JP2007240640A - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとが強固に接着された偏光板の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の両面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが積層されており、少なくとも片面の透明保護フィルムがシクロオレフィン系樹脂フィルムである偏光板の製造方法であって、偏光子として、シクロオレフィン系樹脂フィルムが積層される側の表面における純水の接触角が35°以下である偏光子を用い、かつシクロオレフィン系樹脂フィルムとして、偏光子に積層される側の表面における純水の接触角が45°以下であるシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いる、偏光板の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子にシクロオレフィン系樹脂フィルムが接着された偏光板の製造方法に関し、より詳細には、偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとの接着強度を高め得る偏光板の製造方法に関する。
液晶表示装置は、卓上電子計算機、電子時計、パソコン、ワープロ、液晶テレビ、自動車、機械などの計器類等に広く使用されている。この種の液晶表示装置は、液晶分子が封入された液晶セルのガラス基板に、位相差フィルムや偏光板が貼り合わされた構造を有する。
上記偏光板としては、偏光子の両面に、接着剤を用いて偏光子保護フィルムを貼り合わせたものが汎用されている。偏光子としては、延伸により配向されているポリビニルアルコールフィルムにヨウ素または二色性染料を吸着させた薄膜状のものが汎用されている。偏光子保護フィルムは、薄膜状の偏光子を保持し、実用的な強度を得るために使用されているだけでなく、位相差補償機能を持たせるために使用されることもある。
従来、上記偏光子保護フィルムとして、トリアセチルセルロースフィルムが汎用されている。しかしながら、トリアセチルセルロースフィルムは透湿性が必要以上に高かった。従って、トリアセチルセルロースフィルムを用いた偏光板では、偏光板内に水分が浸入し、偏光子が変色し、偏光性能が低下しがちであった。そのため、トリアセチルセルロースフィルムを用いた偏光板は、高温高湿の過酷な環境下で使用するには問題があった。
また、トリアセチルセルロースフィルムは、光弾性係数が大きく、僅かの応力によっても複屈折が生じる。従って、トリアセチルセルロースフィルムを偏光板の液晶セル側に使用した場合には、輝度の均一性などの表示特性が悪化することもあった。
これらの問題を解決するために、偏光子保護フィルムを構成する樹脂として、透明性、耐湿性及び耐熱性に優れ、かつ光弾性係数が小さい樹脂を用いることが検討されている。このような樹脂として、例えば飽和ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂が提案されている。
一方、偏光子と偏光子保護フィルムとを貼り合わせる方法としては、ウェットラミネート法が広く用いられている。また、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子とトリアセテートフィルムとを貼り合わせるのに、ポリビニルアルコール系接着剤が広く用いられている。ところが、トリアセテートフィルムに用いられているポリビニルアルコール系接着剤を、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとを接着するのに適用したとしても、十分な接着強度を得ることはできなかった。そこで、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとの接着強度を高めるために種々の試みがなされている。
下記の特許文献1には、ポリビニルアルコール系偏光膜と環状オレフィン系樹脂を主成分とする保護膜とを接着する接着剤として、ポリビニルアルコール系接着剤と2液タイプ接着剤との混合物を用いることが提案されている。
他方、下記の特許文献2には、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムとを接着する接着剤として、ウレタン樹脂、オキセタン化合物及びエポキシ化合物を配合した組成物を用いることが提案されている。
特開2000−321430号公報 特開2005−181817号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の接着剤を用いたとしても、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとの両方の接着面において、十分な接着強度を得ることは困難であった。すなわち、特許文献1、2に記載の接着剤を用いて構成された偏光板では、偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとが接着界面で剥離することがあった。
そこで、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとが強固に接着された偏光板が強く求められていた。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとが強固に接着された偏光板の製造方法を提供することにある。
