JP2011088132A - クリアー塗膜の膜厚調整方法、これに用いられるクリアー塗料、及びクリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物 - Google Patents

クリアー塗膜の膜厚調整方法、これに用いられるクリアー塗料、及びクリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物 Download PDF

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【課題】建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われるクリアー塗膜の膜厚調整方法であって、作業者の技量や経験に依存せずに膜厚を調整することが可能であり、耐候性や耐水性に優れた複層塗膜を形成可能なクリアー塗膜の膜厚調整方法を提供すること。
【解決手段】建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われる、クリアー塗膜の膜厚調整方法であって、前記クリアー塗料として、透明樹脂成分と、平均粒径が80μm以上500μm未満であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料を用い、前記クリアー塗料が所定の膜厚で塗布された塗装見本と、前記クリアー塗料が塗布された壁面と、を対比して、前記塗装見本と、前記壁面と、に形成されたクリアー塗膜中の前記有色粒子の密度が略等しくなるようにクリアー塗料を塗布することにより、前記クリアー塗膜の膜厚を調整するクリアー塗膜の膜厚調整方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われる、クリアー塗膜の膜厚調整方法、これに用いられるクリアー塗料、及びクリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物に関する。
従来、建造物の壁面において、被塗物や下塗り塗膜の模様や色合いを維持し、意匠性を高めるためにクリアー塗料が塗布されることがあった。建造物の壁面にクリアー塗料を塗布することにより、日光や風雨に晒される過酷な環境下においても、被塗物表面や下塗り塗膜の劣化を抑制することができ、壁面の意匠性を長期間に亘って維持することができる。
建造物の壁面に塗布されるクリアー塗料は、一般的には、皮膜形成性樹脂と溶媒とからなり、必要に応じて顔料及び染料等の着色剤や有色骨材等を含有している。クリアー塗料に有色骨材を含有させた場合、多彩な美観を有するクリアー塗膜を得ることができ、複数種類の有色骨材を用いれば、御影石、大理石、又は砂岩等の石材に類似した風合いを表現することができる。
一般に、工場等のラインにおいて被塗物を塗装する場合、所定の塗装装置を用いることにより、被塗物に塗布する塗料の塗布量を厳密に管理することが可能である。例えば、特許文献1には、被塗物表面に着色塗料を塗布するに際し、その塗布量に対応する色変化を検知し、その検知情報に基づいて塗布量管理を行うことを特徴とする塗布量管理方法が開示されている。この塗布量管理方法によれば、塗布量管理が精度よく、且つ容易にできるようになり、常に見栄えのよい塗装ができるようになるものとされる。
また、特許文献2には、汲み上げロールが塗料パンから汲み上げた塗料を塗布ロールに転写し、その転写塗料を塗布ロールがリバースコートで金属帯に塗布するロールコーターで、汲み上げロールと塗布ロールの胴長が金属帯の幅より広いものを備えた連続塗装装置において、金属帯を塗装する際、塗布ロールの金属帯と接触しない部位の塗料を所定面積掻き取り、重量を測定することにより金属帯の塗布量を管理することを特徴とする金属帯の連続塗装装置における塗布量管理方法が開示されている。この塗布量管理方法によれば、塗装金属帯に塗膜欠陥を発生させることなく、塗膜厚の設定、変更を短時間に行うことができ、品質向上と原価低減を図ることができるものとされる。
加えて、特許文献3には、被塗物上にほぼ均一に100μm以上の目標乾燥膜厚を有する塗膜を形成する方法において、塗料固形分に対して、着色顔料を0.01容量%から3容量%含有し、且つ白色度85以上の体質顔料を含有してなる塗料を膜厚判定塗料として使用し、且つ下記条件(a)から(c)を満たすように、前記膜厚判定塗料中の前記着色顔料及び体質顔料の含有量を調整することを特徴とする塗膜形成方法が開示されている。
(a)前記膜厚判定塗料と前記被塗物との色差が20以上。
(b)前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚−50)μm未満の乾燥膜厚の塗膜との色差が2以上。
(c)前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚+50)μm超の乾燥膜厚の塗膜との色差が1未満。
特許文献3に記載の塗膜形成方法によれば、塗装領域によって要求される膜厚が異なる被塗物に対しても、各目標乾燥膜厚に応じた塗膜を正確且つ容易に形成することができ、更に異なる膜厚においても色相に差のない塗膜を形成できるものとされる。
特開平10−272405号公報 特開平11−281469号公報 特開2002−066445号公報
しかしながら、建造物に組み込まれた壁面等を塗装する場合は、スプレー、ハケ、ローラー等を用いた塗装手法によって塗装せざるを得ず、特許文献1及び2に記載された塗装装置を用いることはできない。特に、従来、塗料の塗布量管理は、塗料の使用量を記録することで行われていたが、隠蔽率の低いクリアー塗料は、塗料が塗布された部位と塗料が塗布される前の部位の差異を判別することが難しいとされているため、クリアー塗膜が均一に塗布されたか否かを、塗布後に正確に判別することができなかった。また、特許文献3に記載された塗膜形成方法も、膜厚に応じて下地を隠蔽する塗料を用いることが前提であり、クリアー塗料に適用することはできない。したがって、クリアー塗膜の膜厚の調整は、クリアー塗料を被塗物の一方から他方へ順を追って塗布する方法や、作業者がその塗布後の見栄え等による目視で塗布量が適正であるかどうかの判定を行う方法等によって行われており、その仕上がりが作業者の技量や経験に大きく左右されるものであった。
特に上記のような方法によりクリアー塗料を塗布する場合、塗布されたクリアー塗膜の膜厚が、所定の膜厚に満たない可能性、又は被塗物や下塗り塗膜が部分的に露出する可能性がある。このような場合、塗装後の複層塗膜の耐候性や耐水性に問題が生じ、下塗り塗膜等のワレや剥がれが生じるという問題があった。
