JP3628131B2 - ゴルフボール - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐擦傷性、耐紫外線性に優れ、さらに表面耐久性にも優れ、アイアンクラブでの打撃時のフェースマーク(表面傷)を低減させた塗装作業性の良好なゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ゴルフボールには、アイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂やバラタゴムをカバーに用いた糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールなどがあることが知られているが、いずれのばあいでも、その表面にはゴルフボール用塗料が複数層塗装されており、通常、最下層には下塗塗料白、ついで中塗塗料白、そして最外層には上塗クリアー塗料の塗膜が形成されているのが一般的である。
【0003】
この最外層を形成する塗膜の役割は、ボールに光沢を付与して美観を改善し、カバー材を保護することにある。かかる最外層用のゴルフボール用塗料に要求される特性としては、打撃時に加わる外力によるゴルフボールの変形に伴う伸縮に追随する塗膜の柔軟性、クラブヘッドによるインパクトに耐えうる耐衝撃性、使用環境におけるボールの接触物との摩擦に耐えうる耐擦傷性、屋外の使用に耐えうる耐候性などがあげられる。
【0004】
また、塗装作業性として、2液型ウレタン塗料を塗装液状態とし、塗装可能な状態にした段階で一般に5時間程度の塗装可能な時間(いわゆるポットライフ)があること、およびゴルフボールに塗装したのち、ゴミ、ホコリなどが付着しなくなるまでの時間を極力短い時間にすること、が要求されている。
【0005】
従来より、このような要求をある程度満たす塗料として、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとからなる2液型ポリウレタン樹脂塗料、アクリルポリオールとポリイソシアネートとからなる2液型ポリウレタン樹脂塗料、ポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとからなる2液型ポリウレタン樹脂塗料が使用されてきているが、前記要求性能を全て満たす塗料は今だ知られていない。
【0006】
ポリオールとして、ポリエステルポリオールを使用した2液型ポリウレタン樹脂塗料は、塗膜強度に優れているが、硬度が高く、耐衝撃性がわるく、また耐候性がわるい。そこで、水酸基価の小さいポリエステルポリオールを使用するか、またはポリイソシアネートの配合量を少なくし、架橋密度を低下させることにより塗膜を柔軟化する方法も考えられている。これらの方法でもある程度塗膜の柔軟性は改善されるが、耐擦傷性が低下したり、乾燥速度が遅くなるなど別の問題が生じる。また、耐候性を向上させることが困難になるという問題も生じる。
【0007】
また、イソシアヌレート環を有する多価アルコールを含む多価アルコール成分と多価カルボン酸との反応によりえられる水酸基含有ポリエステルおよび無黄変型ジイソシアネートを含有する2液型ポリウレタン塗料(特公平6−93930号公報)をゴルフボール用塗料に使用する方法が提案されている。このばあい、耐擦傷性、耐衝撃性といった表面耐久性の良好な塗料がえられるが、耐候性がわるいという問題を有する。
【0008】
さらに、ポリオールとして、ポリエーテルポリオールを使用した2液型ポリウレタン樹脂塗料は、柔軟で耐候性のよい塗膜がえられ易いが、耐擦傷性などが劣る。そこで、ポリエーテルポリオールの分子鎖中に、芳香族基などの剛直な基を導入したり、架橋密度をあげるための活性水素化合物を併用したりする方法も考えられている。これらの方法により耐擦傷性の向上をはかることができるが、塗膜の伸縮性が低下するため、インパクト時におけるゴルフボールの変形に伴う伸縮に追随し難くなり、耐衝撃性がわるくなるなどの問題が生じる。
【0009】
ポリオールとしてアクリルポリオールを使用した2液型ポリウレタン樹脂塗料のばあい、耐候性がよく、塗膜強度に優れているが、硬度が高く、耐衝撃性がわるい。そこでTgを下げ、水酸基価の小さいアクリルポリオールを使用するか、ポリイソシアネートの配合量を少なくし、架橋密度を低下させることにより塗膜を柔軟にする方法や、これらの方法を併用する方法なども考えられているが、いずれの方法でもある程度塗膜の柔軟性は改善されるが、耐擦傷性が低下するという問題が生じる。
【0010】
このような従来のゴルフボール用塗料の問題を解決する塗料として、ポリカーボネートジオールをポリオールとする2液型ポリウレタン樹脂塗料をゴルフボール用塗料に使用することが提案されており(特開平1−141677号公報)、このばあい、耐候性がよく、塗膜強度に優れ、耐擦傷性、耐衝撃性を兼ね備えているなど、従来の塗料よりも良好な特性を示す塗料がえられている。しかしながら、ゴミ、ホコリなどが付着しなくなるまでに時間がかかるという問題は依然として有している。また、この問題を解決するために、ジブチルスズジラウレートなどの硬化触媒を用いてゴミ、ホコリなどが付着しなくなるまでの時間を短くしようとすると、ポットライフが短くなるという問題が生ずる。
【0011】
すなわち、従来のゴルフボール用塗料で塗膜を形成したゴルフボールは、ゴルフボールに要求される耐衝撃性、耐擦傷性、耐候性などの性能の全てを満たすものではない、またはゴルフボール用塗料の塗装作業性に問題を有しており、塗装作業性に問題がなく、ゴルフボールに要求される性能を全て満たすゴルフボールの開発が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記のごとき実状に鑑みなされたものであり、
ゴルフボールの最外層として
(A)ジイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールからなる水酸基含有化合物とからなる、不揮発分100%のばあいの水酸基価30〜80mgKOH/g、ウレタン基濃度2〜3.5ミリモル/gおよび重量平均分子量10000〜50000の主鎖にウレタン結合を有し、末端が水酸基であるポリウレタンポリオールを含有するポリオール(主剤)ならびに
(B)非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤)
を、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が0.7/1.0〜2.0/1.0になるように配合したポリウレタン系上塗クリアー塗料から形成された塗膜を有することを特徴とするゴルフボール(請求項1)、
