JP2011091095A - 電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物 - Google Patents

電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】軟磁性フィラー及び熱伝導性フィラーの配合効果が十分に発揮され、電磁波吸収性能と熱伝導性が共に優れた電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】熱可塑性エラストマー、軟磁性フィラー及び熱伝導性フィラーを含む電磁波吸収体。軟磁性フィラーは、平均粒径30〜100μm、アスペクト比5〜100の偏平軟磁性フィラー。熱伝導性フィラーは、平均粒径2〜100μm、アスペクト比5〜100の偏平熱伝導性フィラー。配合フィラーをすべて偏平形状とすることにより、偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラーを成形面に沿って良好に配向させて、偏平軟磁性フィラーによる電磁波吸収性能のみならず、偏平熱伝導性フィラーによる熱伝導性についても良好な性能を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物に係り、特に優れた電磁波吸収性能を有すると共に、熱伝導性にも優れる電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物に関する。
PCや携帯電話などに用いられる電磁波吸収体シートにおいては、高い電磁波吸収性能を有することはもちろんであるが、更には機器内の発熱を円滑に外部へ放出するための高い放熱性と、狭所や異形部位における多様な配材形態に対応するための柔軟性も要求される。
このため、従来、このような電磁波吸収体シートとしては、ゴムや熱可塑性エラストマーなどからなるマトリックス中に、フェライト等の軟磁性粉末よりなる電磁波吸収性フィラーと、熱伝導性付与のためのアルミナ等の熱伝導性フィラーを配合したものが用いられている。また、この軟磁性粉末として、偏平形状のものを用いると、電磁波吸収性能のより一層の向上を図ることができることも知られている(例えば、特許文献1〜4)。
即ち、偏平形状の軟磁性フィラーを用いると、成形過程でこの偏平フィラーが成形面に沿って配向し、これにより球状、針状等の非偏平形状のフィラーを用いる場合に比べて、良好な電磁波吸収性能を得ることができる。
なお、従来において、電磁波吸収フィラーとして偏平軟磁性フィラーを用いることは知られているが、熱伝導性フィラーについては、その形状について多くの検討はなされておらず、特許文献1では、平均球形度が0.61で、アスペクト比が2、平均粒径が2μmのアルミナ粉末を、アスペクト比が2で平均粒径が30μmのNi−Znフェライト粉末と組み合わせて用いた実施例が記載されているが、軟磁性フィラーの配向性を考慮して熱伝導性フィラーの形状を選択したものではなく、また、アスペクト比が2程度のものは偏平フィラーとは言えない。
特開2005−320390号公報 特開2001−310984号公報 特開2002−129019号公報 特開2002−164689号公報
電磁波吸収フィラーとして偏平軟磁性フィラーを用いることにより、その配向性から良好な電磁波吸収性能を得ることができるが、このような偏平軟磁性フィラーと共に、従来の電磁波吸収体で用いられている粒状の熱伝導性フィラーを併用すると、成形過程で偏平軟磁性フィラーの配向が粒状の熱伝導性フィラーにより乱され、成形面に沿ってその偏平面が沿うように配向せず、この結果、所期の電磁波吸収性能を得ることができないという問題があった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、軟磁性フィラー及び熱伝導性フィラーの配合効果が十分に発揮され、電磁波吸収性能と熱伝導性が共に優れた電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物を提供することを目的とする。
[1] 熱可塑性エラストマー、軟磁性フィラー及び熱伝導性フィラーを含む電磁波吸収体において、該軟磁性フィラーが、平均粒径30〜100μmでアスペクト比5〜100の偏平軟磁性フィラーであり、該熱伝導性フィラーが、平均粒径2〜100μmでアスペクト比5〜100の偏平熱伝導性フィラーであることを特徴とする電磁波吸収体。
[2] [1]において、該偏平軟磁性フィラーの含有量が20〜60体積%であり、該偏平熱伝導性フィラーの含有量が1〜30体積%であることを特徴とする電磁波吸収体。
[3] [1]又は[2]において、該偏平軟磁性フィラーがFe−Si−Al合金を含むことを特徴とする電磁波吸収体。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、該熱可塑性エラストマーが塩素化ポリエチレンエラストマーであることを特徴とする電磁波吸収体。
