診した人の12.4%に耐糖能の異常が認められたとしている。糖尿病の成因は完全に解明されてはいないが、膵臓のベータ細胞の破壊によってインスリン分泌が不全となったI型糖尿病と、インスリンに対する組織の感受性が低下したII型糖尿病とに大別されている。
【0004】
日本人のII型糖尿病はインスリン分泌が相対的に不足している場合が多いといわれており、インスリン分泌促進剤が多用されている。
糖尿病発症の予防法としては、動物性脂肪、単純糖質や食塩の過剰摂取の是正、食物繊維の摂取の奨励などが言われているが、確実な効果を有する方法として確立したものは無い。糖尿病の治療法としては、I型糖尿病に対してはインスリンの注射が一般的であり、II型糖尿病に対してはインスリン抵抗性改善薬であるチアゾリジン誘導体やビグアナイド剤などが用いられている。糖尿病の予防または改善のための食品としては、難消化性糖質であるマルチトール、食物繊維であるキチンおよびキトサン、ガガイモ科の植物であるギムネマ・シルベスタ、桑科植物である桑の葉などが知られている(例えば、非特許文献1参照)。これらの糖尿病予防または改善作用の機構としては、腸管からの甘味物質の難吸収性、糖質分解酵素阻害作用による血中糖濃度上昇の緩和などが考えられている。
【0005】
また、単糖類であるL−アラビノース、L−フコース、2−デオキシ−D−ガラクトース、D−キシロース、L−キシロース、D−リボース、D−タガトース、D−リブロース、D−リキソース、D−キシルロースがα−グリコシダーゼを阻害することに基づいた高血糖改善剤または食品が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
インスリンは、血糖値の上昇に伴い膵臓のベータ細胞から分泌されるホルモンで、筋肉および肝臓のタンパク合成およびグリコーゲン合成の促進、脂肪組織での糖の取り込みと利用の促進および脂肪分解の抑制などの作用を有することが知られており、乳幼児等の成長を促進する。また、食後あるいはグルコース負荷により、血漿中のインスリン量の増加に伴い、母乳中のインスリン量が増加することが報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0007】
糖尿病を効果的に治療するための薬剤、日々摂取することで糖尿病を改善、予防または治療することが可能な飲食品または動物用飼料の開発が求められている。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第468734号明細書
【0009】
【非特許文献1】
フードスタイル21,1998年,2巻,5号,P.35−55
【0010】
【非特許文献2】
ゴディセン・ズボルニク・ナ・メディシンスキオト・ファクルテト・ボ・スコピエ(Godisen Zbornik na Medicinskiot Fakultet vo Skopje),(マケドニア),1975年,21巻,P.35−41
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、インスリン分泌促進剤、血糖値上昇抑制剤、糖尿病改善剤、成長促進剤または母乳中のインスリンの増加剤を提供することにある。また本発明の目的は、インスリン分泌促進作用、血糖値上昇抑制作用、糖尿病改善作用または母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飲食品、飼料、飲食品用添加剤または飼料用添加剤を提供すること、および成長促進作用を有する乳幼児用栄養組成物、飼料、乳幼児用栄養組成物用の添加剤、飼料用添加剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)〜(69)に関する。
(1)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有効成分として含有するインスリン分泌促進剤。
(2)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質が、ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質である、(1)記載のインスリン分泌促進剤。
(3)ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクトースを含有する糖質である、(2)記載のインスリン分泌促進剤。
(4)N−アセチルラクトサミンを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクト−N−ネオテトラオースである(3)記載のインスリン分泌促進剤。
(5)ラクトースを含有する糖質が、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボトリオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたは2’−フコシルラクトースである(3)記載のインスリン分泌促進剤。
【0013】
(6)N−アセチルノイラミン酸を含有する糖質が、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたはN−アセチルノイラミン酸である(1)項記載のインスリン分泌促進剤。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のインスリン分泌促進剤を含むインスリン分泌促進作用を有する飲食品。
(8)飲食品が、乳幼児用栄養組成物である(7)記載の飲食品。
(9)(1)〜(6)のいずれかに記載のインスリン分泌促進剤を含むインスリン分泌促進作用を有する飼料。
(10)(1)〜(6)のいずれかに記載のインスリン分泌促進剤を含むインスリン分泌促進作用を有する飲食品用添加剤。
【0014】
(11)飲食品用添加剤が、乳幼児用栄養組成物用の添加剤である(10)記載の飲食品用添加剤。
(12)(1)〜(6)のいずれかに記載のインスリン分泌促進剤を含むインスリン分泌促進作用を有する飼料用添加剤。
(13)動物に、(1)〜(6)のいずれかに記載のインスリン分泌促進剤を投与することまたは(8)記載の飼料を給餌することを特徴とする動物のインスリン分泌を促進させる方法。
(14)動物が、家畜、家禽または養殖魚である(13)記載の方法。
(15)経口または注射により投与されることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のインスリン分泌促進剤。
【0015】
(16)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有効成分として含有する血糖上昇抑制剤。
(17)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質が、ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質またはその誘導体である、(16)記載の血糖上昇抑制剤。
(18)ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクトースを含有する糖質である、(17)記載の血糖上昇抑制剤。
(19)N−アセチルラクトサミンを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクト−N−ネオテトラオースである(18)記載の血糖上昇抑制剤。
(20)ラクトースを含有する糖質が、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボトリオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたは2’−フコシルラクトースである(18)記載の血糖上昇抑制剤。
【0016】
(21)N−アセチルノイラミン酸を含有する糖質が、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたはN−アセチルノイラミン酸である(16)記載の血糖上昇抑制剤。
(22)(16)〜(21)のいずれかに記載の血糖上昇抑制剤を含む血糖上昇抑制作用を有する飲食品。
(23)(16)〜(21)のいずれかに記載の血糖上昇抑制剤を含む血糖上昇抑制作用を有する飼料。
(24)(16)〜(21)のいずれかに記載の血糖上昇抑制剤を含む血糖上昇抑制作用を有する飲食品用添加剤。
(25)(16)〜(21)のいずれかに記載の血糖上昇抑制剤を含む血糖上昇抑制作用を有する飼料用添加剤。
【0017】
(26)動物に、(16)〜(21)のいずれかに記載の血糖上昇抑制剤を投与することまたは(23)記載の飼料を給餌することを特徴とする動物の血糖上昇を抑制させる方法。
(27)動物が、家畜、家禽または養殖魚である(26)記載の方法。
(28)経口または注射により投与されることを特徴とする、(16)〜(21)のいずれかに記載の血糖上昇抑制剤。
(29)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有効成分として含有する糖尿病改善剤。
(30)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質が、ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質である、(29)記載の糖尿病改善剤。
【0018】
