JP2011104676A - 砥石車整形機およびこれを用いた砥石車の製造方法 - Google Patents

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吉宏 水谷
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Abstract

【課題】超砥粒砥石車を高性能で安価に整形できる砥石車整形機および砥石車の製造方法を提供する。
【解決手段】砥石車整形機1は砥石車12を回転保持する主軸台7と、ツルーイングロール13用のツルーイング軸8と、ドレッシングロール14用のドレッシング軸9と、ツルーイング軸8とドレッシング軸9を回転対称に配置し保持する工具軸台6とを備える。砥石車12の整形はツルーイングロール13を砥石車側に割出しし、砥石車12とツルーイングロール13を相対運動させてツルーイングし、工具軸台6を旋回させてドレッシングロール14を砥石車側に割出しし、砥石車12とドレッシングロール14を相対運動させてドレッシングする。
【選択図】図1

Description

本発明は、研削用砥石車の製造における砥石車の外周を整形する整形機に関するもので、詳しくは、砥石車の研削作用面のツルーイングとドレッシングを行う砥石車整形機に関するものである。また、この砥石車整形機を用いた砥石車の製造方法に関するものである。
超砥粒レジンボンド砥石車は、コアの外周に砥石層を接合した後に所望の概略形状に形成しただけの状態で出荷される場合と、さらに、砥石車外周面をツルーイングし砥石車の取付基準穴と同軸の研削作用面を形成した状態で出荷される場合の2通りがある。
このような砥石を購入したユーザは、前者の砥石車を初めて使用する場合、砥石車を所望の研削性能を発揮できるように、研削盤上でツルーイングにより研削作用面を形成し、ドレッシングによりボンドを除去し砥粒を突き出させた後に、研削加工に使用する。後者の砥石車を初めて使用する場合でも、ユーザは砥石車が所望の研削性能を発揮できるように研削盤上でドレッシングを実施した後に、研削加工に使用する。
前者の砥石車を整形する場合の、従来の整形方法を図3に基づき説明する。
図3aに示すように、砥石車整形機30の主軸20と心押し台21により冶具26を介して砥石車12を保持し、ツルア軸25にツルーイングロール13を装着する。ツルーイングロールの消耗を少なくして砥石車を効率的に除去するため、ツルーイングロールの周速度が砥石車周速度より高速になるように設定し、双方を回転しながら接触させつつ砥石台22とテーブル23を相対運動させて所望の形状にツルーイングする。その後、図3bに示すように、砥石車12を研削盤31の砥石軸32に装着し、主軸33と心押し台34により軟鋼ロール27を保持し、砥石車の周速度が軟鋼ロール27の周速度より高速になるように軟鋼ロール27と砥石車12の双方を回転させながら接触させて、軟鋼ロール27を研削することで所望の砥粒突出し量にドレッシングして砥石車を整形する。
上記の背景技術は、一般的な事項であり、本出願人は出願時点においてこの背景技術を特定する記載がなされた文献を特に知見していない。
このように砥石車を初めて使用する時に砥石車にツルーイングやドレッシングが必要であると、砥石車の交換時の工程が増えライン停止時間が長くなる。
また、従来のツルーイングとドレッシングを施した砥石車の整形では、ツルーイングを終了しドレッシングを開始する時に砥石車の付替えが必要で、段取りに時間を要する。さらに、付替え時の心ずれによるツルーイング表面とドレッシング表面の心ずれによる、砥石車の円周方向でのドレッシング量のバラツキが発生し、高精度に砥石車を整形できない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、砥石車交換時のツルーイングとドレッシングが不要な整形精度の高い砥石車を製造するために、ツルーイングとドレッシングを効率よく高精度に実施可能な砥石車整形機、およびこれを用いた砥石車の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、砥石車を回転自在に保持する主軸と、前記砥石車を整形する工具を装着する工具軸を複数備えた工具軸台と、前記工具軸台を旋回することで前記工具軸を前記砥石車に対して割出す割出手段と、前記砥石車の外周に前記工具を接触させて相対運動させる送り手段と、を備え、
前記工具軸の1軸をツルーイング軸としツルーイングロールを装着し、他の工具軸の1軸をドレッシング軸としドレッシングロールを装着したことである。
上記の課題を解決するため、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、前記砥石車がレジンボンドダイヤモンド砥石またはレジンボンドCBN砥石であり、前記ツルーイングロールがダイヤモンドロールであり、前記ドレッシングロールが軟鋼ロールであることである。
上記の課題を解決するため、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の砥石車整形機を用いた砥石車の製造方法であって、
砥石コアの外周にダイヤモンド砥粒またはCBN砥粒をレジンボンドで固めた砥石層を形成してなる砥石車を前記主軸に保持させて回転させ、
前記工具台を旋回させて前記ツルーイング軸を前記砥石車に対して割出すと共に、前記ツルーイングロールを前記砥石車よりも高周速で回転させ、
前記砥石車に対して前記ツルーイングロールを相対移動させることにより前記砥石車に対してツルーイングを施し、
前記工具台を旋回させて前記ドレッシング軸を前記砥石車に対して割出すと共に、前記ドレッシングロールを前記砥石車よりも低周速で回転させ、
前記砥石車に対して前記ドレッシングロールを相対移動させることにより前記砥石車に対してドレッシングを施すことである。
請求項1に係る発明によれば、砥石車を主軸に保持してツルーイングロールを砥石車の位置に割出してツルーイングする。次に、工具軸台を旋回してドレッシングロールを砥石車の位置に短時間で精度良く割出し、ドレッシングする。ツルーイングとドレッシングを砥石車の付替えなしに連続してできるので心ずれが発生せず、砥石車の円周方向でのドレッシング量のバラツキがない。ツルーイングとドレッシングの切替が工具軸台の旋回で短時間に可能である。すなわち、高精度な砥石車の整形が効率良く実現できる。
