JP5064893B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents
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Description
このような特許文献1〜3には、ポリビニルアルコール系水性接着剤以外の接着剤(特許文献1、3)、若しくはポリビニルアルコール系水性接着剤と他の接着剤との混合物(特許文献2)を使用する技術が開示されており、従来のTACフィルムの接着に用いられていたポリビニルアルコール系水性接着剤を使用するものではなく、しかも特許文献1の場合はラミネート後、45℃で72時間もかけて、特許文献2の場合は接着後40℃で24時間放置して水分を乾燥除去する必要があった。他方、特許文献4には、ポリビニルアルコール系偏光子とノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムの貼り合わせにポリビニルアルコール系接着剤を使用することが記載されているが、この場合は、ポリビニルアルコール系接着剤を塗布した後、乾燥させてから貼り合わすものであり、ポリビニルアルコール系接着剤を塗布した後未乾燥状態で貼り合わせるものではなかった。
したがって、ポリビニルアルコール系水性接着剤が未乾燥の状態でノルボルネン系保護フィルムを積層し、乾燥することで、そのまま他工程で使用可能な偏光板を製造する方法は未だ提案されていなかった。
(2)ポリビニルアルコール系水性接着剤が、水、ポリビニルアルコール系樹脂、グリオキザール及び硬化促進剤を含有していることを特徴とする(1)記載の偏光板の製造方法、
(3)加熱乾燥の温度が55〜90℃であることを特徴とする(1)又は(2)記載の偏光板の製造方法、
を要旨とするものである。
本発明で使用するポリビニルアルコール系偏光子は、ポリビニルアルコール系の高分子フィルムに、ヨウ素又は二色性染料を吸着させる染色工程、ほう酸や、ほう砂等の硼素化合物で架橋する架橋工程、および一軸延伸する延伸工程(染色、架橋、延伸の各工程は、別々に行う必要はなく同時に行ってもよく、また、各工程の順番も特に規定するものではない。)の後に、乾燥することで製造することができる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化したポリマー素材であるが、例えば不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のような酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、オキシアルキレン基等を含有する変性ポリビニルアルコールも用いることができるが、ポリビニルアルコールを使用することが最も好ましい。また、ポリビニルアルコール系偏光子の厚みは10〜30μm、特に20μmが好ましい。
また、ノルボルネン系樹脂フィルムの厚みは未延伸フィルムの場合で15〜180μm、延伸フィルムの場合で10〜100μmである。
すなわち、ノルボルネン系保護フィルムのように透湿性の低い保護フィルムを使用した場合、ポリビニルアルコール系水性接着剤中の水分が除去しにくいので、ポリビニルアルコール成分を増やすことで、水分量を減らしてみても接着強度の向上に効果がない。一方、ポリビニルアルコール成分の少ない、すなわち水分量の多い本発明の接着剤の場合、後述するニップロールの間隙を調整する方法との組み合わせで驚くべきことに良好な接着性を示すことが判明したのである。
図1は、本発明を説明する模式図である。
まず、偏光子1、及び偏光子1の両面に保護フィルムとしてのノルボルネン系保護フィルム2、3を連続的に供給し、それらを重ね合わせる前に接着剤塗布装置4を用いてポリビニルアルコール系接着剤を塗布する。接着剤を塗布する方法は、図1には接着剤供給ノズルを使用しているが、特に制限はなく、その他にも、ロールコーティング装置、グラビアコーティング装置、スプレーコーティング装置などが使用できる。
次いで、ノルボルネン系保護フィルム2/接着剤/偏光子1/接着剤/ノルボルネン系保護フィルム3となるように重ね合わせ、重ね合わされた状態でロール5、6からなるニップロールを通過させる。この際に、ニップロールの間隙(ロール5とロール6間の隙間)をノルボルネン系保護フィルム2、偏光子1、ノルボルネン系保護フィルム3の合計厚みの25〜70%、好ましくは30〜50%にすることが好ましい。このような間隙に調整したニップロールを通すことで、保護フィルムと偏光子間に圧力が加わり、余分な接着剤が除去され、接着剤層が薄膜となるので、結果的に界面に存在する水分を減らすことができる。特に、水性接着剤の粘度が低いほど、すなわち接着剤濃度が低いほど効果的である。この間隔が25%未満では間隙が狭すぎて通過させるのが困難となるので好ましくなく、間隙が70%を超えると加熱乾燥後であっても十分な接着強度を示さないので好ましくない。
