JP2021197361A - 複合材料の製造方法及び複合材料 - Google Patents

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拓磨 西本
Takuma Nishimoto
宜寛 平田
Yoshihiro Hirata
稔 米田
Minoru Yoneda
誠一 矢野
Seiichi Yano
和樹 荒川
Kazuki Arakawa
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Abstract

【課題】燃料電池の電極として使用した場合に広い温度域での電気抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーが小さい電極を形成することを可能とする材料を、簡便かつ環境に高い負荷をかけることなく製造する方法を提供する。【解決手段】下記式(1);X1−pSrpCoO3−δ(1)(式中、Xは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<p<1である。δは酸素欠損量を表す。)で表される電子伝導性材料と下記式(2);Ce1−qAqO2−q/2(2)(式中、Aは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<q<1である。)で表されるイオン伝導性材料との複合材料を製造する方法であって、該製造方法は、電子伝導性材料とイオン伝導性材料を構成する金属元素を含有する化合物を含む原料を混合して原料混合物を得る混合工程と、該原料混合物を加熱装置に導入して800〜1300℃で焼成する工程とを含み、該原料が含むSr含有化合物は、炭酸塩であり、Sr以外の金属元素を含有する化合物のうち少なくとも1つは、炭酸塩である複合材料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、複合材料の製造方法及び複合材料に関する。
燃料電池は、水素やアルコール等の燃料を酸素と電気化学的に反応させて電力を発生させる装置であり、電解質や作動温度等によって、固体高分子形(PEFC)、リン酸形(PAFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体酸化物形(SOFC)等に分けられる。
これらの燃料電池のうち、固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、空気極(正極)、燃料極(負極)及び電解質が全て固体材料で構成された燃料電池であり、発電効率が高い、水素だけでなくメタンや一酸化炭素も燃料として利用できる、シンプルな構造であり小型化、低コスト化しやすいといった点を特徴とする。SOFCは作動温度が通常800〜1000℃と高温であり、このことはSOFCの発電効率が高い要因の一つであるが、一方でより扱いやすい燃料電池とするために作動温度の低温化が求められている。
SOFCの作動温度を低温化するためには、低温でも電極抵抗の低い電極材料を用いることが重要であり、そのような電極材料が求められる。この点に関し、電極抵抗の低い電極材料として、電子伝導性材料及びイオン伝導性材料が凝集した複合粒子粉末であって、所定の粒度分布及びBET比表面積を有するものが提案されている(特許文献1参照)。
また、このような複合粒子粉末はSOFCの逆反応を利用した電解セル(SOEC)用の電極としても利用できる。
国際公開第2018/084279号
上記のような様々な利点を有する固体酸化物形燃料電池は、より幅広い普及のために、作動温度を低温化してより取扱いしやすい電池へと改良することが求められており、それを可能とする電極材料の開発が求められている。上記特許文献1の材料はそのような電極材料の1つであるが、特許文献1では特殊な設備が必要な噴霧熱分解法を用いて電極材料が製造されている。この方法では大量生産には多大な時間を要するため量産には不向きである。加えて、特許文献1の方法では原料に硝酸塩を使用しており、電極材料の製造によって窒素酸化物が発生するため環境負荷が高い。固体酸化物形燃料電池のより幅広い普及のためには、電極材料がより簡便かつ環境負荷の低い方法で大量に製造できることが重要であり、そのような製造方法の開発が求められている。
また、固体酸化物形燃料電池に使用されていた電極材料には、広い温度域での電気抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーが高いという課題があった。活性化エネルギーが高いと、低温において電極抵抗が急激に高くなる。詳細には、800℃以上の高温では電極抵抗が低くても、800℃未満の低温域では急激に電極抵抗が増大するという問題が起こり、このために従来の固体酸化物形燃料電池では作動温度を高くせざるを得なかった。固体酸化物形燃料電池の作動温度を低温化してより取扱いしやすい電池へと改良するためには、高温から800℃未満の低温まで、広い温度域で抵抗値の増加幅が小さい、すなわち、広い温度域での電気抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーが小さい電極材料の開発が求められる。
本発明は、上記現状に鑑み、燃料電池の電極として使用した場合に広い温度域での電気抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーが小さい電極を形成することを可能とする材料を、簡便かつ環境に高い負荷をかけることなく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、広い温度域で電極抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーが小さく、燃料電池の電極として使用可能な材料を簡便かつ環境に高い負荷をかけることなく製造する方法について検討し、Sr元素を含む所定の電子伝導性材料とCe元素を含む所定のイオン伝導性材料の複合材料に着目した。そして、これらの原料となる金属元素を含有する化合物として所定の化合物を用い、それらの原料を混合した後、所定の温度で焼成を行うと、電極反応の活性化エネルギーが小さい電極を形成できる複合材料を簡便かつ環境に高い負荷をかけることなく製造することが可能となることを見出した。
更に発明者らは、複合材料の微視的な複合状態が、広い温度域での電気抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーに大きく関与することを見出すとともに、導電性の観点から電子伝導性材料が連結した状態の複合状態がよいであろうという、これまでの予想に反して電子伝導性材料の独立した粒子数が多い方がよいことを見出し、広い温度域での電極抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーが低い電極を形成できる複合状態の材料も見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記式(1);
1−pSrCoO3−δ (1)
