JP2011087469A - 果実入り食品素材の製造方法 - Google Patents

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【課題】 原料果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことができる果実入り食品素材の製造方法の提供を図る。
【解決手段】 食材に有機酸及び糖類を添加して加熱することで基材を製造する基材製造工程と、基材に原料果実を投入し所定時間撹拌される混合・撹拌工程と、から成る果実入り食品素材の製造方法を採用する。使用する食材としては、白餡または生クリームその他の乳製品が考え得る。また、添加される有機酸としては、クエン酸やリンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸およびアスコルビン酸のうち選択される少なくとも一種あるいは複数種の混合が考え得る。なお、有機酸の添加量は、食材に対し重量比0.75〜1.0%の割合が望ましい。さらに、投入される原料果実については、果実そのものだけでなく、果実ジャムや果実ピューレとすることが考え得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、果実入り食品素材の製造方法に関し、詳しくは、原料果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことができる果実入り食品素材の製造方法に関するものである。
従来より、食品菓子業界において、食餡の原料となる素材豆の色素の彩やかさを増す手段としては、食紅やクチナシなどの食用色素を用いる方法と、クエン酸などの有機酸を添加する方法などが知られている。しかしながら、食紅やクチナシなどを用いる方法は、添加する食用色素の色合いが限定されるため、素材自体が本来の持つ独特な自然色を忠実に再現することはできないでいた。また、クエン酸を添加する方法においては、赤色系の素材に関しては彩やかさを増すことができるものの、緑色系の素材に関しては、葉緑素が加熱加工中に熱分解されるため、素材となる豆の色素の彩やかさを増大させることは困難であった。
そこで、特開平6−253766号公報(特許文献1)において、食あんにビタミンC(L-アスコルビン酸)を添加して、赤色系、緑色系、白色系の食あんの彩やかさを増す方法として「食あんの製造方法」が提案され、公知技術となっている。
しかしながら、前記特許文献1で提案されている公知技術は、食あんの原料豆自体の色素の彩やかさを増す手段に限定されるもので、果実入り餡などの食あんに混ぜられる果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことができる提案ではなかった。
他方、従来から提案されている食餡の彩やかさを活かす方法として、和菓子においては、「いちご大福」や「栗入りどら焼き」などの果物と餡子を合体した和菓子が考案され、洋菓子においては、色彩り野菜や新鮮果物の本来の甘味や自然色を素材ベースとした見た目にも色鮮やかな「スィーツ菓子」が提供され、若者や女性を中心に人気を集めている。
特開平6−253766号公報
本発明は、上記の状況に鑑み、原料果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことができる果実入り食品素材の製造方法を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明は、原料果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことができる果実入り食品素材の製造方法であって、食材に有機酸及び糖類を添加して加熱することで基材を製造する基材製造工程と、基材に原料果実を投入し一定時間撹拌される混合・撹拌工程と、から成る製造方法を採用している。
また、本発明は、前記基材製造工程において、食材を、白餡または生クリームその他の乳製品とする構成を採用し得る。
さらに、本発明は、前記基材製造工程において、添加される有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸およびアスコルビン酸のうち選択される少なくとも一種あるいは複数種の混合である構成とすることができる。
またさらに、本発明は、前記基材製造工程において、添加される有機酸の添加量が、食材に対し重量比0.75〜1.0%の割合である構成を採ることができる。