(31)ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクトースを含有する糖質である、(30)記載の糖尿病改善剤。
(32)N−アセチルラクトサミンを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクト−N−ネオテトラオースである(31)記載の糖尿病改善剤。
(33)ラクトースを含有する糖質が、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボトリオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたは2’−フコシルラクトースである(31)記載の糖尿病改善剤。
(34)N−アセチルノイラミン酸を含有する糖質が、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたはN−アセチルノイラミン酸である(29)記載の糖尿病改善剤。
(35)(29)〜(34)のいずれかに記載の糖尿病改善剤を含む糖尿病改善剤作用を有する飲食品。
【0019】
(36)(29)〜(34)のいずれかに記載の糖尿病改善剤を含む糖尿病改善作用を有する飼料。
(37)(29)〜(34)のいずれかに記載の糖尿病改善剤を含む糖尿病改善作用を有する飲食品用添加剤。
(38)(29)〜(34)のいずれかに記載の糖尿病改善剤を含む糖尿病改善作用を有する飼料用添加剤。
(39)動物に、(29)〜(34)のいずれかに記載の糖尿病改善剤を投与することまたは(36)記載の飼料を給餌することを特徴とする動物の糖尿病を改善させる方法。
(40)動物が、家畜、家禽または養殖魚である(39)記載の方法。
【0020】
(41)経口または注射により投与されることを特徴とする、(29)〜(34)のいずれかに記載の糖尿病改善剤。
(42)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有効成分として含有する成長促進剤。
(43)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質が、ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質である、(42)記載の成長促進剤。
(44)ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクトースを含有する糖質である、(43)記載の成長促進剤。
(45)N−アセチルラクトサミンを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクト−N−ネオテトラオースである(44)記載の成長促進剤。
【0021】
(46)ラクトースを含有する糖質が、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボトリオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたは2’−フコシルラクトースである(44)記載の成長促進剤。
(47)N−アセチルノイラミン酸を含有する糖質が、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたはN−アセチルノイラミン酸である(42)記載の成長促進剤。
(48)(42)〜(47)のいずれかに記載の成長促進剤を含む成長促進作用を有する乳幼児用栄養組成物。
(49)(42)〜(47)のいずれかに記載の成長促進剤を含む成長促進作用を有する飼料。
(50)(42)〜(47)のいずれかに記載の成長促進剤を含む成長促進作用を有する乳幼児用栄養組成物用の添加剤。
【0022】
(51)(42)〜(47)のいずれかに記載の成長促進剤を含む動物の成長促進作用を有する飼料用添加剤。
(52)動物に、(42)〜(47)のいずれかに記載の成長促進剤を投与することまたは(49)記載の飼料を給餌することを特徴とする動物の成長を促進させる方法。
(53)動物が、家畜、家禽または養殖魚である(52)記載の方法。
(54)経口または注射により投与されることを特徴とする、(42)〜(47)のいずれかに記載の成長促進剤。
(55)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有効成分として含有する母乳中のインスリンの増加剤。
【0023】
(56)ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質が、ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質である、(55)記載の母乳中のインスリンの増加剤。
(57)ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクトースを含有する糖質である、(56)記載の母乳中のインスリンの増加剤。
(58)N−アセチルラクトサミンを含有する糖質が、N−アセチルラクトサミンまたはラクト−N−ネオテトラオースである(57)記載の母乳中のインスリンの増加剤。
(59)ラクトースを含有する糖質が、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボトリオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたは2’−フコシルラクトースである(57)記載の母乳中のインスリンの増加剤。
(60)N−アセチルノイラミン酸を含有する糖質が、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースまたはN−アセチルノイラミン酸である(55)記載の母乳中のインスリンの増加剤。
【0024】
(61)(55)〜(60)のいずれかに記載の母乳中のインスリンの増加剤を含む母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飲食品。
(62)(55)〜(60)のいずれかに記載の母乳中のインスリンの増加剤を含む母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飼料。
(63)(55)〜(60)のいずれかに記載の母乳中のインスリンの増加剤を含む母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飲食品用添加剤。
(64)(55)〜(60)のいずれかに記載の母乳中のインスリンの増加剤を含む母乳中のインスリン量を増加させる作用を有する飼料用添加剤。
(65)動物に、(55)〜(60)のいずれかに記載の母乳中のインスリンの増加剤を投与することまたは(62)記載の飼料を給餌することを特徴とする動物の母乳中のインスリンを増加させる方法。
【0025】
(66)動物が、家畜である(65)記載の方法。
(67)経口または注射により投与されることを特徴とする、(55)〜(60)のいずれかに記載の母乳中のインスリンの増加剤。
(68)(55)〜(60)のいずれかに記載の母乳中のインスリンの増加剤を投与した動物または(62)記載の飼料を給餌した動物の母乳を給餌することを特徴とする動物の成長を促進させる方法。
(69)動物が、家畜である(68)記載の方法。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のインスリン分泌促進剤、血糖上昇抑制剤、糖尿病改善剤、成長促進剤または母乳中のインスリンの増加剤としては、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体から選ばれる少なくとも一種類を有効成分として含有するものがあげられる。
【0027】
ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質としては、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質であればいかなるものでも用いることができるが、好ましくはガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質、より好ましくはN−アセチルラクトサミンまたはラクトースを含有する糖質があげられる。
【0028】
ガラクトースを含有し、さらにN−アセチルグルコサミンまたはグルコースを含有する糖質としては、N−アセチルラクトサミン、グロボトリオース、2’−フコシルラクトース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、2’−フコシル−N−アセチルラクトサミン、3’−シアリル−N−アセチルラクトサミン、6’−シアリル−N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、2’−フコシルラクト−N−テトラオース、2’−フコシルラクト−N−ネオテトラオース、3’−シアリルラクト−N−テトラオース、6’−シアリルラクト−N−テトラオース、3’−シアリルラクト−N−ネオテトラオース、6’−シアリルラクト−N−ネオテトラオースなどがあげられる。
【0029】
