JP6010756B2 - 多段プレス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固定型に対して可動型及び従動型を下降させて複数の素材に同時に(1ショットで)プレス加工を行う多段プレス装置に関する。
固定型と可動型とを用いて、素材にプレス加工を行う際には、安価で大きな出力を得やすいという理由から、可動型を油圧シリンダーによって下降させるプレス装置が用いられている。そして、油圧ポンプから油圧シリンダーへ加圧した作動油を送り、油圧シリンダーのストローク動作によって可動型を下降させて、可動型と固定型との間に素材を挟み込んで、プレス加工を行っている。
また、可動型に対して吊り下がり可能な状態で従動型を設けて多段プレス装置を形成し、油圧シリンダーのストロークによって、固定型と従動型との間及び従動型と可動型との間に、それぞれ別々の素材を挟み込んで、各素材にプレス加工を同時に(1ショットで)行うこともなされている。このような多段プレス装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
また、特許文献2のサーボプレスのモーション制御装置においては、スライドが金型にタッチする位置、金型が被加工物にタッチする位置、打抜き位置、ダイクッション戻り位置、ノックアウト位置等のそれぞれの位置を検出している。そして、この検出された位置の所定距離手前の減速開始位置で、スライドを所定速度に減速し、その後、所定の速度に戻して打抜き加工を行うようにしている。これにより、型タッチ時、加圧開始時、打抜き時、ダイクッション戻り時及びノックアウト時において、騒音、振動の発生を低減している。
特開2011−92965号公報 特許第3789195号公報
しかしながら、油圧シリンダーを用いた多段プレス装置において、可動型の下降速度を速くして、プレス加工に要するタクトを短縮する工夫はなされていない。また、特に、深絞りを必要とするワークについては、ワークを出し入れするために、オープンハイト(上下の型間の距離)を大きくする必要がある。そのため、プレス装置における可動型のストロークが増大し、迅速なプレス加工を行うことが一層困難になる。
また、油圧ポンプの容量を大きくすれば、プレス加工に要するタクトを短縮できると考えられるが、この場合には、油圧ユニットが大型化してしまう。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、可動型及び従動型の下降速度を向上させて、プレス加工に要するタクトを短縮するとともに、型同士が接触する時の衝撃を緩和することができる多段プレス装置を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、ガイド部によって上下方向にガイドされて昇降する可動型と、
該可動型による上方からの荷重を受ける固定型と、
上記可動型が上昇しているときに、該可動型の下方に連結部材によって吊り下げられ、上記可動型が下降するときに、上記可動型と上記固定型との間に挟まれるよう構成された従動型と、
ピストンロッドの往復動によって上記可動型を昇降させる昇降シリンダーと、
作動油を貯留するタンクと、
該タンク内の作動油を、上記昇降シリンダーにおいて上記可動型を下降させる側の下降側ポート又は上記昇降シリンダーにおいて上記可動型を上昇させる側の上昇側ポートへ送って、上記昇降シリンダーの上記ピストンロッドを往復動させるポンプと、
上記昇降シリンダーの上記下降側ポートと、上記タンクとを直接接続するバイパス配管と、
上記昇降シリンダーの上記上昇側ポート又は上記下降側ポートに接続され、上記可動型及び上記従動型が下降する際に、上記昇降シリンダーを流れる作動油の流量を調整し、上記可動型及び上記従動型の下降速度を調整する流量調整機構と、を備えており、
上記昇降シリンダーは、上記タンクから上記バイパス配管を経由して作動油が直接流入することによって、上記可動型及び上記従動型をその自重によって下降させるよう構成されており、
上記可動型及び上記従動型が自重によって下降する際には、上記従動型が上記固定型に接触する時及び上記可動型が上記従動型に接触する時に、上記流量調整機構によって上記作動油の流量を絞って、上記可動型及び上記従動型の下降速度を低下させるよう構成されており、
上記ポンプの動作によって上記可動型及び上記従動型を上昇させる際には、上記可動型が上記連結部材によって上記従動型を吊り上げる時に、上記ポンプの回転速度を低下させて、上記可動型及び上記従動型の上昇速度を低下させるよう構成されていることを特徴とする多段プレス装置にある(請求項1)。
本発明の他の態様は、ガイド部によって上下方向にガイドされて昇降する可動型と、
該可動型による上方からの荷重を受ける固定型と、
上記可動型が上昇しているときに、該可動型の下方に連結部材によって吊り下げられ、上記可動型が下降するときに、上記可動型と上記固定型との間に挟まれるよう構成された従動型と、
ピストンロッドの往復動によって上記可動型を昇降させる昇降シリンダーと、
作動油を貯留するタンクと、
該タンク内の作動油を、上記昇降シリンダーにおいて上記可動型を下降させる側の下降側ポート又は上記昇降シリンダーにおいて上記可動型を上昇させる側の上昇側ポートへ送って、上記昇降シリンダーの上記ピストンロッドを往復動させるポンプと、
上記昇降シリンダーの上記下降側ポートと、上記タンクとを直接接続するバイパス配管と、
上記昇降シリンダーの上記上昇側ポート又は上記下降側ポートに接続され、上記可動型及び上記従動型が下降する際に、上記昇降シリンダーを流れる作動油の流量を調整し、上記可動型及び上記従動型の下降速度を調整する流量調整機構と、を備えており、
上記昇降シリンダーは、上記タンクから上記バイパス配管を経由して作動油が直接流入することによって、上記可動型及び上記従動型をその自重によって下降させるよう構成されており、