前記ポリウレタンポリオールをポリオール全体の30%(重量%、以下同様)以上含有する請求項1記載のゴルフボール(請求項2)、および
非黄変性ポリイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびその誘導体のうちの1種以上である請求項1記載のゴルフボール(請求項3)
に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のゴルフボールは、基体ゴルフボール(最外層を除いたゴルフボール)に、最外層として、ジイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールからなる水酸基含有化合物(以下、単に水酸基含有化合物ともいう)とからなる、不揮発分100%のばあいの水酸基価30〜80mgKOH/g、ウレタン基濃度2〜3.5ミリモル/gおよび重量平均分子量10000〜50000の主鎖にウレタン結合を有し、末端が水酸基であるポリウレタンポリオールを含有するポリオール(主剤(A))と、非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤(B))とが、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が0.7/1.0〜2.0/1.0になるように配合したポリウレタン系上塗クリアー塗料からの塗膜を形成したゴルフボールである。
【0014】
前記最外層が前記ポリウレタン系上塗クリアー塗料から形成されているため、本発明のゴルフボールは、ゴルフボールの塗膜に要求される柔軟性、耐衝撃性、耐擦傷性、耐紫外線性などの耐候性に優れ、高い表面耐久性を有するため、アイアンクラブでの打撃時のゴルフボール表面とクラブフェース面の摩擦衝突により発生するフェースマーク(表面傷)を低減させることができるなどする。また、塗装作業性よく製造することができる。
【0015】
前記基体ゴルフボールにはとくに限定はなく、最外層を設ける前の基体ゴルフボールであるかぎり使用しうる。前記基体ゴルフボールの具体例としては、アイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂やバラタゴムをカバーに用いた糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールなどに、下塗塗料白および中塗塗料白を塗装したものなどがあげられる。前記基体ゴルフボールのうちでも、下塗塗料白および中塗塗料白としては、ある程度の伸び、弾性、塑性を有するものが好ましい。さらに、下塗塗料白としては、基材ゴルフボール(塗装前のゴルフボール)および中塗塗料白との層間密着性が良好なものが好ましく、中塗塗料白としては、前記ポリウレタン系上塗クリアー塗料との層間密着性が良好なものが好ましい。また、下塗塗料白、中塗塗料白、前記ポリウレタン系上塗クリアー塗料の順に塗膜の伸び率が大きくなる方が、クラブでの打撃時に加わる外力によるゴルフボールの変形に伴なう伸縮に追随し易く、耐衝撃性が良好になる点から好ましい。
【0016】
本発明においては、前記基体ゴルフボールのうえに最外層として前述のポリウレタン系上塗クリアー塗料からの塗膜が形成される。
【0017】
前記最外層の塗膜の厚さとしては、一般的なトップコートの厚さである15〜25μmであればよく、さらには20〜25μmであるのが好ましい。最外層の塗膜の厚さが薄すぎるばあいには、塗膜の破断強度が低下するとともに、衝撃吸収性能が低下して、表面耐久性(フェースマーク(表面傷)の低減)、耐擦傷性などの性能が充分えられなくなるばあいが生じ、逆に厚すぎるばあいには、塗膜の乾燥性が低下したり、ゴルフボールのディンプルが埋まる傾向が生じてゴルフボールの基本性能が低下するなどの問題が生じやすくなる。
【0018】
前記最外層を形成するポリウレタン系上塗クリアー塗料の主剤(A)としては、前述のごとく、ジイソシアネート化合物と水酸基含有化合物とからなる特定のポリウレタンポリオールを必須成分とするポリオールが使用される。
【0019】
前記特定のポリウレタンポリオールを製造するのに使用されるジイソシアネート化合物としては、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂肪族、脂環族、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物があげられ、これらを使用するばあい、耐候性の点から好ましい。
【0020】
また、前記特定のポリウレタンポリオールを製造するのに使用される水酸基含有化合物としては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの低分子量のジオールやトリオールなど、ポリエーテルポリオール(ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールおよび前記オキシアルキレンの共重合体など)、ポリエステルポリオール(ジカルボン酸とグリコールとの重縮合物およびε−カプロラクトンの開環重合物など)、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール(ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリオール)、エポキシポリオールなどのマクロポリオールがあげられる。これらのうちでは、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールが耐候性、耐加水分解性、可撓性の点から好ましい。なお、マクロポリオールの分子量としては、500〜5000、さらに1000〜2000のものが好ましい。
【0021】
前記ジイソシアネート化合物と水酸基含有化合物とからなる特定のポリウレタンポリオールは、主鎖にウレタン結合を有し、末端に水酸基を有するポリウレタンポリオールであって、不揮発分100%のばあいの水酸基価が30〜80mgKOH/g、さらには40〜65mgKOH/g、ウレタン基濃度が2〜3.5ミリモル/g、重量平均分子量が10000〜50000、好ましくは10000〜40000、さらには11000〜27000のポリウレタンポリオールである。
【0022】
