JP5888911B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールの塗装技術に関するものである。
ゴルフボール本体表面には、通常、塗膜が設けられている。ゴルフボールの塗膜は、ゴルフボール本体が、太陽光線や風雨にさらされて劣化するのを保護するとともに、ゴルフボール本体に光沢を付与して外観を向上するために設けられている。ゴルフボールは繰返し打撃されて使用されることから、ゴルフボールの塗膜には、衝撃に対する密着性が要求される。特に、ゴルフボールを打撃する際には、ゴルフボール本体が変形するので、ゴルフボール本体を被覆する塗膜がこのような変形に追随できない場合には、塗膜が剥離する傾向がある。また、打撃時におけるクラブとの摩擦や、着地時におけるバンカーやラフなどとの摩擦を受けて、塗膜が剥離する場合がある。ゴルフボールの塗膜を形成するものとして、ポリウレタン塗料が提案されている。
例えば、特許文献1は、水性ポリオール組成物(A)と水性ポリイソシアネート(B)とからなる二液硬化型ウレタン系水性塗料であって、前記水性ポリオール組成物(A)が、水性アクリルポリオール(a−1)、水性ウレタンポリオール(a−2)および水性ウレタン樹脂(a−3)を含有し、前記水性ポリオール組成物(A)中の水性ウレタン樹脂(a−3)の含有率が20質量%〜80質量%であり、前記水性ポリオール組成物(A)が有する水酸基(OH基)と前記水性ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50である二液硬化型ウレタン系水性塗料を、表面温度が30℃〜80℃のゴルフボール本体に塗布することを特徴とする塗装ゴルフボールの製造方法を開示している。
特許文献2には、水性ポリオール組成物(A)と水性ポリイソシアネート(B)とからなる二液硬化型ウレタン系水性塗料であって、前記水性ポリオール組成物(A)が、水性アクリルポリオール(a−1)、水性ウレタンポリオール(a−2)および水性ウレタン樹脂(a−3)を含有し、前記水性ポリオール組成物(A)中の水性ウレタン樹脂(a−3)の含有率が20質量%〜80質量%であり、前記水性ポリオール組成物(A)が有する水酸基(OH基)と前記水性ポリイソシアネート(B)が有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50であり、塗料中の不揮発分量が、15質量%〜60質量%である二液硬化型ウレタン系水性塗料を、ゴルフボール本体に、1回の塗料塗着量(乾燥後の質量)が5mg以上80mg未満となるように、複数回重ね塗り、所望の厚みとなるように塗膜を形成することを特徴とする塗装ゴルフボールの製造方法が開示されている。
特許文献3には、水性ポリオール組成物(A)と水性ポリイソシアネート(B)とからなる二液硬化型ウレタン系ゴルフボール用水性塗料であって、ゴルフボール本体の最外層を構成する樹脂成分に対する接触角が45°以下であり、塗膜物性が、20°入射角における反射率が70%以上であることを特徴とする二液硬化型ウレタン系ゴルフボール用水性塗料が開示されている。
特許文献4には、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを含有するゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料であって、(A)前記水性ポリオール組成物が、(a−1)水性アクリルポリオール、(a−2)水性ウレタンポリオール、および、(a−3)水性ポリウレタン樹脂を含有し、(A)前記水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH基)と(B)前記水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.25〜2.50であり、前記水性塗料中の沸点が150℃以上の高沸点溶剤の含有率が0質量%超、10質量%以下であることを特徴とするゴルフボール用硬化型ポリウレタン水性塗料が開示されている。
特許文献5には、アイオノマー樹脂から成るカバーを有するゴルフボール本体上にペイント層を施した塗装ゴルフボールにおいて、このペイント層がカバーと直接接するプライマー層とそれ以外の層から成り、該プライマー層が、ポリオール樹脂を成分とする基剤と脂肪族または脂環族ポリイソシアネートを成分とする硬化剤を含有し、ポリオール樹脂とポリイソシアネートを、ポリオールのヒドロキシル基の量がポリイソシアネートのイソシアネート基の量に対してモル比で過剰となるような比率で配合される2液硬化型ウレタンペイントから形成されることを特徴とする塗装ゴルフボールが開示されている。
特許文献6は、(A)水酸基価が30〜180mgKOH/g(固形分)であるポリエステル及び/又はポリエーテル含有アクリルポリオール、及び(B)ポリイソシアネートを含むゴルフボール用塗料組成物であって、(A)成分がアクリル系重合体からなる主鎖とポリエステル及び/又はポリエーテルからなる側鎖とから構成されており、(B)成分のイソシアネート基と(A)成分の水酸基のモル比が[NCO]/[OH]=0.5〜1.5である、ゴルフボール用塗料組成物を開示している。
特許文献7は、ゴルフボール本体表面上に塗膜が設けられているゴルフボールであって、前記塗膜の膜厚は、6μm〜13μmであり、前記塗膜の基材樹脂は、水性ポリオールとポリイソシアネートとを硬化させてなり、前記水性ポリオールの水酸基価は、50以上100mgKOH/g未満であって、かつ、その重量平均分子量が4000〜20000であることを特徴とするゴルフボールを開示している。
特開2010−131254号公報 特開2010−162336号公報 特開2010−155927号公報 特開2011−92578号公報 特開平8−182775号公報 特開2003−253201号公報 特開2004−187829号公報
上述のように、ゴルフボール本体表面に水性塗料を塗布することが提案されている。しかし、従来の水性塗料を塗布したゴルフボールをラウンドで使用すると、汚れが付着しやすいという問題があった。特に、芝生の緑色や、土汚れが染み込む傾向があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水性塗料から形成され、ゴルフボール本体表面への密着性と耐汚染性に優れた塗膜を有するゴルフボールを提供することを目的とする。
また、水性塗料は、溶媒の主成分が水であり、塗装時に溶媒が揮発しにくい。そのため、ゴルフボール本体表面に塗布された水性塗料は、垂れを生じやすい。このような場合、ゴルフボール本体表面は、ディンプルが設けられた特殊な形状を有しているので、塗膜の膜厚が不均一になり、表面光沢が不十分になるなどの問題が起こる。膜厚を均一にするために、チクソ剤、レベリング剤などを水性塗料に添加すると、乾燥時間が長くなり生産性に問題が生じる。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ゴルフボール本体に表面光沢を付与し、均一な膜厚の塗膜を形成するゴルフボールの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決した本発明のゴルフボールは、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体に形成された塗膜とを有するゴルフボールであって、前記塗膜は、引張強度が5MPa〜45MPaであって、(A)(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの水性ポリウレタン樹脂とを含有する水性ポリオール組成物と、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有する水性ポリイソシアネートとを含有する硬化型ポリウレタン水性塗料から形成されていることを特徴とする。
