JP2011102490A - 鉄筋結束金具及び鉄筋結束金具のトルク管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルクを正確に測ることのできない箇所においても、所定のトルクで締め付けが行え、さらに、目視で所定トルクが付加されていることを確認できる鉄筋結束金具及び鉄筋結束金具のトルク管理方法を提供する。
【解決手段】略U字状に折曲形成されたロッド6と、そのロッド6の一対の端部6a、6aに跨って遊嵌されることで、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金7と、ロッド6の一対の端部6a、6aに夫々螺着され、座金7を主筋2とフープ筋3又は補強枠4の方向へ付勢するナット8、8とからなる鉄筋結束金具であって、座金7の主筋2又はフープ筋3又は補強枠4と接する面と反対の面で、且つロッド6の端部6a、6a間に、座金7が撓んだ場合の座金7の凸側表面の伸びで破断する伸び表示手段9が配設されている。
【選択図】図2
【解決手段】略U字状に折曲形成されたロッド6と、そのロッド6の一対の端部6a、6aに跨って遊嵌されることで、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金7と、ロッド6の一対の端部6a、6aに夫々螺着され、座金7を主筋2とフープ筋3又は補強枠4の方向へ付勢するナット8、8とからなる鉄筋結束金具であって、座金7の主筋2又はフープ筋3又は補強枠4と接する面と反対の面で、且つロッド6の端部6a、6a間に、座金7が撓んだ場合の座金7の凸側表面の伸びで破断する伸び表示手段9が配設されている。
【選択図】図2
Description
この発明は、鉄筋かごの主筋とフープ筋又は補強枠との交差部を結束する鉄筋結束金具及び鉄筋結束金具のトルク管理方法に関する。
場所打ち杭等に用いられる鉄筋かごは、主に、所定の間隔をもって略筒状に配設された複数の主筋と、主筋と略直交して主筋の外周に所定の間隔をもって配設された複数のフープ筋と、主筋と略直交して主筋の内周又は外周に所定の間隔をもって配設された複数の補強枠とから構成されている。
主筋とフープ筋、主筋と補強枠との結束にあたっては、一般に、結束線(番線)や溶接等が用いられるが、特に主筋と補強枠との結束では、強固な結束が望まれることから溶接が用いられることが多い。
ところが、風雨や気温等の気候条件や溶接工の技量によっては、主筋と補強枠との溶接部分に断面欠損や材料の変質が生じてしまい、所望の靭性や耐力を満足しない鉄筋かごとなる虞があった。そのため、近年では、鉄筋かごの品質に悪影響を与える可能性のある溶接を用いることなく、例えば特許文献1や特許文献2に開示されているような鉄筋結束金具を用いて、主筋と補強枠とを結束し、鉄筋かごの品質を一定に保つことが望まれている。
図7は、従来の鉄筋結束金具102であるが、主筋100と補強枠101との交差部に、鋼棒等を折曲形成してなるロッド103を取り付け、座金104をロッド103の端部間に掛け渡すとともに、ロッド103の端部に螺着されたナット105、105を締め付け、座金104を主筋100や補強枠101の方向へと付勢することで、主筋100と補強枠101とを結束している。
ところが、図7に示すような鉄筋結束金具の場合、座金が薄板であるため、ナットを締め付けるに従って、座金が主筋の外周に沿って湾曲してしまい、トルクレンチを使用してナットの締め付けを行っても、ナットの締め付け力(トルク)を把握することができなかった。そのため、ナットの締め付けの程度は、作業者の感覚に依存することとなり、その結果、ひとつの鉄筋かごに数十から数百個使用される鉄筋結束金具の締め付け力にばらつきが生じてしまい、鉄筋かごの品質を一定に保つことが困難であった。
また、作業者によっては、締め付け不足や締め付け過多となる場合もあり、鉄筋かご搬送中の主筋や補強枠の脱落や、ロッドや座金の破断等、使用上の問題を生じていた。
さらに、ナットの締め付けが完了しても、座金が僅かに湾曲するだけであるため、締め付けを完了しているか否かの確認を目視で行うことが困難で、確認作業に多くの時間を費やすといった新たな問題を生じていた。
そこで、本発明は、上記の不具合を解消して、トルクを正確に測ることのできない箇所においても、所定のトルクで締め付けが行え、さらに、目視で所定トルクが付加されていることを確認できる鉄筋結束金具及び鉄筋結束金具のトルク管理方法を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明の鉄筋結束金具5は、略U字状に折曲形成されたロッド6と、そのロッド6の一対の端部6a、6aに跨って遊嵌されることで、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金7と、ロッド6の一対の端部6a、6aに夫々螺着され、座金7を主筋2とフープ筋3又は補強枠4の方向へ付勢するナット8、8とからなり、座金7の主筋2又はフープ筋3又は補強枠4と接する面と反対の面に、座金7が撓んだ場合の座金7の凸側表面の伸びで破断する伸び表示手段9が配設されていることを特徴としている。
