JP2011092578A - ゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料およびこれを用いた塗装ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料およびこれを用いた塗装ゴルフボール Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜の膜厚が均一であり、表面光沢があるゴルフボール、及び、そのためのゴルフボール用水性塗料を提供する。
【解決手段】本ゴルフボールは、以下の硬化型ポリウレタン水性塗料から形成された塗膜を有する。水性ポリオール組成物と水性ポリイソシアネートとを含有するゴルフボール用硬化型水性塗料であって、前記水性ポリオール組成物が、水性アクリルポリオール、水性ウレタンポリオール、および、水性ポリウレタン樹脂を含有し、前記水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH基)と前記水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50であり、前記水性塗料中の沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率が0質量%超、10質量%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料および塗装ゴルフボールに関するものである。
ゴルフボール本体表面には、通常、塗膜が設けられている。ゴルフボールの塗膜は、ゴルフボール本体が、太陽光線や風雨にさらされて劣化するのを保護するとともに、ゴルフボール本体に光沢を付与して外観を向上するために設けられている。このような塗膜を形成するための塗料が種々開発されている。例えば、特許文献1には、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させて得られる水酸基価100〜300の水溶性ウレタンポリオールと、親水性基含有ポリイソシアネートとからなることを特徴とするゴルフボール用水系塗料組成物が開示されている。特許文献2には、水性ポリオールの水性液とポリイソシアネートとを含み、前記水性ポリオールの水酸基価は、50以上100mgKOH/g未満であって、かつ、その重量平均分子量は4,000〜20,000であることを特徴とするゴルフボール用塗料が開示されている。
ゴルフボールは繰返し打撃されて使用されることから、ゴルフボールの塗膜には、衝撃に対する密着性が要求される。特に、ゴルフボールを打撃する際には、ゴルフボール本体が変形するので、ゴルフボール本体を被覆する塗膜がこのような変形に追随できない場合には、塗膜が剥離する傾向がある。また、打撃時におけるクラブとの摩擦や、着地時におけるバンカーの砂やラフなどの地面との摩擦などを受けて、塗膜が剥離する場合がある。
ゴルフボール本体表面と塗膜との密着性を高める方法として、例えば、特許文献3には、ゴルフボール本体表面にマークを形成し、塗膜を形成する水性塗料として、主剤と硬化剤と溶剤とを含有する二液硬化型水性塗料を使用するとともに、マークを形成する樹脂成分を、前記水性塗料中に含まれる硬化剤を用いて硬化させることを特徴とするゴルフボールの製造方法が開示されている。
ゴルフボール本体表面と塗膜との密着性を高めたゴルフボールとして、例えば、特許文献4には、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体を被覆する塗膜とを有するゴルフボールであって、前記塗膜は、カルボキシル基を有する水性ポリオールと水性ポリイソシアネートと水性ポリカルボジイミドとを含有する塗料用組成物を硬化させてなることを特徴とするゴルフボールが開示されている。
特開2001−271027号公報 特開2004−187829号公報 特開2006−557号公報 特開2006−218046号公報
上述のように、ゴルフボール本体表面に水性塗料を塗布することが提案されている。しかし、ゴルフボール本体表面は、ディンプルが設けられた特殊な形状を有しているために、水性塗料を塗布した場合、塗膜の膜厚が不均一になり、表面光沢が不十分になるなどの問題がある。また、膜厚を均一にするために、チクソ剤、レベリング剤などの高沸点溶剤を添加すると、乾燥時間が非常に長くなり生産性に問題が生じる。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ゴルフボール本体に表面光沢を付与し、乾燥性が良好で、均一な膜厚の塗膜を形成するゴルフボール用水性塗料を提供することを目的とする。本発明は、さらに、斯かる塗料を使用した塗装ゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らが、上記課題を鋭意検討した結果、第一に、水性塗料の表面張力を低下させて、ゴルフボール本体表面への塗れ性を向上させること、第二に、水性塗料のレベリング性を高めて、ディンプルのような特殊な形状を有するゴルフボール本体表面に対して、水性塗料の垂れを抑制することが効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。上記課題を解決することができた本発明のゴルフボール用水性塗料は、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを含有するゴルフボール用硬化型水性塗料であって、(A)水性ポリオール組成物が、(a−1)水性アクリルポリオール、(a−2)水性ウレタンポリオール、および、(a−3)水性ポリウレタン樹脂を含有し、(A)前記水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH基)と(B)前記水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50であり、前記水性塗料中の沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率が0質量%超、10質量%以下であることを特徴とする。
すなわち、本発明の水性塗料は、塗膜の光沢を向上させる(a−1)水性アクリルポリオール、塗膜のゴルフボール本体表面に対する密着性を向上させる(a−2)水性ウレタンポリオール、塗膜の引張物性を向上させ、打撃時のゴルフボール本体の変形に塗膜が追随しやすくなる(a−3)水性ポリウレタン樹脂を含有する。そのため、光沢があり、ゴルフボール本体表面への密着性に優れた塗膜が形成される。また、本発明の水性塗料が含有する沸点が150℃以上の高沸点溶剤は、水性塗料の表面張力を低下させて、ゴルフボール本体表面への塗れ性を向上するとともに、水性塗料のレべリンク性を改善する。その結果、ゴルフボール本体表面に均一な膜厚を有する塗膜が形成される。さらに、沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率を、10質量%以下としているので、塗料乾燥工程が長くなることもない。
本発明の水性塗料は、さらに、沸点が180℃以上の高沸点溶剤の含有率が、0質量%超、5質量%以下であることが好ましい。前記硬化型ポリウレタン水性塗料中の(a−3)水性ポリウレタン樹脂の含有率は、20質量%〜80質量%であることが好ましい。(a−1)前記水性アクリルポリオールとしては、水酸基価が50mgKOH/g〜150mgKOH/gであるものが好ましい。(A)前記水性ポリオール組成物において、(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)水性ウレタンポリオールとの配合比率(合計100質量%)は、(a−1)水性アクリルポリオール/(a−2)水性ウレタンポリオール=40質量%〜90質量%/60質量%〜10質量%であることが好ましい。(B)前記水性ポリイソシアネートとしては、(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体、ならびに、(b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有するものを好適に使用できる。また、(B)前記水性ポリイソシアネート中の(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体と(b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体との配合比率(合計100質量%)は、((b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体)/((b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体)=50質量%〜99質量%/50質量%〜1質量%であることが好ましい。
本発明には、上記水性塗料から形成された塗膜を有する塗装ゴルフボールも含まれる。
本発明によれば、ゴルフボール本体表面に、均一な膜厚を有する塗膜を形成し、表面光沢を付与するゴルフボール用水性塗料が得られる。本発明によれば、水性塗料から形成した塗膜を有する塗装ゴルフボールであって、均一な膜厚の塗膜を有し、表面光沢を有するゴルフボールが得られる。
エアーガンを用いた塗装形態の一例を示す模式図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルの拡大断面図である。