上記可動型及び上記従動型が自重によって下降する際には、上記従動型が上記固定型に接触する時及び上記可動型が上記従動型に接触する時に、上記流量調整機構によって上記作動油の流量を絞って、上記可動型及び上記従動型の下降速度を低下させるよう構成されており、
上記昇降シリンダーは、上記可動型に対して複数個が配設されており、
該複数個の昇降シリンダーの上記上昇側ポートに接続された上昇側配管には、該各上昇側ポートから該各上昇側配管へそれぞれ流出する作動油の流量を互いに同じにする流量バランス機構が設けられており、
該流量バランス機構によって、上記可動型及び上記従動型が下降する際に、上記タンクから上記バイパス配管を経由して上記各昇降シリンダーの上記下降側ポートへそれぞれ流入する作動油の流量を、互いに同じにするよう構成されていることを特徴とするプレス装置にある(請求項4)。
上記多段プレス装置においては、タンク内の作動油を、ポンプを経由させずに流出させるためのバイパス配管を用いることにより、可動型及び従動型の下降速度を速くする工夫をしている。
通常のプレス装置においては、ポンプから油圧シリンダーへ送られる作動油の圧力によって可動型を下降させている。そのため、可動型が下降する速度は、ポンプから油圧シリンダーへ送られる作動油の流量に依存することになる。そこで、上記多段プレス装置においては、昇降シリンダーへバイパス配管から作動油を流入させることによって、可動型及び従動型をその自重によって下降させることができるようにしている。
上記多段プレス装置によって、ワークに対してプレス加工を行う際には、昇降シリンダーの上昇側ポートからタンクへ作動油が戻されるとともに、昇降シリンダーの下降側ポートには、タンクからポンプによって吐出された作動油と、タンクからバイパス配管を経由して流出する作動油とが流入する。なお、場合によっては、昇降シリンダーの下降側ポートには、タンクからバイパス配管を経由してのみ作動油を流入させることができる。
これにより、可動型及び従動型に作用する重力を利用して、昇降シリンダーにおけるピストンロッドがストロークし、固定型に向けて可動型及び従動型を迅速に下降させることができる。そのため、バイパス配管を設けたという極めて簡単な装置上の工夫によって、プレス加工に要するタクト(サイクルタイム)を短縮することができる。また、昇降シリンダーを動作させるポンプの容量を増大させることなく、タクトの短縮化を図ることができる。
さらに、上記多段プレス装置においては、昇降シリンダーの上昇側ポート又は下降側ポートには、可動型及び従動型が下降する際に、昇降シリンダーを流れる作動油の流量を調整し、可動型及び従動型の下降速度を調整する流量調整機構を設けている。そして、従動型が固定型に接触する時及び可動型が従動型に接触する時の流量調整機構による絞り量を、これらの時以外の可動型及び従動型が下降する際の絞り量よりも大きくする。これにより、可動型及び従動型が下降する際に、従動型が固定型に接触する時の従動型の下降速度を下降一般時の下降速度よりも低下させて、従動型が固定型に接触する時の衝撃、振動、騒音等を緩和することができる。また、可動型が下降する際にも同様に、可動型が従動型に接触する時の可動型の下降速度を下降一般時の下降速度よりも低下させて、可動型が従動型に接触する時の衝撃、振動、騒音等を緩和することができる。
それ故、上記多段プレス装置によれば、可動型及び従動型の下降速度を向上させて、プレス加工に要するタクトを短縮するとともに、型同士が接触する時の衝撃を緩和することができる。
実施例にかかる、多段プレス装置の構成を模式的に示す説明図。 実施例にかかる、原位置にある多段プレス装置を正面から見た状態で示す説明図。 実施例にかかる、原位置にある多段プレス装置を側面から見た状態で示す説明図。 実施例にかかる、第4の従動型が固定型に接触する状態の多段プレス装置を正面から見た状態で示す説明図。 実施例にかかる、第2の従動型が第3の従動型に接触する状態の多段プレス装置を正面から見た状態で示す説明図。 実施例にかかる、加工位置にある多段プレス装置を正面から見た状態で示す説明図。 実施例にかかる、原位置から加工位置に移動した状態の多段プレス装置の油圧回路を概略的に示す回路図。 実施例にかかる、加工位置から原位置に復帰した状態の多段プレス装置の油圧回路を概略的に示す回路図。 実施例にかかる、横軸に時間をとり、縦軸に可動ベースの移動量をとって、可動ベースの移動速度を示すグラフ。
上述した多段プレス装置における好ましい実施の形態につき説明する。
上記多段プレス装置においては、上記従動型が上記固定型に接触する時及び上記可動型が上記従動型に接触する時は、上記従動型が上記固定型に接触する直前から直後まで及び上記可動型が上記従動型に接触する直前から直後までとすることができる。
また、上記本発明の一態様においては、上記従動型が上記固定型に接触する直前から直後の間、及び上記可動型が上記従動型に接触する直前から直後の間に、上記流量調整機構によって上記作動油の流量を絞った後には、該作動油の流量を元の流量に戻すよう構成されていてもよい(請求項2)。
この場合には、プレス加工に要するタクトを一層容易に短縮することができる。
なお、可動型が従動型に接触する直前に、流量調整機構によって作動油の流量を絞った後には、元の流量に戻さずに、流量を絞ったままにすることもできる。
また、上記ポンプの動作によって上記可動型及び上記従動型を上昇させる際には、上記可動型が上記連結部材によって上記従動型を吊り上げる時に、上記ポンプの回転速度を低下させて、上記可動型及び上記従動型の上昇速度を低下させるよう構成されてい
これにより、可動型及び従動型が上昇する際に、可動型が連結部材によって従動型を吊り上げる時の可動型の上昇速度を、上昇一般時の上昇速度よりも低下させて、従動型を吊り上げる時の衝撃、振動、騒音等を緩和することができる。
また、上記可動型が上記連結部材によって上記従動型を吊り上げる直前から直後の間に、上記ポンプの回転速度を低下させた後には、該ポンプの回転速度を元の速度に戻すよう構成されていてもよい(請求項)。