ロッド6は、棒材が略中央部で折曲され、主筋2の径と略同幅の間隔をもって両端部同士が対向した平面視略U字状に形成されるとともに、この棒材の折曲側の端部と自由側の一対の端部6a、6aとが、補強枠4と略同幅の間隔をもって対向するように、同方向に略直角に折曲されて側面視略U字状に形成されてなる。
また、伸び表示手段9は、ロッド6の一対の端部6a、6aの中心を結んだ仮想線と略平行に配設されている。
さらに、伸び表示手段9がセラミックスからなる。
本発明の鉄筋結束金具5のトルク管理方法は、略U字状に折曲形成されたロッド6と、そのロッド6の一対の端部6a、6aに跨って遊嵌されることで、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金7と、ロッド6の一対の端部6a、6aに夫々螺着され、座金7を主筋2とフープ筋3又は補強枠4の方向へ付勢するナット8、8と、座金7の主筋2又はフープ筋3又は補強枠4と接する面と反対の面に配設された、座金7が撓んだ場合の座金7の凸側表面の伸びで破断する伸び表示手段9とを備えた鉄筋結束金具のトルク管理方法であって、ロッド6を、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部外周に取り付けるとともに、ロッド6の一対の端部6a、6aに跨って座金7を遊嵌させて、ロッド6と座金7とで形成される閉ループ内に、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部を抱持させた後、座金7の上方からロッド6の一対の端部6a、6aに夫々ナット8、8を螺着して、少なくとも伸び表示手段9が破断するまでナット8、8を締め付けることを特徴としている。
また、本発明の鉄筋結束金具5の異なる実施形態として、略U字状に折曲形成されたロッド6と、そのロッド6の一対の端部6a、6aに跨って遊嵌されることで、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金7と、ロッド6の一対の端部6a、6aに夫々螺着され、座金7を主筋2とフープ筋3又は補強枠4の方向へ付勢するナット8、8とからなり、座金7の主筋2又はフープ筋3又は補強枠4と接する面と反対の面に固定され、座金7が撓むことで座金7との間に隙間を生じる曲げ表示手段10が配設されていることを特徴としている。
また、本発明の鉄筋結束金具5の異なる実施形態のトルク管理方法は、略U字状に折曲形成されたロッド6と、そのロッド6の一対の端部6a、6aに跨って遊嵌されることで、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金7と、ロッド6の一対の端部6a、6aに夫々螺着され、座金7を主筋2とフープ筋3又は補強枠4の方向へ付勢するナット8、8と、座金7の主筋2又はフープ筋3又は補強枠4と接する面と反対の面に固定され、座金7が撓むことで座金7との間に隙間を生じる曲げ表示手段10とを備えた鉄筋結束金具のトルク管理方法であって、ロッド6を、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部外周に取り付けるとともに、ロッド6の一対の端部6a、6aに跨って座金7を遊嵌させて、ロッド6と座金7とで形成される閉ループ内に、主筋2とフープ筋3又は補強枠4との交差部を抱持させた後、座金7の上方からロッド6の一対の端部6a、6aに夫々ナット8、8を螺着して、少なくとも曲げ表示手段10と座金7との間に隙間が生じるまでナット8、8を締め付けることを特徴としている。
この発明の鉄筋結束金具においては、座金の主筋やフープ筋や補強枠と接する面と反対の面、すなわち、ロッドの端部に螺着されたナットを締め付けることによって湾曲する座金の凸側(引張側)となる面に、座金が撓んだ場合の座金の凸側表面の伸びで破断する伸び表示手段を配設していることによって、例えば、伸び表示手段の破断したときに、ナットの締め付けを完了すれば、常に一定のトルクでナットを締め付けることが可能となり、締め付け不足による主筋や補強枠の脱落や、締め付け過多によるロッドや座金の破断等の問題を排除することができるとともに、鉄筋かごの品質を一定に保つことができる。
また、ナット締め付け後は、伸び表示手段が破断しているため、ナット締め付け完了の確認が目視で行え、確認作業を簡素化することができる。
さらに、セラミックスでトルク管理が行えるため、歪みゲージ等の高価な製品を用いる必要が無くなり、コストを抑えることが可能となる。
