JP2011094606A - エンジンのブローバイガス還流装置 - Google Patents

エンジンのブローバイガス還流装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クランクケースの換気効率を高めることができるエンジンのブローバイガス還流装置を提供する。
【解決手段】ヘッドカバー2から離れた位置に新気導入室10を設け、スロットルバルブ5の上流側吸気通路7は新気導入室10に連通させ、この新気導入室10はクランクケース9に臨むクランクケース絞り孔11を介してクランクケース9に連通させることにより、スロットルバルブ5の上流側吸気通路7の新気12は、PCVバルブ3に短絡することなく、新気導入通路8と新気導入室10と絞り孔11とを順に介してクランクケース9に導入され、クランクケース9からスロットルバルブ5の上流側吸気通路7への逆流時には、クランクケース9内のガスが絞り孔11と新気導入室10と新気導入通路8とを順に介してスロットルバルブ5の上流側吸気通路7に逆流するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのブローバイガス還流装置に関し、詳しくは、クランクケースの換気効率を高めることができるエンジンのブローバイガス還流装置に関する。
この明細書及び特許請求の範囲の用語中、PCVバルブとは、ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション・バルブの略称であり、吸気通路の吸気負圧に応じてブローバイガスの吸気通路への流量を調整するバルブをいう。
従来、エンジンのブローバイガス還流装置として、シリンダヘッドに取り付けたヘッドカバーにPCVバルブを取り付け、このPCVバルブはブローバイガス通路を介してスロットルバルブの下流側吸気通路に連通させ、スロットルバルブの上流側吸気通路は新気導入通路を介してクランクケースに連通させたものがある(特許文献1参照)。
この種の装置によれば、クランクケースの換気により、クランクケース内のブローバイガスを燃焼室に還流させ、クランクケースの下方に溜めたエンジンオイルにブローバイガスが混入して劣化するのを抑制することができる利点がある。
しかし、この従来技術では、新気導入通路はヘッドカバーを介してクランクケースに連通させているため、問題がある。
特開2002−213226号公報(図3参照)
《問題》 クランクケースの換気が不十分になることがある。
新気導入通路はヘッドカバーを介してクランクケースに連通させているため、新気導入通路から導入された新気がヘッドカバーからPCVバルブに短絡し、クランクケースの換気が不十分になることがある。
本発明の課題は、クランクケースの換気効率を高めることができるエンジンのブローバイガス還流装置を提供することにある。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1(A)(B)または図7(A)(B)に例示するように、シリンダヘッド(1)に取り付けたヘッドカバー(2)にPCVバルブ(3)を取り付け、このPCVバルブ(3)はブローバイガス通路(4)を介してスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に連通させ、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)は新気導入通路(8)を介してクランクケース(9)に連通させた、エンジンのブローバイガス還流装置において、
図1(A)(B)または図7(A)(B)に例示するように、ヘッドカバー(2)から離れた位置に新気導入室(10)を設け、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)は新気導入通路(8)を介して新気導入室(10)に連通させ、この新気導入室(10)はクランクケース(9)に臨むクランクケース連通絞り孔(11)を介してクランクケース(9)に連通させることにより、
スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)の新気(12)は、PCVバルブ(3)に短絡することなく、新気導入通路(8)と新気導入室(10)とクランクケース連通絞り孔(11)とを順に介してクランクケース(9)に導入され、
クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時には、クランクケース(9)内のガスがクランクケース連通絞り孔(11)と新気導入室(10)と新気導入通路(8)とを順に介してスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流するようにした、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 クランクケースの換気効率を高めることができる。
図1(A)(B)または図7(A)(B)に例示するように、に例示するように、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)の新気(12)は、PCVバルブ(3)に短絡することなく、新気導入通路(8)と新気導入室(10)とクランクケース連通絞り孔(11)とを順に介してクランクケース(9)に導入されるので、クランクケース(9)の換気効率を高めることができる。
《効果》 逆流時に吸気通路へのオイルミストの連れ出しを抑制することができる。
