JP2011093074A - 保持治具の製造方法 - Google Patents

保持治具の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011093074A
JP2011093074A JP2009251938A JP2009251938A JP2011093074A JP 2011093074 A JP2011093074 A JP 2011093074A JP 2009251938 A JP2009251938 A JP 2009251938A JP 2009251938 A JP2009251938 A JP 2009251938A JP 2011093074 A JP2011093074 A JP 2011093074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
holding
elastic body
manufacturing
bottomed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009251938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5408779B2 (ja
Inventor
Atsushi Komori
敦 小森
Kiyoshi Hayashi
清志 林
Hiroaki Yokoyama
裕亮 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP2009251938A priority Critical patent/JP5408779B2/ja
Publication of JP2011093074A publication Critical patent/JP2011093074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5408779B2 publication Critical patent/JP5408779B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Drilling And Boring (AREA)
  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)

Abstract

【課題】小型部品が円滑に移動可能な保持孔が形成された弾性部材を備えて成る保持治具の製造方法を提供すること。
【解決手段】支持孔11が形成された補強部材5と、保持孔15が形成された弾性部材6とを備え、保持孔15が支持孔11の内部を通るように補強部材5が弾性部材6に埋設されて成る保持治具1の製造方法であって、補強部材5を埋設するように成形された弾性体7の一方の表面7aから他方の表面7bに向かう第1の有底穴21を弾性体7に形成する工程と、前記表面7bから前記表面7aに向かう第2の有底穴22を弾性体7に形成する工程と、第1の有底穴21及び第2の有底穴22を形成する穴加工工具8よりも外径が大きな穴加工工具9を用いて第1の有底穴21と第2の有底穴22とを貫通させる工程とを有することを特徴とする保持治具1の製造方法。
【選択図】 図4

Description

この発明は、保持治具の製造方法に関し、さらに詳しくは、小型部品が円滑に移動可能な保持孔が形成された弾性部材を備えて成る保持治具の製造方法に関する。
コンピュータ、電話機、ゲーム機、自動車電装機器等の電子機器に用いられる集積回路等には、例えば、積層セラミックチップコンデンサ(単に、チップコンデンサと称することがある。)等の小型部品が搭載されている。このような小型部品を製造する際等には、通常、小型部品を製造可能な小型部品用部材等を保持する保持孔が形成された保持治具が用いられる。このような保持治具として、例えば、特許文献1には、「(a)多数の並列状貫通通路を有するプレート体を備えること。(b)前記通路は弾性壁を有して電気用小型パーツが該通路内に位置可能となっており、かつ該通路の寸法は対応するパーツの寸法よりも小さく、パーツが前記通路内位置で弾発的に把持されること。以上(a)および(b)の構成から成るを特徴とする多数の電気用小型パーツ端部のコーティング用装置」が記載されている。
このような保持治具は、例えば、保持孔に対応するピンが立設された成形金型を用いる方法、成形した弾性体にドリル等を用いて保持孔を穿孔する方法等で、製造される。ドリル等を用いて保持孔を穿孔する方法として、例えば、特許文献2には、「金属製矩形プレート体の厚さ方向に形成したゴム層をドリルで切削加工して多数の貫通孔を形成するキャリアプレートの製造方法であって、前記貫通孔をドリルで切削する工程において、まず片側から厚さ方向に、貫通孔の径との比が6以内となる深さまで切削し、その後プレート体を反転させ、反対側からも同様に切削して、次に最初のドリルよりやや小径のドリルで残りを切削して貫通孔を形成することを特徴とするキャリアプレートの製造方法」(請求項3)が記載されている。
前記保持治具を用いて小型部品の両端部を順次処理する場合には、保持治具の一方の表面に一方の端部が突出するように小型部品を保持して保持治具の一方の表面から突出した小型部品の一方の端部を処理した後に、小型部品を保持孔の内部をその軸線方向に移動させて保持治具の他方の表面に小型部品の他方の端部が突出するように保持し、次いで、保持治具の他方の表面から突出した小型部品の他方の端部を処理する方法が、一般的に行われている。
ところが、特許文献2に記載された方法で貫通孔を形成すると、特にドリルの選定によっては、小型部品が形成された貫通孔内を円滑に移動せずに保持孔の内表面に、例えば内部に突出した内表面等に触突することがある。小型部品と保持孔の内表面等とが触突して小型部品が保持孔内を円滑に移動することができないと、小型部品と触突した保持孔の内表面、及び/又は、保持孔の内表面と触突した小型部品が損傷する懸念がある。
特公昭62−20685号公報 特開2009−39850号公報
この発明は、小型部品が円滑に移動可能な保持孔が形成された弾性部材を備えて成る保持治具の製造方法を提供することを、目的とする。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、支持孔が形成された補強部材と自身に挿入された小型部品を弾発的に保持する保持孔が形成された弾性部材とを備え、前記保持孔が前記支持孔の内部を通るように前記補強部材が前記弾性部材に埋設されて成る保持治具の製造方法であって、前記補強部材を埋設するように成形された弾性体の一方の表面から他方の表面に向かう第1の有底穴を前記支持孔の軸線に沿って前記弾性体に形成する工程と、前記他方の表面から前記一方の表面に向かう第2の有底穴を前記軸線に沿って前記弾性体に形成する工程と、前記第1の有底穴を形成する第1の穴加工工具及び前記第2の有底穴を形成する第2の穴加工工具よりも外径が大きな第3の穴加工工具を用いて前記第1の有底穴と前記第2の有底穴とを貫通させる工程とを有することを特徴とする保持治具の製造方法であり、