本発明のゴルフボールは、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネート組成物との組み合わせにおいて、(A)(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの比較的硬質な水性ポリウレタン樹脂を含有する水性ポリオール組成物と、硬化剤として比較的軟質な塗膜が形成され得る(B)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有する水性ポリイソシアネートとを用いるところに要旨がある。斯かる組合せから得られる塗膜は、ゴルフボール本体への密着性および耐汚染性に優れる。
本発明のゴルフボールの製造方法は、(A)(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの水性ポリウレタン樹脂とを含有する水性ポリオール組成物と、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有する水性ポリイソシアネートとを含有する硬化型ポリウレタン水性塗料をゴルフボール本体に複数回重ね塗りして、塗膜を形成することを特徴とする。
複数回重ね塗りをすることにより、塗料の垂れなどを防止して、均一な膜厚の塗膜を形成できる。特に、ゴルフボール本体表面に硬化型ポリウレタン水性塗料を塗装し、塗装されたゴルフボールに所定時間送風して、さらに硬化型ポリウレタン水性塗料を重ね塗りすることが好ましい。また、一回の塗装で形成される塗膜の厚みが5μm〜10μmになるように硬化型ポリウレタン水性塗料を重ね塗りすることが好ましい。
本発明のゴルフボールの塗膜は、ゴルフボール本体表面への密着性および耐汚染性に優れる。また、本発明のゴルフボールの製造方法によれば、ゴルフボール本体表面に、均一な膜厚を有する塗膜を形成し、表面光沢を付与することができる。
エアーガンを用いた塗装形態の一例を示す模式図である。 塗装ラインの一例を模式的に示す説明図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルの拡大断面図である。
本発明のゴルフボールは、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体に形成された塗膜とを有するゴルフボールであって、前記塗膜は、引張強度が5MPa〜45MPaであって、(A)(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの水性ポリウレタン樹脂とを含有する水性ポリオール組成物と、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有する水性ポリイソシアネートとを含有する硬化型ポリウレタン水性塗料から形成されていることを特徴とする。なお、本発明において、単に「水性」という場合には、「水溶性」と「水分散性」のいずれの場合も含まれる。また、硬化型ポリウレタン水性塗料は、(A)水性ポリオール組成物と、(B)水性ポリイソシアネートとが硬化反応して、ポリウレタンを生成することによって塗膜を形成する。
まず、本発明で使用する(A)水性ポリオール組成物について説明する。(A)前記水性ポリオール組成物は、(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの水性ポリウレタン樹脂とを含有する。尚、耐汚染性の観点から、本発明で使用する(A)水性ポリオール組成物は、水性ウレタンポリオールを含有しない方が好ましい。
本発明で使用する(a−1)水性アクリルポリオールは、分子内に複数のヒドロキシル基を有する水性アクリル樹脂または水性アクリルポリマーであり、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体および水酸基を有さない(メタ)アクリル系単量体を共重合して得られる。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有さない(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸などの(メタ)アクリル系不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシルなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどのその他(メタ)アクリル系単量体;などが挙げられる。これらの水酸基を有さない(メタ)アクリル系単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、本発明において(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを示す。
また、(a−1)水性アクリルポリオールは、本発明の効果を損なわない程度に、(メタ)アクリル系単量体以外の水酸基を有する他の単量体成分および/または水酸基を有さない他の単量体成分を含有してもよい。前記水酸基を有する他の単量体成分としては、例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、アリルアルコールなどの不飽和アルコールが挙げられる。前記水酸基を有さない他の単量体成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;マレイン酸、イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;などが挙げられる。これらの他の単量体成分は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(a−1)水性アクリルポリオールの水酸基価は、50mgKOH/g以上が好ましく、より好ましくは60mgKOH/g以上、さらに好ましくは70mgKOH/g以上であり、150mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは140mgKOH/g以下、さらに好ましくは130mgKOH/g以下である。(a−1)水性アクリルポリオールの水酸基価が上記範囲内であれば、塗膜の光沢をより向上させることができ、さらに、塗膜の硬度および耐水性を向上させることができる。なお、本発明において、水酸基価は、JIS K 1557−1に準じて、例えば、アセチル化法によって測定することができる。
(a−1)水性アクリルポリオールのガラス転移温度は,20℃以上が好ましく、より好ましくは22℃以上、さらに好ましくは25℃以上であり、60℃以下が好ましく、より好ましくは57℃以下、さらに好ましくは55℃以下である。(a−1)水性アクリルポリオールのガラス転移温度が上記範囲内であれば、水性塗料の製造が容易となり、さらに、塗膜の耐衝撃性を向上させることができる。
(a−1)水性アクリルポリオールの重量平均分子量は、3,000以上が好ましく、より好ましくは5,000以上、さらに好ましくは8,000以上であり、50,000以下が好ましく、より好ましくは45,000以下、さらに好ましくは40,000以下である。(a−1)水性アクリルポリオールの重量平均分子量が上記範囲内であれば、塗膜の耐水性および耐衝撃性を向上させることができる。なお、(a−1)水性アクリルポリオールの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により、標準物質としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフラン、カラムとして有機溶媒系GPC用カラム(例えば、昭和電工社製「Shodex(登録商標) KFシリーズ」など)を用いて測定すればよい。