本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われるクリアー塗膜の膜厚調整方法であって、作業者の技量や経験に依存せずに膜厚を調整することが可能であり、耐候性や耐水性に優れた複層塗膜を形成可能なクリアー塗膜の膜厚調整方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、建造物の壁面に、透明樹脂成分と、好ましくは所定の含有量の有色粒子と、を含むクリアー塗料を、クリアー塗膜に含まれる有色粒子の密度が所定の密度となるように塗布することにより、クリアー塗膜の膜厚を好適に調整できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われる、クリアー塗膜の膜厚調整方法であって、前記クリアー塗料として、透明樹脂成分と、平均粒径が80μm以上500μm未満であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料を用い、前記クリアー塗料が所定の膜厚で塗布された塗装見本と、前記クリアー塗料が塗布された壁面と、を対比して、前記塗装見本と、前記壁面と、に形成されたクリアー塗膜中の前記有色粒子の密度が略等しくなるようにクリアー塗料を塗布することにより、前記クリアー塗膜の膜厚を調整するクリアー塗膜の膜厚調整方法。
ここで、本発明において「建造物の壁面」とは、建造物に組み込まれ、建造物の一部をなす外壁、内壁、軒裏等を指すものとする。即ち、本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法は、新築された建造物を塗装する際や、既存の建造物の壁面の塗り替えを行う際等に好適に行われるものである。
また、「平均粒径」とは、有色粒子の分散液中での粒度分布に基づき、有色粒子の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒径を示す。なお、一般に、上記平均粒径は、レーザー回折装置を用い、レーザー回折法により測定されるものである。特に、本発明において平均粒径に言及する場合、有色粒子100gを100mlの水に分散させ、スターラーで1時間撹拌した後、「SALD−2000」(商品名、レーザー回折装置、島津製作所製)を用い、屈折率1.60−0.1i、測定回数2回、平均回数64回、測定吸光度0.01から0.2の条件で測定される粒径を指すものとする。
更に、「有色粒子」とは、無色透明の粒子以外の粒子を指し、可視光の実質的な吸収又は反射を有する粒子を指す。
また更に、「有色粒子の密度」とは、クリアー塗膜を鉛直方向から観察したときに、単位面積あたりの塗膜に視認できる有色粒子の数を意味するものとし、また「密度が略等しくなる」とは、単位面積あたりの塗膜内に視認できる有色粒子の数が、同一または目視した限りで差があると認めない範囲を意味するものとする。
(2) 前記有色粒子が着色樹脂ビーズである(1)に記載のクリアー塗膜の膜厚調整方法。
(3) 建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われる、クリアー塗膜の膜厚調整方法であって、前記クリアー塗料として、透明樹脂成分と、最大粒径が500μm以上1500μm以下であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料を用い、前記クリアー塗料が所定の膜厚で塗布された塗装見本と、前記クリアー塗料が塗布された壁面と、を対比して、前記塗装見本と、前記壁面と、に形成されたクリアー塗膜中の前記有色粒子の密度が略等しくなるようにクリアー塗料を塗布することにより、前記クリアー塗膜の膜厚を調整するクリアー塗膜の膜厚調整方法。
(4) 前記有色粒子が互いに色相の異なる複数種のカラーマイカ及び/又は骨材である(3)に記載のクリアー塗膜の膜厚調整方法。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載のクリアー塗膜の膜厚調整方法において用いられるクリアー塗料。
(6) 壁面に、透明樹脂成分と、平均粒径が80μm以上500μm未満であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料が塗布され、クリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物であって、(1)又は(2)に記載のクリアー塗膜の膜厚調整方法によって、クリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物。
(7) 壁面に、透明樹脂成分と、最大粒径が500μm以上1500μm以下であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料が塗布され、クリアー塗料の膜厚が調整された壁面を有する建造物であって、前記クリアー塗料の塗布に先立って、前記クリアー塗料で使用される少なくとも一種の有色粒子の着色に用いられる着色剤の色相とは異なる色相を有する着色剤を含有する下塗り塗料が塗布され、(3)又は(4)に記載のクリアー塗料の膜厚調整方法によって、クリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物。
本発明によれば、クリアー塗料に所定の粒径の有色粒子を含有させたので、この有色粒子が、クリアー塗膜中において所定の密度となるようにクリアー塗料を塗布することにより、クリアー塗膜の膜厚の調整を作業者の技量や経験に依存せずに行うことができる。このため、膜厚のムラなくクリアー塗膜を形成することができ、クリアー塗膜が形成された被塗物の耐候性や耐水性を向上させることができる。
また、クリアー塗料に含まれる有色粒子の粒径及び含有量を所定のものとする場合、クリアー塗膜による下塗り塗膜の隠蔽率が低く抑えられるため、膜厚変化による塗装外観の変化量が大きくなり、クリアー塗膜の膜厚の調整を好適に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<<第一の実施形態>>
まず、本発明の第一の実施形態について詳細に説明する。
<クリアー塗料>
本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法において用いられる本発明のクリアー塗料は、透明樹脂成分と、平均粒子径が80μm以上500μm未満であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むものである。
ここで、クリアー塗料とは、塗装物の最上層に設けられるクリアー塗膜を形成するために用いられる塗料であって、実質的に着色顔料を含有せず、被塗物表面や下塗り塗膜の劣化を抑制し、壁面の意匠性を長期間に亘って維持することを目的として塗布される塗膜である。
なお、本発明において、クリアー塗料が実質的に着色顔料を含有しないとは、具体的には塗料中の顔料の濃度が5質量%以下であることを意味するものとする。
一般にクリアー塗膜は、被塗物や下塗り塗膜の色彩や模様による塗装物の外観に影響を与えないことが求められるため、クリアー塗膜による下地の隠蔽率が、50%以下となることが好ましく、30%以下となることが更に好ましい。
