JP2005171845A - 電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品点数の増大を招くことなく、簡単な構造で可動コアおよび移動部材のバウンドを低減する電磁駆動装置およびこれを用いたインジェクタを提供する。
【解決手段】 可動コア50とニードル30とは相対移動可能である。固定コア43と可動コア50との衝突時における可動コア50のバウンドはニードル30の移動によって吸収される。また、ニードル30とノズルボディ21との衝突時におけるニードル30のバウンドは可動コア50の移動によって吸収される。可動コア50およびニードル30の相対移動は、緩衝部材70と可動コア50との接触、およびニードル30の固定コア43側と可動コア50との接触によって制限される。これらにより、可動コア50およびニードル30の一体的な移動が確保されつつ、衝突時の可動コア50とニードル30との間の相対的な移動は相殺され、可動コア50およびニードル30のバウンドが低減される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電磁駆動装置およびそれを用いた燃料噴射弁(以下、燃料噴射弁を「インジェクタ」という。)に関する。
従来、コイルに通電することにより固定コアと可動コアとの間に発生する磁気吸引力を利用して移動部材を駆動する電磁駆動装置が公知である。このような電磁駆動装置の場合、移動部材はコイルへの通電の断続にともなって軸方向へ往復移動する。そのため、固定コア方向へ移動すると固定コアと衝突し、反固定コア方向へ移動すると他の部材と衝突する。その結果、衝突時の衝撃により、移動部材にはいわゆるバウンドが生じる。
例えば、インジェクタのように移動部材に噴孔を開閉する弁部材を接続する場合、移動部材とともに弁部材にバウンドが生じると、再現性のない制御不能な燃料の噴射が生じる。特に、コイルへの通電パルスの周波数が低いとき、バウンドの影響は大きくなり、燃料噴射量および燃料噴霧の形状を精度よく制御することができない。そこで、弁部材に二つのストッパを設置し、このストッパの間に可動コアを配置する電磁駆動装置を適用したインジェクタが公知である(特許文献1参照)。
特表2002−528672
特許文献1に開示されているインジェクタでは、可動コアは二つのストッパの間を軸方向に移動可能である。これにより、弁部材と他の部材とが衝突する際、弁部材および可動コアには互いに逆方向の慣性力が生じ、衝突部位における衝撃力が緩和される。さらに、可動コアとストッパとの間に緩衝用のばねを設置することにより、衝突による衝撃の緩和を図り、バウンドの発生を低減している。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、弁部材に二つのストッパを設置するとともに、二つのストッパの間に可動コアを弁部材に対し移動可能に設置する必要がある。さらに、可動コアとストッパとの間には緩衝用のばねを設置する必要がある。その結果、構造の複雑化および部品点数の増大を招くという問題がある。
そこで、本発明の目的は、部品点数の増大を招くことなく、簡単な構造で可動コアおよび移動部材のバウンドを低減する電磁駆動装置およびこれを用いたインジェクタを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、燃料噴射量および燃料噴霧の形状の制御が容易なインジェクタを提供することにある。
請求項1から8のいずれか記載の発明では、緩衝部材は、一方の端部が移動部材に接続し、他方の端部が可動コアの反固定コア側の端部に接触可能である。これにより、緩衝部材を設けるにあたり、別途ストッパを設ける必要がない。したがって、部品点数の増大を招くことなく、簡単な構造でバウンドを低減することができる。特に、請求項3記載の発明では、可動コアと移動部材とは軸方向へ相対移動可能である。そのため、可動コアと固定コアとが衝突したとき、移動部材はそのまま固定コア方向への移動を継続するため固定コア方向の慣性力を有する。これに対し、可動コアは衝突の衝撃により反固定コア方向への慣性力を有する。この際、可動コアと移動部材とは緩衝部材により接続しているため、それぞれ逆方向の可動コアおよび移動部材の慣性力は緩衝部材の変形によって吸収される。これにより、可動コアと固定コアとの衝突時には衝突部位における衝撃力が緩和される。また、可動コアおよび移動部材が反固定コア方向へ移動し、反固定コア側に設置されている他の部材と衝突したときも同様に、衝突部位における衝撃力は緩和される。したがって、部品点数の増大を招くことなく簡単な構造で可動コアおよび移動部材のバウンドを低減することができる。
