JP2011092965A - 多段プレス装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上型21と下型22とからなるプレス型2を複数個鉛直方向に並べて配置した多段プレス装置1。最下段の下型以外の下型及び上型は最上段の上型と連動して枠体3に対して上下動する。多段プレス装置は、最上段の上型を上下動させる駆動手段として、メインシリンダ410からなる第1駆動手段41と、トグルシリンダ420とダブルトグル機構5とからなる第2駆動手段42とを有する。ダブルトグル機構は、最上段の上型に下端を回動可能に連結した第1トグルリンク51と、第1トグルリンクの上端に下端を回動可能に連結すると共に枠体3に上端を回動可能に連結した第2トグルリンク52と、第1トグルリンク及び第2トグルリンクの少なくとも一方に一端を回動可能に連結すると共に他端をトグルシリンダに回動可能に連結した第3トグルリンク53とを有する。
【選択図】図1
Description
かかる多段プレス装置は、最上段のプレス型の上型を油圧シリンダによって上下動させることによって、最下段のプレス型の下型を除く下型と、上型とを、連動させて上下動させる。これにより、最上段の上型を最下位まで押し下げることによって、すべてのプレス型を閉じて、一度に複数の被成形体をプレス成形することができる。
少なくとも最下段の上記プレス型における下型以外の上記下型及び上記上型は、最上段の上記プレス型の上記上型と連動して、上記多段プレス装置の設置面に固定された枠体に対して上下動するよう構成されており、
上記多段プレス装置は、最上段の上記上型を上下動させる駆動手段として、上記最上段の上型を直接上下動させるメインシリンダからなる第1駆動手段と、上記最上段の上型をダブルトグル機構を介して上下動させるトグルシリンダと上記ダブルトグル機構とからなる第2駆動手段とを有し、
上記ダブルトグル機構は、上記最上段の上型に下端を回動可能に連結した第1トグルリンクと、該第1トグルリンクの上端に下端を回動可能に連結すると共に上記枠体に上端を回動可能に連結した第2トグルリンクと、上記第1トグルリンク及び上記第2トグルリンクの少なくとも一方における上記プレス型との連結部及び上記枠体との連結部を除く位置に一端を回動可能に連結すると共に他端を上記トグルシリンダに回動可能に連結した第3トグルリンクとを有し、
上記トグルシリンダの上下動によって、上記第3トグルリンクにおける両端を結ぶ直線と、上記第1トグルリンクの下端と上記第2トグルリンクの上端とを結ぶ直線とのなす角度を直角に近付くように変化させて、上記第1トグルリンクの上端と下端とを結ぶ直線と、上記第2トグルリンクの下端と上端とを結ぶ直線とのなす角度を180°に近付くように変化させることにより、上記上型を下降させるよう構成されていることを特徴とする多段プレス装置にある(請求項1)。
したがって、最も大きな型締め力が必要となるプレス成形の最終段階において、上記第2駆動手段によって大きな加圧力を付与することができる。その結果、大きな被成形体や複雑な形状の被成形体を、精度よく効果的にプレス成形することができる。
トグルシリンダは、上記ダブルトグル機構の上方に配置されていてもよいし、下方に配置されていてもよい。トグルシリンダがダブルトグル機構の上方に配置されている場合には、トグルシリンダの下降によって上記上型が下降し、トグルシリンダがダブルトグル機構の下方に配置されている場合には、トグルシリンダの上昇によって上記上型が下降することとなる。
また、「上記多段プレス装置の設置面に固定された枠体」とは、該枠体が上記設置面に対して動かないことを意味し、枠体は、設置面に締結されていてもよいし、単に載置されていてもよい。
この場合には、上記プレス型による型締め力を、水平方向に関して均等にしやすくなる。
この場合には、型開きの際に、隣り合うダブルトグル機構が互いに干渉することを防ぐことができる。これにより、プレス型の上下ストロークを大きくすることができ、型開き高さを大きくすることができる。その結果、例えば、深絞り成形品など、高さの高い成形品の成形にも充分に対応することができる。
また、上型の上昇に伴って上記第1トグルリンクと上記第2トグルリンクとの連結部が上記多段プレス装置の外方へ向かって移動するよう構成されているため、ダブルトグル機構による加圧力をプレス型の中央に近い位置に付与することができる。その結果、被成形体に対してプレス型の押圧力を効果的に付与することができ、成形性を向上させることができる。
この場合には、上記第3トグルリンクによる押圧力を、より大きく増幅して、第1トグルリンク及び第2トグルリンクによるプレス型への加圧力に変換することができる。そのため、第2駆動手段による型締め力をより大きくすることができる。
この場合には、上記トグルシリンダに対して、その進退方向以外の方向への負荷がかからないため、トグルシリンダの寿命を長くすることができると共に、そのメンテナンス頻度を少なくすることができる。