また、(a−1)水性アクリルポリオールが一分子中に有する水酸基の個数の平均(平均水酸基数)は、5個以上であることが好ましく、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは20個以上であり、100個以下であることが好ましく、より好ましくは50個以下、さらに好ましくは40個以下である。(a−1)水性アクリルポリオールの平均水酸基数が5個以上であれば、(B)水性ポリイソシアネートとの反応性が高く、強靭な塗膜を形成できる。また、ゴルフボール本体表面への塗膜の密着性が良好になる。一方、平均水酸基数が、100個以下であれば、形成される塗膜の耐水性が良好となる。なお、(a−1)水性アクリルポリオールの平均水酸基数は、上記水酸基価および重量平均分子量から計算により求めることができる。
(a−1)水性アクリルポリオールは、水に溶解もしくは分散させた水性液として使用することが好ましい。(a−1)水性アクリルポリオールを水に溶解もしくは分散させる方法としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸などのカルボキシル基を有する単量体を共重合して、カルボキシル基を塩基で中和する方法;水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体を乳化剤の存在下で乳化重合する方法などが挙げられる。
(a−1)水性アクリルポリオールを水に溶解または分散させた水性液として使用する場合、当該水性液中の(a−1)水性アクリルポリオール成分の含有量(不揮発分)は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、70質量%以下が好ましく、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。水性液中の(a−1)水性アクリルポリオール成分の含有量が上記範囲内であれば、(a−2)水性ポリウレタン樹脂などと混合しやすく、(A)水性ポリオール組成物の調製が容易となる。なお、不揮発分の測定方法については後述する。
(a−1)水性アクリルポリオールの具体例としては、例えば、和薬ペイント社製「WA−98(水酸基価:110mgKOH/g〜120mgKOH/g、Tg=15〜20℃)」、DIC社製「WE−306(水酸基価:100mgKOH/g、Tg=50℃)」、住化バイエルウレタン社製の「バイヒドロール(Bayhydrol)(登録商標) VPLS2058」、「バイヒドロール VPLS2235」が挙げられる。
次に、(A)水性ポリオール組成物に含有される(a−2)水性ポリウレタン樹脂について説明する。(a−2)水性ポリウレタン樹脂とは、分子内にウレタン結合を複数有する水性樹脂であれば、特に限定されず、例えば、ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とを反応させることによって、ウレタン結合が分子内に形成された生成物であり、必要に応じて、さらに低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンなどの鎖長延長剤により鎖長延長反応させることにより得られるものである。
(a−2)水性ポリウレタン樹脂を構成し得るポリイソシアネート成分としては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)などの芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)などの脂環式ポリイソシアネートが挙げられる。これらのポリイソシアネートは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a−2)水性ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分としては、分子量が500未満の低分子量ポリオール、あるいは、数平均分子量が500以上の高分子量ポリオールを挙げることができる。前記低分子量ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。前記高分子量ポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)などのポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)などのラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;およびアクリルポリオールなどが挙げられる。
必要に応じてポリウレタン樹脂を構成し得る低分子量ポリアミン成分は、少なくとも2以上のアミノ基を有するものであれば特に限定されない。前記ポリアミン成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン;トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン;ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、イソホロンジアミンなどの脂環式ポリアミン;ヒドラジン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジン類などを挙げることができる。また、前記低分子量ポリアミン若しくは低分子量ポリオール成分として、ジエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミンを使用することもできる。
(a−2)水性ポリウレタン樹脂の構成態様としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分とによって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリオール成分とによって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリオール成分と低分子量ポリアミン成分とによって構成されている態様;ポリイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分と低分子量ポリアミン成分とによって構成されている態様などを挙げることができる。
(a−2)水性ポリウレタン樹脂の引張強度は、5MPa以上が好ましく、より好ましくは10MPa以上、さらに好ましくは15MPa以上であり、45MPa以下が好ましく、より好ましくは43MPa以下、さらに好ましくは40MPa以下である。(a−2)水性ポリウレタン樹脂の引張強度が上記範囲内であれば、耐汚染性に優れ、かつ、密着性能に優れる塗膜を形成できるからである。なお、(a−2)水性ポリウレタン樹脂の引張強度は、例えば、島津製作所製のオートグラフにより測定することができる。
なお、本発明において、(a−2)水性ポリウレタン樹脂の引張強度とは、(a−2)水性ポリウレタン樹脂より得られるフィルムの物性値であり、測定方法については後述する。
(a−2)水性ポリウレタン樹脂は、水に溶解もしくは分散させた水性液として使用することが好ましい。例えば、(a−2)水性ポリウレタン樹脂を水に溶解または分散させた水性液の態様で使用する場合、当該水性液中の(a−2)水性ポリウレタン樹脂成分の含有量(不揮発分)は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは12質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、50質量%以下が好ましく、より好ましくは47質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。水性液中の(a−2)水性ポリウレタン樹脂成分の含有量が上記範囲内であれば、(a−1)水性アクリルポリオールなどと混合しやすく、(A)水性ポリオール組成物の調製が容易となる。なお、不揮発分の測定方法については後述する。
