JP2011086666A - 冷却装置および車載電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動等の外力を受ける等して半導体素子とヒートシンクとの間からはみ出た熱伝導ゲルが、ヒートシンクに形成された凹部に収容されない場合、若しくは収容されたとしても収容しきれない場合がある。それらの場合は、はみ出た熱伝導ゲルが半導体素子周辺の電子部品等に付着する恐れがある。
【解決手段】はみ出した熱伝導ゲル25は、ヒートシンク30に形成された矩形状の環状堀31の内部に進入してそこに留められる。はみ出した熱伝導ゲル25が環状堀31を収容しきった場合においても、環状壁32にて熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぐため、環状堀31及び環状壁32を越えて熱伝導ゲル25がはみ出る可能性は低い。従って、プリント配線基板14等の電子部品上等に熱伝導ゲル25が付着する可能性を低減させることができる。
【選択図】図2
【解決手段】はみ出した熱伝導ゲル25は、ヒートシンク30に形成された矩形状の環状堀31の内部に進入してそこに留められる。はみ出した熱伝導ゲル25が環状堀31を収容しきった場合においても、環状壁32にて熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぐため、環状堀31及び環状壁32を越えて熱伝導ゲル25がはみ出る可能性は低い。従って、プリント配線基板14等の電子部品上等に熱伝導ゲル25が付着する可能性を低減させることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両等に搭載される電子制御装置に関する。
近年、カーナビゲーション装置に代表される車載電子制御装置にあっては、データ容量は飛躍的に増大し、その車載電子制御装置に実装される半導体素子は小型高性能化されてきている。このため、半導体素子において、演算処理が実行されることによって素子内の回路の抵抗を電流が流れることにより発生する単位面積当たりの発熱量は増加する傾向にある。
半導体素子の冷却装置は、基本的には、半導体素子が発生する熱をヒートシンクに伝え、そのヒートシンクから熱を放出する構成となっている。それらの構成を有する冷却装置には、半導体素子とヒートシンクとの間の熱伝導性を高めるために、それらの間に熱伝導ゲルを介在させるものがある。ところが、その熱伝導ゲルが、例えば、塗布量が多かったり、振動等の外力を受けたり等して半導体素子とヒートシンクとの間からはみ出すことがあり、このはみ出た熱伝導ゲルが半導体素子周辺の電子部品等に付着したりする問題がある。この問題に対して、ヒートシンクにその熱伝導ゲルが接触する部位を取り巻くようにして凹部を形成した技術が、例えば、特許文献1に記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、振動等の外力を受ける等して半導体素子とヒートシンクとの間からはみ出た熱伝導ゲルが、ヒートシンクに形成された凹部に収容されない場合、若しくは収容されたとしても収容しきれない場合がある。それらの場合は、はみ出た熱伝導ゲルが半導体素子周辺の電子部品等に付着したり等する恐れがやはりある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱伝導ゲルが半導体素子とヒートシンクとの間からはみ出た場合においても、悪影響のない冷却装置および車載電子装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基板上に実装されて演算処理中に熱を放出する半導体素子に、熱伝導ゲルを介してヒートシンクを接触させ、半導体素子の熱をヒートシンクに伝導してヒートシンクから放出するようにした冷却装置において、ヒートシンクに、熱伝導ゲルが接触する部位を取り巻くようにして凹部を形成し、その形成された凹部を取り巻くようにして、熱伝導ゲルが接触する部位よりも突出した凸部を形成したことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、熱伝導ゲルが、半導体素子とヒートシンクとの間からはみ出した場合においても、凹部及び凸部により、熱伝導ゲルが凹部の内部に進入して留められる。また、熱伝導ゲルが凹部内に収容しきれなかった場合においても、凸部にて熱伝導ゲルのはみ出しを防ぐことができる。従って、基板等にはみ出した熱伝導ゲルが付着する可能性を低減させることができる。
また、請求項2に記載の冷却装置は、凸部は磁性材料により形成されることを特徴とする。これにより、半導体素子において演算処理時に回路内を流れる電流により発生する電磁波の外部放出を防ぐことが可能となり、他の電子機器等に電磁妨害を与える可能性を軽減させることができる。
