JP5544828B2 - ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液 - Google Patents
ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5544828B2 JP5544828B2 JP2009253337A JP2009253337A JP5544828B2 JP 5544828 B2 JP5544828 B2 JP 5544828B2 JP 2009253337 A JP2009253337 A JP 2009253337A JP 2009253337 A JP2009253337 A JP 2009253337A JP 5544828 B2 JP5544828 B2 JP 5544828B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composite ceramic
- fine particles
- ceramic fine
- zirconia composite
- nickel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Description
このSOFCでは、一般的には、燃料極は、固体電解質粒子と、燃料と酸化物イオンとの反応にて触媒となる物質との焼結体であるサーメットで構成され、一方、空気極は、固体電解質粒子と酸素を還元する触媒との複合粉体で構成されている。
そこで、固体電解質としての酸化物粒子と、触媒としての金属粒子とが、それぞれの粒子がより小さい粒子径で、より均一に混ざりあった、三相界面のより多い複合セラミックス粉体が望まれていた。
例えば、SOFCの燃料極においては、そのようなシングルナノレベルの三相界面の制御だけではなく、触媒からなる導電パスの繋がり方、供給される水素などの燃料の電極中での拡散を促進する細孔径・密度など、数十nmから数百nmレベルの構造の制御が必要となる。
前記ニッケルの前記酸化ジルコニウムに対する割合は0.1質量%以上かつ20質量%以下、かつ前記金属の前記酸化ジルコニウムに対する割合は0.1質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましい。
0.125 < B/(4×Z)< 1
を満たすモル量(B)の水酸基を含む塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させ、
次いで、この部分中和されたゾル溶液に、ニッケルイオン、前記金属のイオン、及びニッケルおよび前記金属以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とし、
次いで、この混合溶液を、前記ジルコニウム、前記ニッケル及び前記金属から生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ前記無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱することを特徴とする。
0.125 < B/(4×Z)< 1
を満たすモル量(B)の水酸基を含む塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させ、次いで、この部分中和されたゾル溶液に、ニッケルイオン、前記金属のイオン、及びニッケルおよび前記金属以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とし、次いで、この混合溶液を、前記ジルコニウム、前記ニッケル及び前記金属から生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ前記無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱するので、シングルナノメートルサイズの粒子径を維持するとともに、凝集することもない平均粒子径が1nm以上かつ20nm以下のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、容易に得ることができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、酸化ジルコニウムに固溶することで酸化ジルコニウムに酸素イオン伝導性を付与することが可能な金属(以下、金属Aと称することもある)とを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子であり、平均粒子径が1nm以上かつ20nm以下の微粒子である。
このジルコニア系複合セラミックス微粒子は、酸化ジルコニウムを基本成分とし、これに金属Aとニッケルが固溶した固溶体からなる微粒子、あるいは、酸化ジルコニウムに対して酸化ニッケルと金属Aの酸化物が固溶した複合酸化物からなる微粒子と言い換えることもできる。
金属Aの割合が0.1質量%未満になると、金属Aの添加効果が無くなるために、イオン導電性が消失するからであり、一方、20質量%を越えると、イオン導電性が低下するからである。
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液は、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下となるように分散媒中に分散させたものである。
特に、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子およびその分散液は、SOFCの燃料極を形成することが主用途であり、燃料極自体はカーボンや有機物を含まないので、燃料極を形成するための焼成時に、カーボン生成の虞がある多量に存在する表面処理剤や分散剤を除去する必要が生じ、好ましくないからである。
