JP6006111B2 - セラミックスラリーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分散媒とセラミック粒子とを含有するセラミックスラリーの製造方法に関する。
近年、燃料電池セルの研究開発が精力的に進められている。たとえば、固体酸化物形燃料電池セルは、その動作温度が高温であるため発電効率が高く、第三世代の発電システム用のセルとして大いに期待されている。
このような固体酸化物形燃料電池セルは、従来、たとえば、互いに平行な一対の平坦面を有し、内部に燃料ガスを流通させるための燃料ガス流路を有するとともに、Niを含有してなる導電性の多孔質支持基板を有するものが知られている。そして、この多孔質支持基板の一方側主面上には、燃料極層、固体電解質層、酸素極層が順に積層され、他方側主面上にはインターコネクタ層が積層されている。
燃料極層および酸素極層は、三層界面・反応表面積を増加させるため、微粒子で構成され、より多くの粒子表面に気体を供給するために微細な気孔を含む多孔質構造が要望されている。燃料極層および酸素極層は、たとえば、多孔質セラミックスによって構成される。
多孔質セラミックスは、セラミック粒子と各種添加剤とを分散媒に分散させたスラリーを基板表面に塗布し、熱処理することで形成される。セラミック粒子は、通常大径の粗粒子を粉砕して所望の粒子径の粒子を得ている。
特許文献1記載の粉砕方法は、固相反応させた仮焼粉を有機溶媒または水溶媒に分散させて高濃度スラリーとし、ジルコニアなどの粉砕メディアを混合して粉砕している。粉砕後に、有機成分などを熱処理で除去したものを原料粉末として使用し、これに溶媒を添加して多孔質セラミックス作製用のスラリーを得る。
特許文献1の粉砕方法では、BaTiO粉末を容器に収容し、さらに、水、分散剤と、粒径5mmのセラミックボールを添加し、平均粒子径1μmの原料粉末を得ている。
また、特許文献2記載の粒子の製造方法は、複数の有機金属塩を混合し、熱処理して有機成分を除去するとともに、複数の金属イオンを反応させて結晶化させ、混合粉砕することにより原料粉末を得て、これに有機成分を添加してスラリーを作製する。
特開平6−279094号公報 特開2004−216544号公報
しかしながら、特許文献1記載のスラリーでは、スラリー中のセラミック粒子の平均粒子径はせいぜい1μmであり、スラリー中に分散しているセラミック粒子が大きく、燃料極層および酸素極層の原料スラリーとして用いた場合に、セラミックス層の粒径が小さくならず微細気孔の多孔質構造が得られない。
また、特許文献2記載のスラリーでは、原料粉末の粒径を小さくするために、粒成長を抑制しようとすると、原料粉末を合成する温度を低くする必要があり、未反応物の存在や複数の金属イオンによる結晶化が低いという問題が生じる。一方、結晶化度を高くしようとして、合成温度を上げると、原料粉末の粒径が大きくなるという問題がある。
本発明の目的は、セラミックス層を構成する粒子の微細化を図ることができるセラミックスラリーの製造方法を提供することである。
発明のセラミックスラリーの製造方法は、LaCoO 系セラミックスまたはLaFeO 系セラミックスからなるセラミック粗粒子と、分散媒と、平均径が1〜4mmでZrO からなる第1セラミックボールとの混合物を容器内に収容し、該容器内の混合物を攪拌する第1混合工程と、
平均径が前記第1セラミックボールより小さく、平均径が0.02〜0.07μmでZrO からなる第2セラミックボールを前記容器内に収容し、該第2セラミックボールを含む混合物を攪拌し、前記セラミック粗粒子が粉砕され、動的光散乱法によって測定される平均粒子径が100nm以下のセラミック微粒子が分散媒に分散したセラミックスラリーを作製する第2混合工程と、を具備することを特徴とする。
発明のセラミックスラリーの製造方法によれば、第1混合工程で、第1セラミックボールを用いて凝集したセラミック粗粒子を解砕し、第2混合工程で、第1セラミックボールよりも平均径が小さい第2セラミックボールを用いてセラミック粗粒子を粉砕することで、平均粒子径が100nm以下のセラミック微粒子を分散媒に分散させたセラミックスラリーを得ることができる。
固体酸化物形燃料電池1の構成を示す断面図である。 中間層5および酸素極層6の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM:10万倍)の写真である。 酸素極層の気孔径分布を示すグラフである。 酸素極層の各温度での分極抵抗を示すグラフである。
<セラミックスラリー>