本発明のゴルフボール用水性塗料は、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを含有する硬化型ポリウレタン水性塗料であって、(A)前記水性ポリオール組成物が、(a−1)水性アクリルポリオール、(a−2)水性ウレタンポリオール、および、(a−3)水性ポリウレタン樹脂を含有し、(A)前記水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH基)と(B)前記水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50であり、前記水性塗料中の沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率が0質量%超、10質量%以下であることを特徴とする。なお、本発明において、単に「水性」という場合には、「水溶性」と「水分散性」のいずれの場合も含まれる。また、硬化型ポリウレタン水性塗料は、(A)水性ポリオール組成物と、(B)水性ポリイソシアネートとが硬化反応して、ポリウレタンを生成することによって塗膜を形成する。
まず、本発明で使用する(A)水性ポリオール組成物について説明する。(A)前記水性ポリオール組成物は、(a−1)水性アクリルポリオール、(a−2)水性ウレタンポリオール、および、(a−3)水性ポリウレタン樹脂を含有する。
本発明で使用する(a−1)水性アクリルポリオールは、分子内に複数のヒドロキシル基を有する水性アクリル樹脂または水性アクリルポリマーであり、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体および水酸基を有さない(メタ)アクリル系単量体を共重合して得られる。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有さない(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル系不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどのその他(メタ)アクリル系単量体;などが挙げられる。これらの水酸基を有さない(メタ)アクリル系単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを示す。
また、(a−1)水性アクリルポリオールは、本発明の効果を損なわない程度に、(メタ)アクリル系単量体以外の水酸基を有する他の単量体成分および/または水酸基を有さない他の単量体成分を含有してもよい。前記水酸基を有する他の単量体成分としては、例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、アリルアルコールなどの不飽和アルコールが挙げられる。前記水酸基を有さない他の単量体成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;マレイン酸、イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;などが挙げられる。これらの他の単量体成分は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(a−1)水性アクリルポリオールの水酸基価は、50mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは60mgKOH/g以上、さらに好ましくは70mgKOH/g以上であり、150mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは140mgKOH/g以下、さらに好ましくは130mgKOH/g以下である。(a−1)水性アクリルポリオールの水酸基価が上記範囲内であれば、塗膜の光沢をより向上させることができ、さらに、塗膜の硬度および耐水性を向上させることができる。なお、本発明において、水酸基価は、JIS K 1557−1に準じて、例えば、アセチル化法によって測定することができる。
(a−1)水性アクリルポリオールのガラス転移温度は,20℃以上が好ましく、より好ましくは22℃以上、さらに好ましくは25℃以上であり、60℃以下が好ましく、より好ましくは57℃以下、さらに好ましくは55℃以下である。(a−1)水性アクリルポリオールのガラス転移温度が上記範囲内であれば、水性塗料の製造が容易となり、さらに、塗膜の耐衝撃性を向上させることができる。
(a−1)水性アクリルポリオールの重量平均分子量は、3,000以上が好ましく、より好ましくは5,000以上、さらに好ましくは8,000以上であり、50,000以下が好ましく、より好ましくは45,000以下、さらに好ましくは40,000以下である。(a−1)水性アクリルポリオールの重量平均分子量が上記範囲内であれば、塗膜の耐水性および耐衝撃性を向上させることができる。なお、(a−1)水性アクリルポリオールの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準物質としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとして有機溶媒系GPC用カラム(例えば、昭和電工社製「Shodex(登録商標) KFシリーズ」など)を用いて測定すればよい。
また、(a−1)水性アクリルポリオールが一分子中に有する水酸基の個数の平均(平均水酸基数)は、5個以上であることが好ましく、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは20個以上であり、100個以下であることが好ましく、より好ましくは50個以下、さらに好ましくは40個以下である。(a−1)水性アクリルポリオールの平均水酸基数が5個以上であれば、水性ポリイソシアネート(B)との反応性が高く、強靭な塗膜を形成できる。また、ゴルフボール本体表面への塗膜の密着性が良好になる。一方、平均水酸基数が、100個以下であれば、形成される塗膜の耐水性が良好となる。なお、(a−1)水性アクリルポリオールの平均水酸基数は、上記水酸基価および重量平均分子量から計算により求めることができる。
(a−1)水性アクリルポリオールは、水に溶解もしくは分散させた水性液として使用することが好ましい。(a−1)水性アクリルポリオールを水に溶解もしくは分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸などのカルボキシル基を有する単量体を共重合して、カルボキシル基を塩基で中和する方法;水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体を乳化剤の存在下で乳化重合する方法などが挙げられる。
(a−1)水性アクリルポリオールを水に溶解または分散させた水性液として使用する場合、当該水性液中の(a−1)水性アクリルポリオール成分の含有量(不揮発分)は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、70質量%以下が好ましく、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。水性液中の(a−1)水性アクリルポリオール成分の含有量が上記範囲内であれば、(a−2)水性ウレタンポリオールなどと混合しやすく、(A)水性ポリオール組成物の調製が容易となる。なお、不揮発分の測定方法については後述する。
(a−1)水性アクリルポリオールの具体例としては、例えば、神東塗料社製水性アクリルポリオール(水酸基価108mgKOH/g;ガラス転移温度46℃)、住化バイエルウレタン社製の「バイヒドロール(Bayhydrol)(登録商標) VPLS2058」、「バイヒドロール VPLS2235」が挙げられる。
次に、(A)水性ポリオール組成物に含有される(a−2)水性ウレタンポリオールについて説明する。
(a−2)水性ウレタンポリオールとは、分子内にウレタン結合を複数有し、一分子中に水酸基を2以上有する水性化合物である。(a−2)水性ウレタンポリオールとしては、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、ポリオール成分の水酸基がポリイソシアネート成分のイソシアネート基に対して過剰になるような条件で反応させて得られる水酸基末端水性ウレタンプレポリマーを挙げることができる。
前記ポリオール成分としては、分子量が500未満の低分子量ポリオールや分子量が500以上の高分子量ポリオールを挙げることができる。前記低分子量ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。前記高分子量のポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)などのポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)などのラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;およびアクリルポリオールなどが挙げられる。
