JP2011096741A - プリプレグおよび多層プリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】デスミア処理時においてビアホール内周面に露出する絶縁樹脂層の溶解を抑制して基材の露出を抑制し、かつ、ビアホール底面の内層回路板の導体回路とビアホール内のめっきとの間に樹脂が残存することを抑制して導通信頼性を確保することができるビルドアップ用のプリプレグとそれを用いたプリント配線板を提供する。
【解決手段】ビルドアップ用のプリプレグであって、デスミア処理時の薬品への溶解性が低いB−ステージの低溶解性樹脂に基材を含有する低溶解性樹脂層と、低溶解性樹脂層の片面に設けられ、低溶解性樹脂よりもデスミア処理時の薬品への溶解性が相対的に高いB−ステージの高溶解性樹脂からなる高溶解性樹脂層とを有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリプレグとそれを用いた多層プリント配線板に関するものであり、さらに詳しくは、ビルドアップ用のプリプレグとそれを用いた多層プリント配線板に関するものである。
電子機器、電気機器、コンピュータ、通信機器等において用いられるプリント配線板は、薄型化、小型化、および回路の高集積化、高密度化が進んでおり、これに伴い多層プリント配線板が用いられるようになっている。
そして、薄型化等の要求に対応するものとして、内層回路板をコア材とし、この表面に絶縁樹脂層と導体回路を交互に積み上げて形成して多層のプリント配線板を作製するビルドアップ法が実用化されている(特許文献1、2参照)。
ビルドアップ法では、例えば、次のようにして絶縁樹脂層と導体回路の積み上げを行う。表面に導体回路を設けた内層回路板を用い、まず内層回路板の表面に絶縁樹脂層と銅箔等の導体層を設ける。
次に、絶縁樹脂層にレーザ等によりビアホールを穴あけし、このビアホール内周面にめっき層を形成し、さらに導体層に回路を形成し、ビアホールにより絶縁樹脂層の両面の内層と外層の導体回路を層間接続する。必要に応じてこのビルドアップ工程を繰り返して所用の層数の導体回路を形成し、多層プリント配線板が作製される。
絶縁樹脂層を形成するための材料としては、ガラスクロスのような補強用の基材を含まない樹脂付き金属箔を用いることもあるが、熱履歴による絶縁樹脂層の寸法変化を抑制し、プリント配線板に剛性を付与することができる等の点から、ガラスクロス等の基材に熱硬化性樹脂を含浸して乾燥することにより作製したプリプレグが用いられている。
このようなビルドアップ法において、ビアホールを穴あけした後、金属めっきの前処理工程として、レーザ等による穴あけ時にビアホール内に残存する樹脂残さ(スミア)を除去して内層と外層の導体回路をめっきにより円滑に接続するためにデスミア処理が行われる。
デスミア処理には、酸化剤水溶液等の薬品が主に用いられ、このような薬品で処理することによりビアホール内の樹脂のスミアを溶解して除去するようにしている。
このデスミア処理時には、スミアだけではなくビアホール内周面に露出する絶縁樹脂層まで薬品により過剰に溶解されてしまうと、ガラスクロス等の基材がビアホール内周面に露出してしまい、均一なめっき層を形成できなくなる場合がある。そのため、従来、プリプレグとして、デスミア処理時の薬品に比較的溶解しにくい絶縁樹脂層を形成できるものを用いることにより、デスミア処理によるビアホール内周面の溶解を抑制することが行われている。
特開2004−356232号公報 特開2003−086941号公報
しかしながら、上記のようにプリプレグとしてデスミア処理時の薬品に溶解しにくい絶縁樹脂層を形成できるものを用いた場合、ビアホール底面の内層回路板の導体回路に付着して残存し樹脂のスミアも溶解しにくいものとなる。そのため、内層回路板の導体回路とめっきとの間に樹脂が残存し易くなる。そして、内層回路板の導体回路とめっきとの間に樹脂が残存すると、導通信頼性が低下する場合がある。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、デスミア処理時においてビアホール内周面に露出する絶縁樹脂層の溶解を抑制して基材の露出を抑制し、かつ、ビアホール底面の内層回路板の導体回路とビアホール内のめっきとの間に樹脂が残存することを抑制して導通信頼性を確保することができるビルドアップ用のプリプレグとそれを用いたプリント配線板を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明のプリプレグは、ビルドアップ用のプリプレグであって、デスミア処理時の薬品への溶解性が低いB−ステージの低溶解性樹脂に基材を含有する低溶解性樹脂層と、低溶解性樹脂層の片面に設けられ、低溶解性樹脂よりもデスミア処理時の薬品への溶解性が相対的に高いB−ステージの高溶解性樹脂からなる高溶解性樹脂層とを有する。
