JP2011102571A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射弁1の閉弁時において、背圧室9を流出流路11に対して開閉する弁体21のバウンスを抑制することにある。
【解決手段】燃料噴射弁1は、弁体21を収容する第1収容室28の軸方向一端側に、第2収容室36が設けられ、第2収容室36には、弁体21に対し弁孔閉鎖方向に付勢力を及ぼすスプリング37が収容されている。これにより、スプリング24の付勢力によりアーマチャ23および弁体21が軸方向他端側へ移動して弁体21が弁孔33を閉じる際に、アーマチャ23のバウンスが生じてアーマチャ23が軸方向一端側へ移動したとしても、スプリング37の付勢力により、弁体21に作用する力は、弁孔開放方向よりも弁孔閉鎖方向に大きくなる。このため、弁体21は、アーマチャ23とともにバウンスすることなく、弁孔33を閉じた状態を保つので、燃料噴射弁1の閉弁時における弁体21のバウンスを抑え込むことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に燃料を噴射して供給する燃料噴射弁に関する。
従来の燃料噴射弁100として、図5に示すように、ノズルニードル(図示せず)に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるための背圧室101、背圧室101に燃料を流入させるための流入流路102および背圧室101から燃料を流出させるための流出流路103を形成し、アクチュエータ104の作動状況に応じて、背圧室101を流出流路103に対し開閉させて背圧室101の燃料圧を上下させ、ノズルニードルに噴孔を開閉させるものが公知となっている。
この燃料噴射弁100によれば、アクチュエータ104は、背圧室101を流出流路103に対して開閉する弁体106と、ソレノイドコイル107への通電により励磁されて軸方向一端側に移動するとともに、スプリング108により、常時、軸方向他端側に付勢されるアーマチャ109とを有する。
さらに、アーマチャ109は、ボディ111により摺動自在に支持される摺動軸部112を有し、摺動軸部112の他端に弁体106を収容する。
そして、ソレノイドコイル107への通電によりアーマチャ109および弁体106が軸方向一端側に移動すると、流出流路103は背圧室101に対して開放されるので、背圧室101から燃料が流出し、背圧室101の燃料圧が低下する。この結果、ノズルニードルが開弁方向に駆動され、燃料の噴射が開始する。
また、ソレノイドコイル107への通電が停止されてスプリング108の付勢力によってアーマチャ109および弁体106が軸方向他端側に移動すると、背圧室101が流出流路103に対して閉鎖されるので、背圧室101からの燃料流出が止まり、背圧室101の燃料圧が上昇する。この結果、ノズルニードルが閉弁方向に駆動され、燃料の噴射が停止する。
ところで、この燃料噴射弁100では、燃料の噴射を停止するため、アーマチャ109および弁体106をスプリング108の付勢力によって軸方向他端側に移動させて背圧室101を流出流路103に対して閉鎖する際に、アーマチャ109とボディ111との衝突や弁体106と弁ボディ113との衝突によってバウンスが生じる虞がある。
そして、バウンスが生じると、図6に示すように、弁体106による弁孔114の閉鎖が不安定になるため(図6(b)参照)、背圧室101の燃料圧の回復が不安定になって、遅れてしまう(図6(c)参照)。この結果、ノズルニードルによる噴孔の閉鎖が遅れてしまうので、噴射の停止が遅くなり、制御指令において要求される噴射量よりも余分の燃料が噴射される虞がある。
なお、特許文献1には、流出側絞りからの燃料流出速度を遅くすることで、弁体の開弁時のバウンスを抑える技術について開示されているが、閉弁時のバウンスを抑制できるものではない。
