JP2011104886A - 積層体の製造方法 - Google Patents
積層体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011104886A JP2011104886A JP2009262824A JP2009262824A JP2011104886A JP 2011104886 A JP2011104886 A JP 2011104886A JP 2009262824 A JP2009262824 A JP 2009262824A JP 2009262824 A JP2009262824 A JP 2009262824A JP 2011104886 A JP2011104886 A JP 2011104886A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer film
- cycloolefin
- substrate
- laminate
- silicon
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【解決手段】ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板と、前記基板に密着積層したシクロオレィン系ポリマーフィルムとを有する積層体の製造方法であって、シクロオレフィン系ポリマーフィルムの一方の面に、酸素ガスの存在下でプラズマ処理を施す工程Aと、前記シクロオレフィン系ポリマーフィルムのプラズマ処理面を、接着剤を介することなく、ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板に圧着する工程Bとを含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
【選択図】なし
Description
かかる状況下、環境負荷が大きい有機溶剤を含有する接着剤を使用することなく、ポリマーフィルムとガラス板とを接着する方法が切望されているが、現段階では、有効な接着方法が提案されていないのが実情である。
ポリマーラジカルの生成過程は、一般に、次のように表される。
Plasma O2 RH
RH−−−→ R・−−−→ ROO・−−−→ROOH,R・
従って、強固に接着した理由としては、ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板が、電気陰性度に基づく電子の局在化により、プラズマ処理を施して、その表面にポリマーラジカルが発生したシクロオレフィン系ポリマーフィルムを引き付けることが一因しているものと考えられる。
本発明に係る積層体の製造方法は、ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板と、基板に密着積層したシクロオレフィン系ポリマーフィルムとを有する積層体の製造方法であって、後述する工程A及びBとを含む。
本発明に係る積層体の製造方法は、上記工程A及びBを含むものであれば、他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、上記ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板に、プラズマ処理を施す工程や、シクロオレフィン系ポリマーフィルムのプラズマ処理面とは反対側の面に、他のフィルムを積層する工程等が挙げられる。
本発明に用いられる工程Aは、シクロオレフィン系ポリマーフィルムの一方の面に、酸素ガスの存在下でプラズマ処理を施す工程である。
上記シクロオレフィン系ポリマーとは、環状構造を有し二重結合を有する炭化水素を用いて得られる重合体又は共重合体をいう。上記シクロオレフフィン系ポリマーは、好ましくはノルボルネン系ポリマーである。ノルボルネン系ポリマーは、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環メタセシス重合反応によって得ることができる。
上記シクロオレフィン系ポリマーフィルム表面の平滑性は、中心線平均粗さ(Ra)が好ましくは10nm以下、さらに好ましくは2nm以下である。このような平滑性を有するシクロオレフィン系ポリマーフィルムは、例えば、特開2000−280268号公報、特開2000−280315号公報の方法により得られる。
本発明に用いられる工程Bは、上記シクロオレフィン系ポリマーフィルムのプラズマ処理面を、接着剤を介することなく、ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板に圧着する工程である。
上記圧着手投としては、特に制限はなく、例えば、積層体の片面又は両面にゴムロール等を用いて加圧する方法が挙げられる。圧着する温度は常温(20℃〜40℃)でよい。
上記基板は、ケイ素又は二酸化ケイ素を含むものであれば、特に制限はない。ケイ素含む基板は、代表的にはシリコンウエハであり、二酸化ケイ素を含む基板は、代表的にはガラス板である。
本発明の製造方法により得られる積層体は、ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板と、基板に密着積層したシクロオレフィン系ポリマーフィルムとを有する。例えば、上記積層体において、上記シクロオレフィン系ポリマーフィルムの一方の側には基板が配置され、他方の側には任意のフィルムが配置され得る。任意のフィルムとは、例えば、偏光フィルムである。
上記積層体において、ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板と、シクロオレフィン系ポリマーフィルムとの接着力(剥離角度90度、剥離速度20mm/分)は、好ましくは20N/15mm以上である。
本発明の製造方法は、例えば、(1)液晶デイスフレイの製造工程において、シクロオレフィン系ポリマーフィルムを有する偏光板を液晶セルに接着するため、(2)シリコンウエハのダイシング工程時にシリコンウエハを保譲・固定し、ピックアップ工程まで保持するため、等に使用される。
[実施例1]
減圧プラズマ照射装置(Samco社製 製品名「PC−300」)を用いて、厚み100μm、中心線平均粗さ(Ra)が0.6nmのシクロオレフィン系ポリマーフィルム(日本ゼオン社製 商品名「ゼオノア ZF−16」)の一方の面に、酸素ガス濃度75体積%、処理気圧30Pa、照射量4J/cm2の条件下で、プラズマ処理を施した。
プラズマ処理後から2分後、上記シクロオレフィン系ポリマーフィルムのプラズマ処理面を、厚み700μm、中心線平均粗さ(Ra)が0.3nmの無アルカリガラスからなるガラス板(コーニング社製 商品名「イーグル2000」)の一方の面と接触させ、ゴム製ローラー(アルアート加工社製 商品名「パネル貼り用ハンドローラー」)を用いて、常温(23℃)で圧着した。
このようにして得られたガラス板と、ガラス板に密着積層したシクロオレフィン系ポリマーフィルムとからなる積層体(総厚み800μm)の接着力を表1に示す。
プラズマ処理条件のうち、酸素ガス濃度を75体積%から6体積%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作製した。この積層体の接着力を表1に示す。なお、上記酸素ガス濃度は、酸素とアルゴンの混合ガスを用いて調整した。
