JP4931362B2 - 燃料電池セル及び燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池セル及び燃料電池に関し、特に酸素極を改善した燃料電池セル及び燃料電池に関するものである。
従来より、固体電解質形燃料電池は発電効率が高く、第3世代の発電システムとして期待されている。特に、低温で作動するシステムが要求されている。
一般に、固体電解質形燃料電池セルには、円筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セルは、発電の単位体積当たりの出力密度は高いという特徴を有するが、実用化に関してはガスシール不完全性やセル内の温度分布の不均一性などの問題がある。それに対して、円筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いものの、セルの機械的強度が高く、またセル内の温度の均一性が保てるという特徴がある。両形状の固体電解質形燃料電池セルとも、それぞれの特徴を生かして積極的に研究開発が進められている。
円筒型燃料電池セルの構造は、支持管として多孔性の酸素極を形成し、その表面に固体電解質、燃料極がこの順に設けられ、表面にインターコネクターが形成されている。このような燃料電池セルを1000℃程度の温度に保持するとともに、支持管内部に空気(酸素)を、外部に燃料ガス、例えば、水素、メタン、プロパン、都市ガス等を供給することにより行なわれる。
一方、平板型燃料電池セルの構造は、固体電解質の一方に多孔性の酸素極が、他方に多孔性の燃料極が設けられている。そして、セル同士を接合するため、セパレータが燃料電池セルを挟持するように配置されている。
このような円筒型及び平板型の固体電解質形燃料電池セルの酸素極は、一般に酸素空孔を含むペロブスカイト型酸化物粉末をスクリーン印刷法により固体電解質に塗布し、大気雰囲気中で1000〜1200℃で焼き付けて形成されていた。特にLa−Sr−Co系酸化物は、材料表面および内部にて酸素を拡散する性質があり、低温での動作性に優れるため広く使用されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
従来、酸素極として、電子伝導性を有するペロブスカイト複合酸化物粒子と希土類の固溶したCeO粒子を混合することにより、長時間の運転による性能劣化(分極の増加)を抑制するものが知られている(例えば特許文献2参照)。
特開平08−130018号公報 特開平11−214014号公報
しかしながら、従来の酸素極では、電子伝導性を有するペロブスカイト複合酸化物粒子とCeO粒子を複合化することにより、耐久性を向上できるものの、電極性能を向上させることができないという問題があった。即ち、CeO粒子は、イオン伝導度は高いが酸化雰囲気での電子伝導性が低いため、反応場(1/2O+2e→O2−)への電子の供給が速やかに行なわれず、電極反応の促進を期待することができなかった。
本発明は、高い電子伝導性を有するCeO粒子と電子伝導性を有するペロブスカイト複合酸化物粒子を複合化した酸素極を用い、長期安定性に優れ、低温での電極性能に優れた燃料電池セルとそれを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池セルは、固体電解質の片側に酸素極、他側に燃料極を設けてなる燃料電池セルにおいて、前記酸素極が、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を有し、かつCeと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子を、電子伝導性を有するペロブスカイト型複合酸化物からなる第2粒子上に複合化してなるとともに、前記第1粒子は、中央部とその周囲に形成された表面層とを具備し、該表面層は、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなることを特徴とする。
このような燃料電池セルでは、表面層に、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物が存在するため、1/2O+[Vo・・]→Oo+2hの反応の他に、Ce4+→Ce3++hの反応により、多くのホールが発生し、表面層に電子伝導性が付与され、中央部のイオン伝導性と表面層の電子伝導性が共存することになる。粒子表面部分の電子伝導性が向上する結果、第1粒子を、電子伝導性を有する第2粒子上に複合化させてなる酸素極材料は、電極反応に必要な電子を反応場に速やかに供給することが可能であり、電極特性が著しく向上する事となる。