ラミックスラリーは、分散媒とセラミック微粒子とを含有しており、このセラミック微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法によって測定された平均粒子径で100nm以下であり、かつセラミック微粒子を0.1質量%以上含有するものである。セラミック微粒子は、分散媒中に分散している。
ラミックスラリー(以下、単にスラリーということがある)における分散媒は、セラミック微粒子を分散させることができる媒体であればよく、たとえば、有機溶媒または水を用いることができる。有機溶媒としては、セラミックスラリーの作製に一般的に使用されるもの、たとえば、アルコール溶媒を使用でき、セラミック微粒子の分散性を図ることができるという観点からは、メタノールを使用することが好ましい。有機溶媒には、さらに、カチオン性界面活性剤などをセラミック微粒子の分散性向上のために用いることができる。
セラミックスラリーにおけるセラミック微粒子の含有量は、0.1質量%以上である。スラリー中におけるセラミック微粒子の含有量は、1質量%以上であることが望ましく、上限については、30質量%以下であり、望ましくは20質量%以下、特には10質量%以下が望ましい。スラリー中のセラミック微粒子の含有量の好適範囲は、1〜20質量%であり、望ましくは1〜10質量%である。
セラミック微粒子の含有量を0.1質量%以上としているのは、セラミック微粒子の含有量が0.1質量%よりも少ないと、スラリーを用いてセラミック層を作製する際に、たとえば、スラリーを複数回塗布しなければ所定の厚みを得ることができず、工程数が多くなるからである。
また、スラリー中に分散したセラミック微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法によって測定された平均粒子径で100nm以下である。動的光散乱法は、液体の分散媒中に分散しているセラミック微粒子などの粒子にレーザ光を照射し、その散乱光を所定の散乱角に配置した光子検出器で受光し、散乱光強度の自己相関関数から平均粒子径および粒度分布を測定する方法である。動的光散乱法による粒子径の測定範囲は7μm以下とされている。動的光散乱法で測定される粒子径は、分散媒中に分散した粒子の粒子径であるので、セラミック微粒子単体の粒子径と、セラミック微粒子が凝集した凝集粒子の粒子径とが区別なく含まれる。
動的光散乱法による粒子径の測定は、JIS Z8826に「粒子径解析−光子相関法」として規定されており、本発明のセラミックスラリーに含有されるセラミック微粒子の平均粒子径は、JIS Z8826に準拠した測定方法で測定した平均粒子径である。
本発明のセラミックスラリーにおけるセラミック微粒子は、LaCoO系セラミックスまたはLaFeO系セラミックスを構成材料とする微粒子を用いることができる。セラミック微粒子の構成材料としては、その他の酸素極を形成する複合酸化物、たとえばLaSrMnOなどであってもよく、さらには、CeO、Gaが固溶したCeO、ZrO、Fe、Al、NiO、Coなどであってもよいことは勿論である。
<セラミックスラリーの製造方法>
次に、本発明のセラミックスラリーの製造方法について説明する。本発明の製造方法は、第1混合工程と第2混合工程の2つの混合工程を具備する。
第1混合工程では、所定の容器内に、セラミック粗粒子、分散媒および第1セラミックボールを収容し、これらの混合物を撹拌する。
第1混合工程における混合物の混合割合は、たとえば、セラミック粗粒子が0.03〜10質量%、第1セラミックボールが55〜75質量%であり、残部を分散媒とする。
セラミック粗粒子は、2つの混合工程を経て、解砕および粉砕されるなどしてセラミック微粒子となるものである。セラミック粗粒子の平均粒子径は、たとえば、0.3〜1μmである。また、セラミック粗粒子の構成材料は、セラミック微粒子と同様の構成材料を用いる。
セラミック粗粒子は、熱処理して仮焼合成された粒子について、凝集物を解砕し、粒子を粉砕したものを用いる。たとえば、LaSrCoFeOについては、LaSrCoFeOを構成するLa、SrCO、Co、Feの各粉末を混合し、これを仮焼合成し、ペロブスカイト型結晶であるLaSrCoFeOを得る。そののち、解砕、粉砕して平均粒子径が0.3〜1μmのセラミック粗粒子を得る。平均粒子径は、SEM写真などの顕微鏡写真を撮像し、インターセプト法により求めることができる。
また、容器内に収容される分散媒は、セラミックスラリーの分散媒となるものが使用される。分散媒としては、セラミックスラリーの作製に一般的に使用されるもの、たとえば、アルコール溶媒を使用でき、セラミック微粒子の分散性を図ることができるという観点からは、メタノールを使用することが好ましい。