第2に、上記第1のプリプレグにおいて、低溶解性樹脂層の基材が、低溶解性樹脂層の厚み方向の中心から高溶解性樹脂層とは反対側に偏在している。
第3に、本発明の多層プリント配線板は、上記第1または第2のプリプレグを材料としてビルドアップ層における絶縁樹脂層の少なくとも一部が形成されている。
上記第1の発明によれば、このプリプレグの高溶解性樹脂層を内層回路板の表面に向けて積層成形することにより絶縁樹脂層を形成し、レーザによりビアホールを穴あけした後、薬品によりデスミア処理を行った際に、ビアホール内周面に露出する低溶解性樹脂層では、絶縁樹脂層の溶解を抑制して基材の露出を抑制することができ、ビアホール内周面に均一なめっき層を形成することができる。さらに、ビアホールの底面近傍には低溶解性樹脂層が位置しているため、この低溶解性樹脂がスミアとしてビアホール底面の導体回路に残存しても、デスミア処理により除去し易くなり、ビアホール底面の内層回路板の導体回路とビアホール内のめっきとの間に樹脂が残存することを抑制して導通信頼性を確保することができる。
上記第2の発明によれば、低溶解性樹脂層の基材が、低溶解性樹脂層の厚み方向の中心から高溶解性樹脂層とは反対側に偏在していることで、上記第1の発明の効果に加え、絶縁樹脂層の表面近傍に基材が位置することになり、表面の剛性がより向上する。そのため、プリント配線板の作製時における作業性を向上することができ、さらに、リフロー工程における反りを低減できる。
上記第3の発明によれば、上記第1または第2のプリプレグを材料としてビルドアップ層における絶縁樹脂層の少なくとも一部が形成されているので、ビアホール内周面に均一なめっき層を形成することができ、導通信頼性も確保することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「低溶解性樹脂」と「高溶解性樹脂」の用語は、同一のデスミア処理時の薬品に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の遅いものを「低溶解性樹脂」、早いものを「高溶解性樹脂」と表現している。
本発明において、プリプレグの低溶解性樹脂層を形成するための樹脂組成物(以下、「低溶解性樹脂層用の樹脂組成物」という。)に用いられる樹脂は、電子絶縁材料として用いることができる高分子樹脂であれば特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの熱硬化性樹脂とともに、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂を併用することができる。
低溶解性樹脂層用の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記の樹脂に加えて他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、プリント配線板用の樹脂組成物に従来より配合されている硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、改質材、有機溶剤等が挙げられる。
本発明では、低溶解性樹脂層用の樹脂組成物として、耐熱性や接着特性に優れている点等から、エポキシ樹脂組成物が好ましく用いられる。
このエポキシ樹脂組成物に配合されるエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂、4官能型エポキシ樹脂等の多官能型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、およびこれらの臭素化タイプ等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂組成物には、硬化剤および、必要に応じて硬化促進剤が配合される。硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ジシアンジアミド、酸無水物、アミン類等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。硬化剤は、はんだ耐熱性等を考慮すると、例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、硬化剤の官能基が0.8〜1.2当量の範囲となるように配合することができる。
硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、エポキシ樹脂組成物には、耐熱性改善等の点から無機充填材を配合することができる。無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、合成シリカ、天然シリカ、ガラスパウダー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、焼成タルク、カオリン、焼成カオリン、クレー、焼成クレー等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの無機充填材は、シランカップリング剤等により表面処理が施されているものであってもよく、このような表面処理を施すことにより樹脂との界面強度を向上させることができる。
無機充填材は、平均粒径が0.3〜30μmであることが好ましい。平均粒径が小さ過ぎると流動特性等が低下する場合があり、平均粒径が大き過ぎるとエポキシ樹脂組成物のワニス中の異物除去のためのフィルター工程において目詰まりを起こす可能性がある。なお、平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザ回折・散乱法により測定することができ、具体的にはレーザ回折式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成してメディアン径(d50)を測定し、このメディアン径を平均粒径とすることができる。
このようなエポキシ樹脂組成物等の低溶解性樹脂層用の樹脂組成物は、上記に例示したような樹脂を配合し、通常は有機溶剤を配合し、さらに必要に応じて他の成分も配合し、これらを例えばミキサー、ナノミル等を用いて均一に混合することにより調製することができる。
そして得られた低溶解性樹脂層用の樹脂組成物を基材に含浸し、乾燥機中で例えば100〜180℃で乾燥させることで、半硬化状態(B−ステージ)の低溶解性樹脂層を作製することができる。
基材としては、シート状の繊維基材を用いることができる。このようなシート状の繊維基材としては、特に限定されないが、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス等のクロス基材、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布等の不織布基材、パルプ紙、リンター紙等を用いることができる。
このとき、基材を境界として、基材の一方の面に形成される樹脂層の厚みが他方の面に形成される樹脂層の厚みよりも厚くなるようにして乾燥させ、半硬化状態とすることで、基材の厚み方向の位置を、低溶解性樹脂層の厚み方向の中心より一方の表面側に偏在させることができる。このように基材の厚み方向の位置を偏在させ、そして後述の高溶解性樹脂層とは反対側に位置させることで、絶縁樹脂層の表面近傍に基材が位置することになり、表面の剛性がより向上する。そのため、プリント配線板の作製時における作業性を向上することができ、さらに、リフロー工程における反りを低減できる。
なお、従来のプリプレグでガラスクロス等の基材が上記のように偏在した場合、デスミア処理後にビアホール形状が歪んで望ましくない場合があるが、低溶解性樹脂層の片面に後述の高溶解性樹脂層を設けた本発明の構成では、厚み方向における薬品への溶解性のバランスが良く、デスミア処理後に適切なビアホール形状とすることができる。
なお、基材の厚み方向の中心と、基材が偏在する側の低溶解性樹脂層の表面との距離は、表面の剛性を向上させる点等から、低溶解性樹脂層全体の厚みに対する比で0.1〜0.3であることが好ましい。
また、低溶解性樹脂層の厚みは20〜100μmであることが好ましい。厚みが小さ過ぎると、厚み方向の絶縁信頼性が確保できなくなる場合があり、厚みが大き過ぎると、プリント配線板の薄型化の要求等を満足できなくなる場合がある。
高溶解性樹脂層は、例えば、上記の低溶解性樹脂層と同様の組成で構成することができる。樹脂の溶解性はエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、改質剤等の組み合わせにより適宜に変更することができるが、高溶解性樹脂の溶解性を低溶解性樹脂の溶解性に対して4〜10倍にすることが望ましい。高溶解性樹脂の溶解性が小さ過ぎると、ビアホール底面の内層回路板の導体回路とビアホール内のめっきとの間に樹脂が残存することを抑制することが困難になる場合がある。高溶解性樹脂の溶解性が大き過ぎると、ビアホール底面の界面までデスミアされ、液残り等が起こり易くなり、耐熱性に影響を及ぼす可能性がある。