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の両面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが積層されており、少なくとも片面の透明保護フィルムがシクロオレフィン系樹脂フィルムである偏光板の製造方法であって、偏光子として、シクロオレフィン系樹脂フィルムが積層される側の表面における純水の接触角が35°以下である偏光子を用い、かつシクロオレフィン系樹脂フィルムとして、偏光子に積層される側のシクロオレフィン系樹脂フィルムの表面における純水の接触角が45°以下であるシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いることを特徴とする。
本発明に係る偏光板の製造方法のある特定の局面では、偏光子として、コロナ放電処理またはプラズマ処理された偏光子を用いている。
本発明に係る偏光板の製造方法の他の特定の局面では、接着剤層を構成する接着剤として、水系ウレタン接着剤および/又は水系アクリル接着剤を用いている。
本発明に係る偏光板の製造方法のさらに他の特定の局面では、シクロオレフィン系樹脂フィルムとして、延伸処理されているシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いている。
本発明に係る偏光板の製造方法では、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の少なくとも片面に接着剤層を介してシクロオレフィン系樹脂フィルムが積層される。本発明では、偏光子として、シクロオレフィン系樹脂フィルムが積層される側の表面における純水の接触角が35°以下である偏光子を用い、かつシクロオレフィン系樹脂フィルムとして、偏光子に積層される側の表面における純水の接触角が45°以下であるシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いるため、偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとが強固に接着された偏光板を得ることができる。また、得られた偏光板では、偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとが強固に接着しているので、耐久性に優れている。
偏光子としてコロナ放電処理またはプラズマ処理された偏光子を用いる場合には、従来のウェットラミの製造ラインがそのまま使用できるので、偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとが強固に接着された偏光板を得ることができ、偏光板の生産効率を高めることができるとともに、生産コストも低くすることができる。
接着剤層を構成する接着剤として、水系ウレタン接着剤および/又は水系アクリル接着剤を用いる場合には、偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとの接着強度をより一層高めることができる。
シクロオレフィン系樹脂フィルムとして、延伸処理されているシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いる場合には、シクロオレフィン系樹脂フィルムを位相差フィルムとしても用いることができ、偏光板に位相差補償機能を持たせることができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る偏光板の製造方法では、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の両面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが積層され、少なくとも片面の透明保護フィルムとして、シクロオレフィン系樹脂フィルムが用いられる。
偏光子を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、85〜100モル%の範囲であることが好ましく、より好ましくは98モル%以上である。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、1,000〜10,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは1,500〜5,000の範囲である。
上記ポリビニルアルコール系樹脂を成膜したものが、偏光子の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を成膜する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法で成膜することができる。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は、特に限定されないが、10〜150μmの範囲であることが好ましい。
偏光子は、通常、このようなポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを二色性色素で染色し、二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びこのホウ酸水溶液で処理した後に水洗する工程により製造される。
上述のようにして得られた偏光子の厚みは、5〜40μmの範囲であることが好ましい。
