JP2011098848A - ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液 - Google Patents

ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】シングルナノメートルレベルの粒子径を維持した状態で、凝集することなく、溶媒中に均一に分散させることができ、さらには、SOFC用燃料極を作製する際に、シングルナノメートルレベルの粒子径を維持した状態でSOFC用燃料極を作製することができるジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、酸化ジルコニウムに固溶することで酸化ジルコニウムに酸素イオン伝導性を付与することが可能な金属とを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子であり、この微粒子の平均粒子径は1nm以上かつ20nm以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液に関し、特に詳しくは、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の燃料極材料に好適に用いられ、粒子の分布性及び液体への分散性に優れたジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法、このジルコニア系複合セラミックス微粒子を分散媒中に分散させたジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液に関するものである。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、水素や炭化水素などの燃料を酸化物イオンと反応させて電子を取り出す燃料極と、この燃料極で生じた電子によって酸素を還元して酸化物イオンを生成させる空気極と、この空気極で生じた酸化物イオンを燃料極に運ぶ役割を有する固体電解質とからなる。
このSOFCでは、一般的には、燃料極は、固体電解質粒子と、燃料と酸化物イオンとの反応にて触媒となる物質との焼結体であるサーメットで構成され、一方、空気極は、固体電解質粒子と酸素を還元する触媒との複合粉体で構成されている。
ところで、SOFCの分野では、燃料極は、燃料ガスと酸化剤とを反応させる役割を有しており、この燃料極においては、反応場となるのは三相界面であるといわれている。例えば、燃料極としてニッケル−イットリア安定化ジルコニア複合材料(Ni−YSZ)を用い、電解質としてイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を用いたSOFCでは、ニッケル(Ni)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)及び燃料ガスが全て接する部分が三相界面である。したがって、SOFCの出力特性を向上させるには、燃料極の三相界面の増大による電子の発生量の増加、及び発生した電子の外部回路への効率的な供給が必要になる。
そこで、固体電解質としての酸化物粒子と、触媒としての金属粒子とが、それぞれの粒子がより小さい粒子径で、より均一に混ざりあった、三相界面のより多い複合セラミックス粉体が望まれていた。
このような問題点を解決するために、イットリア安定化ジルコニアからなるシングルナノレベルの大きさのジルコニア粒子とニッケルイオンとを含む溶液から、共沈法により、固体電解質であるイットリア安定化ジルコニアと触媒である金属ニッケルが非常に均一に混じり合い、三相界面が多く存在する複合セラミックス粉体を合成する方法が提案され、実際に、この複合セラミックス粉体を用いた高性能の燃料極が提案されている(特許文献1、2)。
特許第3565696号公報 特許第3193294号公報
上述したように、ナノレベルの大きさで三相界面からなる反応活性点を増やすことは、シングルナノレベルの大きさの固体電解質である粒子を用いることによって可能であることが明らかになっているが、さらなる課題として、もう少し大きなスケールで構造を制御することが求められている。
例えば、SOFCの燃料極においては、そのようなシングルナノレベルの三相界面の制御だけではなく、触媒からなる導電パスの繋がり方、供給される水素などの燃料の電極中での拡散を促進する細孔径・密度など、数十nmから数百nmレベルの構造の制御が必要となる。
ここで、数十nmから数百nmレベルの構造を、粒子を組み上げて構築してゆくためには、シングルナノメートルレベルの粒子径を維持したまま、凝集することなく、しかも分散性に優れた粒子が必要となる。例えば、SOFCの燃料極の場合、触媒と固体電解質の粒子、または、これらの複合セラミックス粒子においては、シングルナノメートルレベルの粒子径を維持したまま、凝集することなく、分散性に優れることが要求される。しかしながら、従来の触媒と固体電解質との複合セラミックス粒子では、構成粒子はシングルナノレベルのサイズであっても、粒子間の凝集や融着により粗大化した粒子となってしまうために、溶媒などへ分散させた場合にシングルナノメートルサイズで分散させることができず、結果として十分な特性を有するSOFC用の燃料極を得ることができないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、シングルナノメートルレベルの粒子径を維持した状態で、凝集することなく、溶媒中に均一に分散させることができ、さらには、SOFC用燃料極を作製する際に、シングルナノメートルレベルの粒子径を維持した状態でSOFC用燃料極を作製することができるとともに、主成分である酸化ジルコニウムに、触媒としてのニッケルと、固体電解質としての金属とを固溶させたジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法、並びに、このジルコニア系複合セラミックス微粒子を分散媒中に分散させた分散液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ジルコニアの部分中和物の溶液に、ニッケルイオン、および酸化ジルコニウムに固溶することで酸化ジルコニウムに酸素イオン伝導性を付与することが可能な金属のイオンを含む溶液を加え、さらに、ニッケル塩および上記の金属の塩以外の無機塩を加えて混合溶液とし、この溶液の乾燥物を加熱処理することで、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、上記の金属とを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子を、平均粒子径が20nm以下の微粒子として生成することができ、さらに、その加熱生成物に機械的、化学的処理を施すことで、上記のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、水、アルコール類、グリコール類等の分散媒中に、20nm以下の分散粒子径にて分散した分散液が得られることを見出し、本発明を完成するにいたった。
すなわち、本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、前記酸化ジルコニウムに固溶することで前記酸化ジルコニウムに酸素イオン伝導性を付与することが可能な金属とを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子であって、平均粒子径は1nm以上かつ20nm以下であることを特徴とする。