(a−2)水性ポリウレタン樹脂として、水分散液を使用する場合には、体積平均粒子径は50nm以上が好ましく、より好ましくは55nm以上、さらに好ましくは60nm以上であり、300nm以下が好ましく、より好ましくは250nm以下、さらに好ましくは200nm以下である。水分散液の体積平均粒子径が上記範囲内であれば、塗膜の光沢をより向上させることができる。なお、水分散液の体積平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
(a−2)水性ポリウレタン樹脂を、水に溶解もしくは分散させる方法としては、例えば、自己乳化法や強制乳化法などが挙げられる。
自己乳化法は、ポリウレタン樹脂の分子鎖中にイオン性基を導入して、乳化剤などを用いることなく、水中に溶解あるいは分散させる方法である。例えば、ポリウレタン樹脂の分子中にカルボキシル基を導入して、これを中和することにより、ポリウレタン樹脂を水中に溶解あるいは分散させることができる。なお、イオン性基とは、カルボキシル基やアミノ基などのイオン化され得る未中和の官能基、および、これらの官能基が無機金属化合物やアミン類などによって中和されることによりイオン化された官能基を意味する。
前記ポリウレタン樹脂の分子中にイオン性基を導入する方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、前記ポリオール成分の一部または全部としてイオン性基を有するポリオールを使用する態様、または前記鎖長延長剤成分の一部または全部としてイオン性基を有する鎖長延長剤を使用する態様、前記ポリオール成分の一部および前記鎖長延長剤成分の一部または全部にイオン性基を有するポリオールおよび鎖長延長剤を使用する態様が挙げられる。
前記イオン性基を有するポリオールとしては、例えば、カルボキシル基を有するポリエステルポリオールやスルホン酸基を有するポリエステルポリオールなどが挙げられる。前記イオン性基を有する鎖長延長剤としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジヒドロキシプロピオン酸、ジヒドロキシコハク酸などの親水性基を有する低分子ポリオールが挙げられる。
強制乳化法は、比較的低分子量のウレタンプレポリマーを乳化剤の存在下で、高せん断力で強制的に乳化分散させた後、低分子量ポリオール成分や低分子量ポリアミン成分などにより鎖長延長反応させる方法である。
(a−2)水性ポリウレタン樹脂の具体例としては、例えば、ルーブリゾール社製の「Sancure835」、「Sancure898」、「Sancure777」、第一工業製薬社製の「スーパーフレックス(登録商標) 300」、「スーパーフレックス 500H」などを挙げることができる。
(A)水性ポリオール組成物中の(a−2)水性ポリウレタン樹脂の含有率は、不揮発分換算で、20質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。(A)水性ポリオール組成物中の(a−2)水性ポリウレタン樹脂の含有率が上記範囲内であれば、塗膜のゴルフボール本体表面に対する密着性をより向上させることができる。
また、(A)水性ポリオール組成物中の(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)水性ポリウレタン樹脂との配合比率((a−1)水性アクリルポリオール/(a−2)水性ポリウレタン樹脂)は、不揮発分の質量比で、30/70以上が好ましく、40/60以上がより好ましく、70/30以下が好ましく、60/40以下がより好ましい。配合比率((a−1)/(a−2))が上記範囲内であれば、硬化型ポリウレタン水性塗料から得られる塗膜の光沢性、ゴルフボール本体に対する密着性、および耐久性がより向上する。
(A)前記水性ポリオール組成物は、分散媒として水を含有することが好ましい。この場合、(A)水性ポリオール組成物中の不揮発分は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、85質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。(A)水性ポリオール組成物中の不揮発分が、20質量%以上であれば、(A)水性ポリオール組成物と後述する(B)水性ポリイソシアネートとの反応速度が速くなる。また、(A)水性ポリオール組成物中の不揮発分が、85質量%以下であれば、粘度が高くなり過ぎず、塗工性が良好となる。なお、不揮発分の測定方法については後述する。
(B)水性ポリイソシアネートについて説明する。(B)水性ポリイソシアネートは、イソシアネート基を複数有する水性化合物であり、例えば、ポリイソシアネートおよび/またはその誘導体が、水に分散または溶解できるように変性されているものである。具体的には、例えば、ポリイソシアネートおよび/またはその誘導体をポリオキシアルキレンエーテルアルコールで変性した水性ポリイソシアネートを挙げることができる。
本発明で使用する(B)水性ポリイソシアネートは、ポリイソシアネート成分として、(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有することが好ましい。ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を使用することにより、硬くなりすぎず、強靭な塗膜を形成できるからである。耐汚染性および密着性の観点から、本発明で使用する(B)水性ポリイソシアネートは、ポリイソシアネート成分として、他のポリイソシアネート成分(例えば、イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体)を含有しないことが好ましい。
前記ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体としては、例えば、ウレトジオン体またはイソシアヌレート体;ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンあるいはグリセリンなどの低分子量トリオールとを反応させて得られるアダクト体;アロハネート変性体;ビュレット変性体などを挙げることができ、遊離ジイソシアネートが除去されているものがより好ましい。前記アロハネート変性体とは、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートと低分子量ジオールとを反応させて形成されるウレタン結合にさらにヘキサメチレンジイソシアネートが反応して得られる3官能ポリイソシアネートである。前記ビュレット変性体とは、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートと低分子量ジアミンとを反応させて形成されるウレア結合にさらにヘキサメチレンジイソシアネートが反応して得られる3官能ポリイソシアネートである。これらのヘキサメチレンジイソシアネートおよびその誘導体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(b−1)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体とイソシアヌレート体の混合物が好適である。
本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料は、(A)水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH基)と(B)水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が1.3〜2.5であることが好ましい。前記モル比(NCO基/OH基)が、1.3未満では、イソシアネート基量が少なく、レベリング効果が得られないため、得られる塗膜の外観が悪くなる。また、前記モル比(NCO基/OH基)が2.5を超えると、イソシアネート基量が過剰となり、得られる塗膜が硬く脆くなる上に、外観も悪くなる。なお、塗料中のイソシアネート基量が過剰になると得られる塗膜の外観が悪くなる理由は、イソシアネート基量が過剰になると、空気中の水分とイソシアネート基との反応が多くなり、炭酸ガスが多量に発生するためと考えられる。前記モル比(NCO基/OH基)は、1.3以上が好ましく、より好ましくは1.4以上であり、2.5以下が好ましく、より好ましくは2.4以下である。