N−アセチルラクトサミンを含有する糖質としては、N−アセチルラクトサミン、2’−フコシル−N−アセチルラクトサミン、3’−シアリル−N−アセチルラクトサミン、6’−シアリル−N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−ネオテトラオース、2’−フコシルラクト−N−ネオテトラオース、3’−シアリルラクト−N−ネオテトラオース、6’−シアリルラクト−N−ネオテトラオースなどがあげられ、好ましくは、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−ネオテトラオースなどがあげられる。
【0030】
ラクトースを含有している糖質としては、グロボトリオース、2’−フコシルラクトース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、2’−フコシルラクト−N−テトラオース、2’−フコシルラクト−N−ネオテトラオース、3’−シアリルラクト−N−テトラオース、6’−シアリルラクト−N−テトラオース、3’−シアリルラクト−N−ネオテトラオース、6’−シアリルラクト−N−ネオテトラオースなどがあげられ、好ましくは、グロボトリオース、2’−フコシルラクトース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、ラクト−N−ネオテトラオースなどがあげられる。
【0031】
N−アセチルノイラミン酸を含有する糖質としては、N−アセチルノイラミン酸、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、3’−シアリル−N−アセチルラクトサミン、6’−シアリル−N−アセチルラクトサミン、3’−シアリルラクト−N−テトラオース、6’−シアリルラクト−N−テトラオース、3’−シアリルラクト−N−ネオテトラオース、6’−シアリルラクト−N−ネオテトラオースなどがあげられ、好ましくは、N−アセチルノイラミン酸、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトースなどがあげられる。
【0032】
上記糖質は、化学的に合成する方法、上記糖質をもとより含有する天然物から単離・精製することにより取得することができる。さらに、市販品を購入することにより取得することもできる。
糖質を化学的に合成する方法としては、Carbohydrates in Chemistry and Biology (B. Ernst et al. ed., Willey-VCH, 2000) などがあげられる。具体的には、各種糖質については、以下の方法があげられる。
【0033】
ガラクトースを含む糖質の製造方法としては、WO98/12343などに記載された方法があげられる。N−アセチルノイラミン酸を含む糖質の製造方法としては、US5,374,541などに記載された方法があげられる。フコースを含む糖質の製造方法としては、WO93/08205などに記載された方法があげられる。
N−アセチルラクトサミンの製造方法としては、WO98/12343、Carbohydr. Res., 316, 179 (1999) などに記載された方法があげられる。
【0034】
ラクト−N−ネオテトラオースの製造方法としては、WO98/12343などに記載された方法があげられる。
グロボトリオースの製造方法としては、WO98/12343、Nat. Biotechnol., 16, 847 (1998)などに記載された方法があげられる。
3’−シアリルラクトースの製造方法としては、Appl. Microbiol. Biotechnol., 53, 257 (2000)などに記載された方法があげられる。
【0035】
6’−シアリルラクトースの製造方法としては、Appl. Microbiol. Biotechnol., 53, 257 (2000)などに記載された方法があげられる。
2’−フコシルラクトースの製造方法としては、J. Ind. Microbiol. Biotechnol., 25, 213 (2000)などに記載の方法があげられる。
N−アセチルノイラミン酸の製造方法としては、US5,665,574、Carbohydr. Res., 306, 575 (1998)、EP1,081,230などに記載された方法があげられる。
【0036】
糖質を天然物から単離する方法としては、カラムによる方法(日本生化学会編新生化学実験講座3 糖質I(東京化学同人)、1990年)があげられ、好ましくはゲル濾過カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどがあげられる。
グロボトリオース、N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−ネオテトラオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、2’−フコシルラクトース、N−アセチルノイラミン酸は、いずれもシグマ−アルドリッチ社より市販品として購入することができる。
【0037】
本発明のインスリン分泌促進剤、血糖上昇抑制剤、糖尿病改善剤、成長促進剤または母乳中のインスリン増加剤は、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上を有効成分として含有していればよいが、必要に応じて薬理学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体、更に必要に応じて他の治療のための有効成分を含有していてもよい。
【0038】
本発明の医薬製剤は、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を必要に応じ担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている方法により製造される。
製剤の投与形態は、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、経口投与または、例えば静脈内、腹膜内もしくは皮下投与などの非経口投与をあげることができる。これらのうち、静脈内投与または経口投与が好ましい。
【0039】
投与する剤形としては、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤、液剤、エリキシル剤、エキス剤、チンキ剤、流エキス剤等があげられる。
経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、ショ糖、ソルビトール、果糖などの糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ごま油、オリーブ油、大豆油などの油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤、パラオキシ安息香酸メチル等のパラオキシ安息香酸誘導体、安息香酸ナトリウム等の保存剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミントなどのフレーバー類などの担体を使用して製造できる。
【0040】
また、経口投与に適当な、例えば錠剤、散剤および顆粒剤などは、乳糖、白糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール等の糖類、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等の澱粉、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機物、結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末などの植物末、パインデックスなどの賦形剤、澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油などの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液などの結合剤、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などを用いて製造できる。
【0041】
非経口投与に適当な注射剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を含む滅菌水性剤からなる。例えば、注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体などを用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、前述の防腐剤、保存剤、界面活性剤等が使用できる。
【0042】
本発明の、インスリン分泌促進剤、血糖上昇抑制剤、糖尿病改善剤、成長促進剤または母乳中のインスリン増加剤の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度により異なるが、含有するガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質の量として、通常経口の場合、成人一人当り1mg〜50g、好ましくは5mg〜20gを一日一回ないし数回投与する。静脈内投与などの非経口投与の場合、成人一人当り0.1mg〜50g、好ましくは1mg〜10gを一日一回ないし数回投与する。また、動物に投与する場合、動物の年齢、種類、症状の性質もしくは重篤度により異なるが、特に制限はなく、体重1kg当たり、0.1mg〜10g、好ましくは1mg〜1gを一日一回ないし数回投与する。また、静脈内投与などの非経口投与の場合、体重1kg当たり0.01mg〜10g、好ましくは1mg〜1gを一日一回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