本発明では、この偏光子の少なくとも片面に、接着剤層を介してシクロオレフィン系樹脂フィルムが積層され、偏光板とされる。なお、シクロオレフィン系樹脂フィルムは、偏光子の少なくとも片面に積層されていればよく、偏光子の両面に積層されていてもよい。
本発明の特徴は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子として、シクロオレフィン系樹脂フィルムが積層される側の表面における純水の接触角が35°以下である偏光子を用いることにある。偏光子の表面における純水の接触角が35°以下であることによって、該偏光子の表面に対して、接着剤を用いてシクロオレフィン系樹脂フィルムを強固に接着することが可能となる。シクロオレフィン系樹脂フィルムが積層される側の偏光子の表面における純水の接触角は30°以下であることが好ましく、25°以下であることがより好ましい。なお、場合によっては、上記偏光子の表面における純水の接触角は経時により変化することがあるが、本発明では、上記接触角は、偏光子にシクロオレフィン系樹脂フィルムを接着する直前の接触角をいうものとする。
偏光子は、偏光板を構成する前に、コロナ放電処理、プラズマ処理または紫外線照射処理されることが好ましい。なかでも、コロナ放電処理またはプラズマ処理されることが好ましい。このような処理を行うことで、偏光子にシクロオレフィン系樹脂フィルムをより一層強固に接着することが可能となる。上記処理により接着強度が高められるのは、偏光子の表面には染色槽およびホウ酸水溶液槽の微量汚染成分が付着残存していることが多いが、水洗処理だけでは除去できないこのような汚染成分を上記処理により除去することができることも影響していると思われる。
上記コロナ放電処理する際のエネルギー密度は、10〜150W・分/mの範囲であることが好ましく、好ましくは20〜120W・分/mの範囲、特に好ましくは40〜100W・分/mの範囲である。エネルギー密度が10W・分/m未満であるとコロナ放電処理により接着強度が十分に高められないことがあり、150W・分/mを超えると偏光子の表面が損傷することがある。
上記プラズマ処理としては、グロー放電処理、フレームプラズマ処理等が挙げられる。グロー放電としては、真空下で行う真空グロー放電処理、大気圧下で行う大気圧グロー放電処理のいずれもが用いられ得る。
上記グロー放電処理は、具体的には、相対する電極の間に偏光子を置き、装置中にプラズマ励起性気体を導入し、電極間に高周波電圧を印加することにより、該気体をプラズマ励起させ、電極間においてグロー放電を行うものである。これにより、偏光子の表面がプラズマ処理されて、偏光子表面の親水性が高められる。
上記プラズマ励起性気体とは、上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいう。プラズマ励起性気体としては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物や、アルゴン、ネオン等の不活性ガスに、カルボキシル基や水酸基、カルボニル基等の極性官能基を付与し得る反応性ガスを加えたものなどが挙げられる。
上記反応性ガスとしては、水素、酸素、二酸化炭素、窒素、水蒸気やアンモニア等のガス、低級炭化水素、ケトン等の低沸点の有機化合物等が挙げられる。なかでも、取扱性に優れているため、水素、酸素、二酸化炭素、窒素、水蒸気が好ましく用いられる。水蒸気を用いる場合には、他のガスを水に通してバブリングしたガスを用いることができる。
上記真空グロー放電処理では、有効に放電を起こすために、装置中にプラズマ励起性気体を導入する際に、装置中の雰囲気を0.0067〜26.7hPaの範囲に保つことが好ましい。効率的にプラズマ処理するためには、高圧側で高出力条件を採用することが好ましいが、電界強度を上げすぎると偏光子の表面が損傷することがある。
上記大気圧グロー放電処理は、放電を安定に起こすためには、ヘリウムやアルゴン等の不活性ガスが必要であり、上記プラズマ励起性気体の60%以上が不活性ガスであることが好ましい。プラズマ励起性気体の不活性ガスの割合が高すぎて、反応性ガスの割合が少なすぎると効率的にプラズマ処理できないことがある。よって、プラズマ励起性気体における不活性ガスの割合は、99%以下であることが好ましい。一方、電界強度を上げすぎると偏光子が損傷することがある。
上記大気圧グロー放電処理において、パルス化された電界プラズマを発生させる場合には、不活性ガスを必ずしも用いる必要がない。パルス化された電界でプラズマを発生させると、反応ガス濃度を上げることができ、効率的にプラズマ処理することができる。
上記紫外線照射処理としては、300nm以下の短波長にピークを有するランプで紫外線を照射することが好ましい。上記ランプとしては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられ、低圧水銀灯が好適に使用される。
紫外線の照射強度としては、0.1〜100mW/cmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50mW/cmの範囲である。
上記各処理はインラインで行っても良いし、オフラインで行ってもよい。オフラインで処理すると偏光子のブロッキングが生じたり、保護テープ背面の汚染物が偏光子に付着したりすることがあるため、インラインで行うことが好ましい。
