JP2011100902A - 基板分離装置、基板貼り合せ装置及び積層半導体装置の製造方法 - Google Patents

基板分離装置、基板貼り合せ装置及び積層半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の基板を加圧加熱して接合する過程において、基板と基板ホルダが固着するおそれがある。
【解決手段】貼り合わされた複数の基板の一の面を保持する基板ホルダを固定するホルダステージと、複数の基板の少なくともいずれかに当接して複数の基板を基板ホルダから分離する分離部と、分離部により複数の基板が分離される場合に、複数の基板における一の面に対する裏面に当接する当接部材とを備える基板分離装置を提供する。なお、上記基板分離装置を含む基板貼り合せ装置を提供する。
【選択図】図6

Description

本発明は、基板分離装置、基板貼り合せ装置及び積層半導体装置の製造方法に関する。
特許文献1には、回路が形成された2枚のウェハを、接合すべき電極同士が接触するように重ね合わせて、加圧及び加熱を行いながら当該2枚のウェハを接合するウェハ接合方法及びその装置が記載されている。ここで、接合すべき電極同士が接触するように、2枚のウェハを位置合せして重ね合わせた後、加圧と加熱により当該2枚のウェハを接合するまで、2枚のウェハに位置ずれが生じさせない目的で、更に、接合段階における圧力及び温度の均一性を高める目的で、2枚のウェハホルダにより上下から当該2枚のウェハを挟んで保持する。
特開2005−302858号公報
上記ウェハ接合方法において、ウェハとウェハホルダの間に、パーティクルなどの微細な異物が付着した状態で加圧及び加熱によりウェハを接合した場合に、ウェハとウェハホルダの間に当該異物に起因する固着が生じると、ウェハとウェハホルダの分離が困難となる。ウェハとウェハホルダを分離する方法として、リフトピンを有するステージに固着したウェハ及びウェハホルダを配置して、下のウェハホルダを固定して、ウェハホルダに設けた孔を通じて、リフトピンによって下からウェハの裏面を押し上げて、ウェハホルダからウェハを剥がす方法がある。しかし、この場合に、剥がれたウェハが跳ねて、リフトピンから離れて落ちる可能性がある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、貼り合わされた複数の基板の一の面を保持する基板ホルダを固定するホルダステージと、複数の基板の少なくともいずれかに当接して複数の基板を基板ホルダから分離する分離部と、分離部により複数の基板が分離される場合に、複数の基板における一の面に対する裏面に当接する当接部材とを備える基板分離装置が提供される。
本発明の第2の態様においては、上記基板分離装置を含む基板貼り合せ装置が提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
貼り合せ装置100の全体構造を模式的に示す平面図である。 基板ホルダにより基板を保持する状態を概略的に示す。 一の実施形態である基板分離装置300の構造を概略的に示す。 ラインセンサにより基板分離状況を検知する機構を概略的に示す。 ラインセンサにより基板分離状況を検知する機構の他の例を概略的に示す。 他の実施形態である基板分離装置400の構造を概略的に示す。 基板分離装置400により基板ホルダから接合基板を分離する過程を概略的に示す。 他の実施形態である基板分離装置500の構造を概略的に示す。 他の実施形態である基板分離装置600の構造を概略的に示す。 基板分離装置600により基板ホルダから接合基板を分離する過程を概略的に示す。 基板分離装置600により基板ホルダから接合基板を分離する過程を概略的に示す。 他の実施形態である基板分離装置700の構造を概略的に示す。 積層半導体装置の製造方法のフローチャートを示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、貼り合せ装置100の全体構造を模式的に示す平面図である。貼り合せ装置100は、共通の筐体102の内部に形成された常温部104及び高温部106を含む。
貼り合せ装置100は、さらに筐体102の常温部104側の外部に面して複数の基板カセット112、114、116を有する。基板カセット112、114、116は、貼り合せ装置100において接合される基板122を収容する。基板カセット112、114、116は、筐体102に対して脱着自在に装着される。