また、座金の主筋やフープ筋や補強枠と接する面と反対の面、すなわち、ロッドの端部に螺着されたナットを締め付けることによって湾曲する座金の凸側(引張側)となる面に固定され、座金が撓むことで座金との間に隙間を生じる曲げ表示手段を配設していることによって、例えば、曲げ表示手段と座金との間に所定の隙間が生じた時点で、ナットの締め付けを完了すれば、常に一定のトルクでナットを締め付けることが可能となり、締め付け不足による主筋や補強枠の脱落や、締め付け過多によるロッドや座金の破断等の問題を排除することができるとともに、鉄筋かごの品質を一定に保つことができる。
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図6は、この発明の一実施形態に係る鉄筋結束金具5を用いて組み立てられた鉄筋かご1である。
鉄筋かご1は、例えば長さ3〜12mの異形鉄筋からなる複数の主筋2・・を、所定の間隔で略筒状となるように配設するとともに、その略筒状に配設された主筋2・・の外周に、例えば異形鉄筋からなる複数のフープ筋3・・を所定の間隔(例えば100〜300mm毎)で配設し、さらに、主筋2・・の外周に、例えば短冊状の鋼板からなる複数の補強枠4・・を所定の間隔(例えば3m毎)で配設し、主筋2とフープ筋3との交差部を結束線で、また、主筋2と補強枠4との交差部を鉄筋結束金具5で結束することで形成されている。なお、補強枠4は、主筋2の内周に配設されても良い。
鉄筋結束金具5は、図1及び図2に示すように、略U字状に折曲形成され、交差された主筋2と補強枠4とを抱持可能なロッド6と、ロッド6の一対の端部6a、6aに跨って遊嵌される座金7と、ロッド6の一対の端部6a、6aに夫々螺着され、座金7を主筋2の方向に付勢するナット8、8と、座金7の主筋2と接する面の反対の面に配設された伸び表示手段9とから構成されている。
具体的には、ロッド6は、例えば丸鋼等の棒材(棒鋼)が略中央部で折曲され、主筋2の径と略同幅の間隔をもって両端部同士が対向した平面視略U字状に形成されるとともに、この棒鋼の折曲側の端部と自由側の一対の端部6a、6aとが、補強枠4と略同幅の間隔をもって対向するように、同方向に略直角に折曲されて側面視略U字状に形成されてなる。なお、説明の簡単のため、以下、棒鋼の折曲側の端部を主筋抱持部6b、折曲側の端部6bと自由側の一対の端部6a、6aとを繋ぐ直線部を補強枠抱持部6cと称する。また、自由側の一対の端部6a、6aには、それぞれナット8を螺着可能な雄ねじ6dが形成されている。
座金7は、例えば鋼等の薄板からなり、ロッド6の一対の端部6a、6a間の距離と略同幅の間隔を開けて一対の挿通孔7a、7aが形成されている。そして、図1乃至3に示すように、座金7の主筋2と接する面とは反対の面、すなわちロッド6の一対の端部6a、6aに夫々螺着されたナット8、8を締め付けることによって湾曲する座金7の凸側(引張側)の面で、且つロッド6の一対の端部6a、6a間に、座金7が、例えば塑性変形を起こす直前まで撓んだ場合の座金7の凸側表面の伸びで破断する伸び表示手段9が、ロッド6の一対の端部6a、6aの中心点を結んだ仮想線と略平行に取り付けられている。
伸び表示手段9は、例えば中央部が括れた形状に成形されたアルミナ等を焼成することでなるセラミックスであり、破断時の伸びは殆どない。従って、座金7が湾曲し、座金7の凸側表面に伸びが生じると、中央部近傍で破断するようになっている。伸び表示手段9の座金7への取り付けにあたっては、伸び表示手段9の両端部のみが接着剤によって座金7に固定される。なお、セラミックス9の材料は、アルミナに限らず、種々の材質のものが使用可能である。また、セラミックス9の視認性を高めるために、塗料等でセラミックス9を着色しても良い。また、伸び表示手段9としては、セラミックスに限らず、金属片、塗料や樹脂テープ等を用いても良い。特に塗料の場合は、座金7へ塗布するだけで良いから容易に施すことができるとともに、座金7が湾曲するにつれて塗料にひび割れや剥離が生じるため、ナット8の締め付けが完了しているか否かの確認が行い易くなる。
鉄筋結束金具5の取り付け及びトルク管理方法としては、上方に主筋2が、下方に補強枠4が位置するようにして交差された交差部近傍において、主筋2にロッド6の主筋抱持部6bを上方から外嵌させるとともに、ロッド6の一対の端部6a、6aが補強枠4より下方に位置するように、ロッド6の主筋抱持部6bを軸に下方に向かって回転させる。そして、ロッド6の主筋抱持部6bと主筋2とを当接させたまま、補強枠4の方向へとスライドさせて、補強枠4の側端部とロッド6の補強枠抱持部6c、6cとが接した段階で、補強枠4をロッド6の補強枠抱持部6c、6cで掬い上げるようにして、ロッド6の主筋抱持部6bを軸に上方に向かって回転させて、補強枠4とロッド6の補強枠抱持部6c、6cとを当接させる。この際、補強枠4の下方に位置していたロッド6の一対の端部6a、6aは、その間に主筋2を位置させた状態で、主筋2の上方へと突出する。すなわち、主筋2を、ロッド6の主筋抱持部6bと、一対の端部6a、6a間とに跨って位置させ、補強枠4を、主筋2とロッド6の補強枠抱持部6c、6cとの間に挿通させた状態とする。