(a−2)水性ウレタンポリオールを構成し得るポリイソシアネート成分としては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレタンポリオールを水性にするための親水性基は、ポリオール成分またはポリイソシアネート成分のいずれからも導入できるが、ポリオール成分から導入することが好ましい。ポリオール成分から親水性基を導入する場合、具体的には、親水性基を有するポリオールを使用する。前記親水性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基などのイオン性官能基、或いは、ポリオキシエチレングリコール鎖などを挙げることができる。
前記親水性基を有するポリオールとしては、例えば、親水性基を有する低分子ポリオールのほか、水性ポリエステルポリオールあるいは水性ポリエーテルポリオールなどの水性ポリマーポリオールを挙げることができる。親水性基を有する低分子ポリオールとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシコハク酸などを挙げることができる。
(a−2)水性ウレタンポリオールを構成し得る水性ポリエステルポリオールは、水溶性ポリエステルポリオールまたは水分散性ポリエステルポリオールのいずれであってもよく、例えば、カルボキシル基を有するポリエステルポリオールやスルホン酸基を有するポリエステルポリオールなどが挙げられる。前記水性ポリエステルポリオールとして特に好ましいのは、カルボキシル基を有する水性ポリエステルポリオールである。カルボキシル基を有する水性ポリエステルポリオールを構成成分とする水性ウレタンポリオールは、斯かるカルボキシル基を塩基で中和することによって、水に溶解または分散させることができる。
カルボキシル基を有する水性ポリエステルポリオールは、ポリエステルポリオールを合成する公知の方法により合成することができ、例えば、低分子量ポリオールと多塩基酸とを重縮合させて得ることができる。また、ポリエステルポリオールを水性にするためのカルボキシル基は、低分子量ポリオールまたは多塩基酸のいずれからも導入することができる。ポリエステルポリオールにカルボキシル基を導入する低分子量ポリオールとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシコハク酸などが挙げられる。ポリエステルポリオールにカルボキシル基を導入できる多塩基酸としては、例えば、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができる。
(a−2)水性ウレタンポリオールを構成し得る水性ポリエーテルポリオール成分としては、例えば、ポリエチレングリコールを挙げることができる。水性ポリエーテルポリオールを構成成分として有する水性ウレタンポリオールは、単に水と混合して、撹拌することにより、水に溶解または分散させることができる。必要に応じて、加熱しながら溶解または分散してもよい。
(a−2)水性ウレタンポリオールの水酸基価は、50mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは60mgKOH/g以上、さらに好ましくは70mgKOH/g以上であって、500mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは450mgKOH/g以下、さらに好ましくは400mgKOH/g以下である。(a−2)水性ウレタンポリオールの水酸基価が上記範囲内であれば、ゴルフボール本体表面に対する塗膜の密着性をより向上させることができる。
(a−2)水性ウレタンポリオールの重量平均分子量は、200以上が好ましく、より好ましくは250以上、さらに好ましくは300以上であり、50,000以下が好ましく、より好ましくは45,000以下、さらに好ましくは40,000以下である。(a−2)水性ウレタンポリオールの重量平均分子量が上記範囲内であれば、塗膜の耐水性および耐衝撃性を向上させることができる。なお、(a−2)水性ウレタンポリオールの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準物質としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとして有機溶媒系GPC用カラム(例えば、昭和電工社製「Shodex(登録商標) KFシリーズ」など)を用いて測定すればよい。
(a−2)水性ウレタンポリオールが一分子中に有する水酸基の個数の平均(平均水酸基数)は、1.0個以上であることが好ましく、より好ましくは1.5個以上、さらに好ましくは2個以上であり、50個以下であることが好ましく、より好ましくは45個以下、さらに好ましくは40個以下である。(a−2)水性ウレタンポリオールの平均水酸基数が、1.0個以上であれば、(B)水性ポリイソシアネート(B)との反応性が高くなる。その結果、強靭な塗膜が形成され、ゴルフボール本体表面との密着性がより良好になる。また、(a−2)水性ウレタンポリオールの平均水酸基数が、50個以下であれば、形成される塗膜の耐水性が良好となる。なお、(a−2)水性ウレタンポリオールの平均水酸基数は、上記水酸基価および重量平均分子量から計算により求めることができる。
(a−2)水性ウレタンポリオールは、水に溶解もしくは分散させた水性液として使用することが好ましい。例えば、(a−2)水性ウレタンポリオールを水に溶解または分散させた水性液として使用する場合、当該水性液中の(a−2)水性ウレタンポリオール成分の含有量(不揮発分)は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは23質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、95質量%以下が好ましく、より好ましくは93質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。水性液中の(a−2)水性ウレタンポリオール成分の含有量が上記範囲内であれば、(a−1)水性アクリルポリオールなどと混合しやすく、(A)水性ポリオール組成物の調製が容易となる。なお、不揮発分の測定方法については後述する。
(a−2)水性ウレタンポリオールの水性液の具体例としては、例えば、キング インダストリーズ社製の「FLEXOREZ(登録商標) UD−350W」、「FLEXOREZ UD−320」、住化バイエルウレタン社製の「バイヒドロール(Bayhydrol)(登録商標) VPLS2056」が挙げられる。
次に、(A)水性ポリオール組成物に含有される(a−3)水性ポリウレタン樹脂について説明する。(a−3)水性ポリウレタン樹脂とは、分子内にウレタン結合を複数有する水性樹脂であれば、特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とを反応させることによって、ウレタン結合が分子内に形成された生成物であり、必要に応じて、さらに低分子量のポリオールや低分子量のポリアミンなどにより鎖長延長反応させることにより得られるものである。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂を構成し得るポリイソシアネート成分としては、(a−2)水性ウレタンポリオールに用いられるものとして例示したポリイソシアネートが挙げられる。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分としては、(a−2)水性ウレタンポリオールに用いられるものとして例示したポリオールが挙げられる。
必要に応じてポリウレタン樹脂を構成し得るポリアミン成分は、少なくとも2以上のアミノ基を有するものであれば特に限定されない。前記ポリアミン成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン;トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン;ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、イソホロンジアミンなどの脂環式ポリアミン;ヒドラジン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジン類などを挙げることができる。また、前記ポリアミン若しくは低分子量のポリオール成分として、ジエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミンを使用することもできる。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂の構成態様としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分によって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリオール成分によって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリオール成分とポリアミン成分とによって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とポリアミン成分とによって構成されている態様などを挙げることができる。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂と(a−2)水性ウレタンポリオールは、どちらも分子内にウレタン結合を複数有するものであるが、(a−2)水性ウレタンポリオールが一分子中に水酸基を2つ以上有するのに対して、(a−3)水性ポリウレタン樹脂は実質的に水酸基を有さない。すなわち、(a−3)水性ポリウレタン樹脂の水酸基価は5mgKOH/g以下である。