図1(A)(B)または図7(A)(B)に例示するように、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時には、クランクケース(9)内のガスがクランクケース連通絞り孔(11)と新気導入室(10)と新気導入通路(8)とを順に介してスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流するようにしたので、オイルミストを含むクランクケース(9)内のガスは、クランクケース連通絞り孔(11)から新気導入室(10)に流入する過程で膨張し、流速の低下により、オイルミストが凝縮してオイル分離される。このため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時に吸気通路へのオイルミストの連れ出しを抑制することができる。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
図2〜図4(A)(B)または図8、図9、図10(A)〜(E)に例示するように、新気導入室壁(13)に新気導入パイプ(14)を取り付け、この新気導入パイプ(14)のパイプ入口部(15)に新気導入通路(8)の通路終端部(16)を接続し、新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)の正面にパイプ出口対向壁(18)を設けたので、新気導入室(10)内のオイルミストはパイプ出口対向壁(18)に遮られ、新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)に到達しにくい。このため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
図2、図4A)または図8、図10(B)(C)(E)に例示するように、新気導入パイプ(14)のパイプ出口部(25)を新気導入室壁(13)の内壁面(28)よりも新気導入室(10)内に突出させたので、新気導入室壁(13)の内壁面(28)を流れるエンジンオイルは、新気導入パイプ(14)のパイプ出口部(25)で遮られ、新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)に進入しない。このため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 クランクケースの換気効率を高めることができる。
図1(A)(B)に例示するように、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)の新気(12)は、新気導入通路(8)と新気導入室(10)に続き、伝動ケース連通絞り孔(32)と伝動ケース(31)とクランクケース絞り孔(11)とを順に介してクランクケース(9)に導入されるので、クランクケース(9)の換気効率を高めることができる。
《効果》 逆流時に吸気通路へのオイルミストの連れ出しを抑制することができる。
図1(A)(B)に例示するように、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時には、クランクケース(9)内のガスがクランクケース連通絞り孔(11)を通過し、更に伝動ケース(31)と伝動ケース連通絞り孔(32)とを順に通過した後、新気導入室(10)と吸気導入通路(8)とを順に介してスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流するようにしたので、オイルミストを含むクランクケース(9)内のガスは、クランクケース連通絞り孔(11)から伝動ケース(31)に流入する過程、伝動ケース連通絞り孔(32)から新気導入室(10)に流入する過程でそれぞれ膨張し、流速の低下により、オイルミストが凝縮してオイル分離される。このため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時に吸気通路へのオイルミストの連れ出しを抑制することができる。
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、請求項2または請求項3に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
図4(A)に例示するように、パイプ出口対向壁(18)を新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)の下側に配置し、このパイプ出口対向壁(18)をその下端縁(34)に向けて下り傾斜させ、このパイプ出口対向壁(18)の上面を流れるエンジンオイルがパイプ出口対向壁(18)の下端縁(34)から新気導入室(10)の下部に流れ落ちるようにしたので、パイプ出口対向壁(18)の上方で凝縮したエンジンオイルは、パイプ出口対向壁(18)を流れてその下端縁(34)から排出される。このため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明は、請求項2または請求項3に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
図8〜図10(A)〜(E)に例示するように、新気導入パイプ(14)を取り付けた新気導入室壁(13)に向けて、パイプ出口対向壁(18)の周縁部からパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)を折り曲げ形成し、パイプ出口部(25)を周囲3方からパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)で囲繞し、残り一方に連通口(26)を設け、パイプ出口対向壁(18)とパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)とで囲まれた囲繞空間(27)を連通口(26)で外側の新気導入室(10)と連通させたので、新気導入室(10)内のオイルミストはパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)に遮られ、新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)に到達しにくい。このため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