特開平11−210589号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料噴射弁の閉弁時において、背圧室を流出流路に対して開閉する弁体のバウンスを抑制することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の燃料噴射弁は、噴孔を開閉するノズルニードルと、ノズルニードルを開弁方向に駆動するアクチュエータとを備える。
また、燃料噴射弁は、ノズルニードルに対し閉弁方向に燃料圧を作用させるための背圧室、背圧室に燃料を流入させるための流入流路および背圧室から燃料を流出させるための流出流路を形成する。
そして、アクチュエータの作動状況に応じて、背圧室を流出流路に対し開閉させて背圧室の燃料圧を上下させ、ノズルニードルに噴孔を開閉させる。
また、アクチュエータは、弁孔を開閉することで背圧室を流出流路に対し開閉する弁体と、ソレノイドコイルへの通電により励磁されて軸方向一端側に移動するとともに、所定の付勢手段により、常時、軸方向他端側に付勢されるアーマチャとを有し、アーマチャは、所定のボディ内を軸方向に摺動する摺動軸部を具備し、摺動軸部の軸方向他端に、弁孔に向かって開口して弁体を収容する第1収容室が設けられている。
そして、第1収容室の軸方向一端側には、第1収容室の軸方向一端に開口する第2収容室が設けられ、第2収容室には、弁体に対し弁孔を閉鎖する方向(以下、弁孔閉鎖方向と呼ぶ)に付勢力を及ぼすスプリングが収容されている。
これによれば、燃料噴射を停止するために、弁体が弁孔を閉鎖した際に、弁体に作用する軸方向の力は、第2収容室のスプリングの付勢力により、従来に比べて、弁孔閉鎖方向に強化される。
このため、弁体は、バウンスによる移動方向(つまり、弁孔を開放する方向:以下、弁孔開放方向と呼ぶ)に移動しにくくなる。この結果、弁体のバウンスによる弁孔開放方向への移動量が従来よりも少なくなるので、燃料噴射弁の閉弁時において、弁体のバウンスを抑制することができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の燃料噴射弁によれば、弁体は、弁孔の開口を覆って閉じるためのシール面を有する略球状のボール弁であり、第1収容室には、弁体の反シール面側の球面状の部分が離着する被着座面が設けられている。
そして、スプリングのばね定数をk、シール面の受圧面としての有効径をφ、弁孔の開口径をφ、被着座面に球面状の部分が着座した状態におけるスプリングの圧縮長をX、弁体により弁孔を閉鎖させて、ノズルニードルにより噴孔を閉鎖させる際に、アーマチャに生じるバウンスの最大量をx、アーマチャのバウンスが最大量xになるときの第1収容室の燃料圧をP、アーマチャのバウンスが最大量xになるときの背圧室の燃料圧をPとしたときに、
k(X−x)>π/4(φ ・P−φ ・P
の関係式を満たす。
これによれば、燃料噴射弁の閉弁時においてアーマチャのバウンスが最大量になった状態でも、弁体に作用する軸方向の力の大小に関して、弁孔閉鎖方向に作用する力の方が、弁孔開放方向に作用する力よりも大きくなる。このため、燃料噴射弁の閉弁時における弁体のバウンスを抑え込むことができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の燃料噴射弁によれば、第1収容室を形成する摺動軸部の他端部は、弁体が被着座面に着座している状態で、弁体の最大直径部よりも軸方向他端側に延びている。
燃料噴射弁の全体図である(実施例)。 燃料噴射弁の要部拡大図である(実施例)。 (a)はアーマチャがバウンスする前の状態を示す説明図であり、(b)は、アーマチャがバウンスした状態を示す説明図である(実施例)。 (a)はアーマチャの駆動電流のタイムチャートであり、(b)は弁体移動のタイムチャートであり、(c)は背圧室の燃料圧のタイムチャートであり、(d)はノズルニードル移動のタイムチャートであり、(e)は噴射率のタイムチャートである(実施例)。 燃料噴射弁の要部拡大図である(従来例)。 (a)はアーマチャの駆動電流のタイムチャートであり、(b)は弁体移動のタイムチャートであり、(c)は背圧室の燃料圧のタイムチャートである(従来例)。