この隠蔽率とは、JIS K5600−4−1 方法B(隠蔽率試験紙)に基づき測定することができる。即ち、各試験塗料を、10ミルドクターブレード(膜厚250μm)で隠蔽率試験紙に塗布し、乾燥したものを隠蔽率測定用サンプルとした。隠蔽率の計算は、隠蔽率試験紙の白部及び黒部上の4以上の箇所で各塗布済み隠蔽率試験紙の三刺激値を色彩色差計(ミノルタCR−300)を用いて測定し、平均の三刺激値Y(白部上)、Y(黒部上)を計算した。それらの値から、各試験塗料の隠蔽率Y/Yを計算した。
[透明樹脂成分]
クリアー塗料に含まれる透明樹脂成分としては、当該樹脂成分のみを塗布して形成させた塗膜体が透明となる樹脂成分であって、有色粒子等を含有させられるものであれば特に限定されるものではなく、エマルションタイプの樹脂成分であってもよい。具体的には、アクリル樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリルエマルション樹脂、及びシリコン変性アクリルエマルション樹脂等を挙げることができる。
透明樹脂成分として含まれる樹脂は、数平均分子量が、7,000以上200,000以下であることが好ましく、15,000以上80,000以下であることが更に好ましい。数平均分子量が上記範囲内のものであることにより、適度な強度のクリアー塗膜を形成することができる。
本発明のクリアー塗料においては、透明樹脂成分の含有量が、クリアー塗料全体に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上60質量%以下であることが更に好ましい。透明樹脂成分の含有量が上記範囲内のものであることにより、クリアー塗料の塗布性を良好に保ちつつ、塗布後の皮膜量を十分なものとすることができる。これにより、形成される複層塗膜の耐候性・耐水性を十分なものとすることができる。
また、本発明のクリアー塗料には、上記透明樹脂成分に加えて、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、エポキシ化合物又はエポキシ樹脂、カルボキシル基含有化合物又はカルボキシル基含有樹脂、及び酸無水物等の硬化剤を含有させることができる。硬化剤を含有させることにより、硬度の高いクリアー塗膜を形成することができる。
[有色粒子]
本発明のクリアー塗料は、有色粒子を含む。ここで、上述したとおり、「有色粒子」とは、無色透明の粒子以外の粒子を指し、可視光の実質的な吸収又は反射を有する粒子を指す。
有色粒子としては、具体的には、着色樹脂ビーズ、骨材、及びカラーマイカを挙げることができる。本実施形態においては、これらの中でも、塗膜に意匠感の変化を与えにくいことから、着色樹脂ビーズを用いることが好ましい。なお、上記有色粒子としては、上記着色樹脂ビーズに、骨材及びカラーマイカを適宜組み合わせてもよいが、クリアー塗料中の有色粒子として、着色樹脂ビーズのみを用いることが好ましい。いずれにしても、着色樹脂ビーズも、着色樹脂ビーズ以外の有色粒子も、膜厚差の識別性を与えつつ意匠感の変化を防止できることから、平均粒径が80μm以上500μm未満であることが好ましく、平均粒径が80μm以上150μm以下であることがより好ましい。
(着色樹脂ビーズ)
上記着色樹脂ビーズとは、有機樹脂を着色剤で着色して、球状に成形したものである。着色樹脂ビーズを構成する有機樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、及びポリカーボネート樹脂等を用いることができる。また、着色樹脂ビーズを着色するための着色剤としては、特に限定されず、着色顔料及び染料のいずれをも用いることができる。
着色顔料としては、酸化チタン等の白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、及びアニリンブラック等の黒色顔料;黄色酸化鉄、チタンイエロー、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、及びパーマネントイエロー等の黄色顔料;パーマネントオレンジ等の橙色顔料;赤色酸化鉄、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、及びパーマネントレッド等の赤色顔料;コバルト紫、キナクリドンバイオレット、及びジオキサジンバイオレット等の紫色顔料;コバルトブルー、フタロシアニンブルー、及びスレンブルー等の青色顔料;並びにフロシアニングリーン等の緑色顔料等を挙げることができる。
染料としては、モノアゾ染料、ポリアゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、スチルベンゾアゾ染料、及びチアゾールアゾ染料等のアゾ染料;アントラキノン誘導体及びアントロン誘導体等のアントラキノ染料;インディゴ誘導体及びチオインディゴ誘導体等のインディゴイド染料;フロシアニン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、及びアクリジン染料等のカルボニウム染料;アジン染料、オキサジン染料、及びチアジン染料等のキノンイミン染料;ポリメチン(又はシアニン)染料及びアジメチン染料等のメチン染料;キノリン染料;ニトロ染料;ニトロン染料;ベンゾキノン及びナフチキノン染料;ナフタルイミド染料;並びにペリノン染料等を挙げることができる。
これらの着色顔料及び染料は、必要に応じて単独で、又は二種以上を併用して用いることができる。なお、二種以上の着色剤を併用する場合は、種々の色相の下塗り塗膜に対して適用できるとの観点から、互いに色相の異なる着色剤を用いることが好ましい。ここで着色剤の色相が互いに異なるとは、それぞれの着色剤を単独で80質量%含む塗膜(乾燥膜厚 100μm)を作製した場合、異なる二種の塗膜における色差ΔEの値が、少なくとも1つ以上の組み合わせにおいて1以上であることを意味する。なお、ここでいう色差ΔEとは、二種の塗膜をそれぞれ測色した場合に得られた(L 、a 、b )及び(L 、a 、b )を使用して、ΔE=[(L −L +(a −a +(b −b 1/2の式により算出された数値である。色差は分光測色計(製品名「CM−512M3」、コニカミノルタ株式会社製)により測定することができる。
なお、着色樹脂ビーズとしては、市販されているものを入手して用いてもよい。そのような市販品としては、具体的には、「タフチックAR650ML」(商品名、平均粒径80μm、東洋紡績株式会社製)、「タフチックAR650L」(商品名、平均粒径100μm、東洋紡績株式会社製)、「タフチックAR650LX」(商品名、平均粒径130μm、東洋紡績株式会社製)、及び「タフチックAR650LL」(商品名、平均粒径150μm、東洋紡績株式会社製)を挙げることができる。
(骨材)
有色粒子である骨材としては、透明感の高い骨材から隠蔽力の高い骨材、光沢のある骨材から光沢のない骨材まで、種々の骨材が存在する。本発明において、有色粒子として使用可能な骨材としては、ホタル石、石灰石、砂岩、玄武岩、火山石、軽石、珪藻土、シリカ、珪砂、石英、陶磁器粉砕物、炭酸カルシウム粉砕物、雲母片、アルミナ、ガラス片、鉄片、ニッケル片、ステンレス片、及びアルミニウム片等を挙げることができる。本発明のクリアー塗料には、単独の骨材を含有させてもよく、複数種の骨材を含有させてもよい。