分散濃度が1質量%未満の場合、分散自体には問題はないが、分散液中のジルコニア系複合セラミックス微粒子の量が少なすぎることから、分散液を用いて成形体、例えばSOFCの燃料極を作製する場合に多量の分散液が必要となり、好ましくない。また、分散濃度が70質量%を越えると、分散する微粒子の凝集や沈降が生じたり、分散液自体がゲル化することとなり、その結果、安定した分散液を得ることが難しくなり、好ましくない。
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法は、ジルコニウム塩溶液に塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させる第1の工程と、この部分中和されたゾル溶液に、ニッケルイオン、金属Aのイオン、及びニッケルおよび金属A以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とする第2の工程と、この混合溶液を乾燥させた後、この乾燥固形物を、ジルコニウム、ニッケル及び金属Aから生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ前記無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱し、ジルコニア系複合セラミックス微粒子を得る第3の工程と、からなる方法である。
第1の工程では、部分中和物であるゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を得るために、上記のジルコニウム塩溶液に、このジルコニウム塩溶液中に含まれるジルコニウムイオンのモル量(Z)に対して、
0.125 < B/(4×Z)< 1
を満たすモル量(B)の水酸基を含む塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させる。
本工程で得られたジルコニウム酸化物前駆体はコロイド状態の超微粒子(コロイド粒子)となっている。
ここで、ニッケルイオン源としては、通常、ニッケル塩を含む溶液を用いることが好ましく、例えば、水溶性ニッケル塩であるニッケルの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩の群から選択された1種または2種以上の塩を含む水溶液が好適に用いられる。
この金属Aイオン源としては、これらの金属の中から選択される1種または2種以上の金属の塩を含む溶液が好適に用いられる。すなわち、上記の金属群から選択された金属の水溶性塩である塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、炭酸塩の群から選択された1種または2種以上の塩を含む水溶液が好適に用いられる。
このように、ジルコニウム酸化物前駆体にニッケルイオンおよび金属Aのイオンを添加することで、ジルコニア系複合セラミックス前駆体を得ることができる。
この無機塩を添加することにより、溶液中に存在するジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の凝集を初めとして、次の第3の工程における、ジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の融着や生成したジルコニア系複合セラミックス微粒子同士の融着、前駆体微粒子とジルコニア系複合セラミックス微粒子融着との融着を抑制することができ、生成したジルコニア系複合セラミックス微粒子の粒子径が粗大粒子化することを防止することができる。
ここで、添加量が20質量%未満では、溶液中に存在するジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の凝集や、後述する第3の工程におけるジルコニア系複合セラミックス前駆体の微粒子同士の融着、生成したジルコニア系複合セラミックス微粒子同士の融着、前駆体微粒子とジルコニア系複合セラミックス微粒子との融着を防止する効果が小さくなり、その結果、生成するジルコニア系複合セラミックス微粒子が粗大粒子化する虞が生じるので好ましくない。一方、この無機塩は回収・再利用が可能であるから、その添加量に上限は無いが、概ね400質量%以下である。
まず、第2の工程で得られた混合溶液を乾燥させ、乾燥固形物を得る。乾燥方法としては、混合溶液中の溶媒を散逸させることができればよく、ヒーター等による加熱乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、赤外線、マイクロ波等のエネルギー照射による乾燥等、通常の方法を用いることができる。これらの乾燥方法は、単独で行ってもよく、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
なお、この加熱処理工程は、上記の乾燥工程と連続して行ってもよく、また、この加熱処理工程における昇温過程を、上記の乾燥工程を兼ねることとしてもよい。
また、加熱処理温度の上限は、上述したように使用する無機塩により決定され、無機塩がジルコニア系複合セラミックス前駆体やジルコニア系複合セラミックス微粒子自体と反応を開始する温度、無機塩の溶融温度、および無機塩の分解温度、のうち、最も低い温度未満となる。
加熱処理時の雰囲気としては、大気雰囲気の他、酸素ガスの分圧が高い酸化性雰囲気を用いることが好ましいが、必要に応じて、Ar、N2等の不活性ガス雰囲気を用いることもできる。
さらに、微粒子の融着が生じないので、加熱処理温度を高めることが可能となることから、結晶性が高いナノメートルサイズのジルコニア系複合セラミックス微粒子を、容易にかつ大量に作製することが可能となる。