前記金属は、サマリウム、イットリウム、スカンジウム、カルシウム、マグネシウムの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
前記ニッケルの前記酸化ジルコニウムに対する割合は0.1質量%以上かつ20質量%以下、かつ前記金属の前記酸化ジルコニウムに対する割合は0.1質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましい。
本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法は、ジルコニウム塩溶液に、このジルコニウム塩溶液中に含まれるジルコニウムイオンのモル量(Z)に対して、
0.125 < B/(4×Z)< 1
を満たすモル量(B)の水酸基を含む塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させ、
次いで、この部分中和されたゾル溶液に、ニッケルイオン、前記金属のイオン、及びニッケルおよび前記金属以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とし、
次いで、この混合溶液を、前記ジルコニウム、前記ニッケル及び前記金属から生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ前記無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱することを特徴とする。
前記無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムの群から選択される1種または2種以上の金属イオンを含む硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、ヨウ化物、臭化物、フッ化物、リン酸塩の群から選択される1種または2種以上の化合物であることが好ましい。
本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液は、本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下となるように分散媒中に分散させたことを特徴とする。
本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子によれば、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、酸化ジルコニウムに固溶することで酸化ジルコニウムに酸素イオン伝導性を付与することが可能な金属とを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子であり、その平均粒子径を1nm以上かつ20nm以下としたので、このジルコニア系複合セラミックス微粒子を分散媒中に分散させる際に、シングルナノメートルサイズの粒子径を維持した状態で、凝集することなく、均一に分散させることができる。
そして、このジルコニア系複合セラミックス微粒子を用いてSOFC用の燃料極を作製すれば、この燃料極における数十nmから数百nmレベルの構造を、このジルコニア系複合セラミックス微粒子を組み上げて構築することができる。したがって、特性の向上したSOFC用の燃料極を得ることができる。
本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法によれば、ジルコニウム塩溶液に、このジルコニウム塩溶液中に含まれるジルコニウムイオンのモル量(Z)に対して、
0.125 < B/(4×Z)< 1
を満たすモル量(B)の水酸基を含む塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させ、次いで、この部分中和されたゾル溶液に、ニッケルイオン、前記金属のイオン、及びニッケルおよび前記金属以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とし、次いで、この混合溶液を、前記ジルコニウム、前記ニッケル及び前記金属から生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ前記無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱するので、シングルナノメートルサイズの粒子径を維持するとともに、凝集することもない平均粒子径が1nm以上かつ20nm以下のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、容易に得ることができる。
本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液によれば、本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下となるように分散媒中に分散させたので、この分散液中のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、その平均粒子径を1nm以上かつ20nm以下に維持した状態で、凝集することなく、均一に分散することとなり、したがって、ジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その分散粒子径をシングルナノメートルサイズに維持した状態で、凝集することもなく、均一に分散させることができる。
そして、このジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液を用いてSOFC用の燃料極を作製すれば、シングルナノメートルレベルの粒子径を維持した状態でSOFC用の燃料極を作製することができる。したがって、特性の向上したSOFC用の燃料極を得ることができる。
本発明の実施例のジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1〜F−5それぞれの粉末X線回折パターンを示す図である。 本発明の実施例2のジルコニア系複合セラミックス微粒子を示す透過電子顕微鏡像である。
本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[ジルコニア系複合セラミックス微粒子]
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、酸化ジルコニウムに固溶することで酸化ジルコニウムに酸素イオン伝導性を付与することが可能な金属(以下、金属Aと称することもある)とを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子であり、平均粒子径が1nm以上かつ20nm以下の微粒子である。
このジルコニア系複合セラミックス微粒子は、酸化ジルコニウムを基本成分とし、これに金属Aとニッケルが固溶した固溶体からなる微粒子、あるいは、酸化ジルコニウムに対して酸化ニッケルと金属Aの酸化物が固溶した複合酸化物からなる微粒子と言い換えることもできる。
本実施形態では、「酸化ジルコニウム」を、「ジルコニウムの酸化物であり、不可避不純物以外には意図的な添加物を含まないもの」と定義し、「ジルコニア」を、「酸化ジルコニウムに金属Aを含有したもの」と定義し、「ジルコニア系複合セラミックス」を、「酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、金属Aとを含有するもの(酸化ジルコニウムに、酸化ニッケルと、金属Aの酸化物とが固溶した複合酸化物)」と定義する。