本発明に用いるシクロオレフィン系樹脂フィルムは、シクロオレフィン系樹脂を少なくとも含む樹脂を用いて構成される。シクロオレフィン系樹脂を含む樹脂は、公知の成形法によりフィルム状に成形される。好ましい成形法は、溶液流延法やTダイ法などの溶融押出法である。溶液流延法では、ダイライン等の欠陥が無く、フィルムの厚みむらが小さく、さらに位相差の小さい光学的に等方で透明なフィルムを得ることができる。一方、Tダイ法などの溶融押出法では、溶液流延法のように溶剤を使用しないため、安全にフィルムを成形でき、乾燥工程が不要で生産速度を上げることができる。Tダイ法などの溶融押出法では、幅広で良好な厚み精度を有し、位相差の小さい光学的に等方で透明なフィルムを得ることができる。
上記シクロオレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂が挙げられる。このシクロオレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンの開環重合体や2種以上のシクロオレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物、シクロオレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体が好ましく用いられる。また、シクロオレフィン系樹脂としては、極性基が導入されているものも好ましく用いられる。
上記シクロオレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体を構成するのに用いられる鎖状オレフィンとしては、エチレンやプロピレンなどが挙げられ、またビニル基を有する芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。この付加共重合体においては、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットの割合が50モル%以下であることが好ましく、より好ましくは15〜50モル%の範囲である。
上記シクロオレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、Ticona社から販売されている「Topas」、JSR社から販売されている「アートン」、日本ゼオン社から販売されている「ゼオノア(ZEONOR)」や「ゼオネックス(ZEONEX)」、三井化学社から販売されている「アペル」などが挙げられる。
シクロオレフィン系樹脂フィルムの厚さは、30〜200μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは40〜100μmの範囲である。また、シクロオレフィン系樹脂フィルムの光弾性係数は、1×10−7cm/N以下であることが好ましい。
シクロオレフィン系樹脂フィルムには、必要に応じて少量の可塑剤、滑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、加工性改良剤、フィラーなどの公知の添加剤やその他の重合体が含有されていてもよい。
シクロオレフィン系樹脂フィルムには、紫外線吸収剤が含有されていることが好ましい。紫外線吸収剤が含有されることにより、シクロオレフィン系樹脂フィルムの耐候性が高められるほか、得られる偏光板や液晶表示装置の耐久性も改善することができる。
上記紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−t−ブチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどのトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系光安定剤やビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤も使用できる。特に、高温での揮発分が少ないベンゾトリアゾール系を主体とした紫外線吸収剤を用いることがより好ましい。ベンゾトリアゾール系を主体とした紫外線吸収剤を用いることで、シクロオレフィン系樹脂フィルムの成形時の加熱による揮発逸散が少なく、シクロオレフィン系樹脂フィルムの表面や装置が汚染されるのを防止することができる。
本発明の特徴は、シクロオレフィン系樹脂フィルムとして、偏光子に積層される側の表面における純水の接触角が45°以下であるシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いることにある。シクロオレフィン系樹脂フィルムの表面における純水の接触角が45°以下であることによって、該シクロオレフィン系樹脂フィルムの表面に対して、接着剤を用いて偏光子を強固に接着することができる。偏光子に積層される側のシクロオレフィン系樹脂フィルムの表面における純水の接触角は35°以下であることが好ましく、30°以下であることがより好ましい。なお、場合によっては、上記シクロオレフィン系樹脂フィルムの表面における純水の接触角は経時により変化することがあるが、本発明では、上記接触角は、シクロオレフィン系樹脂フィルムに偏光子を接着する直前の接触角をいうものとする。
シクロオレフィン系樹脂フィルムは、偏光板を構成する前に、延伸処理されていてもよい。例えば、シクロオレフィン系樹脂フィルムを一軸または二軸に延伸を行うことで、位相差補償フィルムとすることができる。
上記延伸処理の方法としては、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延伸や、自由端一軸延伸、およびこれらを組み合わせた逐次二軸延伸、縦と横とを同時に延伸する同時二軸延伸など公知の延伸法を用いることができる。正面位相差を0〜800nmの範囲、厚み方向位相差を0〜350nmの範囲に調整したシクロオレフィン系樹脂フィルムがより好ましく用いられる。
