JP2011098605A - 振動低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の始動時の振動の悪化を抑制できる振動低減装置を提供すること。
【解決手段】内燃機関2と、始動時に内燃機関を駆動するモータジェネレータ1との間でトルクを伝達する伝達経路3の振動を低減する振動低減装置4であって、アイドル回転数よりも低い周波数域に共振周波数を有する振動低減機構10と、振動低減機構と伝達経路とを接続または切断するクラッチ機構20とを備え、クラッチ機構は、伝達経路においてトルクを伝達し、かつ伝達するトルクを軸方向又は径方向の押圧力に変換できるカム機構5,6と、押圧力により係合するクラッチ6,8とを有し、カム機構は、内燃機関側からの入力トルクが、モータジェネレータ側からの入力トルクを上回る場合にクラッチが係合する押圧力を発生させ、内燃機関側からの入力トルクが、少なくともモータジェネレータ側からの入力トルクを下回る場合にはクラッチが係合する押圧力を発生させない。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動低減装置に関し、特に、内燃機関とモータジェネレータとの間でトルクを伝達する伝達経路の振動を低減する振動低減装置に関する。
従来、内燃機関を含む車両の振動系に振動低減装置を備える技術が知られている。例えば、特許文献1には、エンジンとモータとにより駆動される車両において、クランクシャフトを含む主慣性質量体と、フライホイールのマス部を含む副慣性質量体とを電磁クラッチにより接続または切断する技術が開示されている。上記特許文献1では、電磁クラッチを締結した場合、主慣性質量体と副慣性質量体とがコイルスプリングからなるバネによって結合した振動系が構成される。エンジン(内燃機関)の始動の際や停止の際に電磁クラッチを切り離すことで、共振による振動悪化が生じないとされている。
特開2005−121147号公報
しかしながら、特許文献1のように切り離しクラッチを設ける場合、クラッチの追加に加え、クラッチの係合力を与えるアクチュエータや、制御系、油圧系などが必要となり、高コスト・体積増加・重量増加が問題となる。また、クラッチを持たないハイブリッド車両においては、クラッチ係合力を発生させる装置が新たに必要となり、非常に実施が難しい。
本発明の目的は、内燃機関の始動時における振動の悪化を抑制することができる振動低減装置を提供することである。
本発明の振動低減装置は、内燃機関と、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関を駆動するモータジェネレータとが搭載された車両に設けられ、前記内燃機関と前記モータジェネレータとの間でトルクを伝達する伝達経路の振動を低減する振動低減装置であって、前記伝達経路と接続されることで前記伝達経路の振動を低減し、かつ前記内燃機関のアイドル回転数に対応する周波数と比較して低周波の周波数域に共振周波数を有する振動低減機構と、前記振動低減機構と前記伝達経路とを接続または切断するクラッチ機構とを備え、前記クラッチ機構は、前記伝達経路において前記内燃機関側と前記モータジェネレータ側との間でトルクを伝達し、かつ前記伝達するトルクを軸方向または径方向の押圧力に変換できるカム機構と、前記押圧力により係合して前記振動低減機構と前記伝達経路とを接続するクラッチとを有し、前記カム機構は、前記内燃機関が前記伝達経路を構成する部材を駆動する向きのトルクを正のトルクとして、前記内燃機関側から入力されるトルクが、前記モータジェネレータ側から入力されるトルクを上回る場合に前記クラッチが係合する前記押圧力を発生させ、前記内燃機関側から入力されるトルクが、少なくとも前記モータジェネレータ側から入力されるトルクを下回る場合には前記クラッチが係合する前記押圧力を発生させないことを特徴とする。
本発明の振動低減装置において、前記内燃機関を停止するときに、前記クラッチが係合する前記押圧力を前記カム機構が発生させない値に前記モータジェネレータの出力トルクを制御することを特徴とする。
本発明の振動低減装置において、前記カム機構は、前記伝達するトルクを軸方向または径方向の押圧力に変換し、かつ前記押圧力により互いに離間する方向に相対変位する第一部材と第二部材とを有し、前記第一部材と前記第二部材との前記押圧力の方向におけるギャップを検出するギャップ検出手段を備え、前記内燃機関を停止するときに、前記ギャップ検出手段の検出結果に基づいて、前記ギャップを増加させない値に前記モータジェネレータの出力トルクを制御することを特徴とする。
本発明の振動低減装置において、前記クラッチと前記振動低減機構とは、前記クラッチから前記振動低減機構へ前記正のトルクを伝達し、前記振動低減機構から前記クラッチへの前記正のトルクの伝達を阻止するワンウェイクラッチを介して接続されていることを特徴とする。