(式中、Xは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<p<1である。δは酸素欠損量を表す。)で表される電子伝導性材料と下記式(2);
Ce1−q2−q/2 (2)
(式中、Aは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<q<1である。)で表されるイオン伝導性材料との複合材料を製造する方法であって、該製造方法は、電子伝導性材料とイオン伝導性材料を構成する金属元素を含有する化合物を含む原料を混合して原料混合物を得る混合工程と、該原料混合物を加熱装置に導入して800〜1300℃で焼成する工程とを含み、該原料が含むSr含有化合物は、炭酸塩であり、Sr以外の金属元素を含有する化合物のうち少なくとも1つは、炭酸塩であることを特徴とする複合材料の製造方法である。
上記製造方法は、Sr以外の金属元素を含有する化合物のうちCo含有化合物が炭酸塩であることが好ましい。
上記混合工程は、Sr以外の金属元素を含有する化合物に炭酸塩を少なくとも1つ含む原料を粉末又はスラリー状態で混合する工程であることが好ましい。
上記混合工程は、式(1)におけるX元素又は式(2)におけるA元素を含有する炭酸塩と、Ce又はCoを含有する炭酸塩を少なくとも含む原料を溶媒に溶解させて混合する工程であることも好ましい。
本発明はまた、下記式(1);
1−pSrCoO3−δ (1)
(式中、Xは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<p<1である。δは酸素欠損量を表す。)で表される電子伝導性材料と下記式(2);
Ce1−q2−q/2 (2)
(式中、Aは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<q<1である。)で表されるイオン伝導性材料との複合材料であって、該複合材料をプレス成形し、焼成することにより得られる密度が4.5〜6.5g/cmの焼結体の断面を電子顕微鏡にて撮影した4.5μm×6.0μmの視野において、下記方法により測定される、電子伝導性材料粒子の数に対する、電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの比(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)が0μmより大きく、13μm以下であることを特徴とする複合材料でもある。
<電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの測定方法>
上記焼結体断面の反射電子像を、輝度範囲の指定による2値化でイオン伝導性材料相、電子伝導性材料相、空孔相に分け、各相の周囲長を計算し、下記式により算出する。
(電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の界面の長さ)=(電子伝導性材料相の周囲長+イオン伝導性材料相の周囲長−空孔相の周囲長)/2
<電子伝導性材料粒子の数の測定方法>
上記2値化処理後の2値化領域における閉じた領域を1個の粒子とみなし、それらを全て数えた数を電子伝導性材料粒子の数とする。
上記複合材料は、電子伝導性材料粒子の数とイオン伝導性材料粒子の数の総数に対する電子伝導性材料粒子の数の割合が、10%以上であることが好ましい。
本発明はまた、本発明の複合材料を用いてなることを特徴とする燃料電池用電極でもある。
本発明の複合材料の製造方法は、固体酸化物形燃料電池の電極として使用可能な複合材料を、特殊な製造装置を使用することなく、簡便かつ環境に高い負荷をかけることなく製造することを可能とする方法であり、複合材料の工業的生産にも利用できる有用な製造方法である。
また本発明の複合材料は、広い温度域での電極抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーが低い電極を形成できる複合材料である。
実施例1で製造した複合材料の焼結体の(界面の長さ/電子伝導性材料の粒子数)の値を確認するための画像解析の輝度量子化工程における量子化前後のヒストグラムを示した図である。 実施例1で製造した複合材料の焼結体の(界面の長さ/電子伝導性材料の粒子数)の値を確認するための画像解析において得られた輝度値、度数、低輝度側の第一ピーク比、電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の総面積に対する電子伝導性材料相の面積率、及び、空孔相、電子伝導性材料相、イオン伝導性材料相の境界を示した図である。 実施例1で製造した複合材料の焼結体の(界面の長さ/電子伝導性材料の粒子数)の値を確認するための画像解析の各段階の画像を示した図である。 図3の各段階の画像の左上領域の拡大画像を示した図である。 実施例1〜6および比較例1で製造した複合材料の電極反応の活性化エネルギーと(界面の長さ/電子伝導性材料の粒子数)の値との相関を示した図である。
以下、本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
1.複合材料の製造方法
本発明の複合材料の製造方法は、下記式(1);
1−pSrCoO3−δ (1)
(式中、Xは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<p<1である。δは酸素欠損量を表す。)で表される電子伝導性材料と下記式(2);
Ce1−q2−q/2 (2)
(式中、Aは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<q<1である。)で表されるイオン伝導性材料を構成する金属元素を含有する化合物を含む原料を混合して原料混合物を得る混合工程と、該原料混合物を800〜1300℃で焼成する工程とを含み、原料が含むSr含有化合物は、炭酸塩であり、Sr以外の金属元素を含有する化合物のうち少なくとも1つは、炭酸塩であることを特徴とする。
上記式(1)で表される電子伝導性材料と式(2)で表されるイオン伝導性材料を構成する金属元素を含有する化合物(金属元素源となる化合物)は、上記式(1)のX元素を含有する化合物、Sr含有化合物、Co含有化合物、Ce含有化合物、及び、上記式(2)のA元素を含有する化合物である。本発明の製造方法では、これらの金属元素のそれぞれ1種類のみを含有する化合物を原料として用いてもよく、これらの金属元素のうち2種類以上を含有する化合物を用いてもよい。
なお、本発明において、電子伝導性材料とは、空気極側ガスの酸化又は還元反応に対する触媒活性を有し、且つ電子を伝導する性質を持つ材料を意味し、イオン伝導性材料とは、空気極で酸化又は還元されるイオンを伝導する性質を持つ材料を意味する。
上記式(1)におけるpは、0<p<1の数であるが、高い電子伝導性を発現するためには、0.3<p<1であることが好ましい。化学的安定性と両立するために、より好ましくは、0.3<p<0.6である。
上記式(2)におけるqは、0<q<1の数であるが、異相の生成を抑制する観点から、0<q<0.5であることが好ましい。高いイオン伝導性を発現するために、より好ましくは、0.05<q<0.3である。
