JP2008195207A - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造直後であっても乗員に与えられる振動やショックを抑制可能なハイブリッド車両の駆動装置を提供する。
【解決手段】製造直後のダンパ機構における摩擦材が所定の磨耗状態に達していない状態では、初期モードに設定される一方、摩擦材の磨耗状態が安定化した後には、通常モードに設定される。初期モードでは、通常モードに比較してエンジンの始動頻度がより高くなるように制御動作が実行される。エンジンの始動時および停止時に生じる比較的大きなトルク変動によって、摩擦材に対する摺動量の累積値を短時間の間で大きくでき、ダンパ機構のヒステリシス量を安定値まで早急に増大させることができる。
【選択図】図5
【解決手段】製造直後のダンパ機構における摩擦材が所定の磨耗状態に達していない状態では、初期モードに設定される一方、摩擦材の磨耗状態が安定化した後には、通常モードに設定される。初期モードでは、通常モードに比較してエンジンの始動頻度がより高くなるように制御動作が実行される。エンジンの始動時および停止時に生じる比較的大きなトルク変動によって、摩擦材に対する摺動量の累積値を短時間の間で大きくでき、ダンパ機構のヒステリシス量を安定値まで早急に増大させることができる。
【選択図】図5
Description
この発明は、エンジンおよび電動機を有するハイブリッド車両の駆動装置に関し、より特定的には、エンジンの出力側にダンパ機構が配置された構成に関する。
近年、エンジンおよび電動機(モータ)を動力源とするハイブリッド車両が実用化されている。このようなハイブリッド車両では、走行状況に応じて、エンジンを停止させて電動機からの駆動力のみによって走行したり、電動機によって車両の運動エネルギを回生したりすることで、高い燃料消費効率を実現できる。
このようなハイブリッド車両では、走行中でもエンジンが始動および停止されるため、エンジンの始動および停止によって生じるトルク変動を減衰させて、乗員に振動やショックを与えないようにする目的で、エンジンの出力側にダンパ機構が配置される場合がある。
このダンパ機構を伝達するトルクは、エンジンの作動状態やエンジンおよび電動機の出力に応じて、その伝達方向および伝達量が大きく変動する。そこで、特開2005−042701号公報(特許文献1)には、ダンパ機構(特許文献1では、トルクリミッタに相当)の耐久性を向上させることのできるハイブリッド駆動装置の制御装置が開示されている。このハイブリッド駆動装置の制御装置によれば、ダンパ機構に所定値以上のトルクが連続して入力された場合には、エンジンの出力トルクを低減するように制御される。
また、特開2006−029363号公報(特許文献2)には、歯車装置の歯打ち音を生じることなく、エンジンからトルクと伝達すると共に、エンジンをショックなく始動、停止することのできるハイブリッド型車両用動力伝達装置が開示されている。このハイブリッド型車両用動力伝達装置によれば、エンジン側からトルク伝達する正方向捩れにおいては少なくとも小ヒステリシストルクを生じ、エンジン側にトルク伝達する負方向捩れにおいては少なくとも大ヒステリシストルクを生じるダンパ機構を備える。
特開2005−042701号公報
特開2006−029363号公報
このようなダンパ機構は、エンジンからのトルク伝達経路に摩擦材を介挿し、この摩擦材で生じる摩擦力によって伝達トルクの許容量およびトルク変動の減衰量を調整している。そのため、ダンパ機構におけるトルクの伝達特性は、摩擦材の磨耗状態に応じて変化することになる。
一般的に、ダンパ機構に用いられる摩擦材は、車両が寿命となるまでの間、安定した磨耗状態を維持できるように設計される。一方、車両の製造直後、すなわちダンパ機構の「慣らし期間中」には、摩擦材の磨耗状態は過渡状態となっているため、ダンパ機構がトルク変動を十分に減衰させることができないことがある。
摩擦材の磨耗状態を安定化するためには、摩擦材を所定の程度まで摺動(慣らし動作)させる必要がある。ここで、製造時に、慣らし動作に相当するような摩擦材の摺動工程を追加することは、コスト性や生産性の面から実質的に不可能であり、ユーザの使用によって慣らし動作をせざるを得ない。そのため、車両の製造直後から慣らし期間が完了するまでの間において、乗員に与えられる振動やショックが相対的に大きくなり得るという問題があった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、製造直後であっても乗員に与えられる振動やショックを抑制可能なハイブリッド車両の駆動装置を提供することである。
この発明のある局面に従うハイブリッド車両の駆動装置によれば、車輪に連結された動力伝達部材と、動力伝達部材に並列に連結されたエンジンおよび電動機と、エンジンと動力伝達部材との間に配置され、摩擦材で発生する摩擦力によってトルクを伝達するダンパ機構と、ダンパ機構における摩擦材の磨耗状態を判定する判定手段と、ハイブリッド車両の走行状況に応じて、エンジンの始動および停止を制御するとともに、エンジンおよび電動機の出力を制御する制御手段とを備える。そして、判定手段は、摩擦材が所定の磨耗状態に達するまで制御手段を第1制御モードに設定するとともに、摩擦材が所定の磨耗状態に達した後には制御手段を第2制御モードに設定し、制御手段は、第1制御モードに設定されると、第2制御モードに比較して、エンジンの始動頻度が高くなるように制御動作を実行する。