これにより、プレス加工に要するタクトを一層容易に短縮することができる。
なお、可動型が連結部材によって従動型を吊り上げる直前に、ポンプの回転速度を低下させた後には、元の回転速度に戻さずに、回転速度を低下させたままにすることもできる。
また、上記本発明の他の態様においては、上記昇降シリンダーは、上記可動型に対して複数個が配設されており、該複数個の昇降シリンダーの上記上昇側ポートに接続された上昇側配管には、該各上昇側ポートから該各上昇側配管へそれぞれ流出する作動油の流量を互いに同じにする流量バランス機構が設けられており、該流量バランス機構によって、上記可動型及び上記従動型が下降する際に、上記タンクから上記バイパス配管を経由して上記各昇降シリンダーの上記下降側ポートへそれぞれ流入する作動油の流量を、互いに同じにするよう構成されてい
動型及び従動型をその自重によって下降させる際に、タンクからバイパス配管を経由して各昇降シリンダーの下降側ポートへ作動油を互いに均等に流入させることにより、固定型に対して可動型及び従動型を、水平方向のバランスを維持して、垂直に下降させることができる。
以下に、多段プレス装置にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の多段プレス装置1は、図1、図2に示すごとく、次の可動型32、固定型31、従動型33A〜33D、昇降シリンダー51、タンク41、ポンプ42、バイパス配管513及び流量調整機構65を備えている。
図2〜図6に示すごとく、可動型32は、ガイド部21によって上下方向にガイドされて昇降するよう構成されている。固定型31は、可動型32による上方からの荷重を受けるよう構成されている。従動型33A〜33Dは、可動型32が上昇しているときに、可動型32の下方に連結部材26A,26Bによって吊り下げられ、可動型32が下降するときに、可動型32と固定型31との間に挟まれるよう構成されている。
図1に示すごとく、昇降シリンダー51は、ピストンロッド516の往復動によって可動型32を昇降させるよう構成されている。タンク41は、作動油Oを貯留するよう構成されている。ポンプ42は、昇降シリンダー51へ作動油Oを送って、昇降シリンダー51を動作させるよう構成されている。
ポンプ42は、タンク41内の作動油を、昇降シリンダー51において可動型32を下降させる側の下降側ポートP1へ送って、昇降シリンダー51のピストンロッド516を往復動させるよう構成されている。バイパス配管513は、昇降シリンダー51の下降側ポートP1と、タンク41とを直接接続している。
図7、図8に示すごとく、流量調整機構65は、昇降シリンダー51の上昇側ポートP2に接続され、可動型32及び従動型33A〜33Dが下降する際に、昇降シリンダー51から流出する作動油Oの流量を調整し、可動型32及び従動型33A〜33Dの下降速度を調整するよう構成されている。昇降シリンダー51は、タンク41からバイパス配管513を経由して作動油Oが直接流入することによって、可動型32及び従動型33A〜33Dをその自重Wによって下降させるよう構成されている。
多段プレス装置1は、可動型32及び従動型33A〜33Dが自重Wによって下降する際には、従動型33Dが固定型31に接触する時、従動型33Bが従動型33Cに接触する時及び可動型32が従動型33Aに接触する時に、流量調整機構65によって作動油Oの流出流量を絞って、可動型32及び従動型33A〜33Dの下降速度を低下させるよう構成されている。
以下に、本例の多段プレス装置1につき、図1〜図9を参照して詳説する。
図2、図3に示すごとく、本例の多段プレス装置1は、可動型32の下方に、互いに重なる複数の従動型33A〜33Dを吊り下げて構成されており、固定型31と可動型32との間に、複数の従動型33A〜33Dを挟み込むよう構成されている。そして、多段プレス装置1においては、固定型31と従動型33Dとの間、従動型33C,33B同士の間、従動型33Aと可動型32との間にそれぞれワーク8A〜8Cを挟持し、各ワーク8A〜8Cに対して同時に(1ショットで)プレス加工を行う。
本例においては、3つのワーク8A〜8Cに対して1ショットでプレス加工を行うために、固定型31及び可動型32以外に、上下に配設された4つの従動型33A〜33Dを用いる。
多段プレス装置1は、ヘッド(本体構造下部)2の上面に固定型31を固定し、ベッド2の上面とクラウン(本体構造上部)20の下面との間に昇降シリンダー51を配設している。可動型32は、可動ベース22の下面に配設されている。また、可動ベース22の下方には、上面と下面とに従動型33A〜33Dを配設した従動ベース23A,23Bが配設されている。本例の従動ベース23A,23Bは、上面と下面とに従動型33A,33Bを配設した上段の従動ベース23Aと、上面と下面とに従動型33C,33Dを配設した下段の従動ベース23Bとの上下2段に配設されている。
可動ベース22及び従動ベース23A,23Bは、ベッド2とクラウン20との平面方向における四方に配設されたガイド部21によって、上下方向Hにガイドされてスライドするよう構成されている。
可動型32が最も上昇した状態である多段プレス装置1の原位置(上昇位置)101において、上段の従動ベース23Aは、左右両側に設けられた上段の連結部材26Aによって可動ベース22に吊り下げられており、下段の従動ベース23Bは、左右両側に設けられた下段の連結部材26Bによって上段の従動ベース23Aに吊り下げられている。各連結部材26A,26Bは、上下に伸びるバー又はシャフトを用いて形成されている。
図6に示すごとく、可動型32が最も下降した状態である多段プレス装置1の加工位置(下降位置)102における可動ベース22が上昇するときには、図5に示すごとく、上段の連結部材26Aが可動ベース22に係止されて、可動ベース22に上段の従動ベース23Aが吊り上げられ(持ち上げられ)、また、図4に示すごとく、下段の連結部材26Bが上段の従動ベース23Aに係止されて、可動ベース22及び上段の従動ベース23Aに下段の従動ベース23Bが吊り上げられる(持ち上げられる)。