[5] 熱可塑性エラストマー、軟磁性フィラー及び熱伝導性フィラーを含む電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物において、該軟磁性フィラーが、平均粒径30〜100μmでアスペクト比5〜100の偏平軟磁性フィラーであり、該熱伝導性フィラーが、平均粒径2〜100μmでアスペクト比5〜100の偏平熱伝導性フィラーであることを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
[6] [5]において、該偏平軟磁性フィラーの含有量が20〜60体積%であり、該偏平熱伝導性フィラーの含有量が1〜30体積%であることを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
[7] [5]又は[6]において、該偏平軟磁性フィラーがFe−Si−Al合金を含むことを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
[8] [5]ないし[7]のいずれかにおいて、該熱可塑性エラストマーが塩素化ポリエチレン系エラストマーであることを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
[9] [5]ないし[8]のいずれかにおいて、熱可塑性エラストマーと、偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラーを混合してなることを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
[10] [5]ないし[9]のいずれかに記載の電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物を用いて、プレス成形法、ロール成形法、塗工法、又は印刷法により製造されることを特徴とする電磁波吸収体。
[11] [1]ないし[4]のいずれか又は[10]において、シート状であることを特徴とする電磁波吸収体。
本発明においては、所定の形状の偏平軟磁性フィラーに対して、所定の形状の偏平熱伝導性フィラーを併用し、このように配合するフィラーをすべて偏平形状とすることにより、偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラーを成形面に沿って良好に配向させて、偏平軟磁性フィラーによる電磁波吸収性能のみならず、偏平熱伝導性フィラーによる熱伝導性についても良好な性能を得ることができる。
即ち、本発明では、偏平軟磁性フィラーに対して、偏平形状の熱伝導性フィラーを併用するため、偏平軟磁性フィラーの配向が乱れることがなく、良好な電磁波吸収性能を得ることができる。
また、熱伝導性フィラーについても偏平形状のものを用いるため、この偏平熱伝導性フィラーも偏平軟磁性フィラーと同様に配向し、偏平熱伝導性フィラー同士の相互作用で良好な熱伝導性が得られる。
本発明において、偏平軟磁性フィラーの含有量は20〜60体積%であることが好ましく、偏平熱伝導性フィラーの含有量は1〜30体積%であることが好ましい(請求項2,6)。
また、偏平軟磁性フィラーとしては、Fe−Si−Al合金が好ましい(請求項3,7)。
また、熱可塑性エラストマーとしては、塩素化ポリエチレンエラストマーが好適である。
本発明の電磁波吸収体は、プレス成形法、ロール成形法、塗工法、又は印刷法により得られることが好ましく(請求項10)、特にシート状に成形されてPCや携帯電話等に好適に用いられる(請求項11)。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[熱可塑性エラストマー]
本発明において、熱可塑性エラストマーとしては特に制限はなく、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン等の各種の熱可塑性エラストマーを用いることができ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
本発明においては、これらの熱可塑性エラストマーのうち、特に、耐候性、耐焔性、耐熱老化性に優れる上に、フィラーの高充填性に優れ、偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラーを大量に配合した上で、優れた成形性を得ることができることから、塩素化ポリエチレンエラストマーを用いることが好ましい。
塩素化ポリエチレンエラストマーは、ポリエチレンの粉末又は粒子を水性懸濁液中で塩素化するか、あるいは有機溶媒中に溶解させたポリエチレンを塩素化することによって得られるものであるが、前者の方法によって得られるものが望ましい。該塩素化ポリエチレンの塩素含有量は、一般に20〜50重量%であり、特に25〜45重量%が好ましい。塩素含有量が20重量%未満では残存結晶が多く、柔軟な電磁波吸収体が得られない。また、50重量%を超えるとゴム弾性が乏しくなり柔軟な電磁波吸収体は得られない。
なお、塩素化ポリエチレンエラストマーのポリエチレンは、エチレンの単独重合体又はエチレンと10重量%以下のα−オレフィン(通常炭素数12以下のα−オレフィン)との共重合体であり、その密度は一般に0.910〜0.970g/cmであり、またその分子量は5万〜70万程度である。