本発明の実施例にかかる多段プレス装置につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例の多段プレス装置1は、図1、図2に示すごとく、上型21と下型22とからなるプレス型2を3個鉛直方向に並べて配置し、該複数のプレス型2を鉛直方向に一度に閉じることにより複数の被成形体を一度にプレス成形する。
多段プレス装置1は、最上段の上型21を上下動させる駆動手段として、最上段の上型21を直接上下動させるメインシリンダ410からなる第1駆動手段41と、上記最上段の上型21をダブルトグル機構5を介して上下動させるトグルシリンダ420と上記ダブルトグル機構5とからなる第2駆動手段42とを有する。
図3〜図5に示すごとく、トグルシリンダ420の下降によって、第3トグルリンク53における両端を結ぶ直線L3と、第1トグルリンク51の下端と第2トグルリンク52の上端とを結ぶ直線L4とのなす角度αを直角に近付くように変化させる。これに伴って、第1トグルリンク51の上端と下端とを結ぶ直線L1と、第2トグルリンク52の下端と上端とを結ぶ直線L2とのなす角度βを180°に近付くように変化させることにより、上型21を下降させる。
ここで、両端、上端、下端、前端、後端は、各リンクにおける他部材との連結部を意味するものとし、特にその回動中心を意味するものとする。
なお、天井板33には、ダブルトグル機構5の一部等と干渉しないよう、少なくともこれらの部位が稼働する範囲には逃がしが形成されている。
第3可動プレート113を、主として第1駆動手段41が引き上げると、吊ボルトによって連結された第2可動プレート112及び第1可動プレート111が、順次引き上げられることとなる。これによって、最上段のプレス型2が開いた後、中段のプレス型2が開き、その後に最下段のプレス型2が開く(図1)。
この状態で、被成形体を各プレス型2に配置した後、主として第2駆動手段42が第3可動プレート243を押し下げることにより、図2に示すごとく、3個のプレス型2を一度に閉じ、各プレス型2に配置した被成形体を一度に成形することができる。
すなわち、トグルシリンダ420の下降に伴い、角度αが直角に近付くように大きくなり、角度βが180°に近付くように大きくなる。そして、この角度αが大きければ大きいほど第3トグルリンク53が連結部54を水平方向装置内側へ押す力F1が大きくなり、角度βが180°に近付けば近付くほど、第1トグルリンク51と第2トグルリンク52とが第3可動プレート113を鉛直下方へ押す力F2、すなわち型締め力が大きくなる。
まず、図5において、連結部54と連結部55との間の直線L3を斜辺とし、該斜辺と、連結部55から鉛直下方へ下した直線と、連結部54から右方へ延ばした水平方向の直線とによって形成される直角三角形T1を考える。そして、この直角三角形T1における連結部54における頂角をθ1とする。
一方、連結部54と連結部56との間の直線L2を斜辺とし、該斜辺と、直線L4と、連結部54から左方へ延ばした水平方向の直線とによって形成される直角三角形T2を考える。そして、この直角三角形T2における連結部56における頂角をθ2とする。
そうすると、トグルシリンダ420の駆動力がFtである場合、第3トグルリンク53が連結部54を水平方向へ押す力F1はFt/tanθ1である。そして、第1トグルリンク51と第2トグルリンク52とが第3可動プレート113を鉛直下方へ押す力F2は、F1/tanθ2=Ft/(tanθ1×tanθ2)となる。したがって、角度θ1及びθ2が0°に近付いて小さくなるほど、力F2は相乗的に大きくなる。
これがダブルトグル機構の特徴でもある。
F1=Ft×tanα、F2=Ft×tanα×tan(β/2)
つまり、トグルシリンダ420の駆動力がFtである場合、第3トグルリンク53が連結部54を水平方向へ押す力F1はFt×tanαである。そして、第1トグルリンク51と第2トグルリンク52とが第3可動プレート113を鉛直下方へ押す力F2はFt×tanα×tan(β/2)となる。したがって、角度αが直角(90°)に近付いて大きくなり、角度βが180°に近付いて大きくなるほど、力F2は相乗的に大きくなる。
したがって、型締めの最終段階において、例えば、角度αが75〜89°(θ1が1〜15°)、角度βが150〜178°(θ2が1〜15°)となるようにすることによって、トグルシリンダ420の駆動力Ftを大きくしなくても、極めて大きな型締め力(力F2)を得ることができる。なお、駆動力Ftを特に大きな型締め力F2に増幅したい場合には、型締めの最終段階における角度αを90°に近付け、角度βを180°に近付け、例えば、角度αを87〜89°(θ1を1〜3°)、あるいは角度βを174〜178°(θ2を1〜3°)に管理することが好ましい。
なお、型締め時には、第1駆動手段41のメインシリンダ410も下降して上型21を下型22へ向かって加圧するが、その加圧は補助的なものである。
このとき、トグルシリンダ420も上昇させるが、型開き時には補助的な役割を担うこととなる。