ここで、金属Aとしては、酸化ジルコニウムに固溶することで、酸化ジルコニウムの高温相(立方晶または正方晶)を室温(25℃)まで維持するとともに、酸化ジルコニウムにイオン導電性を付与する金属であればよく、例えば、サマリウム、イットリウム、スカンジウム、カルシウム、マグネシウムの群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
金属Aの酸化ジルコニウムに対する割合、すなわち、金属Aの質量(M)の酸化ジルコニウムの質量(M)に対する百分率((M/M)×100%)は、0.1質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましい。
金属Aの割合が0.1質量%未満になると、金属Aの添加効果が無くなるために、イオン導電性が消失するからであり、一方、20質量%を越えると、イオン導電性が低下するからである。
一方、ニッケルは、酸化ジルコニウムに対しては直接作用を及ぼすものではなく、単純に固溶している。ここで、ニッケルを添加するのは、ジルコニアとニッケルとを予め一体化させておくことにより、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を用いてSOFCの燃料極(電極)を形成した際に、酸化物イオン伝導体である固体電解質のジルコニアと、燃料ガスと酸化物イオンとの反応の触媒物質であるニッケルとが均一に分散し、かつ燃料極を構成する粒子の粒子径や構成状態が良好に制御された燃料極を得ることができるからである。
このニッケルは、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子に固溶した状態では酸化物となっているが、SOFCの燃料極を形成した後の動作時では、金属ニッケルに還元される。ここで、金属ニッケルの酸化ジルコニウムに対する固溶限界は、酸化ニッケルの固溶限界に比べて低く、したがって、還元された金属ニッケルの一部はニッケル微細粒子として析出し、このニッケル微細粒子が触媒として作用する。上記のように、ニッケルはジルコニア系複合セラミックス微粒子中に固溶した状態では、均一に存在しているので、ニッケル微粒子もSOFCの燃料極中で均一に析出することになる。
ニッケルの酸化ジルコニウムに対する割合、すなわちニッケルの質量(MNI)の酸化ジルコニウムの質量(M)に対する百分率((MNI/M)×100%)は、0.1質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましい。ニッケルの割合が0.1質量%未満になると、SOFCの燃料極(電極)を形成した後の動作時に還元作用を受けても金属ニッケルが析出せず、SOFCの燃料極としての作用が消失するからであり、一方、20質量%を越えると、ニッケルが酸化ジルコニウムに固溶できず、酸化ニッケル粒子として存在するようになり、したがって、SOFCの燃料極を形成した際に、ジルコニア微粒子とニッケル微粒子が不均一化し易くなるからである。
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、平均粒子径が1nm以上かつ20nm以下であることが好ましい。さらに、この粒子径のまま凝集せず、分散性に優れた状態であることが好ましい。ここで、この微粒子が、平均粒子径が1nm以上かつ20nm以下でありかつ分散性に優れた状態であれば、分散媒を除去して固体化させ、SOFCの燃料極を形成する際に、数十nmから数百nmレベルで粒子が集合した構造を制御することができ、特性が改善されたSOFC用の燃料極を得ることができるので好ましい。
[ジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液]
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液は、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下となるように分散媒中に分散させたものである。
分散媒としては、水の他、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エステル類、エーテル類、グリコール類等の有機溶媒から選択可能であるが、水、低級アルコール類、低級ケトン類およびエステル類の中から選択することが好ましく、特に水が最適である。これは、本実施形態の複合ジルコニア系セラミックス微粒子自体が酸化物であり、極性溶媒、特に水との親和性が高く、したがって、水に対しては容易に分散させることが可能であるからである。
これに対し、有機系分散媒、特に無極性や極性の低い分散媒を用いる場合には、ジルコニア系複合セラミックス微粒子を直接分散させることができないため、このジルコニア系複合セラミックス微粒子の表面の極性を高める必要があり、そこで、表面処理剤や分散剤が必要となるが、特に、本実施形態の複合ジルコニア系セラミックス微粒子はナノメートルサイズと非常に微小であることから、表面処理剤や分散剤を多量に使用する必要があり、好ましいことではない。
特に、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子およびその分散液は、SOFCの燃料極を形成することが主用途であり、燃料極自体はカーボンや有機物を含まないので、燃料極を形成するための焼成時に、カーボン生成の虞がある多量に存在する表面処理剤や分散剤を除去する必要が生じ、好ましくないからである。
ジルコニア系複合セラミックス微粒子の分散濃度、すなわち、「分散体の質量/(分散体の質量+分散媒の質量)×100%」の値は、1質量%以上かつ70質量%以下であることが好ましい。
分散濃度が1質量%未満の場合、分散自体には問題はないが、分散液中のジルコニア系複合セラミックス微粒子の量が少なすぎることから、分散液を用いて成形体、例えばSOFCの燃料極を作製する場合に多量の分散液が必要となり、好ましくない。また、分散濃度が70質量%を越えると、分散する微粒子の凝集や沈降が生じたり、分散液自体がゲル化することとなり、その結果、安定した分散液を得ることが難しくなり、好ましくない。
[ジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法]
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法は、ジルコニウム塩溶液に塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させる第1の工程と、この部分中和されたゾル溶液に、ニッケルイオン、金属Aのイオン、及びニッケルおよび金属A以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とする第2の工程と、この混合溶液を乾燥させた後、この乾燥固形物を、ジルコニウム、ニッケル及び金属Aから生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ前記無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱し、ジルコニア系複合セラミックス微粒子を得る第3の工程と、からなる方法である。