本発明の振動低減装置において、内燃機関と、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関を駆動するモータジェネレータとが搭載された車両に設けられ、前記内燃機関と前記モータジェネレータとの間でトルクを伝達する伝達経路の振動を低減する振動低減装置であって、前記伝達経路と接続されることで前記伝達経路の振動を低減し、かつ前記内燃機関のアイドル回転数に対応する周波数と比較して低周波の周波数域に共振周波数を有する振動低減機構と、前記振動低減機構と前記伝達経路とを接続または切断するクラッチ機構とを備え、前記クラッチ機構は、前記振動低減機構と接続された係合部と、前記係合部と対向する第一部材と、前記第一部材を前記係合部から離間する方向に付勢する付勢手段と、前記第一部材を挟んで前記係合部側と反対側に設けられた第二部材とを有し、前記係合部と前記第一部材とは、係合することで前記振動低減機構と前記伝達経路とを接続するクラッチを構成し、前記第一部材と前記第二部材とは、前記伝達経路における前記内燃機関側と前記モータジェネレータ側とに別個に設けられ、前記内燃機関側と前記モータジェネレータ側との間でトルクを伝達し、かつ前記伝達するトルクを軸方向または径方向の押圧力に変換できるカム機構を構成し、前記第一部材は、前記押圧力により前記係合部に向けて移動し、前記カム機構は、前記内燃機関が前記伝達経路を構成する部材を駆動する向きのトルクを正のトルクとして、前記内燃機関側から入力されるトルクが、前記モータジェネレータ側から入力されるトルクを上回る場合に前記クラッチが係合する前記押圧力を発生させ、前記内燃機関側から入力されるトルクが、少なくとも前記モータジェネレータ側から入力されるトルクを下回る場合には前記クラッチが係合する前記押圧力を発生させないことを特徴とする。
本発明にかかる振動低減装置は、内燃機関とモータジェネレータとの間の伝達経路のトルクを軸方向または径方向の押圧力に変換できるカム機構と、上記押圧力により係合して振動低減機構と伝達経路とを接続するクラッチとを有し、上記カム機構は、内燃機関側から入力されるトルクが、モータジェネレータ側から入力されるトルクを上回る場合にクラッチが係合する押圧力を発生させ、内燃機関側から入力されるトルクが、少なくともモータジェネレータ側から入力されるトルクを下回る場合にはクラッチが係合する押圧力を発生させない。これにより、内燃機関のアイドル回転数に対応する周波数と比較して低周波の周波数域に共振周波数を有する振動低減機構が、内燃機関の始動時に伝達経路から切断され、振動の悪化を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態にかかる振動低減装置の概略構成を示す図である。 図2−1は、振動低減装置のクラッチの解放状態を示す図である。 図2−2は、振動低減装置のクラッチの係合状態を示す図である。 図3−1は、エンジン始動時の動作を示す図である。 図3−2は、エンジン駆動により走行するときの動作を示す図である。 図4は、第3実施形態にかかる振動低減装置の要部の断面図である。 図5は、第3実施形態にかかる振動低減装置の動作を示すフローチャートである。 図6は、第4実施形態にかかる振動低減装置の概略構成を示す図である。 図7は、第5実施形態にかかる振動低減装置の概略構成を示す図である。
以下に、本発明にかかる振動低減装置の一実施形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
(第1実施形態)
図1から図3−2を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、内燃機関とモータジェネレータとの間でトルクを伝達する伝達経路の振動を低減する振動低減装置に関する。図1は、本発明にかかる振動低減装置の第1実施形態の概略構成を示す図、図2−1は、第1実施形態の振動低減装置においてクラッチが解放された状態を示す図、図2−2は、第1実施形態の振動低減装置においてクラッチが係合された状態を示す図である。
まず、図3−1および図3−2を参照して本実施形態の概要について説明する。図3−1は、エンジン始動時(MG駆動時)の動作について説明するための図、図3−2は、エンジン駆動により走行するときの動作について説明するための図である。
本実施形態の車両(図示せず)は、ハイブリッド車両であり、図3−1および図3−2に示すように、第1のモータジェネレータ(以下、単に「MG」とする)1、エンジン(内燃機関)2、エンジン2とMG1との間でトルクを伝達する伝達経路3、および振動低減装置4を備える。エンジン2またはMG1から伝達経路3に出力されたトルクは、図示しない駆動輪に出力される。MG1は、エンジン2から駆動されて発電し、あるいは、エンジン2の始動時に図示しないバッテリ等から電力の供給を受けてエンジン2を駆動するものである。また、MG1および伝達経路3を含むトランスミッションは、動力源として図示しない第2のモータジェネレータを備えている。第2のモータジェネレータの出力は、MG1およびエンジン2の出力と合成されて駆動輪に伝達される。車両は、第2のモータジェネレータの動力のみで走行するEV走行が可能に構成されている。
振動低減装置4は、振動低減機構10と、クラッチ機構20とを有する。振動低減機構10は、エンジン2と伝達経路3を含む振動系と接続されて振動系の振動を低減(吸収)するものであり、例えば、フライホイール(慣性体)、ダイナミックダンパ、振子ダンパ等であることができる。振動低減機構10は、エンジン2の運転時(通常使用域)における振動系に対する振動低減効果を発揮するように、エンジン2のアイドル回転数に対応する周波数以上の周波数の領域において、振動低減効果が高くなるように振動特性が設定(チューニング)される。その結果、振動低減機構10は、エンジン2のアイドル回転数に対応する周波数よりも低周波の領域(周波数域)に共振点(共振周波数)を有する。このため、エンジン2の始動時にエンジン回転数が上昇する過程で、共振点などでは振動が悪化したり、振子ダンパを振動低減機構10とした場合には異音が発生したりするなどの問題がある。
本実施形態の振動低減装置4は、HVトランスミッションにおいて、以下に説明するように、エンジン2の始動時にトルクが入力される方向の違いを利用して振動低減機構10を振動系から切り離すことで振動の悪化や異音の発生を防止する構造を有している。