前記ポリウレタンポリオールの不揮発分100%のばあいの水酸基価が30mgKOH/g未満になると、生成塗膜の分子量はあがり易いが、水酸基価が低いために塗膜硬度が低くなり、耐擦傷性が低下したり塗膜の破断強度が低下する。一方、水酸基価が80mgKOH/gをこえると、生成塗膜の分子量があがり難くなり硬化も遅くなり、また、架橋密度が高くなるため、生成する塗膜の破断伸びが低下し、耐衝撃性が低下する。また、ウレタン基濃度が2ミリモル/g未満になると、ウレタン特有の可撓性や耐摩擦性などの特性がえられ難くなり、3.5ミリモル/gをこえると、粘度が上昇するため、加えるシンナー量が多くなり、通常の塗装方法(エアースプレー、静電スプレー)での塗装液固形分が低下し、必要膜厚を付け難くなるなどする。さらに、重量平均分子量が10000を下回ると、乾燥性が低下したり、生成する塗膜が充分な強度を発現しなくなったりし、また、50000をこえると、粘度が上昇するため、実用的な塗装性がえられなくなる。
【0023】
主剤(A)には、前記特定のポリウレタンポリオール以外の成分が含まれていてもよい。このような成分の具体例としては、たとえば相溶性の良好な市販のアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどがあげられる。耐候性の点からアクリルポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましく、さらに表面乾燥性の点から、アクリルポリオールが好ましい。
【0024】
特定のポリウレタンポリオールを前記他の成分と併用するばあいの使用割合としては、特定のポリウレタンポリオールを使用することによる効果である耐衝撃性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、塗装作業性などを維持するために、特定のポリウレタンポリオールをポリオール全体の30%以上、さらには50%以上含有させるのが好ましい。
【0025】
本発明のゴルフボールの最外層を形成する上塗クリアー塗料に使用される非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤(B))としては、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)などや、前記化合物をプレポリマー化した誘導体などがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。前記プレポリマー化した誘導体の具体例としては、トリメチロールプロパン(TMP)変性ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアヌレート結合ヘキサメチレンジイソシアネート、ビューレット結合ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン(TMP)変性イソホロンジイソシアネート、イソシアヌレート結合イソホロンジイソシアネートなどがあげられる。
【0026】
前記硬化剤(B)と主剤(A)との使用割合としては、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基が当量比で0.7/1.0〜2.0/1.0、さらには0.9/1.0〜1.7/1.0、とくには1.0/1.0〜1.7/1.0であるのが、塗膜の乾燥性、破断伸び、塑性、弾性の点から好ましい。
【0027】
本発明のゴルフボールの最外層を形成する上塗クリアー塗料には、要すればシリコーン系スリップ剤、レベリング剤、粘度調整剤、蛍光増白剤、ブロッキング防止剤、硬化触媒などの一般にゴルフボール用塗料に添加されている成分を一般に添加される量添加して使用してもよい。
【0028】
前記のごとき主剤(A)および硬化剤(B)からなるポリウレタン系上塗クリアー塗料を基体ゴルフボールの表面に塗装し、最外層塗膜を形成することによって、本発明のゴルフボールが製造される。
【0029】
基体ゴルフボールの表面に前記ポリウレタン系上塗クリアー塗料を塗装する方法には、とくに限定はなく、従来から行なわれている方法にしたがって行なえばよい。具体的な塗装方法としては、たとえばエアースプレー塗装、静電スプレー塗装、ディッピング塗装などの方法があげられる。
【0030】
このようにして製造された本発明のゴルフボールは、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールなどの水酸基含有化合物をジイソシアネート化合物を用いてポリウレタンポリオール化したものをポリオール成分として使用するために主鎖に多くのウレタン結合が導入されたポリウレタン系上塗クリアー塗料からの最外層塗膜が形成されており、この結果、ゴルフボール表面に必要な特性である柔軟性、弾性、強度、耐久性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性を有する。また、このゴルフボールを製造する際の塗装作業性がよい。
【0031】
本発明の好ましい実施の態様としては、前記特定のポリウレタンポリオール30〜100部およびアクリルポリオール、ポリカーボネートジオールなどのポリオール70〜0部の合計100部に対して硬化触媒0〜0.5部およびシリコーン系助剤0〜2.0部からなるポリオール(主剤(A))ならびに非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤(B))を、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が1.0/1.0〜1.7/1.0になるように配合したポリウレタン系上塗クリアー塗料の塗膜で最外層を形成した糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールがあげられる。
【0032】
また、前記主剤(A)に、さらに蛍光増白剤を0〜1.0部添加して使用してもよい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明のゴルフボールを実施例により、さらに詳細に説明する。
【0034】
実施例1〜6および比較例1〜5
表1に示すポリオール、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体、硬化触媒であるジブチルスズジラウレートおよびその他の成分を表1に示す割合で配合してゴルフボール用上塗クリアー塗料を製造した。
【0035】
