JP2011092377A - バックルおよびこれを備えたシートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストの増大を招くことなく接点を有する摺動部材を安定して摺動可能にする。
【解決手段】バックルスイッチ15は、スイッチ片を有する基板17、樹脂成形加工で形成されて基板17を固定する基板固定部材16、基板17に摺動可能に配設される摺動部材19、および摺動部材19に取り付けられるとともにスイッチ片に離接可能な接点18を少なくとも有する。摺動部材19の第3および第4被ガイド部19d,19eは、それ
ぞれ基板固定部材16の第1および第2ガイド面16a,16bに対して所定間隙c2を有する。摺動部材19の摺動方向と直交またはほぼ直交する方向に偏倚したとき、第3および第4被ガイド部19d,19eは第1および第2ガイド面16a,16bに当接することで摺動部材19を基板17の各側面17a,17bに当接させない。
【選択図】 図7

Description

本発明は、自動車その他の交通機関の座席に装備されるシートベルト装置に用いられているとともに、タングとバックルとのラッチ(係合)状態によって切替作動するバックルスイッチを備えているバックルの技術分野、およびこれを備えたシートベルト装置の技術分野に関するものである。
一般に、自動車を始めとする各種交通機関の座席には、衝突等の緊急時に乗員を拘束するためにシートベルト装置が配設されている。このようなシートベルト装置は、シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、車体等に固定されるとともにタングが着脱可能にラッチするバックルとを備えている。そして、タングがバックルにラッチされることにより、シートベルトが乗員を拘束する。
ところで、このようなシートベルト装置においては、タングとバックルとのラッチ状態を表示したり、あるいはタングとバックルとのラッチ状態によりリトラクタ等のシートベルト装置の他の装置やシートベルト装置の作動に関係する車載の他の装置を作動制御したりするために、タングとバックルとのラッチ状態を検出するバックルスイッチがバックルに設けられている(例えば、特許文献1参照)。
図8に示すように、特許文献1に記載のバックルスイッチaは、スイッチ片bを有するスイッチ基板cと、イジェクタの移動によってスイッチ基板cに摺動可能に配設されるとともに接点dを有するスライド部材eとを備えている。そして、タングがバックルに挿入されてラッチされたときのイジェクタの位置とタングがバックルに挿入されないときのイジェクタの位置とに基づいて、接点dとスイッチ片bとの接続が切り替わることにより、バックルスイッチが切り替わる(例えば、オン・オフ切替)ようになっている。その場合、スライド部材eがスイッチ基板cに対して摺動する際に、スライド部材eがスイッチ基板cに対してスライド部材eと直交する方向に偏倚したとき、スライド部材eの両内側の被ガイド面e1,e2のうち、スイッチ基板cの両側の対向するガイド面c1,c2に接近する被ガイド面e1,e2が対応するガイド面c1に当接しかつガイドされながら、スライド板cが摺動する。
特開2008−41583号公報。
ところで、前述のようなスライド部材eがスイッチ基板cにガイドされて摺動するようなバックルスイッチaにおいては、スイッチ基板cは、一般に、例えば紙やガラスエポキシ樹脂板等の絶縁板をプレスにより打ち抜き加工することで形成されることが多い。このため、スイッチ基板cの各ガイド面c1,c2が粗くなったり、ばりが発生したりする場合
がある。それを回避するためにスイッチ基板の極めて厳密な製造工程管理を要し、コストの増大を招くというおそれがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、コストの増大を招くことなく接点を有する摺動部材が安定して摺動可能なバックルスイッチを備えたバックル、およびこれを備えたシートベルト装置を提供することである。
前述の課題を解決するために、本発明に係るバックルは、ベースと、前記ベースに、タングおよびバックルの非ラッチ時に位置する非作動位置と前記タングおよび前記バックルのラッチ時に位置する作動位置との間で長手方向に摺動可能に設けられ、前記タングの挿入によって前記作動位置へ移動するとともに、前記タングと前記バックルとのラッチ解除時に前記非作動位置へ移動しかつ前記タングを前記バックルから脱出させるイジェクタと、前記ベースに設けられたバックルスイッチとを少なくとも備え、前記バックルスイッチが、スイッチ片を有する基板、成形加工で形成されるとともに前記基板を固定する基板固定部材、前記基板に摺動可能に配設される摺動部材、および前記摺動部材に前記摺動部材と一体に摺動可能に取り付けられるとともに前記スイッチ片に離接可能な端子を有する接点を少なくとも有し、前記摺動部材が、前記基板固定部材に対して所定間隙を有して配設されるとともに、前記摺動部材の摺動方向と直交またはほぼ直交する方向に偏倚したとき、前記基板固定部材のガイド面に当接することで前記摺動部材を前記基板の側面に当接させない被ガイド部を有することを特徴としている。