粉砕媒体としての第1セラミックボールとしては、一般的にセラミック粗粒子を混合粉砕するものを使用できる。特に強度および硬度が高いジルコニア系のセラミックボールを用いることができる。第1セラミックボールの平均径は、1〜4mmである。平均径は、顕微鏡写真を撮像し、インターセプト法により求めることができる。
第1混合工程は、主に、凝集した状態のセラミック粗粒子を解砕する工程であり、セラミック粗粒子を粉砕する必要はないが、セラミック粗粒子の一部が粉砕されてもよい。
第1混合工程では、たとえば、セラミック粗粒子を解砕、粉砕可能であればどのような攪拌混合方法を用いてもよいが、遊星型ミル法で混合物を攪拌することが好ましい。遊星型ミル法は、混合物を収容する容器が自転し、さらに容器が公転する遊星運動によって大きな遠心力を発生させて、容器内の混合物を攪拌混合する。遊星型ミル法を用いることにより、凝集したセラミック粗粒子と第1セラミックボールとの衝突で容易にセラミック粗粒子の凝集を解砕することができる。第1混合工程で遊星型ミル法を用いる場合には、たとえば、自転回転数300〜2000rpm、公転回転数30〜2000rpm、自転/公転比1〜10、攪拌時間0.3〜3時間の条件で攪拌混合する。
次に、解砕されたセラミック粗粒子を含有する混合物から、第1セラミックボールを除去する。第1セラミックボールの除去は、容器内の混合物を、セラミック粗粒子は通過するが第1セラミックボールは通過できない粗さのメッシュで篩にかけることにより、メッシュに残った第1セラミックボールを除去することができる。
第1セラミックボールを除去したあとの混合物、すなわち解砕されたセラミック粗粒子と分散媒との混合物に、第1セラミックボールの平均径よりも小さい平均径の第2セラミックボールを添加する。
第2混合工程では、第2セラミックボールを含む混合物、すなわち解砕されたセラミック粗粒子と分散媒と第2セラミックボールとの混合物を容器内に収容し、混合物を攪拌する。第2混合工程によって、セラミック粗粒子が粉砕され、動的光散乱法によって測定された平均粒子径が100nm以下となるセラミック微粒子が分散媒に分散された本発明のセラミックスラリーが得られる。
第2混合工程で粉砕媒体として用いられる第2セラミックボールは、一般的にセラミック粗粒子を混合粉砕可能なものを使用できる。特に強度および硬度が高いジルコニア系のセラミックボールを用いることができる。第2セラミックボールの平均径は、第1セラミックボールの平均径よりも小さく、0.02〜0.07mmである。第2混合工程では、この比較的径が小さい第2セラミックボールを用いて攪拌することにより、セラミック粗粒子を平均粒子径が100nm以下の微粒子にまで細かく粉砕することができる。
第2混合工程では、たとえば、セラミック粗粒子を粉砕可能であればどのような攪拌混合方法を用いてもよいが、遊星型ミル法で混合物を攪拌することが好ましい。遊星型ミル法を用いることにより、解砕されたセラミック粗粒子と第2セラミックボールとの衝突でセラミック粗粒子を粉砕することができる。第2混合工程で遊星型ミル法を用いる場合には、第1混合工程よりも回転数を大きく、攪拌時間を長くし、例えば、自転回転数600〜2000rpm、公転回転数60〜2000rpm、自転/公転比1〜10、攪拌時間0.3〜10時間の条件で攪拌混合する。
最後に、平均粒子径が100nm以下のセラミック微粒子を含有する混合物を、セラミック微粒子は通過するが第2セラミックボールは通過できない粗さのメッシュで篩にかけることにより、メッシュに残った第2セラミックボールを除去し、分散媒にセラミック微粒子が分散されたセラミックスラリーが得られる。
本発明の製造方法では、第1混合工程で、凝集したセラミック粗粒子を解砕し、分散媒中にセラミック粗粒子を分散させることで、粉砕に適した混合物となり、粉砕効率を高めることができる。第2混合工程において、セラミック粗粒子に大きな粉砕エネルギを加えることにより、平均粒子径100nm以下の結晶性の高いセラミック微粒子が0.1質量%以上分散したスラリーを得ることができる。高温にて熱処理を行うと、粒成長が起こり粒子径は大きくなるが、結晶性の高いセラミック粒子が得られる。本発明では、高温にて処理された結晶性の高い粗粒子を粉砕しているため、結晶性の高いセラミック微粒子が得られる。セラミック粒子の結晶性については、X線回折測定装置(XRD)によるメインピークの半値幅などによって確認できる。
