JP2005266463A - 偏光子保護フィルムの製造方法 - Google Patents

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雄平 小野
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Abstract

【課題】 本発明は、耐環境性に優れ、且つ光学補償機能として位相差特性を有し、その位相差特性の安定性に優れ、また偏光子との接着性が良好である偏光子保護フィルムの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 熱可塑性高分子フィルムの少なくとも片面に、親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物とを含む混合物を塗工し、ついで熱処理することを特徴とする偏光子保護フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は偏光子保護フィルムに関するものであり、詳しくは耐薬品性、耐環境性等の耐久性に優れ、且つ、光学補償としての機能を有する偏光子保護フィルムの製造方法関するものである。
近年様々な用途、多様な環境で偏光板が使用されるようになり、従来にない過酷な使用状況にも耐えるような機能を持った偏光板が期待されている。現状では、依然として偏光板に用いられる偏光子保護フィルムとしてトリアセテートセルロース系樹脂フィルムが用いられているが、高温度、高湿下での環境試験下において寸法の収縮が起こり、偏光子の機能劣化や収縮に伴う応力の発生に起因して、例えば偏光板の用途として用いられる液晶表示素子の画質品位に影響を与えることが大きな問題となっている。
さらに、これまでは位相差フィルムを粘着剤により偏光板と貼り合せることで、光学補償機能を具備した偏光板を作製していたが、液晶表示素子の更なるコストダウンを実現するために、部材点数、加工工数の削減が望まれており、偏光子保護フィルムの機能として位相差機能を発現させる取り組みがなされている。これには、トリアセテートセルロース系樹脂フィルムを延伸して、偏光子保護フィルムに光学補償機能を具備させようとする材料開発が行われている(例えば下記特許文献1参照)。
しかし、材料としてトリアセテートセルロース系樹脂フィルムをベースに用いているために、耐環境試験での光学特性の低下が顕著であると共に、寸法安定性の問題は依然残ったままである。このように、現在においても耐環境性に優れ、且つ光学補償機能として位相差特性を有した偏光子保護フィルムは得られておらず、その製造方法も確立されていない。
特開2003−279729号公報
本発明は、耐環境性に優れ、且つ光学補償機能として位相差特性を有し、その位相差特性の安定性に優れ、また偏光子との接着性が良好である偏光子保護フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、トリアセテートセルロース系樹脂フィルムに替わる偏光子保護フィルムとして、耐環境性及び当該フィルムと偏光子との接着性が最も重要と考え、その両面から鋭意検討を重ねた。その結果、耐環境性に優れ、且つ光学補償機能として位相差特性を有し、その位相差特性の安定性に優れ、また偏光子との接着性が良好である偏光子保護フィルムの製造方法を確立することに成功したものである。
すなわち本発明は、下記の[1]〜[9]のより達成することが出来た。
[1] 熱可塑性高分子フィルムの少なくとも片面に、親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物とを含む混合物を塗工し、ついで熱処理することを特徴とする偏光子保護フィルムの製造方法。
[2] 熱可塑性高分子フィルムが、下記式(1)および/または(2)
0≦R≦300nm (1)
−150≦K≦400nm (2)
(式中のRは熱可塑性高分子フィルムの面内位相差値であり、下記式(3)によって表され、Kは厚み方向位相差値であり、下記式(4)によって表される。
R=(n−n)×d (3)
K={(n+n)/2−n}×d (4)
(式中のn、n、nは三次元屈折率であり、それぞれ熱可塑性高分子フィルム面内のx軸、y軸、およびx軸とy軸に垂直なz軸方向の屈折率であり、dは熱可塑性高分子フィルムの厚みである。))
を満たすことを特徴とする上記[1]の偏光子保護フィルムの製造方法。
[3] 前記混合物を塗工した後、熱処理する際に延伸処理することを特徴とする上記[1]、[2]の偏光子保護フィルムの製造方法。
[4] 前記熱可塑性高分子フィルムがポリカーボネート系樹脂からなることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかの偏光子保護フィルムの製造方法。
[5] 前記親水性高分子化合物が、ポリビニルアルコール誘導体であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかの偏光子保護フィルムの製造方法。
[6] 前記架橋性樹脂化合物がフェノール性水酸基および/またはカルボキシル基と反応し架橋しうるものであることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかの偏光子保護フィルムの製造方法。
[7] 前記架橋性樹脂化合物がオキサゾリン基を有することを特徴とする上記[6]の偏光子保護フィルムの製造方法。
[8] 前記ポリカーボネート系樹脂が下記式(A)
Figure 2005266463
(上記式(A)においてR〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Xは下記式(X)
Figure 2005266463
であり、RおよびR10はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示される繰り返し単位および下記式(B)
Figure 2005266463
(上記式(B)においてR11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yは下記式群(Y)
Figure 2005266463
であり、ここでR19〜R21、R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。)
で示される繰り返し単位を含んでなり、上記式(A)で表される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜90mol%を占めるポリカーボネート共重合体および/またはブレンド体である上記[4]〜[7]のいずれかの偏光子保護フィルムの製造方法。
[9] 前記ポリカーボネート系樹脂が下記式(C)
Figure 2005266463