また、請求項2に係る発明は、前記基板固定部材が樹脂を用いて成形加工されることを特徴としている。
一方、本発明に係るシートベルト装置は、乗員を拘束するシートベルトと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、前記タングが係脱可能にラッチされるとともにバックルスイッチを有するバックルとを少なくとも備え、前記バックルが前述の本発明のバックルのいずれ1つであることを特徴としている。
このように構成された本発明のバックルによれば、バックルスイッチのスイッチ片を有する基板が、成形加工により形成された基板固定部材に固定される。また、接点が取り付けられた摺動部材が基板に摺動可能に配設される。更に、摺動部材が基板に対して摺動部材の摺動方向と直交またはほぼ直交する方向に偏倚したとき、基板固定部材に当接して摺動部材を基板の側面に当接させない被ガイド部が摺動部材に設けられる。したがって、摺動部材の被ガイド部が、対応する基板固定部材のガイド面に当接して摺動しても、基板固定部材のガイド面が成形加工により比較的滑らかであるので、摺動部材を安定してスムーズに移動させることができる。これにより、摺動部材に取り付けられた接点をスイッチ片に対してスムーズに切り替えることが可能となる。その結果、基板の厳密な製造工程管理を不要にでき、厳密な製造工程管理に基づくコストの増大を回避することが可能となる。特に、基板固定部材を樹脂で成形することで容易にかつ安価に形成することが可能となる。
また、本発明のシートベルト装置によれば、前述のように摺動部材を安定してスムーズに移動させることができるバックルを備えているので、リトラクタ等のシートベルト装置の他の装置やシートベルト装置の作動に関係する車載の他の装置をより良好に作動制御することが可能となる。
本発明に係るバックルの実施の形態の一例をを備えたシートベルト装置の一例を模式的に示す図である。 タングとバックルとの被ラッチ状態でのこの例のバックルをケースを除いて示す下面図である。 タングとバックルとのラッチ状態でのこの例のバックルをケースを除いて示す下面図である。 (a)はバックルのケースを含めた状態での図2におけるIVA−IVA線に沿う断面図、(b)はバックルのケースを含めた状態での図3におけるIVB−IVB線に沿う断面図である。 この例のバックルスイッチを分解して示し、(a)は基板固定部材の斜視図、(b)は基板の斜視図、(c)は接点の斜視図、(d)は摺動部材の斜視図、(e)はイジェクタに設けられた摺動部材作動部材の斜視図、および(f)は(b)における基板を下方から見た斜視図である。 バックルスイッチの下面図である。 (a)は図6におけるVIIA−VIIAに沿う断面図、(b)は(a)におけるVIIB部の拡大図である。 従来のバックルスイッチを模式的に示す図である。
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明において、上、下、左、および右は、図面における上、下、左、および右である。
図1は、本発明に係るバックルの実施の形態の一例をを備えたシートベルト装置の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例のシートベルト装置1は、車両シート2の近傍に配設されたシートベルトリトラクタ3、このシートベルトリトラクタ3に引出し可能に巻き取られかつ先端のベルトアンカー4aが車体の床あるいは車両シート2に固定されるシートベルト4、シートベルトリトラクタ3から引き出されたシートベルト4を乗員のショルダーの方へガイドするガイドアンカー5、このガイドアンカー5からガイドされてきたシートベルト4に摺動自在に支持されたタング6、および車体の床あるいは車両シートに固定されかつタング6が係脱可能に挿入されてラッチされるバックル7を備えている。
図2はタングの非ラッチ状態でのこの例のバックルを示す平面図、図3はタングのラッチ状態でのバックルを示す平面図、図4(a)は図2におけるIVA−IVA線に沿う断面図、図4(b)は図3におけるIVB−IVB線に沿う断面図である。