この発明によれば、製造直後のダンパ機構における摩擦材が所定の磨耗状態に達していない状態では、第1制御モードに設定されて、エンジンおよび電動機の出力が制御される。これに対して、ダンパ機構における摩擦材の磨耗状態が安定化した後には、第2制御モードに設定されて、エンジンおよび電動機の出力が制御される。この第1制御モードにおいては、第2制御モードに比較して、エンジンの始動頻度が高くなるように制御動作が実行されるので、エンジンの始動によって生じる大きなトルク変動によって、ダンパ機構の摩擦材の磨耗状態を早期に安定化させることができる。
これにより、製造直後であっても乗員に与えられる振動やショックを抑制することができる。
好ましくは、制御手段は、第1制御モードの設定時において、エンジンの始動条件の成立範囲を第2制御モードに比較して拡大する。
好ましくは、制御手段は、第1制御モードの設定時において、ハイブリッド車両が加速中および減速中のうち少なくとも一方であるときに、エンジンを始動または停止する。
好ましくは、判定手段は、ハイブリッド車両が走行した積算走行距離を算出する第1積算手段と、第1積算手段によって算出された積算走行距離に基づいて、摩擦材の磨耗状態を積算走行距離に対応付けて予め規定した磨耗状態特性を参照することで、摩擦材の磨耗状態を取得する第1磨耗状態取得手段とをさらに含む。
好ましくは、判定手段は、エンジンの始動回数を積算して積算始動回数を算出する第2積算手段と、第2積算手段によって算出された積算始動回数に基づいて、摩擦材の磨耗状態を積算始動回数に対応付けて予め規定した磨耗状態特性を参照することで、摩擦材の磨耗状態を取得する第2磨耗状態取得手段とを含む。
好ましくは、この局面に従うハイブリッド車両の駆動装置は、記エンジンと連結され、エンジンの出力の少なくとも一部を受けて発電可能な発電機をさらに備え、発電機は、エンジンの始動時において電動機として作動し、エンジンをクランキングする。
この発明によれば、製造直後であっても乗員に与えられる振動やショックを抑制可能なハイブリッド車両の駆動装置を実現できる。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下において同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の一実施例である、FF(フロントエンジン−フロントドライブ:エンジン前置き前輪駆動)形式のハイブリッド車両1の駆動装置(パワートレイン)およびその制御系統を示す概念図である。
図1を参照して、ハイブリッド車両1は、エンジン2および車輪3を有しており、インプットシャフト4、アウトプットシャフト5、ディファレンシャルギヤ6などにより、エンジン2と車輪3との間の動力伝達経路が構成されている。
エンジン2としては、内燃機関、具体的にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジン、メタノールエンジンまたは水素エンジンなどを用いることができる。エンジンのクランクシャフト7には、フライホイール8が形成されている。
一方、インプットシャフト4の外周にはスリーブ9がスプライン嵌合されており、フライホイール8とスリーブ9との間の動力伝達経路には、ダンパ機構10が配置されている。
ダンパ機構10は、エンジン2から車輪3へのトルク伝達経路に介挿された摩擦材を有し、この摩擦材で生じる摩擦力によって、エンジン2からのトルク伝達(直流成分)を実現する。さらに、この摩擦材で生じる摩擦力(トルク)はヒステリシス特性を有し、このヒステリシス特性によって、エンジン2で生じるトルク変動(交流成分)が減衰される。また、減衰されるトルク変動の大きさは、ヒステリシス特性の大きさに応じて定まる。
また、インプットシャフト4の外側には、第1のモータジェネレータ(MG1)11および第2のモータジェネレータ(MG2)12が設けられている。第1のモータジェネレータ11および第2のモータジェネレータ12は、電力の供給により駆動する電動機としての機能(力行機能)と、運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機としての機能(回生機能)とを兼ね備えている。
また、第1のモータジェネレータ11および第2のモータジェネレータ12に電力を供給する蓄電装置(BAT)56が設けられている。この蓄電装置56としては、バッテリまたはキャパシタを用いることができる。
さらに、インプットシャフト4、アウトプットシャフト5、ディファレンシャルギヤ6、第1のモータジェネレータ11、第2のモータジェネレータ12などの部品を収納するケーシング13が設けられている。第1のモータジェネレータ11は、ケーシング13に固定(図示しない)されたステータ14と、回転自在なロータ15とを有している。
インプットシャフト4の外側であって、第1のモータジェネレータ11と第2のモータジェネレータ12との間には、動力分配機構16が設けられている。この動力分配機構16は、いわゆるシングルピニオン形式の遊星歯車機構により構成されている。
すなわち、動力分配機構16は、サンギヤ17と、サンギヤ17と同心状に配置されたリングギヤ18と、サンギヤ17およびリングギヤ18に噛合するピニオンギヤ19を保持したキャリア20とを有している。そして、サンギヤ17とロータ15とが一体回転するように連結され、キャリア20とインプットシャフト4とが一体回転されるように連結されている。