次に、これらの各工程について詳述する。
第1の工程では、部分中和物であるゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を得るために、上記のジルコニウム塩溶液に、このジルコニウム塩溶液中に含まれるジルコニウムイオンのモル量(Z)に対して、
0.125 < B/(4×Z)< 1
を満たすモル量(B)の水酸基を含む塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させる。
本工程で得られたジルコニウム酸化物前駆体はコロイド状態の超微粒子(コロイド粒子)となっている。
上記の塩基性溶液としては、ジルコニウム塩溶液を中和できるものであればよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶液、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ炭酸塩やアルカリ炭酸水素塩の水溶液、あるいはエタノールアミン、ジエタノールアミン、ホルムアミド等の塩基性有機化合物を含む溶液を用いることができる。
第2の工程では、第1の工程で得られた部分中和されたゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液に、ニッケルイオン、金属Aのイオン、及びニッケルおよび金属A以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とする。
ここで、ニッケルイオン源としては、通常、ニッケル塩を含む溶液を用いることが好ましく、例えば、水溶性ニッケル塩であるニッケルの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩の群から選択された1種または2種以上の塩を含む水溶液が好適に用いられる。
また、金属Aとしては、サマリウム、イットリウム、スカンジウム、カルシウム、マグネシウムの群から1種または2種以上を選択することができる。
この金属Aイオン源としては、これらの金属の中から選択される1種または2種以上の金属の塩を含む溶液が好適に用いられる。すなわち、上記の金属群から選択された金属の水溶性塩である塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、炭酸塩の群から選択された1種または2種以上の塩を含む水溶液が好適に用いられる。
このように、ジルコニウム酸化物前駆体にニッケルイオンおよび金属Aのイオンを添加することで、ジルコニア系複合セラミックス前駆体を得ることができる。
無機塩は、生成するジルコニア系複合セラミックス微粒子の粒子径が目的の粒子径より粗大化することを防止するために添加するものである。
この無機塩を添加することにより、溶液中に存在するジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の凝集を初めとして、次の第3の工程における、ジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の融着や生成したジルコニア系複合セラミックス微粒子同士の融着、前駆体微粒子とジルコニア系複合セラミックス微粒子融着との融着を抑制することができ、生成したジルコニア系複合セラミックス微粒子の粒子径が粗大粒子化することを防止することができる。
したがって、上記の無機塩は、ジルコニア系複合セラミックス微粒子を生成させるのに必要な加熱処理温度で、ジルコニア系複合セラミックス前駆体及びジルコニア系複合セラミックス微粒子自体と反応せず、かつ、その加熱処理温度で溶融や分解しないことが必要である。言い換えれば、加熱処理温度の上限は、使用する無機塩がジルコニア系複合セラミックス前駆体及びジルコニア系複合セラミックス微粒子自体と反応を開始する温度、無機塩の溶融温度、および無機塩の分解温度のうち、最も低い温度未満ということになる。
このような無機塩としては、アルカリ金属であるリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、アルカリ土類金属であるストロンチウム、バリウム、ラジウム、の群から選択される1種または2種以上の金属イオンを含む塩またはハロゲン化物、すなわち、上記の金属群の硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、ヨウ化物、臭化物、フッ化物、リン酸塩が好適に用いられる。これらの塩またはハロゲン化物は、1種単独、または2種以上を混合して用いられる。
このような無機塩の具体例としては、硫酸リチウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の炭酸塩、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム等の硝酸塩、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム等の塩化物、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化バリウム等のヨウ化物、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウム等の臭化物、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム等のフッ化物、リン酸カリウム等のリン酸塩を挙げることができる。
この無機塩の添加量としては、混合溶液中に含まれるジルコニウムイオンを酸化ジルコニウムに換算した質量の20質量%以上であることが必要である。
ここで、添加量が20質量%未満では、溶液中に存在するジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の凝集や、後述する第3の工程におけるジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の融着、生成したジルコニア系複合セラミックス微粒子同士の融着、前駆体微粒子とジルコニア系複合セラミックス微粒子との融着を防止する効果が小さくなり、その結果、生成するジルコニア系複合セラミックス微粒子が粗大粒子化する虞が生じるので好ましくない。一方、この無機塩は回収・再利用が可能であるから、その添加量に上限は無いが、概ね400質量%以下である。
第3の工程では、第2の工程で得られた混合溶液を乾燥した後に、所定の温度にて加熱処理する。
まず、第2の工程で得られた混合溶液を乾燥させ、乾燥固形物を得る。乾燥方法としては、混合溶液中の溶媒を散逸させることができればよく、ヒーター等による加熱乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、赤外線、マイクロ波等のエネルギー照射による乾燥等、通常の方法を用いることができる。これらの乾燥方法は、単独で行ってもよく、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
次いで、乾燥固形物を加熱処理し、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を得る。加熱処理する方法としては、ヒーター等による加熱、減圧加熱、真空加熱、赤外線、マイクロ波等のエネルギー照射による加熱等、通常の方法を用いることができる。ヒーター等による加熱としては、例えば、所定温度の電気炉(バッチ式電気炉) 中に静置して加熱する方法、流動床型の電気炉(トンネル式電気炉)で加熱する方法等がある。