シクロオレフィン系樹脂フィルムは、偏光板を構成する前に、上述したコロナ放電処理、プラズマ処理または紫外線照射処理されることが好ましい。このような処理を行うことで、シクロオレフィン系樹脂フィルムに偏光子をより一層強固に接着することができる。
シクロオレフィン系樹脂フィルムは、通常は単層のフィルムであるが、複層構成のフィルムであってもよい。
シクロオレフィン系樹脂フィルムが偏光子の片面に接着される場合は、偏光子のシクロオレフィン系樹脂フィルムが接着される面とは反対側の面には、透明保護フィルムとして、例えば、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムのような従来公知の透明性の高い光学フィルムが貼り合わせられてもよい。
本発明では、偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとが接着剤を用いて接着されるが、該接着剤として、水系接着剤を用いることが好ましい。接着剤として、水系ウレタン接着剤、水系アクリル接着剤を用いることがより好ましい。
上記水系接着剤としては、水性樹脂エマルジョンを主剤とし、水分散性ポリイソシアネート組成物またはエポキシ系組成物を硬化剤とする2液型接着剤が好ましく用いられる。
上記水性樹脂エマルジョンとしては、ウレタンアクリルエマルジョン、シリコンアクリルエマルジョン、酢酸ビニルアクリルエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、アクリルエマルジョン、ポリエステルエマルジョンなどが挙げられる。なお、水性樹脂エマルジョンにはラテックスも含まれるものとする。
上記ラテックスとしては、ポリアクリル酸エステルラテックス、ポリブタジエンラテックス、或いはこれらのラテックスをカルボキシル変性したものなどが挙げられる。
上記水性樹脂エマルジョンとしては、イソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有するものが好ましく用いられ、アニオン性水性樹脂エマルジョンがより好ましく用いられる。
上記アニオン性水性樹脂エマルジョンは、エマルジョン樹脂中にカルボキシル基、スルホン酸基等の有機酸基を有し、アミン、アルカリ金属などの塩基性物質と塩を形成して分散するものである。また、このアニオン性水性樹脂エマルジョンは、エマルジョン樹脂中に水酸基、アミノ基、カルボキシル基などイソシアネート基またはエポキシ基と反応可能な官能基を有するものである。
上記アニオン性水性樹脂エマルジョンとしては、例えば、接着性、耐久性に優れているアニオン性ポリエステルエマルジョン、アニオン性ポリウレタンエマルジョン等が好ましく用いられる。
上記水性樹脂エマルジョンには、固形分で40%を超えない範囲で、水溶性物質を添加してもよい。水溶性物質としては、例えば、ポリビニルアルコール、水溶性エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性セルロース誘導体、水溶性ポリエステル、水溶性リグニン誘導体等が挙げられる。
上記水性樹脂エマルジョンには、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、ロジンエステルエマルジョン、テルペン樹脂エマルジョン、石油樹脂エマルジョン等の粘着付与剤、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシランなどのシランカップリング剤、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の増粘剤、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の充填剤、カルボジイミド、エポキシ樹脂等の架橋剤、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の潤滑剤、第3級アミン類、有機酸の金属塩類等の触媒等が挙げられる。
上記水分散性ポリイソシアネート組成物は、例えばポリイソシアネート化合物、あるいはこれらのイソシアヌレート型あるいはビューレット型の3官能ポリイソシアネート、あるいは2官能以上のポリオール化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有プレポリマー等の実質的に疎水性のポリイソシアネート類に乳化剤を配合して水に分散できるようにしたものを挙げることができる。
乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル等のアルキルフェニル縮合物エーテル型、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート等のソルビタン誘導体型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のモノオール型、ラウリル酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型等のノニオン系乳化剤;オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩、燐酸エステル等のアニオン系乳化剤が挙げられる。
また水分散性ポリイソシアネート組成物として、より好ましくはアルキレンオキサイドの繰り返し単位を含有する親水性基含有化合物を前記ポリイソシアネート類に共重合して得られる自己乳化可能なポリイソシアネート化合物が挙げられる。