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、20℃以下が好ましく、より好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10℃以下である。水性ポリウレタン樹脂(a−3)のガラス転移温度が20℃以下であれば、水性ポリウレタン樹脂の伸び率が大きくなり、塗膜の引張物性が向上する。(a−3)水性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度の下限値は、特に限定されないが、−50℃である。なお、(a−3)水性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、例えば、動的粘弾性測定装置により測定することができる。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂の伸び率は、100%以上が好ましく、より好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上であり、2,000%以下が好ましく、より好ましくは1,900%以下、さらに好ましくは1,800%以下である。(a−3)水性ポリウレタン樹脂の伸び率が上記範囲内であれば、塗膜のゴルフボール本体表面に対する密着性をより向上させることができる。なお、(a−3)水性ポリウレタン樹脂の伸び率は、例えば、島津製作所製のオートグラフにより測定することができる。
なお、本発明において、(a−3)水性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度および伸び率とは、(a−3)水性ポリウレタン樹脂より得られるフィルムの物性値であり、測定方法については後述する。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂は、水に溶解もしくは分散させた水性液として使用することが好ましい。例えば、(a−3)水性ポリウレタン樹脂を水に溶解または分散させた水性液の態様で使用する場合、当該水性液中の(a−3)水性ポリウレタン樹脂成分の含有量(不揮発分)は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは12質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、50質量%以下が好ましく、より好ましくは47質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。水性液中の(a−3)水性ポリウレタン樹脂成分の含有量が上記範囲内であれば、(a−1)水性アクリルポリオールなどと混合しやすく、(A)水性ポリオール組成物の調製が容易となる。なお、不揮発分の測定方法については後述する。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂として、水分散液を使用する場合には、体積平均粒子径は50nm以上が好ましく、より好ましくは55nm以上、さらに好ましくは60nm以上であり、300nm以下が好ましく、より好ましくは250nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。水分散液の体積平均粒子径が上記範囲内であれば、塗膜の光沢をより向上させることができる。なお、水分散液の体積平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂を、水に溶解もしくは分散させる方法としては、例えば、自己乳化法や強制乳化法などが挙げられる。
自己乳化法は、ポリウレタン樹脂の分子鎖中にイオン性基を導入して、乳化剤などを用いることなく、水中に溶解あるいは分散させる方法である。例えば、ポリウレタン樹脂の分子中にカルボキシル基を導入して、これを中和することにより、ポリウレタン樹脂を水中に溶解あるいは分散させることができる。なお、イオン性基とは、カルボキシル基やアミノ基などのイオン化され得る未中和の官能基、および、これらの官能基が無機金属化合物やアミン類などによって中和されることによりイオン化された官能基を意味する。
前記ポリウレタン樹脂の分子中にイオン性基を導入する方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、前記ポリオール成分の一部または全部としてイオン性基を有するポリオールを使用する態様、または前記鎖長延長剤成分の一部または全部としてイオン性基を有する鎖長延長剤を使用する態様、前記ポリオール成分の一部および前記鎖長延長剤成分の一部または全部にイオン性基を有するポリオールおよび鎖長延長剤を使用する態様が挙げられる。
前記イオン性基を有するポリオールとしては、例えば、(a−2)水性ウレタンポリオールに用いられるものとして例示した、カルボキシル基を有するポリエステルポリオールやスルホン酸基を有するポリエステルポリオールなどが挙げられる。前記イオン性基を有する鎖長延長剤としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシコハク酸などの親水性基を有する低分子ポリオールが挙げられる。
強制乳化法は、比較的低分子量のウレタンプレポリマーを乳化剤の存在下で、高せん断力で強制的に乳化分散させた後、低分子量ポリオール成分や低分子量ポリアミン成分などにより鎖長延長反応させる方法である。
(a−3)水性ポリウレタン樹脂の具体例としては、例えば、第一工業製薬社製の「スーパーフレックス(登録商標) 300」、「スーパーフレックス 500H」などを挙げることができる。
(A)水性ポリオール組成物中の(a−3)水性ポリウレタン樹脂の含有率は、不揮発分換算で、20質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。(A)水性ポリオール組成物中の(a−3)水性ポリウレタン樹脂の含有率が上記範囲内であれば、塗膜のゴルフボール本体表面に対する密着性をより向上させることができる。
また、(A)水性ポリオール組成物中の(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)水性ウレタンポリオールとの配合比率(合計100質量%、不揮発分換算)は、(a−1)水性アクリルポリオール/(a−2)水性ウレタンポリオール=40質量%〜90質量%/60質量%〜10質量%が好ましく、より好ましくは45質量%〜90質量%/55質量%〜10質量%であり、さらに好ましくは50質量%〜90質量%/50質量%〜10質量%である。配合比率((a−1)/(a−2))が上記範囲内であれば、本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料から得られる塗膜の光沢性、ゴルフボール本体に対する密着性、および耐久性をより向上させることができる。
(A)前記水性ポリオール組成物は、分散媒として水を含有することが好ましい。この場合、(A)水性ポリオール組成物中の不揮発分は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、85質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。(A)水性ポリオール組成物中の不揮発分が、20質量%以上であれば、(A)水性ポリオール組成物と後述する(B)水性ポリイソシアネートとの反応速度が速くなる。また、(A)水性ポリオール組成物中の不揮発分が、85質量%以下であれば、粘度が高くなり過ぎず、塗工性が良好となる。なお、不揮発分の測定方法については後述する。
(B)水性ポリイソシアネートについて説明する。(B)水性ポリイソシアネートとは、イソシアネート基を複数有する水性化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンエーテルアルコールで変性したポリイソシアネートを挙げることができる。
(B)水性ポリイソシアネートのポリイソシアネート成分としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネート;およびこれらのポリイソシアネートの誘導体が挙げられる。
前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、ジイソシアネートのイソシアヌレート体;ジイソシアネートとトリメチロールプロパンあるいはグリセリンなどの低分子量トリオールとを反応させて得られるアダクト体;アロハネート変性体;ビュレット変性体などを挙げることができ、遊離ジイソシアネートが除去されているものがより好ましい。前記アロハネート変性体とは、例えば、ジイソシアネートと低分子量ジオールとを反応させて形成されるウレタン結合にさらにジイソシアネートが反応して得られる3官能ポリイソシアネートであり、前記ビュレット変性体とは、例えば、ジイソシアネートと低分子量ジアミンとを反応させて形成されるウレア結合にさらにジイソシアネートが反応して得られる3官能ポリイソシアネートである。これらのポリイソシアネートおよびその誘導体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)水性ポリイソシアネートは、ポリイソシアネート成分として、(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体、ならびに、(b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有することが好ましく、(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体、ならびに、(b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体のみを含有する態様がより好ましい。これにより、本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料から得られる塗膜の耐候性が向上する。