この例のバックルは、バックルスイッチを除いて基本的には特開2005−144138号公報に記載されているバックルと同じである。したがって、この例のバックル7の基本的な構成および作用は、特開2005−144138号公報の記載を参照すれば容易に理解できるので簡単に説明し、それらの詳細な説明は省略する。
図2、図3、図4(a),(b)中、8は中央部と両側壁とを有するU字状のベース、
9はラッチ部材、10はスライダ、11はロックピン、12は解除ボタン、13は慣性レバー、14はイジェクタである。以下、この例のバックル7のタング6とのラッチ作動について簡単に説明する。
図2および図4(a)に示すように、タング6がバックル7にラッチされない非ラッチ状態では、イジェクタ14が図示しないイジェクタスプリングのばね力で左限位置(非作動位置)に設定される。イジェクタ14のこの左限位置では、ラッチ部材9はスライダ10、ロックピン11および図示しないスライダスプリングの関係で上方向に(図4(b)に示すラッチ状態からは時計回りに)回動している。このとき、スライダ10はロックピン11から外れて上方に回動した位置となる。この状態では、ラッチ部材9は、そのジョグル部9aがタング6の挿入通路上からはずれてタング6とラッチしない非ラッチ位置に設定される。また、ジョグル部9aの下端がイジェクタ14の上面に当接している。
図2および図4(a)に示すタング6とバックル7との非ラッチ状態から、バックル7の左端部のタング挿入口7aからタング6が挿入されると、図4(b)に示すようにタング6の右端6aがイジェクタ14の左端14aに当接し、イジェクタ14が右方へ押圧される。すると、イジェクタ14は、タング6の挿入に応じてイジェクタスプリングを縮小させながら右方へ移動するため、イジェクタ14の押圧部14bがラッチ部材9の被押圧
部9bを右方へ押すことで、ラッチ部材9が反時計回りに回転する。これにより、ラッチ部材9のジョグル部9aがタング6の移動通路上に進入してタング6の係止孔6bに嵌入し、ラッチ部材9はラッチ位置となる。そして、イジェクタスプリングのばね力でイジェクタ14がタング6の右端6aを左方に押圧しているので、タング6の挿入力を解除すると、タング6の係止孔6bの右端部がジョグル部9aに係合してタング6がバックル7にラッチされる。こうして、タング6とバックル7は図3および図4(b)に示すラッチ状態となる。その場合、イジェクタ14は、ラッチ状態にあるタング6に当接した作動位置となる。
このとき、スライダスプリングのばね力により、スライダ10はロックピン11の下に進入し、その左端上面がロックピン11に押さえつけられる。これにより、スライダ10はラッチ部材9を図4(b)に示すラッチ位置に保持するので、ラッチ部材9はタング6の係止孔6bから抜け出ることはなく、タング6とバックル7とのラッチが堅固に保持される。
図4(b)に示すタング6とバックル7とのラッチ状態からこのラッチを解除するために、解除ボタン12が右方へ押されて移動する。そして、解除ボタン12がスライダ10を右方へ押圧し、スライダ10がラッチ部材9に対して右方へ相対的に移動する。すると、スライダ10の左端上面がロックピン11の下面から外れ、スライダ10がロックピン11によって押さえられなくなる。
スライダ10の右方への移動により、スライダスプリングを介してラッチ部材9が押圧されるので、スライダ10およびラッチ部材9がともに時計回りに回動する。これにより、ラッチ部材9のジョグル部9aが上方に移動する。イジェクタスプリングのばね力でイジェクタ14がラッチ解除方向に付勢されているので、イジェクタ14はタング6を介してラッチ部材9を上方にはね上げ、ラッチ部材9およびスライダ10は更に時計回りに回動する。これにより、ジョグル部9aがタング6の係止孔6aから脱出すると同時に、タング6がイジェクタ14によりバックル7から左方向にプッシュアウトされる。
図4(a)に示すように、ラッチ部材9のジョグル部9a側上面がロックピン11に当接すると、ラッチ部材9およびスライダ10の時計回りの回動が停止する。このとき、スライダ10の左端はスライダスプリングの付勢力によりロックピン11に当接する。そして最終的に、イジェクタ14が左限位置となり、またラッチ部材9が非ラッチ位置となり、バックル7はタング6が解離した非ラッチ状態となる。
なお、慣性レバー13の作用については本発明に直接関係しないのでその説明は省略する(慣性レバー13の作用については、特開2005−144138号公報参照)。