(上記式(C)においてR26〜R27はそれぞれ独立に水素原子およびメチル基から選ばれる。)で示される繰り返し単位が全体の10〜90mol%と、下記式(D)
Figure 2005266463
(上記式(D)においてR28〜R29はそれぞれ独立に水素原子およびメチル基から選ばれる。)で示される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の90〜10mol%を占めるポリカーボネート共重合体および/またはブレンド体である上記[8]の偏光子保護フィルムの製造方法。
本発明により、耐環境性に優れ、且つ光学補償機能としての位相差特性を有し、その位相差特性の安定性に優れ、また偏光子との接着性が良好である偏光子保護フィルムの製造方法を確立することに成功し、新規な偏光子保護フィルムを提供することにより、光学補償機能をもたない偏光子保護フィルムを用いる場合に別途使用される光学補償フィルムが不要となり、部材点数、加工工数の削減が行うことが出来るようになることで、液晶表示素子の部材の更なるコストダウンを実現することが出来るという効果を有する。
〔熱可塑性高分子フィルム〕
本発明に用いる熱可塑性高分子フィルムを与える材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などの特性に優れる合成高分子が好ましい。かかる熱可塑性高分子フィルムの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、または、前記ポリマーのブレンド物なども前記偏光子保護フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。このとき偏光子保護フィルムとしては、薄膜且つ十分な強度を有することが必要とされ、この点において適した材料としては、ポリカーボネート系ポリマー、ノルボルネン系樹脂ポリマー、ノルボルネン系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリスルホン系ポリマーなどが好ましいものとして挙げられ、特に、ポリカーボネート系ポリマーからなる偏光子保護フィルムが好ましい。
特に、本発明に好適に用いられる熱可塑性高分子フィルムとしてのポリカーボネート系ポリマーとは、炭酸とグリコール又は2価フェノールとのポリエステルであり、炭酸と2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(通称ビスフェノール−A)とを構造単位とする芳香族ポリカーボネートはもちろんのこと、本発明ではこれに限定されるわけではなく、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類からなる群から選択される少なくとも1種の2価フェノールをモノマー成分とするホモまたは共重合ポリカーボネート、上記2価フェノールとビスフェノールAをモノマー成分とするポリカーボネートとの混合物、上記2価フェノールとビスフェノールAとをモノマー成分とする共重合ポリカーボネートが挙げられる。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンの具体例としては、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン基で置換された1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン基で置換された1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
さらに、他のビスフェノール成分として、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘブタン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)2,5−ジメチルヘブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)4−フルオロフェニルメタン、2,2’−ビス(3−フルオロー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
上記ポリカーボネートは、上記ビスフェノール成分の他に、酸成分のコモノマーとして少量の脂肪族、芳香族ジカルボン酸を用いたポリエステルカーボネートを含む。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、p−キシレングリコール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、1、1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン等を挙げることができる。この中で、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
用いられるポリカーボネートの分子量は、2000〜100000の粘度平均分子量を有するものであることが好ましく、より好ましくは、5000〜70000、さらに好ましくは7000〜50000の粘度平均分子量が良い。濃度0.7g/dlの塩化メチレン溶液にして20℃で測定した比粘度で表して0.07〜2.70、好ましくは、0.15〜1.80、さらに好ましくは、0.20〜1.30のものである。粘度平均分子量が2000未満のものでは得られるフィルムが脆くなるので適当でなく、100000以上のものでは、フィルムへの加工性が困難になるために好ましくない。
本発明に用いるポリカーボネートとしては、特に、下記式(A)
Figure 2005266463
(上記式(A)においてR〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Xは下記式(X)
Figure 2005266463
であり、RおよびR10はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示される繰り返し単位および下記式(B)
Figure 2005266463
(上記式(B)においてR11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yは下記式群(Y)
Figure 2005266463
であり、ここでR19〜R21、R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。)
で示される繰り返し単位を含んでなるポリカーボネートが好ましい。