(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好適である。また、(b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体としては、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好適である。
(B)水性ポリイソシアネート中の(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体と(b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体との配合比率(合計100質量%、不揮発分換算)は、((b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体)/((b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体)=50質量%〜99質量%/50質量%〜1質量%が好ましく、より好ましくは55質量%〜95質量%/45質量%〜5質量%、さらに好ましくは60質量%〜90質量%/40質量%〜10質量%である。配合比率((b−1)/(b−2))を上記範囲とすることにより、本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料から得られる塗膜のゴルフボール本体に対する密着性、および耐久性をより向上させることができる。
(B)水性ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、DIC社製の「CR−60N」、日本ポリウレタン社製の「コロネート(登録商標)C3062、C3053」、住化バイエルウレタン社製の「バイヒジュール(Bayhydur)(登録商標)3100」、「バイヒジュール401−70」、神東塗料社製の「I−3」、和薬ペイント社製の「WG−6B」などを挙げることができる。
本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料は、(A)水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH基)と(B)水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50である。前記モル比(NCO基/OH基)が、1.25未満では、イソシアネート基量が少なく、レベリング効果が得られないため、得られる塗膜の外観が悪くなる。また、前記モル比(NCO基/OH基)が2.50を超えると、イソシアネート基量が過剰となり、得られる塗膜が硬く脆くなる上に、外観も悪くなる。なお、塗料中のイソシアネート基量が過剰になると得られる塗膜の外観が悪くなる理由は、イソシアネート基量が過剰になると、空気中の水分とイソシアネート基との反応が多くなり、炭酸ガスが多量に発生するためと考えられる。前記モル比(NCO基/OH基)は、1.25以上が好ましく、より好ましくは1.30以上であり、2.5以下が好ましく、より好ましくは2.4以下である。
本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料中の沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率は、0質量%超、10質量%以下である。沸点が150℃以上の高沸点溶剤を含有することにより、水性塗料の表面張力が低下して、ゴルフボール本体表面への塗れ性が向上する。また、沸点が150℃以上の高沸点溶剤は、塗料の乾燥速度を低下させ、塗料のレベリング性を高める。その結果、得られるゴルフボールの外観が向上する。沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率は、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。一方、沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率が高すぎると、水性塗料の乾燥温度が高くなったり、乾燥時間が長くなり過ぎる。そのため、沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率は、10質量%以下が好ましく、9.5質量%以下がより好ましく、9.0質量%以下がさらに好ましい。沸点が150℃以上の高沸点溶剤は、(A)水性ポリオール組成物、(B)水性ポリイソシアネートのいずれの成分に含まれていても良い。いずれの成分にも含まれていない場合には、二液硬化型ポリウレタン水性塗料に後添加すればよい。沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率は、例えば、各成分の組成比、高沸点溶剤を後添加する場合には、後添加する高沸点溶剤の量、必要に応じて水を添加することなどにより調製することができる。また、沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率は、例えば、ガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
沸点が150℃以上の高沸点溶剤としては、沸点が155℃以上の高沸点溶剤を含むものが好ましく、沸点が160℃以上の高沸点溶剤を含むものがより好ましく、沸点が180℃以上の高沸点溶剤を含むものがさらに好ましい。本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料は、沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率が0質量%超、10質量%以下であって、さらに沸点が180℃以上の高沸点溶剤の含有率が、0質量%超、5質量%以下であることが好ましい。沸点が180℃以上の高沸点溶剤を所定量含有することにより、ゴルフボールの外観が一層良好になる。沸点が180℃以上の高沸点溶剤の含有率は、1.5質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、4.5質量%以下が好ましく、4.0質量%以下が好ましい。また、本発明で使用する高沸点溶剤の沸点は、400℃以下が好ましく、380℃以下がより好ましく、360℃以下がさらに好ましい。沸点が400℃以下であれば、塗料の乾燥時間が長くなり過ぎないからである。なお、沸点は、大気圧下で測定した沸点である。
沸点が150℃以上の高沸点溶剤の具体例(括弧内は沸点を示す)としては、エチレングリコールモノブチルエーテル(171℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(162℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(171℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(176℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(188℃)、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル(230℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(189℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(194℃)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(212℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(215℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(216℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(230℃)、エチレングリコールモノフェノルエーテル(245℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(249℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(256℃)、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(261℃)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(264℃〜294℃)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