そして、請求項3に記載の冷却装置は、凸部の表面に磁性材料を貼り付けたことを特徴とする。これにより、半導体素子において演算処理時に回路内を流れる電流により発生する電磁波の外部放出を防ぐことが可能となり、他の電子機器等に電磁妨害を与える可能性を軽減させることができる。
以下に本発明の実施例について図面を用いて説明する。本実施例では、本発明の冷却装置をカーナビゲーション装置に適用したものとして説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されることなく、本発明の技術的範囲に存在する限り様々な形態を取り得る。
(実施例)
まず、図1を用いて、カーナビゲーション装置の制御装置を収納する筐体10について説明する。図1は、筐体10の概略断面図である。筐体10は、例えば、鉄板からなる金属製の本体部11と、この本体部11に被せられた、例えば、アルミニウムからなる金属性の蓋部12とからなり、蓋部12には、外部との通気性を確保するためのスリット部13が設けられている。
まず、図1を用いて、カーナビゲーション装置の制御装置を収納する筐体10について説明する。図1は、筐体10の概略断面図である。筐体10は、例えば、鉄板からなる金属製の本体部11と、この本体部11に被せられた、例えば、アルミニウムからなる金属性の蓋部12とからなり、蓋部12には、外部との通気性を確保するためのスリット部13が設けられている。
筐体10内には、プリント配線基板14が設けられており、プリント配線基板14上には、カーナビゲーション装置の制御装置を構成するための集積回路15、抵抗器、コンデンサー等、多数の電子部品が表面に固定され、その部品間を配線で接続することにより電子回路が構成されている。また、集積回路15は発熱するため、図1に示すように、その周囲には冷却装置20が設置されている。
続いて、図2を用いて、冷却装置20について説明する。図2は、冷却装置20の概略断面図である。冷却装置20は、例えば、合成樹脂からなる外装部21、外装部21に取り付けられた小型モータ22、小型モータ22により回転される回転ファン23、外装部21に取付部24を介して取り付けられるヒートシンク30からなる。
外装部21は、小型モータ22及びヒートシンク30を固定することができ、また、外部との通気性を確保するためのスリット部26が設けられている。小型モータ22は、回転駆動することにより回転ファン23を回転させる。回転ファン23が回転することにより、図2に示したように、スリット部26を介して空気が破線の矢印の方向に流れるため、ヒートシンク30を冷却させることができる。
図2に示すように、プリント配線基板14に固定された集積回路15と、冷却装置20のヒートシンク30とは、熱伝導ゲル25を介して接触している。熱伝導ゲル25は、集積回路15で生じた熱を効率よくヒートシンク30に伝導させるために両者間の隙間内にお互いと密に接している。この熱伝導ゲル25は、予め集積回路15の下面15aに塗布された状態から、ヒートシンク30が固定された外装部21が、筐体10に取り付けられる際に、集積回路15の下面15aと、ヒートシンク30の上面30aとの間で圧せられることにより、両者間の隙間内で広がりながら両者に密に接するようになる。集積回路15にて生じた熱は熱伝導ゲル25を介してヒートシンク30に伝導し、ヒートシンク30に伝導された熱は、回転ファン23により生じる空気流中に放出される。
次に、ヒートシンク30の形状について説明する。図3(a)は、集積回路15、熱伝導ゲル25及びヒートシンク30を、プリント配線基板14側から見た場合の正面図である。図3(b)は、図3(a)のIII−III断面における断面図である。図3(a)及び図3(b)に示すように、ヒートシンク30は、熱伝導ゲル25が接触する部分を取り巻くようにして矩形状の環状堀31が形成されている。また、その環状堀31を取り巻くようにして、ヒートシンク30から集積回路15側に向かって集積回路15の下面15aよりも突出するように、矩形状の環状壁32が形成されている。
ところで、予め集積回路15の下面15aに塗布された熱伝導ゲル25の量が多すぎると、ヒートシンク30が固定された外装部21を、筐体10に取り付ける際に、集積回路15の下面15aと、ヒートシンク30の上面30aとの間で圧せられた熱伝導ゲル25が、集積回路15とヒートシンク30との間から外側にはみ出すことがある。しかしながら、本実施例においては、はみ出した熱伝導ゲル25は、ヒートシンク30に形成された矩形状の環状堀31の内部に進入してそこに留められる。このとき、環状堀31を取り巻くようにしてヒートシンク30に形成された矩形状の環状壁32により、熱伝導ゲル25が環状堀31の内部に進入することを促すことができる。また、はみ出した熱伝導ゲル25が環状堀31を収容しきった場合においても、環状壁32にて熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぐため、環状堀31及び環状壁32を越えて熱伝導ゲル25がはみ出る可能性は低い。従って、プリント配線基板14等の電子部品上等に熱伝導ゲル25が付着する可能性を低減させることができる。