このような効果は、第1粒子の粒径が1μm以下(BET0.5m/g以上)で顕著に現れる。このような微構造を有する希土類固溶セリア粒子と、(La,Sr)(Co,Fe)O粒子(LSCF)や(Sm、Sr)CoO粒子(SSC)のようなペロブスカイト型複合酸化物とを複合化し、酸素極を形成することで、酸素極の反応抵抗を小さくでき、これにより出力密度を向上し、低温作動を可能とすることができる。
また、本発明の燃料電池セルは、前記第1粒子の表面層は、前記第1粒子の中央部よりも希土類元素Reが多く存在することを特徴とする。前記表面層は、該第1粒子の中央部よりも1.2倍以上希土類元素Reが多く存在することが望ましい。
このような燃料電池セルでは、第1粒子の表面部に、粒子内部よりも希土類元素が多く存在することにより、表面層の電子伝導性をさらに向上することができる。従って、粒子表面、粒子間の電子伝導性が向上すると同時に、粒子内部においては、高いイオン伝導率を維持することができる。特に、第1粒子の表面層は、中央部よりも1.2倍以上希土類元素Reが多く存在することにより、表面層に、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物が生成し易くなり、1/2O+[Vo・・]→Oo+2hの反応の他に、Ce4+→Ce3++hの反応により、多くのホールが発生する為、表面層に電子伝導性が付与され、中央部のイオン伝導性と表面層の電子伝導性が共存することになる。
さらに、本発明の燃料電池セルは、前記第1粒子の平均粒径が1μm以下であり、該第1粒子の表面層の厚みが0.4nm以上であることを特徴とする。第1粒子の表面層の厚みを0.4nm以上とすることにより、電子伝導性を向上させることができる。
また、第1粒子は、一般式(CeO1−x(ReO3/2(xは、0.1≦x≦0.4、ReはCe以外の希土類元素)で表される複合酸化物であることが望ましい。希土類元素Reは、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、Y及びYbのうち少なくとも1種であることが望ましい。これにより、第1粒子のイオン伝導率が十分に高く、上記表面層の存在による電子伝導性の向上により、電極性能を向上させることができる。
また、第2粒子の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする。このような燃料電池セルでは、酸素極と酸素ガスとの反応面積が大きくなる為、電極性能が向上する。
本発明の燃料電池は、上記燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなることを特徴とする。このような燃料電池では、燃料電池セルの出力密度が向上するため、全体としての発電効率を向上できる。
本発明の燃料電池セルは、表面層に、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物が存在するため、1/2O+[Vo・・]→Oo+2hの反応の他に、Ce4+→Ce3++hの反応により、多くのホールが発生し、欠陥が多量に含まれ、表面層に電子伝導性が付与され、中央部のイオン伝導性と表面層の電子伝導性が共存することになる。粒子表面部分の電子伝導性が向上する結果、第1粒子を、電子伝導性を有するペロブスカイト型複合酸化物からなる第2粒子上に複合化させてなる酸素極材料は、電極反応に必要な電子を反応場に速やかに供給することが可能であり、電極特性を著しく向上することができる。
本発明は、円筒型、平板型、中空平板型等の各種の固体電解質形燃料電池セルに適用されるものである。図1は、燃料電池セルの断面図を示すもので、燃料電池セルは、固体電解質1を燃料極3及び酸素極5で挟持して構成されている。
固体電解質1は絶縁性の緻密質焼結体からなり、Y、Yb等の希土類元素が固溶したZrO、Y、Yb等の希土類元素が固溶したCeOから構成されている。
燃料極3は、金属(例えばNi等)及び/又は金属酸化物(例えばNiO等)から構成され、多孔質導電性材料から構成されている。
そして、本発明の燃料電池セルの酸素極5は、図2に示すように、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を有し、かつCeと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子7を、電子伝導性の第2粒子9上に複合化して構成されている。この第1粒子7は、図3に示すように、中央部7aとその周囲に形成された表面層7bとを具備しており、表面層7bは、第1粒子7の中央部7aよりも希土類元素Reが多く存在している。
このように希土類元素Reを第1粒子の表面に多く存在させることにより、第1粒子の電子伝導性の向上とこれを用いた酸素極の電極性能の向上が可能となる。特に、電子伝導性の向上という点から、表面層7bは、中央部7aよりも1.2倍の希土類元素Reが多く存在することが望ましい。