高溶解性樹脂層は、例えば、次のようにして作製することができる。第1に、低溶解性樹脂層の片面に、高溶解性樹脂層用の樹脂組成物をロールコーター等にて薄く塗布、乾燥してBステージとする。あるいは、第2に、予めBステージの低溶解性樹脂層とB−ステージの高溶解性樹脂層とを別々に作製しておき、低溶解性樹脂層の片面に高溶解性樹脂層を配置し、加熱、加圧下にロール等でラミネートして一体化する。
高溶解性樹脂層の厚みは、スミアの除去性、絶縁樹脂層としての特性、デスミア処理後のビアホールの形状保持、製造上の点等も考慮すると、2〜5μmであることが好ましい。
このようにして、ビルドアップ用のプリプレグであって、デスミア処理時の薬品への溶解性が低いB−ステージの低溶解性樹脂に基材を含有する低溶解性樹脂層と、低溶解性樹脂層の片面に設けられ、低溶解性樹脂よりもデスミア処理時の薬品への溶解性が相対的に高いB−ステージの高溶解性樹脂からなる高溶解性樹脂層とを有する本発明のプリプレグが得られる。
この本発明のプリプレグを用いて、次のようにして多層プリント配線板を作製することができる。
まず、積層板の片面または両面に導体回路が形成された内層回路板、あるいは導体回路と絶縁樹脂層とが交互に積層され、最外層の片面または両面に導体回路が形成された多層の内層回路板を用意する。ここで、内層回路板の導体回路の表面は黒化処理等により予め粗化処理が施されていることが絶縁樹脂層との密着性を向上させる点から好ましい。
内層回路板としては、特に限定されないが、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面または両面に導体回路が形成されたものを用いることができる。
次に、この内層回路板の片面または両面に、本発明のプリプレグを高溶解性樹脂層が内層回路板に接するように配置し、さらに必要に応じてその外側に金属箔を配置して、例えば真空下において加熱加圧して、積層成形する。積層成形は、例えば、温度100〜200℃、圧力0.5〜5MPa、時間20〜100分の条件で行うことができる。
次に、内層回路板の表面に形成された絶縁樹脂層に、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等を用いたレーザ加工により穴あけを行いビアホール(ブラインドビア)を形成する。
ビアホールの穴あけには、例えば、コンフォーマル工法を用いることができる。まず、ドライフィルム等を用い、ビアホール形成部の表面に存在する金属箔のみをエッチングにより除去する。そして金属箔が除去された箇所にレーザを照射すると、残存している周囲の金属箔がコンフォーマルマスクとなり、金属箔が除去された箇所にのみビアホールを形成することができる。
あるいは、金属箔を用いなかった場合等には、コンフォーマルマスクを用いることなく、ビアホール形成部の表面にのみ直接にレーザを照射することで、ビアホールを形成することもできる。
次に、ビアホール内のデスミア処理を行う。デスミア処理の薬品としては、例えば、酸化剤水溶液等を用いることができ、具体的には、例えば、過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムのアルカリ水溶液、クロム酸や重クロム酸ナトリウムの硫酸水溶液等を用いることができる。
なお、これらの薬品で処理する前に、従来より知られているアルカリ膨潤液を用いてビアホール内の前処理を行っても良い。
デスミア処理後、所定の中和液で中和した後、デスミアしたビアホールに導通処理を施す。導通処理としては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式のめっきによる処理を施してもよいが、無電解めっき(例えば、化学銅めっき)、電解めっき(例えば、電気銅めっき)等の湿式のめっきによる処理が、量産性等も考慮すると好ましい。
導通処理として、湿式のめっきによる処理を施す場合においては、ビアホールの内周面に無電解めっきを施した後に電解めっきを施してめっき層を形成し、さらにサブトラクティブ法のうちドライフィルムを用いたテンティング法等により導体層に回路を形成する。これにより、ビアホールによって絶縁樹脂層の両面の内層と外層の導体回路を接続することができる。
また、無電解めっきを施して回路形成するアディティブ法、無電解めっきと電解めっきを組み合わせて回路形成するセミアディティブ法等を利用することにより、絶縁樹脂層の表面に導体回路を設けることもできる。