図2に示すごとく、多段プレス装置1の原位置101において、上段の従動ベース23A及び下段の従動ベース23Bは、各連結部材26A,26Bによって吊り下げられた状態でそれぞれの原位置に維持されている。この多段プレス装置1の原位置101においては、可動ベース22の下面に配設された可動型32と、上段の従動ベース23Aの上面に配設された第1の従動型33Aとの間、上段の従動ベース23Aの下面に配設された第2の従動型33Bと、下段の従動ベース23Bの上面に配設された第3の従動型33Cとの間、及び下段の従動ベース23Bの下面に配設された第4の従動型33Dと、ベッド2の上面に配設された固定型31との間には、所定のスペース(オープンハイト)Sが形成されている。
図7、図8に示すごとく、可動型32と第1の従動型33Aとの間、第2の従動型33Bと第3の従動型33Cとの間、第4の従動型33Dと固定型31との間には、それぞれが合わさるときに互いに離れる方向へ反発力を作用させるスプリング等の反発手段24が設けられている。
可動ベース22及び可動型32が下降する際には、上段の従動ベース23A及び下段の従動ベース23Bが各連結部材26A,26Bによって吊り下げられた状態で下降する。より具体的には、可動ベース22及び可動型32が下降する際には、図4に示すごとく、下段の従動ベース23Bにおける第4の従動型33Dが、下段のワーク8Cを挟み込んでプレス加工しながら固定型31に合わさり、次いで、図5に示すごとく、上段の従動ベース23Aにおける第2の従動型33Bが、中段のワーク8Bを挟み込んでプレス加工しながら下段の従動ベース23Bにおける第3の従動型33Cに合わさり、その後、図6に示すごとく、可動ベース22における可動型32が、上段のワーク8Aを挟み込んでプレス加工しながら上段の従動ベース23Aにおける第1の従動型33Aに合わさる。
また、可動ベース22及び可動型32が下降する際には、図5に示すごとく、下段の連結部材26Bの上側部分が上段の従動ベース23Aの上方へ突出し、図6に示すごとく、上段の連結部材26Aの上側部分が可動ベース22の上方へ突出する。
一方、可動ベース22及び可動型32が上昇する際には、上段の従動ベース23A及び下段の従動ベース23Bが各連結部材26A,26Bによって吊り下げられる状態を形成しながら上昇する。より具体的には、可動ベース22及び可動型32が上昇する際には、図5に示すごとく、可動ベース22における可動型32が上段の従動ベース23Aにおける第1の従動型33Aから離れ、次いで、図4に示すごとく、上段の従動ベース23Aにおける第2の従動型33Bが下段の従動ベース23Bにおける第3の従動型33Cから離れ、その後、図2に示すごとく、下段の従動ベース23Bにおける第4の従動型33Dが固定型31から離れる。
図1、図3に示すごとく、ポンプ42及びタンク41は、タンク41内の作動油Oをバイパス配管513を経由して昇降シリンダー51の下降側ポートP1へ容易に流下させるために、昇降シリンダー51の配設位置よりも高い位置に配設されている。ポンプ42及びタンク41は、作業者がメンテナンス等の際に昇り降りすることができる作業用架台25の上部に配設されている。
本例の昇降シリンダー51は、バイパス配管513から流入する作動油Oと、ポンプ42から送られる作動油Oとによって、可動型32と従動型33A〜33Dとを連続して下降させるよう構成されている。
本例の昇降シリンダー51は、可動ベース22に対して複数個(本例では2つ)が配設されている。昇降シリンダー51は、油圧によってピストンロッド516がシリンダー本体部517内を複動するよう構成されている。昇降シリンダー51は、可動型32の水平方向の中心部に対して対称となる位置に配設されている。各昇降シリンダー51は、多段プレス装置1の上方への寸法を小さくするために、ピストンロッド516の先端部がクラウン20に取り付けられ、シリンダー本体部517がベッド2に固定されている。昇降シリンダー51の下降側ポートP1は、シリンダー本体部517のピストンロッド516側(上側)に形成されたポートであり、昇降シリンダー51の上昇側ポートP2は、シリンダー本体部517のヘッド側(下側)に形成されたポートである。
図1に示すごとく、昇降シリンダー51の下降側ポートP1には、タンク41に繋がるバイパス配管513の他に、ポンプ42に繋がる下降側配管511が接続されている。また、昇降シリンダー51の上昇側ポートP2には、ポンプ42に繋がる上昇側配管512が接続されている。
なお、各昇降シリンダー51は、上下の向きを逆転してクラウン20とベッド2との間に配設することもできる。また、各昇降シリンダー51は、ピストンロッド516の先端部を可動ベース22に取り付け、シリンダー本体部517をクラウン20に固定することもできる。この場合には、下降側ポートP1がシリンダー本体部517のヘッド側のポートとなる。
図2、図3に示すごとく、多段プレス装置1は、複数個の昇降シリンダー51以外にも、固定型31及び従動型33A〜33Dに重なる可動型32に加圧力を付加し、ワーク8A〜8Cを加圧する際に用いる複数個の加圧シリンダー52を備えている。本例においては、加圧シリンダー52による加圧力を効果的に増大させるために、トグル機構53を用いている。そして、加圧シリンダー52による加圧力をトグル機構53によって増大させて、可動型32へ伝達する。
トグル機構53は、上下一対のリンク531を用いて構成されており、上下一対のリンク531が上下に折畳まれた状態から、上下に延びる状態に変化する際に、テコの原理を利用して、大きな力を可動型32に付与するものである。加圧シリンダー52及び上下一対のリンク531は、左右方向Bにおいて互いに向き合う状態で、可動型32の中心部に対する左右方向Bの対称位置に配設されている。また、加圧シリンダー52及び上下一対のリンク531は、可動型32の中心部に対する奥行方向Dの対称位置に配設されている。加圧シリンダー52及び上下一対のリンク531は、可動型32の水平方向の中心部の回りの4箇所に配設されている。
図2に示すごとく、加圧シリンダー52は、側方に向けられており、シリンダー本体部527が上下一対のリンク531同士の間の回動連結部532に取り付けられ、ピストンロッド526におけるロッド先端部同士が、左右方向Bの中心部において、平行に互いに突き合わされて取り付けられている。
そして、可動型32及び従動型33A〜33Dが下降する際には、可動型32の下降に従動して、加圧シリンダー52のピストンロッド526がストロークするとともにトグル機構53のリンク531が回動する。その後、可動型32及び従動型33A〜33Dが固定型31に重なって各ワーク8A〜8Cを加圧する際に、ポンプ42を駆動して、加圧シリンダー52のピストンロッド526側のポートに作動油Oを供給し、加圧シリンダー52と昇降シリンダー51とによって、各ワーク8A〜8Cの加圧を行う。
図6に示すごとく、可動型32及び従動型33A〜33Dを昇降させる際には、ポンプ42から昇降シリンダー51へ作動油Oを供給して、昇降シリンダー51を動作させる。一方、固定型31に対して可動型32及び従動型33A〜33Dが重なって、各ワーク8A〜8Cにプレス加工を行う際には、昇降シリンダー51を動作させるとともに、ポンプ42から加圧シリンダー52へ作動油Oを供給して、加圧シリンダー52を動作させる。
図7、図8は、多段プレス装置1における油圧回路を概略的に示す図である。図7は、多段プレス装置1が原位置101から加工位置102に移動し、可動型32及び従動型33A〜33Dが下降して各ワーク8A〜8Cに対してプレス加工を行う際の作動油Oの流れを示す。図8は、多段プレス装置1が加工位置102から原位置101に復帰し、可動型32及び従動型33A〜33Dが元の位置へ上昇する際の作動油Oの流れを示す。各図においては、昇降シリンダー51及び加圧シリンダー52は、配設数をそれぞれ2個に省略して記載している。
図7に示すごとく、多段プレス装置1においては、複数のポンプ42を用いており、昇降シリンダー51を動作させる際には、いずれかのポンプ42のみを動作させることができ、昇降シリンダー51及び加圧シリンダー52を動作させる際には、ポンプ42の全体を動作させることができる。複数のポンプ42は、2個に限らず、さらに3個以上を並列に接続して用いることができる。
図7、図8に示すごとく、複数個の昇降シリンダー51及び加圧シリンダー52の動作は、多段プレス装置1の制御装置から送られる信号によって動作するソレノイドバルブによって行われる。
本例のソレノイドバルブとしては、可動型32及び従動型33A〜33Dを下降させる際に用いる下降用バルブ61と、可動型32及び従動型33A〜33Dを上昇させる際に用いる上昇用バルブ62と、各ワーク8A〜8Cを加圧する際に用いる加圧用バルブ63とがある。
各昇降シリンダー51における、バイパス配管513に繋がる下降側ポートP1(ロッド側ポート)と、上昇側ポートP2(ヘッド側ポート)とには、通常は順方向にのみ作動油Oを流す一方、パイロット操作によって逆方向へも作動油Oを流すことができるパイロットチェック弁514,515が配設されている。
各パイロットチェック弁514,515は、昇降シリンダー51の下降側ポートP1又は上昇側ポートP2へ作動油Oが流れ込む方向を順方向としている。そして、多段プレス装置1は、各パイロットチェック弁514,515の使用により、昇降シリンダー51への作動油Oの供給が停止されている時には、昇降シリンダー51から作動油Oが流れ出ることを防止して、可動型32及び従動型33A〜33Dを所定位置で停止できるように構成されている。
図7、図8に示すごとく、複数個の昇降シリンダー51の上昇側ポートP2には、上昇側配管512を介して、各昇降シリンダー51の上昇側ポートP2から流出する作動油Oの流量を、互いに同じにする流量バランス機構64が設けられている。詳細は省略するが、流量バランス機構64は、複数の差圧弁を用いることによって構成されている。流量バランス機構64を用いて、タンク41へ戻る側の作動油Oの流量を制限することにより、可動型32及び従動型33A〜33Dが下降する際に、特にタンク41からバイパス配管513を経由して各昇降シリンダー51の下降側ポートP1に流れ込む作動油Oの流量を、互いに同じにすることができる。これにより、バイパス配管513を適用した複数個の昇降シリンダー51を用いる際に、複数個の昇降シリンダー51から可動型32に対して偏心した荷重が加わることを防止することができる。そして、固定型31に対して可動型32及び従動型33A〜33Dを、水平方向のバランスを維持して、垂直に下降させることができる。
各昇降シリンダー51の上昇側ポートP2から流出する作動油Oの流量を調整する流量調整機構65は、流量バランス機構64に繋がるように設けられている。流量調整機構65は、制御装置からの信号によってパイロット操作して、各昇降シリンダー51の上昇側ポートP2から流出される作動油Oの流量を段階的に絞ることができるように構成されている。
流量調整機構65は、上昇側配管512を流れる作動油Oの流量を所定の流量に制限することができる流量調整弁651によって構成されている。本例の流量調整機構65は、流量の絞り量を異ならせた複数(本例では2つ)の流量調整弁651を用い、制御装置からの切替操作によって、作動油Oを、いずれの流量調整弁651を通過させるかによって、可動ベース22及び可動型32の下降速度、すなわち各昇降シリンダー51におけるピストンロッド516のストローク速度を可変させることができる。
本例においては、2つの流量調整弁651を開けるときに可動型32の下降速度を高速にし、一方の流量調整弁651のみを開けるときに可動型32の下降速度を低速にし、他方の流量調整弁651のみを開けるときに可動型32の下降速度を中速にする。
