JP2011086448A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高いサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 正極、セパレータ、負極及びセパレータの順に積層した積層素子を外装体に収納したリチウムイオン二次電池において、負極集電体2に貫通孔を有し、負極集電体の片側に負極活物質層1を配置した負極2枚を、負極集電体側同士が対向するように積層させ、少なくとも負極活物質層の内側に位置する負極集電体を2枚以上配置する負極2枚の間に空隙を保持させる。
【選択図】図1
【解決手段】 正極、セパレータ、負極及びセパレータの順に積層した積層素子を外装体に収納したリチウムイオン二次電池において、負極集電体2に貫通孔を有し、負極集電体の片側に負極活物質層1を配置した負極2枚を、負極集電体側同士が対向するように積層させ、少なくとも負極活物質層の内側に位置する負極集電体を2枚以上配置する負極2枚の間に空隙を保持させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、正極、セパレータ、負極及びセパレータの順に積層した構造を有する素子の外側に外装体を配置したリチウムイオン二次電池に関する。
携帯電話やノートパソコン等のモバイル機器の普及により、その電力源となる二次電池の役割が重要視されている。これらの二次電池には小型、軽量でかつ高容量であり、充放電を繰り返した場合でも充放電容量の劣化が起こりにくいことが求められる。このような特性を満たす二次電池として、現在ではリチウムイオン二次電池が多く使用されている。
リチウムイオン二次電池の負極には、主として黒鉛やハードカーボン等の炭素を用いている。炭素は、充放電サイクルを良好に繰り返すことができるものの、理論容量付近まで容量向上を実現していることから、今後大幅な容量は期待出来ない。その一方で、リチウムイオン二次電池の容量向上の要求は強いことから、炭素よりも高容量すなわち高エネルギー密度を有する負極材料の検討が行われている。
リチウムイオン二次電池の負極には、高エネルギー密度でかつ軽量という観点から金属リチウムの検討もされているが、充放電サイクルの進行にともない、充電時に金属リチウム表面にデンドライト(樹枝状晶)が析出し、この結晶がセパレータを貫通し、内部短絡を起こし、寿命が短いという問題点があった。
エネルギー密度を高める材料として、組成式がLiXA(Aはアルミニウムなどの元素からなる)で表されるリチウムと合金を形成するLi吸蔵物質を負極活物質として用いることが検討されている。この負極は単位体積当りのリチウムイオンの吸蔵放出量が多く、高容量である。最近では、特にケイ素を負極活物質として用いることが、非特許文献1に記載されている。このような負極材料を用いることによって、高容量の負極が得られるとされている。
この種のケイ素を用いた負極は、単位体積当りのリチウムイオンの吸蔵放出量が多く、高容量であるものの、リチウムイオンが吸蔵放出される際に電極活物質自体が膨脹収縮するために微粉化が進行し、初回充放電における不可逆容量が大きく、また充放電サイクル寿命が短いという問題点があった。
ケイ素負極を用いた電池の充放電サイクル寿命の改善対策として、従来から、サイクル特性改善を目的として、バインダー(結着材)として熱硬化性を有する樹脂材料を用いることが報告されている。一例として、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子と導電性金属粉末の混合物をポリイミドバインダーと混合させたものを前記集電体の表面上で非酸化性雰囲気下に焼結させる方法が特許文献1で提案されているが、実使用上での判断となる炭素負極並のサイクル特性を実現するには至らなかった。
さらに、電極活物質へのリチウムプレドープを目的として、両面に電極を配置した集電体の表裏面に空隙を設ける構造が特許文献2で提案されている。
リー(Li)他4名、「ア ハイ キャパシティ ナノ−シリコン コンポジット アノード マテリアル フォー リチウム リチャージャブル バッテリーズ(A High Capacity Nano−Si Composite Anode Material for Lithium Rechargeable Batteries)、エレクトロケミカル アンド ソリッドステイト レターズ(Electrochemical and Solid−State Letters)、第2巻、第11号、p547−549(1999)
特許文献1に記載の、バインダー(結着材)として熱硬化性を有する樹脂材料を用いる一例として、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む活物質粒子と導電性金属粉末の混合物をポリイミドバインダーと混合させたものを前記集電体の表面上で非酸化性雰囲気下に焼結させる方法では、従来から適用されているポリフッ化ビニリデン(PVDF)より良好な特性が得られるものの、電極活物質と集電体が強固に接着していることから、充放電時に活物質の体積変化によって集電体が変形してしわが発生して、電極内部の電解液との反応が不均一となり、リチウム析出反応などによって活物質の一部が失活する。このため、充放電サイクルの繰り返しによる容量低下の問題は残っていた。さらに、充放電時に負極活物質であるケイ素の体積変化が大きいことから、電池の体積増加も課題として挙げられる。