また、本発明において使用するニップロールは、圧力を加えること、偏光板の表面平滑性を保つことから、ロール5、ロール6共に、金属製の芯部にゴム層でコーティングされた弾性ロールを使用するのが好ましい。さらに、このような弾性ロールを使用することにより、フィルムが変形することなく、しかも偏光板を傷つけなくてすむので、光学特性に影響がない。なお、ニップロールの間隙を25〜70%にして、従来公知のTACフィルムを通過させた場合は、ポリビニルアルコール系偏光子の表面状態がそのまま偏光板の表面に浮き出てくることから、偏光板として使用できない。よって、本発明の方法では、偏光子の両面に、ノルボルネン系保護フィルムを使用する場合にのみ適用できる。
なお、得られた偏光板は、以下の方法で評価した。
<接着性>
偏光板の接着性は、巻き取り工程直後における偏光板の剥がし易さで評価した。
偏光板の偏光子と保護フィルムの間に刃金を挿し込んだ際の剥がれやすさを◎、○、×の3段階で評価した。
◎:偏光子と保護膜が一体化しており刃金を挿し込むことができなかった。
○:偏光子と保護膜の間に刃金を挿し込むことはできたが、容易に剥がれなかった。
×:偏光子と保護膜が容易に剥がれた。
<性能発現性>
偏光板の性能発現性は、巻き取り直後における偏光板が偏光板として使用可能かどうかについて着色の度合いをで○、×の2段階で評価した。
○:偏光板として問題のない性能を有していた。
×:青色に変色して、偏光板として使用できなかった。
表1に示す、厚さ20μmのポリビニルアルコール(PVA)偏光子、ノルボルネン系(NB)保護フィルム、ポリビニルアルコール系水性接着剤(水性接着剤)を用い、クリーンルーム内でPVA偏光子の両面に水性接着剤を塗布し、保護フィルム1、保護フィルム2をPVA偏光子の両面に重ね合わせ、表1に示す間隙に調整したニップロールを通過させた後、乾燥装置(平均乾燥温度は80℃)の中で加熱乾燥して偏光板を製造した。得られた偏光板の接着性、性能発現性を同じく表1に示す。
一方、比較例4からも明らかなように、ニップロールの間隙が偏光子と保護フィルムの合計厚みの70%を超える場合は、水100重量部に対してPVAが2.5重量部以下である水性接着剤を使用しても、接着性が悪く、偏光子に含有しているヨウ素が水分に溶け出して青変するので性能発現性も悪かった。
また、比較例1〜3から明らかなように、水100重量部に対してPVAが3.0重量部以上の場合は、ニップロールの間隙が偏光子と保護フィルムの合計厚みが本発明に係る範囲であっても、接着性が悪く、偏光子に含有しているヨウ素が水分に溶け出して青変するので性能発現性も悪かった。
また、本発明で製造した偏光板を使用すると、従来のTAC系保護フィルムを使用した偏光板に比べて寸法安定性に優れており、白ぬけ現象が起こりにくい。例えば、テレビのサイズが大型であればあるほど、従来のTAC系保護フィルムを使用した場合、表示装置の額縁の白ぬけ現象がおこるが、本発明で製造した偏光板であれば白ぬけ現象が起こりにくく、好ましく使用される。
2 ノルボルネン系保護フィルムA
3 ノルボルネン系保護フィルムB
4 接着剤塗布装置
5 ロール
6 ロール
7 乾燥装置
Claims (3)
- ポリビニルアルコール系偏光子の両面にポリビニルアルコール系水性接着剤を介してノルボルネン系保護フィルムが貼着されてなる偏光板の製造方法において、ポリビニルアルコール系水性接着剤中のポリビニルアルコール成分が水100重量部に対して1.0〜2.5重量部であり、該ポリビニルアルコール系水性接着剤を塗布した後、前記偏光子と保護フィルムとを重ね合わせ、次いで前記偏光子と保護フィルムの合計厚みの25%〜70%になるように間隙を調節したニップロールを通過させ、しかる後に加熱乾燥させることを特徴とする偏光板の製造方法。
- ポリビニルアルコール系水性接着剤が、水、ポリビニルアルコール系樹脂、グリオキザール及び硬化促進剤を含有していることを特徴とする請求項1記載の偏光板の製造方法。
- 加熱乾燥の温度が55〜90℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の偏光板の製造方法。
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