上記式(1)におけるδは酸素欠損量を表し、組成や温度、雰囲気等によって異なる値をとるが、0〜1の範囲の値である。
本発明の製造方法に原料として用いるSr含有化合物は、炭酸塩であり、Sr以外の金属元素を含有する化合物のうち少なくとも1つは、炭酸塩である。
Sr以外の金属元素を含有する化合物のうち、上記式(1)のX元素、Co、Ce、上記式(2)のA元素のいずれの金属元素の化合物が炭酸塩であってもよい。また、これらのうちの1種の金属元素の化合物のみが炭酸塩であってもよく、2種以上の金属元素の化合物が炭酸塩であってもよい。
本発明の製造方法における混合工程では、有機酸を添加してもよい。有機酸としては、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
有機酸を添加すると、原料混合物中で金属元素の有機酸塩が生成することになるため、本発明の製造方法では原料に金属元素の有機酸塩が含まれていてもよい。
本発明の製造方法に原料として用いる金属元素の化合物に炭酸塩、有機酸塩以外の化合物が含まれる場合、当該化合物としては、酸化物、水酸化物等が挙げられる。
上記原料は、上記式(1)で表される電子伝導性材料と式(2)で表されるイオン伝導性材料を構成する金属元素源となる化合物を含むものであればよいが、原料に含まれるCo含有化合物の含有量は、Co含有化合物が含むCo元素1molに対して、Sr含有化合物が含むSr元素およびX元素含有化合物が含むX元素の合計物質量が、0.9〜1.1molとなる量であることが異相の生成を抑制する観点から好ましく、より好ましくは、0.93〜1.07molとなる量であり、更に好ましくは、0.96〜1.04molとなる量である。
本発明の製造方法においては、製造される複合材料に含まれる各金属元素の割合と、原料に含まれる各金属元素の割合とがほぼ一致するため、原料に含まれるCo含有化合物以外の各金属元素の化合物の割合は、それらの化合物に含まれる各金属元素の割合が目的とする複合材料に含まれる各金属元素の割合と同じになるように用いればよい。
上記電子伝導性材料とイオン伝導性材料を構成する金属元素を含有する化合物を含む原料を混合して原料混合物を得る混合工程は、原料化合物が十分に混合されることになる限り混合方法は特に制限されず、原料化合物を粉末又はスラリー状態で混合してもよく(固相法)、原料化合物を溶媒に溶解させた溶液にして混合してもよい(液相法)。
原料化合物を粉末又はスラリー状態で混合する場合(固相法)、混合する方法は特に制限されず、リボンミキサー、スパルタンミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、サンプルミル、遊星ボールミル、ビーズミル、振動ミル、メディアレス粉砕機等を用いることができる。遊星ボールミル、ビーズミル、振動ミルのいずれかを用いる場合に使用するメディアとしては、ガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ、窒化珪素ビーズ、メノウビーズ、タングステンカーバイドビーズ等が挙げられる。
使用するメディアは、直径0.1〜5mmのものが好ましい。
また混合する時間は、使用する機器によって大きく異なるが、通常30〜500分の範囲内で使用する機器に応じて適宜調整すればよい。
原料化合物に溶媒を添加してスラリー状態で湿式混合する場合、使用する溶媒の量は特に制限されないが、原料が含む金属元素を含有する化合物の合計100質量%に対して、50〜200質量%とすることが好ましい。この濃度範囲であると、スラリーの粘度が適度な範囲内であり、かつ原料濃度が低くなり過ぎないため、原料の混合効率と製造コストの面で優れる。
溶媒を添加して混合する場合に使用する溶媒としては、水、上述した有機酸の水溶液、有機溶媒等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、製造コストの観点から、溶媒として好ましくは水である。
Sr以外の金属元素を含有する化合物に炭酸塩を少なくとも1つ含む原料化合物を粉末又はスラリー状態で混合すると、後に説明する、電子伝導性材料粒子の数に対する、電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの比(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)が小さくなる傾向がある。この場合、Sr以外のいずれの金属元素の炭酸塩を用いてもよいが、Ce又はCoのいずれかの金属元素の炭酸塩を使用することが好ましい。より好ましくは、Coの炭酸塩を使用することである。
後述する、広い温度域での電気抵抗値の測定結果から求められる活性化エネルギーが低い本発明の複合材料は、微視的にみると電子伝導性材料の粒子数が多いものである。このような材料は電子伝導性材料の原料に炭酸塩を用いること、特にSrが炭酸塩であることで製造できるが、さらには電子伝導性材料を構成する金属元素の約半数のモル数を占めるCoも炭酸塩を原料に用いることが好適である。
このような製造方法で複合材料を製造することで、電子伝導性材料の粒子数がより多い、すなわち、より微細な電子伝導性材料を有する複合材料が得られる。このため、得られた複合材料をプレス成形し、焼成を経た焼結体においても、電子伝導性材料の独立した粒子数が多いという、望ましい微視的な複合状態を保持することができ、電極としても好適に使用できる。
上記混合工程後の原料混合物は、粒度分布の中央値(以下、D50)が0.05〜1μmであることが好ましい。このような粒子径であることで、式(1)で示される電子伝導性材料と式(2)で示されるイオン伝導性材料を単相の複合材料として得るための焼成温度を低くできる。D50は、より好ましくは、0.05〜0.15μmであり、更に好ましくは、0.05〜0.12μmであり、特に好ましくは、0.05〜0.11μmである。なお、原料混合物とは、原料混合後のスラリーまたは該スラリーの乾燥粉末を指す。
原料混合物のD50は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
原料化合物を溶媒に溶解させた溶液にして混合する場合(液相法)、使用する溶媒は原料化合物が溶解する限り特に制限されないが、水、上述した有機酸の水溶液、酸性溶媒、有機溶媒等の1種又は2種以上を用いることができる。
原料化合物を溶媒に溶解させた溶液にして混合する場合、式(1)におけるX元素又は式(2)におけるA元素を含有する炭酸塩と、Ce又はCoを含有する炭酸塩を少なくとも含む原料を用いることが好ましい。これにより、式(1)で示される電子伝導性材料と式(2)で示されるイオン伝導性材料が微細に複合化された材料を得ることができる。より好ましくは、すべての金属元素源に炭酸塩を用いることである。
上記原料混合物を得る混合工程を、溶媒を使用した固相法又は液相法で行った場合、焼成する工程の前に溶媒を除去する工程を行うことが好ましい。これにより焼成工程を効率的に行うことができる。
溶媒を除去する方法は特に制限されないが、溶媒を蒸発させる方法が好ましく、原料混合物を加熱する方法が好ましい。加熱温度は、設備の稼働にかかる電気代等のコストを抑制し、かつ乾燥効率を確保するため、80〜200℃が好ましく、より好ましくは100〜160℃である。