図2および図3に示すように、ベース8の一側壁8a(タング6の挿入方向から見て左側壁)には、バックルスイッチ15がこの一側壁8aの外側に位置して設けられている。図5および図6に示すように、このバックルスイッチ15は、基板固定部材16、基板17、接点18、摺動部材19、および摺動部材作動部材14cを有している。
図5(a)および図7(a),(b)に示すように、基板固定部材16は樹脂を用いた
成形加工(成型)で細長い部材に形成されている。この基板固定部材16はベース8の一側壁8aに固定されているとともに、この基板固定部材16に基板17が固定されている。その場合、摺動部材19の摺動方向(イジェクタ14の摺動方向)と直交する方向の基板固定部材16の中心位置と、同じく摺動部材19の摺動方向と直交する方向の基板17の中心位置とが一致またはほぼ一致されている。
図5(b)に示すように、基板17は、紙あるいはガラスエポキシ樹脂等の絶縁材から
帯状平板に形成されているとともに、図5(f)に示すように、その下面に薄板からなる互いに独立した3つのスイッチ片20,21,22が、例えば従来周知のプリント基板と同様に設けられている。これらのスイッチ片20,21,22はそれぞれ導線23,24,25に接続されている。
図5(c)に示すように、接点18は弾性変形可能な第1および第2端子18a,18
bを有している。第1端子18aは、各スイッチ片20,21に択一的に弾性変形して摺
動可能に当接するとともに、第2端子18bは、各スイッチ片21,22に択一的に弾性
変形して摺動可能に当接する。具体的には、第1端子18aがスイッチ片20に当接するときは第2端子18bがスイッチ片20に当接し、また、第1端子18aがスイッチ片21に当接するときは第2端子18bがスイッチ片22に当接するようになっている。
図5(d)に示すように、摺動部材19は、矩形平板状の中央部19a、この中央部19aの摺動方向に沿う両縁辺に図5(d)において上方に立設された一対の第1および第2被ガイド部19b,19c、これらの第1および第2被ガイド部19b,19cの先端から中央部19aと平行する方向で第1および第2被ガイド部19b,19cの間に位置す
るように立設された一対の第3および第4被ガイド部19d,19e、中央部19aの摺
動方向と直交する方向に沿う両縁辺に図5(d)において上方に立設された一対の第1および第2被押圧部19f,19g、および中央部19aに設けられるとともに接点18を
取り付ける接点取付部19h,19iを有している。
接点18は摺動部材19の中央部19aの下方で接点取付部19h,19iに、摺動部
材19と一体摺動可能に取り付けられる。そして、図7(a)および(b)に示すように、基板17が第1および第2端子18a,18bと第3および第4被ガイド部19d,19eとの間に弾性的に挟持される。換言すると、接点18および摺動部材19は基板17に弾性的にかつ摺動可能に取り付けられる。
摺動部材19が基板17に取り付けられた状態では、図7(b)に示すように第1被ガイド部19bの面19b1が基板17の側面17aと対向するとともに、第2被ガイド部
19cの面19c1が基板17の側面17bと対向する。また、第3被ガイド部19dの
第1被ガイド面19d1が基板固定部材16の第1ガイド面16aと対向するとともに、
第4被ガイド部19eの第2被ガイド面19e1が基板固定部材16の第2ガイド面16
bと対向する。その場合、摺動部材19の摺動方向と直交する方向の摺動部材19の中心位置と、摺動部材19の摺動方向と直交する方向の基板17の中心位置とが一致している状態では、第1被ガイド部19bの面19b1および基板17の側面17a間の間隙と第
2被ガイド部19cの面19c1および基板17の側面17b間の間隙とは、互いに同じ
間隙c1であり、また、第3被ガイド部19dの第1被ガイド面19d1および基板固定部材16の第1ガイド面16a間の間隙と第4被ガイド部19eの第2被ガイド面19e1
および基板固定部材16の第2ガイド面16b間の間隙とは、互いに同じ間隙c2である
。そして、この例のバックルスイッチ15では、間隙c2が間隙c1より小さく設定されている(c2<c1)。
図2,図3,および図6に示すように、摺動部材作動部材14cは帯板状に形成されているとともに、イジェクタ14にこのイジェクタ14の摺動方向と直交する方向に一体に延設されている。摺動部材作動部材14cはベース8の中央部8bの下方を通って摺動部材19の第1および第2被押圧部19f,19gの間に位置するようにされている。そし
て、摺動部材作動部材14cは、第1および第2被押圧部19f,19gに当接可能とな
っている。そして、図3および図6においてイジェクタ14が左方に移動すると、摺動部材作動部材14cが第1被押圧部19fに当接してこの第1被押圧部19fを押圧する。これにより、摺動部材19は図3および図6において左方(つまり、第1被押圧部19f