図8〜図10(A)(D)に例示するように、下側パイプ出口部囲繞壁(24)を連通口(26)に向けて下り傾斜させ、下側パイプ出口部囲繞壁(24)の上面を流れるエンジンオイルが、連通口(26)から新気導入室(10)の下部に流れ落ちるようにしたので、パイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)の内部で凝縮したエンジンオイルは、下側パイプ出口部囲繞壁(24)の上面を流れ、連通口(26)から速やかに排出される。このため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時のオイルミストの連れ出し抑制機能が高い。
(請求項8に係る発明)
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項3、請求項6、請求項7のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 クランクケースの換気効率が高い。
図7(A)に例示するように、新気導入室(10)をクランクケース(9)の隣に設けたので、新気導入室(10)をヘッドカバー(2)から十分に離れた箇所に配置することができ、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)からPCVバルブ(3)への新気(12)の短絡が確実に防止され、クランクケース(9)の換気効率が高い。
図1(A)は本発明の第1実施形態に係るブローバイガス還流装置を備えたエンジンの模式図、図1(B)はこの装置に用いるPCVバルブの説明図である。 本発明の第1実施形態に係るブローバイガス還流装置を備えたエンジンの伝動ケースの背面図である。 本発明の第1実施形態に係るブローバイガス還流装置を備えたエンジンの伝動ケース付きシリンダブロックの要部側面図である。 図4(A)(B)は図2の伝動ケースを説明する図で、図4(A)は新気導入室とその周辺の背面図、図4(B)は図4(A)のB方向矢視図である。 本発明の第1実施形態に係るブローバイガス還流装置を備えたエンジンの側面図である。 図5のエンジンの平面図である。 図7(A)は本発明の第2実施形態に係るブローバイガス還流装置を備えたエンジンの模式図、図7(B)はこの装置に用いるPCVバルブの説明図である。 本発明の第2実施形態に係るブローバイガス還流装置を備えたエンジンのシリンダブロックの縦断背面図である。 図8のシリンダブロックの要部側面図である。 図10(A)〜(D)は図8のシリンダブロックを説明する図で、図10(A)は新気導入室とその付近の側面図、図10(B)は図10(A)のB−B線断面図、図10(C)は図10(A)のC−C線断面図、図10(D)はパイプ出口対向壁とパイプ出口部囲繞壁の変形例の側面図、図10(E)は図10(D)のE−E線断面図である。 本発明の第2実施形態に係るブローバイガス還流装置を備えたエンジンの側面図である。 図11のエンジンの平面図である。
図1〜図6は本発明の第1実施形態に係るエンジンのブローバイガス還流装置を説明する図であり、この実施形態では、立形の直列多気筒ガスエンジンについて説明する。
クランク軸(図外)の架設方向を前後方向、その一方を前、他方を後とする。
図5、図6に示すように、このエンジンは、シリンダブロック(35)の上部にシリンダヘッド(1)を組み付け、シリンダヘッド(1)の上部にヘッドカバー(2)を組み付け、シリンダブロック(35)の下部にオイルパン(36)を組み付け、シリンダブロック(35)の前端部に伝動ケース(31)を組み付け、伝動ケース(31)の前部にエンジン冷却ファン(37)を配置し、シリンダブロック(35)の後部にフライホイール(38)を配置している。伝動ケース(31)は調時伝動ギヤトレインのギヤケースである。
シリンダブロック(35)の上半部はシリンダ部(39)であり、下半部はクランクケース(9)である。
シリンダヘッド(1)の横一側に吸気マニホールド(40)を配置し、吸気マニホールド(40)の親管(41)の前部にスロットルボディ(42)を取り付け、スロットルボディ(42)の前部にガスミキサ(43)を取り付けている。ガスミキサ(43)には、図1に示すように、エアクリーナ(44)を連通させる。
図1(A)(B)に示すように、シリンダヘッド(1)に取り付けたヘッドカバー(2)にPCVバルブ(3)を取り付け、このPCVバルブ(3)はブローバイガス通路(4)を介してスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に連通させ、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)は新気導入通路(8)を介してクランクケース(9)に連通させている。上流側吸気通路(7)は、エアクリーナ(44)の下流で、ガスミキサ(43)の上流にある。
図1(A)(B)に示すように、ヘッドカバー(2)から離れた位置に新気導入室(10)を設け、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)は新気導入通路(8)を介して新気導入室(10)に連通させ、この新気導入室(10)はクランクケース(9)に臨むクランクケース連通絞り孔(11)を介してクランクケース(9)に連通させる。