表面層7bは、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物(以下異相ということもある)から構成されている。このような異相では、1/2O+[Vo・・]→Oo+2hの反応の他に、Ce4+→Ce3++hの反応により、多くのホールが発生する為、電子伝導性を著しく向上できる。尚、中央部7aは、4価のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物から構成されており、この中央部7aはイオン伝導性が高く、前述した表面層7bと中央部7aを有する第1粒子7を用いて酸素極を形成することにより、電子伝導性及びイオン伝導性に優れた酸素極を得ることができる。
即ち、本発明によれば、希土類元素の固溶したCeO系酸化物よりなる第1粒子7の表面部に、粒子内部よりも希土類元素が多く存在することにより、粒子表面部分の電子伝導性がさらに向上する。その結果、該第1粒子7を、電子伝導性を有する第2粒子9上に複合化させてなる酸素極5は、電極反応に必要な電子を反応場に速やかに供給することが可能であり、電極特性を著しく向上させることができる。
希土類元素の固溶したCeO系酸化物よりなる第1粒子7の平均粒径が1μm以下であることが望ましく、この第1粒子7の表面層7bの厚みが0.4nm以上であることが望ましい。第1粒子7の平均粒径を1μm以下とすることにより、希土類元素の多く存在する表面部、Ceと希土類元素を含有する異相を多く存在させることができる。その結果、電子伝導性の向上が顕著となり、酸素極の特性が更に向上する。また、比表面積の増加により、酸素の吸着解離能を高く保持することができるとともに、複合化粒子同士の接触を良好にし、イオン伝導性と電子伝導性の向上が著しくなる。この観点から、第1粒子7の平均粒径は、0.5μm以下、特に好ましくは0.1μm以下とすることが望ましい。
また、表面層7bの厚みは、電子伝導度の向上という点から0.4nm以上が望ましい。
第1粒子7は、一般式(CeO1−x(ReO3/2(xは、0.1≦x≦0.4、ReはCeを除く希土類元素)で表される複合酸化物であり、固溶している希土類元素Reは、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、Y及びYbのうち少なくとも1種であることが望ましい。特には、Sm、Gdが好ましい。第1粒子中の希土類元素Re量は、0.1〜0.4mol%、特には0.1〜0.2mol%が好ましい。添加量をこの範囲とする事により、導電性を良好なものとすると同時に結晶構造を安定化することができる。
電子伝導性を有する第2粒子9としては、(La、Sr)(Co、Fe)Oや(Sm、Sr)CoOなどのペロブスカイト型酸化物粒子が好ましく、平均粒径は、それぞれ1μm以下、特には0.6μm以下であることが好ましい。このような粒径で複合化することにより、酸素の吸着解離能を高く保持することができるとともに、複合化粒子同士の接触を良好にし、イオン伝導性と電子伝導性の向上が著しくなる。
酸素極5は、(CeO1−x(ReO3/2粒子である第1粒子7を10〜40質量%、ペロブスカイト型酸化物粒子である第2粒子9を60〜90質量%から構成されている。この配合比においては、電子伝導度とイオン伝導度が十分に高く、微粒子間の焼結が抑制されるので、長期安定性と電極性能に優れた酸素極を作製できる。特には、電子伝導性とイオン伝導性、酸素吸着解離性能を高める観点から、第1粒子7を20〜30質量%、第2粒子9を70〜80質量%から構成することが望ましい。
特に、酸素極5の700℃における反応抵抗が0.7Ω・cm以下であることが望ましい。これにより、700℃において、電極反応による電圧降下が小さく、高い出力を得ることができる。ここで、反応抵抗Rは、酸素極と燃料極で生じる過電圧をη、電流をIとした時、R=(δη/δI)I=0と定義される。この反応抵抗は、電極の表面に白金メッシュとリード線を取り付け、電極間に0.1Hz〜1MHzの交流を印加し、コールコールプロットの実数切片から計算できる。
さらに酸素極厚みは3μm以上、特に10μm以上、更には20μm以上であることが好ましい。酸素極厚みを大きくすることで、酸素極の総表面積を拡張し、吸着酸素量を増大し、電極性能を良好なものとすることができる。
本発明の燃料電池セルの酸素極の製法について説明する。先ず、希土類元素Reの固溶したCeO系酸化物粉末を、共沈法やしゅう酸塩法で合成して作製する。例えば、Ceイオンと希土類イオンの溶解した溶液に、炭酸アンモニウム等の沈殿剤を添加し、生成したCeとReの炭酸塩を仮焼することによって、希土類固溶セリア粉末を得ることができる。