なお、本発明においては、塩素化ポリエチレン等の熱可塑性エラストマーのみを使用してもよいが、塩素化ポリエチレン等の熱可塑性エラストマーと相溶性のある他種のゴムをブレンドして用いてもよい。この場合、併用し得るゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエン三元系共重合ゴム(EPDM)、クロロプレン系ゴム、エチレン酢酸ビニール、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ウレタン系ゴムなどがあり、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらのゴムを用いる場合、その配合量としては、熱可塑性エラストマー100重量部に対して100重量部以下が好ましい。
なお、本発明の電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物において、上述の熱可塑性エラストマー及び必要に応じて用いられるゴム成分の含有量は、その合計で40〜90体積%、特に45〜80体積%であることが好ましい。
[偏平軟磁性フィラー]
偏平軟磁性フィラーの軟磁性材料としては特に制限はなく、鉄、Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Fe−Cr合金、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−Cr−Si合金、Fe−Cr−Al合金、Fe−Si−Al合金等の鉄合金、Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Cu−Znフェライト、Mg−Mn−Srフェライト、Ni−Znフェライト等のフェライト系物質などの電磁波吸収特性を有する材料を用いることができる。
これらのうち、特に、磁気特性に優れたFe−Si−Al合金(センダスト)が好適である。
本発明で用いる偏平軟磁性フィラーは、このような軟磁性材料よりなる平均粒径30〜100μmでアスペクト比が5〜100の偏平形状のものである。
なお、本発明において「偏平形状」とは、鱗片状、フレーク状、フィルム状ないしは板状の小片を指し、また、粒径とは、このような偏平形状のフィラーを2枚の平行な板で挟んだときに、この2枚の平行な板の間隔が最も大きくなる部分の径をさす。しかして、「平均粒径」とは、レーザー回折法により測定した平均粒径D50(μm)をさす。
また、「アスペクト比」とは、この平均粒径を、偏平形状のフィラーの厚さに相当する長さの平均値で除した値であり、フィラーの厚さとは、偏平形状のフィラーを2枚の平行な板で挟んだときに、この2枚の平行な板の間隔が最も小さくなる部分の長さをさし、その平均値とは、通常50個程度のフィラーについて、厚さを測定したときの測定値の平均値をさす。
偏平フィラーの厚さは、例えばフィラーの顕微鏡観察により測定することができる。また、成形された電磁波吸収体中のフィラーの粒径及び厚さは、フィラーを所定の方向に切断し、その切断面に表出したフィラーについて粒径及び厚さを測定することにより求めることができる。
本発明において、偏平フィラーの平均粒径及びアスペクト比は、電磁波吸収体中に含まれるフィラーの値をさすが、通常、本発明で用いる偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラーは、その材質、形状及び粒径から、組成物の混練、成形過程で大きく損傷することは殆どないため、一般的には、組成物の調製に用いる偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラーの平均粒径及びアスペクト比をもって、電磁波吸収体中の平均粒径及びアスペクト比とすることができる。
本発明で用いる偏平軟磁性フィラーの平均粒径が上記範囲よりも大きいと、成形性が損なわれるおそれがあり、上記範囲よりも小さいと、配向による優れた電磁波吸収性能が得られにくくなる。
また、この偏平軟磁性フィラーのアスペクト比が上記範囲よりも小さいと、偏平形状のフィラーの配向による優れた電磁波吸収性能を得ることができず、上記範囲よりも大きいと、厚さが薄くなりすぎ、混練、成形過程でフィラーが損傷を受けて良好な偏平形状を維持し得なくなるおそれがある。
偏平軟磁性フィラーの平均粒径は好ましくは40〜100μmであり、アスペクト比は好ましくは10〜100である。
このような偏平軟磁性フィラーの配合割合は、本発明の電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物中、20〜60体積%であることが好ましく、特に25〜55体積%であることが好ましい。偏平軟磁性フィラーの配合量が上記範囲より少ないと、偏平軟磁性フィラーを配合したことによる電磁波吸収性能を十分に得ることができず、上記範囲よりも多いと熱可塑性エラストマーが少な過ぎることにより成形性が損なわれたり、偏平熱伝導性フィラーが少ないことによる十分な熱伝導性を得ることができなくなる。