流量調整弁651を用いることにより、バイパス配管513を流下する作動油Oを用いて下降させる可動型32及び従動型33A〜33Dの下降速度を適切に調整することができる。具体的には、第4の従動型33Dが固定型31に接触する直前から直後まで、第2の従動型33Bが第3の従動型33Cに接触する直前から直後まで、可動型32が第1の従動型33Aに接触する直前(多段プレス装置1が加工位置102に移動する直前)には、流量調整弁651の切換によって、可動型32の下降速度を低速にする。一方、下降速度を低速にするとき以外の可動型32の下降時においては、流量調整弁651の切換によって、可動型32の下降速度を高速にする。つまり、流量調整弁651によって作動油Oの流量を絞り、可動型32の下降速度を低速にした後には、流量調整弁651を再び切り換えて、可動型32の下降速度を高速に戻す。
また、流量調整機構65の調整を行うことにより、タンク41からバイパス配管513へ流出する作動油Oによって可動型32及び従動型33A〜33Dの下降速度が速くなりすぎることを防止することができる。
図9は、横軸に時間をとり、縦軸に可動ベース22の移動量をとって、可動ベース22の移動速度を示す。
本例の多段プレス装置1は、ポンプ42の動作及び自重Wによって可動ベース22及び各従動ベース23A,23Bを下降させる際には、下段の従動ベース23Bにおける第4の従動型33Dが固定型31に接触する時(図9のX1部分、図4参照)、上段の従動ベース23Aにおける第2の従動型33Bが下段の従動ベース23Bにおける第3の従動型33Cに接触する時(図9のX2部分、図5参照)、可動ベース22における可動型32が上段の従動ベース23Aにおける第1の従動型33Aに接触する時(図9のX3部分、図6参照)に、流量調整機構65によって作動油Oの流出流量を絞って、可動ベース22及び各従動ベース23A,23Bの下降速度を下降一般時X0に比べて低下させるよう構成されている。なお、下降一般時X0においては、可動ベース22及び従動ベース23A,23Bを、重力Wを利用して高速で下降させている。
また、本例の多段プレス装置1は、ポンプ42の動作によって可動ベース22及び各従動ベース23A,23Bを上昇させる際には、上段の従動ベース23A、第1の従動型33A及び第2の従動型33Bが、上段の連結部材26Aを介して可動ベース22によって吊り上げられる直前から直後まで(図9のY1部分、図5参照)、下段の従動ベース23B、第3の従動型33C及び第4の従動型33Dが、下段の連結部材26Bを介して可動ベース22によって吊り上げられる直前から直後まで(図9のY2部分、図4参照)、及び多段プレス装置1が原位置101に復帰する直前(図9のY3部分、図3参照)に、ポンプ42の回転速度を低下させて、可動ベース22及び各従動ベース23A,23Bの上昇速度を上昇一般時Y0に比べて低下させるよう構成されている。また、多段プレス装置1が加工位置102にある状態で、第1の従動型33Aから可動型32が上昇を開始する直前から直後までも、その上昇速度を低下させている。なお、上昇一般時Y0においては、可動ベース22及び従動ベース23A,23Bを、ポンプ42の回転速度を速めて高速で上昇させている。つまり、ポンプ42の回転速度を低下させた後には、ポンプ42の回転速度を再び元の回転速度に戻す。
多段プレス装置1は、制御装置によって、昇降シリンダー51及び加圧シリンダー52を動作させるバルブ61〜63、ポンプ42等の動作を制御するよう構成されている。また、多段プレス装置1においては、型同士が接触する時、及び型が吊り上げられる時を検出する複数のスイッチ71A〜71C,72A〜72Cが設けられている。各スイッチ71A〜71C,72A,72Bは、型同士が接触する直前、及び型が吊り上げられる直前を検出するよう構成されている。また、スイッチ72Cは、多段プレス装置1が原位置101(上昇端)に復帰する直前を検出するよう構成されている。
図2に示すごとく、本例の型同士の接触時を検出する下降側スイッチ71A〜71Cには、第4の従動型33Dが固定型31に接触する時の直前を検出する第1下降スイッチ71A(図4参照)、第2の従動型33Bが第3の従動型33Cに接触する時の直前を検出する第2下降スイッチ71B(図5参照)、可動型32が第1の従動型33Aに接触する時の直前を検出する第3下降スイッチ71C(図6参照)がある。
本例の型が吊り上げられる時を検出する上昇側スイッチ72A〜72Cには、第1の従動型33A及び第2の従動型33Bが可動ベース22に吊り上げられる時の直前を検出する第1上昇スイッチ72A(図5参照)、第3の従動型33C及び第4の従動型33Dが可動ベース22に吊り上げられる時の直前を検出する第2上昇スイッチ72B(図4参照)、多段プレス装置1が原位置101に復帰する時の直前を検出する第3上昇スイッチ72C(図2参照)がある。
本例の各スイッチ71A〜71C,72A〜72Cは、ガイド部21に平行なスイッチ用レール73に設けた接触式のリミットスイッチである。このリミットスイッチは、可動ベース22、上段の従動ベース23A、下段の従動ベース23B、ベッド2等に設けることもできる。また、各スイッチ71A〜71C,72A〜72Cは、リミットスイッチ以外にも、非接触式のレーザースイッチ等とすることもできる。
次いで、本例の多段プレス装置1の動作につき、図7、図8を参照して説明する。
図7に示すごとく、可動型32及び従動型33A〜33Dを下降させる際には、ポンプ42を駆動し、下降用バルブ61を動作させ、各昇降シリンダー51の下降側ポートP1へポンプ42による作動油Oが供給される。このとき、下降用バルブ61からのパイロット圧力により、各昇降シリンダー51の上昇側ポートP2に接続されたパイロットチェック弁515のパイロット操作を行う。これにより、各昇降シリンダー51のシリンダー本体部517におけるヘッド側の空間に存在する作動油Oが、この各パイロットチェック弁515の逆方向へ通過する状態が形成される。
そして、各昇降シリンダー51のシリンダー本体部517におけるヘッド側の空間に存在する作動油Oが、各上昇側配管512を流れて、流量バランス機構64及び流量調整機構65を通過し、チェック弁519を介して各昇降シリンダー51の下降側ポートP1へ供給されるか、タンク41へと回収される。
また、各昇降シリンダー51におけるピストンロッド516が下降可能な状態が形成されることにより、可動型32及び従動型33A〜33Dは、これらに加わる重力Wを利用して下降し、各昇降シリンダー51の下降側ポートP1へ、タンク41からバイパス配管513を通って作動油Oが流入する(図1参照)。
こうして、バイパス配管513から流入する作動油Oと、ポンプ42から送られる作動油Oとによって、各昇降シリンダー51におけるピストンロッド516が、シリンダー本体部517のロッド側からヘッド側へ移動することになる。これにより、可動型32及び従動型33A〜33Dを迅速に下降させることができる。
そして、可動型32及び従動型33A〜33Dが各ワーク8A〜8Cを加圧する際には、ポンプ42を駆動し、加圧用バルブ63を動作させ、各加圧シリンダー52のロッド側ポートへポンプ42による作動油Oが供給される。このとき、各加圧シリンダー52のヘッド側ポートに存在する作動油Oは、配管523を通ってタンク41へ回収される。
そして、各昇降シリンダー51による加圧力と、各加圧シリンダー52及びトグル機構53を用いた加圧力とを可動型32に作用させることができ、ワーク8A〜8Cの成形に必要とされる大きな加圧力を可動型32に作用させることができる。
一方、図8に示すごとく、可動型32及び従動型33A〜33Dを上昇させる際には、ポンプ42を駆動したままの状態で、上昇用バルブ62を動作させ、流量バランス機構64を経由して、各昇降シリンダー51の上昇側ポートP2へポンプ42による作動油Oが供給される。このとき、上昇用バルブ62からのパイロット圧力により、各昇降シリンダー51の下降側ポートP1に接続されたパイロットチェック弁514のパイロット操作を行う。これにより、各昇降シリンダー51のシリンダー本体部517におけるロッド側の空間に存在する作動油Oが、この各パイロットチェック弁514の逆方向へ通過し、タンク41へと回収される。
また、上昇用バルブ62からのパイロット圧力により、各加圧シリンダー52のロッド側ポートに接続された配管521の途中に接続されたパイロットチェック弁522のパイロット操作を行う。これにより、各加圧シリンダー52のシリンダー本体部におけるロッド側の空間に存在する作動油Oが、このパイロットチェック弁522の逆方向へ通過し、タンク41へと回収される。
こうして、各昇降シリンダー51を用いて可動型32及び従動型33A〜33Dを上昇させることができ、プレス装置1をもとの原位置101に復帰させることができる。
次に、本例の多段プレス装置1による作用効果につき説明する。
本例の多段プレス装置1においては、タンク41内の作動油Oを、ポンプ42を経由させずに流出させるためのバイパス配管513を用いることにより、可動型32及び従動型33A〜33Dの下降速度を速くする工夫をしている。
通常のプレス装置においては、ポンプから油圧シリンダーへ送られる作動油の圧力によって可動型を下降させている。そのため、可動型が下降する速度は、ポンプから油圧シリンダーへ送られる作動油の流量に依存することになる。そこで、多段プレス装置1においては、昇降シリンダー51へバイパス配管513から作動油Oが流入することによって、可動型32及び従動型33A〜33Dをその自重Wによって下降させることができるようになっている。
多段プレス装置1によって、ワーク8A〜8Cに対してプレス加工を行う際には、昇降シリンダー51の上昇側ポートP2からタンク41へ作動油Oが戻されるとともに、昇降シリンダー51の下降側ポートP1には、タンク41からポンプ42によって吐出された作動油Oと、タンク41からバイパス配管513を経由して流出する作動油Oとが流入する。
これにより、可動型32及び従動型33A〜33Dに作用する重力Wを利用して、昇降シリンダー51におけるピストンロッド516がストロークし、固定型31に向けて可動型32及び従動型33A〜33Dを迅速に下降させることができる。そのため、バイパス配管513を設けたという極めて簡単な装置上の工夫によって、プレス加工に要するタクト(サイクルタイム)を短縮することができる。また、昇降シリンダー51を動作させるポンプ42の容量を増大させることなく、タクトの短縮化を図ることができる。
また、本例の多段プレス装置1においては、昇降シリンダー51の上昇側ポートP2には、可動型32及び各従動型33A〜33Dが下降する際に、昇降シリンダー51から流出する作動油Oの流量を調整し、可動型32及び各従動型33A〜33Dの下降速度を調整する流量調整機構65を設けている。そして、第4の従動型33Dが固定型31に接触する直前から直後まで(図9のX1部分)、第2の従動型33Bが第3の従動型33Cに接触する直前から直後まで(図9のX2部分)、及び可動型32が第1の従動型33Aに接触する直前から直後まで(図9のX3部分)の流量調整機構65による絞り量を、これらの接触時以外の下降時の絞り量よりも大きくする。これにより、可動型32及び各従動型33A〜33Dが下降する際に、型同士が接触する時の下降速度を、下降一般時X0の下降速度よりも低下させて、型接触時の衝撃、振動、騒音等を緩和することができる。
さらに、本例の多段プレス装置1は、可動型32及び各従動型33A〜33Dを上昇させる際には、各連結部材26A,26Bを介して各従動型33A〜33Dを吊り上げる直前から直後まで、ポンプ42の回転速度を低下させるよう構成されている。そして、第1の従動型33A及び第2の従動型33Bが上段の連結部材26Aを介して吊り上げられる直前から直後まで(図9のY1部分)、第3の従動型33C及び第4の従動型33Dが下段の連結部材26Bを介して吊り上げられる直前から直後まで(図9のY2部分)、多段プレス装置1が原位置101に復帰する直前(図9のY3部分)の可動型32の上昇速度を、上昇一般時Y0の上昇速度よりも低下させて、型吊上げ時の衝撃、振動、騒音等を緩和することができる。