請求項2記載の発明では、緩衝部材は移動部材の側壁に接続している。そのため、例えば移動部材に緩衝部材を挿入したり、緩衝部材に移動部材を挿入したりする必要がない。したがって、簡単な構造で可動コアおよび移動部材のバウンドを低減することができる。
請求項4記載の発明では、可動コアは移動部材の反固定コア方向の移動を規制する接触部を有している。可動コアと移動部材とは軸方向へ相対移動可能である。移動部材は、移動部材に接続している緩衝部材と可動コアとが接触することにより、固定コア方向の移動が規制されている。そこで、可動コアの接触部と移動部材とが接触することにより、移動部材の固定コア方向だけでなく反固定コア方向の移動も規制される。したがって、可動コアと移動部材との一体的な移動が維持されるとともに、可動コアからの移動部材の抜けを防止することができる。
請求項5記載の発明では、規制部材をさらに備えている。可動コアと移動部材とは軸方向へ相対移動可能である。移動部材は、移動部材に接続している緩衝部材と可動コアとが接触することにより、固定コア方向の移動が規制されている。そこで、移動部材に接続している規制部材と可動コアとが接触することにより、移動部材の固定コア方向だけでなく反固定コア方向の移動も規制される。したがって、可動コアからの移動部材の抜けを防止することができる。
請求項6記載の発明では、緩衝部材は屈曲部を有している。これにより、緩衝部材は容易に弾性変形する。また、緩衝部材は、変形にともなって、可動コアと移動部材との間に変形方向とは逆方向の力を加える。したがって、衝突にともなう衝撃および可動コアと移動部材との間の相対的な移動を吸収し、簡単な構造で可動コアおよび移動部材のバウンドを低減することができる。
請求項7記載の発明では、緩衝部材は移動部材との接続部の肉厚が可動コアとの接触部の肉厚よりも大きい。そのため、例えば溶接などにより移動部材と緩衝部材とを接続する場合、接続部分における強度が確保される。
請求項8記載の発明では、可動コアと固定コアとの衝突による衝撃、あるいは弁部材の閉弁時の衝突による衝撃にともなう弁部材のバウンドは低減される。したがって、制御不能な燃料噴射が防止され、燃料噴射量および燃料噴霧の形状を精密に制御することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射弁(以下、燃料噴射弁を「インジェクタ」という。)を図1に示す。第1実施形態によるインジェクタ10は、例えば直噴式のガソリンエンジンに適用される。なお、インジェクタ10は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、予混合式のガソリンエンジン、またはディーゼルエンジンなどに適用してもよい。直噴式のガソリンエンジンにインジェクタ10を適用する場合、インジェクタ10は図示しないエンジンヘッドに搭載される。
インジェクタ10のハウジング11は筒状に形成されている。ハウジング11は、第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14を有している。非磁性部13は、第一磁性部12と第二磁性部14との磁気的な短絡を防止する。第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14は、例えばレーザ溶接などにより一体に接続されている。なお、ハウジング11を磁性材料により筒状の一体物に成形し、熱加工することにより非磁性部13に対応する部分を非磁性化してもよい。
ハウジング11の軸方向の一方の端部には入口部材15が設置されている。入口部材15はハウジング11の内周側に圧入されている。入口部材15は燃料入口16を有している。燃料入口16には、図示しない燃料ポンプから燃料が供給される。燃料入口16に供給された燃料は、燃料フィルタ17を経由してハウジング11の内周側に流入する。燃料フィルタ17は、燃料に含まれる異物を除去する。
ハウジング11の他方の端部には、ノズルホルダ20が設置されている。ノズルホルダ20は、筒状に形成され、内側にノズルボディ21が設置されている。ノズルボディ21は、筒状に整形され、例えば圧入あるいは溶接などによりノズルホルダ20に固定されている。ノズルボディ21は、先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内壁面に弁座22を有している。ノズルボディ21は、反ハウジング側の端部近傍に、ノズルボディ21を貫いて内壁面と外壁面とを接続する噴孔23を有している。
ニードル30は、ハウジング11、ノズルホルダ20およびノズルボディ21の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル30は、ノズルボディ21と概ね同軸上に配置されている。ニードル30は、軸部31、頭部32および当接部33を有している。ニードル30は、軸部31の一方の端部側すなわち燃料入口16側の端部に頭部32を有している。また、ニードル30は、軸部31の他方の端部側すなわち反燃料入口側の端部に当接部33を有している。当接部33は、ノズルボディ21に形成されている弁座22と接触可能である。ニードル30は、ノズルボディ21との間に燃料が流れる燃料通路34を形成する。