以上のようにして、導体回路と絶縁樹脂層とが交互に積層され、本発明のプリプレグを材料としてビルドアップ層における絶縁樹脂層の少なくとも一部が形成されている多層プリント配線板が得られる。なお、以上の工程をさらに繰り返して、さらに層数の多い多層プリント配線板とすることもできる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
[低溶解性樹脂層用および高溶解性樹脂層用の樹脂組成物の調製]
低溶解性樹脂層用の樹脂組成物として、次のエポキシ樹脂組成物を調製した。エポキシ樹脂組成物の配合成分として以下のものを用いた。エポキシ樹脂としてDIC(株)製「エピクロン HP−7200」を40質量部、DIC(株)製「エピクロン N−690」を40質量部、東都化成(株)製「YDB−400」を20質量部配合し、硬化剤としてDIC(株)製「フェノライト KH−6021」を40質量部、硬化促進剤として四国化成工業(株)製「キュアゾール 2E4MZ」を0.1質量部配合し、有機溶剤のMEKで希釈したものを攪拌、均一化し、エポキシ樹脂組成物のワニスを得た。
高溶解性樹脂層用の樹脂組成物として、次のエポキシ樹脂組成物を調製した。エポキシ樹脂組成物の配合成分として以下のものを用いた。エポキシ樹脂としてダウケミカル社製「DER530」を40質量部、東都化成(株)製「YD−128」を45質量部、東都化成(株)製「YDB−400」を15質量部配合し、硬化剤として荒川化学工業(株)製「タマノル 752」を40質量部、硬化促進剤として四国化成工業(株)製「キュアゾール 2E4MZ」を0.1質量部配合し、有機溶剤のMEKで希釈したものを攪拌、均一化し、エポキシ樹脂組成物のワニスを得た。
[プリプレグの作製]
基材として、ガラスクロス(日東紡(株)製「WEA1078」)を用い、このガラスクロスに上記の低溶解性樹脂層用のエポキシ樹脂組成物のワニスを室温にて含浸させ、その後、約130〜170℃で加熱することにより、ワニス中の有機溶剤を乾燥除去し、エポキシ樹脂組成物を半硬化させることによりプリプレグを作製した。プリプレグにおける樹脂量は、ガラスクロス100質量部に対して樹脂200質量部となるように調整した。また、ガラスクロスがプリプレグ厚み方向の中心に位置するように調整した。
次に、このプリプレグの片面に、ロールコーターを用いて高溶解性樹脂層用のエポキシ樹脂組成物のワニスを塗布した後、約130〜170℃で加熱することにより、ワニス中の有機溶剤を乾燥除去し、エポキシ樹脂組成物を半硬化させることにより、B−ステージの低溶解性樹脂に基材を含有する厚み80μmの低溶解性樹脂層と、B−ステージの高溶解性樹脂からなる厚み3μmの高溶解性樹脂層とを有するプリプレグを作製した。
[多層プリント配線板の作製]
両面銅張積層板(三井金属鉱業(株)製「3EC−III」、厚み0.2mm、銅箔厚み35μm)の両面の銅箔に回路形成して内層の銅回路を設けることにより、内層回路板を作製した。
次に、この内層回路板の銅回路に黒化処理液を作用させて粗面化処理を行った後、この内層回路板の両側の表面に上記のプリプレグを高溶解性樹脂層を内層回路板に向けて配置し、銅箔(厚み12μm)をその外側に重ねて、170℃、2.9MPaの条件で加熱加圧成形した。
次に、最外面の銅箔のビアホールを形成する箇所に、ドライフィルム露光とエッチングにより直径300μmの開口部を形成した。
この開口部に露出した絶縁樹脂層に、三菱電機(株)製炭酸ガスレーザ加工機「ML505GT」を用いて、直径100μmのビアホールを形成した。
次に、デスミア処理工程を行った。デスミア処理はマクダーミッド社のデスミアプロセスにより行った。このデスミアプロセスは、「マキュタイザー9204」による膨潤処理(35℃、7分)、「マキュタイザー9275」による処理(75℃、15分)、「マキュタイザー9279」による中和処理(43℃、5分)からなる。
次に、無電解銅めっき(化学銅めっき)を施して無電解めっき層をビアホール内に形成し、さらに電解銅めっき(電気銅めっき)を施して電解めっき層(厚み15μm)を形成した。その後、テンティング法により外層の導体回路を形成し、多層プリント配線板を作製した。
<実施例2>