クラッチ機構20は、振動低減機構10と伝達経路3とを接続または切断するクラッチを有しており、エンジン2から伝達経路3に入力されるトルクと、MG1から伝達経路3に入力されるトルクとの関係により機械的にクラッチを係合または解放する。伝達経路3において、エンジン2の運転時にエンジン2から入力されるトルクにより伝達経路3が回転する回転方向のトルクを正トルク、正トルクと反対の回転方向のトルクを負トルクとする。図3−1に示すエンジン2の始動時には、MG1からトルク(正トルク)が入力され、エンジン2は被駆動状態となる。言い換えると、エンジン2から伝達経路3に入力されるトルクは、MG1から伝達経路3に入力されるトルクと比較して小さい。このとき、クラッチ機構20においてクラッチが解放され、伝達経路3から振動低減機構10が切り離される。
一方、図3−2に示すエンジン駆動時、例えば、エンジン2の動力によりMG1が駆動されて発電する場合には、エンジン2から伝達経路3に入力されるトルクは、MG1から伝達経路3に入力されるトルクと比較して大きい。このとき、クラッチ機構20においてクラッチが係合し、伝達経路3と振動低減機構10とが接続され、振動系の振動が振動低減機構10により低減される。このように、エンジン駆動時には振動低減機構10により振動系の振動が低減される一方、エンジン2の始動時には振動低減機構10が振動系から切り離されることで、共振点における振動の悪化を抑制することができる。
次に、図1、図2−1および図2−2を参照して、振動低減装置4の構成等について説明する。
図1に示すように、MG1とエンジン2とは同軸上に配置されている。MG1の回転軸1aはエンジン2に向けて軸方向に伸び、エンジン2の回転軸2aはMG1に向けて軸方向に伸びている。エンジン2の回転軸2aにおけるMG1側の端部には、第一プレート(第二部材)5が設けられている。第一プレート5は、回転軸2aに固定されており、回転軸2aと一体回転する。MG1の回転軸1aにおけるエンジン2側の端部には、第二プレート(第一部材)6が設けられている。第二プレート6は、MG1の回転軸1aと一体回転すると共に回転軸1aに対して軸方向に相対移動可能である。言い換えると、第二プレート6は、第一プレート5に対して軸方向に相対移動可能である。
第一プレート5と第二プレート6とは軸方向に対向して噛合っており、MG1の回転軸1aとエンジン2の回転軸2aとは、第一プレート5と第二プレート6とを介してトルクを互いに伝達する。つまり、伝達経路3は、MG1の回転軸1a、エンジン2の回転軸2a、第一プレート5、および第二プレート6を含んで構成されている。MG1やエンジン2から伝達経路3に入力されたトルクは、第二プレート6の外周に形成された図示しないギヤから出力されて駆動輪に伝達される。
MG1の回転軸1aにおける第二プレート6よりもエンジン2側と反対側には、第三プレート7が設けられている。第三プレート7は、第二プレート6に対して所定の隙間をあけて軸方向に対向している。第三プレート7は、回転軸1aに固定されており、回転軸1aと一体回転する。
振動低減機構10は、MG1の回転軸1aと同軸上に回転可能に配置されている。振動低減機構10における内周側には、プレート部(係合部)10aが形成されている。プレート部10aは、軸方向と直交する円環状に形成されており、第二プレート6と第三プレート7との間に配置されている。プレート部10aにおけるエンジン2側およびMG1側のそれぞれには、摩擦材8が固定されている。摩擦材8は、プレート部10aにおける第二プレート6と軸方向に対向する位置、および第三プレート7と軸方向に対向する位置にそれぞれ設けられている。
第二プレート6と第三プレート7との間には、リターンスプリング(付勢手段)9が配置されている。リターンスプリング9は、圧縮された状態で第二プレート6と第三プレート7とに当接しており、第二プレート6および第三プレート7に対して軸方向に互いに離間する向きの付勢力を作用させている。これにより、第二プレート6は、エンジン2側に付勢されて第一プレート5と噛合う。また、リターンスプリング9の付勢力により、第二プレート6と第三プレート7との間の隙間の大きさは、摩擦材8に接触しない程度に保たれることができる。本実施形態では、クラッチ機構20は、第一プレート5、第二プレート6、第三プレート7、摩擦材8、およびリターンスプリング9を含んで構成される。また、クラッチ機構20のクラッチは、第二プレート6、第三プレート7、および摩擦材8を含んで構成される。クラッチ機構20において、第二プレート6および第三プレート7がそれぞれ摩擦材8と摩擦係合した状態を「クラッチの係合状態」と称し、第二プレート6および第三プレート7が、摩擦材8と摩擦係合していない(摩擦材8から離間した)状態を「クラッチの解放状態」と称する。
図2−1および図2−2は、図1のA−A断面を示す図である。図2−1および図2−2に示すように、第一プレート5と第二プレート6とは、第一プレート5の凸部51と第二プレート6の凹部61とで噛合っており、互いにトルクを伝達することができる。凸部51は、第一プレート5におけるMG1側に形成されており、MG1に向けて軸方向に突出している。凹部61は、第二プレート6におけるエンジン2側に形成されており、エンジン2から遠ざかる方向に凹んでいる。凸部51と凹部61とは対応する形状に形成されている。具体的には、凸部51は、基端部(エンジン2側)から先端部(MG1側)へ向かうにつれて回転方向の幅が減少するテーパ形状であり、かつ、回転方向の前方の面51aは、基端部から先端部へ向けて回転方向の後方へ向かう傾斜を有している。言い換えると、凸部51における回転方向の前方の面51aは、軸方向において第三プレート7と対向している。また、凸部51における回転方向の後方の面51bは、軸方向に沿って形成されている。言い換えると、凸部51における回転方向の後方の面51bは、回転方向と直交している。