また特許文献2に記載の、両面に電極を配置した集電体の表裏面を貫通する孔を設ける構造では、活物質の体積変化による集電体のしわが発生の問題はなくなるものの、電極活物質が集電体の両側のみならず集電体の孔中に位置することになるが、注液を行った電解液が集電体内部に位置する電極活物質にまで含浸しにくくなり、電解液との反応が不均一となり、やはり充放電サイクルの繰り返しによる容量低下の問題の解決には不十分であった。
本発明の課題は、集電性を向上させ、初回充放電での充放電効率が高く、かつ、エネルギー密度の高い良好なサイクル特性を持つリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明では、正極、セパレータ、負極及びセパレータの順に積層した構造を有する積層素子を外装体に収納したリチウムイオン二次電池において、負極集電体に貫通孔を有し、負極集電体の片側に負極活物質層を配置した負極2枚を、負極集電体側同士が対向するように積層させ、少なくとも負極活物質層の内側に位置する負極集電体を2枚以上配置する。負極2枚の間に空隙を保持させる。ここで、負極集電体の片側に配置する負極活物質層は、少なくともケイ素を含有する負極活物質、及び加熱による脱水縮合反応を生じる熱硬化性樹脂を含有している。負極集電体の貫通孔からなる空隙には負極活物質は存在せず、電解液を注液後に保持させるものとする。これにより、負極部分の電解液不足を未然に防ぐことが出来、充放電サイクル特性の向上、特に高温充放電サイクル時の急激な容量低下の抑制につながる。さらにケイ素活物質の体積変化を負極集電体の貫通孔部分により緩和する効果も生じるため、充放電サイクル時の電池の体積増加の緩和につながる。
また本発明では、負極集電体の貫通孔の開口率を15%以上85%以下としているが、開口率が15%未満の場合、上記負極部分の電解液不足の防止、及びケイ素活物質の体積変化緩和効果としては不十分である。一方、開口率が85%を超える場合、負極集電体の強度が不十分であるために、充放電時に活物質の体積変化によって電極全体が変形しやすい。上記負極部分の電解液不足の防止、ケイ素活物質の体積変化緩和効果、及び負極集電体による電極形状の維持の為に設定される負極集電体の貫通孔の開口率が15%以上85%以下である。
負極集電体に貫通孔を有し、負極集電体の片側に負極活物質層を配置した負極2枚を、負極集電体側同士が対向するように積層させ、少なくとも負極活物質層の内側に位置する負極集電体を2枚以上配置する負極2枚の間に電解液を保持させる構造において、負極集電体の片側に配置する負極活物質層は、少なくともケイ素を含有する負極活物質、及び加熱による脱水縮合反応を生じる熱硬化性樹脂を含有している場合において、最も明瞭な効果が得られる。すなわち、ケイ素は充放電時におけるリチウムとの反応による体積変化が大きい材料であり、本発明により活物質として用いた場合の体積変化を緩和させることが出来る。また、加熱による脱水縮合反応を生じる熱硬化性樹脂を含有した場合、従来から適用されているポリフッ化ビニリデン(PVDF)より樹脂自体の強度、及び集電体との接着強度に優れるため、ケイ素を電極活物質として用いても活物質−集電体の接着を維持することが出来る。
すなわち、本発明は、正極集電体上に正極活物質層を有する正極と、負極集電体上に負極活物質層を有する負極とを、セパレータを介して積層した積層素子を、外装体に収納したリチウムイオン二次電池において、前記負極は開口が15%以上85%以下の貫通孔を有する前記負極集電体を有し、かつ前記負極は前記負極集電体の片側に、少なくともケイ素を含有する負極活物質、及び加熱による脱水縮合反応を生じる熱硬化性樹脂からなる負極活物質層を形成し、なおかつ負極集電体同士が対向するように配置したことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明では、正極集電体上に正極活物質層を有する正極と、負極集電体上に負極活物質層を有する負極とを、セパレータを介して積層した積層素子を、外装体に収納したリチウムイオン二次電池において、負極は貫通孔を有する負極集電体の片側に負極活物質層を形成し、負極集電体同士が対向するように配置し、負極2枚を、負極集電体側同士が対向するように積層させ、負極2枚の間に電解液を保持させた構造を有する。これにより、負極部分の電解液不足を未然に防ぐことが出来、充放電サイクル特性の向上、特に高温充放電サイクル時の急激な容量低下の抑制につながる。