の方)へ摺動して、図2に示す位置にされる。また、図2においてイジェクタ14が右方に移動すると、摺動部材作動部材14cが第2被押圧部19gに当接してこの第2被押圧部19gを押圧する。これにより、摺動部材19が図2において右方へ(つまり、第2被押圧部19gの方)へ摺動する。
ところで、この例に用いられる基板17は従来と同様にプレスによる打ち抜き加工で形成される。このため、基板17の両側面17a,17bの表面粗さが大きいとともに、ば
りが発生する場合がある。一方、基板固定部材16の第1および第2ガイド面16a,1
6bは樹脂成形加工により形成されることから表面粗さが小さく比較的滑らかであるとともに、ばりは発生しない。
このように構成されたこの例のバックル7においては、タング6がバックル7に挿入されない状態では、図2および図4(a)に示すようにイジェクタ14は左限位置にある。このとき、摺動部材19も左限位置となっている。したがって、接点18の第1端子18aがスイッチ片20に当接しているとともに、接点18の第2端子18bがスイッチ片21に当接している。その場合、接点18はスイッチ片22に当接していない。
この状態で、図2および図4(a)に示すようにタング6がタング挿入口7aからバックル7に挿入されると、前述のようにタング6がイジェクタ14を押圧し、イジェクタ14が右方へ移動する。このイジェクタ14の移動により、イジェクタ14の摺動部材作動部材14cが摺動部材19の第2被押圧部19gに当接してこの被押圧部19gを右方へ押圧する。したがって、イジェクタ14は摺動部材19をともなって右方へ移動する。そして、図3および図4(b)に示すようにタング6がバックル7にラッチされた状態では、接点18の第1端子18aがスイッチ片21に当接しているとともに、接点18の第2端子18bがスイッチ片22に当接している。その場合、接点18はスイッチ片20に当接していない。このようにして、バックルスイッチ15がタング6の非ラッチ状態からタング6のラッチ状態に切り替わることによりタング6バックル7へのラッチが検出される。
また、タング6が図3および図4(b)に示すラッチ状態から、解除ボタン12が解除方向(右方)に押圧されると、前述のようにタング6のラッチが解除される。このとき、イジェクタ14が左限位置に向かって左方へ移動するので、イジェクタ14の摺動部材作動部材14cが摺動部材19の第1被押圧部19fに当接してこの第1被押圧部19fを左方へ押圧する。したがって、イジェクタ14は摺動部材19をともなって左方へ移動する。そして、図2および図4(a)に示すようにイジェクタ14が左限位置になった状態では、接点18の第1端子18aが再びスイッチ片20に当接しているとともに、接点18の第2端子18bが再びスイッチ片21に当接している。その場合、接点18はスイッチ片22に当接していない。このようにして、バックルスイッチ15がタング6のラッチ状態からタング6の非ラッチ状態に切り替わることによりタング6のバックル7からの非ラッチが検出される。
ところで、摺動部材19が左右方向に移動するとき基板17の幅方向(摺動部材19の摺動方向と直交またはほぼ直交する方向)に偏倚すると、その偏倚方向に応じて第1被ガイド部19bおよび第3被ガイド部19dと、第2被ガイド部19cおよび第4被ガイド部19eとのいずれか一方が、それぞれ基板固定部材16および基板17に接近する。このとき、前述のように間隙c2が間隙c1より小さく設定されているので、摺動部材19の偏倚方向によって第3被ガイド部19dの第1被ガイド面19d1が基板固定部材16の
第1ガイド面16aに当接するか、あるいは、第4被ガイド部19eの第2被ガイド面19e1が基板固定部材16の第2ガイド面16bに当接する。しかし、摺動部材19の第
1および第2被ガイド部19b,19cの面19b1,19c1は、いずれも対応する基板1
7の側面17a,17bに当接しない。すなわち、第3および第4被ガイド部19d,19eは、摺動部材19の第1および第2被ガイド部19b,19cの面19b1,19c1を、いずれも対応する基板17の側面17a,17bに当接させない。
そして、基板固定部材16が樹脂成形加工により形成されることから、基板固定部材16の第1および第2ガイド両面16a,16bは表面粗さが小さく比較的滑らかであると
ともにばりが発生していない。したがって、摺動部材19の第1および第2被ガイド面19d1,e1が、対応する基板固定部材16の第1および第2ガイド面16a,16bに当接して摺動しても接点18が取り付けられた摺動部材19は安定してスムーズに移動するようになる。これにより、接点18は各スイッチ片20,21,22に対してスムーズに切り替えられるようになる。