リングギヤ18は、環状部材21の内周側に形成されている。この環状部材21の外周には、ギヤ22およびパーキングギヤ23が形成されているとともに、環状部材21の内周には、リングギヤ18とは異なるリングギヤ24が形成されている。さらに、ケーシング13内には、パーキングギヤ23と係合可能であり、かつパーキングギヤ23から離脱可能なパーキングボール25が設けられている。
さらに、インプットシャフト4の外側には、プラネタリギヤ26が設けられている。プラネタリギヤ26は、サンギヤ27と、リングギヤ24と、サンギヤ27およびリングギヤ24に噛合されたピニオンギヤ28を保持するキャリア29とを有している。
第2のモータジェネレータ12は、ケーシング13に固定(図示しない)されたステータ30と、回転自在なロータ31とを有している。そして、サンギヤ27とロータ31とが一体回転するように連結されている。このように車輪3に連結された動力伝達部材である環状部材21に対して、エンジン2と第2のモータジェネレータ12とが相互に並列に配置されている。
また、キャリア29がケーシング13に固定されている。具体的には、キャリア29とケーシング13との連結部39により、キャリア29が回り止めされている。この連結部39は、半径方向に突出した凸部(図示せず)と、この凸部が配置される凹部(図示せず)とを有する。
インプットシャフト4とアウトプットシャフト5とは相互に平行に配置されており、アウトプットシャフト5には、ドリブンギヤ32およびファイナルドライブピニオンギヤ33が形成されている。そして、ギヤ22とドリブンギヤ32とが噛合されている。
さらに、ディファレンシャルギヤ6は、アウトプットシャフト5の回転軸線(図示せず)と平行な回転軸線を中心として回転可能なデフケース34と、デフケース34の外周に形成されたリングギヤ35と、デフケース34により保持されたピニオンギヤ(図示せず)と、ピニオンギヤに嵌合されたサイドギヤ(図示せず)とを有している。リングギヤ35とファイナルドライブピニオンギヤ33とが嵌合されている。
さらに、サイドギヤにはドライブシャフト36が連結され、ドライブシャフト36に車輪3が連結されている。また、ドライブシャフト36に近接して、車輪3の回転数を検出する車速センサ37が設けられている。
次に、ハイブリッド車両1の制御系統について説明する。まず、電子制御装置(ECU)50が設けられており、この電子制御装置50は、演算処理装置(CPUまたはMPU)、記憶装置(RAMおよびROM)、および入出力インターフェイスを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。この電子制御装置50には、車速センサ37の信号、蓄電装置56の充電量センサの信号、エンジン回転数センサの信号、加速要求センサの信号、制動要求センサの信号、シフトポジションセンサの信号などが入力される。図1には、これらの信号の一部として、車速センサ37からの車速SP、エンジン回転数センサからのエンジン回転数NE、蓄電装置56の充電量センサからの充電状態値SOCが例示されている。
これに対して、電子制御装置50からは、エンジン2を制御する信号、第1のモータジェネレータ11および第2のモータジェネレータ12を制御する信号などが出力される。図1には、これらの信号の一部として、第1のモータジェネレータ11のトルク目標値Tr1、第2のモータジェネレータ12のトルク目標値Tr2、エンジン2のエンジン回転数目標値Nrefが例示されている。
蓄電装置56から供給された直流電力を、第1のモータジェネレータ11および第2のモータジェネレータ12の駆動電力に変換するための電力変換器を含むPCU(Power Control Unit)55によって、トルク目標値Tr1,Tr2を実現するような交流電力が第1のモータジェネレータ11および第2のモータジェネレータ12に供給される。
ここで、図1に示す構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、環状部材21が、この発明の「動力伝達部材」に相当し、第2のモータジェネレータ12がこの発明の「電動機」に相当し、第1のモータジェネレータ11がこの発明の「発電機」に相当する。
このように構成されたハイブリッド車両1においては、電子制御装置50に入力される信号および電子制御装置50に格納されているデータに基づいて、エンジン2、第1のモータジェネレータ11、第2のモータジェネレータ12が制御される。
たとえば、エンジン2を始動する場合は、第1のモータジェネレータ11を電動機として作動させる。すると、動力分配機構16のリングギヤ18が反力要素となり、第1のモータジェネレータ11のトルクは、キャリア20、インプットシャフト4を経由してエンジン2に伝達されて、エンジン2がクランキングされる。
このようにして、エンジン2をクランキングするとともに、燃料の燃焼が行なわれて、エンジン2が自律回転可能となる。エンジン2が自律回転すると、エンジン2のトルクがインプットシャフト4、キャリア20、リングギヤ18を経由してギヤ22に伝達される。ギヤ22のトルクは、アウトプットシャフト5、ディファレンシャルギヤ6を経由して車輪3に伝達されて駆動力が発生する。