請求項2は、前記第1の有底穴及び前記第2の有底穴はそれぞれ前記弾性体の厚さの50%未満の深さに形成されることを特徴とする請求項1に記載の保持治具の製造方法であり、
請求項3は、前記第1の穴加工工具、前記第2の穴加工工具及び前記第3の穴加工工具はいずれもドリルであることを特徴とする請求項1又は2記載の保持治具の製造方法であり、
請求項4は、前記第1の有底穴及び前記第2の有底穴は前記支持孔の軸線と共通する軸線を有するように形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の保持治具の製造方法である。
この発明においては、前記弾性体の一方の表面から他方の表面に向かう第1の有底穴を支持孔の軸線に沿って弾性体に形成する工程と、前記他方の表面から一方の表面に向かう第2の有底穴を前記軸線に沿って弾性体に形成する工程と、前記第1の穴加工工具及び前記第2の穴加工工具よりも外径が大きな第3の穴加工工具を用いて前記第1の有底穴と前記第2の有底穴とを貫通させる工程とを有しているから、小型部品が保持孔内をその軸線方向に円滑に移動することができる。したがって、この発明によれば、小型部品が円滑に移動可能な保持孔が形成された弾性部材を備えて成る保持治具の製造方法を提供することができる。
図1は、この発明に係る保持治具の製造方法によって製造される保持治具の一例である保持治具を示す概略上面図である。 図2は、図1のA−A線で切断した保持治具における断面の一部を示す概略断面図である。 図3は、この発明に係る保持治具の製造方法によって製造される保持治具を構成する補強部材の一例である補強部材を示す概略上面図である。 図4は、この発明に係る保持治具の製造方法を説明する説明図であり、図4(a)はこの発明に係る保持治具の製造方法において補強部材を埋設した状態に成形された弾性体を示す一部断面図であり、図4(b)はこの発明に係る保持治具の製造方法において第1の有底穴が形成された弾性体を示す一部断面図であり、図4(c)はこの発明に係る保持治具の製造方法において第1の有底穴及び第2の有底穴が形成された弾性体を示す一部断面図であり、図4(d)はこの発明に係る保持治具の製造方法において第1の有底穴と第2の有底穴とを貫通させて保持孔が形成された保持治具を示す一部断面図である。
この発明に係る保持治具の製造方法によって製造される保持治具に保持される小型部品は、小型部品の製造工程、搬送工程等において保持される必要性のある、小型部品を製造可能な小型部品用部材、例えば、小型器具用部材、小型機械要素用部材及び小型電子部品用部材等が挙げられる。また、小型部品の製造には小型部品の搬送工程等も含まれるから、小型部品は、小型部品そのもの、例えば、小型器具、小型機械要素及び小型電子部品等も含まれる。したがって、この発明においては、小型部品と小型部品用部材とは明確に区別される必要はない。小型電子部品及び小型電子部品用部材としては、例えば、チップコンデンサ、インダクタチップ、抵抗体チップ等の完成品若しくは未完成品等、及び/又は、これらを製造可能な例えば、角柱体若しくは円柱体、一端部に鍔を有する角柱体若しくは円柱体、両端部に鍔を有する角柱体若しくは円柱体等が挙げられる。
この発明に係る保持治具の製造方法によって製造される保持治具は、支持孔が形成された補強部材と、自身に挿入された小型部品を弾発的に保持する保持孔が形成された弾性部材とを備え、前記保持孔が前記支持孔の内部を通るように前記補強部材が前記弾性部材に埋設されて成る保持治具である。
このような保持治具としては、例えば、特許文献1に記載された「コーティング用装置」、特許文献2に記載された「キャリアプレート」、図1〜3に示される保持治具等が挙げられる。
前記保持治具の一例として、図1〜3に示される保持治具1を具体的に説明する。この保持治具1は、図1及び図2等に示されるように、支持孔11が形成された補強部材5と、保持孔15が形成された弾性部材6とを備え、保持孔15が支持孔11の内部を通るように補強部材5の一部が弾性部材6に埋設されて成る。そして、この保持治具1は、弾性部材6の弾性力で保持孔15に挿入された小型部品を弾発的に保持することができる。
前記補強部材5は、図2によく示されるように、支持孔11が形成された平坦部12が少なくとも後述する弾性部材6に埋設され、弾性部材6が平坦になるように、弾性部材6を補強支持する。この補強部材5は、図2及び図3に示されるように、多数の支持孔11が穿設された矩形の平坦部12と、平坦部12の周囲に平坦部12の厚さ方向すなわち上面方向及び下面方向に突出した鍔部13とを備えている。この鍔部13はフランジ部と称することもできる。
前記鍔部13は、平坦部12を囲繞するように形成され、図2に示されるように、平坦部12の上面方向及び下面方向における突出量が一定になるように調整されている。換言すると、鍔部13は、図2に明確に示されるように、平坦部12を囲繞する長方形の枠を成し、その厚さ方向の略中央部で鍔部13よりも薄い平坦部12に連結している。この鍔部13は、平坦部12の強度を補強し、また、保持治具1としたときの優れた取扱性を確保する。
前記平坦部12は、図2及び図3に示されるように、厚さ方向に貫通する支持孔11が形成される領域であり、一定の厚さを有している。平坦部12の厚さは、例えば、5.9〜7.0mmの範囲内に設定される。
前記支持孔11は、前記平坦部12内に、多数、例えば、約100個以上、好ましくは少なくとも約3000個、より好ましくは少なくとも約5000個が、平坦部12の厚さ方向に貫通するように、形成されている(図3において、支持孔11の一部を図示していない。)。補強部材5に多数の支持孔11が形成されると、保持治具1を用いて小型部品を製造するときの生産性が向上する。
複数の支持孔11は、第1整列方向及び第1整列方向に略垂直に交差する第2整列方向に沿って整列されている。この例において、支持孔11は、平坦部12の縦方向に略平行な第1整列方向と平坦部12の横方向に略並行で前記第1整列方向に垂直に交差する第2整列方向とに沿って、すなわち、縦横方向に沿って、所定の間隔をおいて碁盤目状に穿孔されている。この例においては、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿う隣接する支持孔11の間隔は同じ間隔に調整されている。支持孔11の前記間隔は、前記方向に沿って隣接する支持孔11の軸線同士の距離であり、形成する支持孔11の数、保持する小型部品の寸法等に応じて適宜に調整される。
平坦部12の表面に開口する支持孔11における開口部の形状、及び、支持孔11を平坦部12に平行な水平面で切断したときの断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、矩形、多角形等の形状を任意に選択することができる。前記開口部の形状及び前記断面形状は同じ形状であるのがよい。この例においては、開口部の形状及び前記断面形状が同一の円形であり、同一の直径を有している。支持孔11の直径は、形成する支持孔11の数、保持する小型部品の寸法等に応じて適宜に調整される。
前記補強部材5は、小型部品の生産性、小型部品の寸法及び保持治具1の強度等を考慮して、鍔部13及び平坦部12の寸法が調整される。