常温部104は、プリアライナ126、ステージ装置140、基板ホルダラック128及び基板分離装置300、並びに、一対のロボットアーム132、134を備える。常温部104の内部は、貼り合せ装置100が設置された環境の室温と略同じ温度が維持されるように温度管理される。
プリアライナ126は、高精度であるが故に狭いステージ装置140の調整範囲に基板122の位置が収まるように、個々の基板122の位置を仮合わせする。これにより、ステージ装置140における位置決めを確実にすることができる。また、プリアライナ126は、基板を接合した後に、基板を基板ホルダから分離する機能を兼ねて持ってもよい。
基板ホルダラック128は、複数の基板ホルダ124を収容して待機させる。基板ホルダ124による基板122の保持は、例えば静電吸着による。
ステージ装置140は、上ステージ141及び下ステージ142を含む。また、ステージ装置140を包囲して断熱壁145及びシャッタ146が設けられる。断熱壁145及びシャッタ146に包囲された空間は、空調機等に連通して温度管理されており、これによりステージ装置140における位置合わせ精度を維持する。
ステージ装置140において、下ステージ142は、基板122を保持した基板ホルダ124を移動する。これに対して、上ステージ141は固定された状態で、基板ホルダ124及び基板122を保持する。さらにステージ装置140において、下ステージ142を上昇させることにより、2枚の基板ホルダ124の間に一対の基板122を挟む。
基板分離装置300は、高温部106の加圧部240から搬出された2枚の基板ホルダ124に挟まれて接合された基板122を分離する。基板ホルダから取り出された基板122は、ロボットアーム134、132及び下ステージ142により基板カセット112、114、116のうちのひとつに戻されて収容される。基板122を取り出された基板ホルダ124は、基板ホルダラック128に戻されて待機する。
なお、貼り合せ装置100に装填される基板122は、単体のシリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、ガラス基板等の他、それらに素子、回路、端子等が形成されたものであってよい。装填された基板122が、既に複数のウェハを積層して形成された積層基板である場合もある。
一対のロボットアーム132、134のうち、基板カセット112、114、116に近い側に配置されたロボットアーム132は、基板カセット112、114、116、プリアライナ126及びステージ装置140の間で基板122及び基板ホルダ124を搬送する。また、ロボットアーム132は、接合する基板122の一方を裏返す機能も有する。これにより、基板122において回路、素子、端子等が形成された面を対向させて接合することができる。
一方、基板カセット112、114、116から遠い側に配置されたロボットアーム134は、ステージ装置140、基板ホルダラック128、基板分離装置300、基板ホルダラック128及びエアロック220の間で基板122及び基板ホルダ124を搬送する。ロボットアーム134は、基板ホルダラック128に対して、基板ホルダ124を搬入及び搬出する。
高温部106は、断熱壁108、エアロック220、ロボットアーム230及び複数の加圧部240を有する。断熱壁108は、高温部106を包囲して、高温部106の高い内部温度を維持すると共に、高温部106の外部への熱輻射を遮断する。
ロボットアーム230は、加圧部240のいずれかとエアロック220との間で基板122及び基板ホルダ124を搬送する。エアロック220は、常温部104側と高温部106側とに、交互に開閉するシャッタ222、224を有する。
基板122及び基板ホルダ124が常温部104から高温部106に搬入される場合、まず、常温部104側のシャッタ222が開かれ、ロボットアーム134が基板122及び基板ホルダ124をエアロック220に搬入する。次に、常温部104側のシャッタ222が閉じられ、高温部106側のシャッタ224が開かれる。
続いて、ロボットアーム230が、エアロック220から基板122及び基板ホルダ124を搬出して、加圧部240のいずれかに装入する。加圧部240は、基板ホルダ124に挟まれた状態で加圧部240に搬入された基板122を加熱及び加圧する。これにより基板122は接合される。なお、加圧部240は、基板122を加熱せずに加圧することで基板122を接合してもよい。