上記式(A)及び(B)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネートにおいては、(A)の含有量が、当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜90mol%であることが好ましい。このポリカーボネートにおいて、(A)の含有量が10mol%未満となる場合、ポリマーフィルムの複屈折が大きくなるために、均一位相差特性を有するフィルムを得ることが困難となる。一方、(A)の含有量が全体の90mol%を超えると、フィルムが割れ易く、脆い性質となり、偏光子保護フィルムとして適さない。より効果的には繰り返し単位(A)の含有量が20〜80mol%、さらに効果的には繰り返し単位(A)の含有量が30〜70mol%であることが好ましい。とりわけ、位相差値が短波長ほど大きい特性が要求される用途では、繰り返し単位(A)の含有量が30〜55mol%であることが適しており、位相差値が短波長ほど小さい特性が要求される用途では、繰り返し単位(A)の含有量が55〜70mol%であることが適しており、位相差値が波長によらずほとんど変化しない特性が要求される用途では40〜60mol%であることが適している。
この中でも特に下記式(C)
Figure 2005266463
で示される繰り返し単位と、下記式(D)
Figure 2005266463
で示される繰り返し単位からなるポリカーボネート共重合体および/またはブレンド体が好適に用いられ、耐熱性、寸法安定性、透明性において優れている。
上記式(C)においてR26〜R27はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、取り扱い性の点から好ましくはメチル基である。
上記式(D)においてR28〜R29はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、経済性、フィルム特性等から水素原子が好ましい。
本発明において共重合体および/またはブレンド体とは共重合体、ブレンド体、共重合体のブレンド体、共重合体とホモポリマーのブレンド体などすべての組成形態をさす。
ここで上記モル比は共重合体、ブレンド体に関わらず、高分子配向フィルムを構成するポリカーボネートバルク全体で、例えば核磁気共鳴(NMR)装置により求めることができる。
上記した共重合体および/またはブレンド体は公知の方法によって製造し得る。ポリカーボネートはジヒドロキシ化合物とホスゲンとの重縮合による方法、溶融重縮合法等が好適に用いられる。ブレンド体の場合は、相溶性ブレンドが好ましいが、完全に相溶しなくても成分間の屈折率を合わせれば成分間の光散乱を抑え、透明性を向上させることが可能である。
また、本発明における熱可塑性高分子フィルムにおいては、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、透明核剤、永久帯電防止剤、蛍光増白剤等のポリマー改質剤が同時にフィルム中に存在しても良い。
本発明により得られた熱可塑性高分子フィルムは透明性が良好であり、へーズ値は5%以下、全光線透過率は85%以上であることが好ましいが、意図的にヘーズ値が高くなるようにされる場合もある。
熱可塑性高分子フィルムのガラス転移点温度としては、120〜280℃、好ましくは150〜270℃、より好ましくは160〜260℃、さらに好ましくは170〜250℃、特に好ましくは、180〜240℃が良い。120℃未満の温度では、寸法安定性が悪く、また、280℃を超える温度では、延伸工程の温度制御が非常に困難になるために製造が困難となる。
本発明の熱可塑性高分子フィルムは、偏光板を構成する偏光子の少なくとも一方の面を保護するフィルムであると同時に、光学補償機能として位相差特性を有した光学補償フィルムであるが、その光学補償フィルムの面内位相差値(R値)と厚み方向位相差値(K値)は、それぞれ下記式(a)および(b)
(a) R=(n−n)×d
(b) K=((n+n)/2−n)×d
で表される。上式中、n、n、nは高分子フィルムの三次元屈折率であり、それぞれフィルム面内におけるx軸方向、y軸方向、フィルムに垂直なz軸方向の屈折率である。また、dはフィルムの厚み(nm)である。
つまり、n、n、nは高分子フィルムの光学異方性を表す指標である。特に本発明における高分子フィルムの場合には
:フィルム面内における最大屈折率
:フィルム面内における最大屈折率を示す方向に直交する方位の屈折率
:フィルム法線方向の屈折率
とする。
ここで、本発明では高分子フィルムを一軸延伸した場合には延伸方向、二軸延伸の場合にはより配向度が上がるように延伸した方向、すなわち化学構造的に言えば高分子主鎖の配向方向の屈折率が最大となるときを光学異方性が正、かかる配向方向の屈折率が最小となるときを光学異方性が負であると呼ぶ。本発明では高分子フィルムの光学異方性を屈折率楕円体と見なして公知の屈折率楕円体の式により求める方法によりこの三次元屈折率を求めている。この三次元屈折率は使用する光源の波長依存性があるので、使用する光源波長で定義することが好ましく、本発明において特に波長の指定がない場合は550nmでの値とする。
本発明に用いる熱可塑性高分子フィルムは、下記式(1)および/または(2)
0≦R≦300nm (1)
−150≦K≦400nm (2)
を満足することが好ましく、R値およびK値は用途により適宜選択される。例えばVA液晶の視野角補償機能を持たせる場合は下記式(1−1)および/または(2−1)
30≦R≦200nm (1−1)
80≦K≦300nm (2−1)
を満足することが好ましく、例えばIPS液晶の視野角補償機能を持たせる場合は下記式(1−2)および/または(2−2)
50≦R≦300nm (1−2)
−150≦K≦150nm (2−2)
を満足することが好ましく、例えば反射防止用円偏光板の広視野角化の機能を持たせる場合は下記式(1−3)および/または(2−3)
100≦R≦170nm (1−3)
−150≦K≦90nm (2−3)
を満足することが好ましく、例えば偏光板単体としての広視野角化の機能を持たせる場合は下記式(1−4)および/または(2−4)
200≦R≦300nm (1−3)
−150≦K≦150nm (2−3)
を満足することが好ましい。
〔熱可塑性高分子フィルムの製造方法〕
本発明での偏光子保護フィルムに使用される熱可塑性高分子フィルムの製造方法は特に限定されるものではなく、既知の方法を用いて作製されたフィルムを用いることが可能である。例えば、溶融製膜法、溶液製膜法、カレンダー法、射出成型法などが挙げられる。得られたフィルムに目的に応じた位相差特性を持たせるために、延伸処理などがなされる場合が多い。延伸方法の例としては、ロール速度差を利用するロール縦一軸延伸方法、フィルム幅方向端部をピンあるいはクリップにより把持し、把持した部分を幅方向に広げるテンター横一軸延伸法、把持した部分のフィルム流れ方向速度差および/または走行距離差を利用するテンター斜め一軸延伸法、厚み方向に引張応力をかける特殊Z軸延伸方法、面内に圧縮応力をかける特殊Z軸延伸方法等の連続延伸方法が挙げられる。さらに、上述したような一軸延伸法を繰り返す逐次二軸延伸法、フィルム流れ方向に速度差のついたテンターを幅方向に広げる同時二軸延伸法、さらにはこのような延伸を数回繰り返す多段延伸法等が挙げられる。