なお、ポリオールとして用いたポリウレタンポリオール▲1▼は、武田薬品工業(株)製のタケラックXE−75−K−22(ポリカーボネート系、不揮発分50%、不揮発分100%のばあいのOH価46.6、ウレタン基濃度2.5ミリモル/g、重量平均分子量13000のワニス)、ポリウレタンポリオール▲2▼は、武田薬品工業(株)製のタケラックXE−75−K−12(ポリエーテル系、不揮発分50%、不揮発分100%のばあいのOH価59.9、ウレタン基濃度3.2ミリモル/g、重量平均分子量24000のワニス、アクリルポリオール▲3▼は、大日本インキ化学工業(株)製のアクリディックA−819(不揮発分55%、不揮発分100%のばあいのOH価54.5のワニス)、ポリエステルポリオール▲4▼は、日本ポリウレタン工業(株)製のニッポラン192(不揮発分80%、不揮発分100%のばあいのOH価138のワニス)、ポリエーテルポリオール▲5▼は、旭電化工業(株)製のP−1000(不揮発分100%、OH価110)、ポリカーボネートジオール▲6▼は、日本ポリウレタン工業(株)製のニッポラン982N(不揮発分100%、OH価56)である。
【0036】
また、シリコーン系助剤は、ダウコーニングアジア(株)製のペインタットMである。
【0037】
さらに、希釈シンナーは、キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを実施例、比較例の樹脂に合わせて混合した希釈用シンナーである。
【0038】
そして、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体は、イソシアヌレート結合ヘキサメチレンジイソシアネートの武田薬品工業(株)製のタケネートD−170N(NCO含有率21%、不揮発分100%)である。
【0039】
【表1】
【0040】
アイオノマー樹脂カバーのツーピースゴルフボールに、(株)トウペ製のGBプライマーY(下塗塗料白)を膜厚が5〜10μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥させたもののうえに、(株)トウペ製のGBホワイトY(中塗塗料白)を膜厚が10〜15μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥させたのち、先に製造したゴルフボール用塗料を膜厚が18〜23μmとなるように塗装した。そののち、50℃で24時間乾燥後、室温で2週間放置してゴルフボールをえた。
【0041】
えられたゴルフボールを使用して下記方法により、表面耐久性、耐擦傷性、耐紫外線性、乾燥後のゴルフボールの粘着性を評価した。結果を表2に示す。
【0042】
また、えられた塗料の粘度変化を下記方法により測定した。結果を表2に示す。
【0043】
(表面耐久性)
(株)ミヤマエ製のスウィングロボットマシーンに7番アイアンを取りつけて、秒速35mのヘッドスピードでゴルフボールを35回打撃したのち、ゴルフボールの表面状態を目視観察し、下記基準で評価した。
【0044】
○:ゴルフボール表面とクラブフェース面との摩擦衝突によって発生するフェースマーク(表面傷)が少なく、表面状態が良好
△:フェースマーク(表面傷)がやや多く、表面状態が良好なばあいよりもやや劣る
×:フェースマーク(表面傷)が多く、表面状態が不良。
【0045】
(耐擦傷性)
磁製4リットルポットに金剛砂1.8kgとゴルフボール10個を入れ、ボールミル架台に載せて150分間回転させたのち、ゴルフボールをスポンジを用いて軽く水洗し、ウエスで水分を拭き取ったのち、塗膜の状態を目視観察し、下記基準で評価した。
【0046】
○:ゴルフボール10個とも傷が少なく、表面状態が良好
△:傷がやや多く、表面状態が良好なばあいよりもやや劣る
×:傷が多く、表面状態が不良。
【0047】
(耐紫外線性)
ゴルフボールの半分をアルミ箔で覆い、光源とアルミ箔で覆われていないゴルフボールの半球部分の中心とが垂直になるように殺菌灯から30cmの位置にセットし、24時間照射後、日本電色工業(株)製の分光式色差計SZ−Σ80型を用いて、照射部と未照射部の色相を測定し、下記基準で評価した。
【0048】
○:照射部と未照射部との色差(ΔE)が1以下
△:照射部と未照射部との色差(ΔE)が1より大きく3以下
×:照射部と未照射部との色差(ΔE)が3より大きい。
【0049】
(乾燥後のゴルフボールの粘着性)
塗装したゴルフボールの表面粘着性を指の触感比較し、下記基準で評価した。
【0050】
○:粘着性がほとんどない
△:粘着性がややある
×:粘着性が大きい。
【0051】
(塗料の粘度変化)
製造した塗料の粘度を20℃で、製造後ただちに、および5時間経過後の2回、岩田カップを用いて測定し、塗料の粘度変化を測定した。
【0052】
【表2】
【0053】
実施例7〜14および比較例6〜9
表3に示す実施例2および3で用いた主剤(A)と硬化剤(B)を、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が0.5/1.0〜2.5/1.0(実施例7〜14のばあい0.7/1.0〜2.0/1.0)になるように、表3に示す割合で配合してゴルフボール用上塗クリアー塗料を製造した。
【0054】
【表3】
【0055】
実施例1で用いたものと同じアイオノマーカバーのツーピースゴルフボールに、(株)トウペ製のGBプライマーY(下塗塗料白)を膜厚が5〜10μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥させたもののうえに、(株)トウペ製のGBホワイトY(中塗塗料白)を膜厚が10〜15μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥させたのち、先に製造したゴルフボール用塗料を膜厚が18〜23μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥後、室温で2週間放置してゴルフボールをえた。
【0056】
えられたゴルフボールを使用して、耐擦傷性、乾燥後のゴルフボールの粘着性を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】
本発明のゴルフボールは、良好な塗装作業性で製造することができ、かつ、ゴルフボールに必要な耐擦傷性、耐紫外線性に優れ、さらに表面耐久性にも優れ、アイアンクラブでの打撃時のゴルフボール表面とクラブフェース面との摩擦衝突によって発生するフェースマーク(表面傷)を低減したゴルフボールで、品質が大きく向上したものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐擦傷性、耐紫外線性に優れ、さらに表面耐久性にも優れ、アイアンクラブでの打撃時のフェースマーク(表面傷)を低減させた塗装作業性の良好なゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