高温部106から常温部104に基板122及び基板ホルダ124を搬出する場合は、上記の一連の動作を逆順で実行する。これらの一連の動作により、高温部106の内部雰囲気を常温部104側に漏らすことなく、基板122及び基板ホルダ124を高温部106に搬入又は搬出できる。
このように、貼り合せ装置100内の多くの領域において、基板ホルダ124は、基板122を保持した状態でロボットアーム132、134、230及び下ステージ142に搬送される。基板122を保持した基板ホルダ124が搬送される場合、ロボットアーム132、134及び230は、真空吸着、静電吸着等により基板ホルダ124を吸着して保持してよい。また、基板ホルダ124は、静電吸着により基板122を吸着して保持してよい。
図2は、基板ホルダにより基板を保持する状態を概略的に示す。例えば、ステージ装置140において、上ステージ141が、真空吸着により1枚の基板ホルダ124を保持し、更に当該基板ホルダ124を介して静電吸着により1枚の基板122を保持する。下ステージ142がそれに載置された他の1枚の基板ホルダ124を真空吸着し、更に当該基板ホルダ124を介して静電吸着により他の1枚の基板122を保持する。上ステージ141に保持された基板122の位置に合わせて、下ステージ142が移動して、2枚の基板122の位置についてグローバルアライメントを行う。そして、下ステージ142が上昇して、2枚の基板122を重ね合わせる。なおいずれの基板ホルダ124においても、既に積層された複数の基板122を保持してもよい。
基板122の上下にある2枚の基板ホルダ124は、それぞれ固定部材162と164を有する。2枚の基板ホルダ124は、固定部材162と固定部材164の結合により、位置合せした2枚の基板122に位置ずれが生じないように、それを挟んで保持できる。そこで、2枚の基板ホルダ124に保持される2枚の基板122は、位置ずれが生じずに加圧部240に搬送され、加圧及び加熱され接合されることができる。固定部材162及び164は、例えば、一方が磁石で、他方が磁性体であって、互いに磁力により結合できる構成を有してよい。以下、記述の便利の目的で、基板ホルダ124により複数の基板が保持された組み合わせを「基板−基板ホルダユニット」を称する。
図3は、一の実施形態である基板分離装置300の構造を概略的に示す。基板分離装置300は、ホルダステージ302と、上ステージ304とを備える。ホルダステージ302は、接合された複数の基板122の一の面を保持する基板ホルダ124を、真空吸着により固定することができる。上ステージ304は、昇降部を有し、上下に移動できる。
図3は、基板接合後に、基板分離装置300が基板−基板ホルダユニットから上の基板ホルダ124を分離した状態を示す。まず、基板−基板ホルダユニットがホルダステージ302の上に載置されて、真空吸着により下の基板ホルダ124が吸着されて固定される。下の基板ホルダ124と下の基板122との間の静電吸着が維持されながら、上の基板ホルダ124と上の基板122との間の静電吸着が解除される。上ステージ304が降下して、上ステージ304に内蔵されたロードセル等の検知器により、上の基板ホルダ124との当接が検知されたら、上ステージ304が停止する。
上ステージ304は、上の基板ホルダ124を真空吸着して、上昇する。下の基板ホルダ124と下の基板122との間の静電吸着が維持され、上の基板ホルダ124と上の基板122との間の静電吸着が解除されたので、上の基板ホルダ124と上の基板122との結合力が下の基板ホルダ124と下の基板122との結合力より弱い。よって、上ステージ304の上昇時に、上の基板ホルダ124に与える真空吸着力により、上の基板ホルダ124を上の基板122から引き離すことができる。
上ステージ304は、更に水平面上に移動できる機構を有してよい。分離した基板ホルダ124は、上ステージ304に保持され、基板ホルダラック128に搬送され収容されてよい。また、分離した基板ホルダ124は、他の搬送機構により基板ホルダラック128に収容されてもよい。
上ステージ304は、分離した基板ホルダ124を収容して、再びホルダステージ302の上部に戻る。上ステージ304は、降下して、基板122に当接して停止する。下の基板ホルダ124と下の基板122との間の静電吸着が解除される。上ステージ304は、上の基板122を真空吸着して上昇することにより、接合した2枚の基板を下の基板ホルダ124から引き離すことができる。