これにより、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)の新気(12)は、PCVバルブ(3)に短絡することなく、新気導入通路(8)と新気導入室(10)とクランクケース連通絞り孔(11)とを順に介してクランクケース(9)に導入され、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時には、クランクケース(9)内のガスがクランクケース連通絞り孔(11)と新気導入室(10)と新気導入通路(8)とを順に介してスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流するようにしている。
図1(B)に示すように、PCVバルブ(3)はバルブケース(3a)内の上流寄りに弁座(3b)を設け、バルブケース(3a)の下流寄りに弁通路(3c)を設け、この弁通路(3c)内に弁体(3d)を進退自在に収容し、この弁体(3d)を付勢スプリング(3e)で弁座(3b)側に付勢している。
このPCVバルブ(3)は、スロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)の吸気負圧と、付勢スプリング(3e)の付勢力と、クランクケース(9)の内圧との不釣合い力により弁体(3d)を進退させ、弁体(3d)周囲の弁通路(3c)の通路断面積や弁体(3d)と弁座(3b)の間の通路断面積を変えることにより、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に吸引されるブローバイガス(45)の流量を調節するようになっている。
スロットルバルブ(5)の開度が小さい軽負荷時にはスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)の吸気負圧が大きく(真空寄り)になり、弁体(3d)は弁通路(3c)の下流寄りに位置し、弁体(3d)周囲の弁通路(3c)の通路断面積が狭くなるため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に吸引されるブローバイガス(45)の流量は少ない。
中負荷になり、ガバナ機構(図外)によりスロットルバルブ(5)の開度が大きくなると、スロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)の吸気負圧が小さく(大気圧寄りに)なり、弁体(3d)は弁通路(3c)の上流寄りに位置し、弁体(3d)周囲の弁通路(3c)の通路断面積が広くなるため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に吸引されるブローバイガス(45)の流量は低負荷の場合よりも増加する。
高負荷になり、ガバナ機構によりスロットルバルブ(5)の開度が全開付近になると、スロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)の吸気負圧は更に小さく(大気圧寄りに)なり、弁体(3d)は弁通路(3c)の更に上流寄りに位置し、弁体(3d)周囲の弁通路(3c)の通路断面積は広くなるものの、弁体(3d)が弁座(3b)に近づき、弁体(3d)と弁座(3b)との間の通路断面積が小さくなるため、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に吸引されるブローバイガス(45)の流量は中負荷の場合よりも少なくなる。また、高負荷時には、燃焼室(49)からクランクケース(9)にリークするブローバイガス(45)の量が多くなる。このように、高負荷時には、クランクケース(9)にリークするブローバイガス(45)の量が多くなるにも拘わらず、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に吸引されるブローバイガス(45)の流量は少なくなるため、クランクケース(9)内のガスがスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流し、クランクケース(9)の内圧の上昇が抑制される。
図2〜4(A)(B)に示すように、新気導入室壁(13)に新気導入パイプ(14)を取り付け、この新気導入パイプ(14)のパイプ入口部(15)に新気導入通路(8)の通路終端部(16)を接続し、新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)の正面にパイプ出口対向壁(18)を設けている。
図2、図4(A)に示すように、新気導入パイプ(14)のパイプ出口部(25)を新気導入室壁(13)の内壁面(28)よりも新気導入室(10)内に突出させている。
図1(A)に示すように、この第1実施形態では、クランクケース(9)に伝動ケース(31)を取り付け、この伝動ケース(31)の隣に新気導入室(10)を設け、この新気導入室(10)は伝動ケース(31)に臨む伝動ケース連通絞り孔(32)を介して伝動ケース(31)に連通させ、伝動ケース(31)はクランクケース(9)に臨むクランクケース連通絞り孔(11)を介してクランクケース(9)に連通させている。
伝動ケース(31)はクランクケース(9)の前端部に取り付けている。
これにより、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)の新気(12)は、新気導入通路(8)と新気導入室(10)に続き、伝動ケース連通絞り孔(32)と伝動ケース(31)とクランクケース絞り孔(11)とを順に介してクランクケース(9)に導入される。