ゴルフボールには、アイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂やバラタゴムをカバーに用いた糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールなどがあることが知られているが、いずれのばあいでも、その表面にはゴルフボール用塗料が複数層塗装されており、通常、最下層には下塗塗料白、ついで中塗塗料白、そして最外層には上塗クリアー塗料の塗膜が形成されているのが一般的である。
【0003】
この最外層を形成する塗膜の役割は、ボールに光沢を付与して美観を改善し、カバー材を保護することにある。かかる最外層用のゴルフボール用塗料に要求される特性としては、打撃時に加わる外力によるゴルフボールの変形に伴う伸縮に追随する塗膜の柔軟性、クラブヘッドによるインパクトに耐えうる耐衝撃性、使用環境におけるボールの接触物との摩擦に耐えうる耐擦傷性、屋外の使用に耐えうる耐候性などがあげられる。
【0004】
また、塗装作業性として、2液型ウレタン塗料を塗装液状態とし、塗装可能な状態にした段階で一般に5時間程度の塗装可能な時間(いわゆるポットライフ)があること、およびゴルフボールに塗装したのち、ゴミ、ホコリなどが付着しなくなるまでの時間を極力短い時間にすること、が要求されている。
【0005】
従来より、このような要求をある程度満たす塗料として、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとからなる2液型ポリウレタン樹脂塗料、アクリルポリオールとポリイソシアネートとからなる2液型ポリウレタン樹脂塗料、ポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとからなる2液型ポリウレタン樹脂塗料が使用されてきているが、前記要求性能を全て満たす塗料は今だ知られていない。
【0006】
ポリオールとして、ポリエステルポリオールを使用した2液型ポリウレタン樹脂塗料は、塗膜強度に優れているが、硬度が高く、耐衝撃性がわるく、また耐候性がわるい。そこで、水酸基価の小さいポリエステルポリオールを使用するか、またはポリイソシアネートの配合量を少なくし、架橋密度を低下させることにより塗膜を柔軟化する方法も考えられている。これらの方法でもある程度塗膜の柔軟性は改善されるが、耐擦傷性が低下したり、乾燥速度が遅くなるなど別の問題が生じる。また、耐候性を向上させることが困難になるという問題も生じる。
【0007】
また、イソシアヌレート環を有する多価アルコールを含む多価アルコール成分と多価カルボン酸との反応によりえられる水酸基含有ポリエステルおよび無黄変型ジイソシアネートを含有する2液型ポリウレタン塗料(特公平6−93930号公報)をゴルフボール用塗料に使用する方法が提案されている。このばあい、耐擦傷性、耐衝撃性といった表面耐久性の良好な塗料がえられるが、耐候性がわるいという問題を有する。
【0008】
さらに、ポリオールとして、ポリエーテルポリオールを使用した2液型ポリウレタン樹脂塗料は、柔軟で耐候性のよい塗膜がえられ易いが、耐擦傷性などが劣る。そこで、ポリエーテルポリオールの分子鎖中に、芳香族基などの剛直な基を導入したり、架橋密度をあげるための活性水素化合物を併用したりする方法も考えられている。これらの方法により耐擦傷性の向上をはかることができるが、塗膜の伸縮性が低下するため、インパクト時におけるゴルフボールの変形に伴う伸縮に追随し難くなり、耐衝撃性がわるくなるなどの問題が生じる。
【0009】
ポリオールとしてアクリルポリオールを使用した2液型ポリウレタン樹脂塗料のばあい、耐候性がよく、塗膜強度に優れているが、硬度が高く、耐衝撃性がわるい。そこでTgを下げ、水酸基価の小さいアクリルポリオールを使用するか、ポリイソシアネートの配合量を少なくし、架橋密度を低下させることにより塗膜を柔軟にする方法や、これらの方法を併用する方法なども考えられているが、いずれの方法でもある程度塗膜の柔軟性は改善されるが、耐擦傷性が低下するという問題が生じる。
【0010】
このような従来のゴルフボール用塗料の問題を解決する塗料として、ポリカーボネートジオールをポリオールとする2液型ポリウレタン樹脂塗料をゴルフボール用塗料に使用することが提案されており(特開平1−141677号公報)、このばあい、耐候性がよく、塗膜強度に優れ、耐擦傷性、耐衝撃性を兼ね備えているなど、従来の塗料よりも良好な特性を示す塗料がえられている。しかしながら、ゴミ、ホコリなどが付着しなくなるまでに時間がかかるという問題は依然として有している。また、この問題を解決するために、ジブチルスズジラウレートなどの硬化触媒を用いてゴミ、ホコリなどが付着しなくなるまでの時間を短くしようとすると、ポットライフが短くなるという問題が生ずる。
【0011】
すなわち、従来のゴルフボール用塗料で塗膜を形成したゴルフボールは、ゴルフボールに要求される耐衝撃性、耐擦傷性、耐候性などの性能の全てを満たすものではない、またはゴルフボール用塗料の塗装作業性に問題を有しており、塗装作業性に問題がなく、ゴルフボールに要求される性能を全て満たすゴルフボールの開発が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記のごとき実状に鑑みなされたものであり、
ゴルフボールの最外層として
(A)ジイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールからなる水酸基含有化合物とからなる、不揮発分100%のばあいの水酸基価30〜80mgKOH/g、ウレタン基濃度2〜3.5ミリモル/gおよび重量平均分子量10000〜50000の主鎖にウレタン結合を有し、末端が水酸基であるポリウレタンポリオールを含有するポリオール(主剤)ならびに
(B)非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤)
を、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が0.7/1.0〜2.0/1.0になるように配合したポリウレタン系上塗クリアー塗料から形成された塗膜を有することを特徴とするゴルフボール(請求項1)、
前記ポリウレタンポリオールをポリオール全体の30%(重量%、以下同様)以上含有する請求項1記載のゴルフボール(請求項2)、および
非黄変性ポリイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびその誘導体のうちの1種以上である請求項1記載のゴルフボール(請求項3)