さらにケイ素活物質の体積変化を負極集電体の貫通孔部分により緩和する効果も生じるため、充放電サイクル時の電池全体の体積増加を緩和させることが可能となる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、図2、図3に示すように銅箔などの負極集電体2およびその面上に形成された負極活物質層1からなる負極と、アルミニウムなどの正極集電体4およびその面上に形成された正極活物質層3からなる正極とを有する。この負極活物質層1および正極活物質層3は、セパレータ5を介して対向配置されている。セパレータ5と負極活物質層1及び正極活物質層3と対向している部分には、非水性の電解質溶液が含浸されている。負極集電体2および正極集電体4には、電極の取り出しのためにそれぞれ負極端子6、正極端子7が接続されている。正極集電体同士、負極集電体同士はそれぞれ端部で溶接などにより接続している。端子取り出しの為、負極集電体2と負極端子6が、および正極集電体4と正極端子7が、それぞれ接続している。素子の外側部分には、電解液を封止するための外装体8を設ける。
図1に示すように、負極集電体2の片面に負極活物質層1が配置され、負極集電体2に上側と下側が貫通する孔を有している。負極活物質層1の配置した負極集電体2を2枚、負極集電体側同士が重なるように配置する。貫通孔同士は必ずしも重なる必要はない。2枚の負極集電体同士は端部で溶接などにより接続しているので、改めて接続する必要は無い。
負極集電体2に用いる銅箔は、開口率15%以上85%以下、望ましくは20%以上60%以下の貫通孔を有する。開口径は用いる負極活物質粒子の粒度分布によって異なるが、0.2mmを超えると負極塗布時に負極集電体の貫通孔部分に空隙を保持するのが難しくなる。このため、負極集電体2の貫通孔は少なくとも0.2mm以下、望ましくは0.1mm以下に調整するのが良い。銅箔の厚さとしては、一般的には6μm以上50μm以下、望ましくは8μm以上30μm以下のものを用いる。
負極活物質層1としては、少なくともケイ素を含有しており、望ましくはケイ素化合物もしくは単体ケイ素とケイ素化合物の混合物に、炭素を混合もしくは複合化させた材料である。ケイ素化合物は活物質自体の繰り返し充放電に対する膨脹収縮を緩和する役目があり、さらに化合物の種類によっては活物質である単体ケイ素間の導通を確保する役目がある。
ケイ素化合物の例としては酸化ケイ素、及びニッケルシリサイドやコバルトシリサイドなどの遷移金属−ケイ素化合物、及び遷移金属酸化物等が主として挙げられる。上記負極活物質層中の単体ケイ素の重量比は多い程、電池としての容量は大きくなるが、単体ケイ素の重量比が多くなるにつれ繰り返し充放電に対する体積変化による劣化、ひいては容量減少が大きくなるので、活物質粒子中のケイ素化合物の重量比は5%以上50%未満であれば好ましい。炭素もケイ素化合物と同様、活物質自体の繰り返し充放電に対する膨脹収縮を緩和、及び活物質である単体ケイ素間の導通を確保する役目があり、炭素とケイ素化合物は両者の共存により良好なサイクル特性が得られる。なお上記負極活物質層1の中に小粒径粒子が含まれていると、負極塗布時に負極集電体の貫通孔部分に空隙を保持するのが難しくなる。このため、負極活物質層1の粒径は少なくとも0.1μm以上、望ましくは0.5μm以上に調整するのが良い。
負極活物質層1の複合粒子の作製方法例を以下に述べる。ケイ素化合物に酸化ケイ素を用いる場合は、単体ケイ素とケイ素酸化物を混合し、高温減圧下にて焼結させる方法を主に取る。ケイ素化合物が遷移金属−ケイ素化合物の場合は、単体ケイ素と遷移金属を混合、溶融させる方法と、ケイ素表面に遷移金属を蒸着などにより被覆する方法がある。
なお、上記で述べた作製法に加えて、これまで一般的になされている活物質表面への炭素複合を組み合わせることも出来る。例としては、高温非酸素雰囲気下で有機化合物の気体雰囲気中に単体ケイ素とケイ素化合物の混合焼結物を導入する、もしくは高温非酸素雰囲気下でケイ素とケイ素酸化物の混合焼結物と炭素の前駆体樹脂を混合させることで、ケイ素とケイ素酸化物の核の周囲に炭素の被覆層が形成される。これにより充放電に対する体積膨張の抑制、及びサイクル特性のさらなる改善効果が得られるものの、炭素被覆により電極密度が低下するので、ケイ素活物質の特長である電池容量向上のメリットが小さくなる点は留意する必要がある。
負極活物質層は上記の方法で生成した負極の複合粒子と、結着剤とを溶剤に分散させ混練して、負極集電体の上に塗布し、高温雰囲気で乾燥することにより形成される。リチウムイオン二次電池の負極を構成する負極活物質層は、前記方法で作製した活物質とバインダーを、溶剤に分散させて混練して負極集電体の面上に塗布し、高温雰囲気で乾燥することにより作製される。さらに、必要に応じて電極密度を高めるため、常温あるいは高温下でプレス処理を行う。ここでバインダーはポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂に代表される、加熱による脱水縮合反応を生じる熱硬化性を有する結着剤であり、また溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが好適である。