なお、この加熱処理工程は、上記の乾燥工程と連続して行ってもよく、また、この加熱処理工程における昇温過程を、上記の乾燥工程を兼ねることとしてもよい。
加熱処理温度としては、混合溶液の乾燥固形物から本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子が生成する温度以上である必要がある。
また、加熱処理温度の上限は、上述したように使用する無機塩により決定され、無機塩がジルコニア系複合セラミックス前駆体やジルコニア系複合セラミックス微粒子自体と反応を開始する温度、無機塩の溶融温度、および無機塩の分解温度、のうち、最も低い温度未満となる。
加熱処理時の雰囲気としては、大気雰囲気の他、酸素ガスの分圧が高い酸化性雰囲気を用いることが好ましいが、必要に応じて、Ar、N等の不活性ガス雰囲気を用いることもできる。
この乾燥固形物では、ジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子間には、融着防止剤として作用する無機塩が存在し、その状態で加熱処理されるために、ジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の融着、生成したジルコニア系複合セラミックス微粒子同士の融着、前駆体微粒子とジルコニア系複合セラミックス微粒子との融着が防止される。これにより、第1の工程で得られたジルコニウム酸化物前駆体の粒子径、すなわちゾルを形成する程度のコロイド状態の超微粒子の粒子径がそのまま維持された状態でのジルコニア系複合セラミックス微粒子が得られる。
さらに、微粒子の融着が生じないので、加熱処理温度を高めることが可能となることから、結晶性が高いナノメートルサイズのジルコニア系複合セラミックス微粒子を、容易にかつ大量に作製することが可能となる。
この加熱処理の後、得られた加熱処理生成物中の無機塩や反応残留物などの不要成分を洗浄によって除去する。洗浄液としては、加熱処理生成物であるジルコニア系複合セラミックス微粒子がほとんど溶解せず、除去する無機塩や反応残留物などが溶解するものであればよい。
ここで、無機塩は水に溶解するので、まず、加熱処理生成物を水(純水やイオン交換水)で洗浄することで、無機塩を除去することができる。その方法としては、加熱処理生成物を粉砕し、純水などに分散溶解させた後、濾過や遠心分離などを用いて、無機塩を含む水溶液を除去すればよい。
次いで、反応残留物としてニッケル、金属A及びこれらの酸化物などが含まれる場合には、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸を用いてこれらの残留物を溶解除去することが好ましい。その方法としては、水洗浄後の加熱処理生成物を無機酸中に分散させてニッケル、金属A及びこれらの酸化物などを溶解させた後、無機酸を分離し、残った加熱処理生成物を純水洗浄すればよい。
また、水洗浄後の加熱処理生成物を無機酸中に分散させてニッケル、金属A及びこれらの酸化物などを溶解させた後、イオン交換樹脂を用いて溶解したニッケルイオンや金属Aイオンや酸イオンを除去し、さらにイオン交換樹脂だけを濾過して取り除いてもよい。
この際、ニッケル、金属A及びこれらの酸化物の溶解状態を制御することで、ジルコニア系複合セラミックス微粒子中におけるニッケル、金属A、ジルコニウムの含有量を調整してもよい。
このようにして無機塩や反応残留物などを除去した、洗浄後の加熱処理生成物を乾燥させることにより、本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子を得ることができる。
[ジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液の製造方法]
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液は、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下となるように分散媒中に分散させることにより得ることができる。
分散方法としては、ボールミル、サンドミル等を用いた機械的分散処理方法を用いればよい。また、ジルコニア系複合セラミックス微粒子の表面を、無機酸、塩基、有機酸、分散剤、表面処理剤等を用いて化学的な処理を施してもよい。
分散媒としては、水の他、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、エステル類、エーテル類、グリコール類等の有機溶媒から選択可能であるが、水、低級アルコール類、低級ケトン類およびエステル類の中から選択することが好ましく、特に水が最適である。これは、本実施形態の複合ジルコニア系セラミックス微粒子自体が酸化物であり、極性溶媒、特に水との親和性が高く、したがって、水に対しては容易に分散させることが可能であるからである。
なお、極性の低い、あるいは無極性の有機溶媒を用いる場合には、複合ジルコニア系セラミックス微粒子に対して表面処理を行い、有機溶媒中に容易に分散するようにすればよい。この表面処理に用いる表面処理剤や分散剤としては、金属イオン(Siを含む)を含まない有機成分のみで構成されているものであれば、特段の限定は無い。金属イオンを含まないことを条件とした理由は、金属イオンを含んでいる場合、この金属イオンが不純物となり、例えば、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を用いて作製したSOFC用燃料極の特性を劣化させるからである。
なお、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、ナノメートルサイズと非常に微小な粒子であることから、多量の表面処理剤や分散剤を使用する必要が生じる場合がある。このため、表面処理剤や分散剤を使用しないで済むような分散媒である水を選択することができれば、最も好ましい。
ところで、上記の製造方法により得られた本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、一旦乾燥させて微粉体とした場合、微粒子同士の凝集が発生する。このため、乾燥後のジルコニア系複合セラミックス微粒子を分散媒中に分散させようとした場合、再分散のための労力と時間が必要となる。
一方、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、その製造工程の最終段階で水や酸による洗浄を行っており、この洗浄時点ではジルコニア系複合セラミックス微粒子はほぼ単分散の状態で凝集は起きていない。
そこで、ジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造工程の最終段階である洗浄後の液を、そのまま、もしくは分散媒の置換を行うことで必要とする分散液とすれば、単分散の状態の分散液が得られるので非常に好ましい。
すなわち、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を乾燥粉体として得る必要がなく、分散液として得られればよいのであれば、あえて乾燥粉体を作製する必要はない。
無論、このようにして得られた分散液に対して、さらに分散処理や表面処理を行い、分散性をより改善させてもよい。