上記多段プレス装置1は、メインシリンダ410からなる第1駆動手段41と、トグルシリンダ420及びダブルトグル機構5とからなる第2駆動手段42とを有する。そのため、プレス型2が被成形体を加圧する際に、第1駆動手段41だけでなく、第2駆動手段42によって、加圧力を付与することができる。これにより、各プレス型2の型締め力を大きくすることができる。また、第1駆動手段41を構成するメインシリンダ410に要求される押圧力を低減することができるため、その大型化を阻止することができる。その結果、多段プレス装置1のコストアップを防ぐことができる。
したがって、最も大きな型締め力が必要となるプレス成形の最終段階において、第2駆動手段42によって大きな加圧力を付与することができる。その結果、大きな被成形体や複雑な形状の被成形体を、精度よく効果的にプレス成形することができる。
また、第1トグルリンク51と第2トグルリンク52との連結部54は、最上段の上型21の上昇に伴って、多段プレス装置1の外方へ向かって移動する。そのため、型開きの際に、隣り合うダブルトグル機構5が互いに干渉することを防ぐことができる。これにより、プレス型2の上下ストロークを大きくすることができ、型開き高さを大きくすることができる。その結果、例えば、深絞り成形品など、高さの高い成形品の成形にも充分に対応することができる。
本例は、図6〜図8に示すごとく、第2駆動手段42のダブルトグル機構5の構成を変更した例である。
本例においては、一つのトグルシリンダ420によって2つのダブルトグル機構5を駆動させるよう構成してある。
角度αが大きければ大きいほど第3トグルリンク53が連結部54を水平方向の装置外側へ押す力F1が大きくなり、角度βが180°に近付けば近付くほど、第1トグルリンク51と第2トグルリンク52とが第3可動プレート113を鉛直下方へ押す力F2、すなわち型締め力が大きくなることについては、実施例1と同様である。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
2 プレス型
21 上型
22 下型
3 枠体
41 第1駆動手段
410 メインシリンダ
42 第2駆動手段
420 トグルシリンダ
5 ダブルトグル機構
51 第1トグルリンク
52 第2トグルリンク
53 第3トグルリンク
Claims (5)
- 上型と下型とからなるプレス型を複数個鉛直方向に並べて配置し、該複数のプレス型を鉛直方向に一度に閉じることにより複数の被成形体を一度にプレス成形する多段プレス装置であって、
少なくとも最下段の上記プレス型における下型以外の上記下型及び上記上型は、最上段の上記プレス型の上記上型と連動して、上記多段プレス装置の設置面に固定された枠体に対して上下動するよう構成されており、
上記多段プレス装置は、最上段の上記上型を上下動させる駆動手段として、上記最上段の上型を直接上下動させるメインシリンダからなる第1駆動手段と、上記最上段の上型をダブルトグル機構を介して上下動させるトグルシリンダと上記ダブルトグル機構とからなる第2駆動手段とを有し、
上記ダブルトグル機構は、上記最上段の上型に下端を回動可能に連結した第1トグルリンクと、該第1トグルリンクの上端に下端を回動可能に連結すると共に上記枠体に上端を回動可能に連結した第2トグルリンクと、上記第1トグルリンク及び上記第2トグルリンクの少なくとも一方における上記プレス型との連結部及び上記枠体との連結部を除く位置に一端を回動可能に連結すると共に他端を上記トグルシリンダに回動可能に連結した第3トグルリンクとを有し、
上記トグルシリンダの上下動によって、上記第3トグルリンクにおける両端を結ぶ直線と、上記第1トグルリンクの下端と上記第2トグルリンクの上端とを結ぶ直線とのなす角度を直角に近付くように変化させて、上記第1トグルリンクの上端と下端とを結ぶ直線と、上記第2トグルリンクの下端と上端とを結ぶ直線とのなす角度を180°に近付くように変化させることにより、上記上型を下降させるよう構成されていることを特徴とする多段プレス装置。 - 請求項1に記載の多段プレス装置において、上記ダブルトグル機構は、複数個配設されていることを特徴とする多段プレス装置。
- 請求項2に記載の多段プレス装置において、上記第1トグルリンクと上記第2トグルリンクとの連結部は、上記最上段の上型の上昇に伴って、上記多段プレス装置の外方へ向かって移動することを特徴とする多段プレス装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多段プレス装置において、上記第3トグルリンクは、上記第1トグルリンクと上記第2トグルリンクとの連結部に、一端を連結されていることを特徴とする多段プレス装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の多段プレス装置において、上記第3トグルリンクと上記トグルシリンダとの連結部は、上記枠体に固定された鉛直方向のガイド部に沿って上下動することを特徴とする多段プレス装置。
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