負極活物質層には、導電性を付与するために必要に応じてカーボンブラックやアセチレンブラックなどを混合してもよい。また作製した負極における電極密度は1.0g/cm3以上、2.0g/cm3以下の範囲とすることが望ましい。この電極密度が低すぎる場合には充放電容量が小さくなる。逆に高すぎる場合には、この負極を含む電極に電解液を含浸させることが困難となるために、やはり充放電容量が低下してしまう。
一方、正極活物質層3の層に含まれる活物質としては、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウムおよびこれらの混合物、ならびに前記化合物のマンガン、コバルト、ニッケルの部分をアルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛などでその一部もしくは全部を置換したもの、さらにはリン酸鉄リチウムなどを用いることができる。
セパレータ5はポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等からなる多孔性フィルムからなる。
また、リチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液は、以下の有機溶媒の中から選択される1種または2種以上の溶媒を混合し、これらの有機溶媒に溶解するリチウム塩を溶解させて電解液として用いる。ここで使用可能な有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトンなどのγ−ラクトン類、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)などの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル類が挙げられる。
またそれ以外に使用可能な有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ジオキソラン誘導体、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒が挙げられる。
さらに上記の有機溶媒に溶解して用いられるリチウム塩としては、例えばLiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO2)2、LiN(CF3SO2)2、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などが挙げられる。また、これらの有機溶媒とリチウム塩による非水系電解液の代わりにポリマー電解質を用いてもよい。
なお素子の外側部分に設ける、電解液を封止するための外装体8としては、缶ケースや外装フィルム等であり、電解液を封止することが出来ればこれに限定するものではない。缶ケースとしてはステンレス缶が多く用いられる。外装フィルムとしては、接着層としてポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸共重合体やエチレン−アクリル酸共重合体と金属イオンで分子間結合させたアイオノマー樹脂、などの熱可塑性樹脂を用いる。
本発明の実施例について以下に説明する。
(実施例1)
負極活物質粒子として、以下に示す方法により作製したケイ素を含有した複合粒子を用いた。まずケイ素とニッケルとを重量比1:5の割合で混合し、1500℃、13.3Paにて溶融、急冷させて、ケイ素とニッケルの金属間化合物であるケイ素−ニッケル合金の粉末を作製した。次いでこの粉末をさらに粉砕して微細な粒状体として、同様に微細な粒状体としたケイ素単体と混合し、1000℃、0.01Pa以下の高温低圧雰囲気にて焼結させてケイ素とケイ素−ニッケル合金の複合粒子とした。この材料にグラファイト20重量部を混合して100重量部とした後、混合材料を900℃の窒素雰囲気にてそれぞれ焼結し、ケイ素とケイ素−ニッケル合金、炭素の三者からなる複合粒子を作製した。この複合粒子を粉砕し、レーザ回折・散乱法により測定される粒径D50が10μmとなるように調製を行った。
負極活物質粒子として、以下に示す方法により作製したケイ素を含有した複合粒子を用いた。まずケイ素とニッケルとを重量比1:5の割合で混合し、1500℃、13.3Paにて溶融、急冷させて、ケイ素とニッケルの金属間化合物であるケイ素−ニッケル合金の粉末を作製した。次いでこの粉末をさらに粉砕して微細な粒状体として、同様に微細な粒状体としたケイ素単体と混合し、1000℃、0.01Pa以下の高温低圧雰囲気にて焼結させてケイ素とケイ素−ニッケル合金の複合粒子とした。この材料にグラファイト20重量部を混合して100重量部とした後、混合材料を900℃の窒素雰囲気にてそれぞれ焼結し、ケイ素とケイ素−ニッケル合金、炭素の三者からなる複合粒子を作製した。この複合粒子を粉砕し、レーザ回折・散乱法により測定される粒径D50が10μmとなるように調製を行った。