本発明の燃料噴射弁は、噴孔を開閉するノズルニードルと、ノズルニードルを開弁方向に駆動するアクチュエータとを備える。
また、燃料噴射弁は、ノズルニードルに対し閉弁方向に燃料圧を作用させるための背圧室、背圧室に燃料を流入させるための流入流路および背圧室から燃料を流出させるための流出流路を形成する。
そして、アクチュエータの作動状況に応じて、背圧室を流出流路に対し開閉させて背圧室の燃料圧を上下させ、ノズルニードルに噴孔を開閉させる。
アクチュエータは、弁孔を開閉することで背圧室を流出流路に対し開閉する弁体と、ソレノイドコイルへの通電により励磁されて軸方向一端側に移動するとともに、所定の付勢手段により、常時、軸方向他端側に付勢されるアーマチャとを有し、アーマチャは、所定のボディ内を軸方向に摺動する摺動軸部を具備し、摺動軸部の軸方向他端に、弁孔に向かって開口して弁体を収容する第1収容室が設けられている。
第1収容室の軸方向一端側には、第1収容室の軸方向一端に開口する第2収容室が設けられ、第2収容室には、弁体に対し弁孔閉鎖方向に付勢力を及ぼすスプリングが収容されている。
弁体は、弁孔の開口を覆って閉じるためのシール面を有する略球状のボール弁であり、第1収容室には、弁体の反シール面側の球面状の部分が離着する被着座面が設けられている。
そして、スプリングのばね定数をk、シール面の受圧面としての有効径をφ、弁孔の開口径をφ、被着座面に球面状の部分が着座した状態におけるスプリングの圧縮長をX、弁体により弁孔を閉鎖させて、ノズルニードルにより噴孔を閉鎖させる際に、アーマチャに生じるバウンスの最大量をx、アーマチャのバウンスが最大量xになるときの第1収容室の燃料圧をP、アーマチャのバウンスが最大量xになるときの背圧室の燃料圧をPとしたときに、
k(X−x)>π/4(φ ・P−φ ・P
の関係式を満たす。
また、第1収容室を形成する摺動軸部の他端部は、弁体が被着座面に着座している状態で、弁体の最大直径部よりも軸方向他端側に延びている。
〔実施例の構成〕
実施例の燃料噴射弁1の構成を、図1〜図4を用いて説明する。
燃料噴射弁1は、例えば、内燃機関(図示せず)の気筒内に燃料を噴射して供給するものであり、内燃機関の気筒ごとに装着されている。そして、燃料噴射弁1は、例えば、燃料を高圧状態で蓄圧するコモンレール(図示せず)、燃料を高圧化してコモンレールに供給する燃料供給ポンプ(図示せず)、および燃料噴射弁1や燃料供給ポンプの動作を制御する電子制御装置(図示せず:以下、ECUと呼ぶ)等とともに、蓄圧式の燃料噴射装置を構成する。
燃料噴射弁1は、例えば、図1に示すように、噴孔2を開閉するノズルニードル3と、ノズルニードル3と当接した状態を保って一体的に移動するコマンドピストン4と、ノズルニードル3を閉弁方向に付勢するスプリング5と、ノズルニードル3を開弁方向に駆動する駆動力を発生するアクチュエータ6とを備える。また、燃料噴射弁1は、ノズルニードル3に対し閉弁方向に燃料圧を作用させるための背圧室9、背圧室9へ燃料を流入させるための流入流路10、および、背圧室9から燃料を流出させるための流出流路11を形成する。
ここで、流入流路10には、背圧室9への燃料の流入を規制する流入側絞り13が設けられ、流出流路11には、背圧室9からの燃料の流出を規制する流出側絞り14が設けられている。また、流出側絞り14は、流入側絞り13よりも燃料の通過抵抗が小さくなるように設けられている。
ノズルニードル3は、弁ボディ16に摺動自在に支持されて開弁方向または閉弁方向に移動する。また、ノズルニードル3は、弁ボディ16との間に、コモンレールから受け入れた高圧の燃料が溜まるノズル室17を形成し、ノズル室17に対して噴孔2を開閉する。なお、ノズル室17の燃料圧は、ノズルニードル3に対し開弁方向に作用する。
コマンドピストン4は、弁ボディ16に摺動自在に支持されて背圧室9の軸方向他端側を封鎖する。これにより、背圧室9は、コマンドピストン4の移動に応じて容積が可変され、背圧室9の燃料圧は、コマンドピストン4を介してノズルニードル3に作用する。
