JP2011086321A - 垂直磁気記録ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】シングル記録方式において、イレーズバンド幅を狭くするためのヘッド構造を有する垂直磁気記録ヘッドを提供する。
【解決手段】記録磁界を発生する主磁極(Main pole)701と、主磁極701のトレーリング側に位置するトレーリングシールド(Trailing shield)702と、主磁極701のクロストラック方向に位置するサイドシールド(Side shield)703と、を備え、サイドシールド703と主磁極701間のギャップ長(MP-SS距離)704と、トレーリングシールド702と主磁極701間のギャップ長(MP-TS距離)705とが
(MP-TS距離)× 0.5 <(MP-SS距離)<(MP-TS距離)× 1.5
を満たす構造を有している。
【選択図】図7

Description

本発明は、シングル記録方式を採用した垂直磁気記録方式HDD(Hard Disk Drive)用の記録用磁気ヘッドに関する。
HDDにおいて高い記録密度を実現するためには、高い線密度とトラック密度が必要である。従来の記録方式を用いたHDDでは、高いトラック密度を実現するために、隣接トラックの信号を消去したり弱めたりしないよう、記録ヘッドの主磁極先端幅をトラック幅よりも狭くする必要がある。
図1は従来技術に用いられている記録ヘッドの概観を示す模式図である。図2は、図1の点線面でカットしたハーフカットモデルの構造を示す模式図である。サイドシールド(Side shield)およびトレーリングシールド(Trailing shield)を有する記録ヘッドは、同図のような構造になる。図1および図2は、主磁極(Main pole)の媒体摺動面(ABS:Air Bearing Surface)から見た図である。従来技術では、主磁極(Main pole)の幅はトラック幅よりも狭くする必要がある。しかるに、主磁極先端幅を狭くすると発生可能な記録磁界強度は低下し、保磁力(異方性磁界)の高い記録媒体に記録できなくなり、そのため、保磁力(異方性磁界)の小さな記録媒体を用いざるを得ない。保磁力(異方性磁界)の小さな記録媒体は熱磁気安定性が不足するため、媒体の体積を大きくする必要がある。記録媒体の体積を大きくとる結果として、高い線密度および面密度は実現できない、という問題があった。
また、図3は、マイクロマグネティック計算機シミュレーションにより求めた記録磁界分布を示したグラフ図である。図3(a)は、主磁極−トレーリングシールド間隔(MP-TS gap)が60nm時のダウントラック方向の記録磁界分布であり、図3(b)は、主磁極−トレーリングシールド間隔(MP-TS gap)が60nm時のクロストラック方向の記録磁界分布である。従来構造の記録ヘッドでは、磁界強度の減少を最低限におさえるため、主磁極−サイドシールド間隔(MP-SS gap)を、主磁極−トレーリングシールド間隔(MP-TS gap)よりも十分に広くするよう設計されている。図3(a),(b)から、”MP-TS
gap”が60nmのときに、”MP-SS gap”を60nm以上にすると最適な磁界強度が得られることがわかる。
一方、磁界強度の減少の問題を解決するため、シングル記録方式が提案された。図4はシングル記録方式の記録ヘッドでトラックに書込みする仕組みを示す模式図である。nのトラックはn−1のトラックの一部に重ね書きされ、n+1のトラックはnのトラックに重ね書きされる。有効な信号として残る帯状の領域は図中の矢印で示された領域となるため、主磁極(Main pole)の幅に無関係に狭くし得る。
シングル記録方式では、主磁極幅の広い記録ヘッドを使ってエッジ記録を行い、主磁極幅よりも狭いトラック幅を形成し、高いトラック密度を実現する。主磁極幅の広い記録ヘッドは、強い記録磁界を発生し得るため、高い線密度を可能であり高いトラック密度とあいまって高い面密度を実現可能である。
特許文献1には、シングルポールタイプの記録ヘッドにおいて、メインポール及びリターンポールを備え、前記メインポールの磁気記録層の内側に向う第1面、前記磁気記録層のデータ記録面に向う第2面、及び前記磁気記録層の外側に向う第3面のうち、前記第1面及び第3面は互いに対称であり、かつ、いずれも前記第2面と90°より大きい角をなす構造とすることで、高いトラック密度を有する磁気記録層に対応しつつ、漏れ磁束を減らし得るトラック方向の漏れ磁束を低減する垂直磁気記録ヘッドが開示されている。
特開2008−123692号公報
S. Greaves, H. Muraoka, and Y.Kanai, "Simulations of recording media for 1 Tb/in2," Journal ofMagnetism and Magnetic Materials, pp. 2889-2893, vol. 320, no. 22, Nov. II,2008.