粒径D50が10μmとなるように調製を行った複合粒子にバインダー溶液としてポリアミック酸−NMP溶液、導電剤としてカーボン粉末(非晶質炭素粉末)を混合し、溶剤としてNMPを加えて溶解、分散させて負極電極材料のスラリーを作製した。100μmのPETフィルム上に、厚さ10μm、貫通孔の開口率(空孔率)40%、空孔径0.1mmの銅箔を貼り付けた複合シートを用意し、その上に上述したスラリーを150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃、5分間の乾燥処理を行った後にロールプレスにて圧縮成型を行い、PETフィルムから銅箔を剥離した後、再び乾燥炉にて300℃、10分間の乾燥処理を行って負極活物質層を形成した。以上のようにして負極集電体に対し活物質層片面塗布品を2枚作製した。さらにこの銅箔からなる、面上に形成された負極活物質層を含む負極集電体を、160×120mmの四角形の形状に打ち抜いて負極とした。
また、正極については、コバルト酸リチウムからなる活物質粒子にバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを混合し、溶剤としてNMPを加えて溶解、分散させて正極電極材料のスラリーを作製した。この材料を正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の面上に、150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃、5分間の乾燥処理を行った後にロールプレスにて圧縮成型を行い、正極活物質層を形成した。ここで正極集電体に対し活物質層片面塗布品を2枚作製した。さらにこのアルミニウム箔からなる、面上に形成された正極活物質層を含む正極集電体を、160×90mmの四角形の形状に打ち抜いて正極とした。
次いでポリプロピレンの多孔性フィルムからなる170×100mmの四角形の形状のセパレータを用意した。下側から正極、セパレータ、負極、負極、セパレータ、正極の順に重ね、最外層に負極活物質層片面塗布品が来るように積層した。なおセパレータの両側には正極及び負極活物質層が配置し、2枚の負極は貫通孔を有する集電体側同士が重なるように配置した。
次に2枚の負極集電体と、電極の引き出しのためのニッケルからなる負極端子を、超音波接合によって融着した。一方、正極側についても、負極端子の反対側に位置する正極集電体同士を重ね合わせて、電極の引き出しのためのアルミニウムからなる正極端子を、超音波接合によって融着した。これにより、正極端子と負極端子を長辺部分の対向する位置に配置した。
この積層体中の両側から、接着層が積層セル側となるよう外装フィルムを重ね合わせたのち、外装フィルムの外周部が重なり合っている箇所を、ヒートシールにより熱融着(封止)させた。四辺中三辺熱融着させた後、電解液を注液し、最後に真空下にて最後の一辺を熱融着させた。ここで電解液はEC、DEC、EMCの三者を体積比で3:5:2の割合で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。2本の負極および正極リードタブの先端は、外装フィルムから互いに反対側に外部に突出している。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例1とした。
(初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ増加率の評価)
作製した実施例1の5台のラミネート型のリチウムイオン二次電池に対して、まず20℃定温雰囲気において、定格である4.2Vまでのフル充電を行い、次いで2.7Vまでの放電を行い、このときの放電容量を測定した。この放電容量が実施例1の電池における初回放電容量、即ち充放電容量である。次いで45℃定温雰囲気において、各電池に対して4.2Vまで充電、2.7Vまで放電の1Cレートによる100回の充放電の繰り返しを行って、その100サイクル後の放電容量を20℃で測定した(なお1Cとは、公称容量(mAh)を1時間で充放電する電流値をいう)。ここで初回放電容量に対する100サイクル後の放電容量の比率を計算し、これをサイクル特性とした。またサイクル開始前と100サイクル後のそれぞれにおいて、電池の厚さ測定を行い、セル厚さ増加率を計算した。実施例1のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ増加率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