上記水系ウレタン接着剤としては、例えば水性樹脂エマルジョンと水分散性ポリイソシアネート組成物とを、水分散性ポリイソシアネート組成物に対する水性樹脂エマルジョンの重量比が0.1〜20の割合となるように混合し、適度な濃度に水で希釈したものが用いられる。水性樹脂エマルジョンの重量比が0.1より小さくなると、十分な接着強度が得られないことがあったり、さらに性能のばらつきが大きくなり、重量比が20より大きくなると、十分な接着強度が得られないことがあり、耐湿性も低下する。
上記水系アクリル接着剤としては、例えばアクリル酸エステル系重合体の水系分散体が挙げられる。アクリル酸エステル系重合体は、例えばアクリル酸エステルと、極性基含有単量体とを含む単量体組成物を重合処理することにより得られる。
上記アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
上記極性基含有単量体の極性基としては、ハロゲン原子およびハロゲン原子含有基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アルキルエステル基や芳香族エステル基などのエステル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、エーテル基、アシル基、シリルエーテル基、チオエーテル基などが挙げられる。なかでも、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、エステル基が好ましく、カルボキシル基及び水酸基が特に好ましい。上記極性基含有単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。
上記水系アクリル接着剤には、イソシアネートやブチル化メラミンなどの架橋剤、紫外線吸収剤などが配合されていてもよい。水系アクリル接着剤に架橋剤を配合する場合には、水性アクリル接着剤を使用する直前に配合することが好ましい。
上記水系接着剤は、固形分濃度が好ましくは1〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%となるように水で希釈して使用される。
偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとを接着剤を用いて接着する方法としては、例えば、一般に広く使用されているウェットラミネート法を用いることができる。これは、偏光子及びシクロオレフィン系樹脂フィルムをロール搬送し、貼り合わせる直前に接着剤を流し込み、対ロールに通して余分な塗工液をしごきながら加圧密着させた後、熱風などで乾燥を行う方法である。
偏光子とシクロオレフィン系樹脂フィルムとの間に形成される接着剤層の乾燥後の膜厚は、0.01〜20μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.05〜5μmの範囲、さらに好ましくは0.05〜2μmの範囲である。接着剤層の膜厚が0.01μm未満であると、安定した接着強度を得られないことがあり、逆に20μmを超えると、加工時の乾燥に時間を要して生産効率に劣り、また接着した後の偏光板の厚さも厚くなり、実用上の不利を招くことになる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより本発明の効果を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(偏光子の作製)
重合度2400、ケン化度99%のポリビニルアルコールからなる厚さ75μmの未延伸フィルムを室温の水で洗浄した後、縦一軸に5倍延伸を行った。このフィルムを緊張状態を保持したままで、ヨウ素0.5重量%とヨウ化カリウム5重量%とを含有する水溶液からなる染色浴に浸漬し、二色性色素を吸着させた。その後、ホウ酸10重量%とヨウ化カリウム10重量%とを含有する水溶液からなる架橋浴で、50℃で5分間架橋処理を行った。しかる後、70℃で5分間乾燥し、含水率7重量%に調整し、厚さ約20μmの膜状の偏光子Aを作製した。
(シクロオレフィン系樹脂フィルムの作製)
シクロオレフィン系樹脂(チコナ社製、商品名「TOPAS#6013」)を単軸押出機に供給し、280℃で溶融混練し、Tダイから280℃でフィルム状に溶融押出した。しかる後、冷却ロールに接触させ、巻き取ることにより、厚さ150μmのシクロオレフィン系樹脂フィルムを作製した。
得られたシクロオレフィン系樹脂フィルムを、二軸延伸試験装置(東洋精機製作所社製)を用いて同時二軸延伸した。延伸温度と延伸速度を適宜調整し、正面位相差Reが60nm、厚み方向位相差Rthが120nmである厚さ60μmの二軸位相差フィルムであるシクロオレフィン系樹脂フィルムBを得た。
なお、位相差の測定には、位相差測定装置(王子計測機器社製、KOBRA 21−ADH)を用い、測定波長を590nmとした。
(コロナ放電処理)
得られた偏光子Aとシクロオレフィン系樹脂フィルムBとをそれぞれ、コロナ処理装置(春日電機社製、高周波電源装置AGI−020)を用いて、処理強度102W・分/cmでコロナ放電処理し、コロナ放電処理された偏光子A1とコロナ放電処理されたシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とを得た。
(プラズマ処理)