このような希土類の固溶したCeO原料粉末と、電子伝導性を有する、例えば(La、Sr)(Co、Fe)Oや(Sm、Sr)CoOなどのペロブスカイト型酸化物粉末を混合する。混合方法は、乳鉢混合やボールミル、振動ミルなど、いかなる方法であっても良い。酸素極の作製方法は、希土類固溶セリア粉末と、電子伝導性を有するペロブスカイト型酸化物粉末を混合したものに溶剤を加え、ペーストとし、スクリーン印刷によって、固体電解質1上に塗布し、900℃〜1150℃で焼成したのち、高酸素分圧下でCeO粒子を熱処理する。
具体的には、大気圧(酸素分圧2×10Pa)より高い酸素分圧で、熱処理温度は700℃〜1000℃、熱処理時間は、1〜10時間とする。特に、800℃〜1000℃、酸素分圧5×10Pa以上が望ましく、さらには、900℃〜1000℃、酸素分圧1×10Pa以上であることが望ましい。
熱処理温度を700℃〜1000℃としたのは、700℃よりも低い場合には、CeOの酸化反応(1/2O+[Vo・・]→Oo+2h・)が十分に進まず、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物の生成が不十分となり、1000℃よりも高い場合には、粒子の焼結が進み、粒成長が起こり、電極の反応面積が低下する。また、酸素分圧を2×10Paより高くしたのは、これ以下では、CeOの酸化反応が十分に進まず、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物が生成されない為である。
このような熱処理条件で酸素極を作製することにより、粒子内部に比べ、粒子表層部において、希土類が多く存在するとともに、希土類の固溶したCeO粒子の表面層に、電子導電性とイオン導電性に優れたCe3+と希土類元素を含有する異相が存在することになる。この異相により、反応場への電子の供給が速やかに行なわれ、酸素極の特性が更に向上する。この異相では、[Vo・・]→Oo+2hの反応の他に、Ce4+→Ce3++hの反応により、多くのホールが発生する為、電子伝導性が極めて高くなる。尚、粒子内部に比べ、粒子表面において、希土類が多く存在することは、X線光電子分光分析により確認できる。
以上のようにして構成された燃料電池セルでは、希土類の固溶したCeO粒子の表面層に、電子導電性とイオン導電性に優れたCe3+と希土類元素を含有する異相が存在することになる。この異相により、反応場への電子の供給が速やかに行なわれ、酸素極の特性を著しく向上できる。また、酸素極の酸素イオン伝導性及び電子伝導性を有する第1粒子として、希土類濃度の高い厚み0.4nm以上の表面層を有する希土類固溶セリア粒子を用いることにより、酸素の吸着解離特性、電子伝導性をさらに向上できる。このような効果は、粒径が1μm以下(BET0.5m/g以上)で顕著に現れる。このような微構造を有する希土類固溶セリア粒子と、(La、Sr)(Co、Fe)Oや(Sm、Sr)CoOのようなペロブスカイト型複合酸化物とを複合化し、酸素極を形成することで、燃料電池セルの出力密度を向上し、低温作動を達成することができる。
本発明の燃料電池は、上記燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなるもので、このような収納容器には、燃料電池セルに空気及び水素を供給する供給手段が設けられている。
尚、上記形態では、酸素極の第1粒子の表面層が、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる例について説明したが、中央部まで4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなる第1粒子が存在する場合もある。
まず平均粒径0.5μmのNi粉末と8mol%のYが固溶した平均粒径0.1μmのZrO粉、有機バインダーを混合し、直径22mm、厚みが2mmの円板形状にプレス成形した。1100℃で仮焼することにより、燃料極支持体を作製した。次に、8mol%のYが固溶したYSZ粉末と有機バインダーとを混合して得られたスラリーを、スピンコーティングし、1300℃で焼成することにより、前記燃料極支持体上に厚みが20μmの固体電解質を形成した。
この固体電解質上に、下記のようにして酸素極を形成した。先ず、CeイオンとGdイオンの溶解した溶液に、炭酸アンモニウムを添加し、生成したCeとGdの炭酸塩を仮焼することによって、平均粒径100nmのGd0.2Ce0.81.9粉末(GDC)を作製した。
この粉末と、平均粒径2μmのLa0.6Sr0.4CoFe粉末(LSCF)とをLSCFが80質量%、GDCが20質量%となるように添加し、これにイソプロピルアルコールからなる溶剤とを添加し、ボールミルにて混合し、酸素極用のペーストを作製した。
このペーストを固体電解質上にスクリーン印刷により塗布し、大気中、1150℃で焼成したのち、酸素分圧1×10Pa、温度900℃で6時間熱処理し、厚み20μmの酸素極を作製した。