作製した実施例1の5台のラミネート型のリチウムイオン二次電池に対して、まず20℃定温雰囲気において、定格である4.2Vまでのフル充電を行い、次いで2.7Vまでの放電を行い、このときの放電容量を測定した。この放電容量が実施例1の電池における初回放電容量、即ち充放電容量である。次いで45℃定温雰囲気において、各電池に対して4.2Vまで充電、2.7Vまで放電の1Cレートによる100回の充放電の繰り返しを行って、その100サイクル後の放電容量を20℃で測定した(なお1Cとは、公称容量(mAh)を1時間で充放電する電流値をいう)。ここで初回放電容量に対する100サイクル後の放電容量の比率を計算し、これをサイクル特性とした。またサイクル開始前と100サイクル後のそれぞれにおいて、電池の厚さ測定を行い、セル厚さ増加率を計算した。実施例1のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ増加率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、銅箔の開口率を10%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例2とした。実施例2のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、銅箔の開口率を10%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例2とした。実施例2のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、銅箔の開口率を15%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例3とした。実施例3のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、銅箔の開口率を15%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例3とした。実施例3のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、銅箔の開口率を20%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例4とした。実施例4のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、銅箔の開口率を20%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例4とした。実施例4のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、銅箔の開口率を60%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例5とした。実施例5のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、銅箔の開口率を60%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例5とした。実施例5のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、銅箔の開口率を80%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例6とした。実施例6のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、銅箔の開口率を80%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例6とした。実施例6のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、銅箔の開口率を85%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例7とした。実施例7のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、銅箔の開口率を85%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例7とした。実施例7のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、銅箔の開口率を90%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例8とした。実施例8のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、銅箔の開口率を90%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例8とした。実施例8のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、貫通孔を有する2枚の負極集電体の間に、厚さ10μm、空孔率40%、空孔径0.1mmの銅箔を配置した。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例9とした。実施例9のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、貫通孔を有する2枚の負極集電体の間に、厚さ10μm、空孔率40%、空孔径0.1mmの銅箔を配置した。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、実施例9とした。実施例9のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、銅箔に貫通孔を設けていないもの、すなわち銅箔の開口率を0%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、比較例1とした。比較例1のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