凹部61の形状は、凸部51の形状と対応しており、エンジン2側からMG1側へ向かうにつれて回転方向の幅が減少するテーパ形状であり、かつ、回転方向の前方の面61aは、エンジン2と軸方向に対向している。また、凹部61における回転方向の後方の面61bは、回転方向と直交している。本実施形態では、伝達するトルクを軸方向の押圧力に変換するカム機構が、第一プレート5と第二プレート6により構成されている。
MG1からエンジン2を駆動するエンジン始動時には、図2−1に示すように、凹部61における回転方向の後方の面61bから凸部51における回転方向の後方の面51bにトルクが伝達される。この場合、トルクの向きと直交する面51b,61bを介してトルクが伝達されるため、第二プレート6はトルクの伝達によっては軸方向の力を受けない。第二プレート6は、リターンスプリング9の付勢力によりエンジン2に向かう方向に押圧されており、振動低減機構10のプレート部10aから離間している。言い換えると、カム機構は、エンジン2が伝達経路3を構成する部材(回転軸2a等)を駆動する向きのトルクを正のトルクとして、エンジン2側から入力されるトルクが、少なくともMG1側から入力されるトルクを下回る場合にはクラッチが係合する押圧力を発生させない。つまり、エンジン始動時には、振動低減機構10は、MG1の回転軸1aやエンジン2の回転軸2aを含む振動系から切り離されている。このため、エンジン2の回転数が上昇する過程で振動低減機構10の共振点に対応するエンジン回転数となっても、振動低減機構10が共振することがない。よって、エンジン2の始動時における振動の悪化や異音の発生を抑制することができる。
一方、エンジン2からトルクを伝える際、つまり、エンジン2から回転軸2aを介して第一プレート5に入力されるトルクが、MG1から回転軸1aを介して第二プレート6に入力されるトルクと比較して大きい場合には、図2−2に示すように、凸部51における回転方向の前方の面51aから凹部61における回転方向の前方の面61aにトルクが伝達される。このとき、第一プレート5と第二プレート6には、互いに離間する方向の軸方向の力(スラスト力)が作用する。第一プレート5には、軸方向のエンジン2側に向かう押圧力が作用し、第二プレート6には、軸方向のMG1側に向かう押圧力が作用する。第一プレート5はエンジン2の回転軸2aに対して相対移動不能に固定されており、軸方向に移動することができない。このため、第二プレート6が、リターンスプリング9の付勢力に抗してMG1側に移動する。これにより、第二プレート6が、振動低減機構10のプレート部10aをMG1側に押圧し、第二プレート6および第三プレート7がそれぞれ摩擦材8と摩擦係合する。言い換えると、カム機構は、エンジン2側から入力されるトルクが、MG1側から入力されるトルクを上回る場合にクラッチが係合する押圧力を発生させる。これにより、クラッチ機構20においてクラッチの係合状態が実現される。振動低減機構10が、MG1の回転軸1aやエンジン2の回転軸2aを含む振動系と接続されて振動系の振動を吸収し、振動を低減する。
なお、車両によっては、エンジン2の始動時に、エンジン2から第一プレート5に入力されるトルクが、MG1から第二プレート6に入力されるトルクと比較して大きくなった(エンジン駆動に切り替わった)時点で、エンジン回転数が、未だに振動低減機構10の共振点(共振点を含む共振点領域)よりも高回転となっていないことが考えられる。このような車両にあっては、エンジン2の始動時に、エンジン回転数が、振動低減機構10の共振点(共振点を含む共振点領域)に対応する回転数よりも上昇してからクラッチの係合状態となるように構成される。例えば、エンジン2の始動時に、エンジン2から第一プレート5に入力されるトルクが、MG1から第二プレート6に入力されるトルクと比較して大きくなってもすぐにはクラッチが係合せず、さらにエンジン2の出力トルクが増加してからクラッチが係合状態となるように、リターンスプリング9の付勢力(バネ特性)が設定される。
以上説明したように、本実施形態の振動低減装置4によれば、エンジン2の始動時には振動低減機構10が伝達経路3を含む振動系から切り離されて振動の悪化や異音の発生を抑制することができると共に、エンジン2の駆動時には振動低減機構10が伝達経路3を含む振動系と接続されて振動系の振動を低減することができる。本実施形態の振動低減装置4によれば、部品数の増加を抑制しつつクラッチの係合状態と解放状態とを所望の状態に切替えることが可能である。クラッチ係合のためのアクチュエータが不要であるため、低コスト化や省スペースを実現することができる。
また、本実施形態では、伝達経路3に入力されたトルクが、MG1の回転軸1aに設けられた第二プレート6から駆動輪に出力される。このように、トルクを伝達する第一プレート5および第二プレート6のうち、MG1側に配置された第二プレート6からトルクが出力されることで、エンジン2から第一プレート5に入力されるトルクが、MG1から第二プレート6に入力されるトルクと比較して大きいときに、より確実にクラッチを解放状態とすることができる。
なお、本実施形態では、MG1が、主としてエンジン2から駆動されて発電する発電機として機能する場合を例に説明したが、MG1は、バッテリ等から電力の供給を受けて主として車両を駆動するモータとして機能するものであってもよい。いずれの場合であっても、MG1が、エンジン2の始動時にエンジン2を駆動するものであればよい。