前記弾性部材6は、図1及び図2に示されるように、多数の保持孔15が穿孔され、前記平坦部12を内部に収容可能な空隙を有している。そして、図2に示されるように、弾性部材6は、補強部材5の平坦部12を埋設し、換言すると、平坦部12の両面を被覆すると共に補強部材5の支持孔11に貫入し、補強部材5の鍔部13と面一になるように、形成されている。すなわち、弾性部材6は、平坦部12の表面に配置され、補強部材5の鍔部13によって囲繞されている。このように、弾性部材6は、その一部が補強部材5の支持孔11に貫入してなる柱状体を介して、補強部材5の両面に配設された2つの板状成形体が一体に成っている。さらにいうと、弾性部材6は、平坦部12の一方の表面を覆う第1の板状成形体と、平坦部12の他方の表面を覆う第2の板状成形体と、第1の板状成形体及び第2の板状成形体を連結する柱状体とを備え、前記柱状体は前記支持孔11の寸法と同じ寸法を有している。ここで、前記弾性部材6は、その保持孔15が支持孔11の内部を通るように平坦部12を埋設している。弾性部材6は、図2に示されるように、好ましくは保持孔15が自身を貫く1本の軸線Cを有し、特に好ましくは前記軸線Cは支持孔11の軸線Cに一致するように、前記補強部材5特に平坦部12を埋設している。このように弾性部材6が形成されると、弾性部材6と補強部材5との密着性に優れるうえ小型部品の挿入及び抜き取りが容易になる。
弾性部材6は、図1及び図2に示されるように、多数、例えば、約100個以上、好ましくは少なくとも約3000個、より好ましくは少なくとも約5000個が、弾性部材6の厚さ方向に貫通するように、形成されている(図1において、保持孔15の一部を図示していない。)。この保持孔15は、自身に挿入又は貫入された小型部品をその弾性力で弾発的に保持することができる。弾性部材6に多数の保持孔15が形成されると、保持治具1を用いて小型部品を製造するときの生産性が向上する。
複数の保持孔15は、前記支持孔11と基本的に同様に、平坦部12の縦方向に略平行な第1整列方向と平坦部12の横方向に略並行で前記第1整列方向に垂直に交差する第2整列方向とに沿って、すなわち、縦横方向に沿って、所定の間隔をおいて碁盤目状に穿孔されている。この例においては、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿う隣接する保持孔15の間隔は同じ間隔に調整され、通常、前記支持孔11の間隔と一致している。保持孔15の前記間隔は、前記方向に沿って隣接する保持孔15の軸線同士の距離であり、形成する保持孔15の数、保持する小型部品の寸法等に応じて適宜に調整される。
弾性部材6の表面に開口する保持孔15における開口部の形状、及び、保持孔15を弾性部材6に平行な水平面で切断したときの断面形状は同じ形状に形成される。この例においては、開口部の形状及び前記断面形状は同一の直径を有する略円形に形成されている。保持孔15の直径は、形成する保持孔15の数、保持する小型部品の寸法等に応じて適宜に調整される。
弾性部材6は、小型部品を挿入及び/又は抜き取る際に弾性変形し、かつ、破損しないように、所定の伸び、引張強さ及び硬度を有しているのが好ましい。例えば、JIS K6249に規定の切断時伸び(引張速度500mm/min)は、200〜1000%であるのが好ましく、400〜900%であるのが特に好ましく、JIS K6249に規定の引張強さ(引張速度500mm/min)は、5〜15MPaであるのが好ましく、7〜14MPaであるのが特に好ましく、JIS K6253に規定の硬度(JIS A)は、20〜80であるのが好ましく、40〜60であるのが特に好ましい。前記JIS K6249に規定の切断時伸び及び引張強さは、23℃、湿度50%の環境下で、3号ダンベル形状の試験片を作製して、切断時伸びはつかみ具間隔を標線距離で20mmに設定して、実施する。
前記弾性部材6は、引き裂き強度が5〜50kN/mであるのが好ましく、30〜50kN/mであるのが特に好ましい。前記弾性部材6が前記範囲の引き裂き強度を有していると、小型部品の挿入及び/又は抜き取り操作を繰り返しても、弾性部材6が破損しにくく、また多数の小型部品をほぼ均一な弾性力で保持することができる。前記引き裂き強度は、前記弾性部材6と同一の材料で作製された「クレセント型試験片」又は前記弾性部材6から切り出された「クレセント型試験片」を用いて、JIS K6252に規定された方法で測定することができる。
弾性部材6の表面は、保持治具1が小型部品の製造方法、例えば、小型部品用部材の電極形成工程に使用されるから、製品の均質性を実現し、また、弾性部材6の表面に導電性ペースト等が付着しないように、平滑であるのが好ましい。弾性部材6の表面を鏡面にするには、内面が鏡面とされた金型を用いて弾性部材6を成形する方法、成形後の表面を常法に従って研磨処理又は研削処理する方法等を選択すればよい。
前記弾性部材6は、小型部品の生産性、小型部品の寸法及び発揮される弾性力等を考慮して、通常、前記鍔部13と面一になるように、その寸法及び厚さが調整される。すなわち、弾性部材6の厚さは、保持治具1の厚さと同じ厚さに調整され、通常、8.9〜10mmに調整される。
このように構成される保持治具は、例えば、前記小型部品の保持用として特に好適であり、少なくとも二箇所に電極形成用の導電性ペーストを塗布する必要のある小型部品の保持用としてさらに好適である。
そして、例えば前記保持治具1は、小型部品の軸線が保持孔15の軸線と略平行となる状態、好ましくは一致する状態に小型部品を保持孔15に挿入して弾発的に保持する。そして、小型部品を保持した保持治具1は、小型部品の製造工程、搬送工程等に供される。保持治具1に小型部品を保持するには、例えば、保持孔15と同数の貫通孔が保持孔15と同じ間隔で同様に整列された整列板を準備し、貫通孔と保持孔15とが一致するように、整列板を保持治具1の上に重ね合わせる。次いで、整列板の貫通孔それぞれに小型部品を挿入し、小型部品を平坦な板状部材で均一に保持治具側に押圧する。そうすると、小型部品は保持孔15に前記状態となるように挿入され、弾発的に保持される。
この発明に係る保持治具の製造方法の一例として前記保持治具1を製造する製造方法(以下、この発明に係る一製造方法と称することがある。)を説明する。この発明に係る一製造方法は、図4に示されるように、補強部材5具体的には前記平坦部12を埋設するように成形された弾性体7の一方の表面7aから他方の表面7bに向かう第1の有底穴21を支持孔11の軸線Cに沿って弾性体7に形成する工程と、前記他方の表面7bから前記一方の表面7aに向かう第2の有底穴22を前記軸線Cに沿って弾性体7に形成する工程と、第1の有底穴21を形成する第1の穴加工工具8及び第2の有底穴22を形成する第2の穴加工工具8よりも外径が大きな第3の穴加工工具9を用いて第1の有底穴21と第2の有底穴22とを貫通させる工程とを有することを特徴とする。ここで、この発明において、前記第1の穴加工工具、第2の穴加工工具及び前記第3の穴加工工具の外径は、ドリルの場合、通常、山径をいう。