(変形例1)
次に、本実施例における変形例1を、図4を参照して説明する。図4(a)は、本変形例におけるヒートシンク400を、ヒートシンク400の上面400a側から見た場合の正面図である。図4(b)は、図4(a)のIV−IV断面における断面図である。本変形例では、環状壁402を、磁性材料にて形成する。磁性材料には、酸化鉄を主成分とするフェライト等を利用する。ヒートシンク400の上面400aに、磁性材料にて形成された矩形の環状壁402を張り付けることでヒートシンク400を形成する。これにより、熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぎつつ、集積回路15において演算処理時に回路内を流れる電流により発生する電磁波の外部放出を防ぐことが可能となり、他の電子機器等に電磁妨害を与える可能性を軽減させることができる。
次に、本実施例における変形例1を、図4を参照して説明する。図4(a)は、本変形例におけるヒートシンク400を、ヒートシンク400の上面400a側から見た場合の正面図である。図4(b)は、図4(a)のIV−IV断面における断面図である。本変形例では、環状壁402を、磁性材料にて形成する。磁性材料には、酸化鉄を主成分とするフェライト等を利用する。ヒートシンク400の上面400aに、磁性材料にて形成された矩形の環状壁402を張り付けることでヒートシンク400を形成する。これにより、熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぎつつ、集積回路15において演算処理時に回路内を流れる電流により発生する電磁波の外部放出を防ぐことが可能となり、他の電子機器等に電磁妨害を与える可能性を軽減させることができる。
図5は、筐体10内の集積回路15から電磁波が放出された場合に、筐体10外において電界強度[dBμV/m]の測定実験を行った際の結果を示した図である。電界強度[dBμV/m]は大きければ大きいほど、集積回路15から発生した電磁波がノイズとして伝播していることを示す。具体的には、0.3[GHz]から2.3[GHz]の帯域の周波数を持つ電磁波を集積回路15から放出させ、測定地点にて、0.3[GHz]から2.3[GHz]までを10個の帯域に分け、各帯域において電界強度を測定した。筐体10の大きさは、178mm(横)×100mm(高さ)×145mm(奥行き)であり、電界強度の測定地点は、筐体10の各面から各1.0m離れた6地点とした。そして、電界強度の値は各6地点で観測された6つの値の二乗平均平方根を取った値である。図5に示したように、何も対策しなかった場合よりも、本変形例1のように、ヒートシンク400の上面400aに、磁性材料にて形成された矩形の環状壁402を張り付けた場合の方が、電界強度[dBμV/m]は0.3[GHz]から2.3[GHz]までの全帯域において、小さな値となっていることが分かる。したがって、本変形例においては、筐体10外部への電磁波ノイズの伝播を抑制する効果がある。
(変形例2)
次に、本実施例における変形例2を、図6を参照して説明する。図6(a)は、本変形例におけるヒートシンク600を、ヒートシンク600の上面600a側から見た場合の正面図である。図6(b)は、図6(a)のVI−VI断面における断面図である。本変形例では、環状壁602を、磁性材料にて形成する。磁性材料には、酸化鉄を主成分とするフェライト等を利用する。本変形例においては、図6(b)に示すように、環状堀601は、環状壁602を埋め込められるように広く形成され、環状堀601の底面601aに、磁性材料にて形成された矩形の環状壁602を張り付けることでヒートシンク600を形成する。なお、このとき、図6(b)に示すように、環状堀601の外周面601bに環状壁602が接触するようにし、また、環状堀601の内周面601cと環状壁602との間には隙間が生じるようにし、環状壁602の高さはヒートシンク600の上面600aよりも高くなるように形成する。これにより、熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぎつつ、集積回路15において演算処理時に回路内を流れる電流により発生する電磁波の外部放出を防ぐことが可能となり、他の電子機器等に電磁妨害を与える可能性を軽減させることができる。
