JP2011105612A - トランス‐1,4−シクロヘキシレン構造を有する化合物の製造方法 - Google Patents

トランス‐1,4−シクロヘキシレン構造を有する化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 医薬品、農薬、液晶材料等の原材料として有用なトランス‐1,4-シクロヘキシレン構造を有する化合物の効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】 シクロヘキサノン誘導体に塩基性条件下、アルキルホスホニウムイリド又はホスホナート誘導体を作用させることにより得られるアルキルメチレンシクロへキサン誘導体を、非プロトン性溶媒である酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフランを反応溶媒として用いて接触水素化を行うことにより、1,4-トランス‐アルキルシクロヘキシレン構造を有する化合物を高い選択性で得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明はトランス‐1,4-シクロヘキシレン構造を有する化合物の製造に関する。
トランス‐シクロヘキシレン構造を有する化合物は、医薬品、農薬、液晶材料等の原料としてしばしば用いられる。シクロヘキサンはシス体、トランス体の異性体が存在するが、その中でもトランス体が物性的に有用な場合が多い。
これまでトランス体のみを選択的に製造する方法について検討がなされてきたが、短工程で収率よくトランス‐シクロヘキシレン構造を有する化合物を得る方法はなかった。その製造方法は大きく分けて、シス体とトランス体の混合物を得た後に異性化反応によりトランス体過剰の混合物とし、精製によりトランス体を得る方法、及びその前駆体であるシクロヘキセン誘導体又はシクロヘキセン誘導体及びメチレンシクロヘキセン誘導体の混合物を用いて、トランス体を優先的に生成するように還元する方法の二つがある。
Figure 2011105612
具体的に、トランス‐1,4-シクロヘキシレン構造を有する化合物を異性化により製造する方法としては、シス体及びトランス体の混合物として得られたシクロヘキシルケトン誘導体を異性化反応によりトランス体の比率を過剰とした後に、ヒドラジンによりカルボニル基を還元してトランス‐アルキルシクロヘキサン誘導体とする方法(特許文献1)や、同様に異性化反応により得たトランス-p-トリルスルホニルオキシメチルシクロヘキサン誘導体を、水素化アルミニウムリチウムにより還元し、トランス‐メチルシクロヘキサン誘導体とする方法(特許文献1)が知られている。また、シクロヘキセニルベンゼン誘導体や、アルキル-シクロヘキセン誘導体の接触水素化を行い、シス体とトランス体との異性体混合物として得た後、チオ尿素により異性化反応を行い、1,4-トランス‐アルキルシクロヘキサン誘導体を得る方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、これらの方法では、目的化合物を製造する過程のいずれかの段階において、シス体とトランス体との異性体混合物の異性化反応を行う必要がある。また、通常異性化反応を行う際には反応点となる活性部位がなくてはならず、基質選択性がある。例えば1,4-アルキルシクロヘキサン誘導体のようにカルボニル基等の活性部位が無い化合物の異性化を行う場合は、1,4-アルキルシクロヘキサン誘導体を直接異性化するのではなく、例えばシクロヘキシルケトン誘導体の状態で異性化を行い、その後還元して1,4-トランス‐アルキルシクロヘキサン誘導体を得るという複雑な工程が必要であった。
また、トランス‐1,4-シクロヘキシレン構造を有する化合物を立体選択的な還元により製造する方法として、メチレンシクロへキサン構造を有する化合物の接触水素化が、数例知られている。例えば、4-(カルボエトキシメチレン)シクロヘキサンカルボン酸を接触水素化するもの(特許文献2)や、4位にtert-ブチル基の置換したエチリデンシクロヘキサンの接触水素化がある(非特許文献1)。これらの方法は、いずれも反応溶媒としてエタノールのようなアルコール系溶媒が用いられているが、これらの反応では基質選択性があり置換基に酸素原子を有している化合物を原料として用いた場合に、得られる化合物のトランス体の割合が多くなっている。このため、すべての化合物に適用できる方法ではなく、アルキルシクロヘキサンのようなシクロヘキサン骨格に直接結合している原子が炭素原子と水素原子のみのような化合物はこの方法では立体選択的な還元により製造することは出来なかった。また従来の立体選択的な還元はシス体とトランス体との選択率が低く、トランス体の生成比としてそれぞれ72%、68%と、十分でなかった。このようにシクロヘキサン構造内に不飽和結合を持つシクロヘキセン誘導体の接触還元ではトランス体を選択的に得ることは困難であった。
特開昭60−16940号公報 米国特許第2006/0063803号公報
テトラへドロン レターズ(Tetrahedron Letters)1997, 38, 8627-8630.