この発明に係る一製造方法においては、まず、図4(a)に示されるように、弾性部材6を構成する弾性体7、すなわち、保持孔15が形成されていない弾性部材を成形する。換言すると、補強部材5を埋設する弾性体7を成形する工程を行う。この工程を行うには、補強部材5、弾性体7を形成する弾性材料及び成形金型を準備する。
補強部材5は、例えば、支持孔11が形成されていない板状体を作製した後に支持孔11を形成して、作製される。前記板状体は、例えば、鍔部13の厚さと同じ又はそれよりも厚い板体から、平坦部12とその周囲に鍔部13とを有する板状体を所望寸法に切り出して、作製される。又は、前記板状体は、支持孔11が形成された平坦部12と鍔部13とを別個に作製し、溶接又は接着等の接合手段によって、平坦部12と鍔部13とを所望の位置に接合して、作製される。このようにして作製された板状体の平坦部12に、所定形状を有する多数の支持孔11を、フライス盤、ボール盤、ワイヤーカット機等を用いた切削加工、研削加工又はワイヤーカット等によって、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿って所定の間隔で整列されるように、穿設する。平坦部12の表面に、弾性部材6との密着を高めるために、接着剤又はプライマー等が塗布されてもよい。
補強部材5は、弾性部材6を平坦な形状に維持することのできる材料で形成されていればよく、このような材料として、金属及び樹脂等が挙げられる。具体的には、金属として、ステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金及びニッケル合金等が挙げられ、樹脂として、例えば、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリ塩化ビニル等が挙げられる。補強部材5は、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金及びポリフェニレンスルフィド樹脂等で形成されるのが好ましく、特にアルミニウム又はアルミニウム合金で形成されるのが好ましい。
前記成形金型は、自身に収納した補強部材5の少なくとも平坦部12が、成形される弾性体7に埋設されるように、弾性体7を成形可能な金型であればよく、例えば、特開2006−344826号公報の図2に示される「成形金型」等が挙げられる。成形金型の一例をもう少し詳しく説明すると、この発明に係る一製造方法に用いられる成形金型は、凹部を有する上側成形金型と凹部を有する下側成形金型とから成り、前記凹部が互いに向かい合うように上側成形金型と下側成形金型とを重ね合せたときに、上側成形金型に形成された凹部と下側成形金型に形成された凹部とで補強部材5を収容可能な収納凹部が形成される成形金型が挙げられる。この成形金型における凹部の内表面は鏡面加工されていてもよい。
前記弾性材料は、弾性部材6としたときに弾性変形し小型部品を挿入保持することのできる材料で形成される。このような材料として、例えば、ゴム及びエラストマー等が挙げられ、より具体的には、シリコーンゴムが挙げられる。シリコーンゴムの中でも、高重合度の線状ポリジメチルシロキサン若しくはその共重合体を架橋してゴム弾性を付与したシリコーンゴム、又は、耐酸性のシリコーンゴムが好ましい。高重合度の線状ポリジメチルシロキサンを架橋したシリコーンゴムとしては、例えば、商品名「KE−1950−50」(信越化学工業株式会社製)等を入手することができる。
このようにして準備した成形金型の収納凹部に補強部材5を収納して、成形金型の前記凹部及び補強部材で画成されたキャビティに、液状の前記弾性材料を充填して弾性体7を成形する。弾性材料の充填及び成形方法は、特に限定されず、例えば、圧縮成形、射出成形、トランスファー成形等の成形方法を採用することができる。成形温度及び成形時間等は、使用する弾性材料が硬化する温度及び時間であればよく、弾性材料に応じて、任意に調整される。
このようにして、図4(a)に示されるように、補強部材5の前記平坦部12を埋設した状態に弾性体7が成形される。具体的には、補強部材5の平坦部12を埋設すると共に保持孔15が形成されていない弾性体7が補強部材5と一体成形されることができる。
成形された弾性体7の表面に成形バリが生じていた場合、又は、弾性体7の平面度を向上させる場合等には、研削等の表面処理が行われてもよい。例えば、表面処理として、平面研削、フライス研削、ラッピング等が挙げられる。また、弾性体7の表面を鏡面加工することもできる。なお、弾性体7の成形後に、弾性体7の硬化を確実にするため、二次加熱又は熱処理等を行ってもよい。
このようにして形成される弾性体7は、前記弾性部材6と同様の伸び、引張強さ及び硬度を有しているのが好ましい。また、前記弾性体7は、引き裂き強度が5〜50kN/mであるのが好ましく、30〜50kN/mであるのが特に好ましい。弾性体7が前記範囲の引き裂き強度を有していると、穴加工工具の軸線に垂直な断面形状とほぼ同一の断面形状を有する有底穴を穿孔することができる。弾性体7の伸び、引張強さ、硬度及び引き裂き強度は前記弾性部材6と基本的に同様にして測定することができる。
この発明に係る一製造方法においては、次いで、成形された弾性体7に第1の有底穴21を形成する。すなわち、弾性体7の一方の表面7aから他方の表面7bに向かう第1の有底穴21を支持孔11の軸線Cに沿って弾性体7に形成する工程を行う。この工程は、例えば、第1の有底穴21を形成することのできるフライス盤、ボール盤、NCマシニングセンタ、ドリルマシン等を用いて、行う。これらの装置には、第1の有底穴21を形成可能な第1の穴加工工具8として、例えば、ドリル、バイト等が装着され、好ましくは、樹脂用ドリルが装着されている。この第1の穴加工工具8は、形成する保持孔15の直径と略同一又は大きな外径を有するものであればよく、その先端部形状等は特に限定されない。例えば、第1の穴加工工具8として、保持孔15の直径に対して0.05〜0.3mm大きな外径を有するドリルが挙げられる。
この工程においては、図4(a)に示されるように、前記第1の穴加工工具8を弾性体7に埋設された補強部材5の支持孔11の軸線C上に配置する。このとき、第1の穴加工工具8の軸線と支持孔11の軸線Cとは一致している。この第1の穴加工工具8を、第1の穴加工工具8が配置された側である弾性体7の一方の表面7aから他方の表面7bに向かって軸線Cに沿って移動すなわち降下させる。このとき、第1の穴加工工具8は、弾性体7の適宜の深さまで降下される。この発明に係る一製造方法において、第1の穴加工工具8は、その先端部が弾性体7における厚さの50%未満の深さまで降下されるのが好ましく、弾性体7の厚さの40%以上50%未満の深さまで降下されるのが特に好ましい。第1の穴加工工具8の降下量が前記のように調整されると、形成される保持孔15の径がその軸線C方向に略均一になる。この例において、第1の穴加工工具8は、その先端部が支持孔11の内部にまで、例えば、弾性体7の厚さの40%以上50%未満の深さまで降下されている。この発明において、弾性体7の厚さは、図4に示されるように、弾性体7における一方の表面7aから他方の表面7bまでの距離である。