なお、分散媒置換を行う際に、分散媒の種類によってはジルコニア系複合セラミックス微粒子が凝集、沈降する可能性があるので、必要に応じて複数種の分散媒を組み合わせて使用する必要がある。水分散液であれば、このような分散媒置換を行う必要が無いので、この点からも分散媒は水とすることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子によれは、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、金属Aとを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子の平均粒子径を1nm以上かつ20nm以下としたので、溶媒中に分散させる際に、シングルナノメートルサイズの粒子径を維持して、凝集することなく分散することができる。
そして、このジルコニア系複合セラミックス微粒子を用いてSOFC用燃料極を作製すれば、数十nmから数百nmレベルの構造を、粒子を組み上げて構築することが可能となり、特性の向上したSOFC用燃料極を得ることができる。
また、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法によれば、ジルコニウム塩溶液に塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させてゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を生成させ、次いで、この部分中和されたゾル溶液にニッケルイオン、金属Aのイオン、及びニッケルおよび金属A以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とし、この混合溶液を、ジルコニウム、ニッケル及び金属Aから生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ上記の無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱することとしたので、得られるジルコニア系複合セラミックス微粒子は凝集することなく、平均粒子径が1nm以上かつ20nm以下のジルコニア系複合セラミックス微粒子を容易に得ることができる。
また、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液によれば、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下となるように分散媒中に分散させたので、分散粒子がシングルナノメートルサイズの粒子径で、凝集することなく、分散媒中に分散した分散液となっていることから、この分散液を用いてSOFC用燃料極を作製する時には、シングルナノメートルレベルの粒子径を維持した状態でSOFC用燃料極を作製することが可能となり、特性の向上したSOFC用燃料極を得ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
オキシ塩化ジルコニウム8水塩261gを純水4L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液に、アンモニア水(NH:28質量%)34gを純水2Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ゾル状態の、ジルコニウム酸化物前駆体を含む溶液A−1を調整した。
このときのジルコニウムイオンのモル量Zと、希アンモニア水の水酸基のモル量Bから求めたB/(4×Z)の値は、0.69となった。
次いで、このゾル状態の溶液A−1に、塩化イットリウム6水和物73gと硝酸ニッケル4水和物47gを水1Lに溶解させた溶液を加え、さらに、無機塩として炭酸カリウム150gを1.35Lの純水に溶解させた炭酸カリウム水溶液を攪拌しながら加え、混合物溶液B−1を調製した。
このときの炭酸カリウムの添加量は、ゾル状態の溶液A−1中に含まれるジルコニウムイオンの酸化ジルコニウム換算値に対して150質量%であった。
次いで、この混合溶液B−1を、乾燥器を用いて、大気中、120℃にて24時間、乾燥させ、乾燥固形物C−1を得た。次いで、この乾燥固形物C−1を自動乳鉢により粉砕した後、電気炉を用いて、大気中、500℃にて2時間加熱処理し、加熱処理生成物D−1を得た。
次いで、この加熱処理生成物D−1を純水中に投入し、攪拌してスラリー状とした後、遠心分離器を用いて洗浄を行い、添加した炭酸カリウムを十分に除去した後、水1Lに加え、懸濁液とした。次いで、この懸濁液を撹拌しながら12mol/Lの塩酸100gを加えた。懸濁液に含まれる余分なイオン分を除去するために、イオン交換樹脂を加えてそれらを除去した後、イオン交換樹脂を濾過除去して、実施例1のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液E−1を得た。
さらに、得られた分散液E−1を乾燥させ、実施例1のジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1を得た。
得られた分散液E−1に分散している粒子の平均分散粒子径を動的光散乱粒度分布測定器 Zetasizer Nano(マルバーン社製)を用いて評価した。その結果、1次粒子を複数個集合した2次粒子の累積粒度分布の累積百分率が50質量%の粒径値(D50値)における平均分散粒子径は3.8nmであった。
さらに、紫外吸収分光光度計を用いて分散液E−1の透明性を評価したところ、波長800nm光の透過率が84.7%で透明性に優れており、透明性を低下させるとされている粒子径が100nm程度以上の粗大な粒子がほとんど含まれていないことが分かった。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1について、透過型電子顕微鏡 JEM−2100F(日本電子社製)を用いて平均粒子径を測定した。ここでは、50個の粒子の粒子径を測定し、平均粒子径を求めた。その結果、3.1nmであった。
また、X線回折装置を用いてジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1の粉末X線回折パターンを得、この粉末X線回折パターンにより化合物の同定を行った。その結果、この微粒子F−1はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなることが確認された。
この粉末X線回折パターンからジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1の結晶子径を求めた結果、3.2nmであった。
なお、酸化ニッケルについては、粉末X線回折ピークが認められないことから、結晶粒子としてはほとんど存在せず、YSZと固溶していると考えられる。
さらに、エネルギー分散型蛍光X線でジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1の組成比を求めたところ、各成分の存在比(質量%)は、NiO:Y:ZrO=1.5:12.4:86.1であった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
「実施例2」
使用する硝酸ニッケル4水和物の量を95gとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液E−2及びジルコニア系複合セラミックス微粒子F−2を得た。