また、本実施形態では、振動低減機構10が、伝達経路3と同軸上に設けられていたが、振動低減機構10の配置は、これには限定されない。例えば、振動低減機構10が、伝達経路3と異なる軸上に配置され、かつ、振動低減機構10と伝達経路3との間がクラッチ機構20により接続または切断されるように構成されてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第1実施形態では、エンジン2の始動時の振動の悪化や異音の発生が抑制されたが、本実施形態では、これに加えて、エンジン2の停止時の振動の悪化等が抑制される。エンジン2の始動時だけでなく、エンジン2の停止時にも、エンジン回転数は振動低減機構10の共振点(共振点領域)を通過する。このときに、クラッチ機構20においてクラッチの係合状態であると、振動低減機構10が共振して振動の悪化や異音の発生を招く場合がある。
本実施形態では、エンジン2の停止時に、クラッチの解放状態を維持するようにMG1が制御される。具体的には、MG1の出力トルクをエンジン2の引き摺りトルクと比較して大きなトルクとすることでクラッチを解放状態とする。ここで、エンジン2の引き摺りトルクとは、エンジン2の停止時に、慣性や摩擦により回転軸2aを介して第一プレート5に入力されるトルクのことである。引き摺りトルクは、例えば、予め記憶されたマップにより、図示しない制御部により算出される。制御部は、例えば、エンジン回転数と引き摺りトルクとの関係を示すマップを記憶しており、検出されたエンジン回転数に基づいてマップを参照して引き摺りトルクを算出する。
制御部は、算出された引き摺りトルクに応じて、引き摺りトルクよりも大きなトルクをMG1から第二プレート6に出力させる。これにより、図2−1に示すように、第一プレート5と第二プレート6とのトルクの伝達は、回転方向の後方の面51b,61bを介して行われる。よって、リターンスプリング9の付勢力により、クラッチ機構20においてクラッチの解放状態となる。つまり、制御部は、エンジン2を停止するときに、クラッチが係合する押圧力をカム機構が発生させない値にMG1の出力トルクを制御する。その結果、エンジン2の停止時に、振動低減機構10の共振点を通過するときに振動低減機構10を振動系から切り離した状態とすることができ、振動の悪化や異音の発生を抑制することができる。
なお、上記のように引き摺りトルクよりも大きなトルクをMG1から第二プレート6に出力させる制御は、エンジンの停止指令が出力されてからエンジン2が完全に停止するまで継続してもよく、あるいは、エンジン回転数が、振動低減機構10の共振点を通過する間、例えば、共振点に対応する回転数を含む所定のエンジン回転数の領域に限定して実施してもよい。
(第3実施形態)
図4および図5を参照して第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記第2実施形態では、引き摺りトルクに基づいてMG1の出力トルクが制御された。これに代えて、本実施形態では、第一プレート5と第二プレート6とのギャップ(隙間)の大きさに基づいてMG1の出力トルクが制御される。エンジン2の停止時に、ギャップの大きさに基づいて、第二プレート6がクラッチの係合の方向に移動したと判定されたときは、MG1の負トルクを小さく、または正トルクを大きくする。言い換えると、ギャップを増加させない値にMG1の出力トルクが制御される。これにより、引き摺りトルクよりも大きなトルクをMG1から第二プレート6に出力させることができ、クラッチの解放状態とすることができる。
図4は、本実施形態にかかる振動低減装置34の要部の断面図である。図4に示すように、第一プレート5には、第一プレート5と第二プレート6とのギャップ(隙間)Gを検出するギャップセンサ(ギャップ検出手段)31が設けられている。ギャップセンサ31は、制御部30に接続されており、ギャップセンサ31の検出結果を示す信号が制御部30に入力される。制御部30は、たとえば、周知のマイクロコンピュータを含んで構成されたECUであり、MG1、エンジン2を含む車両の各部を制御する。
図5を参照して本実施形態のMG1の制御について説明する。図5は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、定期的に実行される。
まず、ステップS10では、制御部30により、エンジン停止か否かが判定される。制御部30は、エンジン2が停止過程にあるか否かを判定する。例えば、制御部30は、エンジン2の停止指令が出され、かつ、エンジン回転数が所定回転数の範囲にある場合にステップS10で肯定判定を行う。上記所定回転数は、例えば、0よりも大きく、エンジン2のアイドル回転数未満の範囲として設定される。ステップS10の判定の結果、エンジン2の停止過程にあると判定された場合(ステップS10−Y)にはステップS20に進み、そうでない場合(ステップS10−N)には本制御フローは終了する。
ステップS20では、制御部30により、ギャップGの大きさが閾値よりも大であるか否かが判定される。ステップS20では、第二プレート6がクラッチの係合の方向に移動しているか否かが判定される。上記閾値は、予め定められた値であり、ギャップGの最小値(例えば、リターンスプリング9の付勢力により、第二プレート6が最もエンジン2側に移動したときのギャップGの値)と、ギャップGの最大値(例えば、クラッチの完全係合状態のときのギャップGの値)との間の値に設定される。ギャップセンサ31の検出結果に基づいて、ギャップGの大きさが閾値よりも大であると判定された場合(ステップS20−Y)にはステップS30に進み、そうでない場合(ステップS20−N)には本制御フローは終了する。
ステップS30では、制御部30により、MGトルクが正であるか否かが判定される。ここで、MGトルクは、MG1の出力トルクの指令値でもよく、MG1の実際の出力トルクであってもよい。MGトルクが、回転軸1aの回転方向のトルク(正トルク)であると判定された場合(ステップS30−Y)にはステップS40に進み、そうでない場合(ステップS30−N)にはステップS50に進む。