このようにして第1の穴加工工具8による穴あけ加工を行うと、図4(b)に示されるように、弾性体7の一方の表面7aに開口する第1の開口部23と、弾性体7の内部に位置する第1の底部25とを有すると共に、支持孔11と軸線Cを共有する第1の有底穴21が形成される。前記第1の底部25は、前記と同様の理由により、弾性体7における厚さの50%未満の深さにあるのが好ましく、前記支持孔11の内部にあるように、例えば、弾性体7の厚さの40%以上50%未満の深さにあるのが特に好ましい。この例において、前記厚さを有する弾性体7の場合には、第1の穴加工工具8の先端部が支持孔11の内部にまで降下して形成された第1の有底穴21は弾性体7の厚さの40%以上50%未満の深さであって支持孔11の内部に第1の底部25を有している。
なお、前記第1の穴加工工具8の降下量、すなわち、第1の有底穴21における第1の底部25の深さは、用いる第1の穴加工工具8の先端部形状によらず、前記弾性体7における前記一方の表面7aから、第1の穴加工工具8の先端部における最先端の位置すなわち第1の有底穴21における第1の底部25の最深部までの距離である。
この工程において、前記第1の穴加工工具8を、例えば、5000〜60000rpmの回転数で回転させると、径が均一な第1の有底穴21を形成することができる。
この発明に係る一製造方法においては、次いで、弾性体7の他方の表面7bから一方の表面7aに向かう第2の有底穴22を前記軸線Cに沿って弾性体7に形成する。この工程は、図4(b)に示されるように、第1の有底穴21が形成された弾性体7を反転させて、他方の表面7bを上方に向けた状態に固定して、例えば、第1の有底穴21と基本的に同様にして行うことができる。例えば、この工程は、図4(b)に示されるように、補強部材5の支持孔11の軸線C上、すなわち、形成された第1の有底穴21の軸線C上であって反転された弾性体7における他方の表面7b側の延長線上に前記第2の穴加工工具8を配置して、この第2の穴加工工具8を前記第1の有底穴21と同様にして移動、図4(b)においては降下させて、行うことができる。この工程で使用する第2の穴加工工具8は、第1の有底穴21を形成した第1の穴加工工具8と同一であるのが、形成される保持孔15の軸線方向の径が略一定となる点で、好ましい。
この工程において、第2の穴加工工具8の降下量は、第1の有底穴21に連通しない程度に調整され、例えば、その先端部が弾性体7における厚さの50%未満の深さまで、降下される。第2の穴加工工具8の降下量は第1の有底穴21を形成するときの第1の穴加工工具8の降下量と同じであるのが好ましい。この工程において、前記第2の穴加工工具8を、例えば、5000〜60000rpmの回転数で回転させると、径が均一な第2の有底穴22を形成することができる。
このようにして第2の穴加工工具8による穴あけ加工を行うと、図4(c)に示されるように、弾性体7の他方の表面7bに開口する第2の開口部24と、弾性体7の内部に位置する第2の底部26とを有すると共に、支持孔11及び第1の有底穴21と軸線Cを共有する第2の有底穴22が形成される。第2の有底穴22の底部24は、第1の有底穴21と同様に、弾性体7における厚さの50%未満の深さにあるのが好ましく、前記支持孔11の内部にあるように、例えば、弾性体7の厚さの40%以上50%未満の深さにあるのが特に好ましい。この例において、前記厚さを有する弾性部材6の場合には、第1の穴加工工具8の先端部が支持孔11の内部にまで降下して形成された第2の有底穴22は弾性体7の厚さの40%以上50%未満の深さであって支持孔11の内部に第2の底部26を有している。そして、第1の有底穴21と第2の有底穴22とは、図4(c)に示されるように、平坦部12及び/又は弾性体7の厚さ方向の中心面(図4(c)に図示しない。)に対して面対称となるように、形成されている。すなわち、第1の有底穴21と第2の有底穴22とは、互いの軸線を共有すると共に、前記有底穴21及び22が貫通していない弾性体7の残存部分を介して互いの底部23及び24が背中合わせになっている。
この発明に係る一製造方法においては、次いで、前記第1の穴加工工具8及び前記第2の穴加工工具8よりも外径が大きな第3の穴加工工具9を用いて、第1の有底穴21と第2の有底穴22とを貫通させる。この工程は、弾性体7のいずれか一方の表面側であって、補強部材5の支持孔11の軸線C上、すなわち、形成された第1の有底穴21及び第2の有底穴22の軸線C上に前記第3の穴加工工具9を配置して第3の穴加工工具9を前記第1の有底穴21又は前記第2の有底穴22と同様にして移動させて、行う。この例においては、図4(c)に示されるように、弾性体7を再度反転させることなく前記他方の表面7bが上方に向けた状態で、前記軸線C上であって前記他方の表面7b側の延長線上に第3の穴加工工具9を配置してこの第3の穴加工工具9を前記軸線Cに沿って降下させる。この工程で使用する第3の穴加工工具9は第1の穴加工工具8及び第2の穴加工工具8よりも外径が大きな穴加工工具を用いる。第3の穴加工工具9が第1の穴加工工具8及び第2の穴加工工具8の外径よりも大きいと、第1の有底穴21と第2の有底穴22とが貫通してなる保持孔15の径がその軸線方向に略一定となる。
この発明に係る一製造方法において、第3の穴加工工具9は外径以外は第1の穴加工工具8及び第2の穴加工工具8と基本的に同様の穴加工工具を使用することができる。第3の穴加工工具9の外径は第1の穴加工工具8及び第2の穴加工工具8の外径よりも0.1〜0.15mm程度大きいのが保持孔15の径を必要以上に大きくすることなく軸線方向に略一定の径に調整することができる点で好ましい。
前記第3の穴加工工具9は、第1の有底穴21と第2の有底穴22とが貫通するまで前記軸線Cに沿って移動されるが、貫通形成される保持孔15が前記軸線C方向に均一な径となる点で、前記第3の穴加工工具9は、弾性体7を貫通するまで、すなわち、第1の開口部23と第2の開口部24とを貫通するまで、移動されるのが好ましい。
このようにして第1の有底穴22と第2の有底穴23とを貫通させると、図4(d)に示されるように、弾性部材6をその厚さ方向に貫通する保持孔15が形成される。このようにして形成される保持孔15は、第1の有底穴22と第2の有底穴23との連結部に突出する突出部が実質的に形成されず、軸線方向に略一定の径を有する。
このようにして、保持治具1が製造される。
この発明に係る一製造方法によれば、弾性体7の一方の表面7aから他方の表面7bに向かう第1の有底穴22を前記軸線Cに沿って弾性体7に形成する工程と、弾性体7の他方の表面7bから一方の表面7aに向かう第2の有底穴23を前記軸線Cに沿って弾性体7に形成する工程と、第1の有底穴22及び第2の有底穴23を形成する第1の穴加工工具8及び第2の穴加工工具8よりも外径が大きな第3の穴加工工具9を用いて第1の有底穴22と第2の有底穴23とを貫通させる工程とを有しているから、保持孔内にその内部に突出する突出部が実質的に形成されず、第1の有底穴22と第2の有底穴23とが貫通してなる保持孔15の径がその軸線C方向に略一定となり、その結果、小型部品が保持孔15内をその軸線C方向に移動する際に保持孔15の内表面と触突することなく円滑に移動することができる。したがって、この発明に係る一製造方法によれば、小型部品が円滑に移動可能な保持孔15が形成された弾性部材6を備えて成る保持治具1の製造方法を提供することができる。