ここで、無機塩は水に溶解するので、まず、加熱処理生成物を水(純水やイオン交換水)で洗浄することで、無機塩を除去することができる。その方法としては、加熱処理生成物を粉砕し、純水などに分散溶解させた後、濾過や遠心分離などを用いて、無機塩を含む水溶液を除去すればよい。
この際、ニッケル、金属A及びこれらの酸化物の溶解状態を制御することで、ジルコニア系複合セラミックス微粒子中におけるニッケル、金属A、ジルコニウムの含有量を調整してもよい。
本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液は、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下となるように分散媒中に分散させることにより得ることができる。
分散方法としては、ボールミル、サンドミル等を用いた機械的分散処理方法を用いればよい。また、ジルコニア系複合セラミックス微粒子の表面を、無機酸、塩基、有機酸、分散剤、表面処理剤等を用いて化学的な処理を施してもよい。
一方、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子は、その製造工程の最終段階で水や酸による洗浄を行っており、この洗浄時点ではジルコニア系複合セラミックス微粒子はほぼ単分散の状態で凝集は起きていない。
すなわち、本実施形態のジルコニア系複合セラミックス微粒子を乾燥粉体として得る必要がなく、分散液として得られればよいのであれば、あえて乾燥粉体を作製する必要はない。
なお、分散媒置換を行う際に、分散媒の種類によってはジルコニア系複合セラミックス微粒子が凝集、沈降する可能性があるので、必要に応じて複数種の分散媒を組み合わせて使用する必要がある。水分散液であれば、このような分散媒置換を行う必要が無いので、この点からも分散媒は水とすることが好ましい。
そして、このジルコニア系複合セラミックス微粒子を用いてSOFC用燃料極を作製すれば、数十nmから数百nmレベルの構造を、粒子を組み上げて構築することが可能となり、特性の向上したSOFC用燃料極を得ることができる。
オキシ塩化ジルコニウム8水塩261gを純水4L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液に、アンモニア水(NH3:28質量%)34gを純水2Lに溶解させた希アンモニア水を攪拌しながら加え、ゾル状態の、ジルコニウム酸化物前駆体を含む溶液A−1を調整した。
このときのジルコニウムイオンのモル量Z1と、希アンモニア水の水酸基のモル量B1から求めたB1/(4×Z1)の値は、0.69となった。
このときの炭酸カリウムの添加量は、ゾル状態の溶液A−1中に含まれるジルコニウムイオンの酸化ジルコニウム換算値に対して150質量%であった。
さらに、得られた分散液E−1を乾燥させ、実施例1のジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1を得た。
さらに、紫外吸収分光光度計を用いて分散液E−1の透明性を評価したところ、波長800nm光の透過率が84.7%で透明性に優れており、透明性を低下させるとされている粒子径が100nm程度以上の粗大な粒子がほとんど含まれていないことが分かった。
また、X線回折装置を用いてジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1の粉末X線回折パターンを得、この粉末X線回折パターンにより化合物の同定を行った。その結果、この微粒子F−1はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなることが確認された。
なお、酸化ニッケルについては、粉末X線回折ピークが認められないことから、結晶粒子としてはほとんど存在せず、YSZと固溶していると考えられる。
さらに、エネルギー分散型蛍光X線でジルコニア系複合セラミックス微粒子F−1の組成比を求めたところ、各成分の存在比(質量%)は、NiO:Y2O3:ZrO2=1.5:12.4:86.1であった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
使用する硝酸ニッケル4水和物の量を95gとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液E−2及びジルコニア系複合セラミックス微粒子F−2を得た。
また、分散液E−2の透明性を実施例1と同様の方法で評価したところ、波長800nm光の透過率が70.4%であり、透明性を低下させるとされている粒子径が100nm程度以上の粗大な粒子が少量しか含まれていないことが分かった。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−2の平均粒子径を、実施例1と同様の方法で測定したところ、3.3nmであった。
また、この粉末X線回折パターンから、YSZの結晶子径は3.2nmであることが分かった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。また、粉末X線回折パターンの結果を図1に、ジルコニア系複合セラミックス微粒子F−2の透過型電子顕微鏡像を図2に、それぞれ示す。
塩化イットリウム6水和物73gを、塩化カルシウム2水和物16.3gに替えたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液E−3及びジルコニア系複合セラミックス微粒子F−3を得た。
また、分散液E−3の透明性を実施例1と同様の方法で評価したところ、波長800nm光の透過率が69%であり、透明性を低下させるとされている粒子径が100nm程度以上の粗大な粒子が少量しか含まれていないことが分かった。