また加熱する時間は、操業効率の観点から、1〜48時間であることが好ましい。溶媒を蒸発させきるために、より好ましくは、6〜24時間である。
また、液相法で行った場合、溶液のpHを塩基性物質の添加等により制御することで、各金属元素の塩を析出させ、沈殿として分離することにより原料混合物を得ることも好適な手法の一つである。塩基性物質としては、アルカリ金属元素の炭酸塩、水酸化物塩等を用いることができる。
上記混合工程を、溶媒を使用した固相法又は液相法により行う場合、溶媒を除去する工程の後、凝集した原料混合物を解砕する工程を行うことが好ましい。これにより原料混合物を後の焼成工程でより十分に焼成することができる。
原料混合物を解砕する方法は特に制限されないが、サンプルミル、ロールミル、ハンマーミル、振動ミル、ジェットミル等を用いることができる。
上記混合工程を液相法で行う場合は、焼成工程の前に粗焼成工程を行うことが好ましい。これにより、炭素成分を除去し、炭素成分に起因する副反応や成分金属元素の偏析を抑制できる。上記溶媒を除去する工程や解砕する工程を行う場合は、これらの工程の後に粗焼成工程を行うことが好ましい。
粗焼成工程を行う温度は、炭素成分を除去し、かつ成分金属元素の偏析を生じさせないために、300〜500℃であることが好ましい。より好ましくは、350〜500℃であり、更に好ましくは、400〜500℃である。
また粗焼成工程を行う時間は、操業効率の観点から、1〜24時間であることが好ましい。炭素成分を除去するために、より好ましくは、4〜24時間であり、更に好ましくは、4〜16時間である。
上記粗焼成工程を行う場合、粗焼成工程の後、焼成工程の前に粗焼成物を解砕する工程を行うことが好ましい。解砕は、サンプルミル、ロールミル、ハンマーミル、振動ミル、ジェットミル等を用いて行うことができる。
本発明の複合材料の製造方法は、原料混合工程で得られた原料混合物を800〜1300℃で焼成する工程を含む。
上記原料混合工程で原料化合物を粉末状態で混合する場合、得られた原料混合物をそのまま800〜1300℃で焼成することができるが、上記原料混合工程で原料化合物をスラリー状態又は溶媒に溶解させた溶液にして混合する場合には、上記方法等により原料混合物のスラリーや溶液から溶媒を除去した後に800〜1300℃で焼成することが好ましい。なお、ここでいう溶媒の除去とは原料混合工程で使用した溶媒の90%以上が除去されていることを意味する。したがって、焼成工程は、原料混合工程で得られた原料混合物を固体状態で800〜1300℃で焼成する工程であることが好ましい。
ここでいう固体状態とは、粉末や、ペレット、ヌードル等の成形体を指す。
上記焼成工程における焼成温度は800〜1300℃であればよいが、結晶性の高い複合材料を得るため、850〜1300℃であることが好ましい。より好ましくは、900〜1280℃である。粒成長による微細複合構造の破壊を抑制するため、更に好ましくは、900〜1250℃である。特に好ましくは、900〜1200℃であり、最も好ましくは、900〜1100℃である。
また焼成する時間は、操業効率の観点から、1〜24時間であることが好ましい。より好ましくは、1〜18時間である。上記の電子伝導性材料およびイオン伝導性材料以外の相を含まないようにするため、更に好ましくは、2〜12時間である。
本発明の複合材料の製造方法は上述した原料を混合して原料混合物を得る混合工程と、原料混合物を800〜1300℃で焼成する工程とを含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、上述した焼成工程の前に溶媒を除去する工程の他、焼成工程の後に材料を粉砕する工程、該粉砕する工程を湿式で行った場合に、その後に材料を乾燥する工程等が挙げられる。
焼成工程の後に材料を粉砕する工程では、電極膜作製工程における膜の剥離およびクラック抑制の観点から、材料を微細に粉砕することが望ましく、湿式粉砕により行うことが好ましい。湿式粉砕の際に用いる溶媒としては、水、有機溶媒等を用いることができる。材料を粉砕する工程は、粉砕後のD50が10μm以下となるまで行うことが好ましく、より好ましくは1μm以下となるまで行うことである。
湿式粉砕する場合、遊星ボールミル、ビーズミル、振動ミル、メディアレス粉砕機等を用いることができる。使用するメディアは、粉砕効率を保ち、かつメディア由来の不純物の混入を抑制するため、直径0.1〜5mmのものが好ましい。
湿式粉砕工程を行った場合、その後に材料を乾燥する工程は、80〜160℃で乾燥することにより行うことができる。
2.複合材料
本発明はまた、下記式(1);
1−pSrCoO3−δ (1)
(式中、Xは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<p<1である。δは酸素欠損量を表す。)で表される電子伝導性材料と下記式(2);
Ce1−q2−q/2 (2)
(式中、Aは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<q<1である。)で表されるイオン伝導性材料との複合材料であって、該複合材料をプレス成形し、焼成することにより得られる密度が4.5〜6.5g/cmの焼結体の断面を電子顕微鏡にて撮影した4.5μm×6.0μmの視野において、下記方法により測定される、電子伝導性材料粒子の数に対する、電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの比(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)が0μmより大きく、13μm以下であることを特徴とする複合材料でもある。
<電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの測定方法>
上記焼結体断面の反射電子像を、輝度範囲の指定による2値化でイオン伝導性材料相、電子伝導性材料相、空孔相に分け、各相の周囲長を計算し、下記式により算出する。
(電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の界面の長さ)=(電子伝導性材料相の周囲長+イオン伝導性材料相の周囲長−空孔相の周囲長)/2
<電子伝導性材料粒子の数の測定方法>
上記2値化処理後の2値化領域における電子伝導性材料の閉じた領域を1個の粒子とみなし、それらを全て数えた数を電子伝導性材料粒子の数とする。