(275℃)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(290℃〜310℃)などのグリコール系エーテル系溶剤;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(217℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(247℃)などのグリコール系エステル系溶剤;ジメチルフタレート(282℃)、ジエチルフタレート(298℃)、ジブチルフタレート(340℃)、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート(390℃)、ブチルベンジルフタレート(370℃)、エチルフタリルエチルグリコレート(310℃)などのフタル酸エステル;ビス(2−エチルヘキシル)アジペート(335℃)、ジブチルセバケート(345℃)、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート(377℃)などの脂肪族二塩基酸エステル;プロピレングリコール(187℃)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート(244℃)、N−メチル−2−ピロリドン(204℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(153℃)などのその他の溶剤を挙げることができる。これらの溶剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用しても良い。これらの中でも、沸点が150℃以上の高沸点溶剤としては、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート(244℃)、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル(230℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(230℃)、または、エチレングリコールモノフェノルエーテル(245℃)が好ましい。
本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料の粘度は、50mPa・s以上が好ましく、より好ましくは60mPa・s以上、さらに好ましくは70mPa・s以上であり、350mPa・s以下が好ましく、より好ましくは340mPa・s以下、さらに好ましくは330mPa・s以下である。前記粘度が50mPa・s以上であれば、塗装時に、ゴルフボール本体表面に塗布された塗料が垂れることがなく、より膜厚均一性の高い塗膜が形成でき、350mPa・s以下であれば、霧化性が良好であり、エアーガンを用いて塗装した場合、得られる塗装ゴルフボールの外観(光沢性)がより良好となる。なお、硬化型ポリウレタン水性塗料の粘度の測定方法については、後述する。
本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料は、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを混合した後の粘度変化が、2時間で10mPa・s上昇する程度である。そのため、塗装時に、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを少量ずつ混合して使用する場合でも、作業性が低下しない。
本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料は、上記成分の他、さらに必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、ブロッキング防止剤、レベリング剤、スリップ剤、粘度調整剤などの、一般にゴルフボール用塗料に含有され得る添加剤を含有してもよい。
次に、本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料の塗布方法について説明する。硬化型ポリウレタン水性塗料の塗布方法は限定されず、混合型塗料の塗布方法として公知の方法を採用することができ、スプレー塗装、静電塗装などを挙げることができる。
エアーガンを用いたスプレー塗装の場合には、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとをそれぞれのポンプで供給して、エアーガン直前に配置されたラインミキサーで連続的に混合し、得られた混合物をスプレー塗装してもよいし、混合比制御機構を備えたエアースプレーシステムを用いて、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを別々にスプレー塗装してもよい。
エアーガンを用いてスプレー塗装する場合、例えば、図1に示すような態様を採用することができる。図1は、エアーガンを用いた塗装の一例を示す模式図である。水平回転可能な回転体1の上に3本のプロング3a〜3cを立設し、該3本のプロング3a〜3cによりゴルフボール2を支えた状態で回転体1を回転させ、ゴルフボール2からエアーガン4を吹き付け距離だけ離間させて上下方向に移動させながら霧化塗料を吹き付ける。この場合、回転体1の回転速度は300rpm以上とすることが好ましく、より好ましくは400rpm以上であり、800rpm以下とすることが好ましく、より好ましくは700rpm以下である。
吹き付け距離、すなわち、エアーガンの吹き出し口とゴルフボール本体表面との最短距離は、5cm以上とすることが好ましく、より好ましくは6cm以上であり、15cm以下とすることが好ましく、より好ましくは14cm以下である。前記吹き付け距離を5cm以上とすることにより、得られる塗膜の膜厚の均一性をより向上することができ、15cm以下とすることにより、塗料がゴルフボール本体に付着せずに飛散することを抑制できる。
エアーガンの吹付エアー圧は、0.01MPa以上が好ましく、より好ましくは0.05MPa以上であり、0.30MPa以下が好ましく、より好ましくは0.25MPa以下である。前記吹付エアー圧が0.01MPa以上であれば、塗料の霧化を十分に行うことができ、塗膜の均一性がより向上し、0.30MPa以下であれば、エアーガンから吹き出されるエアーの勢いが強くなりすぎず、エアーによりゴルフボール本体が支持体(回転体)から落下することを抑制できる。
圧送タンクエアー圧は、0.01MPa以上が好ましく、より好ましくは0.05MPa以上であり、0.30MPa以下が好ましく、より好ましくは0.25MPa以下である。前記圧送タンクエアー圧が0.01MPa以上であれば、十分に塗料の霧化を行うことができ、塗膜の均一性がより向上し、0.30MPa以下であれば、エアーガンから吹き出されるエアーの勢いが強くなりすぎず、エアーによりゴルフボール本体が支持体(回転体)から落下することを抑制できる。
ここで、エアーガンの吹付エアー圧とは、エアーガンの吹き出し口におけるエアー圧であり、圧送タンクエアー圧とは、エアーガンへと供給されるエアー圧である。
また、エアーガンを用いる場合、1回の塗布時間は、0.1秒以上とすることが好ましく、より好ましくは0.5秒以上であり、3秒以下とすることが好ましく、より好ましくは2.5秒以下である。1回の塗布時間が0.1秒以上であれば、エアーガンから吹き出されるエアーの勢いが強くなりすぎず、エアーによりゴルフボール本体が支持体(回転体)から落下することを抑制できる。また、1回の塗布時間が3秒以下であれば、エアーガンから吹き出されるエアーの勢いが弱くなりすぎず、十分に塗料の霧化を行うことができ、塗膜の均一性がより向上する。
ゴルフボール本体に塗布された硬化型ポリウレタン水性塗料は、例えば、30℃〜70℃の温度で1時間〜24時間乾燥することにより塗膜を形成することができる。ゴルフボール本体には、熱可塑性の材料も使用されることから、乾燥温度は40℃以下であることが好ましい。40℃以下で乾燥する場合の指触乾燥時間は、6時間以内であることが好ましく、4時間以内であることがより好ましい。
乾燥後の塗膜の膜厚は、特に限定されないが4μm以上が好ましく、より好ましくは5μm以上、50μm以下が好ましく、より好ましくは40μm以下である。膜厚が4μm未満では、継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなる傾向があり、膜厚が50μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するおそれがある。また前記塗膜は、好ましくは単層構造を有する。単層構造であれば、塗装工程を簡略化でき、本発明における塗膜は、単層構造であっても優れた塗膜物性を発現するからである。また、前記塗膜は最外層のクリアーペイント層であることが好適である。
本発明の塗装ゴルフボールは、ゴルフボール本体と、塗膜とを有する塗装ゴルフボールであって、前記塗膜が本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料により形成されていることを特徴とする。
ゴルフボール本体の構造は、特に限定されず、ワンピースゴルフボール、ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボール以上のマルチピースゴルフボール、あるいは、糸巻きゴルフボールであってもよい。いずれの場合であっても、本発明を好適に適用できるからである。