また、得られたジルコニア系複合セラミックス微粒子F−3の平均粒子径を、実施例1と同様の方法で測定したところ、2.9nmであった。
また、この粉末X線回折パターンから、CSZの結晶子径は3.0nmであることが分かった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。また、粉末X線回折パターンの結果を図1に示す。
オキシ塩化ジルコニウム8水塩100g、塩化イットリウム6水和物16.1g及び塩化ニッケル4水和物11.1gを純水2L(リットル)に溶解させたジルコニウム塩溶液A−4を調製した。次いで水酸化ナトリウム60gを0.6Lの純水に溶解させた水酸化ナトリウム水溶液B−4を調製した。
このジルコニウム塩溶液A−4に、水酸化ナトリウム水溶液B−4を攪拌しながら加え、沈殿物C−4を生成した。
得られた沈殿物C−4は、濾過により回収した。
この沈殿物C−4を、乾燥機中、120℃にて24時間乾燥させた後、自動乳鉢により粉砕し、電気炉を用いて、大気中、500℃にて2時間加熱処理し、加熱処理生成物D−4を得た。
さらに、得られた分散液E−4を乾燥させ、比較例1のジルコニア系複合セラミックス微粒子F−4を得た。
得られた分散液E−4中には粗大粒子が多く、透明性が低く、静置しておくと粒子が沈降した。したがって、この分散液E−4については、平均分散粒子径の測定を行っていない。
また、X線回折装置を用いてジルコニア系複合セラミックス微粒子F−4の粉末X線回折パターンを得、この粉末X線回折パターンにより化合物の同定を行った。その結果、この微粒子F−4はイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなることが確認された。
なお、酸化ニッケルについては、粉末X線回折ピークが認められないことから、結晶粒子としてはほとんど存在せず、YSZと固溶していると考えられる。
さらに、エネルギー分散型蛍光X線でジルコニア系複合セラミックス微粒子F−4の組成比を求めたところ、各成分の存在比(質量%)は、NiO:Y2O3:ZrO2=2.0:13.5:84.5であった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
分散平均粒子径が7.5nmの10mol%イットリア安定化ジルコニア(10YSZ)のナノ粒子分散液(10YSZの固形分濃度:8.4質量%、pH:4.6)500gに、硝酸ニッケル6水和物5.00gをpH3.3の希硝酸90gに溶解した硝酸ニッケル水溶液を加えて攪拌し、pH:3.95のニッケルイオン含有10mol%イットリア安定化ジルコニア酸性分散液A−5を作製した。
次いで、この分散液A−5を水溶液B−5に滴下し、中和沈殿物C−5を得た。ここでは、アンモニア水(NH3:25質量%)を分散液A−5と同時に水溶液B−5に滴下し、水溶液B−5のpHを8に保持した。得られた沈殿物C−5は、濾過により回収した。
さらに、得られた分散液E−5を乾燥させ、比較例2のジルコニア系複合セラミックス微粒子F−5を得た。
得られた分散液E−5中には粗大粒子が多く、透明性が低く、静置しておくと粒子が沈降した。したがって、この分散液E−5については、平均分散粒子径の測定を行っていない。
また、X線回折装置を用いてジルコニア系複合セラミックス微粒子F−5の粉末X線回折パターンを得、この粉末X線回折パターンにより化合物の同定を行った。その結果、この微粒子F−5にはイットリア安定化ジルコニア(YSZ)と酸化ニッケル(NiO)とが含まれていることが確認され、したがって、この微粒子F−5はYSZとNiOとの混合物であることが分かった。
なお、酸化ニッケルについては、粉末X線回折ピークが微弱であることから、結晶粒子の算出を行うことができなかった。
さらに、エネルギー分散型蛍光X線でジルコニア系複合セラミックス微粒子F−5の組成比を求めたところ、各成分の存在比(質量%)は、NiO:Y2O3:ZrO2=8.5:12.6:78.9であった。
以上の結果をまとめて、表1に示す。
これは、部分中和法を用いておらず、さらに、生成した微粒子の凝集を防止するための無機塩も用いていないので、ジルコニア微粒子の凝集や融着が生じているからと考えられる。
これは、原料として従来のイットリア安定化ジルコニア微粒子を用いているために、部分中和法が使用できないこと、さらには、生成した微粒子の凝集を防止するための無機塩も用いていないことから、ジルコニア微粒子の凝集や融着が生じているからと考えられる。
Claims (4)
- 酸化ジルコニウムを主成分とし、ニッケルと、前記酸化ジルコニウムに固溶することで前記酸化ジルコニウムに酸素イオン伝導性を付与することが可能な金属とを含有するジルコニア系複合セラミックス微粒子であって、
平均粒子径は1nm以上かつ20nm以下であり、かつ、この平均粒子径のまま凝集していない状態であり、
前記金属は、サマリウム、イットリウム、スカンジウム、カルシウム、マグネシウムの群から選択される1種または2種以上であり、
前記ニッケルの前記酸化ジルコニウムに対する割合は0.1質量%以上かつ20質量%以下、かつ前記金属の前記酸化ジルコニウムに対する割合は0.1質量%以上かつ20質量%以下であることを特徴とするジルコニア系複合セラミックス微粒子。 - 請求項1記載のジルコニア系複合セラミックス微粒子を製造する方法であって、
ジルコニウム塩溶液に、このジルコニウム塩溶液中に含まれるジルコニウムイオンのモル量(Z)に対して、
0.125 < B/(4×Z)< 1を満たすモル量(B)の水酸基を含む塩基性溶液を加えてジルコニウム塩溶液を部分中和させて、ゾル状態のジルコニウム酸化物前駆体を含むゾル溶液を生成させ、