インジェクタ10は、ニードル30を駆動する駆動部40を有している。駆動部40は、請求の範囲に記載の電磁駆動装置である。駆動部40は、スプール41、コイル42、固定コア43、プレートハウジング44および可動コア50を有している。スプール41は、ハウジング11の外周側に設置されている。スプール41は、樹脂で筒状に成形され、外周側にコイル42が巻回されている。コイル42は、コネクタ45の端子部46に接続している。ハウジング11を挟んでコイル42の内周側には固定コア43が設置されている。固定コア43は、例えば鉄などの磁性材料により筒状に成形され、ハウジング11の内周側に例えば圧入などにより固定されている。プレートハウジング44は、磁性材料から形成され、コイル42の外周側を覆っている。
可動コア50は、ハウジング11の内周側に軸方向へ往復移動可能に設置されている。可動コア50は、例えば鉄などの磁性材料から筒状に成形されている。可動コア50は、固定コア43側の端部において付勢手段であるスプリング18と接触している。スプリング18は、一方の端部が可動コア50に接しており、他方の端部が固定コア43に圧入されているアジャスティングパイプ19に接している。スプリング18は、軸方向へ伸長する方向の力を有している。そのため、可動コア50およびニードル30は、スプリング18により弁座22に着座する方向へ押し付けられる。固定コア43に圧入されているアジャスティングパイプ19の圧入量を調整することにより、スプリング18の荷重は調整される。コイル42に通電していないとき、可動コア50およびニードル30は弁座22方向へ押し付けられ、当接部33は弁座22に着座する。
次に、駆動部40について詳細に説明する。
上述のように駆動部40は、固定コア43および可動コア50を有している。可動コア50にはニードル30が挿入されている。ニードル30は、頭部32側の端部が特許請求の範囲の移動部材を構成している。すなわち、本実施形態の場合、移動部材はニードル30とともに一体に形成されている。また、ノズルボディ21は、ニードル30の反固定コア側に設置されニードル30と衝突する他の部材に相当する。可動コア50は、図2に示すように径方向の中央部に軸方向へ貫く穴部60を有している。穴部60は、固定コア43側から大径部61、中径部62および小径部63を有している。中径部62の内径は、大径部61よりも小さく、小径部63よりも大きい。これにより、可動コア50は、大径部61と中径部62との間に第一段差部64を形成し、中径部62と小径部63との間に第二段差部65を形成する。第一段差部64には、スプリング18の反アジャスティングパイプ側の端部が接触する。
可動コア50の小径部63は、内径がニードル30の軸部31の外径よりもやや大きく形成されている。そのため、ニードル30は、穴部60の内周側を軸方向へ移動可能である。一方、ニードル30の頭部32の外径は、小径部63の内径よりも大きい。そのため、ニードル30の頭部32は、第二段差部65と接触する。頭部32と第二段差部65とが接触することにより、ニードル30の反固定コア側の移動は制限される。すなわち、第二段差部65は特許請求の範囲の接触部を形成している。
駆動部40は、緩衝部材70を備えている。緩衝部材70は、一方の端部71がニードル30の軸部31の外壁に接続している。緩衝部材70とニードル30とは例えば溶接などにより固定されている。緩衝部材70の他方の端部72は、可動コア50の反固定コア側の端部51と接している。緩衝部材70は、ニードル30に接続している端部71から可動コア50と接する端部72までの間に屈曲部73を有している。第1実施形態の場合、屈曲部73は断面が略円弧形状となっている。ニードル30は、ニードル30に固定されている緩衝部材70の端部72が可動コア50の端部51と接することにより、上方すなわち固定コア43側への移動が規制される。言い換えると、可動コア50は、反固定コア側の端部51が緩衝部材70の端部72と接することにより、下方すなわち反固定コア方向への移動が規制される。
固定コア43に可動コア50が吸引され、固定コア43と可動コア50とが衝突するとき、可動コア50は衝突の衝撃により反固定コア方向への移動を生じる。一方、固定コア43と可動コア50とが衝突したとき、ニードル30は慣性力により固定コア43方向へ移動するエネルギーを有している。そのため、可動コア50は反固定コア側へ移動するエネルギーを有しているのに対し、ニードル30は固定コア43側へ移動するエネルギーを有している。すなわち、可動コア50とニードル30とは運動方向が逆のエネルギーを有している。その結果、可動コア50とニードル30との相対的な移動を許容することにより、固定コア43と可動コア50との衝突時における可動コア50とニードル30との運動エネルギーは相殺される。