位相差を与えるフィルムを得るための連続延伸法の例をいくつか挙げたが、本発明の高分子フィルムの延伸方法はこれらに限定されるものではなく、生産性の観点から連続延伸が好ましいが、特に連続延伸である必要はない。
なお、上記の延伸処理は前記親水性高分子化合物と前記架橋性樹脂化合物を含む混合物をフィルム上に塗工した後に実施されてもよい。
位相差を与える別の方法として、フィルム表面に光学異方層を設けることもできる。光学異方層は特に限定されるものではないが、例えば熱可塑性高分子フィルム上に直接または下引き層を設けた上にさらに配向層を形成し、その上に液晶性化合物を配向固化させて形成することができる。あるいは、配向層単独で光学異方層とすることもできる。光学異方層は、偏光子を接着する面、偏光子を接着しない面のいずれの面に設けてもよいが、偏光子を接着しない面に設けることが好ましい。
前記配向層は、熱可塑性高分子フィルム上に配置され、後述する光学異方層に隣接して、光学異方層中の液晶化合物を配向するために用いられる。配向層を構成する具体的な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリビニルピロリドン、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。
配向処理は、公知の方法を用いることができるが、ラビング処理等のLCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができ、また、公知の光配向層を用いることもできる。
光学異方層は、液晶表示素子の視野角特性を改良するため、光学異方層の厚さはそれを構成する液晶化合物の複屈折の大きさ、及び液晶化合物の配向状態によって異なるが、概ね、その膜厚は0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmである。光学異方層は、1つの熱可塑性高分子フィルムに対して複数層設置することもできるが、生産性の観点から1層であることが好ましい。
液晶化合物は、配向できるものであれば特に限定されるものではなく、ディスコチック化合物または棒状の液晶化合物が挙げることができ、数種類の液晶化合物の混合物でもよく、化学反応または温度差を利用した処理により、配向を固定化できるものである。また、液晶化合物と有機溶媒を含む溶液を調製し、その溶液を塗布、乾燥して光学異方層を作製する場合、液晶転移温度以上に加熱しなくても該温度以下で液晶化合物の配向処理をすることも可能である。
液晶化合物を含む溶液を塗布した場合、塗布後、溶媒を乾燥して除去し、膜厚が均一な液晶層を得ることができる。液晶層は、熱または光エネルギーの作用、または熱と光エネルギーの併用で化学反応によって、液晶の配向を固定化することができる。
また、液晶化合物が高分子液晶である場合、上記化学反応による硬化反応を用いて液晶の配向を固定しなくてもよい。例えば高分子液晶をガラス転移点温度以上で熱処理し、ガラス転移温度以下に放冷することで配向を固定化することができる。高分子液晶のガラス転移点温度が熱可塑性高分子フィルムの耐熱性温度よりも高い場合は、熱可塑性高分子フィルム上に前記配向膜を設置し高分子液晶を塗布後、高分子液晶のガラス転移点温度以上に加熱し配向させることができる。また別の支持体上に配向固化させた後、熱可塑性高分子フィルムに接着剤を用いて転写して光学異方体を作製することもできる。
目的に応じた位相差特性を持たせるために、延伸処理と光学異方層を設ける方法を挙げたが、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。特に、面内位相差と厚み方向位相差それぞれに異なる波長依存性を持たせたい場合には、それぞれ異なる位相差波長依存性を有する熱可塑性高分子フィルム上に光学異方層を設ける場合がある。例えば、VA液晶などには位相差が短波長ほど小さい特性を有する熱可塑性高分子フィルム上に位相差が短波長ほど大きい特性を有する光学異方層を設ける場合がある。あるいは特殊Z軸延伸などのように生産性の悪い延伸処理が必要な場合には、生産性のよい延伸処理がされた熱可塑性高分子フィルム上に光学異方層を設け、全体として目的とする位相差特性とする場合がある。例えばIPS液晶、円偏光板などには、一軸延伸処理がされた正の光学異方性を有する熱可塑性高分子フィルム上に厚み方向位相差が負となるような光学異方層を設ける。あるいは、一軸延伸処理がされた負の光学異方性を有する熱可塑性高分子フィルム上に厚み方向位相差が正となるような光学異方層を設ける。さらには、二軸延伸処理された負の光学異方性を有する熱可塑性高分子フィルム上に面内に光学軸を有する正の一軸性光学異方層を設けるなどして、全体として目的とする位相差特性とする場合がある。
本発明の偏光子保護フィルムの厚さは、一般には500μm以下であり、1〜300μm以下が好ましく、特に5〜200μmとするのが好ましい。
本発明の偏光子保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであっても良い。
ハードコート処理は偏光板の傷つき防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化性樹脂による硬度やすべり特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着性防止を目的に施される。
また、アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.01〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光透過光を拡散して視野角などを拡大するための拡散層を兼ねるものであってもよい。
偏光子保護フィルムには、該フィルム上に層を形成させる前に表面処理を施すことが好ましい。表面処理としては、コロナ放電処理、紫外線照射処理などが挙げられ、好ましくはフィルム面の水滴の接触角で65°以下、さらに好ましくは60°以下の表面状態にするのが好ましい。
〔親水性高分子化合物〕