(カラーマイカ)
有色粒子であるカラーマイカとは、着色された塗料組成物でマイカを被覆したものである。ここで、マイカの着色に用いられる塗料組成物は樹脂成分と着色剤とを含む。前記樹脂成分としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリルエマルション樹脂、及びシリコン変性アクリルエマルション樹脂等を用いることができる。
また、マイカの着色に用いられる塗料組成物に含有される着色剤としては、上述した着色樹脂ビーズの着色に用いられる着色剤と同様の着色剤を挙げることができる。なお、カラーマイカとしては、市販されているものを入手して用いてもよい。
(有色粒子の平均粒径)
本実施形態のクリアー塗料における有色粒子は、平均粒径が80μm以上500μm未満である。有色粒子の平均粒径が80μm未満である場合、クリアー塗膜中における有色粒子の識別性が低下し、本実施形態のクリアー塗膜の膜厚調整方法を実施することが困難となる可能性がある。一方、有色粒子の平均粒径が500μm以上となる場合、着色樹脂ビーズの視認が非常に容易となって、塗膜の意匠性に影響を与える可能性がある。なお、平均粒径が80μm以上500μm未満の有色粒子を用いることにより、本実施形態のクリアー塗料から得られる塗膜を近接した位置から観察した場合には、クリアー塗膜中の有色粒子が視認可能となり、有色粒子の密度の変化から膜厚の管理を容易に行うことができる一方で、所定の距離以上離れて観察した場合には、クリアー塗膜中の有色粒子が視認することができなくなって、複層塗膜の意匠性に影響を与えないものとすることができる。
(有色粒子の含有量)
本発明のクリアー塗料における有色粒子の含有量は、塗料全体に対する含有量が0.2質量%以上5質量%以下である。有色粒子の含有量が、0.2質量%未満である場合、クリアー塗膜の膜厚に対する有色粒子の密度の変化量が小さなものとなり、本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法を好適に実施することができない可能性がある。一方、有色粒子の含有量が5質量%を超える場合、クリアー塗膜による下地の隠蔽率が高くなりすぎる可能性があり、有色粒子の密度による膜厚判定が困難となる可能性がある。
(異なる色相を有する有色粒子)
本発明のクリアー塗料には、異なる色相を有する複数種の有色粒子を含有させてもよい。異なる色相を有する複数種の有色粒子を含有させることにより、下塗り塗膜の色相の違いによって、異なる色相の有色粒子を有するクリアー塗料を別途用意する必要が無く、本発明のクリアー塗料の汎用性を高めることができる。本発明のクリアー塗料には、異なる色相を有する二種以上の有色粒子を含有させることが好ましく、異なる色相を有する三種以上の有色粒子を含有させることが更に好ましい。
[溶剤]
クリアー塗料としては、溶剤系のクリアー塗料や水系のクリアー塗料が知られており、本発明のクリアー塗料に用いられる溶媒は、本発明のクリアー塗料をいずれの系のクリアー塗料とするかによって適宜選択して用いればよい。本発明のクリアー塗料に使用できる溶媒としては、一般に塗料に使用できる溶媒であれば特に限定されるものではないが、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル及び酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン類;イソプロピルアルコール及びブチルアルコール等のアルコール;各種の脂肪族炭化水素類;グリコールエーテル;並びに水等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
[その他の成分]
本発明のクリアー塗料は、上記の成分に加え、ポリアクリル酸等の増粘剤、ブチルセロソルブ、テキサノール等の造膜補助剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、着色剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、及び消泡剤等、その他の成分を含有していてもよい。ここで、着色剤としては、上述の着色樹脂ビーズに用いられる着色剤と同等のものを用いることができる。
なお、本実施形態のクリアー塗料は、有色粒子として平均粒径が80μm以上の有色粒子を含有すれば、クリアー塗料の膜厚調整方法を実施することができるが、本実施形態のクリアー塗料は、有色粒子として平均粒径が80μm以上500μm未満の有色粒子のみを含有する場合において、特に塗膜の意匠性に影響を与えずにクリアー塗料の膜厚調整方法を好適に実施することができる。即ち、従来、有色粒子を含有しないクリアー塗料を用いてクリアー塗膜の膜厚を調整する場合、塗料の使用量を記録し、クリアー塗料を被塗物の一方から他方へ順を追って塗布する方法や、作業者がその塗布後の見栄え(例えば、クリアー塗膜が乾燥する前の光の反射の度合い)等により塗布量が適正であるかどうかの判定を行う方法によらなければ、クリアー塗膜の膜厚を調整することができなかった。このため、従来、特に有色粒子を含有しないクリアー塗料の膜厚の調整は、作業者の技量や経験に大きく左右されるものであった。本実施形態においては、クリアー塗料に有色粒子を含有させることにより、クリアー塗膜の膜厚の調整を好適に行うことができるようになる。特に、クリアー塗料中の有色粒子として上記所定の平均粒径を有する有色粒子のみを用いることにより、塗装後のクリアー塗膜の外観に大きな影響を与えることなく、意匠性に優れたクリアー塗膜を形成することができる。
<クリアー塗膜の膜厚調整方法>
本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法は、建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われる方法であって、建造物の壁面に、透明樹脂成分と、所定の有色粒子と、を含む上記クリアー塗料を、クリアー塗膜に含まれる有色粒子の密度が所定の密度となるように塗布することにより、クリアー塗膜の膜厚を調整する方法である。
[建造物の壁面]
建造物の壁面を構成する素材としては、従来、建材として用いられているものであれば特に限定されないが、具体的には、磁器、タイル、コンクリート、モルタル、サイディングボード、押出成形板、石膏ボード、及びプラスティックボード等を挙げることができる。
[塗装方法]
本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法は、上記建造物の壁面に、特にスプレー、ハケ、ローラー等を用いて塗装を行う際に実施されるものである。即ち、建造物に組み込まれた壁面等を塗装する場合、工場等の塗装ラインで用いられるような大掛かりな塗装装置を利用することができない。このため、塗装装置を用いたクリアー塗膜の膜厚の調整を行うことができないので、これに代わって本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法を実施するものである。