【0043】
また本発明は、インスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飲食品または飼料に関する。
本発明のインスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飲食品または飼料は、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を飲食品または飼料の原料に添加し、一般の飲食品または飼料の製造方法で製造することができる。
【0044】
本発明の飲食品または飼料は、一般の飲食品または飼料と同様、成形・造粒することができる。
成形・造粒方法としては流動層造粒、攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、気流造粒、圧縮成形造粒、解砕造粒、噴霧造粒、噴射造粒などの造粒方法、パンコーティング、流動層コーティング、ドライコーティング、などのコーティング方法、パフドライ、過剰水蒸気法、フォームマット方法、マイクロ波加熱方法などの膨化方法、押出造粒機やエキストルーダーなどの押出方法などがあげられる。
【0045】
本発明のインスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飲食品または飼料としては、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を含有する飲食品または飼料があげられる。
【0046】
本発明のインスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリンを増加させる作用を有する飲食品または飼料としては、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を含有し、インスリン分泌促進作用、血糖上昇作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリンを増加させる作用を有するものであればいずれでもよいが、例えば、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を飲食品または飼料の原料に添加したものがあげられる。
【0047】
ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質の飲食品または飼料中の含有量としては、含有して得られる飲食品または飼料がインスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリン増加作用を示す濃度であれば特に制限はないが、含有する飲食品または飼料に対して0.001〜100重量%が好ましく、0.01〜100重量%がより好ましく、0.1〜100重量%がさらに好ましい。
【0048】
ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を添加する具体的な飲食品としては、ジュース類、清涼飲料水、スープ類、茶類、乳酸菌飲料、発酵乳、冷菓、バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂粉乳等の乳製品、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉製品、魚肉錬り製品、だし巻き、卵豆腐等の卵製品、クッキー、ゼリー、スナック菓子、チューイングガム等の菓子類、パン類、麺類、漬け物類、薫製品、干物、佃煮、調味料等があげられる。
【0049】
飲食品の形態としては、例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等があげられる。
特に、乳幼児が摂取するインスリン分泌促進作用を有する飲食品および成長促進作用を有する飲食品としては、乳幼児用栄養組成物が好ましい。乳幼児用栄養組成物としては、乳幼児用として調製された調製乳、蛋白質分解乳、特殊栄養調製乳あるいは幼児用として調製された離乳食や食品があげられる。乳幼児用栄養組成物の形態は特に限定されないが、乾燥粉末化された粉乳類、離乳食が好ましく、また乳幼児が摂取するアイスクリーム、発酵乳、ゼリーなどの一般食品であってもよい。
【0050】
本発明の乳幼児用栄養組成物は、蛋白質、脂質、糖質、ビタミン類およびミネラル類を主成分として構成されるが、これらの成分とともにガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質が有効成分として配合される。
【0051】
蛋白質としては、脱脂乳、カゼイン、チーズホエー、ホエー蛋白質濃縮物、ホエー蛋白質分離物等の乳蛋白質や、これらの分画物であるαs−カゼイン、β−カゼイン、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンなどであり、また卵黄蛋白質、卵白蛋白質、オボアルブミン等の卵蛋白質、あるいは脱脂大豆蛋白質、分離大豆蛋白質、濃縮大豆蛋白質などの大豆蛋白質を用いることができる。これら以外の蛋白質、例えば小麦グルテン、魚肉蛋白質、畜肉蛋白質、コラーゲンなどの蛋白質を用いてもよい。さらにこれらの蛋白質の分画物や、酸または酵素で処理したペプチド、あるいは遊離アミノ酸であってもよい。遊離アミノ酸は、窒素源としての目的の他に、特定の生理作用を付与するために用いることもでき、このような遊離アミノ酸として、例えばタウリン、アルギニン、システイン、シスチン、グルタミン等をあげることができる。蛋白質やペプチドあるいは遊離アミノ酸の配合量は、乳幼児用栄養組成物の全固形分当たり5〜30重量%である。
【0052】
脂質としては、乳脂肪、ラード、牛脂および魚油等の動物性油脂、大豆油、菜種油、コーン油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、エゴマ油、アマニ油、月見草油、中鎖脂肪酸トリグリセリド、綿実油などの植物性油脂、微生物の産成する油脂、さらにはこれらの分別油、水添油、エステル交換油などが用いられる。脂質は、その用途によって配合量が異なるが、乳幼児用栄養組成物の全固形分当たり40重量%以下とすることが好ましい。
【0053】
糖質としては、例えばデンプン、可溶性多糖類、デキストリン、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖等の単糖類、6’−ガラクトシルラクトース、4’−ガラクトシルラクトース、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース、その他のオリゴ糖類などがあげられる。糖質の配合量は、栄養組成物の全固形分当たり40〜80重量%が好ましい。アスパルテームなどの人工甘味料を用いても良い。この時、人工甘味料の配合量は、栄養組成物の全固形分当たり0.05〜1.0重量%が適当である。
【0054】
ビタミン類としては、乳幼児用栄養組成物に使用可能なものであれば特に限定されないが、リコペンを必須成分とし、その他例えばビタミンA、B類、C、D、E、K類、葉酸、パントテン酸、ニコチン酸アミド、カルニチン、コリン、イノシトール、ビオチンなどがあげられる。これらの配合量は、乳幼児用栄養組成物の全固形分当たり10mg〜5g重量%が好ましい。
【0055】
ミネラル類としては、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、鉄、銅、亜鉛、リン、塩素、マンガン、セレン、ヨウ素などがあげられる。これらの配合量は、乳幼児用栄養組成物の全固形分当たり1mg〜5g重量%が好ましい。
さらに本発明の乳幼児用栄養組成物は、上記の成分の他に、栄養組成物に配合することが可能な成分、例えば食物繊維、ヌクレオチド、核酸、フレーバー類、着色料などを配合してもよい。
【0056】
本発明の飲食品は、健康飲食品、機能性飲食品として、インスリン分泌促進、血糖上昇抑制、糖尿病改善、乳幼児の成長促進または母乳中のインスリンの増加のために使用される。インスリンの増加した母乳は、通常の母乳よりもさらに乳幼児の成長を促進する作用を有する。
ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を有効成分として含有するインスリン分泌促進作用を有する飲食品を摂取する場合、その摂取量は特に制限がないが、一日あたり、添加したガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質の量として、0.1g〜50g、好ましくは0.5g〜20gである。この摂取量を1日間〜5年間、好ましくは2週間〜1年間、摂取し続ける。ただし、この摂取量はあくまでも目安であり、摂取者の症状の程度や年齢、体重等に応じて適宜好適な範囲に調整することができる。
【0057】
本発明の飼料は、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を含有し、ほ乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類等の動物に対して、インスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリン量を増加させる作用を有する飼料で有ればいずれでもよく、例えば、イヌ、ネコ、ネズミ等のペット用飼料、ウシ、ブタ等の家畜用飼料、ニワトリ、七面鳥等の家禽用飼料、タイ、ハマチ等の養殖用飼料等があげられる。