なお、本発明の電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物において、熱可塑性エラストマー、偏平軟磁性フィラー、偏平熱伝導性フィラーの配合量は、この電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物が溶剤を含む場合、溶剤を除く、全固形分基準での配合量をいう。
本発明において、偏平軟磁性フィラーは、1種を単独で用いても良く、平均粒径やアスペクト比、軟磁性材料の異なるものの2種以上を組み合わせて用いても良い。
[偏平熱伝導性フィラー]
偏平熱伝導性フィラーの熱伝導材料としては、例えば、銅、アルミニウム、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素などの熱伝導性を有する材料が用いられる。
これらのうち、特に、熱伝導性、電気絶縁性に優れ、化学的に安定であることから、アルミナが好ましい。
本発明で用いる偏平熱伝導性フィラーは、このような熱伝導材料よりなる平均粒径2〜100μmでアスペクト比が5〜100の偏平形状のものである。
本発明で用いる偏平熱伝導性フィラーの平均粒径が上記範囲よりも大きいと、成形性、熱伝導性が損なわれるおそれがあり、上記範囲よりも小さいと、熱可塑性エラストマーに対して高充填率で配合することが困難となり、また、配向による優れた熱伝導性能が得られにくくなる。
また、この偏平熱伝導性フィラーのアスペクト比が上記範囲よりも小さいと、偏平軟磁性フィラーの配向を乱すようになり、偏平軟磁性フィラーによる電磁波吸収性能を十分に得ることができず、また、偏平軟磁性フィラーによる熱伝導性付与効果も小さいものとなり、上記範囲よりも大きいと、厚さが薄くなりすぎ、混練、成形過程でフィラーが損傷を受けて良好な偏平形状を維持し得なくなるおそれがある。
偏平熱伝導性フィラーの平均粒径は好ましくは5〜100μmであり、アスペクト比は好ましくは10〜100である。
なお、本発明において、偏平軟磁性フィラーは平均粒径30〜100μmでアスペクト比5〜100、偏平熱伝導性フィラーは平均粒径2〜100μmでアスペクト比5〜100である。偏平軟磁性フィラーと偏平熱伝導性フィラーは、平均粒径及びアスペクト比がほぼ同程度であることが好ましく、このことにより、シート内の扁平軟磁性フィラーの配向が乱れにくいため、電磁波吸収性能を十分に得ることができる。
このような偏平熱伝導性フィラーの配合割合は、本発明の電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物中、1〜30体積%であることが好ましく、特に5〜30体積%であることが好ましい。偏平熱伝導性フィラーの配合量が上記範囲より少ないと、偏平熱伝導性フィラーを配合したことによる熱伝導性を十分に得ることができず、上記範囲よりも多いと熱可塑性エラストマーが少な過ぎることにより成形性が損なわれたり、偏平軟磁性フィラーが少ないことにより十分な電磁波吸収性能を得ることができなくなる。
なお、偏平熱伝導性フィラーは、1種を単独で用いても良く、平均粒径やアスペクト比、熱伝導性材料の異なるものの2種以上を組み合わせて用いても良い。
[その他の成分]
本発明の電磁波吸収体及び電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物は、前述の熱可塑性エラストマー、偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラー以外に必要に応じて、この種の材料に配合される難燃剤、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、強化剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の添加剤を含んでいても良い。
[製造方法]
本発明の電磁波吸収体は、熱可塑性エラストマー、偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラー並びに必要に応じて用いられるゴム成分やその他の添加剤の必要量を加熱混練し、これを成形することにより製造することができる。
混練は、この種の組成物の調製に一般に用いられているブラベンダー、オープンロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混合機を使用して行うことができる。また、成形についても通常使用されている押出成形機、射出成形機、圧縮成形機、およびカレンダー成形機のごとき成形機を用いて、所望の形状物に成形したり、ドクターブレード法等により成膜する方法などが挙げられる。
これらのうち、特に偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラーを成形面に沿って配向させて、良好な電磁波吸収性能と熱伝導性を発揮させる点で、熱及び機械的圧力を掛けるプレス法、圧延ロール等によるロール成形法、バーコーターやドクターブレード等の塗工法、フレキソやグラビア等の印刷法が好ましい。
[電磁波吸収体]