ステップS40では、制御部30によりMGトルクが引き上げられる。制御部30は、MG1の出力トルクの指令値を正のままで絶対値を増加させる。言い換えると、制御部30は、MG1の出力トルクの指令値を増加させる。ステップS40が実行されると、本制御フローは終了する。
ステップS50では、制御部30によりMGトルクが引き下げられる。制御部30は、MG1の出力トルクの指令値を負のままで絶対値を減少させる。言い換えると、制御部30は、MG1の出力トルクの指令値を増加させる。なお、出力トルクの指令値を増加させるときに、出力トルクを正の値まで増加させてもよい。ステップS50が実行されると、本制御フローは終了する。
本実施形態によれば、エンジン2の停止時にエンジン2の引き摺りトルクを計算する必要がなく、確実に回転方向の後方の面51b,61bを介してトルクを伝達でき、クラッチの解放状態とすることができる。
(第4実施形態)
図6を参照して第4実施形態について説明する。第4実施形態については、上記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図6は、本実施形態にかかる振動低減装置44の概略構成を示す図である。図6に示すように、本実施形態の振動低減装置44では、振動低減機構10は、ワンウェイクラッチ40を介して伝達経路3側と接続される。これにより、以下に説明するように、エンジン2の停止時に特別な制御を必要とせず振動低減機構10を伝達経路3から切り離すことができる。伝達経路3と同軸上には、円環状の係合部材11が配置されている。係合部材11は、軸方向の第二プレート6と第三プレート7との間に配置されており、伝達経路3の中心軸線を回転中心として回転可能に支持されている。係合部材11におけるエンジン2側およびMG1側にはそれぞれ摩擦材8が取り付けられている。クラッチの係合時には、第二プレート6および第三プレート7がそれぞれ摩擦材8と摩擦係合し、係合部材11が伝達経路3と一体回転する。
振動低減機構10は、ワンウェイクラッチ40を介して係合部材11と接続されている。ワンウェイクラッチ40は、係合部材11から振動低減機構10に正のトルクを伝達し、振動低減機構10から係合部材11への正のトルクの伝達は阻止(空転)する。回転方向(正トルクの方向)における振動低減機構10の回転速度が、係合部材11の回転速度を上回る場合には、ワンウェイクラッチ40はトルクを伝達せず、空転する。
振動低減機構10と係合部材11とがワンウェイクラッチ40を介して接続されていることで、クラッチの係合状態からエンジン2を停止するときに、MG1に負トルクを発生させて急速にエンジン回転数を引き下げると、クラッチの係合状態は継続され、かつ、振動低減機構10の回転数が係合部材11の回転数よりも高くなる。このため、振動低減機構10と係合部材11との間でトルクが伝達されなくなる。これにより、以下のような効果を奏することができる。
エンジン2の停止時に特別な制御(例えば、ワンウェイクラッチ40が設けられていない構成においてクラッチの解放状態を維持する制御)を必要とせず、伝達経路3から振動低減機構10を切り離すことができる。また、エンジン2の停止時にMG1に負トルクを発生させることで伝達経路3の回転数を下げることができ、負トルクを発生させない場合と比較して、低回転の共振点領域を素早く通過できる。このため、エンジン2の停止時の振動・騒音をより効果的に低減することができる。また、エンジン2の停止後、エンジン2を再始動するときに、振動低減機構10が回転したままである場合が多く、この場合、蓄エネルギー効果によってエンジン2の再始動をアシストすることができる。これは、エンジン2の始動時にクラッチが係合状態となり、伝達経路3と振動低減機構10とが接続されるときに、振動低減機構10が回転していることで、振動低減機構10が停止した状態でクラッチが係合される場合と比較して、エンジン2の負荷が小さくなるためである。また、振動低減機構10が回転していると、エンジン2の始動時のクラッチ係合を滑らかにすることができる。また、エンジン2の停止過程や再始動の過程で係合部材11と比較して振動低減機構10が高速で回転しているため、伝達経路3側で急激なトルク変動が生じたとしても、ワンウェイクラッチ40は空転したままであり、振動低減機構10と伝達経路3との意図しない接続を抑制することができる。
(第5実施形態)
図7を参照して第5実施形態について説明する。第5実施形態については、上記各実施形態と異なる点についてのみ説明する。
上記各実施形態では、カム機構は、エンジン駆動時のトルクを軸方向の押圧力に変換してクラッチを係合状態とした。これに代えて、本実施形態のカム機構は、エンジン駆動時のトルクを径方向の押圧力に変換してクラッチを係合状態とする。
図7は、本実施形態の振動低減装置74の概略構成を示す図である。図7に示すように、本実施形態では、MG1の出力トルクとエンジン2の出力トルクとは、遊星歯車機構80で合成されて駆動輪に向けて出力される。エンジン2の回転軸2aにおけるエンジン2側と反対側の端部には、円盤形状の第四プレート71が配置されている。第四プレート71は、エンジン2の回転軸2aおよびMG1の回転軸1aと同軸上に配置されており、回転軸2aと一体回転する。