【0058】
本発明の飼料は、飼料原料にガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を適宜配合して製造することができる。飼料原料としては、穀物類、そうこう類、植物性油かす類、動物性飼料原料、その他飼料原料、精製品等があげられる。
【0059】
穀物としては、例えばマイロ、小麦、大麦、えん麦、ライ麦、玄米、そば、あわ、きび、ひえ、とうもろこし、大豆等があげられる。
そうこう類としては、例えば米ぬか、脱脂米ぬか、ふすま、末粉、小麦胚芽、麦ぬか、スクリーニングペレット、トウモロコシぬか、トウモロコシ胚芽等があげられる。
【0060】
植物性油かす類としては、例えば大豆油かす、きな粉、あまに油かす、綿実油かす、落花生油かす、サフラワー油かす、やし油かす、パーム油かす、ごま油かす、ひまわり油かす、なたね油かす、カポック油かす、からし油かす等があげられる。
動物性飼料原料としては、例えば北洋ミール、輸入ミール、ホールミール、沿岸ミール等の魚粉、フィッシュソルブル、肉粉、肉骨粉、血粉、分解毛、骨粉、家畜処理副産物、フェザーミール、蚕蛹、脱脂粉乳、カゼイン、乾燥ホエー、オキアミ等があげられる。
【0061】
その他飼料原料としては、アルファルファ、ヘイキューブ、アルファルファリーフミール、ニセアカシア粉末等の植物茎葉類、コーングルテンミール、コーングルテンフィード、コーンステープリカー等のトウモロコシ加工工業副産物、でんぷん、砂糖、酵母、ビールかす、麦芽根、アルコールかす、しょう油かす等の発酵工業副産物、柑橘加工かす、豆腐かす、コーヒーかす、ココアかす等の農産製造副産物、キャッサバ、そら豆、グアミール、海藻、オキアミ、スピルリナ、クロレラ等があげられる。
【0062】
精製品としては、カゼイン、アルブミン等のタンパク質、アミノ酸、スターチ、セルロース、ショ糖、グルコース等の糖質、ミネラル、ビタミン等があげられる。
ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を含有するインスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリン量を増加させる作用を有する飼料を動物に給餌する場合、その量は特に制限がないが、動物の体重1kgあたり、一日あたり、配合したガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質の量として、0.1mg〜50g、好ましくは0.5mg〜20gである。この摂取量を1日間〜5年間、好ましくは2週間〜1年間、給餌し続ける。ただし、この量はあくまでも目安であり、給餌する動物の種類、年齢、体重等に応じて適宜好適な範囲に調整することができる。
【0063】
さらに本発明は、インスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリン量を増加させる作用を有する飲食品用添加剤または飼料用添加剤に関する。飲食品用添加剤には、乳幼児用栄養組成物用の添加剤も含まれる。
本発明のガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を有効成分として含有することを特徴とするインスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリン量を増加させる作用を有する飲食品用添加剤または飼料用添加剤は、ガラクトースを含有し、かつ二糖以上である糖質およびその誘導体ならびにN−アセチルノイラミン酸を含有する糖質およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の物質を有効成分として含有し、通常の飲食品用添加剤または飼料用添加剤の製造法により製造することができる。必要に応じて一般に飲食品または飼料に用いられる添加物、例えば食品添加物表示ハンドブック(日本食品添加物協会、平成9年1月6日発行)に記載されている甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色料、漂白料、防かび剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、香辛料抽出物などの添加物を添加してもよい。また、前述の医薬錠剤に例示した担体を添加してもよい。
【0064】
添加物としては、以下のような添加物があげられる。
甘味料としてはアスパルテーム、カンゾウ、ステビア、キシロース、ラカンカなどがあげられる。着色料としては、カロチノイドやウコン色素、フラボノイド、カラメル色素、シコン色素、スピルリナ色素、葉緑素、ムラサキイモ色素、ムラサキヤマイモ色素、シソ色素、ブルーベリー色素などがあげられる。
【0065】
保存料としては、亜硫酸ナトリウム、安息香酸類、ウド抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、ソルビン酸類、プロピオン酸類、などがあげられる。増粘安定剤としては、アラビアガムやキサンタンガムなどのガム類、アルギン酸類、キチン、キトサン、キダチアロエ抽出物、グァーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、カゼインナトリウム、コーンスターチ、カルボキシメチルセルロース類、ゼラチン、寒天、デキストリン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、微小繊維状セルロース、微結晶セルロース、海藻セルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリリン酸ナトリウム、カラギーナン、酵母細胞壁、コンニャクイモ抽出物、ナタデココ、マンナンなどがあげられる。
【0066】
酸化防止剤としては、ビタミンC類、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム、エリソルビン酸、オリザノール、カテキン、ケルセチン、クローブ抽出物、酵素処理ルチン、リンゴ抽出物、ゴマ油抽出物、ジブチルヒドロキシトルエン、ウイキョウ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セリ抽出物、チャ抽出物、テンペ抽出物、ドクダミ抽出物、トコトリエノール、トコフェロール類、ナタネ油抽出物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物、フェルラ酸、ブチルヒドロキシアニソール、ブルーベリー葉抽出物、プロポリス抽出物、ヘゴ・イチョウ抽出物、ヘスペレチン、コショウ抽出物、ホウセンカ抽出物、没食子酸、ヤマモモ抽出物、ユーカリ抽出物、ローズマリー抽出物などがあげられる。
【0067】
発色剤としては亜硝酸ナトリウムなどがあげられる。漂白剤としては亜硫酸ナトリウムなどがあげられる。
防かび剤としてはオルトフェニルフェノールなどがあげられる。
ガムベースとしては、アセチルリシノール酸メチル、ウルシロウ、エステルガム、エレミ樹脂、オウリキュウリロウ、オゾケライト、オポパナックス樹脂、カウリガム、カルナウバロウ、グアヤク樹脂、グッタカチュウ、グッタハンカン、グッタペルカ、グリセリン脂肪酸エスエル、ゲイロウ、コパイババルサム、コーパル樹脂、ゴム、コメヌカロウ、サトウキビロウ、シェラック、ジェルトン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルバ、ソルビタン酸脂肪酸エステル、タルク、炭酸カルシウム、ダンマル樹脂、チクル、チルテ、ツヌー、低分子ゴム、パラフィンワックス、ファーバルサム、プロピレングリコール脂肪酸エステル、粉末パルプ、粉末モミガラ、ホホバロウ、ポリイソブチレン、ポリブテン、マイクロクリスタルワックス、マスチック、マッサランドバチョコレート、ミツロウ、リン酸カルシウムなどがあげられる。
【0068】
苦味料としては、イソアルファー苦味酸、カフェイン、カワラタケ抽出物、キナ抽出物、キハダ抽出物、ゲンチアナ抽出物、香辛料抽出物、酵素処理ナリンジン、ジャマイカカッシア抽出物、デオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、ヒキオコシ抽出物、ヒメマツタケ抽出物、ボラペット、メチルチオアデノシン、レイシ抽出物、オリーブ茶、ダイダイ抽出物、ホップ抽出物、ヨモギ抽出物などがあげられる。
【0069】
酵素としてはアミラーゼ、トリプシン、レンネット、乳酸菌などがあげられる。
光沢剤としてはウルシロウ、モクロウなどがあげられる。酸味料としてはアジピン酸、イタコン酸、クエン酸類、コハク酸類、酢酸ナトリウム、酒石酸類、二酸化炭素、乳酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸などがあげられる。調味料としてはアスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、アラニン、イソロイシン、グリシン、セリン、シスチン、チロシン、ロイシン、プロリンなどのアミノ酸、イノシン酸ナトリウム、ウリジル酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム、シチジル酸ナトリウム、リボヌクレオチドカルシウム、リボヌクレオチドナトリウムなどの核酸、クエン酸、コハク酸などの有機酸、塩化カリウム、塩水湖水低塩ナトリウム液、粗製海水塩化カリウム、ホエイソルト、リン酸三カリウム、リン酸水素ニカリウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸水素ニナトリウム、リン酸ニ水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、クロレラ抽出物などがあげられる。