[膜厚の調整]
本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法においては、建造物の壁面に、本発明のクリアー塗料を、クリアー塗膜に含まれる有色粒子の密度が所定の密度となるように塗布することにより、クリアー塗膜の膜厚を調整する。
クリアー塗膜に含まれる有色粒子の密度が所定の密度となるように塗布する方法としては、例えば、クリアー塗料に含まれる有色粒子の含有量から、所定の膜厚における有色粒子の密度を算出し、この算出された密度に達するまでクリアー塗料を塗布する方法;クリアー塗膜中に含まれる有色粒子の密度を測定する計器を用い、これにより測定される密度が所定の密度に達するまでクリアー塗料を塗布する方法;及び、クリアー塗料が所定の膜厚で塗布された塗装見本と、クリアー塗料が塗布される壁面と、を対比して、塗装見本と、壁面と、に形成されたクリアー塗膜中の有色粒子の密度が略等しくなるようにクリアー塗料を塗布する方法等を挙げることができる。しかしながら、本発明においては、クリアー塗料が所定の膜厚で塗布された塗装見本と、クリアー塗料が塗布される壁面と、を対比して、塗装見本と、壁面と、に形成されたクリアー塗膜中の有色粒子の密度が略等しくなるようにクリアー塗料を塗布する方法を採用することが好ましい。
<建造物>
本発明は、クリアー塗料の塗装に際して、本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法により膜厚を調整されたクリアー塗膜が形成された壁面を有する建造物に関する。本発明においては、上述したクリアー塗料を用いて上記クリアー塗膜の膜厚調整方法を実施するため、建造物に組み込まれた壁面をスプレー、ハケ、ローラー等を用いて塗装した場合であっても、結果として得られた建造物の壁面は均一な膜厚を有するクリアー塗膜が形成されたものとなる。その結果、被塗物表面や下塗り塗膜の耐候性や耐水性が向上することにより、これらの劣化が抑制され、壁面の意匠性を長期間に亘って維持することができる。
[下塗り塗膜]
本実施形態の建造物において、クリアー塗膜の下層に形成される下塗り塗膜を形成するために用いられる下塗り塗料としては、特に限定されるものではなく、建材塗装の分野において従来用いられる下塗り塗料を適宜使用することができる。具体的には、樹脂成分として、アクリル酸エステル−スチレン共重合体系エマルション樹脂、アクリル酸エステル共重合体系エマルション樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルション樹脂、エポキシ系エマルション樹脂、ウレタン系エマルション樹脂等を含む下塗り塗料を使用することができる。
また、下塗り塗料に含有させることができる着色剤としては、上記着色樹脂ビーズの着色に用いることができる顔料及び染料から選ばれる、少なくとも一種の着色剤を使用することができる。下塗り塗料に含有させることができる着色剤は、前記クリアー塗料で使用される少なくとも一種の有色粒子の着色に用いられる着色剤の色相とは異なる色相であることが好ましい。
<<第二の実施形態>>
以下、本発明の第二の実施形態について詳細に説明する。なお、下記の説明に当たっては、第一の実施形態と共通する事項については、その説明を省略することがある。
<クリアー塗料>
本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法において用いられる本発明のクリアー塗料は、透明樹脂成分と、最大粒径が500μm以上1500μm以下であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むものである。
[有色粒子]
本発明のクリアー塗料は、有色粒子を含む。ここで、上述したとおり、「有色粒子」とは、無色透明の粒子以外の粒子を指し、可視光の実質的な吸収又は反射を有する粒子を指す。
有色粒子としては、具体的には、着色樹脂ビーズ、骨材、及びカラーマイカを挙げることができる。本実施形態においては、これらの中でも、塗膜に意匠感を発現させやすいことから、カラーマイカ及び/又は骨材を用いることが好ましい。なお、上記有色粒子としては、上記骨材及び/又は上記カラーマイカに、着色樹脂ビーズを適宜組み合わせてもよいが、クリアー塗料中の有色粒子として、骨材及び/又はカラーマイカのみを用いることが好ましい。クリアー塗料中の有色粒子として、骨材及び/又はカラーマイカを用いることにより、クリアー塗膜が形成された被塗物に、多彩模様を発現させることができる。
(異なる色相を有する有色粒子)
本発明のクリアー塗料には、異なる色相を有する複数種の有色粒子を含有させることが好ましい。異なる色相を有する複数種の有色粒子を含有させることにより、下塗り塗膜の色相の違いによって、異なる色相の有色粒子を有するクリアー塗料を別途用意する必要が無く、本発明のクリアー塗料の汎用性を高めることができる。特に、本実施形態のクリアー塗料を塗布して形成されるクリアー塗膜の下層に形成される下塗り塗膜の色相を変更することにより、当該下塗り塗膜の色相と、クリアー塗膜中の有色粒子の色相との組み合わせに応じた異なる意匠感を発現させることができ、結果として得られる複層塗膜の意匠の多様性を増加させることができる。なお、本発明のクリアー塗料には、異なる色相を有する二種以上の有色粒子を含有させることが好ましく、異なる色相を有する三種以上の有色粒子を含有させることが更に好ましい。ここで有色粒子の色相が互いに異なるとは、それぞれの有色粒子を単独で80質量%含む塗膜(乾燥膜厚 100μm)を作製した場合、異なる二種の塗膜における色差ΔEの値が、少なくとも1つ以上の組み合わせにおいて1以上であることを意味する。
ここで、本発明のクリアー塗料に類似する構成を有する塗料として、有色粒子を含有する下塗り塗料が知られていた(例えば、特開平06−065531号公報を参照)。斯かる下塗り塗料においては、塗料を調製した段階において、有色粒子の色相と、皮膜形成性樹脂の色相との組み合わせが定まったものとなる。このため、求められる意匠感に応じて、異なる種類の下塗り塗料を用意する必要があり、当該下塗り塗料の汎用性が低いものとなっていた。本発明のクリアー塗料は、このような下塗り塗料とは異なり、下塗り塗膜を形成するための下塗り塗料を、色相の異なる下塗り塗料に変更することによって、多種類の意匠を発現することができる。ここで本発明のクリヤー塗料と下塗り塗料との色相が異なるとは、クリヤー塗膜に含まれる少なくとも1つの有色粒子を単独で80質量%含む塗膜(乾燥膜厚100μm)と下塗り塗膜との色差ΔEの値が1以上であることを意味する。
また、従来知られていた上記下塗り塗料は、有色粒子を多量に含むため、形成される塗膜は石材調の意匠感を示す一方、本実施形態に記載のクリアー塗料は多彩模様の意匠感を発現して、上記下塗り塗料から形成される塗膜により得られる外観とは異なった外観を発現するものである。
(有色粒子の最大粒径)