本発明における親水性高分子化合物は、一般に水酸基などの親水性の基を持つ高分子化合物を指す。かかる親水性高分子化合物としては、例えば親水性セルロース誘導体(例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシセルロース等)、ポリビニルアルコール誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルホマール、ポリビニルベンザール等)、天然高分子化合物(例えば、ゼラチン、カゼイン、アラビアゴム等)、親水性ポリエステル誘導体(例えば、部分的にスルホン化されたポリエチレンテレフタレート等)、ポリビニル誘導体(例えば、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等)が挙げられ、単独あるいは2種以上を併用しても構わない。親水性高分子化合物として、偏光子と類似する組成であるポリビニルアルコール誘導体(例えば、ポリビニルアルコール)が好ましい。ポリビニルアルコールを用いる場合には、重合度は100〜7000であることが好ましく、より好ましくは300〜5000、さらに好ましくは500〜5000であり、特に好ましくは1000〜4000であることである。またけん化度は40〜99.9%であることが好ましく、より好ましくは50〜99.5%、さらに好ましくは60〜99であり、特に好ましくは70〜95%であることである。
〔架橋性樹脂化合物〕
本発明における架橋性樹脂化合物とは、外部励起エネルギーにより架橋反応などを経て硬化する樹脂を与える原料モノマーもしくはそれから重合されたポリマーをさすが、紫外線や電子線等の活性線照射によって硬化する活性線硬化樹脂と熱により架橋反応を開始する熱架橋性樹脂等が挙げられるがそのいずれでも構わない。
活性線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂が代表として挙げられるが、その例としては紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化性メタクリル酸エステル系樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂及び紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂などが挙げられる。特に、紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂が良く、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等の光重合モノマーオリゴマーが好まれる。これらのポリオールアクリレート系樹脂は高架橋性で、硬度が高く、硬化収縮が小さく、低臭気性で低毒性であり比較的安全性が高い。
電子線硬化性樹脂の例としては、好ましくは、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂などが挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フェノキシエーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂が挙げられ、またその共重合物、混合物でもよい。
前記架橋性樹脂化合物としては、特にフェノール性骨格の水酸基および/またはカルボキシル基と反応し架橋しうる化合物が好ましく、特にオキサゾリン基、ジイミド基、ヒドラジド基、エポキシ基などを有していることが好ましく、なかでもオキサゾリン基を有していることが特に好ましい。このような基を有していれば、主鎖構造は特に限定されず、アクリル、スチレン、ウレタンなどが好ましく用いられるがこの限りではない。
〔親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物を含む混合物を熱処理することにより得られる層〕
本発明の偏光子保護フィルムにおいては、前記熱可塑性高分子フィルムの少なくとも片面に前記親水性高分子化合物と前記架橋性樹脂化合物を含む混合物を熱処理することにより得られる層が形成されてなる。具体的には、主として上記親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物を含む混合物(以下塗工液ということがある)を熱可塑性高分子フィルムの一方の面上に塗工し、ついで熱処理することにより得ることができる。特に生産性、安全性の観点から上記親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物を含む混合物は通常、水を含む溶液であって水溶液であることが好ましい。
塗工液中の親水性高分子化合物は塗工液100重量部に対して、通常0.1〜25重量部であり、好ましくは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、特に1〜10重量部であることが好ましい。また、架橋性樹脂化合物は塗工液100重量部に対して、通常0.5〜30重量部であり、好ましくは1〜25重量部、より好ましくは1.5〜20重量部、特に2〜15重量部であることが好ましい。
塗工液を所望の目的に応じて、例えば上記以外の水溶性高分子、界面活性剤、消泡剤などを適宜混合することができる。なお、これらを含む塗工液を作製する際には、適宜濃度調整されたそれぞれの水溶液を作製したのち、これらを混合して塗工液を作製することが望ましい。それぞれの水溶液を作製する際には溶解性を高めるために加熱溶解してもよい。
上記塗工液の塗工には、一般的に用いられているコーティング法を用いることが可能であり、例えば、スピンコート法、マイヤーバーコート法、正回転ロールコート法、グラビアロールコート法、リバースロールコート法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、塗工液は熱可塑性高分子フィルムの少なくとも一方の面上に塗工され、ついで熱処理されるが、熱可塑性高分子フィルム製造工程において製膜後あるいは製膜、延伸処理後に、さらに塗工、熱処理されることが生産性の観点から好ましい。さらには、製膜された熱可塑性高分子フィルムに塗工液を塗工し、ついで熱処理する際に延伸処理をもすることが、生産エネルギーコスト面で好ましい。
層の厚さとしては、通常、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmである。
〔偏光子保護フィルムの利用分野〕
本発明により得られた偏光子保護フィルムは、通常該偏光子保護フィルムの層面と偏光子とが接するように積層されて偏光板として使用される。前記偏光板において、偏光子の本発明の偏光子保護フィルムが積層されていない面には、本発明の偏光子保護フィルムあるいは別の偏光子保護フィルムが積層される。かかる偏光板を製造するには、ポリビニルアルコール等を主成分とした偏光子と本発明の偏光子保護フィルムの層面をポリビニルアルコール等の水溶性高分子などの接着剤により貼り合わせることにより製造することができるが、接着剤としては水溶性高分子に限るものではない。