また、可動コア50の反固定コア方向への移動とニードル30の固定コア43方向への移動は、緩衝部材70の端部72が可動コア50と接触することにより制限される。そのため、可動コア50は、ニードル30の固定コア43方向への移動によって、反固定コア側への移動が制限される。その結果、可動コア50の移動は低減される。
同様に、スプリング18の付勢力により、ニードル30の当接部33が弁座22に着座したとき、ニードル30は着座時の衝撃により固定コア43方向への移動を生じる。一方、当接部33と弁座22とが衝突したとき、可動コア50は慣性力により反固定コア方向へ移動するエネルギーを有している。そのため、ニードル30は固定コア43方向へ移動するエネルギーを有しているのに対し、可動コア50は反固定コア側へ移動するエネルギーを有している。すなわち、可動コア50とニードル30とは運動方向が逆のエネルギーを有している。その結果、可動コア50とニードル30との相対的な移動を許容することにより、ニードル30とノズルボディ21の弁座22との衝突時における可動コア50とニードル30との運動エネルギーは相殺される。
また、ニードル30の固定コア43方向への移動と可動コア50の反固定コア方向への移動は、緩衝部材70の端部72が可動コア50と接触することにより制限される。そのため、ニードル30は、可動コア50の反固定コア方向への移動によって、固定コア43側への移動が制限される。その結果、ニードル30の移動は低減される。
次に、上記の構成によるインジェクタ10の作動について説明する。
コイル42への通電が停止されているとき、固定コア43と可動コア50との間には磁気吸引力は発生しない。そのため、可動コア50はスプリング18の押し付け力により反固定コア方向へ移動している。ニードル30と一体の緩衝部材70は端部72が可動コア50に接している。そのため、ニードル30は可動コア50とともに反固定コア方向へ移動している。その結果、コイル42への通電が停止されているとき、ニードル30の当接部33は弁座22に着座している。したがって、燃料は噴孔23から噴射されない。
コイル42に通電されると、コイル42に発生した磁界によりプレートハウジング44、第一磁性部12、可動コア50、固定コア43および第二磁性部14には磁束が流れ、磁気回路が形成される。これにより、固定コア43と可動コア50との間には磁気吸引力が発生する。固定コア43と可動コア50との間に発生する磁気吸引力がスプリング18の押し付け力よりも大きくなると、可動コア50は固定コア43方向へ移動する。ニードル30の頭部32は可動コア50の第二段差部65と接しているため、可動コア50の移動とともにニードル30も固定コア43方向へ移動する。その結果、ニードル30の当接部33は弁座22から離座する。
燃料入口16からインジェクタ10の内部へ流入した燃料は、燃料フィルタ17、入口部材15の内周側、アジャスティングパイプ19の内周側、可動コア50の外周側およびノズルホルダ20の内周側を経由して燃料通路34に流入する。燃料通路34に流入した燃料は、弁座22から離座したニードル30とノズルボディ21との間を経由して噴孔23へ流入する。これにより、噴孔23から燃料が噴射される。
コイル42への通電を停止すると、固定コア43と可動コア50との間の磁気吸引力は消滅する。これにより、可動コア50はスプリング18の押し付け力により反固定コア方向へ移動する。可動コア50は緩衝部材70と接触しているため、ニードル30も反固定コア方向へ移動する。そのため、当接部33は再び弁座22に着座し、燃料通路34と噴孔23との間の燃料の流れは遮断される。したがって、燃料の噴射は終了する。
以上、説明したように、第1実施形態では、可動コア50とニードル30とは軸方向の所定の範囲において自由に相対移動可能である。そのため、固定コア43と可動コア50との衝突時における可動コア50のバウンドはこのバウンドと反対方向へのニードル30の移動によって吸収される。また、ニードル30とノズルボディ21との衝突時におけるニードル30のバウンドはこのバウンドと反対方向への可動コア50の移動によって吸収される。さらに、可動コア50とニードル30との間の相対的な移動は、ニードル30と一体の緩衝部材70と可動コア50との接触、およびニードル30の頭部32と可動コア50の第二段差部65との接触によって制限される。これらにより、可動コア50とニードル30との一体的な移動を確保しつつ、衝突により生じる可動コア50とニードル30との間の相対的な移動を相殺している。したがって、部品点数の増大を招くことなく簡単な構造で可動コア50およびニードル30の作動時に生じるバウンドを低減することができる。