固体酸化物形燃料電池では、電極材料として電極反応の活性化エネルギーが低い材料を使用するほど、電池の作動温度の低温化に伴う電極抵抗の増加を抑えることができる。本発明者は、上記式(1)で表される電子伝導性材料と上記式(2)で表されるイオン伝導性材料との複合材料の電極反応の活性化エネルギーと材料の形状との間の相関の有無について検討し、該複合材料の焼結体の電子伝導性材料粒子の数に対する、電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの比(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)と、該複合材料の広い温度域での電極抵抗値から求めた電極反応の活性化エネルギーとの間に正の相関があることを見出した。一般には電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さが長く、また粒界抵抗低減の観点から電子伝導性材料粒子の数が少ないほど電極反応の活性化エネルギーが低くなると考えられていたため、上記比の値が小さいほど電極反応の活性化エネルギーが低くなる相関は予想に反する結果である。本発明の複合材料は、この知見に基づいた、上記式(1)で表される電子伝導性材料と上記式(2)で表されるイオン伝導性材料とが複合化され、かつ電極反応の活性化エネルギーの低い複合材料である。
本発明の複合材料における、上記(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)の比は0μmより大きく、13μm以下であればよいが、電極反応における活性化エネルギー低減の観点から、12μm以下であることが好ましい。より好ましくは、11μm以下であり、最も好ましくは、10μm以下である。また、0.1μm以上であることが好ましい。より好ましくは、1.5μm以上であり、最も好ましくは、3.0μm以上である。
また本発明の複合材料における、総粒子数に対する電子伝導性材料の粒子数割合は10%以上であればよいが、電極反応における活性化エネルギー低減の観点から、13%以上であることが好ましい。より好ましくは、15%以上である。また、50%以下であることが好ましい。より好ましくは、30%以下である。
複合材料の総粒子数を得るために必要なイオン伝導性材料粒子の数は、上述した電子伝導性材料粒子の数の測定方法と同様に、2値化処理後の2値化領域におけるイオン伝導性材料の閉じた領域を1個の粒子とみなし、それらを全て数えた数をイオン伝導性材料粒子の数とすることで得ることができる。
本発明の複合材料は、上述した本発明の複合材料の製造方法で製造することができるが、得られる複合材料の焼結体の、総粒子数に対する電子伝導性材料の粒子数の割合および(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)の比は、前駆体の作製に使用する原料種、原料混合物における各金属元素の分散度合い、上記の複合材料を得る際の焼成温度によって調整することができる。
本発明の複合材料は上記式(1)で表される電子伝導性材料と上記式(2)で表されるイオン伝導性材料との複合材料であるが、これら電子伝導性材料とイオン伝導性材料との重量比率は、電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の接触点を増やすため、電子伝導性材料の重量割合が、25〜60%であることが好ましい。より好ましくは、35〜60%であり、更に好ましくは、40〜55%である。
本発明の複合材料は、電極反応の活性化エネルギーが低いため、作動温度の低温化が求められる固体酸化物燃料電池をはじめとする燃料電池の電極として好適に使用することができる。このような、本発明の複合材料を用いてなることを特徴とする燃料電池用電極もまた、本発明の1つである。
本発明を詳細に説明するために以下に具体例を挙げるが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「%」及び「wt%」とは「重量%(質量%)」を意味する。なお、各物性の測定方法は以下の通りである。
実施例1
(1)複合材料の製造
炭酸サマリウム(III)水和物(富士フイルム和光純薬(株)製、Sm換算純度:46.8重量%、以下、同じ)58.00g、炭酸ストロンチウム(富士フイルム和光純薬(株)製、純度:99.6重量%、以下、同じ)15.14g、塩基性炭酸コバルト(II)(富士フイルム和光純薬(株)製、Co換算純度:60.3%、以下、同じ)27.22g、炭酸セリウム(III)八水和物(富士フイルム和光純薬(株)製、CeO2換算純度:52.0%、以下、同じ)70.82gをそれぞれ秤量し、水225.00g中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミル(フリッチュ社製P−5、以下、同じ)を用いて、回転数180rpmで300分間、分散、粉砕、混合した。該スラリーのD50をレーザー回折・散乱式粒度分布計((株)堀場製作所製LA−950、以下、同じ)で測定した結果、0.10μmであった。以下に測定条件を示す。
<粒度分布の測定条件>
試料屈折率:2.0
粒子形状:非球形
分散媒:0.025重量%濃度のヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液
溶媒屈折率:1.333
透過率(R):85±5(%)
次に、上記のように処理したスラリー中のビーズを篩いを用いて除去し、上記スラリーを温度150℃に設定した乾燥機(ヤマト科学(株)製DKN601、以下、同じ)にて乾燥した後、サンプルミルで解砕し、複合材料前駆体を粉末として得た。
次に、このようにして得られた複合材料前駆体粉末をアルミナ製坩堝に充填し、この坩堝を電気炉(ADVANTECH(株)製BH−2K、以下、同じ)に置き、大気雰囲気中、1000℃で4時間保持して焼成を行った。
このようにして得られた焼成物を水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで53分間、粉砕し、該スラリーのD50を上記のレーザー回折・散乱式粒度分布計で測定した結果、0.6μmであった。
次に、このように処理したスラリー中のビーズを、篩いを用いて除去し、上記スラリーを150℃に設定した乾燥機にて乾燥した後、サンプルミルで解砕し、50重量%サマリウムストロンチウムコバルタイト(Sm0.5Sr0.5CoO3−δ、以下SSCと略す)−50重量%サマリウムドープセリア(Ce0.8Sm0.21.9、以下SDCと略す)の複合材料を粉末として得た。
この複合材料粉末について、X線回折パターンを測定して、式(1)で示されるコバルト酸ストロンチウムペロブスカイト型酸化物および式(2)で示される蛍石型セリウム酸化物以外の結晶相がないことを確認した。以下にX線回折パターンの測定条件を示す。
<粉末X線回折パターンの測定条件>
光学系:平行ビーム光学系(長尺スリット:PSA200/分解能:0.057°)
管電圧:50kV
電流:300mA
測定方法:連続スキャン
測定範囲(2θ):10°〜60°
サンプリング幅:0.04°
スキャンスピード:5°/min
なお、電子伝導性材料とイオン伝導性材料の複合材料であることの確認は、電子顕微鏡(日本電子(株)製JSM−7000F、以下、同じ)により撮影した反射電子像中の粒子を、上記の電子顕微鏡に搭載されたエネルギー分散型X線分析装置を用いた点分析により組成を確認することで行った。
<電子顕微鏡による反射電子像の撮影条件>
加速電圧:15.0kV
倍率:20,000倍
(2)複合材料の評価