本発明のゴルフボールのカバーを構成するカバー材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂若しくは二液硬化型ウレタン樹脂などのウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などの各種樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマーまたは商品名「プリマロイ」で市販されている熱可塑性ポリエステル系エラストマーなどを挙げることができる。前記カバー材料は、単独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
前記カバーは、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
カバー用組成物を用いてカバーを成形する態様は、特に限定されないが、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する態様、あるいは、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する態様(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。
カバーを被覆してゴルフボール本体を作製する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。カバーに形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。また、カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、マークを形成することもできる。
次に、糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールおよびマルチピースゴルフボールに用いられるコア、ならびに、ワンピースゴルフボール本体について説明する。
前記コアおよびワンピースゴルフボール本体には、公知のゴム組成物(以下、単に「コア用ゴム組成物」という場合がある)を用いることができ、例えば、基材ゴム、共架橋剤および架橋開始剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。
前記基材ゴムとしては、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。前記共架橋剤は、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸の金属塩が用いられ、金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムが好ましく用いられ、より好ましくは亜鉛が用いられる。共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以上50質量部以下が好ましい。また、架橋開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、1.5質量部以下が好ましく、より好ましくは1.0質量部以下である。また、前記コア用ゴム組成物は、さらに、有機硫黄化合物を含有してもよい。前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤、有機硫黄化合物に加えて、さらに、酸化亜鉛や硫酸バリウムなどの比重調整剤、老化防止剤、色粉などを適宜配合することができる。前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成型条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130℃〜200℃で10分間〜60分間加熱するか、あるいは130℃〜150℃で20分間〜40分間加熱した後、160℃〜180℃で5分間〜15分間と2段階加熱することが好ましい。
本発明のゴルフボールが、スリーピース以上のマルチピースゴルフボールである場合には、コアとカバーとの間に設ける中間層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂;ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマー;ゴム組成物の硬化物などが挙げられる。ここで、アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも1部を金属イオンで中和したもの、またはエチレンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものが挙げられる。前記中間層には、さらに、硫酸バリウム、タングステンなどの比重調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)塗装ゴルフボール外観
塗装ゴルフボールの外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。
評価基準
◎:表面が非常になめらかで光沢がある状態。
○:表面がなめらかで光沢がある状態。
△:表面に多少の凸凹があり、つや・光沢が少ない状態。
×:表面に凸凹が多く、つや・光沢がない状態。
(2)膜厚の均一性
塗装ゴルフボールの表面を一部切り出し、塗膜の膜厚を観察するための試験片(約7mm四方)を作製した。顕微鏡を用いて、ディンプル6個について、ディンプルの底、エッジ、斜面における塗膜の厚みを測定して平均値を求め、以下の評価基準で評価した。
ディンプルの底、エッジ、斜面における測定箇所について、図2を参照して説明する。図2はディンプル10の底Deおよびゴルフボール2の中心を通過する断面の模式図である。ディンプルの底Deとは、ディンプル10の最も深い箇所である。エッジEdは、ディンプル10の両側に共通の接線Tが画かれたときの、ディンプル10と接線Tとの接点である。斜面における測定箇所Sは、ディンプルの底DeとエッジEdとを結ぶ直線の中点から、ディンプル10に向けて垂線を下ろした際、該垂線とディンプルの斜面とが交わる点である。
評価基準
ディンプルの底、エッジ、斜面における膜厚の平均値を、それぞれx、y、zとする。
◎:│x−y│≦1.5μm、かつ、│y−z│≦1.5μm、かつ、│z−x│≦1.5μm
○:│x−y│≦3μm、かつ、│y−z│≦3μm、かつ、│z−x│≦3μm
×:│x−y│>3μm、または、│y−z│>3μm、または、│z−x│>3μm
(3)塗膜の密着性
ツルーテンパー社製のスイングロボットにメタルヘッド製ドライバー(1W)を装着し、ヘッドスピード45m/sで塗装後のゴルフボールを50回繰返し打撃した後、塗膜の剥離状態を観察し、下記の評価基準に基づいて評価した。
評価基準
◎:塗膜の剥離がほとんどない。
○:塗膜の剥離面積が全塗膜面積の1%以下。
△:塗膜の剥離面積が全塗膜面積の1%超5%以下。
×:塗膜の剥離面積が全塗膜面積の5%超。
(4)水性ポリウレタン樹脂の伸び率
水性ポリウレタン樹脂を用いて、膜厚500μmのフィルムを作製した。乾燥条件は、予備乾燥:室温×15時間、本乾燥:80℃×6時間、120℃×20分とした。
次いで、得られたフィルムから試験片を打抜き、テンシロン万能試験機を用いて、伸び率を測定した。測定条件は、試料長30mm、引張速度200mm/minとした。
(5)ガラス転移温度
水性アクリルポリオールのガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)(ティー・エイ・インスツルメント社製、「Q200」)を用いて測定した。測定条件は、測定温度範囲−50℃〜200℃、昇温速度20℃/minとした。水性ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置(ユービーエム社製、Rheogel−E4000)を用いて測定した。測定条件は、加振振動数10Hz、測定温度範囲−100℃〜200℃、昇温速度2℃/minとした。試験試料には、水性ポリウレタン樹脂を用いて作製したフィルムを用いた。なお、乾燥条件は、予備乾燥:室温×15時間、本乾燥:80℃×6時間、120℃×20分とした。
(6)不揮発分
試料を、アルミ皿に約2gとり、150℃で1時間強制乾燥させ、乾燥前の質量と乾燥後の質量から不揮発分を求めた。
(7)粘度
硬化型ポリウレタン水性塗料の粘度を、単一円筒回転粘度計(リオンテック社製、「ビスコテスター VT−04F」)を用いて測定した。測定は、3号ローターを使用し、ローターの回転数は62.5min−1、測定温度は25℃とした。なお、硬化型ポリウレタン水性塗料の粘度は、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを混合した直後に測定した。
(8)乾燥時間
塗料を塗装したゴルフボールを40℃の保管庫で保持し、所定時間毎に、塗膜を指先で触れて、塗膜の乾燥状態を調べた。塗膜に指先の形や指紋が残らなくなった時間を指触乾燥時間とし、以下の基準により評価した。
指触乾燥時間
◎:4時間未満
○:4時間以上、6時間未満
△:6時間以上、8時間未満
×:8時間以上
[ツーピースゴルフボールの作製]
(1)コアの作製
表1に示す配合のコア用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で160℃、13分間加熱プレスすることにより直径39.3mmの球状コアを得た。