本実施形態のクリアー塗料における有色粒子は、最大粒径が500μm以上1500μm以下である。有色粒子の最大粒径が500μm未満である場合、本実施形態のクリアー塗膜の膜厚調整方法を実施することはできるものの、クリアー塗膜中における有色粒子の識別性が低下し、多彩模様の外観の発現が困難となるおそれがある。一方、有色粒子の最大粒径が1500μmを超える場合、クリアー塗膜の外観に影響を及ぼし、クリアー塗膜の平滑性を低下させるおそれがある。
(カラーマイカの最大粒径)
カラーマイカは、板状の形状を有する粒子からなり、その粒径としては、最大粒径による規定が可能である。ここで、本発明のクリアー塗料におけるカラーマイカは、最大粒径が500μm以上1500μm以下であることが好ましい。カラーマイカの最大粒径が500μm未満である場合、本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法を実施することはできるものの、クリアー塗膜中におけるカラーマイカの識別性が低下するため、多彩模様の外観の発現が困難となるおそれがある。一方、カラーマイカの平均最大粒径が1500μmを超える場合、カラーマイカがクリアー塗膜の平滑性を低下させるおそれがある。
ここで、最大粒径とはふるい分け試験により測定される粒径であって、試料の少なくとも95重量%が通過するふるいのうち、最も目の細かいふるいの目開きの寸法により規定される粒径を指す。特に、本明細書において、最大粒径に言及する場合、ロータップ式振動ふるい機及びJIS Z 8801等の規格により定められたふるいを用いて測定される粒径を指す。
なお、本実施形態のクリアー塗料は、有色粒子として最大粒径が500μm以上1500μm以下の範囲を逸脱する有色粒子を含有したとしても、クリアー塗料の膜厚調整方法を実施することができるが、本実施形態のクリアー塗料は、有色粒子として最大粒径が500μm以上1500μm以下の有色粒子のみを含有する場合において、特にクリアー塗料の膜厚調整方法を好適に実施することができる。
即ち、従来、有色粒子を含有しないクリアー塗料を用いてクリアー塗膜の膜厚を調整する場合、塗料の使用量を記録し、クリアー塗料を被塗物の一方から他方へ順を追って塗布する方法や、作業者がその塗布後の見栄え(例えば、クリアー塗膜が乾燥する前の光の反射の度合い)等により塗布量が適正であるかどうかの判定を行う方法によらなければ、クリアー塗膜の膜厚を調整することができなかった。このため、従来、特に有色粒子を含有しないクリアー塗料の膜厚の調整は、作業者の技量や経験に大きく左右されるものであった。本実施形態においては、クリアー塗料に有色粒子を含有させることにより、クリアー塗膜の膜厚の調整を好適に行うことができるようになる。特に、クリアー塗料中の有色粒子として上記所定の粒径を有する有色粒子のみを用いることにより、クリアー塗膜の塗装後の複層塗膜が多彩模様の意匠感に優れたものとなる。
<クリアー塗膜の膜厚調整方法>
本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法は、建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われる方法であって、建造物の壁面に、透明樹脂成分と、所定の有色粒子と、を含む上記クリアー塗料を、クリアー塗膜に含まれる有色粒子の密度が所定の密度となるように塗布することにより、クリアー塗膜の膜厚を調整する方法である。
<建造物>
本発明は、クリアー塗料の塗装に際して、本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法により膜厚を調整されたクリアー塗膜が形成された壁面を有する建造物に関する。本発明においては、上述したクリアー塗料を用いて、上記クリアー塗膜の膜厚調整方法を実施するため、建造物に組み込まれた壁面をスプレー、ハケ、ローラー等を用いて塗装した場合であっても、結果として得られた建造物の壁面は均一な膜厚を有するクリアー塗膜が形成されたものとなる。この結果、被塗物表面や下塗り塗膜の劣化が抑制され、壁面の意匠性を長期間に亘って維持することができる。
[下塗り塗膜]
本実施形態の建造物において、クリアー塗膜の下層に形成される下塗り塗膜を形成するために用いられる下塗り塗料としては、建材塗装の分野において従来用いられる下塗り塗料を使用することができる。ここで、当該下塗り塗料に含有される樹脂成分としては、特に限定されるものではなく、従来、建材塗装用途の下塗り塗料に用いられているアクリル樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリルエマルション樹脂、及びシリコン変性アクリルエマルション樹脂等を用いることができる。なお、これらの樹脂は、塗料中に10質量%以上80質量%以下の含有量で含有されることが好ましい。
また、下塗り塗料に含有させることができる着色剤としては、上記着色樹脂ビーズの着色に用いることができる顔料から選ばれる、少なくとも一種の着色剤であって、前記クリアー塗料で使用される少なくとも一種の有色粒子の着色に用いられる着色剤の色相とは異なる色相を有する着色剤を含有することが好ましい。このようなクリアー塗料を用いることにより、下層の下塗り塗料の色相を変化させた場合であっても、本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法を好適に実施することができる。
本実施形態の建造物における下塗り塗膜は、ハケ、ローラー、若しくはスプレーにより塗装されたものであることが好ましい。上記下塗り塗料をこのような条件の下で塗装することによって、均一な下塗り塗膜が得られ、本願に規定するクリアー塗料の有色粒子の識別を容易なものとすることができる。
<塗装方法>
また、本発明は、本実施形態のクリアー塗料を用いた塗装方法にも関する。本実施形態の塗装方法においては、本実施形態のクリアー塗料から得られる塗膜の下層に形成される下塗り塗料の色相を変更することにより、本実施形態のクリアー塗膜の膜厚調整方法による効果に加えて、使用する下塗り塗料の色相に応じた、異なる意匠感を有する多彩模様を発現する効果を発揮することができ、本実施形態のクリアー塗料の汎用性を高めることができる。
即ち、本実施形態の塗装方法は、クリアー塗料として、透明樹脂成分と、0.2質量%以上5質量%以下の含有量の有色粒子と、を含むクリアー塗料を用いて、着色顔料を含有する下塗り塗膜の上層にクリアー塗膜を形成する塗装方法であって、上記有色粒子が互いに色相の異なる複数種のカラーマイカ及び/又は骨材であり、好ましくは、上記カラーマイカ及び/又は上記骨材の最大粒径が500μm以上1500μm以下であり、上記下塗り塗膜に含有される上記着色顔料の色相と、複数種の上記カラーマイカの少なくとも一種の色相とが異なり、上記クリアー塗膜が、本実施形態のクリアー塗膜の膜厚調整方法により膜厚が調整されたクリアー塗膜であることを特徴とする塗装方法である。
以下、本発明の実施例について、詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