本発明の電磁波吸収体は、特に、シート状の電磁波吸収体シートとして工業的に有利に使用することができ、その場合、電磁波吸収体シートの厚さとしては特に制限はないが、通常0.05〜0.5mm程度である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例で用いた配合材料は次の通りである。
<塩素化ポリエチレンエラストマー>
昭和電工(株)製「エラスレン301」(密度:1.12g/cm、塩素含有量:32%)
<偏平軟磁性フィラー>
山陽特殊製鋼(株)製「PST−4−FM60」(平均粒径49μm、アスペクト比23のセンダスト)
<熱伝導性フィラー>
下記表1に示すアルミナフィラー
Figure 2011091095
[実施例1〜5、比較例1〜3]
表2に示す配合で各材料をブラベンダーにより150℃で混練し、圧延ロールにより成形して、100mm×100mm×厚さ0.3mmのシート状サンプルを得た。
各サンプルについて、各々、以下の方法で熱伝導率と電磁波吸収特性を調べ、結果を表2に示した。
<熱伝導率>
京都電子工業(株)製のQTM−500により測定した。
<電磁波吸収率>
マイクロストリップライン上のシートの吸収特性を測定した。吸収率=損失電力/入力電力、シートの大きさは50×50mm、周波数は1GHzとした。
また、混練加工性について、材料の混練作業後、フィラーが均一に分散し、分散性の良い状態を「○」、フィラーが若干凝集し、分散性がやや劣る状態を「△」、フィラーが凝集し、分散性が悪い状態を「×」と評価し、結果を表1に併記した。
分散性が悪いことは、作業性が悪いことを意味する。
Figure 2011091095
表2より次のことが明らかである。
・ 熱伝導性フィラーとして粒径の大きな粒状アルミナを用いた比較例2では、アルミナを添加しない比較例1に比べて、熱伝導率が増加しているが電磁波吸収率が大幅に低下し、目標値0.1を下回ってしまい好ましくない。
・ これに対して、扁平アルミナを用いた実施例1〜5では、熱伝導率が増加し、電磁波吸収率は目標値0.1を満足し良好である。
・ 扁平アルミナを多量に用いた比較例3では、相対的にポリマー成分が少なくなるため混練加工性に劣る。

Claims (11)

  1. 熱可塑性エラストマー、軟磁性フィラー及び熱伝導性フィラーを含む電磁波吸収体において、
    該軟磁性フィラーが、平均粒径30〜100μmでアスペクト比5〜100の偏平軟磁性フィラーであり、該熱伝導性フィラーが、平均粒径2〜100μmでアスペクト比5〜100の偏平熱伝導性フィラーであることを特徴とする電磁波吸収体。
  2. 請求項1において、該偏平軟磁性フィラーの含有量が20〜60体積%であり、該偏平熱伝導性フィラーの含有量が1〜30体積%であることを特徴とする電磁波吸収体。
  3. 請求項1又は2において、該偏平軟磁性フィラーがFe−Si−Al合金を含むことを特徴とする電磁波吸収体。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該熱可塑性エラストマーが塩素化ポリエチレンエラストマーであることを特徴とする電磁波吸収体。
  5. 熱可塑性エラストマー、軟磁性フィラー及び熱伝導性フィラーを含む電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物において、
    該軟磁性フィラーが、平均粒径30〜100μmでアスペクト比5〜100の偏平軟磁性フィラーであり、該熱伝導性フィラーが、平均粒径2〜100μmでアスペクト比5〜100の偏平熱伝導性フィラーであることを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
  6. 請求項5において、該偏平軟磁性フィラーの含有量が20〜60体積%であり、該偏平熱伝導性フィラーの含有量が1〜30体積%であることを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
  7. 請求項5又は6において、該偏平軟磁性フィラーがFe−Si−Al合金を含むことを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、該熱可塑性エラストマーが塩素化ポリエチレン系エラストマーであることを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
  9. 請求項5ないし8のいずれか1項において、熱可塑性エラストマーと、偏平軟磁性フィラー及び偏平熱伝導性フィラーを混合してなることを特徴とする電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物。
  10. 請求項5ないし9のいずれか1項に記載の電磁波吸収・熱伝導性エラストマー組成物を用いて、プレス成形法、ロール成形法、塗工法、又は印刷法により製造されることを特徴とする電磁波吸収体。
  11. 請求項1ないし4のいずれか1項又は請求項10において、シート状であることを特徴とする電磁波吸収体。
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