この場合、2枚の基板122の表面121が接合され、上ステージ304が吸着するのは上の基板122の裏面123であるので、上ステージ304との接触による基板122に与える悪影響が殆どない。また、上ステージ304が真空吸着により接合基板122に与える吸着力の方向が、接合基板122が基板ホルダ124から引き離されたときの移動方向と同じ(上向き)であるので、上ステージ304が停止するときにも、接合基板122が上ステージ304から離脱して落ちることはない。
基板分離装置300において、上ステージ304は、複数の基板122に当接して当該複数の基板122を基板ホルダ124から分離する分離部であり、複数の基板122における一の裏面に当接する当接部材でもある。分離された基板は、ロボットアーム134、ステージ装置140の下ステージ142及びロボットアーム132を通じて、基板カセット112、114又は116のいずれかに収容される。
上ステージ304は、更に荷重検知器を有し、基板ホルダ124又は基板122を引き離すときに、基板−基板ホルダユニットに与える力を検知できる機構を含んでよい。上ステージ304は、検知した力が基板同士の接合力より大きくなるおそれがある場合に、上記引き離す過程を中止するように、制御されることが好ましい。このような制御によって、予想外の要因により、基板ホルダ124と基板122との固着力が基板同士間の接合力より大きくなった場合に、上ステージ304から過大な力が加えられ、基板同士の接合が破壊する事態を防ぐことができる。上記荷重検知器の例として、ロードセルが挙げられる。
上ステージ304は、上記分離過程により、基板ホルダ124又は基板122が着実に分離できたかどうかを検知できる機構を更に有してよい。例えば、上ステージ304は、上ステージ304における真空吸着系統の真空度の変化により分離状況を検知する機構を有してよい。上ステージ304は、上記の荷重検知器により、吸着した基板ホルダ124又は基板122の荷重を検知して、分離状況を判断する機構を有してよい。上ステージ304は、基板ホルダ124に静電吸着用電圧を印加して、リーク電流の値を測定することによって、分離状況を検知する機構を有してよい。また、基板分離装置300は、ラインセンサにより分離状況を検知する機構を有してよい。
図4は、ラインセンサにより基板分離状況を検知する機構を概略的に示す。ラインセンサは、複数の発光素子が並んだラインセンサ発光部312と、複数の受光素子が並んだラインセンサ受光部314とを含む。図4は、ラインセンサ発光部312及びラインセンサ受光部314が水平に設置された場合、即ち紙面に垂直する方向に設置された場合に、ラインセンサにより基板分離状況を検知するメカニズムを示す。図3に示めすように、接合された基板122が上の基板ホルダ124から完全に分離したときは、ラインセンサ発光部312から発した光が基板122と上の基板ホルダ124との間の間隙を通過してラインセンサ受光部314に到達できる。図4に示すように、接合された基板122が上の基板ホルダ124から完全に分離できなかったときは、ラインセンサ発光部312から発した光が基板122により遮断される。従って、ラインセンサ受光部314の受光状況により、基板122が上の基板ホルダ124から分離できたか否かを検知することができる。
図5は、ラインセンサにより基板分離状況を検知する機構の他の例を概略的に示す。図4が基板分離装置300の正面図である場合に、図5は基板分離装置300の左側面図に該当する。図4はラインセンサ発光部312及びラインセンサ受光部314が水平に設置されたのに対して、図5はラインセンサ発光部312及びラインセンサ受光部314が斜めに設置された例を示す。ラインセンサ受光部314の受光状況、即ちラインセンサ発光部312から発した光が基板122により遮断された部位等により、基板122が基板ホルダ124から分離できたか否かを検知することができる。ラインセンサ発光部312及びラインセンサ受光部314の傾斜角度は、基板122を基板ホルダ124から分離させる目的で、上下の基板ホルダ124を互いに最大に離間させたときに、ラインセンサ発光部312が発する光が上下の基板ホルダ124の間を通るように設定されてよい。また、ラインセンサ発光部312及びラインセンサ受光部314が、ホルダステージ302及び上ステージ304における基板ホルダ124を載置する面に垂直するように設置されてもよい。