この例のバックル7によれば、バックルスイッチ15の各スイッチ片20,21,22を有する基板17が、樹脂成形加工により形成された基板固定部材16に固定される。また、接点18が取り付けられた摺動部材19が基板17に摺動可能に配設される。更に、摺動部材19が基板17に対して摺動部材19の摺動方向と直交またはほぼ直交する方向に偏倚したとき、基板固定部材16に当接して摺動部材19を基板17の両側面17a,1
7bに当接させない第3および第4被ガイド部19d,19eが摺動部材19に設けられ
る。したがって、摺動部材19の第3および第4被ガイド部19d,19eの面19d1,
19e1が、対応する基板固定部材16の第1および第2ガイド面16a,16bに当接して摺動しても、基板固定部材16の第1および第2面16a,16bが樹脂成形により滑
らかであるので、摺動部材19を安定してスムーズに移動させることができる。これにより、摺動部材19に取り付けられた接点18を各スイッチ片20,21,22に対してスムーズに切り替えることが可能となる。その結果、基板17の厳密な製造工程管理を不要にでき、このような厳密な製造工程管理に基づくコストの増大を回避することが可能となる。特に、基板固定部材16を樹脂で成形することで容易にかつ安価に形成することが可能となる。
また、この例のシートベルト装置1によれば、前述のように摺動部材19を安定してスムーズに移動させることができるバックル7を備えているので、リトラクタ3等のシートベルト装置1の他の装置やシートベルト装置1の作動に関係する車載の他の装置をより良好に作動制御することが可能となる。
なお、本発明は前述の例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で種々設計変更が可能である。
本発明のバックルおよびシートベルト装置は、自動車その他の交通機関の座席に装備されるシートベルト装置に用いられているとともにタングとバックルとのラッチによって切替作動するバックルスイッチを有するバックルおよびこのバックルを備えるシートベルト装置に好適に利用することができる。
1…シートベルト装置、3…シートベルトリトラクタ、4…シートベルト、6…タング、7…バックル、8…ベース、14…イジェクタ、14c…摺動部材作動部材、15…バックルスイッチ、16…基板固定部材、16a…第1ガイド面、16b…第2ガイド面、17…基板、17a,17b…側面、18…接点、19…摺動部材、19d…第3被ガイド
部、19e第4被ガイド部、19f…第1被押圧部、19g…第2被押圧部、20,21,22…スイッチ片、c1,c2…間隙

Claims (3)

  1. ベースと、
    前記ベースに、タングおよびバックルの非ラッチ時に位置する非作動位置と前記タングおよび前記バックルのラッチ時に位置する作動位置との間で長手方向に摺動可能に設けられ、前記タングの挿入によって前記作動位置へ移動するとともに、前記タングと前記バックルとのラッチ解除時に前記非作動位置へ移動しかつ前記タングを前記バックルから脱出させるイジェクタと、
    前記ベースに設けられたバックルスイッチと、
    を少なくとも備え、
    前記バックルスイッチは、スイッチ片を有する基板、成形加工で形成されるとともに前記基板を固定する基板固定部材、前記基板に摺動可能に配設される摺動部材、および前記摺動部材に前記摺動部材と一体に摺動可能に取り付けられるとともに前記スイッチ片に離接可能な端子を有する接点を少なくとも有し、
    前記摺動部材は、前記基板固定部材に対して所定間隙を有して配設されるとともに、前記摺動部材の摺動方向と直交またはほぼ直交する方向に偏倚したとき、前記基板固定部材のガイド面に当接することで前記摺動部材を前記基板の側面に当接させない被ガイド部を有することを特徴とするバックル。
  2. 前記基板固定部材は樹脂を用いて成形加工されることを特徴とする請求項1に記載のバックル。
  3. 乗員を拘束するシートベルトと、
    前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、
    前記タングが係脱可能にラッチされるとともにバックルスイッチを有するバックルと、を少なくとも備え、
    前記バックルは、請求項1または2に記載のバックルであることを特徴とするシートベルト装置。
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