次いで、この部分中和されたゾル溶液に、ニッケルイオン、前記金属のイオン、及びニッケルおよび前記金属以外のイオンを含む無機塩を加えて混合溶液とし、
次いで、この混合溶液を、前記ジルコニウム、前記ニッケル及び前記金属から生成されるジルコニア系複合セラミックス微粒子の生成温度以上かつ前記無機塩の溶融温度未満または分解温度未満の温度にて加熱することを特徴とするジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法。 - 前記無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムの群から選択される1種または2種以上の金属イオンを含む硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩化物、ヨウ化物、臭化物、フッ化物、リン酸塩の群から選択される1種または2種以上の化合物であることを特徴とする請求項2記載のジルコニア系複合セラミックス微粒子の製造方法。
- 請求項1記載のジルコニア系複合セラミックス微粒子を、その含有率が1質量%以上かつ70質量%以下、かつ平均粒子径が1nm以上かつ20nm以下となるように分散媒中に分散させたことを特徴とするジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009253337A JP5544828B2 (ja) | 2009-11-04 | 2009-11-04 | ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009253337A JP5544828B2 (ja) | 2009-11-04 | 2009-11-04 | ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011098848A JP2011098848A (ja) | 2011-05-19 |
JP5544828B2 true JP5544828B2 (ja) | 2014-07-09 |
Family
ID=44190358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009253337A Active JP5544828B2 (ja) | 2009-11-04 | 2009-11-04 | ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5544828B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101743935B1 (ko) | 2016-09-07 | 2017-06-08 | 한국과학기술연구원 | 합금촉매를 담지한 전기분해용 고체산화물셀 연료극의 제조방법 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10882755B2 (en) | 2016-04-01 | 2021-01-05 | Pacific Industrial Development Corporation | Method of making mesoporous zirconium-based mixed oxides |
CN114394830B (zh) * | 2021-12-28 | 2023-06-09 | 中红外激光研究院(江苏)有限公司 | 一种高强度氧化锆陶瓷的制备方法 |
CN116864704B (zh) * | 2023-09-04 | 2023-11-24 | 中石油深圳新能源研究院有限公司 | 燃料电池的阳极材料及其制备方法、燃料电池及其阳极 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63201003A (ja) * | 1987-02-13 | 1988-08-19 | Taiyo Yuden Co Ltd | 板状複合酸化物及びその固溶体結晶微粒子並びにその製造方法 |
US4937212A (en) * | 1988-12-19 | 1990-06-26 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Zirconium oxide fibers and process for their preparation |
JP3117781B2 (ja) * | 1992-03-18 | 2000-12-18 | 財団法人ファインセラミックスセンター | 固体電解質型燃料電池用電極材料の作製方法 |
JP3336851B2 (ja) * | 1996-02-28 | 2002-10-21 | 東陶機器株式会社 | Ni/YSZサーメット原料粉末の製造方法 |
JP2006016236A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-01-19 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 金属酸化物ナノ粒子の製造方法 |
JP5028063B2 (ja) * | 2006-10-16 | 2012-09-19 | 行政院原子能委員會核能研究所 | ナノチャネル複合薄膜を具えた陽極構造及びその大気プラズマ溶射法の製造方法 |
JP2009227507A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | ジルコニア複合微粒子及びジルコニア複合微粒子分散液並びにジルコニア複合微粒子の製造方法 |