なお、背圧室9およびノズル室17から摺動隙間を経てリークした燃料は、スプリング5を収容するスプリング室18に流入する。そして、スプリング室18に流入した燃料は、背圧室9から流出流路11を経て流出した動的リークに伴う燃料とともに、燃料タンクに戻される。
アクチュエータ6は、背圧室9を流出流路11に対して開閉する弁体21、ECUからの指令に応じて通電開始または停止されるソレノイドコイル22、ソレノイドコイル22への通電により励磁されて軸方向一端側に駆動されるアーマチャ23、アーマチャ23を軸方向他端側に付勢するスプリング24を有する。
アーマチャ23は、所定のボディ26により摺動自在に支持される摺動軸部27を具備し、摺動軸部27の軸方向他端に弁体21を収容している。
すなわち、摺動軸部27の軸方向他端に弁体21を収容する第1収容室28が設けられ、摺動軸部27の他端部は、弁体21を囲うスカート部29をなしている。
そして、ボディ26の他端部には、弁体21とスカート部29とを収容する空間である弁室32が形成されている。
弁体21は、弁ボディ16に設けられた弁孔33を開閉することで、背圧室9を流出流路11に対して開閉する。
ここで、弁孔33は、背圧室9の軸方向一端側に設けられており、弁室32に向かって開口している。また、弁孔33と背圧室9との間に、流出側絞り14が設けられている。このため、弁体21が弁孔33を開放すると、背圧室9の燃料は流出側絞り14→弁孔33→弁室32を通って流出する。つまり、流出側絞り14、弁孔33、および弁室32は、流出流路11の一部をなす。
また、弁体21は、略球状のボール弁であって、軸方向他端に、弁孔33の開口を覆って閉じるための円形かつ平坦なシール面34を有する。
〔実施例の特徴〕
実施例の燃料噴射弁1の特徴を、図2、図3に基づいて説明する。
燃料噴射弁1によれば、第1収容室28の軸方向一端側には、第1収容室28の軸方向一端に開口する第2収容室36が設けられ、第2収容室36には、弁体21に対し弁孔閉鎖方向に付勢力を及ぼすスプリング37が収容されている。
第1収容室28は、軸方向他端側が弁孔33に向かって開口するように円筒状に設けられている。また、第1収容室28の軸方向一端側は、第2収容室36に向かって縮径するテーパ面をなし、このテーパ面は、弁体21の反シール面側の球面状の部分(以下、球面40と呼ぶ)が離着する被着座面41をなす。
また、スカート部29は、球面40が被着座面41に着座している状態で、弁体21の最大直径部よりも軸方向他端側に延びている。
第2収容室36は、第1収容室28よりも小径の円筒状の空間であり、摺動軸部27において、第1収容室28に連通するように、かつ第1収容室28と同軸的に設けられている。
そして、第2収容室36の開口の周囲に被着座面41が設けられている。
ここで、スプリング37のばね定数kは、下記の数式(1)を満たすように設定されている。
k(X−x)>π/4(φ ・P−φ ・P)・・・(1)
なお、φは、シール面34の受圧面としての有効径であり、φは、弁孔33の開口径であり、Xは、被着座面41に球面40が着座した状態におけるスプリング37の圧縮長であり、xは、弁体21により弁孔33を閉鎖させて、ノズルニードル3により噴孔2を閉鎖させる際に、アーマチャ23に生じるバウンスの最大量である。また、Pは、アーマチャ23のバウンスが最大量xになるときの第1収容室28の燃料圧(すなわち、弁室32の燃料圧)であり、Pは、アーマチャ23のバウンスが最大量xになるときの背圧室9の燃料圧である。
これにより、スプリング24の付勢力によるアーマチャ23および弁体21の軸方向他端側への移動が終了し、弁体21が弁孔33を閉じる際に、アーマチャ23のバウンスが生じてアーマチャ23が軸方向一端側へ移動したとしても(図3参照)、弁体21に作用する力は、弁孔閉鎖方向に作用する力の方が、弁孔開放方向に作用する力よりも大きくなる。