かかる偏光板の厚さとしては、通常60〜250μmである。保護フィルム自体が光学補償機能として位相差特性を有しているので、光学補償機能をもたない偏光子保護フィルムを用いる場合に別途使用される光学補償フィルムが不要となり、部材点数、加工工数の削減が行うことが出来るようになることで、液晶表示素子の部材の更なるコストダウンを実現することが出来、さらには全体として薄型化にも寄与しうる。
本発明により得られた偏光子保護フィルムは、それの層上にプロテクトフィルムを設け、かかる層を保護し、通常はロール形状のプロテクトフィルム付偏光子保護フィルムとして出荷することができる。
本発明により得られた偏光子保護フィルムを有する偏光板においては、粘着層を用いて液晶パネルとの貼合を行うが、粘着層の汚染防止等を目的に離形フィルムを表面に仮粘着保護された形態をとる場合が多い。
粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの添加剤を含有してもよい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層などであってもよい。偏光板への粘着層の形成は適宜な方法で行うことが出来る。その例としては、トルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解または分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調整し、それを流延方法や塗工方式等の適宜な展開方法で偏光板上または光学フィルム上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などが挙げられる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜決定でき、一般には1〜300μmであり、2〜100μmが好ましく、特に3〜50μmが好ましい。
粘着層の離形フィルムとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを持ちうることが出来る。
以下本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評価法によって得られたものである。
(1)面内位相差R値、厚み方向位相差K値の測定
面内位相差R値および厚み方向位相差K値は、分光エリプソメータ『M150』(日本分光(株)製)により測定した。R値は入射光線と位相差フィルムの表面が直交する状態で測定した。また、K値は入射光線と位相差フィルムの表面の角度を変えることにより、各角度での位相差値を測定し、公知の屈折率楕円体の式でカーブフィッティングすることにより三次元屈折率であるn、n、nを求めた。なお、その際、別のパラメータとして平均屈折率nが必要になるが、これはアッベ屈折計((株)アタゴ社製の『アッベ屈折計2−T』)により測定した。
(2)ガラス転移点温度の測定
ガラス転移点温度(Tg)は『DSC2920 Modulated DSC』(TA Instruments社製)により測定した。フィルム成形後ではなく、樹脂重合後、フレークスまたはチップの状態で測定した。
(3)偏光板の作製
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素1部、ヨウ化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光膜を得た。上記偏光膜と偏光子保護フィルムの層形成面との間に固形分5wt%のポリビニルアルコール接着剤を塗り、約0.2〜0.3MPaの圧力のニップロール間を通した後、80℃5分の乾燥をして、偏光板を得た。
(4)偏光板の評価
〔偏光板保護層の接着性評価〕
上記のとおり作製した偏光板保護層を1mm角100個にクロスカットし、その領域にニチバン製セロハンテープを密着させて垂直方向に引き剥がして、1箇所も剥離がないものを○とし良好と判断し、それ以外を×して接着性不十分と判断した。
〔偏光板の耐環境性評価〕
〈偏光度変化の評価〉
上記のとおり作製した偏光板を80℃DRY、60℃90%RH環境にて、それぞれ1000時間後の偏光度変化を評価した。
偏光度の変化が1%以内である場合、耐環境性を○とし良好と判断し、それ以外を×として劣化ありと判断した。
〈寸法変化の評価〉
上記のとおり作製した偏光板を80℃DRY、60℃90%RH環境にて、それぞれ1000時間後の寸法変化を評価した。寸法は偏光子保護フィルム上の基準点間の距離を測定した。寸法変化が0.5%以内である場合、耐環境性を○とし良好と判断し、それ以外を×として劣化ありと判断した。
〈位相差変化の評価〉
上記のとおり作製した偏光板を80℃DRY、60℃90%RH環境にて、それぞれ1000時間後の位相差変化を評価した。位相差変化が5%以内である場合、耐環境性を○とし良好と判断し、それ以外を×として劣化ありと判断した。
〈接着性劣化の評価〉
上記のとおり作製した偏光板を80℃DRY、60℃90%RH環境にて、それぞれ1000時間後の接着性を評価した。偏光板保護層を1mm角100個にクロスカットし、その領域にニチバン製セロハンテープを密着させて垂直方向に引き剥がして、1箇所も剥離がないものを○とし良好と判断し、それ以外を×して劣化ありと判断した。
また、以下の実施例、比較例で用いたポリカーボネートのモノマー構造を以下に示す。
Figure 2005266463
[実施例1]
攪拌機、温度計および環流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液およびイオン交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマー(E)、(F)を50:50のmol比で溶解させ、少量のハイドロサルフィトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p−tert−ブチフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相を分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同等であった。また、この共重合ポリカーボネートのガラス転移点温度は、216℃であった。
この共重合ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させ、このフィルムを220℃で縦方向1.8倍の延伸処理をした。得られたフィルムの膜厚は115μmであり、残留溶媒量は1.3wt%であった。さらにこのフィルムを230℃で横方向に2.1倍の延伸処理をした。この逐次二軸延伸により得られた延伸フィルムは位相差値がR=52nm、K=273nmであった。