図1の貼り合せ装置100において、基板分離装置300に代えて、プリアライナ126が、上記基板分離装置300の構成を更に兼有してもよい。この場合に、接合後の基板−基板ホルダユニットは、ロボットアーム230、134、ステージ装置140の下ステージ142及びロボットアーム132を通じて、プリアライナ126に搬送されて、分離される。分離された基板ホルダ124は、ロボットアーム132、ステージ装置140の下ステージ142及びロボットアーム134を通じて、基板ホルダラック128に収容される。分離された基板は、ロボットアーム132を通じて、基板カセット112、114又は116のいずれかに収容される。
図6は、他の実施形態である基板分離装置400の構造を概略的に示す。基板分離装置400は、ホルダステージ302と、上ステージ402と、吸盤404とを備える。上ステージ402は、昇降部を有し、上下に移動できる。吸盤404は、リフトピンより広い面積で基板ホルダ124又は基板122を負圧により吸着して、分離することができる。図6は、上の基板ホルダ124が分離され、上ステージ402が降下して、吸盤404が上基板122の裏面123に当接して、それを吸着した状態を示す。
図7は、基板分離装置400により、下の基板ホルダ124から、接合した基板122を分離した状態を示す。基板分離装置400は、上述した基板分離装置300の分離プロセスと同様に、下の基板ホルダ124と下の基板122との間の静電吸着が解除され、上ステージ402が上昇して、吸盤404の吸着力により、接合した2枚の基板を下の基板ホルダ124から引き離すことができる。基板分離装置400において、吸盤404は、複数の基板122に当接して当該複数の基板を基板ホルダ124から分離する分離部であり、複数の基板122における一の裏面に当接する当接部材でもある。吸盤404は、大面積で基板を吸着するので、安定に基板を保持することができる。貼り合せ装置100は、基板分離装置300に代えて、基板分離装置400を有してよい。
図8は、他の実施形態である基板分離装置500の構造を概略的に示す。基板分離装置500は、ホルダステージ302と、上ステージ502と、吸着ヘッド510とを備える。吸着ヘッド510は、排気孔512と、多孔質パッド514とを有する。図8は、上の基板ホルダ124が分離され、上ステージ502が降下して、吸着ヘッド510が上基板122の裏面123に当接した状態を示す。
排気孔512は、図示していない上ステージ502における真空排気系統と多孔質パッド514とをつなぐ貫通孔である。上ステージ502における真空排気系統は、排気孔512を通じて、多孔質パッド514の細孔を真空に引き、その多孔質パッド514に当接する基板122を吸着するので、広い面積にわたって基板122の吸着でき、安定な吸着が実現できる。基板分離装置500は、基板分離装置300と同様のプロセスにより基板を分離できるので、その説明を省略する。貼り合せ装置100は、基板分離装置300に代えて、基板分離装置500を有してよい。
図9は、他の実施形態である基板分離装置600の構造を概略的に示す。基板分離装置600は、ホルダステージ302と、上ステージ602と、プレート604と、爪606とを備える。
図9に示す基板は、基板612、614、616及び618により接合された4枚接合の基板である。また、図9は、上の基板ホルダ124が分離され、上ステージ602及び爪606が待機位置にある状態を示す。
上ステージ602は、昇降部を有し、上下に移動できる。プレート604は、上ステージ602に固定され、上ステージ602と一体となって上下に移動して、ホルダステージ302に対して近接及び離間ができる。爪606は、プレート604の下面に設けられる。図9に示すように、爪606は、アクチュエータにより、プレート604の下面に沿って、接合された基板612等の中心が位置する中心線に向かって、基板の半径に平行する方向で進退できる。即ち、図10に示すように、上ステージ602が降下した場合に、爪606は、接合基板の側面に近接及び離間する方向に移動することができる。
図9において、説明の便利を考慮して、二つの爪606は、基板の両側に配置されるように示したが、爪606は、プレート604の下面と基板612等の中心線との交点を中心として、円周上に3個又は更に多く、等間隔に配置されてよい。例えば、爪606は、円周上に120°間隔で3個配置されてよい。爪606は、接合基板を基板ホルダ124から分離する分離部である。プレート604の下面は、接合基板の一の裏面に当接する当接部材である。