この発明に係る一製造方法によって製造される保持治具1は、軸線C方向に略一定な径を有する保持孔15が形成されているから、この保持治具1によれば、例えば、小型部品の両端部に電極を形成する場合等において、小型部品を保持孔15の軸線方向に移動させるときに、小型部品と保持孔15の内表面とが触突することがなく、小型部品及び保持孔15の内表面が損傷することを高度に防止することができる。したがって、この発明に係る一製造方法によって製造される保持治具1によれば、保持治具1の使用期間が大幅に延長されると共に小型部品を製造するときの歩留まりが大幅に向上する。
この発明に係る保持治具の製造方法は、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、この発明に係る一製造方法においては、前記第1の有底穴21及び前記第2の有底穴22は、それぞれ、第1の底部25及び第1の底部26が支持孔11内に位置するように、形成されているが、この発明において、前記第1の有底穴及び前記第2の有底穴は、第1の底部及び第1の底部が共に支持孔外に位置するように形成されてもよく、それらの一方が支持孔外に位置するように形成されてもよい。
この発明に係る一製造方法においては、図4(b)に示されるように、弾性体7を反転させて前記他方の表面7bを上方に向けた状態で弾性体7の他方の表面7b側から第2の穴加工工具8を第1の有底穴21に向けて降下させて第2の有底穴22を形成しているが、この発明において、弾性体7を反転させることなく、弾性体7の他方の表面7b側から第2の穴加工工具8を第1の有底穴21に向けて上昇させて第2の有底穴22を形成してもよい。
この発明に係る一製造方法においては、図4(c)に示されるように、第3の穴加工工具9を第1の有底穴21側に配置して第1の有底穴21を第2の有底穴22に貫通させて保持孔15を形成しているが、この発明において、第3の穴加工工具は弾性体のいずれかの表面側に配置されていればよく、例えば、第3の穴加工工具を第2の有底穴側に配置して第2の有底穴を第1の有底穴に貫通させて保持孔を形成してもよい。
この発明に係る保持治具の製造方法によって製造される保持治具は、前記した保持治具1に限定されることはない。例えば、前記保持治具1は、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿う支持孔11の間隔が同一間隔に設定され、かつ、前記第1整列方向及び前記第2整列方向に沿う保持孔15の間隔が同一間隔に設定されているが、この発明において、第1整列方向及び第2整列方向に沿う支持孔の間隔は異なる間隔に設定されていてもよく、また、第1整列方向及び第2整列方向に沿う保持孔の間隔は異なる間隔に設定されていてもよい。
前記保持治具1において、補強部材5の支持孔11及び弾性部材6の保持孔15はいずれも第1整列方向及び第2整列方向に沿って碁盤目状に整列されているが、この発明において、貫通孔及び保持孔は、例えば、正六角形が最密に配置されるハニカム配列、45度回転して縦横に配列されるスクエア配列、一点から放射状とされる放射形状の配列、放射曲線形状の配列、同心円形状の配列、一点から渦巻き状とされる渦巻き形状の配列等に従って、穿孔されてもよい。
保持治具1において、図3に示されるように、補強部材5は平坦部12の周囲に鍔部13が形成されているが、この発明においては、鍔部は、平担部の周囲に形成されている必要はなく、形成されてなくてもよく又は平坦部の少なくとも1辺に形成されてもよい。さらに、前記保持治具1において、前記補強部材5は平坦部12の上面方向及び下面方向における突出量が一定となる鍔部13を有しているが、この発明において、補強部材は平坦部の上面方向及び下面方向における突出量が異なる鍔部を有していてもよい。
保持治具1において、図1〜図3に示されるように、支持孔11は、保持孔15の開口部と同様の開口部形状に穿孔されているが、この発明においては、支持孔は、保持孔の開口部と異なる開口部形状に穿孔されてもよい。
(実施例1)
厚さ9.3mmのアルミニウム板を縦180mm×横270mmに切り出し、その縦150mm×横225mmの長方形の領域を両表面から深さ1.7mmまで切削して、周囲に鍔部13を有する厚さが5.9mmの平坦部12を形成した。この平担部12に、1.6mmの直径を有する円形断面の支持孔11を、縦方向及び横方向に2.03mmの間隔で、縦71列及び横108列に整列した状態に、穿孔した。このようにして、図3に示される補強部材5を作製した。
次いで、前記補強部材5を収納可能な収納凹部を有する成形金型に、プライマー(プライマーNo.4、信越化学工業株式会社製)を塗布した補強部材5を収納して、成形金型と補強部材とで形成されたキャビティにシリコーンゴム(信越化学工業株式会社製、商品名「KE−1950−50」)を充填した。この状態のまま成形金型ごと180℃で5分間加熱し、補強部材5とシリコーンゴムとを一体成形して、図4(a)に示される弾性体7を得た。
この弾性体7の切断時伸び、引張強さ及びJIS A硬度として、この弾性体7を形成する前記シリコーンゴムを同様に成形してJIS K6249及びJIS K6253に記載の前記ゴム試験片をそれぞれ作製し、前記測定方法に準拠してゴム試験片の切断時伸び、引張強さ及びJIS A硬度をそれぞれ測定した。また、前記弾性体7の引き裂き強度として、この弾性体7を形成する前記シリコーンゴムを同様に成形してクレセント型試験片を作製し、JIS K6252に規定された方法2準拠して前記条件で測定した。その結果、弾性体7の切断時伸び、引張強さ及びJIS A硬度、引き裂き強度はそれぞれ、600%、8.8MPa、49及び40kN/mであった。
次いで、ドリルマシン(ファナック株式会社製)の回転軸に第1の穴加工工具として外径0.6mmの樹脂用ドリル8をセットして、この樹脂用ドリル8の軸線が支持孔11の軸線C上に配置されるように前記弾性体7をセットした。次いで、この樹脂用ドリル8を20000rpmで回転させつつ弾性体7に向かって形成される第1の有底穴21における第1の底部25の深さが4.6mm(弾性体7の厚さの49%)となるまで前記軸線Cに沿って降下させて、第1の有底穴21を形成した。
次いで、第1の有底穴21が形成された弾性体7を反転させて前記ドリルマシンにセットし、第2の穴加工工具として前記第1の穴加工工具と同じ前記樹脂用ドリル8を20000rpmで回転させつつ弾性体7に向かって形成される第2の有底穴22における第2の底部26の深さが4.6mm(弾性体7の厚さの49%)となるまで前記軸線Cに沿って降下させて、第2の有底穴22を形成した。
次いで、第3の穴加工工具として前記樹脂用ドリル8に代えて外径0.7mmの樹脂用ドリル9を前記ドリルマシンの回転軸にセットした。弾性体7を反転させることなく、前記樹脂用ドリル9を20000rpmで回転させつつ弾性体7に向かって弾性体7を完全に貫通するまで前記軸線Cに沿って降下させて、保持孔15を形成した。