この延伸フィルム上にポリビニルアルコール樹脂(クラレPVA217、重合度1700、けん化度88%)5wt%水溶液と、オキサゾリン基含有水溶性ポリマー(日本触媒WS700)25wt%水溶液を重量比で7:3の割合にて混合した水溶液を塗液として、リバースロールコート法にて塗工し、120℃5分熱処理して、厚み0.6μmの層を有する偏光子保護フィルムを得た。
また、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素1部、ヨウ化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光膜を得た。上記偏光膜と偏光子保護フィルムの層形成面との間に固形分5wt%のポリビニルアルコール接着剤を塗り、約0.2〜0.3MPaの圧力のニップロール間を通した後、80℃10分の乾燥をして、偏光板を得た。ここで、本実施例で得られた偏光子保護フィルムを用いて、偏光板の作製を行った。
このように作製した試料を評価したところ、接着性は良好であり、偏光度99.8%であり、偏光板として十分な特性を有することを確認した。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、寸法変化、位相差変化、接着性劣化は確認できず良好であった。
市販されている透過型VA液晶パネルの両側の偏光板を剥離して、本実施例で得られた偏光板を液晶セル側に本発明の偏光子保護フィルムが設置されるように粘着剤を介してセルの上下に貼り合わせて液晶パネルを得た。この液晶パネルの表示画面を確認したところ、良好なコントラストと広い視野角を有していた。
[実施例2]
攪拌機、温度計および環流冷却器を備えた反応槽に水酸化ナトリウム水溶液およびイオン交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマー(E)、(F)を67:33のmol比で溶解させ、少量のハイドロサルフィトを加えた。次にこれに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p−tert−ブチフェノールを加えて乳化させた後、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相を分取し、塩化メチレンを蒸発させてポリカーボネート共重合体を得た。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量比とほぼ同等であった。また、この共重合ポリカーボネートのガラス転移点温度は229℃であった。
この共重合ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させた。
このフィルム上にポリビニルアルコール樹脂(クラレPVA405、重合度500、けん化度81.5%)5wt%水溶液と、オキサゾリン基含有水溶性ポリマー(日本触媒WS700)25wt%水溶液を重量比で6:4の割合にて混合した水溶液を塗液として、グラビアロールコート法にて塗工し、235℃で縦方向2.4倍に一軸延伸処理をした。一軸延伸により得られた延伸フィルムは位相差値がR=139nm、K=70nmであり、表面に厚み0.5μmの層を有する偏光子保護フィルムを得た。
さらにこのフィルムの層形成していない面上に2,2’−ヒ゛ス(3,4−シ゛カルホ゛キシフェニル)ヘキサフルオロフ゜ロハ゜ン二無水物(6FDA)と、2,2’−ヒ゛ス(トリフルオロメチル)−4,4’−シ゛アミノヒ゛フェニル(TFMB)とから合成された重量平均分子量(Mw)7万のポリイミドを、シクロヘキサノンに溶解して15wt%のポリイミド溶液を調製したポリイミド溶液を塗工し、100℃10分熱処理を行った。処理後のフィルムは位相差値がR=139nm、K=150nmであり、面内位相差は短波長ほど位相差が小さくなる特性、厚み方向位相差は短波長ほど位相差が大きくなる特性を有していた。
また、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素1部、ヨウ化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光膜を得た。上記偏光膜と偏光子保護フィルムの層形成面との間に固形分5wt%のポリビニルアルコール接着剤を塗り、約0.2〜0.3MPaの圧力のニップロール間を通した後、80℃10分の乾燥をして、偏光板を得た。ここで、本実施例で得られた偏光子保護フィルムを用いて、偏光板の作製を行った。
このように作製した試料を評価したところ、接着性は良好であり、偏光度99.8%であり、偏光板として十分な特性を有することを確認した。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、寸法変化、位相差変化、接着性劣化は確認できず良好であった。
市販されている半透過反射型VA液晶パネルの両側の偏光板を剥離して、本実施例で得られた偏光板を液晶セル側に本発明の偏光子保護フィルムが設置されるように粘着剤を介してセルの上下に貼り合わせて液晶パネルを得た。この液晶パネルの表示画面を確認したところ、良好なコントラストと広い視野角を有していた。
[比較例1]
実施例1で得た延伸フィルムに一切処理をせずに偏光子保護フィルムとした。
また、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素1部、ヨウ化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光膜を得た。上記偏光膜と偏光子保護フィルムの層形成面との間に固形分5wt%のポリビニルアルコール接着剤を塗り、約2〜3kg/cmの圧力のニップロール間を通した後、80℃10分の乾燥をして、偏光板を得た。ここで、本比較例で得られた偏光子保護フィルムを用いて、偏光板の作製を行った。
このように作製した試料を評価したところ、接着性は不十分であった。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、接着性劣化が確認できた。
[比較例2]
実施例1で得た延伸フィルム上にポリビニルアルコール樹脂(クラレPVA217、重合度1700、けん化度88%)5wt%水溶液を塗液として、マイヤーバーコート法にて塗工し、120℃5分熱処理して、厚み0.5μmの層を有する偏光子保護フィルムを得た。
また、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素1部、ヨウ化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光膜を得た。上記偏光膜と偏光子保護フィルムの層形成面との間に固形分5wt%のポリビニルアルコール接着剤を塗り、約0.2〜0.3MPaの圧力のニップロール間を通した後、80℃10分の乾燥をして、偏光板を得た。ここで、本比較例で得られた偏光子保護フィルムを用いて、偏光板の作製を行った。