本発明で使用する硬化型ポリウレタン水性塗料は、溶剤を含有してもよい。溶剤を含有することにより、水性塗料の表面張力が低下して、ゴルフボール本体表面への塗れ性が向上する。溶剤の含有率は、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。一方、溶剤の含有率が高すぎると、水性塗料の乾燥温度が高くなったり、乾燥時間が長くなり過ぎる。そのため、溶剤の含有率は、10質量%以下が好ましく、9.5質量%以下がより好ましく、9.0質量%以下がさらに好ましい。前記溶剤は、(A)水性ポリオール組成物、(B)水性ポリイソシアネートのいずれの成分に含まれていても良い。いずれの成分にも含まれていない場合には、硬化型ポリウレタン水性塗料に後添加してもよい。
溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの有機溶剤を挙げることができる。また前記有機溶剤として、いわゆる造膜助剤を使用することも好ましい態様である。造膜助剤は、塗膜の造膜性を高めて、塗膜物性を向上することができるからである。また、造膜助剤は揮発性が低いため、揮発性有機溶剤の使用量の低減にも繋がる。
前記造膜助剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコール2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール系のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコール系のエステル系溶剤などを挙げることができる。これらの有機溶剤若しくは造膜助剤は、単独であるいは、2種以上を組合わせて使用してもよい。
本発明で用いる硬化型ポリウレタン水性塗料は、不揮発分量が、15質量%以上60質量%以下であることが好ましい。塗料中の不揮発分量が15質量%未満では、ゴルフボール本体に塗着した塗料の垂れを抑制できず、膜厚が不均一となる。一方、塗料中の不揮発分量が60質量%を超えると、塗料のレベリングが悪くなり、得られる塗装ゴルフボールの外観が悪くなる。前記塗料中の不揮発分量は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上であり、60質量%以下が好ましく、より好ましくは50質量%以下である。
本発明で用いる硬化型ポリウレタン水性塗料の粘度は、50mPa・s以上が好ましく、より好ましくは60mPa・s以上、さらに好ましくは70mPa・s以上であり、350mPa・s以下が好ましく、より好ましくは340mPa・s以下、さらに好ましくは330mPa・s以下である。前記粘度が50mPa・s以上であれば、塗装時に、ゴルフボール本体表面に塗布された塗料が垂れることがなく、より膜厚均一性の高い塗膜が形成でき、350mPa・s以下であれば、霧化性が良好であり、エアーガンを用いて塗装した場合、得られる塗装ゴルフボールの外観(光沢性)がより良好となる。なお、硬化型ポリウレタン水性塗料の粘度の測定方法については、後述する。
本発明の硬化型ポリウレタン水性塗料は、上記成分の他、さらに必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、ブロッキング防止剤、レベリング剤、スリップ剤、粘度調整剤などの、一般にゴルフボール用塗料に含有され得る添加剤を含有してもよい。
前記硬化型ポリウレタン水性塗料から形成される塗膜の破断伸度は、50%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、100%以上がさらに好ましく、250%以下が好ましく、225%以下がより好ましく、200%以下がさらに好ましい。破断伸度が低すぎると、硬くもろくなり密着性能が低下するからである。また、破断伸度が高すぎると、軟らかくなりすぎ耐汚染性が悪化するからである。
前記塗膜の10%モジュラスは、5MPa以上が好ましく、8MPa以上がより好ましく、30MPa以下が好ましく、27MPa以下がより好ましい。10%モジュラスが小さすぎると、軟らかくなりすぎ耐汚染性が悪化するからである。10%モジュラスが大きすぎると、硬くもろくなり密着性が低下するからである。
前記塗膜の引張強度は、5MPa以上が好ましく、10MPa以上がより好ましく、45MPa以下が好ましく、40MPa以下がより好ましい。引張強度が、小さすぎると、軟らかくなりすぎ耐汚染性が悪化するからである。また、引張強度が大きくなりすぎると、硬くもろくなり密着性が低下するからである。
次に、本発明のゴルフボールの製造方法について説明する。本発明のゴルフボールの製造方法は、(A)(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの水性ポリウレタン樹脂とを含有する水性ポリオール組成物と、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有する水性ポリイソシアネートとを含有する硬化型ポリウレタン水性塗料をゴルフボール本体に複数回重ね塗りして、塗膜を形成することを特徴とする。
硬化型ポリウレタン水性塗料をゴルフボール本体に塗布する方法は限定されず、二液混合型塗料の塗布方法として公知の方法を採用することができる。例えば、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを混合した後、エアーガン、静電塗装などを使用してゴルフボールに塗布することができる。これらの中でも、より均一性の高い塗膜が得られることからエアーガンを用いることが好ましい。
エアーガンを用いる場合、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを少量ずつ混合して使用してもよい。また、2液定比率ポンプを使ってエアーガン直前の塗料輸送経路でスタティックミキサーのようなラインミキサーを通して連続的に二液を定比率で混合してもよい。さらに、混合比制御機構を備えたエアースプレーシステムを用いてもよい。
エアーガンを用いた塗装の形態は特に限定はされないが、例えば、図1に示すような形態を採用することができる。図1は、エアーガンを用いた塗装形態の一例を示す模式図である。水平回転可能な回転体1の上に3本のプロング3a〜3cを立設し、該3本のプロング3a〜3cによりゴルフボール2を支えた状態で回転体1を回転させ、ゴルフボール2からエアーガン4を吹き付け距離だけ離間させて上下方向に移動させながら霧化塗料を吹き付ける。この場合、回転体1の回転速度は300rpm以上とすることが好ましく、より好ましくは400rpm以上であり、800rpm以下とすることが好ましく、より好ましくは700rpm以下である。
塗料を塗布する際の雰囲気温度は、特に限定されるものではないが、10℃以上45℃以下が好ましく、室温(通常20℃〜30℃)がより好ましい。また、塗料を塗布する際の雰囲気湿度は、特に限定されるものではないが、65%以下とすることが好ましい。
塗料を重ね塗りする回数は、2回以上であれば特に限定されず、所望とする膜厚に応じて適宜変更すればよい。例えば、所望とする膜厚が10μm〜20μmであれば、重ね塗りする回数は、4回以下とすることが好ましく、より好ましくは3回以下である。重ね塗りする回数が4回以下であれば、1回の塗料塗着量が少なくなりすぎず、得られる塗膜の膜厚の均一性をより向上することができる。なお、作業性の観点から重ね塗りする回数は2回が特に好ましい。