クランクケース(9)内は新気(12)で換気され、ブローバイガス(45)はプッシュロッド室(29)を介してヘッドカバー(2)に浮上し、PCVバルブ(3)からブローバイガス通路(4)を介してスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に流入し、燃焼室(46)に還流されて再燃焼される。
また、クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時には、クランクケース(9)内のガスがクランクケース連通絞り孔(11)を通過し、更に伝動ケース(31)と伝動ケース連通絞り孔(32)を順に通過した後、新気導入室(10)と吸気導入通路(8)とを順に介してスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流するようにしている。
図3に示すように、伝動ケース(31)の上部は、第2新気導入室連通絞り孔(46)を介して第2新気導入室(47)と連通し、第2新気導入室(47)は第2クランクケース連通絞り孔(48)を介してクランク室(9)と連通している。このため、伝動ケース(31)に導入された新気(12)の一部は、このルートを経てクランク室(9)に導入される。
図4(A)に示すように、パイプ出口対向壁(18)を新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)の下側に配置し、このパイプ出口対向壁(18)をその下端縁(34)に向けて下り傾斜させ、このパイプ出口対向壁(18)の上面を流れるエンジンオイルがパイプ出口対向壁(18)の下端縁(34)から新気導入室(10)の下部に流れ落ちるようにしている。
図7〜図12に示す第2実施形態は、第1実施形態とは次の点で相違する。
この第2実施形態では、新気導入室(10)をクランクケース(9)の隣に設けている。
これにより、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)の新気(12)は、新気導入通路(8)と新気導入室(10)とを通過した直後、クランクケース連通絞り孔(11)を介してクランクケース(9)に導入される。
クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時には、クランクケース(9)内のガスがクランクケース連通絞り孔(11)と新気導入室(10)と新気導入通路(8)とを順に介してスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流する。
図8〜図10に示すように、新気導入パイプ(14)を取り付けた新気導入室壁(13)に向けて、パイプ出口対向壁(18)の周縁部からパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)を折り曲げ形成し、パイプ出口部(25)を周囲3方からパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)で囲繞し、残り一方に連通口(26)を設け、パイプ出口対向壁(18)とパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)とで囲まれた囲繞空間(27)を連通口(26)で外側の新気導入室(10)と連通させている。
図8〜図10に示すように、下側パイプ出口部囲繞壁(24)を連通口(26)に向けて下り傾斜させ、下側パイプ出口部囲繞壁(24)の上面を流れるエンジンオイルが、連通口(26)から新気導入室(10)の下部に流れ落ちるようにしている。
図4(D)(E)は第2実施形態のパイプ出口対向壁(18)とパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)の変形例を示しており、この変形例では折り曲げ成形ではなく、プレスによる湾曲形状となっている。
他の構成は、第1実施形態と同じであり、図中、第1実施形態と同一の要素には、同一の符号を付しておく。
(1) シリンダヘッド
(2) ヘッドカバー
(3) PCVバルブ
(4) ブローバイガス通路
(5) スロットルバルブ
(6) 下流側吸気通路
(7) 上流側吸気通路
(8) 新気導入通路
(9) クランクケース
(10) 新気導入室
(11) クランクケース連通絞り孔
(12) 新気
(13) 新気導入室壁
(14) 新気導入パイプ
(15) パイプ入口部
(16) 通路終端部
(17) パイプ出口
(18) パイプ出口対向壁
(22) 上側パイプ出口部囲繞壁
(23) 前側パイプ出口部囲繞壁
(24) 下側パイプ出口部囲繞壁
(25) パイプ出口部
(26) 連通口
(27) 囲繞空間
(28) 新気導入室壁の内壁面
(31) 伝動ケース
(32) 伝動ケース連通絞り孔
(34) パイプ出口対向壁の下端縁

Claims (8)

  1. シリンダヘッド(1)に取り付けたヘッドカバー(2)にPCVバルブ(3)を取り付け、このPCVバルブ(3)はブローバイガス通路(4)を介してスロットルバルブ(5)の下流側吸気通路(6)に連通させ、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)は新気導入通路(8)を介してクランクケース(9)に連通させた、エンジンのブローバイガス還流装置において、