しかしながら、特許文献1に示すようなシングル記録方式では、主磁極−サイドシールド間隔を、主磁極−トレーリングシールド間隔よりも大きくとるとイレーズバンド幅が広くなってしまうという問題がある。イレーズバンドとは、信号トラックと信号トラックの間に形成される無効かつ有害なノイズをもつ帯状の領域のことであり、高いトラック密度を実現には、このイレーズバンドを十分に狭くする必要がある。エッジ記録により高いトラック密度を実現するシングル記録方式では、特にイレーズバンド幅に注意を払う必要がある。
図5を用いて、イレーズバンド(EB:Erase Band)の定義を説明する。図5は、中央部自己トラックとその両側に隣接する両トラックに信号の書込みを行った時の記録信号の強度を示している。中央部自己トラックの両側に隣接する両トラックにたとえば1494 kfciの信号を書いて、中央トラックに記録信号(907 kfci)を記録する。中央トラックの記録後には、隣接トラックに書かれていた記録信号(1494 kfci, Start)は、出力低下と記録幅の減少を伴う信号(1494 kfci, End)となる。記録信号(1494 kfci, Start)の出力が半値となる記録信号との距離をイレーズ幅ELと定義するとき、イレーズバンド幅EBは“イレーズ幅EL−磁気記録幅MWW”により与えられる。
図6は、コンピュータシミュレーションにより、クロストラック方向における垂直成分ヘッド磁界勾配(Cross-track recording field gradient)(以下では、クロストラック磁界勾配と呼ぶ)に対してイレーズバンド幅(Erase band width)を求めたものである。これから分かるように、イレーズバンド幅を狭くするためには、クロストラック磁界勾配が大きい記録ヘッドを用いる必要があることが明らかである。図6から、イレーズバンド幅を5nmとするためには、クロストラック磁界勾配を300Oe/nm以上にする必要があることがわかる。なお、媒体記録層の粒径(4.5nm)による制限から、クロストラック磁界勾配をいくら大きくしても、イレーズバンド幅を4nm以下することはできない。
そこで、本発明の目的は、イレーズバンド幅を狭くするための、すなわち、クロストラック磁界勾配を急峻にするためのヘッド構造を有する垂直磁気記録ヘッドを提供することにある。
請求項1に記載の垂直磁気記録ヘッドは、シングル記録方式に用いられる垂直磁気記録ヘッドであって、
記録磁界を発生する主磁極と、
前記主磁極のトレーリング側に位置するトレーリングシールドと、
前記主磁極のクロストラック方向に位置するサイドシールドと、を備え、
前記サイドシールドと前記主磁極間のギャップ長(MP-SS距離)と、前記トレーリングシールドと前記主磁極間のギャップ長(MP-TS距離)とが
(MP-TS距離)× 0.5 <(MP-SS距離)<(MP-TS距離)× 1.5
を満たすことを特徴とする。
請求項2に記載の垂直磁気記録ヘッドは、請求項1に記載の垂直磁気記録ヘッドにおいて、前記サイドシールドと前記主磁極間のギャップ長(MP-SS距離)と、前記トレーリングシールドと前記主磁極間のギャップ長(MP-TS距離)とが略同じであることを特徴とする。
請求項3に記載の垂直磁気記録ヘッドは、請求項1または請求項2に記載の垂直磁気記録ヘッドにおいて、前記サイドシールドを前記主磁極の片側のみに有することを特徴とする。
請求項4に記載の垂直磁気記録ヘッドは、請求項1−3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッドにおいて、前記主磁極フレア角度が20度から30度の範囲にあることを特徴とする。
請求項5に記載の垂直磁気記録ヘッドは、請求項1−4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッドにおいて、前記主磁極の平面形状が中心線に対して対称であることを特徴とする。
請求項6に記載の垂直磁気記録ヘッドは、請求項1−4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッドにおいて、前記主磁極の平面形状が中心線に対して非対称であることを特徴とする。
請求項7に記載の垂直磁気記録ヘッドは、請求項1−4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッドにおいて、前記主磁極の媒体摺動面(ABS:Air Bearing Surface)形状が中心線に対して対称であることを特徴とする。
請求項8に記載の垂直磁気記録ヘッドは、請求項1−4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッドにおいて、前記主磁極の媒体摺動面(ABS:Air Bearing Surface)形状が中心線に対して非対称であることを特徴とする。