本発明の解決しようとする課題は、トランス‐1,4-シクロヘキシレン構造を有する化合物を、より簡便にかつ効率的に製造することができる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルキルメチレンシクロへキサン誘導体を、非プロトン性極性溶媒である酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフランを反応溶媒として用いて接触水素化を行うことにより、トランス‐1,4-アルキルシクロヘキシレン構造を有する化合物を1工程でかつ高い選択性で得ることが出来る。これにより従来法では不可欠であった煩雑な異性化処理やカルボニル基の還元工程等を省略可能な方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は一般式(III)
Figure 2011105612
(式中、R、A、L及びnは請求項1記載の一般式(I)におけるR、A、L及びnと同じ意味を表す。)で表される化合物に、一般式(IV)
Figure 2011105612
(式中、R2は請求項1記載の一般式(I)におけるR2と同じ意味を表し、XはCl、Br、Iを表す。)で表される化合物に塩基を作用させ調製したイリド及び/又はホスホラン、
又は、一般式(V)
Figure 2011105612
(式中、R2は請求項1記載の一般式(I)におけるR2と同じ意味を表し、R5は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数2〜12のアルケニル基を表す。)で表される化合物に塩基を作用させ調製したカルボアニオンを作用させることにより得られる請求項1記載の一般式(I)
Figure 2011105612
(式中、Rは、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、これら基中の1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、また非隣接の−CH−基は独立的に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、Aはフッ素原子によって置換されていても良い1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、Lは単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、nは0、1、2又は3を表すが、Aが複数存在する場合には同一であっても異なっていても良く、Lが複数存在する場合には同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物を水素雰囲気下、非プロトン性極性溶媒中で、遷移金属触媒により接触水素化反応を行うことによる一般式(II)
Figure 2011105612
(式中、Rは、一般式(I)におけるRと同じ意味を表すが、Rに−CH=CH−が存在する場合には−CHCH−に置き換え、Rは、一般式(I)におけるRと同じ意味を表すが、Rに−CH=CH−が存在する場合には−CHCH−に置き換え、Aは一般式(I)におけるAと同じ意味を表し、Lは一般式(I)におけるLと同じ意味を表すが、Lが−CH=CH−及び−C≡C−を表す場合にはLは−CHCH−を表し、nは一般式(I)におけるnと同じ意味を表し、Aが複数存在する場合には同一であっても異なっていても良く、Lが複数存在する場合には同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物の製造方法を提供する。
一般式(I)の接触水素化により一般式(II)を得る反応は、遷移金属触媒を使用するが、遷移金属としては白金族金属、鉄族金属が好ましく、具体的にはパラジウム、ルテニウム、白金、ロジウム及びニッケル等が好ましく、パラジウムがより好ましい。これら金属はそのまま反応系に加えることも出来るが、担体に担持して使用することが好ましい。担体としては多孔性の物質であれば特に制限されないが、アルミナ、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土、チタニア、ジルコニア、テニオライト、ヘクトライト及び活性炭を挙げることができるが、アルミナ、シリカゲル及び活性炭が好ましく、活性炭が更に好ましい。
遷移金属触媒は使用前に水素雰囲気下に置き、水素を吸着させておくとより好ましい。
反応時に使用する溶媒としては、非プロトン性極性溶媒を必要とするが、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル等のエーテル系溶媒や、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒、を単独又は混合して用いることができるが、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)を用いることが好ましい。更にこれら非プロトン性極性溶媒のみでは基質(一般式(I)で表される化合物)が溶解できない場合にベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒等を添加しても良い。しかし、芳香族系溶媒の添加量を多くすると、接触水素化後のトランス体の選択率が低下してしまう。このため、非プロトン性極性溶媒80%、芳香族系溶媒20%の混合溶媒を用いることが好ましく、非プロトン性極性溶媒90%、芳香族系溶媒10%の混合溶媒を用いることが好ましい。例えば、溶媒として酢酸エチルとトルエンの混合溶媒を用いる場合、酢酸エチル80%、トルエン20%の混合比の混合溶媒又は酢酸エチル90%、トルエン10%の混合比の混合溶媒を用いることが好ましい。
反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、20℃から還流温度が好ましく、下限温度としては40℃が好ましく、50℃が更に好ましい。上限温度としては75℃が好ましく、70℃が好ましく、60℃が更に好ましい。