また、可動コア50およびニードル30の作動時に生じるバウンドを低減することにより、インジェクタ10においては制御不能な燃料の噴射が防止される。したがって、噴孔23から噴射される燃料の噴射量および噴霧の形状を精密に制御することができる。
第1実施形態では、ニードル30の頭部32と可動コア50の第二段差部65とが接することにより、ニードル30の反固定コア側への移動は制限される。そのため、可動コア50が固定コア43方向へ移動するとき、ニードル30は可動コア50ともに一体的に移動する。また、緩衝部材70の反ニードル側の端部72と可動コア50とが接触することにより、ニードル30の固定コア43側への移動は制限される。そのため、可動コア50が反固定コア方向へ移動するとき、ニードル30は可動コア50とともに一体的に移動する。したがって、ニードル30と可動コア50とが軸方向へ相対的に移動可能であっても、ニードル30と可動コア50との一体的な移動を維持することができる。また、ニードル30の頭部32と可動コア50の第二段差部65とが接することにより、可動コア50からのニードル30の抜け落ちを防止することができる。
第1実施形態では、緩衝部材70はニードル30の軸部31に接続している。そのため、駆動部40の構造を簡単にすることができる。また、緩衝部材70は屈曲部73を有している。そのため、緩衝部材70は弾性変形する。緩衝部材70は、弾性変形にともなって、ニードル30と可動コア50との間に変形方向とは逆方向の力を加える。そのため、ニードル30と可動コア50とは常に押し付けられる。したがって、ニードル30と可動コア50との一体的な移動を維持しつつ、簡単な構造でニードル30および可動コア50のバウンドを低減することができる。
(第2、第3、第4、第5実施形態)
本発明の第2、第3、第4および第5実施形態によるインジェクタの駆動部をそれぞれ図3、図4、図5または図6に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2、第3、第4および第5実施形態では、緩衝部材の形状が第1実施形態と異なる。
図3に示す第2実施形態の場合、緩衝部材80はニードル30に接続する一方の端部81の板厚が可動コア50と接触する他方の端部82側よりも大きく形成されている。緩衝部材80を例えば溶接によりニードル30に固定する場合、緩衝部材80とニードル30との溶接部には大きな力が加わりやすい。そこで、緩衝部材80は、ニードル30側の端部81における肉厚を端部82および屈曲部83よりも大きくすることにより、強度が高められる。したがって、ニードル30および緩衝部材80の強度および耐久性を高めることができる。
図4に示す第3実施形態の場合、緩衝部材80の屈曲部84はテーパ状に成形されている。また、図5に示す第4実施形態の場合、緩衝部材80の屈曲部85は断面が略V字形状である。さらに、図6に示す第5実施形態の場合、緩衝部材80の屈曲部86は断面が略U字形状である。ニードル30と可動コア50との間の相対的な移動を許容しつつ、ニードル30と可動コア50との一体的な移動を維持するためには、緩衝部材80が弾性変形可能な屈曲部を有していればよい。このとき、屈曲部の形状は任意である。したがって、第3実施形態、第4実施形態または第5実施形態でも、ニードル30と可動コア50との相対的な移動を許容しつつ、一体的な移動を維持することができる。
なお、屈曲部の形状は、上述の第3、第4および第5実施例に例示した形状に限らず、例えばニードル30および可動コア50の形状あるいは移動量などに応じて任意の形状とすることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態によるインジェクタの駆動部を図7に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
図7に示す第6実施形態の場合、ニードル30および可動コア50の形状が第1実施形態と異なる。ニードル30は、軸部31および当接部33を有している。ニードル30は、軸部31の反当接部側の端部が軸部31と同一外径である。すなわち、第6実施形態の場合、ニードル30は頭部に相当する部位を有していない。また、可動コア50の穴部60は、大径部61および小径部63から構成されている。そのため、可動コア50は、第一段差部64を有しているものの、中径部62に相当する部位および第二段差部65に相当する部位を有していない。