本発明によれば、主磁極幅の広い記録ヘッドを用いたシングル記録方式では、主磁極幅の広い記録ヘッドを使ってエッジ記録を行い狭小なイレーズバンドを形成可能であることから、主磁極幅よりも狭いトラック幅を形成し、高いトラック密度を実現し得るため、従来技術(例えば、非特許文献1から得られるようなデータ)に比べ2−3倍の面記録密度を達成可能であることが計算機シミュレーションにより示唆された。
従来技術に用いられる記録ヘッドの概観を示す模式図である。 図1の点線面でカットしたハーフカットモデルの構造を示した模式図である。 マイクロマグネティック計算機シミュレーションにより求めた記録磁界分布を示すグラフ図である。図3(a)はMP-TS =60nm時のダウントラック方向の記録磁界分布を示すグラフ図であり、図3(b)はMP-TS =60nm時のクロストラック方向の記録磁界分布を示すグラフ図である。 シングル記録方式の記録ヘッドでトラックに書込みする仕組みを示す模式図である。 中央部自己トラックとその両側に隣接する両トラックに信号の書込みを行った時の記録信号の強度を示すグラフ図である。 計算機シミュレーションにより求めた、クロストラック磁界勾配とイレーズバンド幅の関係を示すグラフ図である。 本発明の第1実施形態に係る垂直磁気記録ヘッドの構造を示す模式図である。 計算機シミュレーションで求めた、記録磁界強度、媒体走行方向の記録磁界の勾配、媒体トラック方向の記録磁界勾配および隣接トラックへの漏れ磁界強度の、主磁極−サイドシールド距離(MP-SS distance)への依存性を示したグラフ図である。 計算機シミュレーションで求めた、記録磁界強度、媒体走行方向の記録磁界の勾配、媒体トラック方向の記録磁界勾配および隣接トラックへの漏れ磁界強度の、主磁極−トレーリングシールド距離(MP-TS distance)への依存性を示したグラフ図である。 計算機シミュレーションで求めた、記録磁界強度、媒体走行方向の記録磁界の勾配、媒体トラック方向の記録磁界勾配および隣接トラックへの漏れ磁界強度の、主磁極フレア角度(Flare angle)への依存性を示したグラフ図である。 本発明に係る垂直磁気記録ヘッドを媒体摺動面(ABS:Air Bearing Surface)から見た拡大図である。 本発明に係る垂直磁気記録ヘッド全体の概観を示す模式図である。 本発明に係る垂直磁気記録ヘッドの主磁極の平面形状を示す模式図である。 本発明に係る垂直磁気記録ヘッドがスキュー角度を持った場合の記録磁界強度を示す磁界分布図である。 本発明に係る垂直磁気記録ヘッドの主磁極の媒体摺動面(ABS:Air Bearing Surface)形状が中心線に対し非対称である場合を示す模式図である。 フレア角度について説明した説明図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施形態により限定されるものではない。
1.第1実施形態
(1)垂直磁気記録ヘッドの構成
図7を用いて、本発明の第1実施形態に係る垂直磁気記録ヘッドの構成について説明する。図7に示すように、垂直磁気記録ヘッドは、シングル記録方式に用いられる垂直磁気記録ヘッドであって、記録磁界を発生する主磁極(Main pole)701と、主磁極701のトレーリング側に位置するトレーリングシールド(Trailing shield)702と、主磁極701のクロストラック方向に位置するサイドシールド(Side shield)703と、を備え、サイドシールド703と主磁極701間のギャップ長(MP-SS距離)704と、トレーリングシールド702と主磁極701間のギャップ長(MP-TS距離)705とが
(MP-TS距離)× 0.5 <(MP-SS距離)<(MP-TS距離)× 1.5
を満たす構造を有している。
図8は、記録磁界強度、媒体走行方向の記録磁界の勾配、媒体トラック方向の記録磁界勾配および隣接トラックへの漏れ磁界強度の、主磁極−サイドシールド距離(MP-SS distance)への依存性を計算機シミュレーションにより求めたものである。ここで主磁極−トレーリングシールド距離(MP-TS distance)は10nmとしている。