そして、座金7がロッド6の一対の端部6a、6aに跨るようにして、ロッド6の一対の端部6a、6aを座金7の挿通孔7a、7aに挿通させて、ロッド6と座金7とで主筋2と補強枠4との交差部を抱持する閉ループを形成する。そして、ロッド6の一対の端部6a、6aに夫々ナット8、8を螺着し、図4(a)に示すように、ナット8、8を締め付けて、座金7を主筋2に付勢することによって、主筋2を、ロッド6の主筋抱持部6bと、ロッド6の一対の端部6a、6a間に跨って遊嵌された座金7と補強枠4とによって抱持し、また、補強枠4を、主筋2とロッド6の補強枠抱持部6c、6cとによって抱持し、結果、主筋2と補強枠4の交差部を抱持する。この際、ナット8の締め付けによって、座金7が僅かに湾曲し、座金7の主筋2と接する面とは反対の面に配設されたセラミックス9が引張力を受けた状態となる。この状態において、さらにナット8を締め付けると、図4(b)に示すように、座金7が塑性変形を起こす直前まで撓み、座金7の凸側表面に伸びが生じてセラミックス9が破断する。そして、この時点で、ナット8の締め付けを完了する。なお、伸び表示手段9の破断時の伸びが、座金7が塑性変形を生じる直前まで撓んだ場合の座金7の凸側表面の伸びと同一である必要は無く、例えば、座金7にごく僅かな撓みが生じた時点での凸側表面の伸びと同一でも良い。また、伸び表示手段9が破断した時に、ナット8の締め付けを完了するのではなく、破断した伸び表示手段9の端部同士の間隔が、例えば1mmとなった段階で、ナット8の締め付けを完了するといったトルク管理方法としても良い。
このように、座金7に配設されたセラミックス9の破断を、ナット8の締め付け(トルク導入)完了の目安とすることで、常に一定の締め付け力でナット8を締め付けることが可能となり、鉄筋かご1の品質を一定に保つことができる。また、ナット8の締め付け不足や締め付け過多による主筋2や補強枠4の脱落や、ロッド6や座金7の破断等の問題を排除することができる。さらに、セラミックス9が破断しているため、ナット8の締め付けを行ったか否かを目視にて容易に確認でき、確認作業の簡素化を図ることができる。さらにまた、歪みゲージ等の高価な製品を用いていないため、コストを抑えることができる。
次に、異なる実施形態の鉄筋結束金具について、図に基づいて詳細に説明する。図5に示す鉄筋結束金具5は、座金7の主筋2と接する面と反対の面、すなわち、座金7が撓んだ場合の座金7の凸側となる面に、一端が自由端となるように固定され、座金7が撓むことで座金7と自由端との間に隙間を生じる曲げ表示手段10が取り付けられている。
具体的には、曲げ表示手段10は、例えば短冊状に形成されたアクリル板であり、ロッド6の一対の端部6a、6aの中心点を結んだ仮想線と略平行となるように、且つ座金7に重ね合わせるようにして、アクリル板の一方端に塗布された接着剤によって座金7に取り付けられている。そのため、アクリル板は、座金7と隙間無く接した状態となる。また、アクリル板の他方端は自由端であり、座金7の撓み(変形)に追随することなく、アクリル板は常に真直ぐな形状を保つ。なお、曲げ表示手段10は、アクリル板に限らず、種々の合成樹脂からなるプラスチック板でも良く、さらに真直ぐな形状を維持できる陶磁器や塑性変形の生じにくいばね鋼板等でも良い。また、曲げ表示手段10の座金7への取り付けに当たっては、一方端を座金7に固定するだけに限らず、中央部を固定して曲げ表示手段10の両端が自由端となるようにしても良い。また、曲げ表示手段10が座金7に追随して撓んだ状態から元の形状に戻ろうとする力(復元力)よりも強い接着力を有する接着剤と、復元力よりも弱い接着力の接着剤との2種類を用い、例えば一方側に復元力より弱い接着力の接着剤を、他方側に復元力より強い接着力の接着剤を塗布して、座金7が撓んだ場合、一方側(弱い接着力)の接着剤のみが剥がれ、自由端となるようにしても良い。また、曲げ表示手段10の座金7への取り付けには接着剤以外にも、曲げ表示手段10を座金7に熱融着させるようにしても良い。
この実施形態の鉄筋結束金具5のトルク管理方法は、図5(a)に示すように、上記実施例と同様に主筋2と補強枠4との交差部に取り付けられた鉄筋結束金具5のナット8を締め付けて、図5(b)に示すように座金7を撓ませる。すると、それに伴ってアクリル板10の自由端と座金7の凸側表面との間に隙間が生じるが、この隙間の幅が例えば1mmとなるまでナット8を締め付けて、締め付けを完了する。なお、アクリル板10の自由端と、座金7の凸側表面との間の隙間の幅は1mmに限らず、アクリル板10の長さや締め付け具合によって適宜変更可能である。
このように、アクリル板10の自由端と、座金7の凸側表面との間の隙間の幅を、ナット8の締め付け(トルク導入)完了の目安とすることで、常に一定の締め付け力でナット8を締め付けることが可能となる。また、隙間が生じているため、ナット8を締め付けたか否かの確認を目視及び触覚で行うことが可能となる。なお、座金7に曲げ表示手段10を取り付け、曲げ表示手段10と座金7との間に所定の隙間が生じるまでナット8を締め付けるといったトルク管理方法とする他は、上記実施例と同様であり、またその作用、効果は同一のものであるため、同符号を付し、説明を省略する。