上記(1)で得られた複合材料の電極反応の活性化エネルギー、及び、該複合材料の焼結体における、電子伝導性材料粒子の数に対する、電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの比(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)を以下のようにして確認した。
(2−1)複合材料の電極反応の活性化エネルギー
上記(1)で得られた複合材料粉末2.24gに対して、エチルセルロース(富士フイルム和光純薬(株)製、45cP)を0.24g、α−テレピネオール(富士フイルム和光純薬(株)製、純度98.0%)を2.45g混合したものを、混錬器((株)シンキー製ARE−250)にて15分間混錬することにより、電極用スラリーを得た。
次いで、該電極用スラリーをCe0.9Gd0.11.95焼結体ペレット上に直径7mmの大きさで塗布し、乾燥機に入れて110℃の温度で10分間乾燥させた。反対側の面も同様にして電極用スラリーを塗布し、乾燥させた後、電気炉に入れて900℃で2時間保持し、電極の焼き付けを行った。なお、前記Ce0.9Gd0.11.95焼結体ペレットは、直径20mmの超硬ダイスを使用し、Ce0.9Gd0.11.95粉末(ソルベイ・スペシャルケム・ジャパン製)1.3gを100MPaで両軸プレス成形した後、電気炉に入れ、1400℃で5時間焼成することで得た。
得られた電極について、交流インピーダンス法(ソーラトロン社製ModuLab XM)により、大気雰囲気下、850℃、800℃、750℃、700℃における面積あたりの電極抵抗をそれぞれ測定し、電極反応における活性化エネルギーを算出した。該活性化エネルギー(単位:kJ・mol−1)は、下記に示す条件で軸をとることで得られるグラフの傾きの絶対値に、気体定数(8.31[J・K−1・mol−1])を乗じることにより算出した。
縦軸:loge{1/(面積あたりの電極抵抗)[Ω−1・m−2]}
横軸:1000/(絶対温度)[K−1
なお、電極抵抗とは、交流インピーダンス法により得られるコール・コールプロットとして描かれる円弧の実数部抵抗軸との2つの切片の差である。
(2−2)複合材料の焼結体の(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)
直径5mmの超硬ダイスを使用し、上記(1)で得られた複合材料粉末0.3gを100MPaで両軸プレス成形した後、電気炉に入れ1000℃で2時間焼成することにより焼結体を得た。該焼結体を秤量し、寸法をノギスで測定し、該寸法から計算される体積で該焼結体の重量を割ることで密度を算出した(5.0g/cm)。断面平滑化装置(日本電子(株)製クロスセクションポリッシャSM−09010型)を用いて該焼結体の断面を平滑化し、電子顕微鏡にて該断面の反射電子像を得、画像解析ソフト(三谷商事(株)製WinROOF2015、以下、同じ)を用い、電子伝導性材料粒子の数に対する、電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの比(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)を評価した。以下に反射電子像の撮影条件、及び画像解析方法を示す。
<画像解析>
画像解析はすべて上記の画像解析ソフトを用い、以下の手順で行った。
まず、上記の条件で得た反射電子像(視野範囲:4.5μm×6.0μm)を上記の画像解析ソフトで読み込み、スケールのキャリブレーションを行った。方法は、「マニュアルキャリブレーション」機能を用い、反射電子像下部の分析条件欄に記載されている1μmスケールバーにラインを合わせ、実寸値に1μmを入力した。
次に、長方形ROIにより上記の反射電子像下部の分析条件欄を除く全ての領域を選択し、選択領域の切り抜きを行い、粒子に関する画像領域を抽出した(元画像)。
次に、上記の反射電子像のコントラストを強調するため、「明るさ・コントラスト」機能を用い、コントラスト値を55に変更した(コントラスト強調)。
次に、輝度を平均化するためソート処理および量子化処理を行った。ソート処理は、「フィルタ」機能を用い、ソートにチェックを入れ、フィルタサイズを9×9ピクセルとし、計4回行った(出力順位 1回目:21、2回目:61、3回目:21、4回目:61)。ソート処理後、長方形ROIにより、画像辺縁部から数えて4ピクセル内側の未処理領域を除く全ての領域を選択し、選択領域の切り抜きを行った(ソート処理)。
次に、「ルックアップテーブル変換」機能の輝度量子化にチェックを入れ、量子化数を32に設定することで輝度ヒストグラムの区間幅を8倍に変更した。実施例1の材料の量子化前後のヒストグラムを図1に示す(輝度量子化)。
上記の処理後の画像における輝度ヒストグラムを元に、輝度範囲の指定による2値化処理を行った。該ヒストグラムは低輝度側から順に空孔相、電子伝導性材料相、イオン伝導性材料相に帰属される。空孔相と電子伝導性材料相の境界は、低輝度側の第一ピーク(輝度区分:7〜14)の度数を基準として、その0.30倍以上の度数を持つピークが、低輝度側の第一ピークから輝度の高い側に数えて初めて出現する輝度とし、該輝度は電子伝導性材料相に帰属した。なお、ピークとは輝度ヒストグラムの各輝度区分の度数棒を指し、度数とはROI範囲内の各画素の数を輝度区分毎に足し合わせた数である。電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の境界は、電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の総面積に対し、電子伝導性材料相の面積率が50%を越え、かつ50%に最も近い輝度とした。実施例1の材料について、輝度値、度数、低輝度側の第一ピーク比、及び、電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の総面積に対する電子伝導性材料相の面積率を図2に示す。図2において、空孔相と電子伝導性材料相の境界、及び、電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の境界を点線で示した。なお、輝度ヒストグラムの度数は該解析ソフトの計測ツール中のヒストグラムから確認でき、ROI範囲内を選択し、ヒストグラムの級数を256、級区分を均等(下限値:0、上限値:255)、グラフ縦軸を度数としてヒストグラムを得、該ヒストグラムの級数1〜256を輝度0〜255に置き換えることで輝度ヒストグラムを得た。輝度nは級数n−1に対応し、nは0から255までの整数である。また、電子伝導性材料相の面積率は、電子伝導性材料相またはイオン伝導性材料相に帰属する輝度の累積度数に対する、電子伝導性材料相に帰属する輝度の累積度数の割合を百分率で計算することで得た。電子伝導性材料相またはイオン伝導性材料相に帰属する輝度の累積度数は、上述の空孔相に帰属する輝度の累積度数を、輝度全体の累積度数から差し引くことで得た(2値化)。
2値化後、「形状特徴」機能から「穴含む周囲長」を選択し、各相の2値化領域の周囲長を計算した。「穴含む周囲長」とは、2値化領域の内・外に存在する非2値化領域との境界の長さを指す。なお、画像辺縁部の2値化領域を算出された周囲長から引くことにより、正味の周囲長を計算した。各相の界面はいずれも自身以外の2相のいずれかまたは両方と接することから、電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の界面の長さは、以下の式により算出した。