そしてまた、本発明は、前記混合・撹拌工程において、投入される原料果実を、果実ジャムまたは果実ピューレとする構成を採用し得る。
本発明の果実入り食品素材の製造方法によれば、白餡や乳製品等に有機酸を0.75〜1.0%(重量比)添加することより、イチゴ、イチジクなどの赤色系の果実はもとより、ブルーベリーや杏等においても、果実の持つ本来の自然色を鮮明に引き出すことができるものである。
また、特にクエン酸を利用したイチゴ白餡や乳製品は、適正なクエン酸濃度で製造することにより、イチゴが本来持つ赤みの色彩が絶妙で、従来にない色鮮やかなイチゴ白餡の提供が図れるものである。
また、クエン酸等の有機酸を使用することによって、特に赤み系の果実の持つ本来の自然色を容易に引き出すことができるので、着色料を使用することなく、自然食品としての風味を保持するとともに、賞味期限の延長も図られるものである。
また、原料果実として使用されるイチゴ、イチジク、ブルーベリー、杏等の果実ジャムまたはピューレ加工品においても、果実の持つ本来の自然色を鮮明に引き出すことができるものである。
本発明にかかる果実入り食品素材の製造工程を示すフローチャートである。 本発明にかかる果実入り食品素材の実験データを示す説明図である。 本発明にかかる果実入り食品素材の実験データを示す説明図である。
本発明は、果実入り食品素材の製造方法において、クエン酸やリンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、アスコルビン酸等からなる有機酸を1種類または複数種類添加することで、原料果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことに成功したことを最大の特徴とする。以下、本発明にかかる果実入り食品素材の製造方法の実施形態を、図面に基き説明する。
尚、本発明にかかる果実入り食品素材の製造方法は、以下に述べる製造工程ならびに実施例に限定されるものではなく、本発明の果実入り食品素材の製造方法の趣旨に逸脱しない範囲で変更することができる。
本発明は、基材製造工程と、混合・撹拌工程と、の2つの工程から構成されている。
まず、基材製造工程においては、食材に有機酸及び糖類を添加して加熱することで、基材が製造される。なお、ここでいう加熱とは、温冷両方が含まれ、詳しくは、熱っする場合のみならず冷却する場合も含まれる。温冷いずれの手段を採るかは、後述する食材の種類によって選択される。
該基材製造工程において用いられる食材については、白餡や生クリーム、その他の乳製品(例えば、カスタードクリームなどの白色系をベースとしたクリーム、プリン等)が考え得られ、果実の自然色を活かすことが可能な淡色系の食材であれば、特に限定するものではない。また、一種類の食材だけでなく、複数種類の食材を混合して用いることも可能である。
また、前記基材製造工程において添加される有機酸については、クエン酸やリンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸およびアスコルビン酸等が考えられる。なお、有機酸の添加に際し、これら種々ある有機酸の中で、一種類のみを食材に添加することもできるし、あるいは、適宜選択された複数種類を混合して添加することも可能である。
添加される有機酸の添加量については、食材に対し重量比0.75〜1.0%の割合とすることが最適である。有機酸添加量が食材に対し0.5%以下であると、後述する混合・撹拌工程において投入される原料果実の自然色を鮮明に引き出すことができず、選択される食材によっては、完成する食品素材が黒ずんでしまう場合もある。また逆に、有機酸添加量が食材に対し1.25%以上であると、該有機酸の影響で味に酸味が強く発揮されてしまうこととなり、食材本来の風味が損なわれ、結果として完成する食品素材が美味しくないものとなってしまう。
次に、混合・撹拌工程においては、上記基材製造工程において完成した基材に対し、原料果実が投入され、所定時間撹拌される。
該混合・撹拌工程において使用される原料果実については、特に限定するものではなく、イチゴやイチジク、ブルーベリー、杏等、種々の果物を使用することが可能である。
原料果実を基材に投入するに際し、果物をそのまま投入することも可能であるが、該果物をジャムやピューレに加工した加工果実を原料果実として基材に投入することが好ましい。すなわち、あらかじめ果物をジャムやピューレに加工しておくことで、基材に果実本来の自然色を鮮明に反映させることが可能であるとともに、基材と原料果実との撹拌がスムーズに行われ、製造時間の短縮に資することとなる。