【0070】
強化剤としては亜鉛塩類、ビタミンC類、各種アミノ酸、5−アデニル酸、塩化鉄、ヘスペリジン、各種焼成カルシウム、各種未焼成カルシウム、ジベンゾイルチアミン、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、チアミン塩酸塩、デュナリエラカロチン、トコフェロール、ニコチン酸、ニンジンカロチン、パーム油カロチン、パントテン酸カルシウム、ビタミンA、ヒドロキシプロリン、ピロリン酸ニ水素カルシウム、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、フェリチン、ヘム鉄、メナキノン、葉酸、リボフラビンなどがあげられる。
【0071】
製造用剤としてはアセトンやイオン交換樹脂などの加工助剤、イチジク葉抽出物、イナワラ灰抽出物、カオリン、グリセリン脂肪酸エステル、クワ抽出物、骨灰、シソ抽出物、ショウガ抽出物、各種タンニン、パフィア抽出物、ブドウ種子抽出物、エタノールなどがあげられる。
香料としては、バニラエッセンスなどがあげられる。
【0072】
香辛料抽出物としては、トウガラシエキスなどがあげられる。
なお、これら各種添加物は、前述の本発明のインスリン分泌促進剤、血糖値上昇抑制剤、糖尿病改善剤、成長促進剤および母乳中のインスリン増加剤に添加することもできる。
本発明の、インスリン分泌促進剤、血糖上昇抑制剤、糖尿病改善剤、成長促進剤または母乳中のインスリン増加剤をヒトまたは動物に投与すること、本発明のインスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリン増加作用を有する飲食品を摂取すること、または本発明のインスリン分泌促進作用、血糖上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用または母乳中のインスリン増加作用を有する飼料を動物に給餌することにより、ヒトまたは動物において、インスリンの分泌の促進、血糖上昇の抑制、糖尿病の改善、成長の促進または母乳中のインスリンの増加が可能となる。また、インスリンの増加した母乳をヒトまたは動物の乳幼児に与えることにより、乳幼児の成長を促進することができる。
【0073】
以下実施例に基づいて本発明を詳述する。ただし、下記実施例は本発明の範囲を制限するものではない。
【0074】
【実施例】
実施例1 2’−フコシルラクトース含有インスリン分泌促進剤の製造
下記組成を有するインスリン分泌促進剤を、各成分を混合することにより製造した。
2’−フコシルラクトース 49g
パインデックス#3(賦形剤;松谷化学工業株式会社製) 49g
ピロリン酸第2鉄(鉄源) 0.1g
ホスカルEFC(カルシウム源;日興ファインプロダクツ社製) 1g
ビタミンミックス(メルク社製)
【0075】
1g
実施例2 N−アセチルノイラミン酸含有インスリン分泌促進剤の製造
下記組成を有するインスリン分泌促進剤を、各成分を混合することにより製造した。
N−アセチルノイラミン酸 49g
パインデックス#3(賦形剤;松谷化学工業株式会社製) 49g
ピロリン酸第2鉄(鉄源) 0.1g
ホスカルEFC(カルシウム源;日興ファインプロダクツ社製) 1g
ビタミンミックス(メルク社製) 1g
【0076】
実施例3 2’−フコシルラクトースおよびN−アセチルノイラミン酸を含有するインスリン分泌促進剤の製造
2’−フコシルラクトース10gおよびN−アセチルノイラミン酸10gを水180mlに分散させ、インスリン分泌促進剤を製造した。
【0077】
実施例4 2’−フコシルラクトース含有ケーキの製造
次の配合によりクッキー(30個分)を製造した。
薄力粉 100g
でん粉 74g
水 14g
2’−フコシルラクトース 30g
ベーキングパウダー 小さじ2
塩 小さじ2
卵 1個
バター 80g
牛乳 大さじ2
【0078】
実施例5 N−アセチルノイラミン酸含有ケーキの製造
次の配合によりクッキー(30個分)を製造した。
薄力粉 100g
でん粉 74g
水 14g
N−アセチルノイラミン酸 30g
ベーキングパウダー 小さじ2
塩 小さじ2
卵 1個
バター 80g
牛乳 大さじ2
【0079】
実施例6 2’−フコシルラクトース含有調製粉乳の製造
下記組成を有する乳幼児用調製粉乳を製造した。
2’−フコシルラクトース 20g
脱脂乳 5.04kg
乳清蛋白質濃縮物 158g
乳糖 924g
水溶性ビタミン混合物 75g
ミネラル類 75g
脂溶性ビタミン 578g
これらを均質化し、常法により殺菌処理した後、濃縮、乾燥して調製粉乳を得た。
【0080】
試験例1 2’−フコシルラクトースのインスリン分泌促進作用(1)
II型糖尿病のモデル動物である各群6匹の9週齢C57BL/KsJ−db/db Jcl(以下db/dbと略記する)雄マウス(日本クレア株式会社製)に市販飼料であるCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間与え、飼料に対する馴化を行った。
【0081】
馴化後、2’−フコシルラクトース(以下、2’−FLとも略する)の10%水溶液を、2’−FLの量として、午前中200mg/kg体重、夕方300mg/kg体重になるようにマウスへ経口投与した。対照群には精製水を投与した。2’−FL水溶液および精製水は7日間毎日同量をマウスに投与した。
投与期間中もCE−2を与えて、飲水とともに自由摂取させた。
【0082】
投与開始7日目の最終投与時から18時間絶食を行った後、2g/kg体重のグルコースを40%水溶液として、マウスへ経口投与し、糖負荷試験を行った。グルコース負荷0分後および30分後に尾静脈より採血を行い、さらに120分後に50mg/kg体重のペントバルビタールナトリウムにより麻酔を施した後に、下大静脈より全採血した。血液は遠心分離(4℃、3000rpm、10分間)を行い、血清を取得した。
【0083】
取得した血清中のインスリン量は、レビスインスリンキット(ラット用−T)(株式会社シバヤギ製)を用いた酵素免疫測定法により以下のようにして測定した。なお、本キットはラットおよびマウスの血清中のインスリンに反応する。
まず、取得した血清をキットに添付の緩衝液で5倍に希釈した。希釈した血清10μlをとり、ビオチン結合抗インスリン抗体100μlが添加されている抗体固相化プレートのウェルに分注し、2時間室温にて反応させた。反応後、キット添付の洗浄液にてプレートを4回洗浄した。洗浄後、ペルオキシダーゼ−アビジン結合物100μlをウェルに分注し、室温にて30分間反応させた。反応後、洗浄液にてプレートを4回洗浄した。洗浄後、発色剤100μlをウェルに分注し、30分間発色させた後、反応停止液100μlを各ウェルに加えた。プレートリーダーにてウェル中の反応液の450nmの吸光度を測定した。
【0084】
なお、検量線は、標準液としてキット添付の標準インスリン溶液(ラット)200ng/mlを使用して、該標準液をキット添付の緩衝液にて適宜希釈して血清と同様の反応を行わせ、その濃度と吸光度(450nm)の関係をプロットして作成した。作成した検量線と、血清を反応させた時の吸光度から、血清中のインスリン濃度の値を求めた。結果を第1表に示す。
【0085】
【表1】
Figure 0004401659
【0086】
第1表に示したように、db/dbマウスにおけるグルコース負荷後の血清中のインスリンの濃度が、2’−FLの連日経口投与によって、対照群と比較して経時的に上昇し、インスリン分泌が促進されることが示された。
【0087】
試験例2 2’−フコシルラクトースのインスリン分泌促進作用(2)
正常マウスである11匹の9週齢ICR雄マウス(日本エスエルシー株式会社製)に市販飼料であるCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間与え、飼料に対する馴化を行った。
【0088】
馴化後、2’−FLの10%水溶液を、2’−FLの量として、午前中200mg/kg体重、夕方300mg/kg体重になるようにマウスへ経口投与した。対照群には精製水を投与した。2’−FL水溶液および精製水は7日間毎日同量をマウスに投与した。
投与期間中もCE−2を与え飲水とともに自由摂取させた。
【0089】
投与開始7日目の最終投与時から18時間絶食を行った後、2g/kg体重のグルコースを40%水溶液としてマウスへ経口投与し、糖負荷試験を行った。グルコース負荷後0分後に尾静脈より採血を行い、さらに120分後に50mg/kg体重のペントバルビタールナトリウムにより麻酔を施した後に、下大静脈より全採血した。血液は遠心分離(4℃、3000rpm、10分間)を行い、血清を取得した。
【0090】