ツルーイング軸とドレッシング軸を専用として設けるので、砥石車の形状を決定するツルーイング軸は高精度に回転できる構造とし、精度を要しないドレッシング軸は安価な構成とすることが可能で砥石車整形機のコストを低減できる。
請求項2に係る発明によれば、レジンボンドダイヤモンド砥石車またはレジンボンドCBN砥石車をダイヤモンドロールによるツルーイングで高精度に成形し、安価な軟鋼ロールによりボンド層と保持力の弱い砥粒を除去したドレッシングが可能なので、高性能なレジンボンドダイヤモンド砥石車またはレジンボンドCBN砥石車を安価に整形できる。
請求項3に係る発明によれば、レジンボンドダイヤモンド砥石車またはレジンボンドCBN砥石車を、高速回転のダイヤモンドロールでツルーイング形成するため、ダイヤモンドロールの消耗が少ないツルーイングが可能である。低速回転の軟鋼ロールによりドレッシングが可能なので、砥粒への負荷が小さく過剰な砥粒の脱落がない高性能なドレッシングが可能である。
:砥石車整形機の構成を示す概略図である。 :図1の側面図である。 :従来の砥石車整形方法を示す概略図である。
以下、本発明の砥石車整形機およびこれを用いた砥石車の製造方法を具体化した実施形態について、図1、図2を参照しつつ説明する。
図1、図2において、ベッド2上面にX軸方向に運動する工具軸台送り装置4と、工具軸台送り装置4の運動方向と直交するZ軸方向へ運動するテーブル送り装置3とが設けられている。工具軸台送り装置4には、工具軸台6が旋回装置5によりX軸およびZ軸と直交する鉛直方向のV軸回りに旋回可能に保持されている。工具軸台6の端部にはツルーイング軸8が備えられ、反対の端部にはドレッシング軸9がツルーイング軸8と回転対称に備えられている。ツルーイング軸8がツルーイング用モータ10により回転され軸端にツルーイングロール13が装着される。ドレッシング軸9がドレッシング用モータ11により回転され軸端にドレッシングロール14が装着される。テーブル送り装置3上に保持された主軸7は、砥石車12を回転自在に支持し、図示していない主軸用モータにより砥石車12を回転させる。
ツルーイングロール13は、円盤状コアの外周に例えば柱状のダイヤモンドを埋設した構造であり、ドレッシングロール14は円筒状の軟鋼である。
次に、このような砥石車整形機1を用いた砥石車12の製造方法について説明する。
まず、ダイヤモンド砥粒、レジンボンド、必要な充填材等を混合し、これを焼結して砥石層のセグメントを製造し、この砥石層セグメントを円盤状のコアの外周に接合する。なお、この工程は公知であるので詳細は省略するが、このようなセグメントタイプに限られるものではなく、種々の方法が採用可能である。
続いて、砥石車整形機1を用いて砥石車12の整形を行う。砥石車12を、砥石車12の研削盤の砥石軸への取付基準穴と、主軸7の回転軸中心が同軸になるように、主軸7に取り付けた後に、ツルーイングとドレッシングを連続して実施する。
ツルーイングは以下のように行う。
ツルーイングロール13を旋回装置5により砥石車12の位置へ割出し、ツルーイングロール13と砥石車12を回転させる。このときツルーイングロール13の回転周速度は砥石車12の回転周速度よりも大きくする。この状態で工具軸台6を工具軸台送り装置4によりツルーイングロール13が砥石車12に接触する位置までX軸方向に前進させる。次に、砥石車12が、ツルーイングロール13に接触し研削作用面を除去されながら、Z軸方向に砥石車12からツルーイングロール13が抜ける位置まで、テーブル送り装置3により送られる。次に、工具軸台送り装置4によりツルーイングロール13を所定の量前進させた後に、砥石車12が、前工程と反対方向へ、砥石車12からツルーイングロール13が抜ける位置まで送られる。この動作を、砥石車12の研削作用面全面にツルーイングロール13が接触するまで続けてツルーイングを行う。
ドレッシングは以下のように行う。
工具軸台6を工具軸台送り装置4によりX軸方向に後退させた後に、工具軸台6を旋回装置5により旋回し、ドレッシングロール14を砥石車12の位置へ割出しする。砥石車12とドレッシングロール14を回転させる。このときドレッシングロール14の回転周速度は砥石車12の回転周速度よりも小さくする。この状態で工具軸台送り装置4によりドレッシングロール14を前進させ、砥石車12に接触させてドレッシングする。
以上の構造によれば、砥石車12を主軸7に取り付けたままツルーイングとドレッシングを連続して実施できるので、ツルーイング時とドレッシング時の心ずれが発生しない。そのため、砥石車12の全周にわたって均一な深さでドレッシングができ、研削性能が高い砥石車12を整形できる。
ツルーイングとドレッシングの専用軸を各々備えているので、それぞれに最適な回転速度と動力と回転精度を備えた軸構成とでき、性能とコストの両立が可能である。すなわち、ツルーイング軸8は高精度を要求されるのに対して、ドレッシング軸9はツルーイング軸8に比較してそれ程高精度を必要としないので、ツルーイング軸8を高精度とする一方でドレッシング軸9を安価なものとすることができる。また、ツルーイング軸8は主軸7に対して高速で回転する必要があるが、ドレッシング軸9は主軸7よりも低速でよいので、この点でもドレッシング軸9を安価なものとすることが可能である。
ツルーイングとドレッシングを工具軸台の旋回により短時間に切替るので、効率よく砥石車の整形ができる。
さらに、ダイヤモンド砥石によりツルーイングを正確に実施し、軟鋼ロールでレジンボンド層と保持力の弱い砥粒を除去してドレッシングができ、形状が正確で切れ味の良い砥石を整形できる。
レジンボンドダイヤモンド砥石車を高品質、低コストで製造できる。
なお、上述の実施の形態では、レジンボンドダイヤモンド砥石車について説明したが、本発明はレジンボンドCBN砥石車にも適用できることはいうまでもない。
1:砥石車整形機 3:テーブル送り装置 4:工具軸台送り装置 5:旋回装置 6:工具軸台 7:主軸 8:ツルーイング軸 9:ドレッシング軸 12:砥石車 13:ツルーイングロール 14:ドレッシングロール