水100質量部に、透明樹脂成分として「ヨドゾール AD−187」(商品名、アクリルエマルション樹脂、ヘンケルテクノロジーズジャパン社製)を200質量部、有色粒子として「タフチックAR650ML」(商品名、着色樹脂ビーズ、平均粒径80μm、東洋紡績株式会社製)を1.5質量部加えた。これを「TKホモディスパー」(商品名、ディスパー、RPIMIX社製)で10分間撹拌し、クリアー塗料を調製した。塗料全体に対する着色樹脂ビーズの含有量は0.5質量%となった。
<実施例2>
着色樹脂ビーズの添加量を0.6質量部として、塗料全体に対する着色樹脂ビーズの含有量を0.2質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<実施例3>
着色樹脂ビーズの添加量を3.0質量部として、塗料全体に対する着色樹脂ビーズの含有量を1.0質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<実施例4>
有色粒子として「タフチックAR650ML」(商品名、着色樹脂ビーズ、平均粒径80μm、東洋紡績株式会社製)に代えて、「タフチックAR650LL」(商品名、着色樹脂ビーズ、平均粒径150μm、東洋紡績株式会社製)を用いた点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<比較例1>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって平均粒径20μmの着色樹脂ビーズを用い、塗料全体に対する着色樹脂ビーズの含有量を1.0質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<比較例2>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって平均粒径50μmの着色樹脂ビーズを用い、塗料全体に対する着色樹脂ビーズの含有量を1.0質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<実施例5>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって最大粒径500μmのカラーマイカ(ヤマグチマイカ社製、色目;白)を用い、塗料全体に対するカラーマイカの含有量を1.0質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<実施例6>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって最大粒径1000μmのカラーマイカ(ヤマグチマイカ社製、色目;白)を用い、塗料全体に対するカラーマイカの含有量を1.0質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<実施例7>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって最大粒径1500μmのカラーマイカ(ヤマグチマイカ社製、色目;白)を用い塗料全体に対するカラーマイカの含有量を1.0質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<実施例8>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって最大粒径1500μmのカラーマイカ(ヤマグチマイカ社製、色目;白)を用い、塗料全体に対するカラーマイカの含有量を4.9質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<実施例9>
カラーマイカとして、色目が白と黒のもの(いずれもヤマグチマイカ社製、最大粒径500μm)それぞれ0.5質量部を添加した点以外は、実施例5と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。塗料全体に対するカラーマイカの含有量は1.0質量%となった。なお、2種のカラーマイカをそれぞれ単独で80質量%含む塗膜(乾燥膜厚100μm)を作製した場合、両塗膜の色差ΔEは64であった。
<比較例3>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって最大粒径2000μmのカラーマイカ(ヤマグチマイカ社製、色目;白)を用い、塗料全体に対するカラーマイカの含有量を1.0質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<比較例4>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって最大粒径1500μmのカラーマイカ(ヤマグチマイカ社製、色目;白)を用い、塗料全体に対するカラーマイカの含有量を5.5質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<比較例5>
平均粒径100μmの着色樹脂ビーズに代わって最大粒径2000μmのカラーマイカ(ヤマグチマイカ社製、色目;白)を用い、塗料全体に対するカラーマイカの含有量を4.9質量%とした点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
<比較例6>
着色樹脂ビーズを添加しなかった点以外は、実施例1と同様の方法によりクリアー塗料を調製した。
以上の実施例1から8、及び比較例1から6について、用いた有色粒子の平均粒径と含有量について表1に纏めた。
Figure 2011088132
<評価1>
「HS」(商品名、建築塗装用スプレーガン、明治機械製作所製)を用い、7cm×15cmのスレート板に下塗り塗料として「水性カチオンシーラー」(商品名、色相:無色透明、日本ペイント株式会社社製)を用いて下塗り塗膜を形成した。下塗り塗膜を室温で、4時間乾燥させ、実施例1から9、及び比較例1から6のクリアー塗料を、40mg/cm(標準塗布量)の塗装見本板を参照して有色粒子の密度が同等になるように塗布した。塗装後のクリアー塗膜は、室温で、7日間乾燥させて試験板とし、以下の手法・基準に基づいて、耐候性及び耐水性について評価した。
[耐候性]
作製した試験板を、キセノンウェザメーターへ取り付け、3000時間光照射した。その後、試験板表面の60°グロス値を測定し、初期の60°グロス値に対するグロス保持率を求めた。なお60°グロス値は光沢計(micro−TRI−gloss、BYK−Gardner社製)を用いて測定した。
[耐水性]
作製した試験板を40℃の温水に10日間浸漬し、試験板の表面を目視観察して、観察された表面の状態を以下の基準に基づき評価した。
○:ブリスター等の発生が全く認められない
△:ブリスター等の発生が少し認められる
×:ブリスター等の発生が多く認められる
ここでブリスターとは、耐水性の評価後に生じる細かな塗膜の膨れを意味する。
耐候性については80%以上を、耐水性については、○の評価を以って合格とした。以上の結果を表2に示す。
Figure 2011088132
<評価2>