実施例1において、銅箔に貫通孔を設けていないもの、すなわち銅箔の開口率を0%としたものを用いた。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、比較例1とした。比較例1のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(比較例2)
100μmのPETフィルム上に、厚さ10μm、開口率40%、空孔径0.1mmの銅箔を貼り付けた複合シートを用意し、実施例1と同様に作製したスラリーを150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃、5分間の乾燥処理を行った後に、PETフィルムから銅箔を剥離した。剥離した銅箔面上に、再度スラリーを150×80mmの四角形の形状に塗布した。ロールプレスにて圧縮成型を行い、乾燥炉にて300℃、10分間の乾燥処理を行うことで負極活物質層を形成した。このようにして負極集電体に対し活物質層両面塗布品を1枚作製した。さらにこの銅箔からなる、面上に形成された負極活物質層を含む負極集電体を、160×120mmの四角形の形状に打ち抜いて負極とした。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、比較例2とした。比較例2のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
100μmのPETフィルム上に、厚さ10μm、開口率40%、空孔径0.1mmの銅箔を貼り付けた複合シートを用意し、実施例1と同様に作製したスラリーを150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃、5分間の乾燥処理を行った後に、PETフィルムから銅箔を剥離した。剥離した銅箔面上に、再度スラリーを150×80mmの四角形の形状に塗布した。ロールプレスにて圧縮成型を行い、乾燥炉にて300℃、10分間の乾燥処理を行うことで負極活物質層を形成した。このようにして負極集電体に対し活物質層両面塗布品を1枚作製した。さらにこの銅箔からなる、面上に形成された負極活物質層を含む負極集電体を、160×120mmの四角形の形状に打ち抜いて負極とした。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、比較例2とした。比較例2のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
(比較例3)
バインダー溶液としてPVDF−NMP溶液、導電剤としてカーボン粉末(非晶質炭素粉末)を混合し、溶剤としてNMPを加えて溶解、分散させて負極電極材料のスラリーを作製した。100μmのPETフィルム上に、厚さ10μm、空孔率40%、空孔径0.1mmの銅箔を貼り付けた複合シートを用意し、その上に上述したスラリーを150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃、5分間の乾燥処理を行った後にロールプレスにて圧縮成型を行い、PETフィルムから銅箔を剥離して負極活物質層を形成した。なおPVDFは熱分解を生じるため、実施例1に示すような300℃、10分間の乾燥処理は行っていない。以上のようにして負極集電体に対し活物質層片面塗布品を2枚作製した。さらにこの銅箔からなる、面上に形成された負極活物質層を含む負極集電体を、160×120mmの四角形の形状に打ち抜いて負極とした。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、比較例3とした。比較例3のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
バインダー溶液としてPVDF−NMP溶液、導電剤としてカーボン粉末(非晶質炭素粉末)を混合し、溶剤としてNMPを加えて溶解、分散させて負極電極材料のスラリーを作製した。100μmのPETフィルム上に、厚さ10μm、空孔率40%、空孔径0.1mmの銅箔を貼り付けた複合シートを用意し、その上に上述したスラリーを150×80mmの四角形の形状に塗布し、乾燥炉にて125℃、5分間の乾燥処理を行った後にロールプレスにて圧縮成型を行い、PETフィルムから銅箔を剥離して負極活物質層を形成した。なおPVDFは熱分解を生じるため、実施例1に示すような300℃、10分間の乾燥処理は行っていない。以上のようにして負極集電体に対し活物質層片面塗布品を2枚作製した。さらにこの銅箔からなる、面上に形成された負極活物質層を含む負極集電体を、160×120mmの四角形の形状に打ち抜いて負極とした。そのほかの方法については実施例1と同様である。この方法により、ラミネート型電池を計5台作製し、比較例3とした。比較例3のこれら5台の電池における、初回放電容量、サイクル特性及びセル厚さ変化率の評価結果のそれぞれの平均値を表1に示す。