接合された4枚の基板は、まず基板612と基板614が接合されて、基板614の裏面が研磨され薄化される。薄くなった基板614は、予想外の接触により破損することを防ぐ目的で、エッジがカッティングされて、基板612より一回り小さい基板となる。その上に、基板616が接合され、同様に研磨され、エッジがカッティングされる。最後に基板618が接合されて、図9に示す4枚接合の基板となる。上下にある基板612と618は、研磨されていないので、本来の厚みを有し、エッジが円弧状であるので、衝撃に強く、間に挟んだ基板614と616を保護することができる。
図10及び図11は、基板分離装置600により基板ホルダから接合基板を分離する過程を概略的に示す。図10において、上ステージ602は、降下して、プレート604の下面が基板618の裏面619に当接した位置で停止する。爪606は、基板中心に向かって進出して、基板618のエッジに当接して、接合基板を保持する。基板ホルダ124と基板612との間の静電吸着が解除される。
図11においては、上ステージ602が上昇して、爪606は、基板618のエッジを保持して、接合基板を持ち上げて基板ホルダ124から引き離す。貼り合せ装置100は、基板分離装置300に代えて、基板分離装置600を有してよい。分離された接合基板は、前述通り、ロボットアーム等により基板カセット112、114又は116のいずれかに収容される。
図12は、他の実施形態である基板分離装置700の構造を概略的に示す。基板分離装置700は、ホルダステージ302と、上ステージ702と、当接部材704と、リフトピン712とを備える。
上ステージ702は、昇降部を有し、上下に移動できる。当接部材704は、上ステージ702に固定され、上ステージ702と一体として上下に移動できる。当接部材704は、ゴム等弾性材料により構成される。
リフトピン712は、アクチュエータにより上下に伸縮できる。リフトピン712は、基板ホルダ124を貫通する孔を通じて、下の基板122の裏面123に当接して、接合基板を押し上げて、基板ホルダ124から接合基板を分離することができる。
基板ホルダ124から接合基板を分離する場合に、基板ホルダ124と下の基板122との間の静電吸着が解除され、リフトピン712が上昇して、接合基板を押し上げる。当接部材704は、接合基板が跳ねることを防ぐ目的で、事前に上の基板122の裏面123との間に、数ミリの間隔をおいて接合基板上部に待機する。
リフトピン712により押上げた接合基板が跳ねた場合に、弾性材料の当接部材704に当たり、大きな位置ずれが生じずにもとの位置に戻ることができる。弾性材料の当接部材704は、接合基板にダメージを与えずに、基板が跳ねることによる位置ずれを防止することができる。よって、ロボットアームによる基板の搬送も順調に進むことができる。貼り合せ装置100は、基板分離装置300に代えて、基板分離装置700を有してよい。
上述の基板分離装置400、500、600及び700は、基板分離装置300と同様に、更に荷重検知器を備えて、基板ホルダ又は接合基板を引き離すときに、基板同士の接合力より大きい力を加えられないように制御されてよい。基板分離装置400、500、600及び700は、基板分離装置300と同様に、真空吸着系統の真空度の変化、吸着した基板ホルダ又は基板の荷重、又は静電吸着のリーク電流の変化を検知することにより、基板の分離状況を判断することができる。
上述の各実施形態における分離部及び当接部材等は、ロボットに適用してよい。例えば、ホルダステージ302は、基板−基板ホルダユニットを保持して、3次元的に移動できる搬送ロボットであってよい。また、上ステージは、吸盤404、吸着ヘッド510又は爪606等を有するロボットであってよい。
図13は、図1の貼り合せ装置100を用いて、積層半導体装置を製造する一実施形態である製造方法のフローチャートを示す。当該積層半導体装置の製造方法は、複数の基板を貼り合せるステップ(S010)と、貼り合わされた複数の基板を保持する一の基板ホルダをホルダステージに固定するステップ(S020)と、貼り合わされた複数の基板を基板ホルダから分離するステップ(S030)と、分離された基板を個片化するステップ(S040)とを備える。
まず、複数の基板を貼り合せる(S010)。ステップS010において、回路パターンが複数形成され、互いに接合することにより3次元積層半導体装置が形成できる複数の基板122を用意する。ウェハに回路パターンを形成し、パッシベーションした後、表面に接合電極を形成して、接合用の基板122とする。