すなわち、アーマチャ23のバウンスが最大量xであるときに弁体21に対して弁孔閉鎖方向に作用する力は、スプリング37による付勢力k(X−x)である。また、弁孔開放方向に作用する力は、背圧室9の燃料圧による付勢力π/4・φ ・Pから第1収容室28の燃料圧による付勢力π/4・φ ・Pを引いたものである。
よって、数式(1)が成り立つことにより、弁孔閉鎖方向に作用する力の方が、弁孔開放方向に作用する力よりも大きくなる。
このため、弁体21は、アーマチャ23とともにバウンスすることなく、弁孔33を閉じた状態を保つので、燃料噴射弁1の閉弁時における弁体21のバウンスを抑え込むことができる。
なお、ソレノイドコイル22への通電開始によりアーマチャ23が軸方向一端側に移動する際には、被着座面41と球面40とが離れると考えられるので、スプリング37による付勢力が小さくなり、弁体21は弁孔開放方向へ移動することができる。
〔実施例の作用〕
以上の構成により、燃料噴射弁1は、以下のように作用する(図4参照)。
まず、ソレノイドコイル22に通電が開始されると、アーマチャ23が軸方向一端側に移動して、弁体21が弁孔33を開き、流出流路11が背圧室9に対して開放される(図4の時間t参照)。
これにより、背圧室9の燃料圧が低下するので、ノズルニードル3に作用する軸方向の合力は開弁方向に強くなり、ノズルニードル3が開弁方向に駆動されて噴孔2を開放し、燃料の噴射が開始する(図4の時間t参照)。
なお、ソレノイドコイル22への通電開始後、弁体21の開側への移動に伴って、ノズルニードル3の移動が時間軸に対して微小な勾配を有して上昇している(図4(d)の時間t〜t参照)が、この現象は、主に弁ボディ16の弾性変形によるものである。
また、弁体21が弁孔33を開放した後に、一時的に背圧室9の燃料圧が上がっているが(図4(c)の時間t〜t参照)、この現象は、コマンドピストン4の移動によって生じる背圧室9の容積縮小に対して、背圧室9から燃料の流出が追いつかないことにより生じるものである。このため、ノズルニードル3の開弁方向への移動開始(図4(c)の時間t)からわずかに遅れて、背圧室9の燃料圧が一時的に上昇している。
そして、ソレノイドコイル22への通電が停止される(図4の時間t参照)と、スプリング24の付勢力によってアーマチャ23および弁体21が軸方向他端側に移動し、弁体21が弁孔33を閉じて、流出流路11が背圧室9に対して閉鎖される(図4の時間t参照)。
このとき、従来例では、弁体106のバウンスが生じて、弁体106の静止状態が安定するのに時間を要していたが、実施例では、弁体21の静止状態が直ちに安定する(図4(b)の時間t直後参照)。
そして、弁体21が弁孔33を閉鎖して、流出流路11が背圧室9に対して閉鎖されると、背圧室9の燃料圧が上昇し始める。
このとき、実施例では、弁体21による弁孔33の閉鎖が直ちに安定するため、背圧室9の燃料圧の回復も安定し、従来例のような燃料圧回復の遅れが生じない(図4(c)の時間t以降参照)。
そして、背圧室9の燃料圧が上昇すると、ノズルニードル3に作用する軸方向の合力は閉弁方向に強くなり、ノズルニードル3が閉弁方向に駆動されて噴孔2を閉鎖し、燃料の噴射が停止する(図4の時間t〜t参照)。
また、実施例では、従来例のように背圧室9の燃料圧回復の遅れがないため、ノズルニードル3の移動や噴孔2の閉鎖が遅れることはなく(図4(d)時間t以降参照)、燃料が余分に噴射されることもない(図4(e)時間t以降参照)。
なお、噴孔2の閉鎖後、ノズルニードル3の静止状態が安定するのに時間を要しているが、この現象は、弁ボディ16の弾性変形の範囲における変動であり、噴射停止の遅れや、燃料が余分に噴射されるという問題を生じるものではない(図4(d)の時間t以降参照)。
〔実施例の効果〕
実施例の燃料噴射弁1によれば、弁体21を収容する第1収容室28の軸方向一端側に、第2収容室36が設けられ、第2収容室36には、弁体21に対し弁孔閉鎖方向に付勢力を及ぼすスプリング37が収容されている。
また、スプリング37のばね定数kは、数式(1)を満たすように設定されている。