一般式(I)においてRは、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、また−CH−基は独立的に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよいが、フッ素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基又は炭素数2〜7のアルケニルオキシ基が好ましく、フッ素原子、炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基、ビニル基、3-ブテニル基、3-ブテニルオキシ基、トランス-1-プロペン-1-イル基、4-ペンテニルオキシ基又はトランス-3-ペンテン-1-イル基がより好ましく、Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表すが、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜7のアルコキシ基又は炭素数2〜7のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基、ビニル基、3-ブテニル基、3-ブテニルオキシ基、トランス-1-プロペン-1-イル基、4-ペンテニルオキシ基又はトランス-3-ペンテン-1-イル基がより好ましく、Aはフッ素原子によって置換されていても良い1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、トランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1個以上のフッ素原子に置換されていてもよい1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-1,4-シクロヘキシレン基又は無置換の1,4-フェニレン基がより好ましく、Lは単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−及び−C≡C−を表すが、単結合又は−CHCH−が好ましく、nは0、1又は2を表すが、nが2を表す場合に複数存在するAは同一であっても異なっていても良く、1又は2が好ましい。
一般式(II)において、R、R、A、L及びnは、原料として用いた一般式(I)で表される化合物における対応するものと同一のものを表すが、接触水素化により還元される−CH=CH−及び−C≡C−は−CHCH−と置き換える。
一般式(III)、(IV)及び(V)で表される化合物は一般式(I)で表される化合物の原料でありR、R、A、L及びnは、原料として用いた一般式(I)で表される化合物における対応するものと同一のものを表す。なお、一般式(V)におけるRは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基を表すが、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜7のアルケニル基が好ましく、炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜5の直鎖状アルケニル基がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)又は一般式(V)で表される化合物を塩基存在下に反応させることにより製造するが、一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)又は一般式(V)で表される化合物を共存させた状態で塩基を加えても良いし、一般式(IV)又は一般式(V)で表される化合物と塩基を作用させその後に一般式(III)で表される化合物と反応させても良い。
塩基としては、一般式(IV)で表される化合物を用いる場合は、金属アルコキシド、アルキル金属又は金属アミドを用いることが好ましく、具体的にはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシドが好ましく、ナトリウムtert-ブトキシド又はカリウムtert-ブトキシドがより好ましく、一般式(V)で表される化合物を用いる場合は、アルキル金属又は金属アミドを用いることが好ましく、具体的にはn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)等が好ましく、n-ブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミド(LDA)がより好ましい。
上記反応の際に使用する溶媒としては、反応を好適に進行させるものであればいずれでも構わないが、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル等のエーテル系溶媒や、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒を単独又は混合して用いることができるが、テトラヒドロフラン(THF)を用いることが好ましい。
反応温度は溶媒の凝固点から還流温度範囲で行うことができるが、-10℃から20℃が好ましい。
本願発明は、一般式(II)で表される化合物を効率的に製造することができるが、次に示す化合物の製造がより好適である。
Figure 2011105612
(式中、Rは水素原子、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数2〜8のアルケニルオキシ基を表す。)
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、下記の略語を使用する。
Pr:プロピル基
Bu:ブチル基
THF:テトラヒドロフラン
(実施例1)トランス、トランス-4-エチル-4’-プロピルビシクロへキシルの製造
Figure 2011105612
2Lの4つ口フラスコ(メカニカルスターラー、温度計付)にエチルトリフェニルホスホニウムブロミド400g、4-(トランス-4’-プロピルシクロヘキシル)シクロへキサノン 200gおよびテトラヒドロフラン(THF)500mLを入れ、氷冷した。そこへカリウムt-ブトキシド122gのTHF溶液(360 mL)を30分間かけて滴下し、10℃で2時間撹拌した。水を加え、しばらく撹拌した後有機層を分取し、水層をヘキサンで抽出した。有機層を合わせ、水、50%メタノール水溶液、飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧留去した後、精製を行い、トランス-4-エチリデン-4’-プロピルビシクロへキシル186 gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):0.85-1.15 (m, 17H), 1.27-1.31 (m, 3H), 1.54-1.76 (m, 6H), 1.94-2.01 (m, 1H), 2.15-2.21 (m, 1H), 2.59-2.65 (m, 1H) , 5.10-5.15 (m, 1H).
Figure 2011105612
トランス-4-エチリデン-4’-プロピルビシクロへキシル80 g 、5%パラジウムカーボン 4g (50wt.%含水品)の酢酸エチル溶液(400 mL)を、水素圧0.5MPaとした後、55℃にて5時間撹拌する。触媒を濾別し、溶媒を留去することで、トランス、トランス体とトランス、シス体の混合物として得られた。異性体比をGCで測定すると、トランス、シス体;15%、トランス、トランス体;85%であった。本願発明の製造方法により85%の高い純度でトランス、トランス体を得ることができた。再結晶とシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、トランス、トランス-4-エチル-4’-プロピルビシクロへキシル45 gを得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3):0.82-1.04 (m, 17H), 1.11-1.20 (m, 5H), 1.27-1.33 (m, 2H), 1.68-1.78 (m, 8H).