実施例1において、低溶解性樹脂層用の樹脂組成物が含浸された基材を上記のように乾燥させる際に、乾燥機として横型乾燥機を用いて乾燥し、未硬化のワニス状の樹脂組成物を重力により全体として下方へ移動させ、このような状態で乾燥させて半硬化状態とすることで、基材を境界として、基材の下面に形成される樹脂層の厚みが上面に形成される樹脂層の厚みよりも厚いプリプレグを作製した。基材の厚み方向の中心と、基材が偏在する側の低溶解性樹脂層の表面との距離は、低溶解性樹脂層全体の厚みに対する比で0.2とした。
それ以外は実施例1と同様にして、B−ステージの低溶解性樹脂に基材を含有する厚み80μmの低溶解性樹脂層と、B−ステージの高溶解性樹脂からなる厚み3μmの高溶解性樹脂層とを有するプリプレグ、およびそれを用いた多層プリント配線板を作製した。
<比較例1>
実施例1において、高溶解性樹脂層を用いずに、低溶解性樹脂層のみからなるプリプレグを作製し、B−ステージの低溶解性樹脂に基材を含有する厚み80μmの低溶解性樹脂層からなるプリプレグ、およびそれを用いた多層プリント配線板を作製した。
上記の実施例および比較例について次の評価を行った。
[デスミア処理時の薬品への溶解性]
高溶解性樹脂と低溶解性樹脂について、上記のデスミア処理時の薬品の酸化剤水溶液に同一時間浸漬し、相対的な溶解速度より次の基準により評価した。
○:高溶解性樹脂の方が低溶解性樹脂よりも溶解速度が早い。
×:上記以外。
[レーザ加工性]
基板厚さ0.2mmのFR−4グレードの両面銅張積層板(銅箔厚さ35μm)の銅箔に表面処理(黒化処理)を施したものを内層用基板として使用した。この内層用基板の両面に上記のようにして作製したプリプレグを重ね、170℃、2.9MPa、90分間の条件で加熱加圧成形して多層板を作製した。その後、表面の銅箔をエッチングにより除去し、レーザ加工用サンプルを得た。
次に、三菱電機(株)製レーザ加工機「ML505GT」を用い、パルス周波数:1500Hz、パルス幅:20μs、出力:5.4mj/パルス、照射パルス数:3ショットの条件で、上記のようにして得られたレーザ加工用サンプルに穴あけ加工を行った後、上記のデスミア処理を実施し、走査型電子顕微鏡SEMを用いて穴の内部を観察し、樹脂残渣の有無を確認した。
[導通信頼性:オイルディップ試験]
実施例1、2および比較例1の評価用多層プリント配線板を、260℃のオイルに30秒浸漬後に、25℃の水に15秒浸漬するサイクルを100サイクル行い、100サイクル終了後のn=20の試験片における断線発生数を求めた。
[リフロー工程による反り量]
基板厚さ0.2mmのFR−4グレードの両面銅張積層板(銅箔厚さ35μm)の銅箔に表面処理(黒化処理)を施したものを内層用基板として用いた。この内層用基板の両面に上記のようにして作製したプリプレグを重ね、170℃、2.9MPa、90分間の条件で加熱加圧成形してサイズが150mm×150mmの反り評価用の多層板を作製した。この反り評価用の多層板について、リフロー処理として230℃の雰囲気中に10秒間曝す処理を行い、反り量を評価した。反り量として、サイズ150mm×150mmの反り評価用の多層板を水平な板の上に置いたときの最大持ち上がり量を測定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2011096741
表1より、基材を含有する低溶解性樹脂層と、高溶解性樹脂層とを有するプリプレグを用いた実施例1、2では、デスミア処理後に樹脂残渣がなくレーザ加工性が良好であり、導通信頼性も有していた。また、低溶解性樹脂層のガラスクロスを、低溶解性樹脂層の厚み方向の中心から高溶解性樹脂層とは反対側に偏在させた実施例2では、リフロー工程による反り量が実施例1よりも大幅に低減した。
これに対して、高溶解性樹脂層を設けないプリプレグを用いた比較例1では、デスミア処理後に樹脂残渣が見られ、導通信頼性も低下した。

Claims (3)

  1. ビルドアップ用のプリプレグであって、デスミア処理時の薬品への溶解性が低いB−ステージの低溶解性樹脂に基材を含有する低溶解性樹脂層と、低溶解性樹脂層の片面に設けられ、低溶解性樹脂よりもデスミア処理時の薬品への溶解性が相対的に高いB−ステージの高溶解性樹脂からなる高溶解性樹脂層とを有することを特徴とするプリプレグ。
  2. 低溶解性樹脂層の基材が、低溶解性樹脂層の厚み方向の中心から高溶解性樹脂層とは反対側に偏在していることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 請求項1または2に記載のプリプレグを材料としてビルドアップ層における絶縁樹脂層の少なくとも一部が形成されていることを特徴とする多層プリント配線板。
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