また、エンジン2の出力を用いて第1のモータジェネレータ11で発電を行ない、発生した電力で蓄電装置56を充電することもできる。さらに、第2のモータジェネレータ12を電動機として駆動させ、そのトルクを、サンギヤ27、リングギヤ24、ギヤ22を経由させて車輪3へ伝達することも可能である。第2のモータジェネレータ12のトルクをリングギヤ24へ伝達する場合、第2のモータジェネレータ12の回転方向と、リングギヤ24の回転方向とは逆となる。
このように、図1に示すハイブリッド車両1は、エンジン2および第2のモータジェネレータ12の少なくとも一方を駆動力源として用い、そのトルクを車輪3に伝達して走行することが可能である。
さらに、ハイブリッド車両の惰力走行時には、ハイブリッド車両1の運動エネルギをディファレンシャルギヤ6、アウトプットシャフト5、ギヤ22を経由させて第2のモータジェネレータ12に伝達するとともに、第2のモータジェネレータ12を発電機として機能させ、発生した電力で蓄電装置56を充電することも可能である。
ところで、エンジン2は、燃料の燃焼による熱エネルギを回転運動に変換するものであるために、トルク変動が不可避的に生じる。特に、エンジン2の始動時や停止時においては、エンジントルクはステップ的に変動する。また、エンジン回転数が所定回転数以下である場合は燃焼が不安定であり、エンジントルクの変動幅が大きくなる。さらに、エンジン2の高負荷時、たとえばエンジントルクを車輪3に伝達し、かつエンジントルクにより第1のモータジェネレータ11で発電を行なうときは、エンジントルクを高めるために燃料の供給量を増加するため、エンジントルクの変動幅が大きくなる。このようなエンジン2で生じるトルク変動は、乗員に対して振動やショックとなるので、ダンパ機構10によって減衰される。
図2は、この発明の実施の形態1に従うダンパ機構10の概略の断面構造図である。
図2を参照して、ダンパ機構10は、動力分配機構16の要素であるキャリア20(図示せず)に連結されたインプットシャフト4の外周にスプライン嵌合されているスリーブ9と、スリーブ9の外周側に配置され、フライホイール8に連結されたプレート部60とを含む。プレート部60は、スリーブ9からインプットシャフト4の軸方向にそれぞれ所定距離だけ離れた両側にそれぞれ壁部を形成する。そして、スリーブ9とそれぞれの壁部との間には、インプットシャフト4の軸を中心とする同心円形状の摩擦材70が介挿されるとともに、スリーブ9と一方の壁部との間には、押付け部材である皿バネ62がさらに介挿される。
図2を参照して、ダンパ機構10は、動力分配機構16の要素であるキャリア20(図示せず)に連結されたインプットシャフト4の外周にスプライン嵌合されているスリーブ9と、スリーブ9の外周側に配置され、フライホイール8に連結されたプレート部60とを含む。プレート部60は、スリーブ9からインプットシャフト4の軸方向にそれぞれ所定距離だけ離れた両側にそれぞれ壁部を形成する。そして、スリーブ9とそれぞれの壁部との間には、インプットシャフト4の軸を中心とする同心円形状の摩擦材70が介挿されるとともに、スリーブ9と一方の壁部との間には、押付け部材である皿バネ62がさらに介挿される。
この皿バネ62は、インプットシャフト4の軸方向に圧縮力を発生する。この圧縮力を受けて、摩擦材70は、スリーブ9との接触面およびプレート部60との接触面において、インプットシャフト4の回転軸方向に摩擦力を発生する。この摩擦力によって、エンジン2の出力トルクがインプットシャフト4を介して車輪3へ伝達される。
本実施の形態に従う駆動装置の製造直後には、摩擦材70とスリーブ9またはプレート部60との間の接触面は比較的粗く、エンジン2で生じたトルク変動は、そのままインプットシャフト4へ伝達される。すなわち、ダンパ機構10の有するヒステリシストルクの絶対値は小さい。ここで、ダンパ機構10をトルクが伝達することで、摩擦材70とスリーブ9またはプレート部60との間の接触面には、回転軸方向に回転トルクが加わる。この回転トルクによって、接触面は摺動されて滑らかになる。その結果、ダンパ機構10の有するヒステリシストルクの絶対値は大きくなり、伝達されるトルクの周波数特性は緩やかになる。すなわち、摩擦材70との間の接触面では、より多くのトルク変動(交流成分)が減衰されるようになる。
図3は、エンジン2で生じるトルク変動が車室内に振動として伝達される割合を示した図である。
図3を参照して、エンジン2で生じるトルク変動が車室内に振動として伝達される割合であるエンジン振動伝達率がエンジン回転数NEに対応付けて示される。図3に示すエンジン振動伝達率が高いほど、乗員に与えられる振動やショックは大きくなる。
製造直後では、アイドル回転数より低い領域においてエンジン振動伝達率が高いため、エンジン2の始動に伴うクランキングなどによって、乗員に与えられる振動やショックは相対的に大きくなる。
これに対して、ハイブリッド車両1の使用経過によって、エンジン振動伝達率の回転数特性は緩やかになり、アイドル回転数より低い領域において、エンジン振動伝達率は製造直後に比較して小さくなる。これにより、乗員に与えられる振動やショックは抑制されることになる。
このようなエンジン振動伝達率の変化は、ダンパ機構10で発生するトルクのヒステリシス量の変化に起因するものである。