JP5401847B2 (ja) * | 2008-06-27 | 2014-01-29 | 住友大阪セメント株式会社 | 複合セラミックス粉体及びその製造方法並びに固体酸化物形燃料電池 |
-
2009
- 2009-11-04 JP JP2009253337A patent/JP5544828B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101743935B1 (ko) | 2016-09-07 | 2017-06-08 | 한국과학기술연구원 | 합금촉매를 담지한 전기분해용 고체산화물셀 연료극의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011098848A (ja) | 2011-05-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7061101B2 (ja) | 全固体二次電池用電極活物質、及びその製造方法、並びに全固体二次電池 | |
JP5466408B2 (ja) | リチウムベースの化合物のナノ粒子組成物および該ナノ粒子組成物を形成する方法 | |
Anjaneya et al. | Preparation and characterization of Ce1− xSmxO2− δ (x= 0.1–0.3) as electrolyte material for intermediate temperature SOFC | |
JP2008159495A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質およびその製造方法 | |
JP2010503606A (ja) | 二次電気化学セルで用いる活性材料を処理する方法 | |
JP5544828B2 (ja) | ジルコニア系複合セラミックス微粒子及びその製造方法並びにジルコニア系複合セラミックス微粒子分散液 | |
CN111370755A (zh) | 一种阴离子掺杂的离子导体材料及其制备方法和应用 | |
JPWO2013021974A1 (ja) | 酸化ニッケル微粉末及びその製造方法 | |
WO2009157546A1 (ja) | 複合セラミックス粉体及びその製造方法並びに固体酸化物形燃料電池 | |
JP5617717B2 (ja) | 複合セラミックス材料及びその製造方法並びに固体酸化物形燃料電池 | |
Ali Nowroozi et al. | Towards recycling of LLZO solid electrolyte exemplarily performed on LFP/LLZO/LTO cells | |
Li et al. | Performance of Nano-3YSZ toughened β’’-Alumina solid electrolyte prepared by EDTA-Zr (IV)/Y (III) complex as surface modifier | |
JP5388742B2 (ja) | 酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造方法 | |
JP2006016236A (ja) | 金属酸化物ナノ粒子の製造方法 | |
JP3160147B2 (ja) | 微細複合セラミックス粉末の製造方法、製造装置、該セラミックス粉末及び該セラミックス粉末を電極材料とする固体電解質型燃料電池 | |
JP6673511B1 (ja) | 固体酸化物形燃料電池空気極用の粉体およびその製造方法 | |
Wang et al. | The introduction of oxygen vacancy defects in Al-doped transition metal silicates derived from fly ash for high-performance aqueous potassium ion capacitor | |
JP5401847B2 (ja) | 複合セラミックス粉体及びその製造方法並びに固体酸化物形燃料電池 | |
JP6486518B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法 | |
CN106953111B (zh) | 一种钐掺杂氧化铈固体电解质粉末的制备方法 | |
JP2009102223A (ja) | バナジウム酸化物ナノ粒子の製造方法 | |
JP6161613B2 (ja) | 固体酸化物型燃料電池用燃料極材料の製造方法 | |
JP2013077571A (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 | |
JP5375063B2 (ja) | 複合セラミックス粉体及びその製造方法並びに固体酸化物形燃料電池 | |
JP6664881B2 (ja) | 燃料電池空気電極用複合酸化物粉末とその製造方法、燃料電池空気電極並びに燃料電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120816 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130924 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140415 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140428 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5544828 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |