JP4551144B2 - ホットプレス方法 - Google Patents
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Description
本発明は、小型の装置で高速かつ確実にホットプレスを行うことができるホットプレス方法に関するものである。
従来から、鋼板製自動車用部品等の製造において、ホットプレス方法により高強度部品を製造することが知られている。このホットプレス方法では、加熱された鋼板を成形金型との接触冷却によって焼き入れを行うため、プレス下死点で数秒間の静止保持が必要となる。一方、プレスマシンとしては、油圧シリンダを用いた油圧式タイプと、クランク機構やサーボモータを用いた機械式タイプの二つのタイプがあるが、前記の数秒間の静止保持を実現するには、型締荷重の大きな油圧シリンダを用いる必要があった。
しかしながら、油圧式タイプの場合は巨大な油圧シリンダをスライダの上部に直列に配置した構造であり、巨大な作動油タンクや油圧ポンプの設置が必要で装置の高さが高くなり設置建屋に制約があるという問題点があった。また、油圧式タイプの場合は高速作動が難しく生産性に劣るという問題点もあった。一方、特許文献１に示されるような機械式タイプの場合は、小型であり建屋の制約がなく、また高速作動性にも優れているものの、型締荷重が小さくプレス下死点での静止保持が不可能であった。
従って、高さが低くコンパクトな設計で、また高速作動性にも優れており、しかもプレス下死点での静止保持が可能で確実にホットプレスを行うことができる新規なホットプレス方法およびプレス装置の開発が望まれているのが現状である。
特開平１１−１９７８９４号公報
従って、高さが低くコンパクトな設計で、また高速作動性にも優れており、しかもプレス下死点での静止保持が可能で確実にホットプレスを行うことができる新規なホットプレス方法およびプレス装置の開発が望まれているのが現状である。
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、プレス下死点での静止保持が可能で確実にホットプレスを行うことができるとともに優れた高速作動性も発揮することができ、また高さが低くコンパクトな設計で建屋の制約を受けることもないホットプレス方法を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、ホットな状態にある鋼板を上下一対の金型間で所定形状にプレス成形するホットプレス方法であって、金型の両側に並列配置した上型を高速昇降動するための高速昇降装置により駆動する上型をプレス下死点まで降下させて鋼板を上下一対の金型間で所定形状にプレスした後、上型を下死点で静止保持した状態で、低速高荷重昇降装置により駆動する下型を上昇させて静止保持し焼き入れすることを特徴とするホットプレス方法である。
本発明では、上型を高速昇降動するための高速昇降装置を金型の両側に並列配置したので、装置の高さを従来の巨大な油圧シリンダをスライダの上部に直列に配置した油圧プレス型に比べて半分程度に低減することができ、また大きな作動油タンクも不要で装置全体をコンパクトなものとすることができる。また、上型のプレス下死点降下後において下型を上昇させて静止保持するための低速高荷重昇降装置を設けたので、確実に焼き入れ処理も行うことができる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい形態を示す。
図面は、鋼板２０を上下一対の金型間で所定形状にプレス成形するプレス装置を示し、図中、１は上型、２は下型、３は上型１を保持するスライド、４は下型２を保持するボルスタはであり、以上の構成は従来のプレス装置と基本的に同じである。なお、２１はベース盤である。
そして本発明では、金型の両側に並列配置した上型１を高速昇降動するための高速昇降装置５と、上型１のプレス下死点降下後において下型２を上昇させて静止保持するための低速高荷重昇降装置６を設けたものとなっている。
図面は、鋼板２０を上下一対の金型間で所定形状にプレス成形するプレス装置を示し、図中、１は上型、２は下型、３は上型１を保持するスライド、４は下型２を保持するボルスタはであり、以上の構成は従来のプレス装置と基本的に同じである。なお、２１はベース盤である。
そして本発明では、金型の両側に並列配置した上型１を高速昇降動するための高速昇降装置５と、上型１のプレス下死点降下後において下型２を上昇させて静止保持するための低速高荷重昇降装置６を設けたものとなっている。
高速昇降装置５は、図示のものでは、金型の両側にスクリュー７、７が並列に配置されており、ナット８を介してスライド３がナット８上を高速で昇降動するように構成されている。駆動源としては、低負荷で高速動作を可能とするサーボモータ９を用いることができる。なお、１０は減速機である。