1回の操作で塗布された塗料を乾燥して得られる塗膜の厚みは、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは7μm以上、10μm以下であることが好ましく、より好ましくは9μm以下である。1回の操作で塗布された塗料を乾燥して得られる塗膜の厚みを上記範囲内にすることにより、レベリングがよく、かつ、膜厚均一性を保持できるからである。
本発明のゴルフボールの製造方法では、ゴルフボール本体表面に硬化型ポリウレタン水性塗料を塗装し、塗装されたゴルフボールに所定時間送風し、さらに硬化型ポリウレタン水性塗料を重ね塗りすることが好ましい。塗装されたゴルフボールに所定時間送風することにより、水性塗料の垂れが抑制される。送風する所定時間は、3秒以上が好ましく、5秒以上がより好ましく、40秒以下が好ましく、35秒以下がより好ましい。送風する所定時間が短すぎると、塗料が垂れる場合がある。また、送風する所定時間が長すぎると、生産効率が低下する。
図2は、本発明のゴルフボールの製造方法の好ましい態様である塗装ラインを模式的に示した説明図である。この態様では、第1ゾーンで、ゴルフボール本体表面に硬化型ポリウレタン水性塗料を塗布し、第2ゾーンで、塗装されたゴルフボールに所定時間送風し、さらに、第3ゾーンで硬化型ポリウレタン水性塗料を重ね塗りする。第1ゾーンおよび第3ゾーンでは、スプレーガンを用いて水性塗料を塗布することが好ましい。第2ゾーンの送風は、例えば、スプレーガンを用いてエアーのみを供給することが好ましい。ゴルフボール2は、方向Aに向かって進む。
送風時の雰囲気温度は、10℃以上が好ましく、15℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましく、45℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、35℃以下がさらに好ましい。送風時の雰囲気温度は、室温(通常20℃〜30℃)がより好ましい。送風時の雰囲気温度が上記範囲内であれば、レベリングがよく、膜厚均一性がよくなるからである。
送風時の風速は、10m/s以上が好ましく、12m/s以上がより好ましく、30m/s以下が好ましく、28m/s以下がさらに好ましい。送風時の風速が大きいと、ゴルフボールがプロングから落ちる場合があり、送風時の風速が小さいと、膜厚均一性が保持しにくくなるからである。
ゴルフボール本体に重ね塗りされた硬化型ポリウレタン水性塗料は、例えば、30℃〜70℃の温度で1時間〜24時間乾燥することにより塗膜を形成することができる。ゴルフボール本体には、熱可塑性の材料も使用されることから、乾燥温度は40℃以下であることが好ましい。40℃以下で乾燥する場合の指触乾燥時間は、6時間以内であることが好ましく、4時間以内であることがより好ましい。
本発明のゴルフボールに形成された塗膜は、硬化型ポリウレタン水性塗料を複数回重ね塗りされることにより、複数層からなることが好ましい。複数層の一層の厚みは、5μm以上が好ましく、10μm以下が好ましく、9μm以下がより好ましい。また、塗膜の合計膜厚は、特に限定されないが10μm以上が好ましく、50μm以下が好ましく、より好ましくは40μm以下である。膜厚が10μm未満では、継続的な使用により塗膜が摩耗消失しやすくなる傾向があり、膜厚が50μmを超えるとディンプルの効果が低下してゴルフボールの飛行性能が低下するおそれがある。
本発明のゴルフボールは、ゴルフボール本体と、塗膜とを有するゴルフボールであればよく、ゴルフボール本体の構造は、特に限定されない。ゴルフボール本体の構造としては、例えば、ワンピースゴルフボール、ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボール以上のマルチピースゴルフボール、あるいは、糸巻きゴルフボールを挙げることができる。いずれの場合であっても、本発明を好適に適用できるからである。
本発明のゴルフボールのカバーを構成するカバー材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂若しくは二液硬化型ウレタン樹脂などのウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などの各種樹脂、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(登録商標)(例えば、「エラストランNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン(登録商標)」で市販されている熱可塑性スチレンエラストマーまたは商品名「プリマロイ」で市販されている熱可塑性ポリエステル系エラストマーなどを挙げることができる。前記カバー材料は、単独であるいは2種以上を混合して使用してもよい。
前記カバーは、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(例えば、酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの重量調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、カバーの性能を損なわない範囲で含有してもよい。
カバー用組成物を用いてカバーを成形する態様は、特に限定されないが、カバー用組成物をコア上に直接射出成形する態様、あるいは、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、コアを複数のシェルで被覆して圧縮成形する態様(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、コアを2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)を挙げることができる。
ゴルフボール本体表面には、通常、ディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。ゴルフボール本体表面に形成されるディンプルの総数は、200個以上500個以下が好ましい。ディンプルの総数が200個未満では、ディンプルの効果が得られにくい。また、ディンプルの総数が500個を超えると、個々のディンプルのサイズが小さくなり、ディンプルの効果が得られにくい。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。また、所望により、マークを形成することもできる。
次に、糸巻きゴルフボール、ツーピースゴルフボールおよびマルチピースゴルフボールに用いられるコア、ならびに、ワンピースゴルフボール本体について説明する。
前記コアおよびワンピースゴルフボール本体には、公知のゴム組成物(以下、単に「コア用ゴム組成物」という場合がある)を用いることができ、例えば、基材ゴム、共架橋剤および架橋開始剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形することができる。