これにより、スプリング24の付勢力によるアーマチャ23および弁体21の軸方向他端側への移動が終了し、弁体21が弁孔33を閉じる際に、アーマチャ23のバウンスが生じてアーマチャ23が軸方向一端側へ移動したとしても(図3参照)、弁体21に作用する力は、弁孔閉鎖方向に作用する力の方が、弁孔開放方向に作用する力よりも大きくなる。
このため、弁体21は、アーマチャ23とともにバウンスすることなく、弁孔33を閉じた状態を保つので、燃料噴射弁1の閉弁時における弁体21のバウンスを抑え込むことができる。
〔変形例〕
燃料噴射弁1の態様は、実施例に限定されず、様々な変形例を考えることができる。例えば、ばね定数kが数式(1)を満たさなくても、従来よりも弁体21のバウンスを抑制できる程度にばね定数kを設定してもよい。
1 燃料噴射弁
2 噴孔
3 ノズルニードル
6 アクチュエータ
9 背圧室
10 流入流路
11 流出流路
21 弁体
22 ソレノイドコイル
23 アーマチャ
24 スプリング(付勢手段)
26 ボディ
27 摺動軸部
28 第1収容室
33 弁孔
34 シール面
36 第2収容室
37 スプリング
40 球面(弁体の反シール面側の球状の部分)
41 被着座面

Claims (3)

  1. 噴孔を開閉するノズルニードルと、このノズルニードルを開弁方向に駆動するアクチュエータとを備え、
    前記ノズルニードルに対し閉弁方向に燃料圧を作用させるための背圧室、この背圧室に燃料を流入させるための流入流路および前記背圧室から燃料を流出させるための流出流路を形成し、
    前記アクチュエータの作動状況に応じて、前記背圧室を前記流出流路に対し開閉させて前記背圧室の燃料圧を上下させ、前記ノズルニードルに前記噴孔を開閉させる燃料噴射弁において、
    前記アクチュエータは、
    弁孔を開閉することで前記背圧室を前記流出流路に対し開閉する弁体と、
    ソレノイドコイルへの通電により励磁されて軸方向一端側に移動するとともに、所定の付勢手段により、常時、軸方向他端側に付勢されるアーマチャとを有し、
    このアーマチャは、所定のボディ内を軸方向に摺動する摺動軸部を具備し、
    この摺動軸部の軸方向他端に、前記弁孔に向かって開口して前記弁体を収容する第1収容室が設けられ、
    この第1収容室の軸方向一端側には、前記第1収容室の軸方向一端に開口する第2収容室が設けられ、
    この第2収容室には、前記弁体に対し前記弁孔を閉鎖する方向に付勢力を及ぼすスプリングが収容されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁において、
    前記弁体は、前記弁孔の開口を覆って閉じるためのシール面を有する略球状のボール弁であり、
    前記第1収容室には、前記弁体の反シール面側の球面状の部分が離着する被着座面が設けられ、
    前記スプリングのばね定数をk、
    前記シール面の受圧面としての有効径をφ
    前記弁孔の開口径をφ
    前記被着座面に前記球面状の部分が着座した状態における前記スプリングの圧縮長をX
    前記弁体により前記弁孔を閉鎖させて、前記ノズルニードルにより前記噴孔を閉鎖させる際に、前記アーマチャに生じるバウンスの最大量をx、
    前記アーマチャのバウンスが最大量xになるときの前記第1収容室の燃料圧をP
    前記アーマチャのバウンスが最大量xになるときの前記背圧室の燃料圧をP
    としたときに、
    k(X−x)>π/4(φ ・P−φ ・P
    の関係式を満たすことを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項2に記載の燃料噴射弁において、
    前記第1収容室を形成する前記摺動軸部の他端部は、前記弁体が前記被着座面に着座している状態で、前記弁体の最大直径部よりも軸方向他端側に延びていることを特徴とする燃料噴射弁。
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