取得した血清中のインスリン量は、レビスインスリンキット(マウス用−T)(株式会社シバヤギ製)を用いた酵素免疫測定法により測定した。取得した血清10μlをとり、ビオチン結合抗インスリン抗体100μlが添加されている抗体固相化プレートのウェルに分注し、2時間室温にて反応させた。反応後、キット添付の洗浄液にてプレートを4回洗浄した。洗浄後、ペルオキシダーゼ−アビジン結合物100μlをウェルに分注し、室温にて30分間反応させた。
【0091】
反応後、洗浄液にてプレートを4回洗浄した。洗浄後、発色剤100μlをウェルに分注し、30分間発色させた後、反応停止液100μlを各ウェルに加えた。プレートリーダーにてウェル中の反応液の450nmの吸光度を測定した。なお、検量線は、標準液としてキット添付の標準インスリン溶液(マウス、200ng/ml)を使用して、該標準液をキット添付の緩衝液にて適宜希釈して血清と同様の反応を行わせ、その濃度と吸光度(450nm)の関係をプロットして作成した。作成した検量線と、血清を反応させた時の吸光度から、血清中のインスリン濃度の値を求めた。結果を第2表に示す。
【0092】
【表2】
Figure 0004401659
【0093】
第2表に示したように、ICRマウスにおけるグルコース負荷120分後の血清中のインスリン濃度が2’−FLを連日経口投与することにより対照群と比較して上昇を示し、インスリン分泌が促進されることが示された。
【0094】
試験例3 各種糖質のインスリン分泌促進作用(1)
各群6匹の9週齢db/db雄マウス(日本クレア株式会社製)にCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間与え、飼料に対する馴化を行った。
【0095】
馴化後、グロボトリオース(以下、globoと略する)、N−アセチルラクトサミン(以下、LacNAcと略する)、N−アセチルノイラミン酸(以下、NeuAcと略す)それぞれの10%水溶液を、それぞれ各糖質の量として午前中200mg/kg体重、夕方300mg/kg体重になるようにマウスへ経口投与した。
【0096】
対照群には精製水を投与した。各糖質水溶液および精製水は7日間毎日同量をマウスに投与した。投与期間中もCE−2を与え飲水とともに自由摂取させた。
投与開始8日目に50mg/kg体重のペントバルビタールナトリウムによる麻酔下でマウス下大静脈より全採血した。血液は遠心分離(4℃、3000rpm、10分間)を行い、血清を取得した。
【0097】
取得した血清中のインスリン量は、試験例1と同様にレビスインスリンキット(ラット用−T)(株式会社シバヤギ製)を用いた酵素免疫測定法により測定した。結果を第3表に示す。
【0098】
【表3】
Figure 0004401659
【0099】
第3表に示すように、db/dbマウスにおける血清中インスリン濃度がglobo、LacNAcまたはNeuAcを連日経口投与することによって対照群と比較して上昇し、インスリン分泌を促進することが示された。
【0100】
試験例4 各種糖質の血中インスリン分泌促進作用(2)
各群6匹の9週齢db/db雄マウス(日本クレア株式会社製)にCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間与え、飼料に対する馴化を行った。
【0101】
馴化後、3’−シアリルラクトース(以下3’−SLと略する)、6’−シアリルラクトース(以下6’−SLと略する)、2’−FLそれぞれの10%水溶液を、それぞれ各糖質の量として午前中200mg/kg体重、夕方300mg/kg体重になるように経口投与した。対照群には精製水を投与した。各糖質水溶液および精製水は7日間毎日同量をマウスに投与した。投与期間中もCE−2を与えて、飲水とともに自由摂取させた。
【0102】
投与開始7日目の最終投与時から18時間の絶食を行った後に、2g/kg体重のグルコースを40%水溶液としてマウスに経口投与し、糖負荷試験を行った。グルコース負荷0分後および30分後に尾静脈より採血を行い、さらに120分後に50mg/kg体重のペントバルビタールナトリウムによる麻酔を施した後に下大静脈より全採血した。血液は遠心分離(4℃、3000rpm、10分間)を行い、血清を取得した。
【0103】
取得した血清中のインスリン量は、試験例1と同様にレビスインスリンキット(ラット用−T)(株式会社シバヤギ製)を用いた酵素免疫測定法により測定した。結果を第4表に示す。
【0104】
【表4】
Figure 0004401659
【0105】
第4表に示すように、db/dbマウスにおいてグルコース負荷時の血清中インスリン濃度が、3’−SL、6’−SLまたは2’−FLを連日経口投与することによって対照群と比較して上昇し、インスリン分泌を促進することが示された。
【0106】
試験例5 各種糖質の血中インスリン分泌促進作用(3)
各群6匹の9週齢db/db雄マウス(日本クレア株式会社製)に市販飼料であるCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間与え、飼料に対する馴化を行った。
【0107】
馴化後、ラクト−N−ネオテトラオース(以下LNnTと略す)、NeuAcそれぞれの10%水溶液を、それぞれ各糖質の量として午前中200mg/kg体重、夕方300mg/kg体重になるように経口投与した。対照群には精製水を投与した。各糖質水溶液および精製水は7日間毎日同量をマウスに投与した。投与期間中はCE−2を与え、飲水とともに自由摂取させた。
【0108】
投与開始7日目の最終投与時から18時間の絶食を行い、2g/kg体重のグルコースを40%水溶液としてマウスに経口投与し、糖負荷試験を行った。グルコース負荷0分後および30分後に尾静脈より採血を行い、120分後に50mg/kg体重のペントバルビタールナトリウムによる麻酔を施した後に下大静脈より全採血した。血液は遠心分離(4℃、3000rpm、10分間)を行い血清を得た。
【0109】
取得した血清中のインスリン量は、試験例1と同様にレビスインスリンキット(ラット用−T)(株式会社シバヤギ製)を用いた酵素免疫測定法により測定した。結果を第5表に示す。
【0110】
【表5】
Figure 0004401659
【0111】
第5表に示すように、db/dbマウスにおいてグルコース負荷時の血清中インスリン濃度が、LNnT、NeuAcを連日経口投与することによって対照群と比較して上昇し、インスリン分泌を促進することが示された。
【0112】
試験例6 各種糖質の血中インスリン分泌促進作用および血糖値上昇抑制作用
各群7匹の9週齢ICR雄マウス(日本エスエルシー株式会社製)にCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間投与し、飼料に対する馴化を行なった後、18時間の絶食を行った。
【0113】
2’−FLまたはNeuAcの10%水溶液を、各糖質の量として500mg/kg体重となるように静脈内投与し、同時に2g/kg体重のグルコースを40%水溶液として経口投与した。対照群には生理食塩水を静脈内投与し、同時に2g/kg体重のグルコースの経口投与を行った。グルコース負荷0分後および30分後に尾静脈より採血を行い、120分後に50mg/kg体重のペントバルビタールナトリウムによる麻酔を施した後に、下大静脈より全採血した。血液は遠心分離(4℃、3000rpm、10分間)を行い、血清を取得した。
【0114】
取得した血清中のインスリン濃度は、試験例2と同様にレビスインスリンキット(マウス用−T)(株式会社シバヤギ製)を用いた酵素免疫測定法により測定した。
また、取得した血清中のグルコース濃度も測定した。グルコース濃度は、グルコースCII−テストワコー(和光純薬工業株式会社製)を用いた。取得された血清を96ウェルのプレートに2μlとり、さらにキットに添付された発色液200μlを加えて10分間37℃にて加温した。加温後プレートリーダーにて490nmにおける吸光度を測定した。なお、検量線は、標準液として500mg/dlグルコース水溶液を用いて、該標準液を適宜希釈して血清と同様の反応を行わせ、その濃度と吸光度(490nm)の関係をプロットして作成した。作成した検量線と、血清を反応させた時の吸光度から、血清中のグルコース濃度の値を求めた。
【0115】
血清中インスリン濃度を第6表に、血清中グルコース濃度を第7表に、それぞれ示す。
【0116】
【表6】
Figure 0004401659
【0117】
【表7】
Figure 0004401659
【0118】
第6表および第7表に示すように、ICRマウスにおいてグルコース負荷時の血清中インスリン濃度が、2’−FLまたはNeuAcを静脈内投与することによって対照群と比較して上昇し、インスリン分泌が促進されること、インスリン濃度の上昇に伴い血清中グルコース濃度の上昇も対照群と比較して抑制され、血糖値の上昇が抑制されることが示された。
【0119】
試験例7 2’−フコシルラクトースの血中インスリン分泌促進作用(3)
各群7匹の9週齢ICR雄マウス(日本エスエルシー株式会社製)にCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間投与し、飼料に対する馴化を行なった後、2’−FLの1%水溶液を、2’−FLの量として50mg/kg体重となるように静脈内投与した。対照群には精製水を静脈投与した。投与後0分後および30分後に尾静脈より採血を行い、120分後に50mg/kg体重のペントバルビタールナトリウムによる麻酔を施した後に下大静脈より全採血した。血液は遠心分離(4℃、3000rpm、10分間)を行い、血清を取得した。
【0120】