このような高速昇降装置５によれば、スクリュー７のセルフロック機構によりメカニカルなストッパー無しでスライド３を任意の高さで昇降をロックすることが可能となり、またスライド３の停止後において、後述する高荷重成形に直ちに移行することが可能なため、成形サイクルタイムに悪影響を与えることもない。更には、鋼板２０の成形段階での速度制御を高精度に行えるので、製品の板厚減少や傷付き等を防止することも可能となるという利点もある。
このような高速昇降装置５によれば、スクリュー７のセルフロック機構によりメカニカルなストッパー無しでスライド３を任意の高さで昇降をロックすることが可能となり、またスライド３の停止後において、後述する高荷重成形に直ちに移行することが可能なため、成形サイクルタイムに悪影響を与えることもない。更には、鋼板２０の成形段階での速度制御を高精度に行えるので、製品の板厚減少や傷付き等を防止することも可能となるという利点もある。
低速高荷重昇降装置６は、図示のものでは、ボルスタ４の下面側でベース盤２１との間に短ストロークで高荷重の負荷をかけることができる油圧シリンダ１１を配置した構造であり、この油圧シリンダ１１でボルスタ４を駆動するものである。
この低速高荷重昇降装置６により、下型２をプレス下死点で数秒間の静止保持を行い、金型との接触冷却による焼き入れを行うのである。
この低速高荷重昇降装置６により、下型２をプレス下死点で数秒間の静止保持を行い、金型との接触冷却による焼き入れを行うのである。
次に、前述したプレス装置によりホットプレスする方法について説明する。
先ず、図１に示されるように、ホットな状態にある鋼板２０を上下一対の金型１、２間にセットし、次いで、図２に示されるように、上型１を下降させて金型１、２間で所定形状にプレス成形する点は従来のホットプレス方法と基本的には同じである。
そして本発明では、図２に示される状態において、高速昇降装置５により駆動する上型１をプレス下死点まで降下させて鋼板２０を上下一対の金型１、２間で所定形状にプレスした後、低速高荷重昇降装置６により駆動する下型２をわずかに上昇させて静止保持し焼き入れするのである。
図３は、スライド３およびボルスタ４の位置と成形時間の関係を示すグラフである。この図３のグラフから、スライド３を高速で降下させて鋼板２０を金型１、２間で所定形状にプレス成形した状態で、直ちにボルスタ４をわずかに上昇させて高荷重の負荷をかけた状態で静止保持（６〜１０秒程度）し、金型との接触冷却をして焼き入れしていることがわかる。
先ず、図１に示されるように、ホットな状態にある鋼板２０を上下一対の金型１、２間にセットし、次いで、図２に示されるように、上型１を下降させて金型１、２間で所定形状にプレス成形する点は従来のホットプレス方法と基本的には同じである。
そして本発明では、図２に示される状態において、高速昇降装置５により駆動する上型１をプレス下死点まで降下させて鋼板２０を上下一対の金型１、２間で所定形状にプレスした後、低速高荷重昇降装置６により駆動する下型２をわずかに上昇させて静止保持し焼き入れするのである。
図３は、スライド３およびボルスタ４の位置と成形時間の関係を示すグラフである。この図３のグラフから、スライド３を高速で降下させて鋼板２０を金型１、２間で所定形状にプレス成形した状態で、直ちにボルスタ４をわずかに上昇させて高荷重の負荷をかけた状態で静止保持（６〜１０秒程度）し、金型との接触冷却をして焼き入れしていることがわかる。
以上の説明からも明らかなように、本発明は金型の両側に並列配置した上型１を高速昇降動するための高速昇降装置５と、上型１のプレス下死点降下後において下型２を上昇させて静止保持するための低速高荷重昇降装置６を設けたものとしたので、高さが低くコンパクトな設計で、また高速作動性にも優れており、しかもプレス下死点での静止保持が可能で確実にホットプレスを行うことができることとなる。
１ 上型
２ 下型
３ スライド
４ ボルスタ
５ 高速昇降装置
６ 低速高荷重昇降装置
７ スクリュー
８ ナット
９ サーボモータ
１１ 油圧シリンダ
２０ 鋼板
２ 下型
３ スライド
４ ボルスタ
５ 高速昇降装置
６ 低速高荷重昇降装置
７ スクリュー
８ ナット
９ サーボモータ
１１ 油圧シリンダ
２０ 鋼板
Claims (1)
- ホットな状態にある鋼板を上下一対の金型間で所定形状にプレス成形するホットプレス方法であって、金型の両側に並列配置した上型を高速昇降動するための高速昇降装置により駆動する上型をプレス下死点まで降下させて鋼板を上下一対の金型間で所定形状にプレスした後、上型を下死点で静止保持した状態で、低速高荷重昇降装置により駆動する下型を上昇させて静止保持し焼き入れすることを特徴とするホットプレス方法。
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