前記基材ゴムとしては、特に、反発に有利なシス結合が40質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。前記共架橋剤は、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸の金属塩が用いられる。金属塩としては、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩が好ましく、より好ましくは亜鉛塩である。共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以上50質量部以下が好ましい。また、架橋開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、1.5質量部以下が好ましく、より好ましくは1.0質量部以下である。また、前記コア用ゴム組成物は、さらに、有機硫黄化合物を含有してもよい。前記有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド類を好適に使用することができる。有機硫黄化合物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.3質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下である。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤、有機硫黄化合物に加えて、さらに、酸化亜鉛や硫酸バリウムなどの重量調整剤、老化防止剤、色粉などを適宜配合することができる。前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成型条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130℃〜200℃で10分間〜60分間加熱するか、あるいは、130℃〜150℃で20分間〜40分間加熱した後、160℃〜180℃で5分間〜15分間と2段階加熱することが好ましい。
本発明のゴルフボールが、スリーピース以上のマルチピースゴルフボールである場合には、コアとカバーとの間に中間層が設けられる。中間層を構成する材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂;スチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマー;ゴム組成物の硬化物などが挙げられる。ここで、アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも1部を金属イオンで中和したもの、またはエチレンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものが挙げられる。前記中間層には、さらに、硫酸バリウム、タングステンなどの重量調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)塗装ゴルフボール外観
塗装ゴルフボールの外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。
評価基準
○:表面がなめらかで光沢がある状態。
△:表面に多少の凸凹があり、つや・光沢が少ない状態。
×:表面に凸凹が多く、つや・光沢がない状態。
(2)塗膜の密着性
ツルーテンパー社製のスイングロボットにメタルヘッド製ドライバー(1W)を装着し、ヘッドスピード45m/sで塗装後のゴルフボールを50回繰返し打撃した後、塗膜の剥離状態を観察し、下記の評価基準に基づいて評価した。
評価基準
○:塗膜の剥離面積が全塗膜面積の1%以下。
△:塗膜の剥離面積が全塗膜面積の1%超5%以下。
×:塗膜の剥離面積が全塗膜面積の5%超。
(3)膜厚の均一性
塗装ゴルフボールの表面を一部切り出し、塗膜の膜厚を観察するための試験片(約7mm四方)を作製した。顕微鏡を用いて、ディンプル6個について、ディンプルの底、エッジ、斜面における塗膜の厚みを測定して平均値を求め、以下の評価基準で評価した。
ディンプルの底、エッジ、斜面における測定箇所について、図3を参照して説明する。図3はディンプル10の底Deおよびゴルフボール2の中心を通過する断面の模式図である。ディンプルの底Deとは、ディンプル10の最も深い箇所である。エッジEdは、ディンプル10の両側に共通の接線Tが画かれたときの、ディンプル10と接線Tとの接点である。斜面における測定箇所Sは、ディンプルの底DeとエッジEdとを結ぶ直線の中点から、ディンプル10に向けて垂線を下ろした際、該垂線とディンプルの斜面とが交わる点である。
評価基準
ディンプルの底、エッジ、斜面における膜厚の平均値を、それぞれx、y、zとする。
○:│x−y│≦1.5μm、かつ、│y−z│≦1.5μm、かつ、│z−x│≦1.5μm
△:│x−y│≦3μm、かつ、│y−z│≦3μm、かつ、│z−x│≦3μm
×:│x−y│>3μm、または、│y−z│>3μm、または、│z−x│>3μm
(4)水性ポリウレタン樹脂の引張強度、塗膜の引張強度、塗膜の破断伸度(%)
水性ポリウレタン樹脂、および、硬化型ポリウレタン水性塗料を用いて、膜厚500μmのフィルムを作製した。乾燥条件は、予備乾燥:室温×15時間、本乾燥:80℃×6時間、120℃×20分とした。次いで、得られたフィルムから試験片を打抜き、テンシロン万能試験機を用いて、引張強度、および、破断伸度を測定した。測定条件は、試料長30mm、引張速度200mm/minとした。なお、引張強度は、破断時の強度である。
(5)不揮発分
試料を、アルミ皿に約2gとり、150℃で1時間強制乾燥させ、乾燥前の質量と乾燥後の質量から不揮発分を求めた。
(6)粘度
硬化型ポリウレタン水性塗料の粘度を、単一円筒回転粘度計(リオンテック社製、「ビスコテスター VT−04F」)を用いて測定する。測定は、3号ローターを使用し、ローターの回転数は62.5min−1、測定温度は25℃とする。なお、硬化型ポリウレタン水性塗料の粘度は、(A)水性ポリオール組成物と(B)水性ポリイソシアネートとを混合した直後に測定する。
(7)耐汚染性
得られたゴルフボールを、ヨードチンキを40倍に希釈したヨードチンキ水に30秒間浸漬して、取り出した。ゴルフボール表面に付着している余分なヨードチンキ水を拭きとった後、色差計(コニカミノルタ社製CM3500D)を用いて、浸漬前後のゴルフボールの色調(L,a,b)を測定し、色差(ΔE)を次式にて算出した。
ΔE=[(ΔL)+(Δa)+(Δb)]1/2
尚、色差(ΔE)の値が大きいほど、変色の度合いが大きいことを意味する。
評価基準
○:ΔEが20以下
△:ΔEが20超25未満
×:ΔEが25以上
[ツーピースゴルフボールの作製]
(1)コアの作製
表1に示す配合のコア用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で160℃、13分間加熱プレスすることにより直径39.3mmの球状コアを得た。
Figure 0005888911
ポリブタジエンゴム:JSR社製、「BR51」
酸化亜鉛:東邦亜鉛製、「銀嶺(登録商標)R」
アクリル酸亜鉛:日本蒸溜工業製、「ZNDA−90S」
炭酸カルシウム:白石カルシウム製、「BF−300」
ジクミルパーオキサイド:日油製、「パークミル(登録商標)D」
(2)カバー用組成物の調製
表2に示した配合の材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で200〜260℃に加熱された。
Figure 0005888911
ハイミラン1605:三井デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和エチレン− メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1706:三井デュポンポリケミカル社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1707:三井デュポンポリケミカル社製のナトリウムイオン中和エチレン− メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
(3)ゴルフボール本体の作製
上記で得たカバー用組成物を、前述のようにして得たコア上に直接射出成形することによりカバーを形成し、直径42.7mmを有するツーピースゴルフボール本体を作製した。カバー成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ピンプル付きで、ピンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱したカバー用組成物を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。なお、ゴルフボールの表面にはディンプルを形成した。