シクロオレフィン系ポリマーフィルムにプラズマ処理を施さずに、実施例1と同様の方法で積層体を作製した。この積層体の接着力を表1に示す。
プラズマ処理を施すポリマーフィルムを、シクロオレフィン系ポリマーフィルムから、トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製 商品名「フジタック ZRF80S」)とした以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作製した。この積層体の接着力を表1に示す。
被着体をガラス板から、プラズマ処理を施したシクロオレフィン系ポリマーフィルムに変更した以外は(即ち、プラズマ処理を施したシクロオレフィン系ポリマーフィルムのプラズマ処理面同士を積層した以外は)、実施例1と同様の方法で積層体を作製した。この積層体の接着力を表1に示す。
COP:シクロオレフィン系ポリマー
TAC:トリアセチルセルロース
接着力:単位N/15mm(剥離角度90度、剥離速度20mm/分)
酸素濃度:プラズマ照射装置のチャンパー内を10Paまで真空にし、その後、チャンパー内に反応ガス(酸素ガス、又は酸素とアルゴンの混合ガス)を充填した際の気圧を30Paとし、この際の分圧と、注入した反応ガスの体積から酸素濃度を求めた。
表1に示すように、実施例1及び実施例2に係る積層体では、プラズマ処理を施したシクロオレフィン系ポリマーフィルムとケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板との接着力は、いずれも20N/15mm以上の強固な接着力を示した。一方、プラズマ処理を施さなかったシクロオレフィン系ポリマーフィルムを用いた場合(比較例1)、プラズマ処理を施したシクロオレフィン系ポリマー以外のフィルムを用いた場合(比較例2)、及び、ケイ素又は二酸化ケイ素を含まない被着体を用いた場合(比較例3)には、積層体におけるフィルムと被着体との接着力は、0.4N/15mm以下の弱い接着力しか示さなかった。
(1)接着力の測定方法
積層体のポリマーフィルムに幅15mm、長さ10cmのサイズで切り込みを入れ、引っ張り試験機(島津製作所製 製品名「精密万能試験機オートグラフ AG−1」)を用いて、剥離角度90度、剥離速度20mm/分の条件下で、ポリマーフィルムを被着体から剥離し、その際の接着力を求めた。
(2)水接触角の測定方法
接触角測定器(協和界面化学社製 製品名「FAMAS」)を用いて、水滴を1ml滴下し、3秒後の接触角を求めた。
(3)X線光電子分光分析の測定方法
X線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ社製 製品名「ESCA−5400」)を用いて、励起X源;MgKα(15kV、400W)、検出角度:45°、測定面積:1×3.5mmの条件下でスペクトルを測定し、炭素の1s電子の結合エネルギーを284.5eVに補正した上で、カーブフィッティングして求めた。
(4)中心線平均粗さ(Ra)の測定方法
原子間力顕微鏡(AFM)(KEYENCE社製 製品名「VN8010」)を用いて、ダンピングモードで1μmの測定長をサンプリング数512個でスキャンし、測定全幅の凹凸情報から求めた。
Claims (6)
- ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板と、
前記基板に密着積層したシクロオレィン系ポリマーフィルムとを有する積層体の製造方法であって、
シクロオレフィン系ポリマーフィルムの一方の面に、酸素ガスの存在下でプラズマ処理を施す工程Aと、
前記シクロオレフィン系ポリマーフィルムのプラズマ処理面を、接着剤を介することなく、ケイ素又は二酸化ケイ素を含む基板に圧着する工程Bとを含むことを特徴とする、積層体の製造方法。 - 前記シクロオレフィン系ポリマーフィルムの中心線平均粗さは、10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記シクロオレフィン系ポリマーフィルムの中心線平均粗さは、2nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の積層体の製造方法。
- 前記基板の中心線粗さは、10nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記基板の中心線平均粗さは、2nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造方法。
- 前記シクロオレフィン系ポリマーフィルムと前記基板との接着力は、20N/15mm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009262824A JP2011104886A (ja) | 2009-11-18 | 2009-11-18 | 積層体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009262824A JP2011104886A (ja) | 2009-11-18 | 2009-11-18 | 積層体の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013188088A Division JP2014024340A (ja) | 2013-09-11 | 2013-09-11 | 積層体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011104886A true JP2011104886A (ja) | 2011-06-02 |
Family
ID=44228948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009262824A Pending JP2011104886A (ja) | 2009-11-18 | 2009-11-18 | 積層体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011104886A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018159257A1 (ja) | 2017-02-28 | 2018-09-07 | サムコ株式会社 | シクロオレフィンポリマーの接合方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09221342A (ja) * | 1996-02-09 | 1997-08-26 | Nikon Corp | 光学部材の接着方法、及び、これを用いて接着された光学部品 |
JP2004327402A (ja) * | 2003-04-28 | 2004-11-18 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 防湿エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 |