Claims (3)

  1. 砥石車を回転自在に保持する主軸と、前記砥石車を整形する工具を装着する工具軸を複数備えた工具軸台と、前記工具軸台を旋回することで前記工具軸を前記砥石車に対して割出す割出手段と、前記砥石車の外周に前記工具を接触させて相対運動させる送り手段と、を備え、
    前記工具軸の1軸をツルーイング軸としツルーイングロールを装着し、他の工具軸の1軸をドレッシング軸としドレッシングロールを装着したことを特徴とする砥石車整形機。
  2. 請求項1に記載の砥石車整形機において、前記砥石車がレジンボンドダイヤモンド砥石またはレジンボンドCBN砥石であり、前記ツルーイングロールがダイヤモンドロールであり、前記ドレッシングロールが軟鋼ロールであることを特徴とする砥石車整形機。
  3. 請求項1に記載の砥石車整形機を用いた砥石車の製造方法であって、
    砥石コアの外周にダイヤモンド砥粒またはCBN砥粒をレジンボンドで固めた砥石層を形成してなる砥石車を前記主軸に保持させて回転させ、
    前記工具台を旋回させて前記ツルーイング軸を前記砥石車に対して割出すと共に、前記ツルーイングロールを前記砥石車よりも高周速で回転させ、
    前記砥石車に対して前記ツルーイングロールを相対移動させることにより前記砥石車に対してツルーイングを施し、
    前記工具台を旋回させて前記ドレッシング軸を前記砥石車に対して割出すと共に、前記ドレッシングロールを前記砥石車よりも低周速で回転させ、
    前記砥石車に対して前記ドレッシングロールを相対移動させることにより前記砥石車に対してドレッシングを施す
    ことを特徴とする砥石車の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114984824A (zh) * 2022-06-29 2022-09-02 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 一种磨料和结合剂混合均匀的混料方法及混料装置

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