得られた分散液E−2に分散している粒子の平均分散粒子径を、実施例1と同様の方法で測定した結果、平均分散粒子径(D50値)は3.0nmであった。
また、分散液E−2の透明性を実施例1と同様の方法で評価したところ、波長800nm光の透過率が70.4%であり、透明性を低下させるとされている粒子径が100nm程度以上の粗大な粒子が少量しか含まれていないことが分かった。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−2について、実施例1と同様の方法を用いて評価した結果、粉末X線回折パターンにより微粒子F−2はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなること、酸化ニッケルの回折ピークは認められないことが確認された。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−2の平均粒子径を、実施例1と同様の方法で測定したところ、3.3nmであった。
また、この粉末X線回折パターンから、YSZの結晶子径は3.2nmであることが分かった。
さらに、実施例1と同様の方法を用いて、ジルコニア系複合セラミックス微粒子F−2の組成比を求めたところ、各成分の存在比(質量%)は、NiO:Y:ZrO=1.9:11.7:86.4であった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。また、粉末X線回折パターンの結果を図1に、ジルコニア系複合セラミックス微粒子F−2の透過型電子顕微鏡像を図2に、それぞれ示す。
「実施例3」
塩化イットリウム6水和物73gを、塩化カルシウム2水和物16.3gに替えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液E−3及びジルコニア系複合セラミックス微粒子F−3を得た。
得られた分散液E−3に分散している粒子の平均分散粒子径を、実施例1と同様の方法で測定した結果、平均分散粒子径(D50値)は4.0nmであった。
また、分散液E−3の透明性を実施例1と同様の方法で評価したところ、波長800nm光の透過率が69%であり、透明性を低下させるとされている粒子径が100nm程度以上の粗大な粒子が少量しか含まれていないことが分かった。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−3について、実施例1と同様の方法を用いて評価した結果、粉末X線回折パターンにより微粒子F−3はカルシア安定化ジルコニア(CSZ)からなること、酸化ニッケルの回折ピークは認められないことが確認された。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−3の平均粒子径を、実施例1と同様の方法で測定したところ、2.9nmであった。
また、この粉末X線回折パターンから、CSZの結晶子径は3.0nmであることが分かった。
さらに、実施例1と同様の方法を用いて、ジルコニア系複合セラミックス微粒子F−3の組成比を求めたところ、各成分の存在比(質量%)は、NiO:CaO:ZrO=2.6:1.2:96.2であった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。また、粉末X線回折パターンの結果を図1に示す。
「比較例1」
オキシ塩化ジルコニウム8水塩100g、塩化イットリウム6水和物16.1g及び塩化ニッケル4水和物11.1gを純水2L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液A−4を調製した。次いで水酸化ナトリウム60gを0.6Lの純水に溶解させた水酸化ナトリウム水溶液B−4を調製した。
このジルコニウム塩溶液A−4に、水酸化ナトリウム水溶液B−4を攪拌しながら加え、沈殿物C−4を生成した。
このときのジルコニウムイオンのモル量Zと、水酸化ナトリウム水溶液の水酸基のモル量Bから求めたB/(4×Z)の値は、1.21となった。
得られた沈殿物C−4は、濾過により回収した。
この沈殿物C−4を、乾燥機中、120℃にて24時間乾燥させた後、自動乳鉢により粉砕し、電気炉を用いて、大気中、500℃にて2時間加熱処理し、加熱処理生成物D−4を得た。
次いで、この加熱処理生成物D−4を純水中に投入し、攪拌してスラリー状とした後、遠心分離器を用いて洗浄を行い、水1Lに加え、比較例1のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液E−4を得た。
さらに、得られた分散液E−4を乾燥させ、比較例1のジルコニア系複合セラミックス微粒子F−4を得た。
得られた分散液E−4中には粗大粒子が多く、透明性が低く、静置しておくと粒子が沈降した。したがって、この分散液E−4については、平均分散粒子径の測定を行っていない。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−4について、実施例1と同様にして平均粒子径を測定した。その結果、145.2nmであった。
また、X線回折装置を用いてジルコニア系複合セラミックス微粒子F−4の粉末X線回折パターンを得、この粉末X線回折パターンにより化合物の同定を行った。その結果、この微粒子F−4はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなることが確認された。
この粉末X線回折パターンから、YSZの結晶子径は3.6nmであった。
なお、酸化ニッケルについては、粉末X線回折ピークが認められないことから、結晶粒子としてはほとんど存在せず、YSZと固溶していると考えられる。
さらに、エネルギー分散型蛍光X線でジルコニア系複合セラミックス微粒子F−4の組成比を求めたところ、各成分の存在比(質量%)は、NiO:Y:ZrO=2.0:13.5:84.5であった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
「比較例2」
分散平均粒子径が7.5nmの10mol%イットリア安定化ジルコニア(10YSZ)のナノ粒子分散液(10YSZの固形分濃度:8.4質量%、pH:4.6)500gに、硝酸ニッケル6水和物5.00gをpH3.3の希硝酸90gに溶解した硝酸ニッケル水溶液を加えて攪拌し、pH:3.95のニッケルイオン含有10mol%イットリア安定化ジルコニア酸性分散液A−5を作製した。
次いで、炭酸水素アンモニウム41.9gを蒸留水1330gに溶解し、炭酸水素アンモニウム水溶液B−5を作製した。
次いで、この分散液A−5を水溶液B−5に滴下し、中和沈殿物C−5を得た。ここでは、アンモニア水(NH:25質量%)を分散液A−5と同時に水溶液B−5に滴下し、水溶液B−5のpHを8に保持した。得られた沈殿物C−5は、濾過により回収した。
次いで、得られた中和沈殿物C−5を吸引濾過洗浄装置にて4回水洗して不純物イオンを除去し、次いで、エタノールにて溶媒置換を行い、その後、乾燥機中、80℃にて24時間乾燥させた後、自動乳鉢を用いて粉砕し、電気炉を用いて、大気中、500℃にて2時間熱処理して、加熱処理生成物D−5を得た。
次いで、この加熱処理生成物D−5を水1Lに加えて攪拌し、比較例2のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液E−5を得た。
さらに、得られた分散液E−5を乾燥させ、比較例2のジルコニア系複合セラミックス微粒子F−5を得た。