図8から、ダウントラック方向における垂直成分ヘッド磁界勾配(以下、ダウントラック磁界勾配と呼ぶ)(DT field gradient)はMP-SS距離が短くなるにつれ、緩やかに減少する。一方、クロストラック磁界勾配(CT field gradient)に注目すると、MP-SS距離が短くなるに従い大きくなり、10nm付近で最大値をとり、5nmでは減少する。従って、クロストラック磁界勾配(CT field gradient)が大きくなりつつ、ダウントラック磁界勾配(DT field gradient)の劣化がわずかな範囲におさまるように、MP-SS距離を5nm〜15nmの範囲にすることが必要となる。すなわち(MP-TS距離)×0.5<(MP-SS距離)<(MP-TS距離)×1.5であることが必要となる。後述するように、もっとも望ましいのは、(MP-SS距離)=(MP-TS距離)の場合である。
図9は、記録磁界強度、媒体走行方向の記録磁界の勾配、媒体トラック方向の記録磁界勾配および隣接トラックへの漏れ磁界強度の、主磁極−トレーリングシールド距離(MP-TS distance)への依存性を計算機シミュレーションにより求めたものである。主磁極−サイドシールド距離(MP-SS distance)は10nmとしている。
図9から、クロストラック磁界勾配(CT field gradient)に注目すると、主磁極−トレーリングシールド距離が30nmのときに最大値をとり、単調に減少するが、15nm付近でダウントラック磁界勾配(DT field gradient)よりも悪化する。ダウントラック勾配(DT field gradient)は主磁極−トレーリングシールド距離が30nmのときに最小値をとり、10nm付近で最大値をとり、5nmでは減少する。HDDなどの磁気記録では、ダウントラック磁界勾配(DT field gradient)も高線記録密度の達成のために必要不可欠であり、これが劣化することも許容できない。従って、前述と同様に、クロストラック磁界勾配(CT field gradient)が大きくなりつつ、ダウントラック磁界勾配(DT field gradient)の劣化がわずかな範囲におさまるためには、(MP-SS距離)が(MP-TS距離)とほぼ等しくしなければならないことが、本シミュレーションからも確認される。
図10は、記録磁界強度、媒体走行方向の記録磁界の勾配、媒体トラック方向の記録磁界勾配および隣接トラックへの漏れ磁界強度の、主磁極フレア角度(Flare angle)への依存性を計算機シミュレーションにより求めたものである。図10から、媒体トラック方向の記録磁界勾配に注目すると主磁極フレア角度(Flare angle)が20度から30度のときに最適なクロストラック磁界勾配が得られる。
なお、主磁極フレア角度は図16に示すように主磁極底面の法線と主磁極側面とのなす角ことである。
(2)実施例
図11を用いて、実施例を説明する。図11は、本発明に係る垂直磁気記録ヘッドを媒体摺動面(ABS)から見た拡大図である。この垂直磁気記録ヘッドは、シングル記録方式によるHDDに用いられる。図11の例では、サイドシールドを主磁極の片側にのみ配置し、主磁極フレア角度を30度にして、主磁極とサイドシールドの距離(MP-SS距離=10nm)を、主磁極とトレーリングシールドの距離(MP-TS距離)以下にした場合を示している。またこの場合、また主磁極(Main pole)の媒体摺動面(ABS)形状が中心線に対し対称となっており、図11の例では、主磁極(Main pole)の三角形の左側および右側の角度を75度としている。このような構造にすることで、クロストラック磁界勾配およびダウントラック磁界勾配を最適値とすることができ、従来技術と比べて高いトラック記録密度を実現することが可能となる。
図12は、本発明に係る垂直磁気記録ヘッド全体の概観を示したものである。
図12に示すように本発明の垂直磁気記録ヘッドも従来発明と同様に、主磁極(Main pole: MP)、リターンヨーク(Return yoke)、トレーリングシールド(Trailing Shield)、サイドシールド(Side Shield)および巻き線(Coil Windings)からなるが、図12ではサイドシールドが主磁極の片側にのみある構造を示している。
2.第2実施形態
(1)垂直磁気記録ヘッドの構成
図13を用いて、本発明の第2実施形態に係る垂直磁気記録ヘッドの構成について説明する。本実施形態に係る垂直磁気記録ヘッドの構成は、図7で説明した第1実施形態と基本的な構成は同じであるが、主磁極(Main pole)の形状が異なるので、これについて説明する。
図13(a)は、主磁極の平面形状が中心線に対して対称となる形状を示している。また図13(b)は、主磁極の平面形状が中心線に対して非対称となる形状を示している。図13(a),(b)に示すように、本発明に係る垂直磁気記録ヘッドは、主磁極の平面形状が中心線に対して対称あるいは非対称の形状である。