上述の第6実施形態の構成の場合、可動コア50に対するニードル30の反固定コア方向の移動は制限されない。そこで、駆動部40は、可動コア50を挟んで緩衝部材70の反対側にさらに規制部材90を備えている。規制部材90は、一方の端部91がニードル30に接続し、他方の端部92が可動コア50の第一段差部64に接している。規制部材90は、緩衝部材70と同様に屈曲部93を有しており、弾性変形可能である。規制部材90の反ニードル側の端部92と可動コア50の第一段差部64とが接することにより、可動コア50に対するニードル30の反固定コア方向の移動は制限される。
第6実施形態では、ニードル30と可動コア50との接触による移動の制限に代えて、可動コア50と規制部材90との接触によりニードル30と可動コア50との相対的な移動を制限している。これにより、ニードル30と可動コア50とは軸方向において双方向の移動が緩衝部材70または規制部材90の弾性変形により吸収される。したがって、部品点数の増大を招くことなく簡単な構造でニードル30および可動コア50の作動時に生じるバウンドを低減することができる。
(その他の実施形態)
上述の複数の実施形態では、ニードル30と可動コア50とが相対的に移動可能な構成について説明した。しかし、例えばニードル30の反当接部側の端部を可動コア50に圧入し、ニードル30と可動コア50とを固定してもよい。
以上説明した複数の実施形態では、本発明をガソリンエンジンのインジェクタに適用する例について説明した。しかし、本発明の駆動装置は、インジェクタに限らず駆動部位を電磁的に駆動する装置であれば、種々の装置に適用することができる。本発明を適用することにより、移動部材および可動コアのバウンドの低減、およびバウンドの低減にともなう制御精度の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態によるインジェクタを示す断面図である。 本発明の第1実施形態によるインジェクタの駆動部を示す断面図である。 本発明の第2実施形態によるインジェクタの駆動部を示す断面図である。 本発明の第3実施形態によるインジェクタの駆動部を示す断面図である。 本発明の第4実施形態によるインジェクタの駆動部を示す断面図である。 本発明の第5実施形態によるインジェクタの駆動部を示す断面図である。 本発明の第6実施形態によるインジェクタの駆動部を示す断面図である。
符号の説明
10 インジェクタ(燃料噴射弁)、23 噴孔、30 ニードル(移動部材、弁部材)、40 駆動部(電磁駆動装置)、42 コイル、43 固定コア、50 可動コア、65 第二段差部(接触部)、70、80 緩衝部材、73、83、84、85 屈曲部、90 規制部材

Claims (8)

  1. コイルへの通電を断続することにより固定コアから離間または前記固定コアに吸引される可動コアと、
    前記可動コアとともに前記固定コアに近づく方向または遠ざかる方向へ移動可能な移動部材と、
    一方の端部が前記移動部材に接続し、他方の端部が前記可動コアの反固定コア側の端部に接触可能であり、弾性変形可能な緩衝部材と、
    を備えることを特徴とする電磁駆動装置。
  2. 前記緩衝部材は、前記移動部材の側壁に接続することを特徴とする請求項1記載の電磁駆動装置。
  3. 前記移動部材は、前記可動コアとは軸方向へ相対移動可能であることを特徴とする請求項1または2記載の電磁駆動装置。
  4. 前記可動コアは、前記移動部材と接触し、前記移動部材の反固定コア方向の移動を規制する接触部を有することを特徴とする請求項3記載の電磁駆動装置。
  5. 一方の端部が前記移動部材の前記固定コア側の端部近傍に接続し、他方の端部が前記可動コアの前記固定コア側の端部に接触可能であって、前記移動部材の反固定コア方向の移動を規制し弾性変形可能な規制部材をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の電磁駆動装置。
  6. 前記緩衝部材は、前記移動部材との接続部と前記可動コアとの接触部との間に屈曲部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の電磁駆動装置。
  7. 前記緩衝部材は、前記移動部材との接続部の肉厚が前記可動コアとの接触部の肉厚よりも大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の電磁駆動装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項記載の電磁駆動装置を備え、
    前記移動部材は、弁座から離座または前記弁座へ着座可能に設けられた弁部材であって、
    前記可動コアと前記固定コアとが離間すると前記弁部材は前記弁座に着座し、前記可動コアが前記固定コアへ吸引されると前記弁部材は前記弁座から離座することを特徴とする燃料噴射弁。
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