JP2005283899A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Kuraray Co Ltd | 高分子偏光素子およびその製造方法 |
JP2006328358A (ja) * | 2005-04-26 | 2006-12-07 | Jsr Corp | 樹脂成形体、それを用いた積層体および該積層体の製造方法 |
JP2008221753A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-09-25 | Sony Corp | 積層体およびその製造方法、波長板ならびに光学フィルム |
WO2011010738A1 (ja) * | 2009-07-24 | 2011-01-27 | Taga Yasunori | 接合構造体の製造方法および接合構造体 |
-
2009
- 2009-11-18 JP JP2009262824A patent/JP2011104886A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09221342A (ja) * | 1996-02-09 | 1997-08-26 | Nikon Corp | 光学部材の接着方法、及び、これを用いて接着された光学部品 |
JP2004327402A (ja) * | 2003-04-28 | 2004-11-18 | Kureha Chem Ind Co Ltd | 防湿エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 |
JP2005283899A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Kuraray Co Ltd | 高分子偏光素子およびその製造方法 |
JP2006328358A (ja) * | 2005-04-26 | 2006-12-07 | Jsr Corp | 樹脂成形体、それを用いた積層体および該積層体の製造方法 |
JP2008221753A (ja) * | 2007-03-15 | 2008-09-25 | Sony Corp | 積層体およびその製造方法、波長板ならびに光学フィルム |
WO2011010738A1 (ja) * | 2009-07-24 | 2011-01-27 | Taga Yasunori | 接合構造体の製造方法および接合構造体 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018159257A1 (ja) | 2017-02-28 | 2018-09-07 | サムコ株式会社 | シクロオレフィンポリマーの接合方法 |
KR20190117741A (ko) | 2017-02-28 | 2019-10-16 | 사무코 가부시키가이샤 | 시클로올레핀 폴리머의 접합 방법 |
US11633924B2 (en) | 2017-02-28 | 2023-04-25 | Samco Inc. | Cycloolefin polymer bonding method |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6940930B2 (ja) | 有機el表示装置用光学フィルム、有機el表示装置用偏光フィルム、有機el表示装置用粘着剤層付き偏光フィルム、及び有機el表示装置 | |
JP6305319B2 (ja) | 波長変換部材及びそれを備えたバックライトユニット、液晶表示装置並びに波長変換部材の製造方法 | |
JP6792382B2 (ja) | ゴム系粘着剤組成物、ゴム系粘着剤層、粘着フィルム、ゴム系粘着剤層付光学フィルム、光学部材、及び画像表示装置 | |
TW201105765A (en) | Adhesive material having removability | |
WO2008047593A1 (en) | Surface protection film and optical film with surface protection film | |
TW201329193A (zh) | 片狀覆蓋劑、覆蓋方法及電子裝置之製造方法 | |
JP2013077006A (ja) | 接着剤層を有する画像表示装置用ユニット及び該ユニットを用いた画像表示装置 | |
CN110799871A (zh) | 偏振片 | |
CN108368401B (zh) | 橡胶类粘合剂组合物、橡胶类粘合剂层、带橡胶类粘合剂层的光学膜、光学构件、图像显示装置、以及橡胶类粘合剂层的制造方法 | |
JP6905343B2 (ja) | 粘接着剤層付き透明導電性フィルム、積層体、及び有機el表示装置 | |
JP2014024340A (ja) | 積層体の製造方法 | |
JP2016204461A (ja) | 機能性フィルムおよび機能性フィルムの製造方法 | |
JP2016212443A (ja) | 光学フィルム積層体及びその製造方法 | |
JP2011104886A (ja) | 積層体の製造方法 | |
JP2007240640A (ja) | 偏光板の製造方法 | |
JP6551151B2 (ja) | ガラス積層体、電子デバイス用基板、及び電子デバイス | |
JP2004184673A (ja) | 感圧接着剤付き機能性フィルムの製造方法 | |
JP6725037B1 (ja) | 粘着剤層、粘着シート及び積層体並びに積層体の製造方法 | |
KR102521814B1 (ko) | 위상차 필름 적층체, 편광판 및 위상차 필름 적층체의 제조 방법 | |
KR101724799B1 (ko) | 박형 편광판의 제조 방법 및 이를 이용하여 제조된 박형 편광판 | |
WO2018142959A1 (ja) | 光学フィルム、製造方法、及び多層フィルム | |
WO2024019158A1 (ja) | 粘着シートの製造方法及び粘着シート付き光学フィルムの製造方法 | |
JPWO2018092657A1 (ja) | 光学フィルム、偏光板保護フィルム、およびこれらを含む偏光板、ならびにこれらを含む表示装置 | |
WO2022004138A1 (ja) | 粘着剤層付き偏光板 | |
JP7154002B2 (ja) | 偏光フィルム、粘着剤層付き偏光フィルム、及び画像表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111205 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20121019 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121030 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121220 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130611 |