図10から分かるように、例えばフレア角度(Flare angle)が40度の場合には、主磁極からサイドシールドへの漏れ磁界が大きく、結果として隣接トラックへの漏れ磁界が大きくなり、さらにクロストラック方向の記録磁界勾配が低下するため好ましくない。そこで、フレア角度を40度に保ったまま、隣接トラックへの漏れ磁界を低下させる意図を持って、主磁極のうち重ね書きされる側の一部を削ったものが非対称モデルである。これらの構造(対称モデルおよび非対称モデル)の記録磁界および記録磁界勾配を計算機シミュレーションにより求めると、記録磁界強度は対称モデルが15.9kOe、非対称モデルが15.0 kOeとやや低下する。また、ダウントラック方向の記録磁界勾配もそれぞれ、353 Oe/nm、 343 Oe/nmと低下する。これに対して漏れ磁界強度はそれぞれ7.2 kOe、 4.2 kOeであり、大きく低下しており好ましい。その結果、クロストラック方向の記録磁界勾配がそれぞれ、309 Oe/nm、 359 Oe/nmと大きく向上し、好ましい結果を得られた。
3.第3実施形態
(1)垂直磁気記録ヘッドの構成
図15を用いて、本発明の第3実施形態に係る垂直磁気記録ヘッドの構成について説明する。本実施形態に係る垂直磁気記録ヘッドの構成は、図7で説明した第1実施形態と基本的な構成は同じであるが、主磁極(Main pole)の媒体摺動面(ABS)形状が異なるので、これについて説明する。
図15は、主磁極の媒体摺動面(ABS)形状が中心線に対して非対称である場合を示している。この際、α<βであることが重要であり、同図ではα = 70 deg、 β = 80 degの場合を示している。
次に、図14を用いて、本発明に係る垂直磁気記録ヘッドがスキュー角度(記録ヘッドが記録媒体に対して傾斜した角度)を持った場合の記録磁界強度について説明する。図14は、記録ヘッドのスキュー角度が0度(左図)および15度(右図)の場合の、記録媒体の厚さの中央で計算機シミュレーションにより求めた記録磁界強度であり、記録ヘッドの主磁極、サイドシールドおよびトレーリングシールドの輪郭線も併記してある。これらの図から分かるように、第1実施形態(図7)において、75度と規定した角度は非対称であってもよい。具体的には主磁極三角形の左側の角度を大きく、重ね書きする際に重要な磁極三角形の右側の角度を小さくすればよい。
本発明は、ハードディスクドライブ装置(HDD)に用いられる垂直磁気記録ヘッドに適用可能である。

Claims (8)

  1. シングル記録方式に用いられる垂直磁気記録ヘッドであって、
    記録磁界を発生する主磁極と、
    前記主磁極のトレーリング側に位置するトレーリングシールドと、
    前記主磁極のクロストラック方向に位置するサイドシールドと、を備え、
    前記サイドシールドと前記主磁極間のギャップ長(MP-SS距離)と、前記トレーリングシールドと前記主磁極間のギャップ長(MP-TS距離)とが
    (MP-TS距離)× 0.5 <(MP-SS距離)<(MP-TS距離)× 1.5
    を満たすことを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  2. 前記サイドシールドと前記主磁極間のギャップ長(MP-SS距離)と、前記トレーリングシールドと前記主磁極間のギャップ長(MP-TS距離)とが略同じであることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  3. 前記サイドシールドを前記主磁極の片側のみに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  4. 前記主磁極フレア角度が20度から30度の範囲にあることを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  5. 前記主磁極の平面形状が中心線に対して対称であることを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  6. 前記主磁極の平面形状が中心線に対して非対称であることを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  7. 前記主磁極の媒体摺動面(ABS:Air Bearing Surface)形状が中心線に対して対称であることを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  8. 前記主磁極の媒体摺動面(ABS:Air Bearing Surface)形状が中心線に対して非対称であることを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
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