Figure 2011092578
ポリブタジエンゴム:JSR社製、「BR51」
酸化亜鉛:東邦亜鉛製、「銀嶺(登録商標)R」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業製、「ZNDA−90S」
炭酸カルシウム:白石カルシウム製、「BF−300」
ジクミルパーオキサイド:日油製、「パークミル(登録商標)D」
(2)カバー用組成物の調製
表2に示した配合の材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で200〜260℃に加熱された。
Figure 2011092578
ハイミラン1605:三井デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和エチレン− メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1706:三井デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1707:三井デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和エチレン− メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
(3)ゴルフボール本体の作製
上記で得たカバー用組成物を、前述のようにして得たコア上に直接射出成形することによりカバーを形成し、直径42.7mmを有するツーピースゴルフボール本体を作製した。カバー成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱したカバー用組成物を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。なお、ゴルフボールの表面にはディンプルを形成した。
(4)塗膜の形成
(a−1)水性アクリルポリオール、(a−2)水性ウレタンポリオール、および、(a−3)水性ポリウレタン樹脂とを配合して(A)水性ポリオール組成物を調製した。得られた(A)水性ポリオール組成物に(B)水性ポリイソシアネートを撹拌しながらゆっくりと加えて、表3に示した配合になるような硬化型ポリウレタン水性塗料を調製した。
得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理して、表3に示した二液硬化型ポリウレタン水性塗料をエアーガンで塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、厚み約10μmの塗膜を形成した塗装ゴルフボールを得た。なお、硬化型ポリウレタン水性塗料の塗布は、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを混合した後、速やかに行った。得られた塗装ゴルフボールの外観、および形成された塗膜の膜厚の均一性、密着性について評価した結果を表3に併せて示した。
Figure 2011092578
水性アクリルポリオール:神東塗料社製、水性アクリルポリオール(水酸基価108mgKOH/g、平均水酸基数28.8個、ガラス転移温度46℃、不揮発分46質量%、重量平均分子量15,000)
水性ウレタンポリオール:キング インダストリーズ社製、「FLEXOREZ(登録商標) UD−350W」(水酸基価325mgKOH/g、平均水酸基数2.3個、不揮発分88質量%、重量平均分子量400)
水性ポリウレタン樹脂:第一工業製薬社製、「スーパーフレックス(登録商標) 300」(ガラス転移温度−40℃、不揮発分30質量%、伸び率1,500%)
HDI誘導体:住化バイエルウレタン社製、「バイヒジュール(登録商標) 305」(イソシアネート基量(NCO%)16.2質量%、無溶媒)
IPDI誘導体:住化バイエルウレタン社製、「バイヒジュール(登録商標) 401−70」(イソシアネート基量(NCO%)9.4質量%、不揮発分70質量%)
ゴルフボールNo.1〜No.9、No.12、No.16〜No.18は、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを含有するゴルフボール用硬化型水性塗料であって、(A)前記水性ポリオール組成物が、(a−1)水性アクリルポリオール、(a−2)水性ウレタンポリオール、および、(a−3)水性ポリウレタン樹脂を含有し、(A)前記水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH基)と(B)前記水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50であり、前記水性塗料中の沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率が、0質量%超、10質量%以下である水性塗料を使用した場合である。塗膜の膜厚が均一であり、表面光沢があるゴルフボールが得られていることが分かる。また、塗膜は、ゴルフボール本体への密着性にも優れていた。
本発明は、ゴルフボール用水性塗料、及びゴルフボールに有用である。
1:回転体、2:ゴルフボール、3a〜3c:プロング、4:エアーガン、10:ディンプル、De:ディンプルの最深箇所、Ed:エッジ、T:接線、S:膜厚の測定箇所

Claims (8)

  1. (A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを含有するゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料であって、(A)前記水性ポリオール組成物が、(a−1)水性アクリルポリオール、(a−2)水性ウレタンポリオール、および、(a−3)水性ポリウレタン樹脂を含有し、(A)前記水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH基)と(B)前記水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50であり、前記水性塗料中の沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率が0質量%超、10質量%以下であることを特徴とするゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料。
  2. 沸点が180℃以上の高沸点溶剤の含有率が、0質量%超、5質量%以下である請求項1に記載のゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料。
  3. (A)前記水性ポリオール組成物中の(a−3)水性ポリウレタン樹脂の含有率が、20質量%〜80質量%である請求項1または2に記載のゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料。
  4. 前記水性アクリルポリオール(a−1)の水酸基価が、50mgKOH/g〜150mgKOH/gである請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料。
  5. (A)前記水性ポリオール組成物中の(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)水性ウレタンポリオールとの配合比率(合計100質量%)が、(a−1)水性アクリルポリオール/(a−2)水性ウレタンポリオール=40質量%〜90質量%/60質量%〜10質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料。
  6. (B)前記水性ポリイソシアネートが、(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体、ならびに、(b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料。
  7. (B)前記水性ポリイソシアネート中の(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体と(b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体との配合比率(合計100質量%)が、((b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体)/((b−2)イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体)=50質量%〜99質量%/50質量%〜1質量%である請求項1〜6に記載のゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料。
  8. ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体に形成された塗膜とを有する塗装ゴルフボールであって、前記塗膜は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料から形成されていることを特徴とする塗装ゴルフボール。
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