この酸素極を透過型電子顕微鏡により観察したところ、図2に示すようにGDCからなる平均粒径0.1μm(インターセプト法による)の第1粒子が、LSCFからなる平均粒径2μm(インターセプト法による)の第2粒子上に複合化されており、また、X線光電子分光分析により観察したところ、第1粒子は中央部とその周囲に希土類が多く存在する表面層とを有しており、表面層は、第1粒子の中央部よりも1.2倍以上のGdが存在していた。
第1粒子の表面層を、電子エネルギー損失分光法(EELS)により観察したところ、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物(異相)からなることを確認した。尚、EELSスペクトルにおいて、130eVにピークをもつ場合がCe4+、122eVにピークをもつ場合がCe3+である。
次に、燃料電池セルの燃料極側に水素ガスを流し、酸素極側に空気を流通させ、700℃まで加熱し、交流インピーダンス測定により酸素極の反応抵抗を求めたところ、酸素極の700℃における反応抵抗が0.48Ω・cmであった。反応抵抗は、電極の表面に白金メッシュとリード線を付け、電極間に0.1Hz〜1MHzの交流を印加し、コールコールプロットの実数切片から計算した。この結果を表1の試料No.1に記載した。また、LSCFの代わりにSSCを用いた場合も作製し、試料No.2記載した。尚、SSCとは、Sm0.5Sr0.5CoO粉末をいう。
酸素極を熱処理する酸素分圧を変更する以外は、上記実施例1と同様にして燃料電池セルを作製し、反応抵抗を測定し、その結果を表1の試料3、4に記載した。
比較例として、Gd0.2Ce0.81.9粉末(GDC)の平均粒径を1.5mとすること以外は、上記実施例1と同様にして燃料電池セルを作製した。反応抵抗を測定した結果を表1の試料5に記載した。また、熱処理を行なわないこと以外は、上記実施例1と同様にして燃料電池セルを作製した。反応抵抗を測定した結果を表1の試料6に記載した。
Figure 0004931362
表1より、本発明により作製した酸素極は、従来の酸素極に比べ、反応抵抗が低く、より高い発電特性を得られることが判る。
比較例の試料No.5は、GDCの平均粒径を1.5μmとしたものであるが、これと比較して実施例は、GDCの平均粒径を100nmとすることにより、比表面積が増加し、CeO粒子の電子伝導性が増加する為、電極性能が向上することが判る。
比較例の試料No.6は、酸化処理を施していないナノメートルサイズのGDC粒子を用いた酸素極材料であるが、実施例と比較することにより理解されるように、酸化処理を施すことにより、粒子表層に、Ce3+とGd3+よりなる異相が析出する為、電子伝導性が向上し、分極が小さくなることが判る。
本発明の燃料電池セルの断面図である。 図1の酸素極を示す概念図である。 図1の第1粒子を示す断面図である。
符号の説明
1・・・固体電解質
3・・・燃料極
5・・・酸素極
7・・・第1粒子
7a・・・中央部
7b・・・表面層
9・・・第2粒子

Claims (7)

  1. 固体電解質の片側に酸素極、他側に燃料極を設けてなる燃料電池セルにおいて、前記酸素極が、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を有し、かつCeと希土類元素Re(Ceを除く)を含有する第1粒子を、電子伝導性を有するペロブスカイト型複合酸化物からなる第2粒子上に複合化してなるとともに、前記第1粒子は、中央部とその周囲に形成された表面層とを具備し、該表面層は、4価より小さい価数のCeと希土類元素(Ceを除く)との複合酸化物からなることを特徴とする燃料電池セル。
  2. 前記第1粒子の表面層は、前記第1粒子の中央部よりも希土類元素Reが多く存在することを特徴とする請求項1記載の燃料電池セル。
  3. 前記表面層は、前記第1粒子の中央部よりも希土類元素Reが1.2倍以上多く存在することを特徴とする請求項2記載の燃料電池セル。
  4. 前記第1粒子の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
  5. 前記第1粒子は、一般式(CeO1−x(ReO3/2(xは、0.1≦x≦0.4、ReはCeを除く希土類元素)で表される複合酸化物であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の燃料電池セル。
  6. 前記第2粒子の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の燃料電池セル。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれかに記載の燃料電池セルを収納容器内に複数収納してなることを特徴とする燃料電池。
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