次に、本実施例における変形例2を、図6を参照して説明する。図6(a)は、本変形例におけるヒートシンク600を、ヒートシンク600の上面600a側から見た場合の正面図である。図6(b)は、図6(a)のVI−VI断面における断面図である。本変形例では、環状壁602を、磁性材料にて形成する。磁性材料には、酸化鉄を主成分とするフェライト等を利用する。本変形例においては、図6(b)に示すように、環状堀601は、環状壁602を埋め込められるように広く形成され、環状堀601の底面601aに、磁性材料にて形成された矩形の環状壁602を張り付けることでヒートシンク600を形成する。なお、このとき、図6(b)に示すように、環状堀601の外周面601bに環状壁602が接触するようにし、また、環状堀601の内周面601cと環状壁602との間には隙間が生じるようにし、環状壁602の高さはヒートシンク600の上面600aよりも高くなるように形成する。これにより、熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぎつつ、集積回路15において演算処理時に回路内を流れる電流により発生する電磁波の外部放出を防ぐことが可能となり、他の電子機器等に電磁妨害を与える可能性を軽減させることができる。
(変形例3)
次に、本実施例における変形例3を、図7を参照して説明する。図7(a)は、本変形例におけるヒートシンク30を、ヒートシンク30の上面30a側から見た場合の正面図である。図7(b)は、図7(a)のVII−VII断面における断面図である。本変形例では、図7(b)に示すように、環状壁32の周囲に磁性材料700が貼り付けられている。磁性材料には、酸化鉄を主成分とするフェライト等を利用する。これにより、熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぎつつ、集積回路15において演算処理時に回路内を流れる電流により発生する電磁波の外部放出を防ぐことが可能となり、他の電子機器等に電磁妨害を与える可能性を軽減させることができる。
次に、本実施例における変形例3を、図7を参照して説明する。図7(a)は、本変形例におけるヒートシンク30を、ヒートシンク30の上面30a側から見た場合の正面図である。図7(b)は、図7(a)のVII−VII断面における断面図である。本変形例では、図7(b)に示すように、環状壁32の周囲に磁性材料700が貼り付けられている。磁性材料には、酸化鉄を主成分とするフェライト等を利用する。これにより、熱伝導ゲル25のはみ出しを防ぎつつ、集積回路15において演算処理時に回路内を流れる電流により発生する電磁波の外部放出を防ぐことが可能となり、他の電子機器等に電磁妨害を与える可能性を軽減させることができる。
(変形例4)
次に、本実施例における変形例4を、図8を参照して説明する。図8(a)は、本変形例におけるヒートシンク800を、ヒートシンク800の上面800a側から見た場合の正面図である。図8(b)は、図8(a)のVIII−VIII断面における断面図である。本変形例では、図8(b)に示すように、環状壁802の内周面32cにおいて、内周側に向けて設けられた凸部803を形成する。凸部803は、ヒートシンク800の上面800aと間に間隔を有するように形成される。これにより、はみ出した熱伝導ゲル25を環状堀801に収容しやすくすることができる。
次に、本実施例における変形例4を、図8を参照して説明する。図8(a)は、本変形例におけるヒートシンク800を、ヒートシンク800の上面800a側から見た場合の正面図である。図8(b)は、図8(a)のVIII−VIII断面における断面図である。本変形例では、図8(b)に示すように、環状壁802の内周面32cにおいて、内周側に向けて設けられた凸部803を形成する。凸部803は、ヒートシンク800の上面800aと間に間隔を有するように形成される。これにより、はみ出した熱伝導ゲル25を環状堀801に収容しやすくすることができる。
10 冷却装置
15 集積回路
20 冷却装置
25 熱伝導ゲル
30 ヒートシンク
31 環状堀
32 環状壁
15 集積回路
20 冷却装置
25 熱伝導ゲル
30 ヒートシンク
31 環状堀
32 環状壁
Claims (3)
- 基板上に実装されて演算処理中に熱を放出する半導体素子に、熱伝導ゲルを介してヒートシンクを接触させ、前記半導体素子の熱を前記ヒートシンクに伝導して前記ヒートシンクから放出するようにした冷却装置において、
前記ヒートシンクに、前記熱伝導ゲルが接触する部位を取り巻くようにして凹部を形成し、該形成された凹部を取り巻くようにして、前記熱伝導ゲルが接触する部位よりも突出した凸部を形成したことを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置であって、
前記凸部は磁性材料により形成されることを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置であって、
前記凸部の表面に磁性材料を貼り付けたことを特徴とする冷却装置。
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2009
- 2009-10-13 JP JP2009236309A patent/JP2011086666A/ja active Pending
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