図4は、ダンパ機構10で発生するトルクのヒステリシス量の変化を示した図である。
図4を参照して、ダンパ機構10で発生するトルクのヒステリシス量がハイブリッド車両1の積算走行距離に対応付けて示される。図4に示すヒステリシス量が所定の安定値STに到達するまでは、乗員に与えられる振動やショックは相対的に大きい。このヒステリシス量が所定の安定値STに到達するまでの期間が「慣らし期間中」に相当する。
図4を参照して、ダンパ機構10で発生するトルクのヒステリシス量がハイブリッド車両1の積算走行距離に対応付けて示される。図4に示すヒステリシス量が所定の安定値STに到達するまでは、乗員に与えられる振動やショックは相対的に大きい。このヒステリシス量が所定の安定値STに到達するまでの期間が「慣らし期間中」に相当する。
図4の従来例に示すように、一般的には、ハイブリッド車両1の積算走行距離の増加に伴ってヒステリシス量は増加するが、本実施の形態では、ヒステリシス量をより早期に安定値STまで増加させるために、エンジン2の始動頻度をより高く設定した制御モードである「初期モード」を実行する。
図5は、この発明の実施の形態に従う制御ロジックを概念的に示した図である。図5(a)は、通常モードにおけるエンジン2の作動状況を示し、図5(b)は、初期モードにおけるエンジン2の作動状況を示す。
図5(a)を参照して、通常モードでは、走行状況に応じて、エンジン2が間欠的に作動される。走行状況としては、運転者からの加速要求や制動要求、発電要求(蓄電装置56からの充電要求)などが含まれる。
これに対して、初期モードでは、図5(b)に示すように、通常モードに比較してエンジン2の始動頻度がより高くなるように制御が実行される。なお、付随的に、エンジン2の停止頻度も高くなる。これは、エンジン2の始動時および停止時には、エンジン2からダンパ機構10に与えられるトルク変動が比較的大きいため、ダンパ機構10の摩擦材70(図2)に対する摺動量をより大きく得ることができるからである。すなわち、エンジン2の始動頻度(および停止頻度)を高めることで、摩擦材70に対する摺動量の累積値を大きくでき、ダンパ機構10のヒステリシス量を短時間に安定値STまで増大させることができる。
なお、ダンパ機構10のヒステリシス量が安定値STまで到達した後には、初期モードから通常モードに切替えられて、摩擦材70における過剰な磨耗が防止される。すなわち、本実施の形態に従うハイブリッド車両1の駆動装置では、摩擦材70の磨耗状態が逐次的に判定され、この判定結果に基づいて、摩擦材70が所定の磨耗状態に達するまでは、「初期モード」に従って制御動作が実行されるとともに、摩擦材70が所定の磨耗状態に達した後には、「通常モード」に従って制御動作が実行される。このような制御動作は、以下に述べるような制御構造によって実現される。
図6は、この発明の実施の形態に従うハイブリッド車両1の駆動装置における制御動作を実現するための制御構造を示す図である。この制御構造は、たとえば、電子制御装置50によって実行されるサブルーチンとしてプログラムされ、代表的にハイブリッド車両1のIGON(イグニッションオン状態)時に実行される。具体的には、電子制御装置50では、磨耗状態判定部100および出力制御部200がプログラムにより実現される。
磨耗状態判定部100は、ダンパ機構10における摩擦材70の磨耗状態を判定し、その判定結果に基づいて、出力制御部200における制御モードを設定する。これに対して、出力制御部200は、磨耗状態判定部100によって設定される制御モードに従って、エンジン2の始動および停止を制御するとともに、エンジン2、第1のモータジェネレータ11、第2のモータジェネレータ12の出力を制御する。
図7は、この発明の実施の形態に従う磨耗状態判定部100の制御構造を示すブロック図である。
図7を参照して、磨耗状態判定部100は、代表的に、ハイブリッド車両1の積算走行距離およびエンジン2の積算始動回数に基づいて、ダンパ機構10の摩擦材70の磨耗状態を判定する。これは、ダンパ機構10の摩擦材70は、ハイブリッド車両1の走行距離およびエンジン2の始動回数にそれぞれ大きく依存すると考えられるからである。
具体的には、磨耗状態判定部100は、積算部102,114と、ヒステリシス特性格納部104,116と、エンジン始動判定部112と、加算部120と、比較部122とを含む。
積算部102およびヒステリシス特性格納部104は、ハイブリッド車両1の積算走行距離に基づいて、摩擦材70の磨耗状態を代表的に示す、ダンパ機構10の製造直後におけるヒステリシス量を基準としたヒステリシス増加量を出力する。
積算部102は、車速SPを時間的に積分することで、ハイブリッド車両1が走行した積算走行距離を算出する。ヒステリシス特性格納部104は、ヒステリシス増加量を積算走行距離に対応付けて予め規定したヒステリシス増加特性を格納しており、積算部102から出力される積算走行距離に基づいて、このヒステリシス増加特性を参照し、対応するヒステリシス増加量を出力する。
エンジン始動判定部112、積算部114、ヒステリシス特性格納部116は、エンジン2の積算始動回数に基づいて、摩擦材70の磨耗状態を代表的に示す、ダンパ機構10の製造直後におけるヒステリシス量を基準としたヒステリシス増加量を出力する。