(実施例2)
実施例1において、水素添加反応の反応溶媒をテトラヒドロフラン(THF)に変更した以外は同様にしてトランス、トランス-4-エチル-4’-プロピルビシクロへキシルの製造を行った。実施例と同様、異性体比をGCで測定すると、トランス、シス体;15%、トランス、トランス体;85%であった。本願発明の製造方法により85%の高い純度でトランス、トランス体を得ることができた。
(実施例3)
実施例1において、水素添加反応の反応溶媒をアセトンに変更した以外は同様にしてトランス、トランス-4-エチル-4’-プロピルビシクロへキシルの製造を行った。実施例と同様、異性体比をGCで測定すると、トランス、シス体;15%、トランス、トランス体;85%であった。本願発明の製造方法により85%の高い純度でトランス、トランス体を得ることができた。
(比較例1)
実施例1において、水素添加反応の反応溶媒をエタノールに変更した以外は同様にしてトランス、トランス-4-エチル-4’-プロピルビシクロへキシルの製造を行った。実施例と同様、異性体比をGCで測定すると、トランス、シス体;21%、トランス、トランス体;79%であった。比較例1の製造方法ではトランス-トランス体の割合が本願発明の製造方法より6%も低いものであった。

Claims (8)

  1. 一般式(I)
    Figure 2011105612
    (式中、Rは、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、これら基中の1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、また非隣接の−CH−基は独立的に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、Rは、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、Aはフッ素原子によって置換されていても良い1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、Lは単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−又は−C≡C−を表し、nは0、1、2又は3を表すが、nが0を表す場合にはRはトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数2〜12のアルケニルオキシ基を表し、これら基中の1個以上の水素原子は独立的にフッ素原子に置換されていてもよく、また非隣接の−CH−基は独立的に−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−に置換されていてもよく、Aが複数存在する場合には同一であっても異なっていても良く、Lが複数存在する場合には同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物を水素雰囲気下、非プロトン性極性溶媒中で、遷移金属触媒により接触水素化反応を行うことによる一般式(II)
    Figure 2011105612
    (式中、Rは、一般式(I)におけるRと同じ意味を表すが、Rに−CH=CH−が存在する場合には−CHCH−に置き換え、Rは、一般式(I)におけるRと同じ意味を表すが、Rに−CH=CH−が存在する場合には−CHCH−に置き換え、Aは一般式(I)におけるAと同じ意味を表し、Lは一般式(I)におけるLと同じ意味を表すが、Lが−CH=CH−及び−C≡C−を表す場合にはLは−CHCH−を表し、nは一般式(I)におけるnと同じ意味を表し、Aが複数存在する場合には同一であっても異なっていても良く、Lが複数存在する場合には同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物の製造方法。
  2. 一般式(III)
    Figure 2011105612
    (式中、R、A、L及びnは請求項1記載の一般式(I)におけるR、A、L及びnと同じ意味を表す。)で表される化合物に、一般式(IV)
    Figure 2011105612
    (式中、R2は請求項1記載の一般式(I)におけるR2と同じ意味を表し、XはCl、Br又はIを表す。)で表される化合物に塩基を作用させ調製したイリド及び/又はホスホラン、
    又は、一般式(V)
    Figure 2011105612
    (式中、R2は請求項1記載の一般式(I)におけるR2と同じ意味を表し、R5は炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数2〜12のアルケニル基を表す。)で表される化合物に塩基を作用させ調製したカルボアニオンを作用させることにより得られる請求項1記載の一般式(I)で表される化合物を用いた、請求項1記載の一般式(II)で表される化合物の製造方法。
  3. 非プロトン性極性溶媒としてエステル系、エーテル系又はケトン系溶媒を使用する請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 非プロトン性極性溶媒として酢酸エチル、テトラヒドロフラン又はアセトンを使用する請求項1又は2記載の製造方法。
  5. 遷移金属触媒としてパラジウム触媒を使用する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 遷移金属触媒として活性炭に担持させたパラジウムを使用する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  7. 一般式(I)におけるnが1又は2を表す請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 一般式(I)におけるR及びRが炭素数1〜8のアルキル基を表し、Aが1,4−シクロヘキシレン基を表し、Lが単結合又は−CHCH−を表す請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
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