このように作製した試料を評価したところ、接着性は不十分であった。また、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、接着性劣化が確認できた。
[比較例3]
実施例1で得た延伸フィルム上にオキサゾリン基含有水溶性ポリマー(日本触媒WS700)25wt%水溶液を塗液として、マイヤーバーコート法にて塗工し、120℃5分熱処理して、厚み0.6μmの層を有する偏光子保護フィルムを得た。
また、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムをヨウ素1部、ヨウ化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光膜を得た。上記偏光膜と偏光子保護フィルムの層形成面との間に固形分5wt%のポリビニルアルコール接着剤を塗り、約0.2〜0.3MPaの圧力のニップロール間を通した後、80℃10分の乾燥をして、偏光板を得た。ここで、本比較例で得られた偏光子保護フィルムを用いて、偏光板の作製を行った。
このように作製した試料を評価したところ、接着性は不十分であったまた、80℃DRY、60℃90%RH1000時間の耐環境性試験においても偏光度変化、接着性劣化が確認できた。
Figure 2005266463
本発明の偏光子保護フィルムの製造方法により得られる偏光子保護フィルムは、光学補償機能を具備した偏光板として利用され、広い視野角を有し、コントラスト等の表示品位に優れる液晶表示装置を形成しうるものであり、STN、TN、VA、IPS、OCBモード等の透過型、反射型、半透過反射型などいずれの方式にも使用できる。また、偏光板を用いる他の表示装置、例えば、強誘電性液晶、反強誘電性液晶を用いたもの、液晶プロジェクター、有機EL表示装置等にも用いられ、偏光めがねなどの表示装置以外の偏光板を用いたものにも使用できる。

Claims (9)

  1. 熱可塑性高分子フィルムの少なくとも片面に、親水性高分子化合物と架橋性樹脂化合物とを含む混合物を塗工し、ついで熱処理することを特徴とする偏光子保護フィルムの製造方法。
  2. 熱可塑性高分子フィルムが、下記式(1)および/または(2)
    0≦R≦300nm (1)
    −150≦K≦400nm (2)
    (式中のRは熱可塑性高分子フィルムの面内位相差値であり、下記式(3)によって表され、Kは厚み方向位相差値であり、下記式(4)によって表される。
    R=(n−n)×d (3)
    K={(n+n)/2−n}×d (4)
    (式中のn、n、nは三次元屈折率であり、それぞれ熱可塑性高分子フィルム面内のx軸、y軸、およびx軸とy軸に垂直なz軸方向の屈折率であり、dは熱可塑性高分子フィルムの厚みである。))
    を満たすことを特徴とする請求項1記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  3. 前記混合物を塗工した後、熱処理する際に延伸処理することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  4. 前記熱可塑性高分子フィルムがポリカーボネート系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  5. 前記親水性高分子化合物が、ポリビニルアルコール誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  6. 前記架橋性樹脂化合物がフェノール性水酸基および/またはカルボキシル基と反応し架橋しうるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  7. 前記架橋性樹脂化合物がオキサゾリン基を有することを特徴とする請求項6に記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  8. 前記ポリカーボネート系樹脂が下記式(A)
    Figure 2005266463
    (上記式(A)においてR〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Xは下記式(X)
    Figure 2005266463
    であり、RおよびR10はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基である。)
    で示される繰り返し単位および下記式(B)
    Figure 2005266463
    (上記式(B)においてR11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも一種の基であり、Yは下記式群(Y)
    Figure 2005266463
    であり、ここでR19〜R21、R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25はそれぞれ独立に炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。)
    で示される繰り返し単位を含んでなり、上記式(A)で表される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の10〜90mol%を占めるポリカーボネート共重合体および/またはブレンド体である請求項4〜7のいずれかに記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
  9. 前記ポリカーボネート系樹脂が下記式(C)
    Figure 2005266463
    (上記式(C)においてR26〜R27はそれぞれ独立に水素原子およびメチル基から選ばれる。)で示される繰り返し単位が全体の10〜90mol%と、下記式(D)
    Figure 2005266463
    (上記式(D)においてR28〜R29はそれぞれ独立に水素原子およびメチル基から選ばれる。)で示される繰り返し単位が当該ポリカーボネートを構成する繰り返し単位の合計を基準として全体の90〜10mol%を占めるポリカーボネート共重合体および/またはブレンド体である請求項8に記載の偏光子保護フィルムの製造方法。
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JP2008090271A (ja) * 2006-09-06 2008-04-17 Okura Ind Co Ltd 偏光板の製造方法

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