このようにして、支持孔11と同数の保持孔15を支持孔11と同軸となるように形成して、保持治具を製造した。この保持治具における切断時伸び、引張強さ及びJIS A硬度、引き裂き強度はそれぞれ弾性体7の切断時伸び、引張強さ及びJIS A硬度、引き裂き強度と同様の値であった。
(実施例2及び3)
第3の穴加工工具として前記樹脂用ドリル9に代えて外径0.72mm又は外径0.75mmの各樹脂用ドリルを用いたこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具をそれぞれ製造した。
(実施例4)
前記第1の底部25の深さ及び前記第2の底部26の深さを、いずれも、3.7mm(弾性体7の厚さの40%)に変更したこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具をそれぞれ製造した。
(実施例5)
前記第1の底部25の深さを4.1mm(弾性体7の厚さの45%)及び前記第2の底部26の深さ4.5mm(弾性体7の厚さの48%)に変更したこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。
(比較例1)
第3の穴加工工具として前記樹脂用ドリル9に代えて前記樹脂用ドリル8よりも小さな外径0.5mmの樹脂用ドリルを用いたこと以外は、実施例1と基本的に同様にして、保持治具を製造した。
(保持孔の評価:径寸法)
製造した各保持治具における保持孔のうち任意の5個の保持孔を選択して、これら保持孔の内径を軸線C方向に等間隔で10個所測定した。その結果、実施例1〜5の保持治具においては内径の差がほとんどなかったのに対して、比較例1の保持治具においては内径の差が大きかった。
(保持孔の評価:押圧力)
製造した各保持治具における保持孔のうち任意の5個の保持孔を選択して、これら保持孔内を縦0.5mm×横0.5mm×高さ1.0mmの直方体状小型部品が円滑に通過するか否かを保持孔を通過させるときに押圧する直方体状小型部品への押圧力で評価した。この押圧力を次のようにして測定した。まず、測定部先端に直径0.2mmの円柱を成した先端子を取り付けたデジタルフォースゲージ(商品名:ZP(Z2)−2N、株式会社イマダ製)を備えた計測スタンド(商品名:MX−500N、株式会社イマダ製)を用意し、測定環境を21±1°、湿度50±5%に設定した。次いで、一端部を保持孔に挿入した直方体状小型部品に前記先端子を接触させ、20mm/minの速度で前記直方体状小型部品を押圧して、この直方体状小型部品が前記保持孔を通過するまでの荷重を連続して測定した。その結果、実施例1〜5の保持治具においては、いずれの保持孔であっても前記直方体状小型部品をこの保持孔内を移動させるときの押圧力はほぼ一定であり、これら保持孔の内表面と直方体状小型部品との触突は確認できなかったのに対して、比較例1の保持治具においては、ほとんどの保持孔の略中央手前で前記押圧力が一時的に大きくなり、保持孔の内表面と直方体状小型部品との触突を確認できた。
(保持孔の評価:耐久性)
さらに、前記のように選択した各保持孔内を前記直方体状小型部品を繰り返して500回通過させた後に、直方体状小型部品及び保持孔の内表面の損傷程度を目視にて確認した。その結果、実施例1〜5の保持治具においては直方体状小型部品及びすべての保持孔の内表面がいずれもほとんど損傷していなかったのに対して、比較例1の保持治具においては直方体状小型部品及び/又は複数の保持孔の内表面が損傷していた。
1 保持治具
5 補強部材
6 弾性部材
7 弾性体
7a 一方の表面
7b 他方の表面
8 第1の穴加工工具
8 第2の穴加工工具
9 第3の穴加工工具
11 支持孔
12 平坦部
13 鍔部
15 保持孔
21 第1の有底穴
22 第2の有底穴
23 第1の開口部
24 第2の開口部
25 第1の底部
26 第2の底部
C 軸線

Claims (4)

  1. 支持孔が形成された補強部材と、自身に挿入された小型部品を弾発的に保持する保持孔が形成された弾性部材とを備え、前記保持孔が前記支持孔の内部を通るように前記補強部材が前記弾性部材に埋設されて成る保持治具の製造方法であって、
    前記補強部材を埋設するように成形された弾性体の一方の表面から他方の表面に向かう第1の有底穴を前記支持孔の軸線に沿って前記弾性体に形成する工程と、
    前記他方の表面から前記一方の表面に向かう第2の有底穴を前記軸線に沿って前記弾性体に形成する工程と、
    前記第1の有底穴を形成する第1の穴加工工具及び前記第2の有底穴を形成する第2の穴加工工具よりも外径が大きな第3の穴加工工具を用いて、前記第1の有底穴と前記第2の有底穴とを貫通させる工程とを有することを特徴とする保持治具の製造方法。
  2. 前記第1の有底穴及び前記第2の有底穴は、それぞれ、前記弾性体の厚さの50%未満の深さに、形成されることを特徴とする請求項1に記載の保持治具の製造方法。
  3. 前記第1の穴加工工具、前記第2の穴加工工具及び前記第3の穴加工工具は、いずれも、ドリルであることを特徴とする請求項1又は2記載の保持治具の製造方法。
  4. 前記第1の有底穴及び前記第2の有底穴は、前記支持孔の軸線と共通する軸線を有するように、形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の保持治具の製造方法。
JP2009251938A 2009-11-02 2009-11-02 保持治具の製造方法 Active JP5408779B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009251938A JP5408779B2 (ja) 2009-11-02 2009-11-02 保持治具の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009251938A JP5408779B2 (ja) 2009-11-02 2009-11-02 保持治具の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011093074A true JP2011093074A (ja) 2011-05-12
JP5408779B2 JP5408779B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=44110560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009251938A Active JP5408779B2 (ja) 2009-11-02 2009-11-02 保持治具の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5408779B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016132079A (ja) * 2015-01-21 2016-07-25 三菱重工業株式会社 穴加工方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03213204A (ja) * 1990-01-17 1991-09-18 Hitachi Ltd ドリルによる板材の孔あけ方法