上記の通り、各工程を経て完成する本発明にかかる果実入り食品素材の製造方法について、以下、具体的な食材を例に説明する。
図1は、食材として白餡、原料果実としてイチゴ(イチゴジャム)を使用して、本実施例にかかる果実入り食品素材(イチゴ白餡)を製造する場合の製造工程を示すフローチャートであり、また、図2は、本実施例の実験データを示す説明図である。
該イチゴ白餡の製造方法は、食材(白餡)に対し有機酸(クエン酸)を添加し、さらに、砂糖と水分が一定の重量比で混合され、所定時間撹拌しつつ加熱し、濃縮が行われる。なお、この時の加熱は、温加熱である。
食材の基本ベースとなる白餡は、白いんげんまたは白小豆を茹でたものを潰して漉し餡としたものである。
なお、本実施例においては、添加される有機酸として、クエン酸を使用した場合について示しているが、クエン酸のみに限らず、リンゴ酸、や乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸及びアスコルビン酸等のうち1種類または複数種類を使用することが可能である。
添加される糖類については、特に限定するものではなく、砂糖や果糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖などが使用される。
食材となる白餡のpHを調整するため、白餡の重量に対してクエン酸を重量比0.75〜1.0%(重量比)添加する。そして、白餡100gに対して重量比で砂糖72g、水40gを使用し、それらを掻き混ぜつつ加熱・濃縮することで、基材が完成する。なお、砂糖(糖類)の配合量については、最終完成品の糖度設定に合わせて自由に決定することができる。
上記の通り、完成した基材に、次いで原料果実が投入され、混合・撹拌が行われる。このとき、投入される原料果実は、イチゴそのものであってもよいが、該イチゴをイチゴジャムやイチゴピューレに加工した、無添加素材加工品を使用することが好ましい。
本実施例に使用するイチゴの前処理については、収穫した新鮮なイチゴを洗浄し、へたなどを取り除いて投入するものである。
また、イチゴをジャムやピューレに加工する場合は、従来から行われているジャム・ピューレの製法で加工すればよく、本発明のための特別な加工法を必要とするものではない。ただし、原料果実の色彩を鮮明に引き出すという本発明の目的から鑑みて、該イチゴジャムやイチゴピューレの加工においても、イチゴの持つ自然色を損なわないように加工することが望まれる。
なお、イチゴジャムやイチゴピューレの製造過程においては、糖類の量が増加すればするほど、濃縮に時間が掛かるとともに、濃色化が進行してしまうため、かかる糖類の分量を適宜調整しつつ、底面積の広い鍋を使って広範囲で加熱するなど、加工時間を短時間で終了することが望ましい。その場合に、加熱調理器として、加熱減圧濃縮装置を使用することが考え得る。
具体的なイチゴジャム等の製造工程は、手作業である場合、例えばステンレス製鍋をガスコンロにかけて弱火で丁寧に加熱し煮詰める。機械生産である場合は、例えば二重釜や加熱減圧濃縮装置を使用して70〜95℃で加熱・撹拌し、糖度計示度で約60%以下となるまで濃縮する方法が用いられる。
基材100gに対し、重量比でイチゴジャム約20gを投入し、混合・撹拌を行うことで、イチゴ白餡は完成する。なお、イチゴジャムの投入量については、完成品の色合いや風味に鑑みて、自由に増減させることが可能である。
なお、完成したイチゴ白餡について、長期保存性や運搬性を考慮し、所定単位ごとにポリ袋等に詰め、必要に応じて冷凍が行われ、また、段ボール箱等に梱包され、保存・運搬が行われる。
ところで、上記の通り完成するイチゴ白餡について、以下、食材(白餡)に添加する有機酸(クエン酸)の添加量と完成品の色彩との関係を説明する。
すなわち、図2に示すように、実験−1から実験−6まで、クエン酸の添加割合を変えてイチゴの赤色度合の彩やかさを検証した結果、実験−4〜6の試験区において表面色a値も高く、果実原料が本来持つ自然色を鮮明に引き出したイチゴ白餡とすることができる結論に達した。
pHの調節が不可欠で、果実の有機酸として最も一般的なクエン酸を使用したイチゴ白餡は、図2で示すようなクエン酸の調合比で製造することにより、イチゴが本来持つ赤みの褪色が少なく、冴えのよい綺麗な色に仕上がることが明らかとなった。