図1に、使用したプラズマ放電処理装置を模式的に示す。プラズマ放電処理装置1では、金属製チャンバー2内に、上部電極3(ステンレス(SUS304)製、大きさ:150mm×100mm)と、下部電極4(ステンレス(SUS304)製、大きさ:150mm×100mm)とが、金属チャンバー2と絶縁された状態で配置されている。上部電極3と下部電極4との電極間距離は2mmである。
上部電極3及び下部電極4の電極対向面3a、4aは、図示しない1.5mmの厚みのAlからなる溶射膜によって被覆されている。偏光子Aを上部電極3と下部電極4との中間に配置した後、装置1内の雰囲気が133.3Paになるまで油回転ポンプで排気口5から排気を行った。しかる後、装置1内の雰囲気が1.01×10Paになるまで、ガス導入管6から、窒素ガスと酸素ガスとを70:30の体積比で混合したガスを導入した。パルス電源7より立ち上がり時間5μs、パルス幅100μs、周波数10kHz、電圧±5kVの交流パルス電圧を上部電極3と下部電極4との間に印加してプラズマ放電を行い、偏光子Aの両面にプラズマ放電処理を行い、プラズマ放電処理された偏光子A2を得た。なお、上部電極3と下部電極4との間を4m/分の速度で偏光子Aを移動させながらプラズマ放電処理を行った。
(水系ウレタン接着剤の調製)
2液型の水性ウレタン接着剤の主剤(大日本インキ化学工業社製、商品名「ハイドランADS−120」、アニオン性水性ポリエステルエマルジョン)と、硬化剤(大日本インキ化学工業社製、商品名「ハイドランアシスターC1」、ヘキサメチレンジイソシアネート変性体)とを重量比で1:1となるように配合し、固形分が10重量%になるようにイオン交換水で希釈して、水系ウレタン接着剤を調製した。
(水系アクリル接着剤の調製)
2液型の水性アクリル接着剤の主剤(大日本インキ化学工業社製、商品名「ディックドライWS−201A」、アクリルエマルジョン)と、硬化剤(大日本インキ化学工業社製:商品名「LJ−55」、エポキシ系)とを重量比で3:1となるように配合し、固形分が10重量%になるようにイオン交換水で希釈して、水系アクリル接着剤を調製した。
(実施例1)
コロナ放電処理された偏光子A1と、コロナ放電処理されたシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とを用いた。
偏光子A1と、シクロオレフィン系樹脂フィルムB1とを接着する直前に、接触角測定装置(FACE社製、接触角計CA−X150型)を用いて接触角を測定した。シクロオレフィン系樹脂フィルムB1が積層される側の偏光子A1のコロナ放電処理表面における純水の接触角は、18〜22°であった。一方、偏光子A1に積層される側のシクロオレフィン系樹脂フィルムB1のコロナ放電処理表面における純水の接触角は、40〜41°であった。
偏光子A1の片面に、水系ウレタン接着剤を用いて、シクロオレフィン系樹脂フィルムB1をウェットラミした。偏光子A1のシクロオレフィン系樹脂フィルムB1が接着される側とは反対側の面には、水系ウレタン接着剤を用いてTACフィルム(富士写真フィルム社製、商品名「フジタッククリア」)をウェットラミした。しかる後、80℃のギアオーブンに10分間入れて乾燥し、さらに40℃のオーブンに72時間入れて養生し、偏光板を作製した。
上記のようにして得られた偏光板について剥離試験を行った。得られた偏光板の偏光子A1とシクロオレフィン樹脂フィルムB1との界面にカッター刃を入れて切込みをつくり、切込みを指で摘んで引っ張り、剥離できるか否かを評価した。その結果、偏光子A1とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1との接着界面で剥離せずに、偏光子A1またはシクロオレフィン系樹脂フィルムB1が破断した。よって、偏光子A1とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とが強固に接着していることを確認できた。
(実施例2)
偏光子A1に代えてプラズマ処理された偏光子A2を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。
実施例1と同様にして接触角を測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルムB1が積層される側の偏光子A2のプラズマ処理表面における純水の接触角は、10〜12°であった。一方、偏光子A2に積層される側のシクロオレフィン系樹脂フィルムB1のコロナ放電処理表面における純水の接触角は、40〜41°であった。
また、実施例1と同様にして偏光板の剥離試験を行ったところ、偏光子A2とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1との接着界面で剥離せずに、偏光子A2またはシクロオレフィン系樹脂フィルムB1が破断した。よって、偏光子A2とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とが強固に接着していることを確認できた。
(実施例3)
偏光子A1とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とを接着するのに水系ウレタン接着剤に代えて水系アクリル接着剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。
実施例1と同様にして接触角を測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルムB1が積層される側の偏光子A1のコロナ処理表面における純水の接触角は、18〜22°であった。一方、偏光子A1に積層される側のシクロオレフィン系樹脂フィルムB1のコロナ放電処理表面における純水の接触角は、39〜40°であった。