(電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の界面の長さ)=(電子伝導性材料相の周囲長+イオン伝導性材料相の周囲長−空孔相の周囲長)/2
上記各段階での画像を図3−1〜3−5に、図3−1〜3−5のそれぞれの左上領域を拡大した画像を図4−1〜4−5示す。図3−1〜3−4、4−1〜4−4においては、暗部が電子伝導性材料、明部がイオン伝導性材料、黒色部が空孔であり、図3−5、4−5においては、白色部が電子伝導性材料、斜線部がイオン伝導性材料、黒色部が空孔である。
また画像解析から得られた(界面の長さ/電子伝導性材料の粒子数)の値を表1に示す。
更に、複合材料の電極反応の活性化エネルギーと(界面の長さ/電子伝導性材料の粒子数)の値との相関を図5に示す。
なお、上記の粒子数とは、2値化領域における閉じた領域を1個の粒子とみなし、それらを全て数えた数であり、上記の独立した2値化領域の個数と同義である。
なお、上記の境界にてそれぞれ帰属したヒストグラムが電子伝導性材料およびイオン電子伝導性材料であることは、走査電子顕微鏡観察で取得できるエネルギー分散型X線分析(EDS)による元素マッピング像と、前記反射電子像を重ね合わせることで確認できる。
実施例2
炭酸サマリウム(III)水和物43.97g、炭酸ストロンチウム11.49g、塩基性炭酸コバルト(II)20.87g、炭酸セリウム(III)八水和物53.71g、クエン酸一水和物(富士フイルム和光純薬(株)製、純度99.5%)105.80g、DL−りんご酸(富士フイルム和光純薬(株)製、純度99.0%)31.16gをそれぞれ秤量し、金属塩原料のみを水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、クエン酸、りんご酸を順に入れて攪拌し、金属塩の水溶液を得た。該水溶液を蒸発皿に移し、乾燥機にて150℃で24時間乾燥した後、サンプルミルで解砕し、前駆体を得た。
次いで、該前駆体を電気炉で、500℃で12時間焼成して炭素成分を除去した後、該焼成物を乳鉢で解砕した後、アルミナ坩堝に移し、電気炉で、1000℃で4時間焼成し、焼成物(複合材料)を得た。
このようにして得られた焼成物を水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで該スラリーのD50が0.6μmとなるまで粉砕し(粉砕時間:50分)、50重量%SSC−50重量%SDCの複合材料を得た。粉砕後の複合材料を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
実施例3
炭酸サマリウム(III)水和物43.78g、炭酸ストロンチウム11.49g、炭酸セリウム(III)八水和物53.55g、クエン酸一水和物21.31g、DL−りんご酸81.59gをそれぞれ秤量し、金属塩原料のみを水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、クエン酸、りんご酸を順に入れて攪拌し、金属塩の水溶液を得た。該水溶液に、四酸化三コバルト(富士フイルム和光純薬(株)製、純度99.9%、以下、同じ)12.45gを量り入れ、分散機(プライミクス(株)製TKホモミクサー)で、5000rpmの条件で30分間、分散し、スラリーを得た。該スラリーを蒸発皿に移し、乾燥機にて150℃で24時間乾燥した後、サンプルミルで解砕し、前駆体を得た後、実施例2と同様にして焼成物(複合材料)を得た。
このようにして得られた焼成物を水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで、該スラリーのD50が0.5μmとなるまで粉粉砕し(粉砕時間:50分)、50重量%SSC−50重量%SDCの複合材料を得た。粉砕後の複合材料を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
実施例4
炭酸サマリウム(III)水和物43.97g、炭酸ストロンチウム11.49g、塩基性炭酸コバルト(II)20.87g、酸化セリウム(IV)(富士フイルム和光純薬(株)製、純度93.0%、以下、同じ)30.03g、クエン酸一水和物4.26g、DL−りんご酸16.32gをそれぞれ秤量し、実施例3と同様にして焼成物(複合材料)を得た。
このようにして得られた焼成物を水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで、該スラリーのD50が0.4μmとなるまで粉砕し(粉砕時間:60分)、50重量%SSC−50重量%SDCの複合材料を得た。粉砕後の複合材料を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
実施例5
酸化ガドリニウム(III)(富士フイルム和光純薬工業(株)製、純度:99.9重量%、以下、同じ)29.91g、炭酸ストロンチウム16.00g、塩基性炭酸コバルト(II)28.73g、炭酸セリウム(III)八水和物75.37gをそれぞれ秤量し、水225.00g中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで120分間、分散、粉砕、混合した。該スラリーのD50を測定した結果、0.11μmであった。
次に、該スラリー中のビーズを篩を用いて除去し、上記スラリーを温度150℃に設定した乾燥機にて乾燥した後、サンプルミル(協立機工(株)製SK−M10)で解砕し、複合材料前駆体粉末を得た。
次に、このようにして得られた複合材料前駆体粉末をアルミナ製坩堝に充填し、この坩堝を電気炉に置き、大気雰囲気中、1100℃で4時間保持して焼成を行った。
このようにして得られた焼成物を水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで90分間粉砕し、該スラリーのD50を測定した結果、0.55μmであった。
次に、該スラリー中のビーズを篩を用いて除去し、上記スラリーを温度150℃に設定した乾燥機にて乾燥した後、サンプルミルで解砕し、50重量%ガドリニウムストロンチウムコバルタイト(Gd0.5Sr0.5CoO3−δ、以下GSCと略す)−50重量%ガドリニウムドープセリア(Ce0.8Gd0.21.9、以下GDCと略す)の複合材料粉末を得た。
粉砕後の複合材料粉末を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
実施例6
酸化ランタン(III)(富士フイルム和光純薬工業(株)製、純度:99.9重量%、以下、同じ)27.56g、炭酸ストロンチウム16.51g、塩基性炭酸コバルト(II)29.65g、炭酸セリウム(III)八水和物76.28gをそれぞれ秤量し、水225.00g中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで330分間、分散、粉砕、混合した。該スラリーのD50を測定した結果、0.12μmであった。