一方、クエン酸を使用しないかまたは使用量の少ないイチゴ白餡は、赤み量が少ないだけではなく、黒ずみとくすみ(にごり)が出て、イチゴが本来持つ赤色のイメージには程遠い褐色に変化することが明らかになった。
このことから、イチゴが本来持つ赤色を最大限に活かすためには、有機酸(特にクエン酸)の添加が不可欠であるとことが確認された。
図2に示す実験では、有機酸としてクエン酸を使用した場合についてのみ行ったが、有機酸であればクエン酸以外であっても同様の作用効果を得られるものであり、例えば天然果汁のレモン果汁は無論のこと、リンゴ酸や乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸及びアスコルビン酸等が有効であると考えられる。
このように、有機酸(特にクエン酸)を使用することによって赤みの褪色が少なく、色の綺麗なイチゴ白餡の製造が可能となる。このことは、イチゴのみならず、原料果実としてイチジクやブルーベリー、杏等の果実またはそれらのジャムやピューレ等の加工果実においても、原料果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことができるものと考えられる。
また、有機酸としてクエン酸を加えたイチゴ白餡の味覚に関する官能検査によれば、図2における実験−4〜5において、酸味はやや増大するが、元来イチゴが持つ独特な酸味と風味には大きな差は感じられない結果となっている。ただし、実験−6になると、酸味はかなり強くなってしまう。したがって、有機酸(クエン酸)の添加量については、基材に対し重量比0.75%〜1.0%が最も望ましい結果となった。これにより、何よりもイチゴが持っている赤みの綺麗な冴えた色が再現できると同時に、着色料や香料等を使用せずに済むこととなり、食品の賞味期限や食品安全上大きな製造メリットと言えるものである。
次いで、食材として生クリーム、原料果実としてイチゴ(イチゴジャム)を使用して、果実入り食品素材(イチゴ生クリーム)を製造する場合の実施例について説明する。なお、基本となる製造工程は上記実施例1のイチゴ白餡と同様であり、かかる製造工程のフローチャートは、図1と同様となる。また、図3は、本実施例の実験データを示す説明図である。
該イチゴ生クリームの製造方法は、食材(生クリーム)に対し有機酸(クエン酸)を1%添加し、また、砂糖が一定の重量比で混合された状態で、所定時間加熱しつつ撹拌が行われる。なお、この時の加熱は、冷加熱(冷却)である。
食材の基本ベースとなる生クリームは、撹拌によって固形化される以前の液状のものを使用する
なお、本実施例においては、添加される有機酸として、クエン酸を使用した場合について示しているが、クエン酸のみに限らず、リンゴ酸、や乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸及びアスコルビン酸等のうち1種類または複数種類を使用することが可能である。
添加される糖類については、特に限定するものではなく、砂糖や果糖、ブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖などが使用される。
食材となる生クリームのpHを調整するため、生クリームの重量に対してクエン酸を1.0%(重量比)添加する。そして、生クリーム50gに対して砂糖10gを使用し、それらを掻き混ぜつつ加熱(冷却)することで、基材が完成する。なお、砂糖(糖類)の配合量については、最終完成品の糖度設定に合わせて自由に決定することができる。
上記の通り、完成した基材に、次いで原料果実が投入され、混合・撹拌が行われる。このとき、投入される原料果実は、イチゴそのものであってもよいが、該イチゴをイチゴジャムやイチゴピューレに加工した、無添加素材の加工果実を使用することが好ましい。
本実施例に使用するイチゴの前処理について、並びに、イチゴのジャムやピューレへの加工については、上記実施例1と同様である。
基材50gに対し、重量比でイチゴジャム約20gを投入し、混合・撹拌を行うことで、イチゴ生クリームは完成する。なお、イチゴジャムの投入量については、完成品の色合いや風味に鑑みて、自由に増減させることが可能である。
なお、完成したイチゴ生クリームについて、長期保存性や運搬性を考慮し、所定単位ごとにポリ袋等に詰め、必要に応じて冷凍が行われ、また、段ボール箱等に梱包され、保存・運搬が行われる。
ところで、上記の通り完成するイチゴ生クリームについて、以下、食材(生クリーム)に対する有機酸(クエン酸)の添加と色彩との関係を説明する。