攪拌混合方法としては、大きな粉砕エネルギを得られるのであれば、遊星ミル法以外に、たとえば回転ミルを比較的高速で回転させてもよい。第2混合工程ではセラミック粗粒子に大きな粉砕エネルギを加える必要があるため、遊星ミル法を用いることが望ましい。
なお、上記したセラミックスラリーの製造方法では、第1セラミックボールを用いた第1混合工程の後、第2混合工程で第2セラミックボールを用いて混合したが、さらに、平均径が第2セラミックボールよりも小さい第3セラミックボールで混合する第3混合工程を行ってもよい。このような第3混合工程を行うことにより、さらに、セラミック微粒子の平均粒子径を小さくすることができる。
なお、上記形態では、第2混合工程において第1セラミックボールを除去した後、第2セラミックボールを添加したが、第1セラミックボールを除去することなく、第2セラミックボールを追加した場合であっても粉砕が可能である。
<固体酸化物形燃料電池>
本発明のセラミックスラリーを用いて作製した固体酸化物形燃料電池について説明する。
図1は、固体酸化物形燃料電池1の構成を示す断面図である。固体酸化物形燃料電池(以下、単に燃料電池ということがある)1は、図1に示すように、複数の層が積層された構成であり、固体電解質層4の一方の主面に、中間層5を介して酸素極層6が配置され、固体電解質層4の他方の主面に燃料極層3が配置されている。固体酸化物形燃料電池1は、固体酸化物形燃料電池であればどのような形態であってもよく、平板型燃料電池、中空平板型燃料電池、円筒型燃料電池などがある。
酸素極層6は、平均粒子径50〜300nmのLaCoO系セラミックスまたはLaFeO系セラミックスからなるセラミック粒子で構成された多孔質層であり、気孔径が10〜200nmの範囲内にある気孔が、全気孔の70%以上である。
燃料極層3は、電極反応を生じさせるものであり、多孔性の導電性セラミックスにより形成することが好ましい。たとえば、希土類元素が固溶したZrOまたは希土類元素が固溶したCeOと、Niおよび/またはNiOとから形成することができる。なお、ZrOまたはCeOに固溶させる希土類元素としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luを用いることができ、安価であるという点からY、Ybが望ましい。燃料極層3は、例えばYが固溶したZrO(YSZ)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。
燃料極層3中の安定化ZrOまたは安定化CeOの含有量は、燃料極層3全体に対して、35〜65体積%の範囲にあるのが好ましく、またNiあるいはNiOの含有量は、65〜35体積%であるのが好ましい。さらに、この燃料極層3の気孔率は、15%以上であり、特に20〜40%の範囲にあるのが好ましく、その厚みは、1〜30μmである。気孔率は、断面のSEM写真を2値化処理し、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて、画像解析により算出することができる。
固体電解質層4は、3〜15モル%のY、Sc、Ybなどの希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックスを用いるのが好ましい。また、希土類元素としては、安価であるという点からYが好ましい。さらに、固体電解質層4は、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、かつその厚みが5〜50μmであることが好ましい。固体電解質層4は、ランタンガレート系、セリア系等のZrO系以外の固体電解質層であっても良い。
中間層5は、固体電解質層4と酸素極層6との接合を強固とするとともに、固体電解質層4の成分と酸素極層6の成分とが反応して電気抵抗の高い反応層が形成されることを抑制する目的で形成されている。なお、中間層5は必須の構成ではないので必ずしも設ける必要は無い。
ここで、中間層5としては、たとえば、CeとCe以外の他の希土類元素とを含有する組成にて形成することができ、例えば、(CeO1−x(REO1.5(式中、REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数)で表される組成を有していることが好ましい。さらには、電気抵抗を低減するという点から、REとしてSmまたはGdを用いることが好ましく、例えば15〜25モル%のSmO1.5またはGdO1.5が固溶したCeOからなることが好ましい。