得られた分散液E−5中には粗大粒子が多く、透明性が低く、静置しておくと粒子が沈降した。したがって、この分散液E−5については、平均分散粒子径の測定を行っていない。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−5について、実施例1と同様にして平均粒子径を測定した。その結果、255nmであった。
また、X線回折装置を用いてジルコニア系複合セラミックス微粒子F−5の粉末X線回折パターンを得、この粉末X線回折パターンにより化合物の同定を行った。その結果、この微粒子F−5にはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)と酸化ニッケル(NiO)とが含まれていることが確認され、したがって、この微粒子F−5はYSZとNiOとの混合物であることが分かった。
この粉末X線回折パターンから、YSZの結晶子径は6.0nmであった。
なお、酸化ニッケルについては、粉末X線回折ピークが微弱であることから、結晶粒子の算出を行うことができなかった。
さらに、エネルギー分散型蛍光X線でジルコニア系複合セラミックス微粒子F−5の組成比を求めたところ、各成分の存在比(質量%)は、NiO:Y:ZrO=8.5:12.6:78.9であった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
これらの結果によれば、実施例1〜3では、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、金属Aとを含有するとともに、シングルナノメートルサイズの平均粒子径を有するジルコニア系複合セラミックス微粒子を得ることができた。さらに、実施例1〜3の分散液では、シングルナノメートルサイズの平均粒子径を有するジルコニア系複合セラミックス微粒子が単分散状態で分散されている分散液を得ることができた。
一方、比較例1で得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子では、微粒子中のYSZの結晶子径自体はシングルナノメートルサイズであるが、この微粒子の平均粒子径は145nmと大きいものであった。また、比較例1の分散液では、粒子が粗大化して沈降し、良好な分散液が得られなかった。
これは、部分中和法を用いておらず、さらに、生成した微粒子の凝集を防止するための無機塩も用いていないので、ジルコニア微粒子の凝集や融着が生じているからと考えられる。
また、比較例2のジルコニア系複合セラミックス微粒子においても、微粒子中のイットリア安定化ジルコニアの結晶子自体はシングルナノメートルサイズであるが、この微粒子の平均粒子径は255nmと大きいものであった。また、比較例2の分散液においても、粒子が粗大化して沈降し、良好な分散液が得られなかった。
これは、原料として従来のイットリア安定化ジルコニア微粒子を用いているために、部分中和法が使用できないこと、さらには、生成した微粒子の凝集を防止するための無機塩も用いていないことから、ジルコニア微粒子の凝集や融着が生じているからと考えられる。
また、比較例2では、ニッケルがジルコニア微粒子に固溶せず、酸化ニッケル微粒子が生成していることが確認された。これは、原料として従来のイットリア安定化ジルコニア微粒子を用いているので、ニッケルが固溶できないためと考えられる。
本発明のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、金属Aとを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子の平均粒子径を1nm以上かつ20nm以下のサイズとすることで、溶媒中に分散させる際に、シングルナノメートルサイズの粒子径を維持して、凝集することなく分散することができるものであるから、このジルコニア系複合セラミックス微粒子用いることにより、数十nmから数百nmレベルの構造を、粒子を組み上げて構築することが可能となり、したがって、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の特性向上を始めとして、さまざまな工業分野においてもその利用可能性は大である。

Claims (6)

  1. 酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、前記酸化ジルコニウムに固溶することで前記酸化ジルコニウムに酸素イオン伝導性を付与することが可能な金属とを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子であって、
    平均粒子径は1nm以上かつ20nm以下であることを特徴とするジルコニア系複合セラミックス微粒子。
  2. 前記金属は、サマリウム、イットリウム、スカンジウム、カルシウム、マグネシウムの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載のジルコニア系複合セラミックス微粒子。
  3. 前記ニッケルの前記酸化ジルコニウムに対する割合は0.1質量%以上かつ20質量%以下、かつ前記金属の前記酸化ジルコニウムに対する割合は0.1質量%以上かつ20質量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のジルコニア系複合セラミックス微粒子。
  4. ジルコニウム塩溶液に、このジルコニウム塩溶液中に含まれるジルコニウムイオンのモル量(Z)に対して、
    0.125 < B/(4×Z)< 1
    を満たすモル量(B)の水酸基を含む塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させ、
    次いで、この部分中和されたゾル溶液に、ニッケルイオン、前記金属のイオン、及びニッケルおよび前記金属以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とし、 次いで、この混合溶液を、前記ジルコニウム、前記ニッケル及び前記金属から生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ前記無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱することを特徴とするジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法。
  5. 前記無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムの群から選択される1種または2種以上の金属イオンを含む硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、ヨウ化物、臭化物、フッ化物、リン酸塩の群から選択される1種または2種以上の化合物であることを特徴とする請求項4記載のジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1項記載のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下となるように分散媒中に分散させたことを特徴とするジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液。
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