(4)塗膜の形成
(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)水性ポリウレタン樹脂と、必要に応じて、水性ウレタンポリオールとを配合して(A)水性ポリオール組成物を調製した。得られた(A)水性ポリオール組成物に(B)水性ポリイソシアネートを撹拌しながらゆっくりと加えて、表3に示した配合になるように硬化型ポリウレタン水性塗料を調製した。得られた硬化型ポリウレタン水性塗料を速やかにゴルフボール本体表面にエアーガンで塗布した。塗装条件は、表3に示した。2回塗装の場合、1回目の塗装がされたゴルフボールに、風速17m/sでスプレーガンで送風した。送風終了後、硬化型ポリウレタン水性塗料をエアーガンで塗布して2回目の塗装を行った。塗装終了後、塗装されたゴルフボールを、40℃のオーブンで14時間保持して乾燥して、塗膜を形成した。得られたゴルフボールについて評価した結果を表3にまとめた。
Figure 0005888911
水性アクリルポリオール:和薬ペイント社製WA−98(水酸基価:110mgKOH/g〜120mgKOH/g、Tg=15〜20℃)
水性ウレタンポリオール:キングインダストリーズ社製FLEXOREZ UD−350W(水酸基価325mgKOH/g、不揮発分:88%)
水性ポリウレタン樹脂1:ルーブリゾール社製Sancure835(引張強度34MPa)
水性ポリウレタン樹脂2:ルーブリゾール社製Sancure1073C(引張強度48MPa)
水性ポリウレタン樹脂3:ルーブリゾール社製Sancure2104(引張強度1MPa)
HDI誘導体:和薬ペイント社製WG−84B(ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット変性体とイソシアヌレート変性体の混合物、不揮発分:75% NCO%:12%)
IPDI誘導体:DIC社製DNW−5000(不揮発分:80% NCO%:13.5%)
ゴルフボールNo.1〜No.8、No.20は、ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体に形成された塗膜とを有するゴルフボールであって、前記塗膜は、引張強度が5MPa〜45MPaであって、(A)(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの水性ポリウレタン樹脂とを含有する水性ポリオール組成物と、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有する水性ポリイソシアネートとを含有する硬化型ポリウレタン水性塗料から形成されたゴルフボールである。いずれもゴルフボール本体表面への密着性および耐汚染性に優れた塗膜を有するゴルフボールが得られている。ゴルフボールNo.12は、従来の硬化型水性ポリウレタン塗料を用いた場合である。水性ポリオール組成物として、水性アクリルポリオールと、水性ポリウレタン樹脂と、水性ウレタンポリオールとを含有するものを使用しているが、耐汚染性が低いことが分かる。また、ゴルフボールNo.3とゴルフボールNo.20とを対比すると、水性ウレタンポリオールを含有する水性ポリオール組成物を使用すると耐汚染性が低下する傾向があることから、本発明の硬化型水性ポリウレタン塗料は、水性ウレタンポリオールを含有しないことが好ましい。
本発明のゴルフボールは、塗装ゴルフボールとして好適である。
1:回転体、2:ゴルフボール、3a〜3c:プロング、4:エアーガン、10:ディンプル、De:ディンプルの最深箇所、Ed:エッジ、T:接線、S:膜厚の測定箇所

Claims (12)

  1. ゴルフボール本体と、前記ゴルフボール本体に形成された塗膜とを有するゴルフボールであって、前記塗膜は、引張強度が5MPa〜45MPaであって、
    (A)(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの水性ポリウレタン樹脂とを含有し、水性ウレタンポリオールを含有しない水性ポリオール組成物と、
    (B)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有し、イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有しない水性ポリイソシアネートとを含有する硬化型ポリウレタン水性塗料から形成されたものであることを特徴とするゴルフボール。
  2. (A)前記水性ポリオール組成物中の(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)水性ポリウレタン樹脂との配合比率((a−1)水性アクリルポリオール/(a−2)水性ポリウレタン樹脂)が、質量比で、30/70〜70/30である請求項1に記載ゴルフボール。
  3. (A)前記水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH)と(B)前記水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が、1.3〜2.5である請求項1または2に記載のゴルフボール。
  4. 前記塗膜は、複数層からなるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  5. 前記複数層の一層の厚みは、5μm〜10μmである請求項に記載のゴルフボール。
  6. 前記塗膜の10%モジュラスは、5MPa以上、30MPa以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  7. 前記塗膜の破断伸度は、50%以上、250%以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴルフボール。
  8. (A)(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)引張強度が5MPa〜45MPaの水性ポリウレタン樹脂とを含有し、水性ウレタンポリオールを含有しない水性ポリオール組成物と、(B)ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有し、イソホロンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を含有しない水性ポリイソシアネートとを含有する硬化型ポリウレタン水性塗料をゴルフボール本体に複数回重ね塗りして、塗膜を形成することを特徴とするゴルフボールの製造方法。
  9. ゴルフボール本体表面に硬化型ポリウレタン水性塗料を塗装し、塗装されたゴルフボールに所定時間送風して、さらに硬化型ポリウレタン水性塗料を重ね塗りする請求項8に記載のゴルフボールの製造方法。
  10. 一回の塗装で形成される塗膜の厚みが5μm〜10μmになるように硬化型ポリウレタン水性塗料を重ね塗りする請求項8または9に記載のゴルフボールの製造方法。
  11. (A)前記水性ポリオール組成物中の(a−1)水性アクリルポリオールと(a−2)水性ポリウレタン樹脂との配合比率((a−1)水性アクリルポリオール/(a−2)水性ポリウレタン樹脂)が、質量比で、30/70〜70/30である請求項8〜10のいずれか一項に記載ゴルフボールの製造方法。
  12. (A)前記水性ポリオール組成物が有する水酸基(OH)と(B)前記水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO基/OH基)が、1.3〜2.5である請求項8〜11のいずれか一項に記載のゴルフボールの製造方法。
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