ロボットアーム132により、基板カセット112、114、116のいずれかに収容されている基板122が一枚ずつプリアライナ126に搬入され、プリアラインされる。一方、ロボットアーム134は、一枚の基板ホルダ124を下ステージ142に搭載して、ロボットアーム132の近傍まで搬送させる。ロボットアーム132は、この基板ホルダ124に、プリアラインされた基板122を搭載して保持させる。
下ステージ142が再びロボットアーム134の側に移動する。ロボットアーム134が基板122を保持した基板ホルダ124を裏返して、基板ホルダ124を上ステージ141に近づけて、真空吸着等により基板ホルダ124を上ステージ141に保持させる。
ロボットアーム134は、他の基板ホルダ124を下ステージ142に搭載して、ロボットアーム132の近傍まで搬送させる。ロボットアーム132は、この基板ホルダ124に、プリアラインされた基板122を搭載して保持させる。下ステージ142を精密に移動させて、基板ホルダ124を介して上ステージ141に保持された基板122に対して、下ステージ142に搭載された基板ホルダ124に保持された基板122の位置を合わせて、両基板を当接させる。
当接した二枚の基板122を挟んだ上下基板ホルダ124は、ロボットアーム134によりエアロック220に搬送される。エアロック220に搬送された基板122及び上下基板ホルダ124は加圧部240に装入される。加圧部240において加熱及び加圧されることにより、二枚の基板122は互いに貼り合わされて一体になる。
貼り合わされた複数の基板を保持する一の基板ホルダをホルダステージに固定する(S020)。ステップS020において、貼り合わされた基板122を含む基板−基板ホルダユニットは、高温部106から搬出されて、基板分離装置300に搬送され、ホルダステージ302の上に載置されて、真空吸着により下の基板ホルダ124が吸着されて固定される。ここで、基板分離装置300は、上述の基板分離装置400、500、600又は700のいずれかの構造を有しても良い。
貼り合わされた複数の基板を基板ホルダから分離する(S030)。ステップS030において、下の基板ホルダ124と下の基板122との間の静電吸着が維持されながら、上の基板ホルダ124と上の基板122との間の静電吸着が解除される。上ステージ304が降下して、上の基板ホルダ124に当接して、上の基板ホルダ124を真空吸着して、上昇する。この場合、下の基板ホルダ124と下の基板122との間の静電吸着が維持され、上の基板ホルダ124と上の基板122との間の静電吸着が解除されたので、上の基板ホルダ124と上の基板122との結合力が下の基板ホルダ124と下の基板122との結合力より弱い。よって、上ステージ304の上昇時に、図3に示すように、上の基板ホルダ124に与える真空吸着力により、上の基板ホルダ124を上の基板122から引き離すことができる。
次に、下の基板ホルダ124と下の基板122との間の静電吸着が解除される。上ステージ304は、分離された基板ホルダ124が基板ホルダラック128に収容されてから、再び降下して、基板122に当接して基板122を真空吸着して上昇することにより、接合された基板122を下の基板ホルダ124から引き離す。分離された基板122は、ロボットアーム134、ステージ装置140の下ステージ142及びロボットアーム132を通じて、基板カセット112、114又は116のいずれかに収容される。
基板分離装置300において、上ステージ304は、複数の基板122に当接して当該複数の基板122を基板ホルダ124から分離する分離部であり、複数の基板122における一の裏面に当接する当接部材でもある。基板を基板ホルダから分離する過程において、上ステージ304は、まず当接部材として接合された基板122の上向きの裏面に当接してから、分離部として基板122を真空吸着して、基板ホルダ124から基板122を分離する。基板分離装置400、500においても、同様に分離部と当接部材が一体となり、当接部材が接合された基板122の上向きの裏面に当接してから、分離部として基板122を基板ホルダ124から分離する。