すなわち、図3に示すように、実験−1と実験−2により、イチゴの赤色度合の彩やかさを検証した結果、実験−2の試験区において表面色a値が高く、果実原料が本来持つ自然色を鮮明に引き出したイチゴ生クリームとすることができる結論に達した。
pHの調節が不可欠で、果実の有機酸として最も一般的なクエン酸を使用したイチゴ生クリームは、図3で示すようなクエン酸の調合比で製造することにより、イチゴが本来持つ赤みが万遍なく生クリームに拡がり、冴えのよい綺麗な色に仕上がることが明らかとなった。
一方、クエン酸を使用しないイチゴ生クリームは、赤み量が少ないだけではなく、混合具合が斑になってしまい、時間が経過するにつれてイチゴが持つ赤色が徐々に生クリームに拡がっていくことが明らかになった。
このことから、イチゴが本来持つ赤色を万遍無く混合し且つ最大限に活かすためには、有機酸(特にクエン酸)の添加が不可欠であるとことが確認された。
図3に示す実験では、有機酸としてクエン酸を使用した場合についてのみ行ったが、有機酸であればクエン酸以外であっても同様の作用効果を得られるものであり、例えば天然果汁のレモン果汁は無論のこと、リンゴ酸や乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸及びアスコルビン酸等が有効であると考えられる。
このように、有機酸(特にクエン酸)を使用することによって赤みの偏りが少なく万遍無く着色され、かつ、色の綺麗なイチゴ生クリームの製造が可能となる。このことは、イチゴのみならず、原料果実としてイチジクやブルーベリー、杏等の果実またはそれらのジャムやピューレ等の加工果実においても、原料果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことができるものと考えられる。
また、有機酸としてクエン酸を加えたイチゴ生クリームの味覚に関する官能検査によれば、図3における実験−2において、酸味はやや増大するが、元来イチゴが持つ独特な酸味と風味には大きな差は感じられない結果となっている。したがって、有機酸(クエン酸)の添加量については、イチゴ白餡同様に基材に対し重量比1%程度が色味ともに望ましい結果となった。これにより、何よりもイチゴが持っている赤みの綺麗な冴えた色が再現できると同時に、着色料や香料等を使用せずに済むこととなり、食品の賞味期限や食品安全上大きな製造メリットと言えるものである。
白餡をベースとした和菓子は無論のこと、白色系をベースとしたホイップクリームやカスタードクリーム、シュークリーム、プリン等に赤色系の果実(特にイチゴ)を利用した色鮮やかな洋菓子にも提供が図れるもので、和洋菓子業界引いては食品業界における本発明の産業上の利用可能性は大と解するものである。

Claims (5)

  1. 原料果実が本来持つ自然色を鮮明に引き出すことができる果実入り食品素材の製造方法であって、
    食材に有機酸及び糖類を添加して加熱することで基材を製造する基材製造工程と、
    基材に原料果実を投入し所定時間撹拌される混合・撹拌工程と、
    から成ることを特徴とする果実入り食品素材の製造方法。
  2. 前記基材製造工程において、食材が、白餡または生クリームその他の乳製品であることを特徴とする請求項1に記載の果実入り食品素材の製造方法。
  3. 前記基材製造工程において、添加される有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸およびアスコルビン酸のうち選択される少なくとも一種あるいは複数種の混合であることを特徴とする請求項1記載または請求項2記載の果実入り食品素材の製造方法。
  4. 前記基材製造工程において、添加される有機酸の添加量が、食材に対し重量比0.75〜1.0%の割合であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の果実入り食品素材の製造方法。
  5. 前記混合・撹拌工程において、投入される原料果実が、果実ジャムまたは果実ピューレであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の果実入り食品素材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5006463B1 (ja) * 2011-09-12 2012-08-22 苗美 小川 果肉入りあん、果肉入りあんの製造方法、および菓子パン

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