JPH07161591A (ja) * 1993-12-06 1995-06-23 Taiyo Yuden Co Ltd チップ状電子部品保持プレート
JP2000030990A (ja) * 1998-07-16 2000-01-28 Murata Mfg Co Ltd チップ部品の保持プレートの製造方法
JP2002120196A (ja) * 2000-10-11 2002-04-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層板の穴明け方法
JP2003080410A (ja) * 2001-09-06 2003-03-18 Nippon Sheet Glass Co Ltd 板状部材の孔加工方法、及び該方法によって孔が加工される板状部材
JP2005019834A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Shin Etsu Polymer Co Ltd キャリアプレート
JP2006344826A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Shin Etsu Polymer Co Ltd キャリアプレートの製造方法
JP2007007777A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Asahi Techno Glass Corp 反射鏡の穿孔方法
JP2007207898A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Arai Pump Mfg Co Ltd キャリアプレートおよびその製造方法
JP2009039850A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Arai Pump Mfg Co Ltd キャリアプレートの製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03213204A (ja) * 1990-01-17 1991-09-18 Hitachi Ltd ドリルによる板材の孔あけ方法
JPH07161591A (ja) * 1993-12-06 1995-06-23 Taiyo Yuden Co Ltd チップ状電子部品保持プレート
JP2000030990A (ja) * 1998-07-16 2000-01-28 Murata Mfg Co Ltd チップ部品の保持プレートの製造方法
JP2002120196A (ja) * 2000-10-11 2002-04-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層板の穴明け方法
JP2003080410A (ja) * 2001-09-06 2003-03-18 Nippon Sheet Glass Co Ltd 板状部材の孔加工方法、及び該方法によって孔が加工される板状部材
JP2005019834A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Shin Etsu Polymer Co Ltd キャリアプレート
JP2006344826A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Shin Etsu Polymer Co Ltd キャリアプレートの製造方法
JP2007007777A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Asahi Techno Glass Corp 反射鏡の穿孔方法
JP2007207898A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Arai Pump Mfg Co Ltd キャリアプレートおよびその製造方法
JP2009039850A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Arai Pump Mfg Co Ltd キャリアプレートの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016132079A (ja) * 2015-01-21 2016-07-25 三菱重工業株式会社 穴加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5408779B2 (ja) 2014-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI617232B (zh) 用於固定在電路板上的固定元件以及用於將電路板與這種固定元件間隔連接的固定裝置和方法
TW201630284A (zh) 具有含貫穿孔之多孔絕緣片的電連接裝置及其製造方法
JP5036763B2 (ja) 小型部品の保持治具及び小型部品の取扱方法
JP5408779B2 (ja) 保持治具の製造方法
JP2008016761A (ja) 保持治具及び保持治具の製造方法
KR100946593B1 (ko) 캐리어 플레이트 및 그 제조방법
JP5366252B2 (ja) 保持治具の製造方法
JP5327959B2 (ja) 保持治具及び小型部品の取扱装置
WO2020231623A1 (en) Multilayered nanowire arrays with lateral interposers
TWI331220B (ja)
JP5634193B2 (ja) 成形金型及び保持治具の製造方法
JP5234936B2 (ja) 保持治具
JP6529599B2 (ja) 電気接触子
JP5408782B2 (ja) 保持治具及び保持治具の製造方法
JP2011230347A (ja) 保持治具の製造方法及び成形金型
JP4843072B2 (ja) 小型部品の保持治具及び小型部品の取扱方法
JP2011222889A (ja) 保持治具及び保持治具の製造方法
JP6667331B2 (ja) 金属部材と樹脂モールドとの複合体
JP2021173641A (ja) プローブユニット作製方法及びプローブユニット
JP2010141235A (ja) 薄葉状保持治具
JP5408785B2 (ja) 保持治具及び保持治具の製造方法
JP5009013B2 (ja) 異方性導電シートの製造方法及び異方性導電シート製造用金型装置
JP2005135772A (ja) 異方導電性フィルムの製造方法
JP2011189648A (ja) 保持治具の製造方法及び成形金型
JP2010141234A (ja) 保持治具

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120829

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5408779

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250