に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のゴルフボールは、基体ゴルフボール(最外層を除いたゴルフボール)に、最外層として、ジイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールからなる水酸基含有化合物(以下、単に水酸基含有化合物ともいう)とからなる、不揮発分100%のばあいの水酸基価30〜80mgKOH/g、ウレタン基濃度2〜3.5ミリモル/gおよび重量平均分子量10000〜50000の主鎖にウレタン結合を有し、末端が水酸基であるポリウレタンポリオールを含有するポリオール(主剤(A))と、非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤(B))とが、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が0.7/1.0〜2.0/1.0になるように配合したポリウレタン系上塗クリアー塗料からの塗膜を形成したゴルフボールである。
【0014】
前記最外層が前記ポリウレタン系上塗クリアー塗料から形成されているため、本発明のゴルフボールは、ゴルフボールの塗膜に要求される柔軟性、耐衝撃性、耐擦傷性、耐紫外線性などの耐候性に優れ、高い表面耐久性を有するため、アイアンクラブでの打撃時のゴルフボール表面とクラブフェース面の摩擦衝突により発生するフェースマーク(表面傷)を低減させることができるなどする。また、塗装作業性よく製造することができる。
【0015】
前記基体ゴルフボールにはとくに限定はなく、最外層を設ける前の基体ゴルフボールであるかぎり使用しうる。前記基体ゴルフボールの具体例としては、アイオノマー樹脂などの熱可塑性樹脂やバラタゴムをカバーに用いた糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールなどに、下塗塗料白および中塗塗料白を塗装したものなどがあげられる。前記基体ゴルフボールのうちでも、下塗塗料白および中塗塗料白としては、ある程度の伸び、弾性、塑性を有するものが好ましい。さらに、下塗塗料白としては、基材ゴルフボール(塗装前のゴルフボール)および中塗塗料白との層間密着性が良好なものが好ましく、中塗塗料白としては、前記ポリウレタン系上塗クリアー塗料との層間密着性が良好なものが好ましい。また、下塗塗料白、中塗塗料白、前記ポリウレタン系上塗クリアー塗料の順に塗膜の伸び率が大きくなる方が、クラブでの打撃時に加わる外力によるゴルフボールの変形に伴なう伸縮に追随し易く、耐衝撃性が良好になる点から好ましい。
【0016】
本発明においては、前記基体ゴルフボールのうえに最外層として前述のポリウレタン系上塗クリアー塗料からの塗膜が形成される。
【0017】
前記最外層の塗膜の厚さとしては、一般的なトップコートの厚さである15〜25μmであればよく、さらには20〜25μmであるのが好ましい。最外層の塗膜の厚さが薄すぎるばあいには、塗膜の破断強度が低下するとともに、衝撃吸収性能が低下して、表面耐久性(フェースマーク(表面傷)の低減)、耐擦傷性などの性能が充分えられなくなるばあいが生じ、逆に厚すぎるばあいには、塗膜の乾燥性が低下したり、ゴルフボールのディンプルが埋まる傾向が生じてゴルフボールの基本性能が低下するなどの問題が生じやすくなる。
【0018】
前記最外層を形成するポリウレタン系上塗クリアー塗料の主剤(A)としては、前述のごとく、ジイソシアネート化合物と水酸基含有化合物とからなる特定のポリウレタンポリオールを必須成分とするポリオールが使用される。
【0019】
前記特定のポリウレタンポリオールを製造するのに使用されるジイソシアネート化合物としては、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂肪族、脂環族、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物があげられ、これらを使用するばあい、耐候性の点から好ましい。
【0020】
また、前記特定のポリウレタンポリオールを製造するのに使用される水酸基含有化合物としては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの低分子量のジオールやトリオールなど、ポリエーテルポリオール(ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールおよび前記オキシアルキレンの共重合体など)、ポリエステルポリオール(ジカルボン酸とグリコールとの重縮合物およびε−カプロラクトンの開環重合物など)、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール(ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリオール)、エポキシポリオールなどのマクロポリオールがあげられる。これらのうちでは、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールが耐候性、耐加水分解性、可撓性の点から好ましい。なお、マクロポリオールの分子量としては、500〜5000、さらに1000〜2000のものが好ましい。
【0021】
前記ジイソシアネート化合物と水酸基含有化合物とからなる特定のポリウレタンポリオールは、主鎖にウレタン結合を有し、末端に水酸基を有するポリウレタンポリオールであって、不揮発分100%のばあいの水酸基価が30〜80mgKOH/g、さらには40〜65mgKOH/g、ウレタン基濃度が2〜3.5ミリモル/g、重量平均分子量が10000〜50000、好ましくは10000〜40000、さらには11000〜27000のポリウレタンポリオールである。
【0022】
前記ポリウレタンポリオールの不揮発分100%のばあいの水酸基価が30mgKOH/g未満になると、生成塗膜の分子量はあがり易いが、水酸基価が低いために塗膜硬度が低くなり、耐擦傷性が低下したり塗膜の破断強度が低下する。一方、水酸基価が80mgKOH/gをこえると、生成塗膜の分子量があがり難くなり硬化も遅くなり、また、架橋密度が高くなるため、生成する塗膜の破断伸びが低下し、耐衝撃性が低下する。また、ウレタン基濃度が2ミリモル/g未満になると、ウレタン特有の可撓性や耐摩擦性などの特性がえられ難くなり、3.5ミリモル/gをこえると、粘度が上昇するため、加えるシンナー量が多くなり、通常の塗装方法(エアースプレー、静電スプレー)での塗装液固形分が低下し、必要膜厚を付け難くなるなどする。さらに、重量平均分子量が10000を下回ると、乾燥性が低下したり、生成する塗膜が充分な強度を発現しなくなったりし、また、50000をこえると、粘度が上昇するため、実用的な塗装性がえられなくなる。
【0023】