MG1の回転軸1aは、遊星歯車機構80のサンギヤ81に連結されており、サンギヤ81は回転軸1aと一体回転する。サンギヤ81と同軸上には、リングギヤ83が配置されている。リングギヤ83は、内周面および外周面にそれぞれギヤ部が形成されている。遊星歯車機構80の径方向におけるサンギヤ81とリングギヤ83との間には、ピニオンギヤ82が複数配置されている。ピニオンギヤ82は、サンギヤ81およびリングギヤ83とそれぞれ噛合っており、サンギヤ81およびリングギヤ83のそれぞれとの間でトルクを伝達する。サンギヤ81を介してMG1から入力されるトルクあるいはピニオンギヤ82を介してエンジン2から入力されるトルクは、リングギヤ83の外周面のギヤ部から駆動輪へ出力される。各ピニオンギヤ82は、サンギヤ81と同軸上に回転可能に支持されたキャリア84によりそれぞれ支持されている。
キャリア84には、回転軸79を介して第五プレート76、およびドラム77が接続されている。回転軸79は、キャリア84におけるエンジン2側にキャリア84と同軸上に接続されており、キャリア84と一体回転する。第五プレート76は、円盤形状をなしており、回転軸79を介してキャリア84と接続されている。第五プレート76におけるエンジン2側の面には、ドラム77が設けられている。ドラム77は、第五プレート76からエンジン2に向けて軸方向に突出しており、略円筒状をなしている。ドラム77は、第四プレート71の径方向外側に配置され、ドラム77の内周面は、第四プレート71の外周面と径方向に対向している。ドラム77は、周方向に複数のドラム構成部(第一部材)77aに分割されており、各ドラム構成部77aは、第四プレート(第二部材)71に対して径方向に相対移動可能に支持されている。
本実施形態のカム機構は、第四プレート71とドラム77とで構成されている。第四プレート71とドラム77とは、第四プレート71の凸部72とドラム構成部77aの凹部78とで噛合っており、互いにトルクを伝達することができる。凸部72は、第四プレート71における外周面に形成されており、ドラム構成部77aに向けて径方向外側に突出している。凹部78は、ドラム構成部77aにおける内周面に形成されており、径方向外側に(第四プレート71から遠ざかる方向に)凹んでいる。凸部72は、基端部(径方向内側)から先端部(径方向外側)へ向かうにつれて周方向の幅が減少するテーパ形状であり、かつ、回転方向の前方の面72aは、基端部から先端部へ向けて回転方向の後方へ向かう傾斜を有している。言い換えると、凸部72における回転方向の前方の面72aは、回転方向の後方へ向かうほど回転中心から離れている。また、凸部72における回転方向の後方の面72bは、径方向に沿っている。言い換えると、凸部72における回転方向の後方の面72bは、周方向と直交している。
凹部78の形状は、凸部72の形状と対応しており、径方向外側へ向かうにつれて周方向の幅が減少するテーパ形状となっている。凹部78における回転方向の前方の面78aは、回転方向の後方へ向かうほど回転中心から離れている。また、凹部78における回転方向の後方の面78bは、周方向と直交している。
振動低減機構10は、ドラム77の径方向外側に配置されている。振動低減機構10は、円環状に形成されており、回転軸79と同軸上に回転可能に支持されている。振動低減機構10の内周面には、摩擦材(係合部)73が設けられており、摩擦材73は、ドラム77の外周面と径方向に対向している。ドラム77と摩擦材73とで摩擦係合式のクラッチが構成されている。ドラム77のドラム構成部77aは、摩擦材73から離間する方向に付勢されており、カム機構により径方向外側に押圧されることで、付勢力に抗して摩擦材73と係合することができる。
MG1からエンジン2を駆動するエンジン始動時には、ドラム77が第四プレート71を回転方向に駆動することとなる。この場合、第四プレート71は、ドラム77に対して、矢印Y1に示すように、相対的に回転方向と反対方向に回転しようとする。これにより、ドラム構成部77aの凹部78における回転方向の後方の面78bから第四プレート71の凸部72における回転方向の後方の面72bにトルクが伝達される。この場合、トルクの向きと直交する面78b,72bを介してトルクが伝達されるため、ドラム構成部77aはトルクの伝達によっては径方向の力を受けない。上記のように、ドラム構成部77aは、径方向内側に向けて付勢されているため、エンジン2の始動時にはドラム構成部77aは摩擦材73から離間する。これにより、振動低減機構10は、伝達経路3やエンジン2を含む振動系から切り離される。本実施形態の振動低減装置74によれば、エンジン2の始動時に、エンジン2の回転数が上昇する過程で振動低減機構10の共振点に対応するエンジン回転数となっても、振動低減機構10が共振することがない。よって、エンジン2の始動時における振動の悪化や異音の発生を抑制することができる。
一方、エンジン2からトルクを伝える際、つまり、エンジン2から第四プレート71に入力されるトルクが、MG1側から回転軸79を介して第五プレート76に入力されるトルクと比較して大きい場合には、第四プレート71がドラム77を回転方向に駆動することとなる。この場合、第四プレート71は、ドラム77に対して、矢印Y2に示すように、相対的に回転方向に回転しようとする。これにより、第四プレート71の凸部72における回転方向の前方の面72aからドラム構成部77aの凹部78における回転方向の前方の面78aにトルクが伝達される。このとき、第四プレート71とドラム構成部77aには、互いに離間する方向の径方向の力が作用する。ドラム構成部77aには、径方向の外側に向かう押圧力が作用する。これにより、ドラム構成部77aは、径方向の内側に向かう付勢力に抗して径方向の外側に変位し、摩擦材73と摩擦係合する。クラッチが係合することで、振動低減機構10が、伝達経路3を含む振動系と接続されて振動系の振動を吸収し、振動を低減する。
(第5実施形態の変形例)