    ヘッドカバー(2)から離れた位置に新気導入室(10)を設け、スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)は新気導入通路(8)を介して新気導入室(10)に連通させ、この新気導入室(10)はクランクケース(9)に臨むクランクケース連通絞り孔(11)を介してクランクケース(9)に連通させることにより、
    スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)の新気(12)は、PCVバルブ(3)に短絡することなく、新気導入通路(8)と新気導入室(10)とクランクケース連通絞り孔(11)とを順に介してクランクケース(9)に導入され、
    クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時には、クランクケース(9)内のガスがクランクケース連通絞り孔(11)と新気導入室(10)と新気導入通路(8)とを順に介してスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流するようにした、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
  2. 請求項1に記載したエンジンのブローバイガス還流装置において、
    新気導入室壁(13)に新気導入パイプ(14)を取り付け、この新気導入パイプ(14)のパイプ入口部(15)に新気導入通路(8)の通路終端部(16)を接続し、新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)の正面にパイプ出口対向壁(18)を設けた、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
  3. 請求項2に記載したエンジンのブローバイガス還流装置において、
    新気導入パイプ(14)のパイプ出口部(25)を新気導入室壁(13)の内壁面(28)よりも新気導入室(10)内に突出させた、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載したエンジンのブローバイガス還流装置において、
    クランクケース(9)に伝動ケース(31)を取り付け、この伝動ケース(31)の隣に新気導入室(10)を設け、この新気導入室(10)は伝動ケース(31)に臨む伝動ケース連通絞り孔(32)を介して伝動ケース(31)に連通させ、伝動ケース(31)はクランクケース(9)に臨むクランクケース連通絞り孔(11)を介してクランクケース(9)に連通させ、
    スロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)の新気(12)は、新気導入通路(8)と新気導入室(10)に続き、伝動ケース連通絞り孔(32)と伝動ケース(31)とクランクケース絞り孔(11)とを順に介してクランクケース(9)に導入され、
    クランクケース(9)からスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)への逆流時には、クランクケース(9)内のガスがクランクケース連通絞り孔(11)を通過し、更に伝動ケース(31)と伝動ケース連通絞り孔(32)とを順に通過した後、新気導入室(10)と吸気導入通路(8)とを順に介してスロットルバルブ(5)の上流側吸気通路(7)に逆流するようにした、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
  5. 請求項2または請求項3に記載したエンジンのブローバイガス還流装置において、
    パイプ出口対向壁(18)を新気導入パイプ(14)のパイプ出口(17)の下側に配置し、このパイプ出口対向壁(18)をその下端縁(34)に向けて下り傾斜させ、このパイプ出口対向壁(18)の上面を流れるエンジンオイルがパイプ出口対向壁(18)の下端縁(34)から新気導入室(10)の下部に流れ落ちるようにした、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
  6. 請求項2または請求項3に記載したエンジンのブローバイガス還流装置において、
    新気導入パイプ(14)を取り付けた新気導入室壁(13)に向けて、パイプ出口対向壁(18)の周縁部からパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)を折り曲げ形成し、パイプ出口部(25)を周囲3方からパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)で囲繞し、残り一方に連通口(26)を設け、パイプ出口対向壁(18)とパイプ出口部囲繞壁(22)(23)(24)とで囲まれた囲繞空間(27)を連通口(26)で外側の新気導入室(10)と連通させた、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
  7. 請求項6に記載したエンジンのブローバイガス還流装置において、
    下側パイプ出口部囲繞壁(24)を連通口(26)に向けて下り傾斜させ、下側パイプ出口部囲繞壁(24)の上面を流れるエンジンオイルが、連通口(26)から新気導入室(10)の下部に流れ落ちるようにした、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
  8. 請求項1から請求項3、請求項6、請求項7のいずれかに記載したエンジンのブローバイガス還流装置において、
    新気導入室(10)をクランクケース(9)の隣に設けた、ことを特徴とするエンジンのブローバイガス還流装置。
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