本発明のリチウムイオン二次電池は、表1における比較例1の電池が有する初回放電容量と同等であることが期待される。つまり初回放電容量に関しては、表1の比較例1に近い水準である1,030mAh以上であれば優位性ありと判定した。同様に100サイクル時のサイクル特性に関しては、表1に示した比較例1を超える80%以上であれば優位性ありと判定した。表1によると、前記実施例1の場合は初回放電容量、サイクル特性の両方においてそれぞれ1,030mAh以上、80%以上の条件を満たしており、従ってこの場合は従来技術に対して優位性があると判定される。さらに、セル厚さ変化率についても、表1の比較例1に近い水準である以上であれば優位性ありと判定した。
表1における実施例1〜8、比較例1の評価結果によると、以下のようになる。即ち、リチウムイオン二次電池において、負極集電体の開口率15%以上85%以下とすることにより、特に45℃100サイクル後のサイクル特性の著しい改善効果があることを示している。また、セル厚さ増加率に関しても、開口率15%以上85%以下であれば、比較例1と比較しても、効果が得られることを示している。実施例2のように、負極集電体の開口率が15%未満の場合、上記負極部分の電解液不足の防止、及びケイ素活物質の体積変化を緩和することが出来ないと考えられる。一方実施例8のように、開口率が85%を超える場合、負極集電体の強度が不十分であるために、充放電時に活物質の体積変化によって電極全体が変形しやすいと考えられる。
表1における実施例9のように、貫通孔を有する2枚の負極集電体の間に、厚さ10μm、空孔率40%、空孔径0.1mmの銅箔を配置した場合、実施例1と比較しても、サイクル特性及びセル厚さ増加率においてさらに良好な結果となっている。これは、実施例1と比較してもさらに貫通孔を有する銅箔が1枚増加することにより、集電体の強度増加、及び集電体内貫通孔増加に伴う電解液保持量の増加が原因と考えられる。
また、表1における比較例2の評価結果からは、十分なサイクル特性が得られていない。これは負極集電体に有している貫通孔中に負極活物質層が配置しているため、電解液を保持することが出来ず、またケイ素活物質の体積変化を緩和することが出来ないためと考えられる。
さらに、表1における比較例3の評価結果からは、特性が明らかに不十分である。比較例3では負極バインダーとしてPVDFを用いているが、負極活物質であるケイ素の体積変化にバインダーの結着作用が十分でないためと考えられる。
以上示したように、本発明の実施の形態に基づき、正極、セパレータ、負極及びセパレータの順に積層した構造を有する素子、及び素子の外側に外装体を配置したリチウムイオン二次電池において、負極集電体に開口率が15%以上85%以下となる貫通孔を有し、負極集電体の片側に負極活物質層を配置した負極2枚を、負極集電体側同士が対向するように積層させ、少なくとも負極活物質層の内側に位置する負極集電体を2枚以上配置し負極2枚の間に空隙を保持させたことにより、初期特性を損なうことなく45℃100サイクル後のサイクル特性、及びセル厚さ増加率において、従来のリチウムイオン二次電池よりも優れた特性を得ることができる。また、上記説明は、本発明の実施の形態に係る場合の効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
本発明は、電気自動車におけるエネルギー回生用途、エンジン駆動、太陽電池との組合せによる蓄電用途、産業機器の非常用電源、もしくは民生機器の駆動など、リチウムイオン二次電池に適用し得る全ての製品に利用することができる。
1 負極活物質層
2 負極集電体
3 正極活物質層
4 正極集電体
5 セパレータ
6 負極端子
7 正極端子
8 外装体
2 負極集電体
3 正極活物質層
4 正極集電体
5 セパレータ
6 負極端子
7 正極端子
8 外装体
Claims (1)
- 正極集電体上に正極活物質層を有する正極と、負極集電体上に負極活物質層を有する負極とを、セパレータを介して積層した積層素子を、外装体に収納したリチウムイオン二次電池において、前記負極は開口率が15%以上85%以下の貫通孔を有する前記負極集電体を有し、かつ前記負極は前記負極集電体の片側に、少なくともケイ素を含有する負極活物質、及び加熱による脱水縮合反応を生じる熱硬化性樹脂からなる負極活物質層を形成し、なおかつ負極集電体同士が対向するように配置したことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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