エンジン始動判定部112は、エンジン回転数NEの変化、代表的には回転数「0」からアイドル回転数までの増加を検出し、エンジン2の始動を判定する。積算部114は、エンジン始動判定部112によってエンジン2が始動したと判定された回数を積算し、積算始動回数を算出する。ヒステリシス特性格納部116は、ヒステリシス増加量を積算始動回数に対応付けて予め規定したヒステリシス増加特性を格納しており、積算部114から出力される積算始動回数に基づいて、このヒステリシス増加特性を参照し、対応するヒステリシス増加量を出力する。
そして、加算部120がヒステリシス特性格納部104およびヒステリシス特性格納部116から出力されるヒステリシス増加量を合算し、摩擦材70の総合的な磨耗状態を示す指標として比較部122へ出力する。さらに、比較部122が加算部120で合算されたヒステリシス増加量をしきい値THと比較し、合算されたヒステリシス増加量がしきい値THに達していなければ、初期モードを指示するモード選択信号MDを活性化する。一方、合算されたヒステリシス増加量がしきい値THに達した後には、モード選択信号MDを非活性化する。このモード選択信号MDは、後述する出力制御部200に与えられて、制御モードの設定に用いられる。
すなわち、比較部122は、摩擦材70が所定の磨耗状態に達するまで出力制御部200を初期モードに設定するとともに、摩擦材70が所定の磨耗状態に達した後には出力制御部200を通常モードに設定する。
なお、上述した磨耗状態判定部100の構成に代えて、ハイブリッド車両1の積算走行距離およびエンジン2の積算始動回数のいずれか一方に基づいて、摩擦材70の磨耗状態を判定してもよく、さらに、ダンパ機構10への入力トルクと出力トルクとの相関関係に基づいて、摩擦材70の磨耗状態を判定してもよい。
図8は、この発明の実施の形態に従う出力制御部200の制御構造を示すブロック図である。図8を参照して、出力制御部200は、充電要求特性格納部202,212と、選択部214と、配分部216と、走行状況判定部218とを含む。
出力制御部200は、磨耗状態判定部100から出力されるモード選択信号MDによって設定される初期モードまたは通常モードに従って、制御動作を実行する。
通常モードに比較して、初期モードにおけるエンジン2の始動頻度を高くする構成を実現するための一例として、出力制御部200は、初期モードにおけるエンジン2の始動条件を通常モードに比較して拡大する。すなわち、出力制御部200は、エンジン2を始動させる条件を緩和して、エンジン2の始動をより高頻度で実行する。これにより、ダンパ機構10における摩擦材70の磨耗状態を早期に安定化できる。このような制御動作は、充電要求特性格納部202,212、選択部214および配分部216によって実現される。
また、出力制御部200は、乗員が官能的に振動やショックを感じにくい期間、具体的には、ハイブリッド車両1の加速中または減速中にエンジン2を始動または停止する。これにより、乗員にエンジン2の始動および停止に伴う振動やショックを与えることなく、ダンパ機構10における摩擦材70の磨耗状態を早期に安定化できる。このような制御動作は、走行状況判定部218および配分部216によって実現される。
配分部216は、走行状況に応じた各種信号(運転者からの加速要求や制動要求)に基づいて、ハイブリッド車両1の走行に必要な駆動力(トルク)を算出し、当該算出したトルクをエンジン2および第2のモータジェネレータ12にそれぞれ分配する。このトルク分配は、エンジン2における燃料消費効率が最適化されるように実行される。そして、この分配されたトルクに基づいて、エンジン回転数目標値NrefおよびMG2トルク目標値Tr2が決定される。
ここで、配分部216は、蓄電装置56に対する充電要求である充電要求電力Pchgが与えられていると、この充電要求電力Pchgを発電するために必要なトルクを、上述の走行に必要なトルクに加算した上で、エンジン2および第2のモータジェネレータ12にそれぞれ分配する。同時に、第1のモータジェネレータ11には、充電要求電力Pchgに応じた電力の発電を実現するためのMG1トルク目標値Tr1が決定される。
ところで、第1のモータジェネレータ11で発電が行われる場合には、エンジン2は必然的に作動状態となる。そのため、本実施の形態では、エンジン2の始動条件の成立範囲を変更するための一例として、設定される制御モードに応じて充電要求電力Pchgが変更される。
充電要求特性格納部202および212は、それぞれ通常モードおよび初期モードにおける充電要求電力Pchgを蓄電装置56の充電状態値SOCに対応付けて格納しており、各時点の充電状態値SOCに応じた充電要求電力Pchgを逐次出力する。そして、選択部214が、磨耗状態判定部100からのモード選択信号MDに応答して、充電要求特性格納部202および212のいずれか一方からの充電要求電力Pchgを選択し、配分部216へ出力する。
図9は、充電要求特性格納部202および212に格納される充電要求電力特性を模式的に示す図である。
図9を参照して、充電要求特性格納部202および212には、それぞれ蓄電装置56の充電状態値SOCに対応付けて充電要求電力Pchgが規定されている。たとえば、通常モードにおいて用いられる充電要求特性格納部202には、充電状態値SOCが状態値S1以下になると充電要求を発生するように充電要求特性が規定されている。一方、初期モードにおいて用いられる充電要求特性格納部212には、充電状態値SOCが状態値S1より大きい状態値S2以下になると充電要求を発生するように充電要求特性が規定されている。