第5実施形態の変形例について説明する。第5実施形態において、更に、トルクが軸方向の押圧力に変換されてクラッチが係合される上記実施形態と同様に、エンジン2の停止時にクラッチの解放状態を維持するようにMG1の出力トルクが制御されてもよい。また、第5実施形態において、摩擦材73と振動低減機構10とが振動低減機構10から摩擦材73への正のトルクの伝達を阻止(空転)するワンウェイクラッチを介して接続されてもよい。
1 MG(第1のモータジェネレータ)
1a 回転軸
2 エンジン
2a 回転軸
3 伝達経路
4,34,44,74 振動低減装置
5 第一プレート
6 第二プレート
7 第三プレート
8 摩擦材
10 振動低減機構
11 係合部材
20 クラッチ機構
30 制御部
31 ギャップセンサ
40 ワンウェイクラッチ
51 凸部
61 凹部
71 第四プレート
76 第五プレート
77 ドラム
77a ドラム構成部

Claims (5)

  1. 内燃機関と、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関を駆動するモータジェネレータとが搭載された車両に設けられ、前記内燃機関と前記モータジェネレータとの間でトルクを伝達する伝達経路の振動を低減する振動低減装置であって、
    前記伝達経路と接続されることで前記伝達経路の振動を低減し、かつ前記内燃機関のアイドル回転数に対応する周波数と比較して低周波の周波数域に共振周波数を有する振動低減機構と、
    前記振動低減機構と前記伝達経路とを接続または切断するクラッチ機構とを備え、
    前記クラッチ機構は、前記伝達経路において前記内燃機関側と前記モータジェネレータ側との間でトルクを伝達し、かつ前記伝達するトルクを軸方向または径方向の押圧力に変換できるカム機構と、前記押圧力により係合して前記振動低減機構と前記伝達経路とを接続するクラッチとを有し、
    前記カム機構は、前記内燃機関が前記伝達経路を構成する部材を駆動する向きのトルクを正のトルクとして、前記内燃機関側から入力されるトルクが、前記モータジェネレータ側から入力されるトルクを上回る場合に前記クラッチが係合する前記押圧力を発生させ、前記内燃機関側から入力されるトルクが、少なくとも前記モータジェネレータ側から入力されるトルクを下回る場合には前記クラッチが係合する前記押圧力を発生させない
    ことを特徴とする振動低減装置。
  2. 請求項1に記載の振動低減装置において、
    前記内燃機関を停止するときに、前記クラッチが係合する前記押圧力を前記カム機構が発生させない値に前記モータジェネレータの出力トルクを制御する
    ことを特徴とする振動低減装置。
  3. 請求項2に記載の振動低減装置において、
    前記カム機構は、前記伝達するトルクを軸方向または径方向の押圧力に変換し、かつ前記押圧力により互いに離間する方向に相対変位する第一部材と第二部材とを有し、
    前記第一部材と前記第二部材との前記押圧力の方向におけるギャップを検出するギャップ検出手段を備え、
    前記内燃機関を停止するときに、前記ギャップ検出手段の検出結果に基づいて、前記ギャップを増加させない値に前記モータジェネレータの出力トルクを制御する
    ことを特徴とする振動低減装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の振動低減装置において、
    前記クラッチと前記振動低減機構とは、前記クラッチから前記振動低減機構へ前記正のトルクを伝達し、前記振動低減機構から前記クラッチへの前記正のトルクの伝達を阻止するワンウェイクラッチを介して接続されている
    ことを特徴とする振動低減装置。
  5. 内燃機関と、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関を駆動するモータジェネレータとが搭載された車両に設けられ、前記内燃機関と前記モータジェネレータとの間でトルクを伝達する伝達経路の振動を低減する振動低減装置であって、
    前記伝達経路と接続されることで前記伝達経路の振動を低減し、かつ前記内燃機関のアイドル回転数に対応する周波数と比較して低周波の周波数域に共振周波数を有する振動低減機構と、
    前記振動低減機構と前記伝達経路とを接続または切断するクラッチ機構とを備え、
    前記クラッチ機構は、前記振動低減機構と接続された係合部と、前記係合部と対向する第一部材と、前記第一部材を前記係合部から離間する方向に付勢する付勢手段と、前記第一部材を挟んで前記係合部側と反対側に設けられた第二部材とを有し、
    前記係合部と前記第一部材とは、係合することで前記振動低減機構と前記伝達経路とを接続するクラッチを構成し、
    前記第一部材と前記第二部材とは、前記伝達経路における前記内燃機関側と前記モータジェネレータ側とに別個に設けられ、前記内燃機関側と前記モータジェネレータ側との間でトルクを伝達し、かつ前記伝達するトルクを軸方向または径方向の押圧力に変換できるカム機構を構成し、
    前記第一部材は、前記押圧力により前記係合部に向けて移動し、
    前記カム機構は、前記内燃機関が前記伝達経路を構成する部材を駆動する向きのトルクを正のトルクとして、前記内燃機関側から入力されるトルクが、前記モータジェネレータ側から入力されるトルクを上回る場合に前記クラッチが係合する前記押圧力を発生させ、前記内燃機関側から入力されるトルクが、少なくとも前記モータジェネレータ側から入力されるトルクを下回る場合には前記クラッチが係合する前記押圧力を発生させない
    ことを特徴とする振動低減装置。
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