以上に、この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、鉄筋結束金具5を主筋2と補強枠4との交差部の結束に限らず、主筋2とフープ筋3との交差部の結束に用いても良い。この場合、上記実施例のロッド6の補強枠抱持部6cを、フープ筋3の外形に合わせて湾曲させれば良い。また、ロッド6の形状も、上記実施例の形態である必要は無く、単に略U字状に折曲された形状のものでも良い。すなわち、ロッド6と座金7とで形成される閉ループ内に交差部を抱持可能で、且つ外形が略円形である主筋2やフープ筋3に座金7が当接され、ナット8を締め付けることによって座金7が湾曲するような形態であれば良い。
2・・主筋、3・・フープ筋、4・・補強枠、6・・ロッド、6a・・ロッドの一対の端部、7・・座金、8・・ナット、9・・伸び表示手段(セラミックス)、10・・曲げ表示手段(アクリル板)
Claims (7)
- 略U字状に折曲形成されたロッド(6)と、そのロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に跨って遊嵌されることで、主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金(7)と、ロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に夫々螺着され、座金(7)を主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)の方向へ付勢するナット(8)(8)とからなる鉄筋結束金具であって、座金(7)の主筋(2)又はフープ筋(3)又は補強枠(4)と接する面と反対の面に、座金(7)が撓んだ場合の座金(7)の凸側表面の伸びで破断する伸び表示手段(9)が配設されていることを特徴とする鉄筋結束金具。
- ロッド(6)は、棒材が略中央部で折曲され、主筋(2)の径と略同幅の間隔をもって両端部同士が対向した平面視略U字状に形成されるとともに、この棒材の折曲側の端部と自由側の一対の端部(6a)(6a)とが、補強枠(4)と略同幅の間隔をもって対向するように、同方向に略直角に折曲されて側面視略U字状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋結束具。
- 伸び表示手段(9)は、ロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)の中心を結んだ仮想線と略平行に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋結束金具。
- 伸び表示手段(9)が、セラミックスである請求項1乃至3のいずれかに記載の鉄筋結束金具。
- 略U字状に折曲形成されたロッド(6)と、そのロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に跨って遊嵌されることで、主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金(7)と、ロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に夫々螺着され、座金(7)を主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)の方向へ付勢するナット(8)(8)と、座金(7)の主筋(2)又はフープ筋(3)又は補強枠(4)と接する面と反対の面に、座金(7)が撓んだ場合の座金(7)の凸側表面の伸びで破断する伸び表示手段(9)とを備えた鉄筋結束金具のトルク管理方法であって、ロッド(6)を、主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)との交差部外周に取り付けるとともに、ロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に跨って座金(7)を遊嵌させて、ロッド(6)と座金(7)とで形成される閉ループ内に、主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)との交差部を抱持させた後、座金(7)の上方からロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に夫々ナット(8)(8)を螺着して、少なくとも伸び表示手段(9)が破断するまでナット(8)(8)を締め付けることを特徴とする鉄筋結束金具のトルク管理方法。