また、実施例1と同様にして偏光板の剥離試験を行ったところ、偏光子A1とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1との接着界面で剥離せずに、偏光子A1またはシクロオレフィン系樹脂フィルムB1が破断した。よって、偏光子A1とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とが強固に接着していることを確認できた。
(実施例4)
偏光子A1に代えてプラズマ処理された偏光子A2を用いたこと、及び偏光子A2とTACフィルムとを接着するのに水系ウレタン接着剤に代えて水系アクリル接着剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。
実施例1と同様にして接触角を測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルムB1が積層される側の偏光子A2のプラズマ処理表面における純水の接触角は、10〜12°であった。一方、偏光子A2に積層される側のシクロオレフィン系樹脂フィルムB1のコロナ放電処理表面における純水の接触角は、40〜41°であった。
また、実施例1と同様にして偏光板の剥離試験を行ったところ、偏光子A2とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1との接着界面で剥離せずに、偏光子A2またはシクロオレフィン系樹脂フィルムB1が破断した。よって、偏光子A2とシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とが強固に接着していることを確認できた。
(比較例1)
偏光子A1に代えて上記コロナ放電処理及びプラズマ処理を行っていない偏光子Aを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。
実施例1と同様にして接触角を測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルムB1が積層される側の偏光子Aの表面における純水の接触角は、45〜50°であった。一方、偏光子Aに積層される側のシクロオレフィン系樹脂フィルムB1のコロナ放電処理表面における純水の接触角は、40〜41°であった。
また、実施例1と同様にして偏光板の剥離試験を行ったところ、偏光子Aとシクロオレフィン系樹脂フィルムB1との接着界面で剥離した。よって、偏光子Aとシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とが容易に剥離し、接合強度が十分ではなかった。
(比較例2)
偏光子A1に代えて上記コロナ放電処理及びプラズマ処理を行っていない偏光子Aを用いたこと、及び偏光子AとTACフィルムとを接着するのに水系ウレタン接着剤に代えて水系アクリル接着剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板を作製した。
実施例1と同様にして接触角を測定したところ、シクロオレフィン系樹脂フィルムB1が積層される側の偏光子Aの表面における純水の接触角は、45〜50°であった。一方、偏光子Aに積層される側のシクロオレフィン系樹脂フィルムB1のコロナ放電処理表面における純水の接触角は、40〜41°であった。
また、実施例1と同様にして偏光板の剥離試験を行ったところ、偏光子Aとシクロオレフィン系樹脂フィルムB1との接着界面で剥離した。よって、偏光子Aとシクロオレフィン系樹脂フィルムB1とが容易に剥離し、接合強度が十分ではなかった。
本発明の実施例で使用したプラズマ放電処理装置を示す模式図。
符号の説明
1…プラズマ放電処理装置
2…金属製チャンバー
3…上部電極
3a…電極対向面
4…下部電極
4a…電極対向面
5…排気口
6…ガス導入管
7…パルス電源
A…偏光子

Claims (4)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の両面に、接着剤層を介して透明保護フィルムが積層されており、少なくとも片面の前記透明保護フィルムがシクロオレフィン系樹脂フィルムである偏光板の製造方法であって、
    前記偏光子として、前記シクロオレフィン系樹脂フィルムが積層される側の表面における純水の接触角が35°以下である偏光子を用い、かつ前記シクロオレフィン系樹脂フィルムとして、前記偏光子に積層される側の表面における純水の接触角が45°以下であるシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いることを特徴とする、偏光板の製造方法。
  2. 前記偏光子として、コロナ放電処理またはプラズマ処理された偏光子を用いることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  3. 前記接着剤層を構成する接着剤として、水系ウレタン接着剤および/又は水系アクリル接着剤を用いる、請求項1または2に記載の偏光板の製造方法。
  4. 前記シクロオレフィン系樹脂フィルムとして、延伸処理されているシクロオレフィン系樹脂フィルムを用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
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