主剤(A)には、前記特定のポリウレタンポリオール以外の成分が含まれていてもよい。このような成分の具体例としては、たとえば相溶性の良好な市販のアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどがあげられる。耐候性の点からアクリルポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましく、さらに表面乾燥性の点から、アクリルポリオールが好ましい。
【0024】
特定のポリウレタンポリオールを前記他の成分と併用するばあいの使用割合としては、特定のポリウレタンポリオールを使用することによる効果である耐衝撃性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性、塗装作業性などを維持するために、特定のポリウレタンポリオールをポリオール全体の30%以上、さらには50%以上含有させるのが好ましい。
【0025】
本発明のゴルフボールの最外層を形成する上塗クリアー塗料に使用される非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤(B))としては、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)などや、前記化合物をプレポリマー化した誘導体などがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。前記プレポリマー化した誘導体の具体例としては、トリメチロールプロパン(TMP)変性ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアヌレート結合ヘキサメチレンジイソシアネート、ビューレット結合ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン(TMP)変性イソホロンジイソシアネート、イソシアヌレート結合イソホロンジイソシアネートなどがあげられる。
【0026】
前記硬化剤(B)と主剤(A)との使用割合としては、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基が当量比で0.7/1.0〜2.0/1.0、さらには0.9/1.0〜1.7/1.0、とくには1.0/1.0〜1.7/1.0であるのが、塗膜の乾燥性、破断伸び、塑性、弾性の点から好ましい。
【0027】
本発明のゴルフボールの最外層を形成する上塗クリアー塗料には、要すればシリコーン系スリップ剤、レベリング剤、粘度調整剤、蛍光増白剤、ブロッキング防止剤、硬化触媒などの一般にゴルフボール用塗料に添加されている成分を一般に添加される量添加して使用してもよい。
【0028】
前記のごとき主剤(A)および硬化剤(B)からなるポリウレタン系上塗クリアー塗料を基体ゴルフボールの表面に塗装し、最外層塗膜を形成することによって、本発明のゴルフボールが製造される。
【0029】
基体ゴルフボールの表面に前記ポリウレタン系上塗クリアー塗料を塗装する方法には、とくに限定はなく、従来から行なわれている方法にしたがって行なえばよい。具体的な塗装方法としては、たとえばエアースプレー塗装、静電スプレー塗装、ディッピング塗装などの方法があげられる。
【0030】
このようにして製造された本発明のゴルフボールは、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールなどの水酸基含有化合物をジイソシアネート化合物を用いてポリウレタンポリオール化したものをポリオール成分として使用するために主鎖に多くのウレタン結合が導入されたポリウレタン系上塗クリアー塗料からの最外層塗膜が形成されており、この結果、ゴルフボール表面に必要な特性である柔軟性、弾性、強度、耐久性、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性を有する。また、このゴルフボールを製造する際の塗装作業性がよい。
【0031】
本発明の好ましい実施の態様としては、前記特定のポリウレタンポリオール30〜100部およびアクリルポリオール、ポリカーボネートジオールなどのポリオール70〜0部の合計100部に対して硬化触媒0〜0.5部およびシリコーン系助剤0〜2.0部からなるポリオール(主剤(A))ならびに非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤(B))を、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が1.0/1.0〜1.7/1.0になるように配合したポリウレタン系上塗クリアー塗料の塗膜で最外層を形成した糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールがあげられる。
【0032】
また、前記主剤(A)に、さらに蛍光増白剤を0〜1.0部添加して使用してもよい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明のゴルフボールを実施例により、さらに詳細に説明する。
【0034】
実施例1〜6および比較例1〜5
表1に示すポリオール、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体、硬化触媒であるジブチルスズジラウレートおよびその他の成分を表1に示す割合で配合してゴルフボール用上塗クリアー塗料を製造した。
【0035】
なお、ポリオールとして用いたポリウレタンポリオール▲1▼は、武田薬品工業(株)製のタケラックXE−75−K−22(ポリカーボネート系、不揮発分50%、不揮発分100%のばあいのOH価46.6、ウレタン基濃度2.5ミリモル/g、重量平均分子量13000のワニス)、ポリウレタンポリオール▲2▼は、武田薬品工業(株)製のタケラックXE−75−K−12(ポリエーテル系、不揮発分50%、不揮発分100%のばあいのOH価59.9、ウレタン基濃度3.2ミリモル/g、重量平均分子量24000のワニス、アクリルポリオール▲3▼は、大日本インキ化学工業(株)製のアクリディックA−819(不揮発分55%、不揮発分100%のばあいのOH価54.5のワニス)、ポリエステルポリオール▲4▼は、日本ポリウレタン工業(株)製のニッポラン192(不揮発分80%、不揮発分100%のばあいのOH価138のワニス)、ポリエーテルポリオール▲5▼は、旭電化工業(株)製のP−1000(不揮発分100%、OH価110)、ポリカーボネートジオール▲6▼は、日本ポリウレタン工業(株)製のニッポラン982N(不揮発分100%、OH価56)である。