- 略U字状に折曲形成されたロッド(6)と、そのロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に跨って遊嵌されることで、主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金(7)と、ロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に夫々螺着され、座金(7)を主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)の方向へ付勢するナット(8)(8)とからなる鉄筋結束金具であって、座金(7)の主筋(2)又はフープ筋(3)又は補強枠(4)と接する面と反対の面に固定され、座金(7)が撓むことで座金(7)との間に隙間を生じる曲げ表示手段(10)が配設されていることを特徴とする鉄筋結束金具。
- 略U字状に折曲形成されたロッド(6)と、そのロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に跨って遊嵌されることで、主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)との交差部を抱持可能な閉ループを形成する座金(7)と、ロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に夫々螺着され、座金(7)を主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)の方向へ付勢するナット(8)(8)と、座金(7)の主筋(2)又はフープ筋(3)又は補強枠(4)と接する面と反対の面に固定され、座金(7)が撓むことで座金(7)との間に隙間を生じる曲げ表示手段(10)とを備えた鉄筋結束金具のトルク管理方法であって、ロッド(6)を、主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)との交差部外周に取り付けるとともに、ロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に跨って座金(7)を遊嵌させて、ロッド(6)と座金(7)とで形成される閉ループ内に、主筋(2)とフープ筋(3)又は補強枠(4)との交差部を抱持させた後、座金(7)の上方からロッド(6)の一対の端部(6a)(6a)に夫々ナット(8)(8)を螺着して、少なくとも曲げ表示手段(10)と座金(7)との間に隙間が生じるまでナット(8)(8)を締め付けることを特徴とする鉄筋結束金具のトルク管理方法。
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JP2009257747A JP2011102490A (ja) | 2009-11-11 | 2009-11-11 | 鉄筋結束金具及び鉄筋結束金具のトルク管理方法 |
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JP2009257747A JP2011102490A (ja) | 2009-11-11 | 2009-11-11 | 鉄筋結束金具及び鉄筋結束金具のトルク管理方法 |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP4858888B1 (ja) * | 2011-08-12 | 2012-01-18 | 株式会社恵信工業 | 鉄筋篭の現場内無溶接組立工法及びその補助筋付き補強枠。 |
CN102535879A (zh) * | 2011-11-30 | 2012-07-04 | 中建钢构有限公司 | 贝雷架抱箍组件 |
CN111648591A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-09-11 | 中国二十二冶集团有限公司 | 可周转双肋式悬挑钢梁固定装置及其施工方法 |
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2009
- 2009-11-11 JP JP2009257747A patent/JP2011102490A/ja active Pending
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JP4858888B1 (ja) * | 2011-08-12 | 2012-01-18 | 株式会社恵信工業 | 鉄筋篭の現場内無溶接組立工法及びその補助筋付き補強枠。 |
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CN102535879B (zh) * | 2011-11-30 | 2014-08-27 | 中建钢构有限公司 | 贝雷架抱箍组件 |
CN111648591A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-09-11 | 中国二十二冶集团有限公司 | 可周转双肋式悬挑钢梁固定装置及其施工方法 |
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