それ故、本例の多段プレス装置1によれば、可動型32及び各従動型33A〜33Dの下降速度を向上させて、プレス加工に要するタクトを短縮するとともに、型同士が接触する時及び型が吊り上げられる時の衝撃を緩和することができる。
1 多段プレス装置
21 ガイド部
22 可動ベース
23A 上段の従動ベース
23B 下段の従動ベース
26A 上段の連結部材
26B 下段の連結部材
31 固定型
32 可動型
33A〜33D 従動型
41 タンク
42 ポンプ
51 昇降シリンダー
511 下降側配管
512 上昇側配管
513 バイパス配管
64 流量バランス機構
65 流量調整機構
P1 下降側ポート
P2 上昇側ポート
O 作動油

Claims (4)

  1. ガイド部によって上下方向にガイドされて昇降する可動型と、
    該可動型による上方からの荷重を受ける固定型と、
    上記可動型が上昇しているときに、該可動型の下方に連結部材によって吊り下げられ、上記可動型が下降するときに、上記可動型と上記固定型との間に挟まれるよう構成された従動型と、
    ピストンロッドの往復動によって上記可動型を昇降させる昇降シリンダーと、
    作動油を貯留するタンクと、
    該タンク内の作動油を、上記昇降シリンダーにおいて上記可動型を下降させる側の下降側ポート又は上記昇降シリンダーにおいて上記可動型を上昇させる側の上昇側ポートへ送って、上記昇降シリンダーの上記ピストンロッドを往復動させるポンプと、
    上記昇降シリンダーの上記下降側ポートと、上記タンクとを直接接続するバイパス配管と、
    上記昇降シリンダーの上記上昇側ポート又は上記下降側ポートに接続され、上記可動型及び上記従動型が下降する際に、上記昇降シリンダーを流れる作動油の流量を調整し、上記可動型及び上記従動型の下降速度を調整する流量調整機構と、を備えており、
    上記昇降シリンダーは、上記タンクから上記バイパス配管を経由して作動油が直接流入することによって、上記可動型及び上記従動型をその自重によって下降させるよう構成されており、
    上記可動型及び上記従動型が自重によって下降する際には、上記従動型が上記固定型に接触する時及び上記可動型が上記従動型に接触する時に、上記流量調整機構によって上記作動油の流量を絞って、上記可動型及び上記従動型の下降速度を低下させるよう構成されており、
    上記ポンプの動作によって上記可動型及び上記従動型を上昇させる際には、上記可動型が上記連結部材によって上記従動型を吊り上げる時に、上記ポンプの回転速度を低下させて、上記可動型及び上記従動型の上昇速度を低下させるよう構成されていることを特徴とする多段プレス装置。
  2. 請求項1に記載の多段プレス装置において、上記従動型が上記固定型に接触する直前から直後の間、及び上記可動型が上記従動型に接触する直前から直後の間に、上記流量調整機構によって上記作動油の流量を絞った後には、該作動油の流量を元の流量に戻すよう構成されていることを特徴とする多段プレス装置。
  3. 請求項1又は2に記載の多段プレス装置において、上記可動型が上記連結部材によって上記従動型を吊り上げる直前から直後の間に、上記ポンプの回転速度を低下させた後には、該ポンプの回転速度を元の速度に戻すよう構成されていることを特徴とする多段プレス装置。
  4. ガイド部によって上下方向にガイドされて昇降する可動型と、
    該可動型による上方からの荷重を受ける固定型と、
    上記可動型が上昇しているときに、該可動型の下方に連結部材によって吊り下げられ、上記可動型が下降するときに、上記可動型と上記固定型との間に挟まれるよう構成された従動型と、
    ピストンロッドの往復動によって上記可動型を昇降させる昇降シリンダーと、
    作動油を貯留するタンクと、
    該タンク内の作動油を、上記昇降シリンダーにおいて上記可動型を下降させる側の下降側ポート又は上記昇降シリンダーにおいて上記可動型を上昇させる側の上昇側ポートへ送って、上記昇降シリンダーの上記ピストンロッドを往復動させるポンプと、
    上記昇降シリンダーの上記下降側ポートと、上記タンクとを直接接続するバイパス配管と、
    上記昇降シリンダーの上記上昇側ポート又は上記下降側ポートに接続され、上記可動型及び上記従動型が下降する際に、上記昇降シリンダーを流れる作動油の流量を調整し、上記可動型及び上記従動型の下降速度を調整する流量調整機構と、を備えており、
    上記昇降シリンダーは、上記タンクから上記バイパス配管を経由して作動油が直接流入することによって、上記可動型及び上記従動型をその自重によって下降させるよう構成されており、
    上記可動型及び上記従動型が自重によって下降する際には、上記従動型が上記固定型に接触する時及び上記可動型が上記従動型に接触する時に、上記流量調整機構によって上記作動油の流量を絞って、上記可動型及び上記従動型の下降速度を低下させるよう構成されており、
    記昇降シリンダーは、上記可動型に対して複数個が配設されており、
    該複数個の昇降シリンダーの上記上昇側ポートに接続された上昇側配管には、該各上昇側ポートから該各上昇側配管へそれぞれ流出する作動油の流量を互いに同じにする流量バランス機構が設けられており、
    該流量バランス機構によって、上記可動型及び上記従動型が下降する際に、上記タンクから上記バイパス配管を経由して上記各昇降シリンダーの上記下降側ポートへそれぞれ流入する作動油の流量を、互いに同じにするよう構成されていることを特徴とするプレス装置。
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