一方、図9に示すように、基板分離装置600においては、分離部及び当接部材として、それぞれ爪606及びプレート604が存在する。この場合に、基板を基板ホルダから分離するステップは、当接部材が複数の基板における一の裏面に当接するステップと分離部が基板を基板ホルダから分離するステップとの二つのステップに更に分けることができる。前のステップでは、当接部材であるプレート604が基板618の裏面619に当接して、後のステップでは、分離部である爪606が基板ホルダ124から貼り合わされた基板を分離する。
また、図12に示す基板分離装置700のように、分離部が基板を基板ホルダから分離するステップは先に完成して、当接部材が複数の基板122における一の裏面に当接するステップは後に完成してもよい。基板分離装置700において、基板を基板ホルダから分離するステップでは、分離部であるリフトピン712が基板122を押し上げることにより、基板ホルダ124から分離して、当接部材が複数の基板122における一の裏面に当接するステップでは、当接部材704が跳ねる基板122に当接して、大きな位置ずれを防止する。
最後に、分離された基板を個片化する(S040)。ステップS040において、ダイシング等により分離された基板をチップごとに個片化して、積層半導体装置を完成できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
100 貼り合せ装置、102 筐体、104 常温部、106 高温部、108 断熱壁、112 基板カセット、114 基板カセット、116 基板カセット、121 表面、122 基板、123 裏面、124 基板ホルダ、126 プリアライナ、128 基板ホルダラック、132 ロボットアーム、134 ロボットアーム、140 ステージ装置、141 上ステージ、142 下ステージ、145 断熱壁、146 シャッタ、162 固定部材、164 固定部材、220 エアロック、222 シャッタ、224 シャッタ、230 ロボットアーム、240 加圧部、300 基板分離装置、302 ホルダステージ、304 上ステージ、312 ラインセンサ発光部、314 ラインセンサ受光部、400 基板分離装置、402 上ステージ、404 吸盤、500 基板分離装置、502 上ステージ、510 吸着ヘッド、512 排気孔、514 多孔質パッド、600 基板分離装置、602 上ステージ、604 プレート、606 爪、612 基板、614 基板、616 基板、618 基板、619 裏面、700 基板分離装置、702 上ステージ、704 当接部材、712 リフトピン

Claims (7)

  1. 貼り合わされた複数の基板の一の面を保持する基板ホルダを固定するホルダステージと、
    前記複数の基板の少なくともいずれかに当接して前記複数の基板を前記基板ホルダから分離する分離部と、
    前記分離部により前記複数の基板が分離される場合に、前記複数の基板における前記一の面に対する裏面に当接する当接部材と
    を備える基板分離装置。
  2. 前記分離部は、前記複数の基板における前記裏面に当接することにより前記当接部材を兼ねる請求項1に記載の基板分離装置。
  3. 前記分離部は、負圧により前記複数の基板の前記裏面を把持する請求項2に記載の基板分離装置。
  4. 前記分離部は、前記複数の基板のうち少なくともいずれかにおける側面に当接する請求項1に記載の基板分離装置。
  5. 前記当接部及び前記分離部は、前記ホルダステージに対して一体的に近接及び離間し、
    前記分離部は、前記複数の基板の前記側面に近接及び離間する方向に移動する請求項4に記載の基板分離装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の基板分離装置を含む基板貼り合せ装置。
  7. 積層半導体装置の製造方法であって、
    回路が形成された複数の基板を貼り合せるステップと、
    貼り合わされた前記複数の基板の一の面を保持する基板ホルダをホルダステージに固定するステップと、
    前記複数の基板の少なくともいずれかに分離部が当接して前記複数の基板を前記基板ホルダから分離するステップと、
    前記分離部により前記複数の基板が分離される場合に、前記複数の基板における前記一の面に対する裏面に当接部材が当接するステップと、
    前記基板ホルダから分離された前記複数の基板を複数の積層半導体装置に個片化するステップと
    を備える積層半導体装置の製造方法。
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