すなわち、充電要求特性格納部212には、充電要求特性格納部202に比較してより高い充電状態値SOCから充電要求が発せられる、充電要求特性が格納される。これにより、エンジン2の始動条件の成立範囲が通常モードに比較して拡大することになる。
図10は、充電要求電力の変更に伴う充電状態値SOCの時間的変化を模式的に示す図である。図10(a)は、通常モードにおける充電状態値SOCの時間的変化を示し、図10(b)は、初期モードにおける充電状態値SOCの時間的変化を示す。
図10(a)を参照して、配分部216(図8)は、蓄電装置56の充電状態値SOCが状態値S1から状態値S3との間に維持されるように、エンジン2、第1のモータジェネレータ11、第2のモータジェネレータ12の出力を制御する。ここで、状態値S1は、図9に示すように、充電要求特性格納部202から充電要求の出力が開始される状態値S1に対応する。すなわち、蓄電装置56の充電状態値SOCが状態値S1以下になると、充電要求が発せられて、エンジン2が必然的に始動する。一方、状態値S3は、蓄電装置56に対して充電制限がされる領域を示し、蓄電装置56の充電状態値SOCが状態値S3以上になると、第1のモータジェネレータ11による発電が制限もしくは禁止される。その結果、エンジン2も停止されることが多い。
一方、図10(b)を参照して、初期モードに設定されると、充電要求の出力開始位置が状態値S1から状態値S2に変更される。その結果、蓄電装置56の充電状態値SOCが状態値S2(>状態値S1)以下になった時点で充電要求が発せられて、エンジン2が必然的に始動する。
このように、初期モードにおけるエンジン2の始動条件を通常モードに比較して拡大することで、エンジン2の始動頻度を高めることができる。
再度、図8を参照して、走行状況判定部218は、乗員が官能的に振動やショックを感じにくい加速中または減速中に、エンジン2の始動要求または停止要求を配分部216へ出力する。
図11は、走行状況判定部218によるエンジン始動/停止要求の発生処理を示す模式図である。
図8および図11を参照して、走行状況判定部218は、車速SPに基づいて、ハイブリッド車両1の走行状況(たとえば、停車中、加速中、定常走行中、減速中のいずれか)を判定する。
具体的には、走行状況判定部218は、車速SPが略ゼロであれば、ハイブリッド車両1が停車中であると判断し、車速SPが略ゼロではなく、かつ車速SPの時間的変化の絶対値が所定値以下であれば、ハイブリッド車両1が定常走行中であると判断する。また、走行状況判定部218は、車速SPの時間的変化が正の所定値以上であれば、ハイブリッド車両1が加速中であると判断し、車速SPの時間的変化が負の所定値以下であれば、ハイブリッド車両1が減速中であると判断する。
そして、走行状況判定部218は、ハイブリッド車両1が加速中および減速中のいずれかであれば、配分部216に対してエンジン始動/停止要求を出力する。走行状況判定部218からのエンジン始動/停止要求に応答して、配分部216は、エンジン2が作動中であればエンジン2を停止し、エンジン2が停止中であればエンジン2を始動する。
これは、ハイブリッド車両1の停車中および定常走行中に比較して、加速中および減速中には、乗員がエンジン2の始動および停止に伴う振動やショックを官能的に感じにくいため、これらの期間に高い頻度でエンジン2を始動および停止することで、乗員に対する快適性を損なうことなく、ダンパ機構10におけるトルクのヒステリシス量を早期に安定化できるためである。
なお、加速中および減速中には、それぞれ運転者からの加速要求および制動要求も与えられている場合が多いと想定されるため、これらの走行要求を満たすため、加速中にはエンジン2の停止のみを実行し、減速中にはエンジン2の始動のみを実行するようにしてもよい。
なお、図8には、(1)初期モードにおけるエンジン2の始動条件を通常モードに比較して拡大する構成、および(2)ハイブリッド車両1の加速中または減速中にエンジン2を始動または停止する構成、のいずれをも含む出力制御部200を代表的に示したが、(1)および(2)のいずれか一方の構成のみを含む出力制御部を採用してもよい。
ここで、図7および図8に示す制御構造を示すブロック図とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、磨耗状態判定部100がこの発明の「判定手段」に相当し、出力制御部200がこの発明の「制御手段」に相当する。また、初期モードがこの発明の「第1制御モード」に相当し、通常モードがこの発明の「第2制御モード」に相当する。さらに、積算部102がこの発明の「第1積算手段」に相当し、ヒステリシス特性格納部104がこの発明の「第1磨耗状態取得手段」に相当し、積算部114がこの発明の「第2積算手段」に相当し、ヒステリシス特性格納部116がこの発明の「第2磨耗状態取得手段」に相当する。