次に、該スラリー中のビーズを篩を用いて除去し、上記スラリーを温度150℃に設定した乾燥機にて乾燥した後、サンプルミル(協立機工(株)製SK−M10)で解砕し、複合材料前駆体粉末を得た。
次に、このようにして得られた複合材料前駆体粉末をアルミナ製坩堝に充填し、この坩堝を電気炉に置き、大気雰囲気中、1250℃で4時間保持して焼成を行った。
このようにして得られた焼成物を水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで90分間粉砕し、該スラリーのD50を測定した結果、0.53μmであった。
次に、該スラリー中のビーズを篩を用いて除去し、上記スラリーを温度150℃に設定した乾燥機にて乾燥した後、サンプルミルで解砕し、50重量%ランタンストロンチウムコバルタイト(La0.5Sr0.5CoO3−δ、以下LSCと略す)−50重量%ランタンドープセリア(Ce0.8La0.21.9、以下LDCと略す)の複合材料粉末を得た。
粉砕後の複合材料粉末を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
比較例1
酸化サマリウム(III)(富士フイルム和光純薬(株)製、純度:99.2重量%)41.64g、炭酸ストロンチウム23.05g、四酸化三コバルト24.99g、酸化セリウム(IV)60.32gをそれぞれ秤量し、実施例1と同様の手順にて複合材料前駆体を粉末として得、実施例1と同様の焼成条件で得られた焼成物を水中に入れて攪拌し、スラリー化した後、該スラリーを直径1mmのジルコニアビーズを粉砕メディアとして使用し、遊星ボールミルを用いて、回転数180rpmで該スラリーのD50が0.6μmとなるまで粉砕し(粉砕時間:47分)、50重量%SSC−50重量%SDCの複合材料を得た。得られた複合材料を実施例1と同様に評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 2021197361
表1及び図5に示されているとおり、複合材料の焼結体の(界面の長さ/電子伝導性材料の粒子数)と、700〜850℃の温度域での電気抵抗値から求めた複合材料の電極反応の活性化エネルギーとの間には正の相関が確認され、また(界面の長さ/電子伝導性材料の粒子数)の値が13μm以下である複合材料は、800℃未満の低温度域を含む広い温度域で電極抵抗値が低く、電極反応の活性化エネルギーが低い材料であることが確認された。また、実施例1〜6で得られた複合材料は、比較例1で得られた複合材料と比べて電子伝導性材料の粒子数の割合が多く、この値が10%以上である複合材料は、800℃未満の低温度域を含む広い温度域で電極抵抗値が低く、電極反応の活性化エネルギーが低いことが確認された。また本発明の製造方法は、このような800℃未満の低温度域を含む広い温度域で電極抵抗値が低く、電極反応の活性化エネルギーが低い複合材料を簡便にかつ環境に高い負荷をかけることなく製造できることが確認された。

Claims (7)

  1. 下記式(1);
    1−pSrCoO3−δ (1)
    (式中、Xは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<p<1である。δは酸素欠損量を表す。)で表される電子伝導性材料と下記式(2);
    Ce1−q2−q/2 (2)
    (式中、Aは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<q<1である。)で表されるイオン伝導性材料との複合材料を製造する方法であって、
    該製造方法は、電子伝導性材料とイオン伝導性材料を構成する金属元素を含有する化合物を含む原料を混合して原料混合物を得る混合工程と、
    該原料混合物を加熱装置に導入して800〜1300℃で焼成する工程とを含み、
    該原料が含むSr含有化合物は、炭酸塩であり、Sr以外の金属元素を含有する化合物のうち少なくとも1つは、炭酸塩である
    ことを特徴とする複合材料の製造方法。
  2. 前記Sr以外の金属元素を含有する化合物のうちCo含有化合物が炭酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料の製造方法。
  3. 前記混合工程は、Sr以外の金属元素を含有する化合物に炭酸塩を少なくとも1つ含む原料を粉末又はスラリー状態で混合する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合材料の製造方法。
  4. 前記混合工程は、式(1)におけるX元素又は式(2)におけるA元素を含有する炭酸塩と、Ce又はCoを含有する炭酸塩を少なくとも含む原料を溶媒に溶解させて混合する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合材料の製造方法。
  5. 下記式(1);
    1−pSrCoO3−δ (1)
    (式中、Xは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<p<1である。δは酸素欠損量を表す。)で表される電子伝導性材料と下記式(2);
    Ce1−q2−q/2 (2)
    (式中、Aは、La、Sm、Gdから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0<q<1である。)で表されるイオン伝導性材料との複合材料であって、
    該複合材料をプレス成形し、焼成することにより得られる密度が4.5〜6.5g/cmの焼結体の断面を電子顕微鏡にて撮影した4.5μm×6.0μmの視野において、下記方法により測定される、電子伝導性材料粒子の数に対する、電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの比(界面の長さ/電子伝導性材料粒子数)が0μmより大きく、13μm以下であることを特徴とする複合材料。
    <電子伝導性材料粒子とイオン伝導性材料粒子が接している界面の長さの測定方法>
    上記焼結体断面の反射電子像を、輝度範囲の指定による2値化でイオン伝導性材料相、電子伝導性材料相、空孔相に分け、各相の周囲長を計算し、下記式により算出する。
    (電子伝導性材料相とイオン伝導性材料相の界面の長さ)=(電子伝導性材料相の周囲長+イオン伝導性材料相の周囲長−空孔相の周囲長)/2
    <電子伝導性材料粒子の数の測定方法>
    上記2値化処理後の2値化領域における閉じた領域を1個の粒子とみなし、それらを全て数えた数を電子伝導性材料粒子の数とする。
  6. 前記電子伝導性材料粒子の数とイオン伝導性材料粒子の数の総数に対する電子伝導性材料粒子の数の割合が、10%以上であることを特徴とする請求項5に記載の複合材料。
  7. 請求項5又は6に記載の複合材料を用いてなることを特徴とする燃料電池用電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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