酸素極層6としては、LaFeO系セラミックスまたはLaCoO系セラミックスの少なくとも1種が好ましく、600〜1000℃程度の燃料電池作動温度において電気伝導性が高いという点からLaCoO系セラミックスが特に好ましい。なお、前述のペロブスカイト型酸化物においては、Bサイトに、CoとともにFeまたはMnが存在してもよい。
また、酸素極層6は、ガス透過性を有する必要があり、従って、酸素極層6の気孔率は20%以上、特に30〜50%の範囲であることが好ましい。さらに、酸素極層6の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが好ましい。気孔率は、断面のSEM写真(10万倍)を2値化処理し、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて、画像解析により算出することができる。
酸素極層6は、平均粒子径が50〜80nmのLaCoO系セラミック粒子またはLaFeO系セラミック粒子で構成されており、気孔径が10〜200nmの範囲内にある気孔が全気孔の70%以上である。
気孔径が10〜200nmにある気孔の割合(%)は、後述する気孔径分布において、全気孔に対する10〜200nmの気孔径の存在量(%)であり、気孔径の分布曲線と頻度0%の直線とで囲まれる全面積に対して、気孔径の分布曲線と、頻度0%の直線と、気孔径が10nmを示す縦軸に平行な直線と気孔径が200nmを示す縦軸に平行な直線とで囲まれる面積の割合で示される。
図2は、中間層5および酸素極層6の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM:10万倍)の写真である。
顕微鏡写真を見ると、酸素極層6はセラミック粒子が集合して構成されており、粒子間の間隙が気孔となってガス透過性を示すことがわかる。
酸素極層6は、中間層5の表面に、本発明のセラミックスラリーを1回または複数回塗布し、熱処理することにより得られる。
・セラミックスラリーの作製
(第1混合工程)
45mlの容積を有するジルコニア製容器に、セラミック粗粒子としてLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8(LSCF)粉末(平均粒子径0.6μm)を1.5質量%、分散媒としてメタノールを27質量%、第1セラミックボールとして平均径2mmのZrOボールを71.5質量%混合し、ジルコニア容器内の混合物を遊星型ミル(P−7:FRITCH社製)にて自転回転数1000rpm、公転回転数500rpm、自転/公転比2、攪拌時間1時間の条件で攪拌を行い、セラミック粗粒子を分散媒中で解砕した。
(第2混合工程)
篩にて第1セラミックボールとしてのZrOボールを取り除き、解砕されたセラミック粗粒子と分散媒との混合物に、第2セラミックボールとして平均径0.05mmのZrOボール71.5質量%を添加し、上記遊星型ミルを用いて自転回転数1600rpm、公転回転数800rpm、自転/公転比2、攪拌時間1時間の条件にて攪拌を行った。
最後に篩にて第2セラミックボールとしてのZrOボールを取り除き、粉砕されたセラミック微粒子5質量%が分散媒中に分散されたスラリーを得た。スラリー中のセラミック微粒子の平均粒子径をJIS Z8826に準拠して動的光散乱法により測定したところ30nmであった。
上記のようにして得られたスラリーを試料No.1のスラリーとし、表1に示すように、製造条件を変更して試料No.2〜9のスラリーを製造した。
なお、試料No.3および試料No.9は、比較例であり、試料No.1,2,4〜8はセラミックスラリーの製造方法の実施例である。
比較例の試料No.3は、第2混合工程において、第1混合工程と同じ平均径のセラミックボールを用いており、スラリー中のセラミック微粒子の平均粒子径が200nmであった。比較例の試料No.9は、第2混合工程を実施せず、第1混合工程を24時間実施し、スラリー中のセラミック微粒子の平均粒子径が600nmであった。いずれも、セラミック粗粒子が十分に粉砕されず、平均粒子径が100nm以下のセラミック微粒子が得られなかった。
実施例の試料No.1,2,4〜8は、全て平均粒子径が100nm以下のセラミック微粒子が得られた。
・固体酸化物形燃料電池の作製
を8モル%固溶した安定化ZrO(YSZ)からなる固体電解質層の一方の主面に、Gdを20モル%固溶したCeO(GDC)からなる中間層を形成し、他方の面にNiおよびYSZからなる燃料極層を形成した。この後、表1に示すセラミックスラリーを、中間層の一方の主面に塗布し、乾燥する工程を繰り返し、700℃で熱処理して、厚みが50μmの酸素極層を形成し、固体酸化物形燃料電池を得た。