この発明の実施の形態によれば、製造直後のダンパ機構10における摩擦材70が所定の磨耗状態に達していない状態では、初期モードに設定されて、エンジン2および第2のモータジェネレータ12の出力(トルク)が制御される。これに対して、ダンパ機構10における摩擦材70の磨耗状態が安定化した後には、通常モードに設定されて、エンジン2および第2のモータジェネレータ12の出力(トルク)が制御される。この初期モードにおいては、通常モードに比較して、エンジン2の始動頻度が高くなるように制御動作が実行されるので、エンジン2の始動によって生じる大きなトルク変動によって、ダンパ機構10の摩擦材の磨耗状態を早期に安定化させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ハイブリッド車両、2 エンジン、3 車輪、4 インプットシャフト、5 アウトプットシャフト、6 ディファレンシャルギヤ、7 クランクシャフト、8 フライホイール、9 スリーブ、10 ダンパ機構、11 第1のモータジェネレータ(MG1)、12 第2のモータジェネレータ(MG2)、13 ケーシング、14,30 ステータ、15,31 ロータ、16 動力分配機構、17,27 サンギヤ、18,24,35 リングギヤ、19,28 ピニオンギヤ、20,29 キャリア、21 環状部材、22 ギヤ、23,25 パーキングギヤ、26 プラネタリギヤ、32 ドリブンギヤ、33 ファイナルドライブピニオンギヤ、34 デフケース、36 ドライブシャフト、37 車速センサ、39 連結部、50 電子制御装置(ECU)、56 蓄電装置(BAT)、60 プレート部、62 皿バネ、70 摩擦材、100 磨耗状態判定部、102,114 積算部、104,116 ヒステリシス特性格納部、112 エンジン始動判定部、120 加算部、122 比較部、200 出力制御部、202,212 充電要求特性格納部、214 選択部、216 配分部、218 走行状況判定部。
Claims (6)
- ハイブリッド車両の駆動装置であって、
車輪に連結された動力伝達部材と、
前記動力伝達部材に並列に連結されたエンジンおよび電動機と、
前記エンジンと動力伝達部材との間に配置され、摩擦材で発生する摩擦力によってトルクを伝達するダンパ機構と、
前記ダンパ機構における前記摩擦材の磨耗状態を判定する判定手段と、
前記ハイブリッド車両の走行状況に応じて、前記エンジンの始動および停止を制御するとともに、前記エンジンおよび前記電動機の出力を制御する制御手段とを備え、
前記判定手段は、前記摩擦材が所定の磨耗状態に達するまで前記制御手段を第1制御モードに設定するとともに、前記摩擦材が所定の磨耗状態に達した後には前記制御手段を第2制御モードに設定し、
前記制御手段は、前記第1制御モードに設定されると、前記第2制御モードに比較して、前記エンジンの始動頻度が高くなるように制御動作を実行する、ハイブリッド車両の駆動装置。 - 前記制御手段は、前記第1制御モードの設定時において、前記エンジンの始動条件の成立範囲を前記第2制御モードに比較して拡大する、請求項1に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
- 前記制御手段は、前記第1制御モードの設定時において、前記ハイブリッド車両が加速中および減速中のうち少なくとも一方であるときに、前記エンジンを始動または停止する、請求項1または2に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
- 前記判定手段は、
前記ハイブリッド車両が走行した積算走行距離を算出する第1積算手段と、
前記第1積算手段によって算出された前記積算走行距離に基づいて、前記摩擦材の磨耗状態を積算走行距離に対応付けて予め規定した磨耗状態特性を参照することで、前記摩擦材の磨耗状態を取得する第1磨耗状態取得手段とをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の駆動装置。 - 前記判定手段は、
前記エンジンの始動回数を積算して積算始動回数を算出する第2積算手段と、
前記第2積算手段によって算出された前記積算始動回数に基づいて、前記摩擦材の磨耗状態を積算始動回数に対応付けて予め規定した磨耗状態特性を参照することで、前記摩擦材の磨耗状態を取得する第2磨耗状態取得手段とを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の駆動装置。 - 前記エンジンと連結され、前記エンジンの出力の少なくとも一部を受けて発電可能な発電機をさらに備え、
前記発電機は、前記エンジンの始動時において電動機として作動し、前記エンジンをクランキングする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の駆動装置。
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JP2010143398A (ja) * | 2008-12-18 | 2010-07-01 | Toyota Motor Corp | 駆動システム |
GB2542201A (en) * | 2015-09-14 | 2017-03-15 | Jaguar Land Rover Ltd | Vehicle brake systems |
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2007
- 2007-02-13 JP JP2007032103A patent/JP2008195207A/ja not_active Withdrawn
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