「HS」(商品名、建築塗装用スプレーガン、明治機械製作所製)を用い、16cm×26cmのアート紙に実施例1から9、及び比較例1から6のクリアー塗料を、乾燥皮膜量がそれぞれ52mg/cm(標準塗布量+30%)、48mg/cm(標準塗布量+20%)、44mg/cm(標準塗布量+10%)、40mg/cm(標準塗布量)、36mg/cm(標準塗布量−10%)、32mg/cm(標準塗布量−20%)、及び28mg/cm(標準塗布量−30%)なるように塗布した。塗装後のクリアー塗膜を観察し、2m離れた位置からの観察による意匠感の変化、0.5m離れた位置からの観察による膜厚差の識別性、塗膜の平滑性、及び多彩模様の意匠感の発現の度合いについて、以下の基準で判断した。
[意匠感の変化]
◎:意匠感の変化なく良好
○:ほとんど意匠感の変化なく良好
△:やや意匠感の変化あり
×:意匠感の変化が大きい
[膜厚差の識別性]
◎:標準塗布量での外観と判別が容易
○:標準塗布量での外観と判別が可能
×:標準塗布量での外観と判別不能
[塗膜の平滑性]
◎:目視において、塗膜が平滑であり良好
○:目視において、塗膜がほぼ平滑であり良好
×:目視において、塗膜が平滑でない
[多彩模様の意匠感の発現の度合い]
◎:多彩模様の意匠感が良好に発現
○:多彩模様の意匠感の発現が一応みられる
△:多彩模様の意匠感の発現がやや見られる
×:多彩模様の意匠感の発現が見られない
なお、膜厚差の識別性、意匠感の変化、及び塗膜の平滑性共に、全ての塗布量で○以上の評価で合格とした。以上の結果を表3から5に示す。
Figure 2011088132
Figure 2011088132
Figure 2011088132
<評価3>
「HS」(商品名、建築塗装用スプレーガン、明治機械製作所製)を用い、7cm×15cmのスレート板に下塗り塗料として「水性シリコンセラUV」(商品名、色相:淡彩色ベージュ、もしくはブラウン、いずれも日本ペイント株式会社社製)を用いて下塗り塗膜を形成した。下塗り塗膜を室温で、4時間乾燥させ、それぞれの下塗り塗膜に対し、実施例5もしくは実施例9のクリアー塗料を、評価2と同じ方法で塗布した。塗装後のクリアー塗膜を観察し、0.5m離れた位置からの観察による膜厚差の識別性、及び多彩模様の意匠感の発現の度合いについて、評価2と同一の基準で判断した。実施例5および実施例9で用いたカラーマイカ2種についてそれぞれ単独で80質量%含む塗膜(乾燥膜厚100μm)と、2種の下塗り塗膜との色差ΔEの値を表6に示す。
Figure 2011088132
Figure 2011088132
Figure 2011088132
表2より、本発明のクリアー塗膜の膜厚調整方法により膜厚がクリアー塗膜の膜厚が調整された試験板では、耐候性及び耐水性が良好となっていることが分かる。この結果より、本発明によれば、クリアー塗膜を均一に形成することができ、クリアー塗膜が形成された壁面の耐候性及び耐水性を向上させることができる。また、表3から明らかなように、本発明のクリアー塗料を用いた場合、膜厚差の識別性、及び塗膜の平滑性のいずれにおいても、全ての塗布量において良好な結果が得られている。そして、本発明の第一の実施形態に対応する実施例1から4では、意匠感の変化がほとんど見られないのに対し(表4)、本発明の第二の実施形態に対応する実施例5から9では、多彩模様の意匠感の発現が良好なものとなっている(表5)。なお、この「意匠感の変化」と、「多彩模様の意匠感の発現の度合い」の評価は、互いに相反する関係にあり、実施例5から8においては、意匠感の変化の評価が悪く、実施例1から4においては、多彩模様の意匠感の発現の度合いが悪いものと推測される。有色粒子を2種類含有する実施例9においては、下地塗膜によらず、膜厚差の識別性、多彩模様の意匠感の発現が良好であった(表7、表8)。
以上より、本発明のクリアー塗料を用いることにより、クリアー塗膜の膜厚の調整を容易に行うことができると共に、外観に劣ることなく、意匠性に優れたクリアー塗膜を形成することができる。

Claims (7)

  1. 建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われる、クリアー塗膜の膜厚調整方法であって、
    前記クリアー塗料として、透明樹脂成分と、平均粒径が80μm以上500μm未満であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料を用い、
    前記クリアー塗料が所定の膜厚で塗布された塗装見本と、前記クリアー塗料が塗布された壁面と、を対比して、前記塗装見本と、前記壁面と、に形成されたクリアー塗膜中の前記有色粒子の密度が略等しくなるようにクリアー塗料を塗布することにより、前記クリアー塗膜の膜厚を調整するクリアー塗膜の膜厚調整方法。
  2. 前記有色粒子が着色樹脂ビーズである請求項1に記載のクリアー塗膜の膜厚調整方法。
  3. 建造物の壁面にクリアー塗料を塗布する際に行われる、クリアー塗膜の膜厚調整方法であって、
    前記クリアー塗料として、透明樹脂成分と、最大粒径が500μm以上1500μm以下であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料を用い、
    前記クリアー塗料が所定の膜厚で塗布された塗装見本と、前記クリアー塗料が塗布された壁面と、を対比して、前記塗装見本と、前記壁面と、に形成されたクリアー塗膜中の前記有色粒子の密度が略等しくなるようにクリアー塗料を塗布することにより、前記クリアー塗膜の膜厚を調整するクリアー塗膜の膜厚調整方法。
  4. 前記有色粒子が互いに色相の異なる複数種のカラーマイカ及び/又は骨材である請求項3に記載のクリアー塗膜の膜厚調整方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のクリアー塗膜の膜厚調整方法において用いられるクリアー塗料。
  6. 壁面に、透明樹脂成分と、平均粒径が80μm以上500μm未満であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料が塗布され、クリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物であって、
    請求項1又は2に記載のクリアー塗膜の膜厚調整方法によって、クリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物。
  7. 壁面に、透明樹脂成分と、最大粒径が500μm以上1500μm以下であり、含有量が0.2質量%以上5質量%以下である有色粒子と、を含むクリアー塗料が塗布され、クリアー塗料の膜厚が調整された壁面を有する建造物であって、
    前記クリアー塗料の塗布に先立って、前記クリアー塗料で使用される少なくとも一種の有色粒子の着色に用いられる着色剤の色相とは異なる色相を有する着色剤を含有する下塗り塗料が塗布され、
    請求項3又は4に記載のクリアー塗料の膜厚調整方法によって、クリアー塗膜の膜厚が調整された壁面を有する建造物。
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