酸素極層について、セラミック粒子の平均粒子径、気孔径が10〜200nmの気孔が全ての気孔に占める割合、気孔率、分極抵抗について評価した。
酸素極層を構成するセラミック粒子の平均粒子径は、断面のSEM写真を撮影し、一定の長さの直線を引いて、直線が通る粒子の個数を求め、一定の長さを個数で割った値より算出した(インターセプト法)。
酸素極層の気孔径分布は、図2に示した断面のSEM写真(10万倍)を2値化処理し、画像解析ソフト(ImageJ)を用いて、画像解析により算出した。
図3は、酸素極層の気孔径分布を示すグラフである。横軸は、気孔径(μm)を示し、縦軸は頻度(%)を示す。G1は、実施例である試料No.1を用いて作製した酸素極層の気孔径分布を示し、G2は、比較例である試料No.9を用いて作製した酸素極層の気孔径分布を示している。
G1は、G2に比べて分布全体が小径側にあり、試料No.1を用いて作製した酸素極層の気孔径は、試料No.9を用いて作製した酸素極層の気孔径よりも小径であることがわかる。
気孔径が10〜200nmの気孔が全気孔に占める割合は、気孔径分布において、全気孔に対する10〜200nmの気孔径の存在量(%)であり、図3の分布曲線と頻度0%の直線とで囲まれる全面積に対して、図3の分布曲線と、頻度0%の直線と、気孔径が10nmを示す縦軸に平行な直線と気孔径が200nmを示す縦軸に平行な直線とで囲まれる面積の割合から算出した。
比較例である試料No.3の割合は65%であり、試料No.9の割合は30%であり、いずれも70%未満で、気孔径が比較的大径に分布していることがわかる。
表1に示すように、セラミックスラリーの製造方法の実施例である試料No.1,2,4,6,7は、割合が全て70%以上であり、気孔径が比較的小径に分布していることがわかる。
酸素極層の分極抵抗は、次のようにして求めた。ポテンショガルバノスタット内蔵型の周波数応答解析装置(FRA)を用いて、電流をセルに入力し、インピーダンスを求める。また、周波数を変化させ、インピーダンススペクトルを得ることによりNaiquistプロットを作成し、等価回路によるフィッティングにより、酸素極層の分極抵抗を求めた。測定条件は、初期電流0mA、電流振幅0.03mAの条件にて行った。なお、発電時の燃料電池の温度が、500〜800℃で変化しうるため、500℃、600℃、700℃、800℃の各温度雰囲気下で酸素極層の分極抵抗を測定した。
図4は、酸素極層の各温度での分極抵抗を示すグラフである。横軸は温度の逆数(K−1)を示し、縦軸は分極抵抗(Ωcm)を示す。L1は、実施例である試料No.1を用いて作製した酸素極層の分極抵抗を示し、L2は、比較例である試料No.9を用いて作製した酸素極層の分極抵抗を示している。
いずれの温度条件においても、L1がL2を下回っており、試料No.1を用いて作製した酸素極層の分極抵抗は、試料No.9を用いて作製した酸素極層の分極抵抗よりも低いことがわかる。
1 固体酸化物形燃料電池
3 燃料極層
4 固体電解質層
5 中間層
6 酸素極層

Claims (3)

  1. LaCoO系セラミックスまたはLaFeO系セラミックスからなるセラミック粗粒子と、分散媒と、平均径が1〜4mmでZrOからなる第1セラミックボールとの混合物を容器内に収容し、該容器内の混合物を攪拌する第1混合工程と、
    平均径が前記第1セラミックボールより小さく、平均径が0.02〜0.07μmでZrOからなる第2セラミックボールを前記容器内に収容し、該第2セラミックボールを含む混合物を攪拌し、前記セラミック粗粒子が粉砕され、動的光散乱法によって測定される平均粒子径が100nm以下のセラミック微粒子が分散媒に分散したセラミックスラリーを作製する第2混合工程と、を具備することを特徴とするセラミックスラリーの製造方法。
  2. 前記第2混合工程において、前記容器内から前記第1セラミックボールを除去した後、前記第2セラミックボールを前記容器内に収容し、該第2セラミックボールを含む混合物を攪拌することを特徴とする請求項1に記載のセラミックスラリーの製造方法。
  3. 前記第2混合工程において、前記容器内の第2セラミックボールを含む混合物を遊星型ミル法で攪拌することを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックスラリーの製造方法。
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