【0036】
また、シリコーン系助剤は、ダウコーニングアジア(株)製のペインタットMである。
【0037】
さらに、希釈シンナーは、キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを実施例、比較例の樹脂に合わせて混合した希釈用シンナーである。
【0038】
そして、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体は、イソシアヌレート結合ヘキサメチレンジイソシアネートの武田薬品工業(株)製のタケネートD−170N(NCO含有率21%、不揮発分100%)である。
【0039】
【表1】
【0040】
アイオノマー樹脂カバーのツーピースゴルフボールに、(株)トウペ製のGBプライマーY(下塗塗料白)を膜厚が5〜10μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥させたもののうえに、(株)トウペ製のGBホワイトY(中塗塗料白)を膜厚が10〜15μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥させたのち、先に製造したゴルフボール用塗料を膜厚が18〜23μmとなるように塗装した。そののち、50℃で24時間乾燥後、室温で2週間放置してゴルフボールをえた。
【0041】
えられたゴルフボールを使用して下記方法により、表面耐久性、耐擦傷性、耐紫外線性、乾燥後のゴルフボールの粘着性を評価した。結果を表2に示す。
【0042】
また、えられた塗料の粘度変化を下記方法により測定した。結果を表2に示す。
【0043】
(表面耐久性)
(株)ミヤマエ製のスウィングロボットマシーンに7番アイアンを取りつけて、秒速35mのヘッドスピードでゴルフボールを35回打撃したのち、ゴルフボールの表面状態を目視観察し、下記基準で評価した。
【0044】
○:ゴルフボール表面とクラブフェース面との摩擦衝突によって発生するフェースマーク(表面傷)が少なく、表面状態が良好
△:フェースマーク(表面傷)がやや多く、表面状態が良好なばあいよりもやや劣る
×:フェースマーク(表面傷)が多く、表面状態が不良。
【0045】
(耐擦傷性)
磁製4リットルポットに金剛砂1.8kgとゴルフボール10個を入れ、ボールミル架台に載せて150分間回転させたのち、ゴルフボールをスポンジを用いて軽く水洗し、ウエスで水分を拭き取ったのち、塗膜の状態を目視観察し、下記基準で評価した。
【0046】
○:ゴルフボール10個とも傷が少なく、表面状態が良好
△:傷がやや多く、表面状態が良好なばあいよりもやや劣る
×:傷が多く、表面状態が不良。
【0047】
(耐紫外線性)
ゴルフボールの半分をアルミ箔で覆い、光源とアルミ箔で覆われていないゴルフボールの半球部分の中心とが垂直になるように殺菌灯から30cmの位置にセットし、24時間照射後、日本電色工業(株)製の分光式色差計SZ−Σ80型を用いて、照射部と未照射部の色相を測定し、下記基準で評価した。
【0048】
○:照射部と未照射部との色差(ΔE)が1以下
△:照射部と未照射部との色差(ΔE)が1より大きく3以下
×:照射部と未照射部との色差(ΔE)が3より大きい。
【0049】
(乾燥後のゴルフボールの粘着性)
塗装したゴルフボールの表面粘着性を指の触感比較し、下記基準で評価した。
【0050】
○:粘着性がほとんどない
△:粘着性がややある
×:粘着性が大きい。
【0051】
(塗料の粘度変化)
製造した塗料の粘度を20℃で、製造後ただちに、および5時間経過後の2回、岩田カップを用いて測定し、塗料の粘度変化を測定した。
【0052】
【表2】
【0053】
実施例7〜14および比較例6〜9
表3に示す実施例2および3で用いた主剤(A)と硬化剤(B)を、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が0.5/1.0〜2.5/1.0(実施例7〜14のばあい0.7/1.0〜2.0/1.0)になるように、表3に示す割合で配合してゴルフボール用上塗クリアー塗料を製造した。
【0054】
【表3】
【0055】
実施例1で用いたものと同じアイオノマーカバーのツーピースゴルフボールに、(株)トウペ製のGBプライマーY(下塗塗料白)を膜厚が5〜10μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥させたもののうえに、(株)トウペ製のGBホワイトY(中塗塗料白)を膜厚が10〜15μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥させたのち、先に製造したゴルフボール用塗料を膜厚が18〜23μmとなるように塗装し、50℃で24時間乾燥後、室温で2週間放置してゴルフボールをえた。
【0056】
えられたゴルフボールを使用して、耐擦傷性、乾燥後のゴルフボールの粘着性を実施例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】
本発明のゴルフボールは、良好な塗装作業性で製造することができ、かつ、ゴルフボールに必要な耐擦傷性、耐紫外線性に優れ、さらに表面耐久性にも優れ、アイアンクラブでの打撃時のゴルフボール表面とクラブフェース面との摩擦衝突によって発生するフェースマーク(表面傷)を低減したゴルフボールで、品質が大きく向上したものである。
Claims (3)
- ゴルフボールの最外層として
(A)ジイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールからなる水酸基含有化合物とからなる、不揮発分100%のばあいの水酸基価30〜80mgKOH/g、ウレタン基濃度2〜3.5ミリモル/gおよび重量平均分子量10000〜50000の主鎖にウレタン結合を有し、末端が水酸基であるポリウレタンポリオールを含有するポリオール(主剤)ならびに
(B)非黄変性ポリイソシアネート(硬化剤)
を、硬化剤(B)のイソシアネート基/主剤(A)の水酸基の当量比(NCO/OH)が0.7/1.0〜2.0/1.0になるように配合したポリウレタン系上塗クリアー塗料から形成された塗膜を有することを特徴とするゴルフボール。 - 前記ポリウレタンポリオールをポリオール全体の30重量%以上含有する請求項1記載のゴルフボール。
- 非黄変性ポリイソシアネートが、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびその誘導体のうちの1種以上である請求項1記載のゴルフボール。
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