取得した血清中のインスリン濃度は、試験例2と同様にレビスインスリンキット(マウス用−T)(株式会社シバヤギ製)を用いた酵素免疫測定法により測定した。結果を第8表に示す。
【0121】
【表8】
Figure 0004401659
【0122】
第8表に示すように、ICRマウスにおいて血清中インスリン濃度が2’−FLを静脈内投与することによって、対照群と比較して上昇し、インスリン分泌が促進されることが示された。
【0123】
試験例8 2’−フコシルラクトースのインスリン分泌促進作用および血糖値上昇抑制作用
各群6匹の8週齢ICR雄マウス(日本エスエルシー株式会社製)にCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間与え、飼料に対する馴化を行った。
【0124】
馴化したマウスを18時間絶食させた後、2’−FLの2%水溶液を、2’−FLの量として100mg/kg体重になるように経口投与した。対照群には0.9%生理食塩水を経口投与した。2’−FL投与1時間後、2g/kg体重のグルコースを40%水溶液としてマウスへ経口投与し、糖負荷試験を行った。グルコース負荷後0分後、60分後、120分後に尾静脈より採血を行い、簡易型血糖値測定装置メディセーフリーダーGR−101(テルモ株式会社製)にて血糖値を測定し、また血清を取得した。
【0125】
取得した血清中のインスリン量は、以下のようなモリナガ超高感度ラットインスリン測定キット(森永生化学研究所株式会社製)を用いた酵素免疫測定法により測定した。血清15μlをキット添付の希釈液85μlが分注されている抗体固相化プレートのウェルに分注し、2時間4℃にて反応させた。反応後、キット添付の洗浄液にてプレートを5回洗浄した。洗浄後、酵素標識モルモット抗ラットインスリン抗体100μlを各ウェルに分注し、室温にて30分間反応させた。反応後、洗浄液にてプレートを7回洗浄した。洗浄後、酵素基質溶液100μlをウェルに分注し、30分間発色させた後、反応停止液100μlを各ウェルに加えた。バイオラッド・モデル3550マイクロプレートリーダー(バイオラッド・ラボラトリーズ社製)にて各ウェルの450nm(主波長)および655nm(副波長)の吸光度を測定した。なお、検量線は、標準液としてキット添付の標準インスリン(マウス)2ngを精製水100μlに溶解した20ng/mlインスリン溶液を使用して、該標準液をキット添付の希釈液にて適宜希釈して血清と同様の反応を行わせ、その濃度と主波長450nmおよび副波長655nmの吸光度の関係をプロットして作成した。作成した検量線から、血清を反応させた時の吸光度に対応する血清中のインスリン濃度の値を求めた。結果を第9表および第10表に示す。
【0126】
【表9】
Figure 0004401659
【0127】
【表10】
Figure 0004401659
【0128】
第9表および第10表に示すように、ICRマウスにおいて2’−FLをグルコース負荷の120分前に1回経口投与することにより対照群と比較して、グルコース負荷60分後の血清中インスリン濃度が上昇し、インスリン分泌が促進されること、血糖値の上昇が抑制されることが示された。
【0129】
試験例9 I型糖尿病モデル動物に対する2’−フコシルラクトースのインスリン分泌促進作用
Wistar系ラット雄7週齢(日本エスエルシー株式会社製)にCE−2(日本クレア株式会社製)を1週間与え、飼料に対する馴化を行った。
【0130】
馴化したラットを18時間絶食させた後、ストレプトゾトシン(和光純薬工業株式会社製、以下STZと略す)15mgを含む50mmol/lクエン酸緩衝液(pH4.5)300mlを調製し、STZの量として25mg/kg体重となるように尾静脈より投与した。STZ投与5日後に18時間絶食を行い、尾静脈に穿刺して採血し簡易型血糖測定装置メディセーフリダーGR−101(テルモ株式会社製)により血糖値の測定を行い、血糖値が200mg/dl以下の軽度な糖尿病状態のラット5匹(No.1、3、4、5、8)を選抜した。
【0131】
2’−FLの2%水溶液を調製し、2’−FLの量として50mg/kg体重になるようにラットNo.1に尾静脈内投与を行った。ラットNo.3、No.4、No.5、No.8には0.9%生理食塩水を投与した。2’−FL投与2時間後、1g/kg体重のグルコースを40%水溶液としてラットへ経口投与し、糖負荷試験を行った。グルコース負荷後0分後、30分後、60分後、120分後、240分後に尾静脈より採血を行い、メディセーフリーダーGR−101により血糖値を測定し、また血清を取得した。
【0132】
STZ投与12日後にラットを18時間絶食させ、ラットNo.3、No.4、No.5、No.8には2’−FLの2%水溶液を調製し、2’−FLの量として50mg/kg体重になるように尾静脈内投与を行った。ラットNo.1には0.9%生理食塩水を投与した。2’−FL投与2時間後、1g/kg体重のグルコースを40%水溶液としてラットへ経口投与し、糖負荷試験を行った。グルコース負荷後0分後、30分後、60分後、120分後、240分後に尾静脈より採血を行い、メディセーフリーダーGR−101にて血糖値を測定し、また血清を取得した。
【0133】
取得した血清中のインスリン濃度は、試験例8と同様にしてモリナガ超高感度ラットインスリン測定キット(森永生化学研究所株式会社製)を用いた酵素免疫測定法により測定した。ただし、検量線は、標準液としてキット添付の標準インスリン(ラット)2.56ngを精製水100μlに溶解した25.6ng/mlインスリン溶液を使用して、標準液をキット添付の希釈液にて適宜希釈して血清と同様の反応を行わせ、その濃度と主波長450nmおよび副波長655nmの吸光度の関係をプロットして作成した。作成した検量線から、血清を反応させた時の吸光度に対応する血清中のインスリンの値を求めた。結果を第11表および第12表に示す。
【0134】
【表11】
Figure 0004401659
【0135】
【表12】
Figure 0004401659
【0136】
第11表および第12表に示すように、STZ誘導性糖尿病ラットに2’−FLを静脈内投与することにより、投与2時間後の糖負荷による血清中インスリン濃度が上昇し、インスリン分泌が促進されること、血糖値の上昇が抑制されることが示された。
【0137】
【発明の効果】
本発明により、インスリン分泌促進剤、血糖値上昇抑制剤、糖尿病改善剤、成長促進剤、もしくは母乳中のインスリン増加剤、またはインスリン分泌促進作用、血糖値上昇抑制作用、糖尿病改善作用、成長促進作用もしくは母乳中のインスリン増加作用を有する飲食品、飼料、飲食品用添加物もしくは飼料量添加物が提供される。

Claims (12)

  1. N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボトリオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、2’−フコシルラクトースおよびN−アセチルノイラミン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有効成分として含有するII型糖尿病ヒトまたは非ヒト動物におけるインスリン分泌促進剤。
  2. II型糖尿病非ヒト動物に、請求項記載のインスリン分泌促進剤を投与することを特徴とするII型糖尿病非ヒト動物のインスリン分泌を促進させる方法。
  3. 動物が、家畜、家禽または養殖魚である請求項記載の方法。
  4. 経口または注射により投与されることを特徴とする、請求項記載のインスリン分泌促進剤。
  5. N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボトリオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、2’−フコシルラクトースおよびN−アセチルノイラミン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有効成分として含有するII型糖尿病ヒトまたは非ヒト動物における血糖上昇抑制剤。
  6. II型糖尿病非ヒト動物に、請求項記載の血糖上昇抑制剤を投与することを特徴とするII型糖尿病非ヒト動物の血糖上昇を抑制させる方法。
  7. 動物が、家畜、家禽または養殖魚である請求項記載の方法。
  8. 経口または注射により投与されることを特徴とする、請求項記載の血糖上昇抑制剤。
  9. N−アセチルラクトサミン、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボトリオース、3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、2’−フコシルラクトースおよびN−アセチルノイラミン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種類を有効成分として含有するII型糖尿病ヒトまたは非ヒト動物における糖尿病改善剤。
  10. II型糖尿病非ヒト動物に、請求項記載の糖尿病改善剤を投与することを特徴とするII型糖尿病非ヒト動物の糖尿病を改善させる方法。
  11. 動物が、家畜、家禽または養殖魚である請求項10記載の方法。
  12. 経口または注射により投与されることを特徴とする、請求項記載の糖尿病改善剤。
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