JP2011085093A - 内燃機関の排気脈動特性推定装置及び制御システム - Google Patents

内燃機関の排気脈動特性推定装置及び制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】流路断面積制御手段によって制御された排気流路の断面積を用いて内燃機関の排気脈動の特性を推定する。
【解決手段】排気流路の断面積を制御する流路断面積制御手段を備えた内燃機関において、前記流路断面積制御手段によって制御された排気流路の断面積を用いて内燃機関の排気脈動の特性を推定する(S104)。推定された排気脈動の特性に応じて、内燃機関の吸気弁及び排気弁の両方が開弁状態となる期間であるバルブオーバーラップ期間を制御する(S107)。これにより、内燃機関における掃気効果を高めることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の排気脈動特性推定装置及び制御システムに関する。
内燃機関においては、吸気ポートから気筒内に流入した吸気が排気ポートに吹き抜けることで生じる掃気効果を利用して体積効率を向上させる技術が知られている。排気脈動の振幅がある程度大きくなると、排気圧力が低下したときに排気圧力よりも吸気圧力の方が高くなる場合がある。そこで、この排気圧力よりも吸気圧力の方が高くなっている期間中に、吸気弁及び排気弁の両方が開弁している状態(所謂バルブオーバーラップ)とし、これによって掃気効果を生じさせる。掃気効果を生じさせることによって、気筒内に残留した既燃ガス(内部EGRガス)を減少させることができる。その結果、気筒内の新気量が増加するため、体積効率を向上させることができる。
上記のように、掃気効果を利用するためには、排気圧力よりも吸気圧力の方が高くなっている期間中にバルブオーバーラップ期間を生じさせる必要がある。そのためには、排気脈動の特性を高精度で推定することが重要である。
特許文献1には、内燃機関の排気弁開弁直前のシリンダ内圧力と平滑された排気圧の比と機関回転速度とに基づいて、排気弁開時の排気弁近傍の排気圧を推定する技術が開示されている。
特開2005−307804号公報 特開2005−307801号公報
本発明は、内燃機関の排気脈動の特性を高精度で推定することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の排気脈動特性推定装置は、
排気流路の断面積を制御する流路断面積制御手段を備えた内燃機関において、
前記流路断面積制御手段によって制御された排気流路の断面積を用いて内燃機関の排気脈動の特性を推定することを特徴とする。
排気流路の断面積が変化する場合、その面積に応じて排気脈動の特性が変化する。本発明によれば、排気流路の断面積を用いて排気脈動の特性が推定される。従って、その特性を高精度で推定することができる。
本発明に係る内燃機関の排気脈動特性推定装置は、エンタルピ取得手段、平均値推定手段、振幅推定手段及び位相推定手段を備えてもよい。エンタルピ取得手段は、内燃機関から排出された直後の排気のエンタルピ又は該エンタルピと相関のある物理量を取得する。平均値推定手段は、流路断面積制御手段によって制御された排気流路の断面積と、エンタルピ取得手段によって取得されたエンタルピ又は物理量とに基づいて排気圧力の平均値を推定する。振幅推定手段は、エンタルピ取得手段によって取得されたエンタルピ又は物理
量に基づいて排気圧力の振幅を推定する。位相推定手段は、内燃機関の機関回転速度及び排気弁の開弁時期に基づいて排気圧力の位相を推定する。
上記構成の場合、推定される排気脈動の特性は、排気圧力の平均値、振幅及び位相であり、これらの値を高精度で推定することができる。
また、本発明に係る内燃機関の制御システムは、前記排気脈動特性推定装置と、内燃機関の吸気弁及び排気弁の両方が開弁状態となる期間であるバルブオーバーラップ期間を制御するバルブオーバーラップ期間制御手段と、を備えてもよい。この場合、バルブオーバーラップ期間制御手段は、排気脈動特性推定装置によって推定された排気脈動の特性に応じてバルブオーバーラップ期間を制御する。
これによれば、内燃機関における掃気効果がより高くなるように、バルブオーバーラップ期間を制御することができる。
例えば、バルブオーバーラップ期間制御手段は、吸気圧力よりも排気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なることを抑制しつつ、排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なっている期間がより長くなるように、バルブオーバーラップ期間を制御してもよい。
これにより、内燃機関における掃気効果を高めることができる。
排気脈動特性推定装置は、流路断面積制御手段によって制御された排気流路の断面積が大きいときは該排気流路の断面積が小さいときに比べて排気圧力の平均値が低いと推定してもよい。この場合、バルブオーバーラップ期間制御手段は、排気脈動特性推定装置によって推定された排気圧力の平均値が低いときは該排気圧力の平均値が高いときに比べてバルブオーバーラップ期間を長くする。換言すれば、バルブオーバーラップ期間制御手段は、排気脈動特性推定装置によって推定された排気圧力の平均値が高いときは該排気圧力の平均値が低いときに比べてバルブオーバーラップ期間を短くする。
排気圧力の平均値が低いときは、排気圧力の平均値が高いときに比べて、排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期が長い。そのため、上記によれば、吸気圧力よりも排気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なることを抑制でき、また、排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なっている期間をより長くすることができる。
また、排気脈動特性推定装置は、エンタルピ取得手段によって取得されたエンタルピ又はエンタルピと相関のある物理量が小さいときは該エンタルピ又は該エンタルピと相関のある物理量が大きいときに比べて排気圧力の平均値が低く且つその振幅が小さいと推定してもよい。この場合、バルブオーバーラップ期間制御手段は、排気脈動特性推定装置によって推定された排気圧力の平均値が低く且つその振幅が小さいときは該排気圧力の平均値が高く且つその振幅が大きいときに比べてバルブオーバーラップ期間を長くする。換言すれば、バルブオーバーラップ期間制御手段は、排気脈動特性推定装置によって推定された排気圧力の平均値が高く且つその振幅が大きいときは該排気圧力の平均値が低く且つその振幅が小さいときに比べてバルブオーバーラップ期間を短くする。
排気圧力の平均値が低く且つその振幅が小さいときは排気圧力の平均値が高く且つその振幅が大きいときに比べて、排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期が長い。そのため、上記によっても、吸気圧力よりも排気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なることを抑制でき、また、排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期とバルブオーバ
ーラップ期間とが重なっている期間をより長くすることができる。
本発明によれば、内燃機関の排気脈動の特性を高精度で推定することができる。そのため、バルブオーバーラップ期間をより好適な時期に生じさせることが可能となる。その結果、内燃機関における掃気効果を高めることができ、以って体積効率を大幅に向上させることができる。
実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図である。 排気圧力と吸気圧力の脈動による変化を示す図である。 排気脈動の波形と排気のエンタルピとの関係を説明するための図である。 排気脈動の波形と排気流路の断面積との関係を説明するための図である。 本実施例に係るバルブオーバーラップ期間の制御のフローを示すフローチャートである。 掃気可能時期とバルブオーバーラップ期間との関係を示す図である。
以下、本発明に係る内燃機関の排気脈動特性推定装置及び内燃機関の制御システムの具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例>
本発明の実施例について図1〜6に基づいて説明する。
(内燃機関およびその吸排気系の概略構成)
図1は、本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は4つの気筒2を有する車両駆動用のディーゼルエンジンである。各気筒2には該気筒2内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁3が設けられている。
また、内燃機関1には、吸気側可変動弁機構(以下、吸気VVTと称する)25及び排気側可変動弁機構(以下、排気VVTと称する)26が設けられている。吸気VVT25は吸気弁の開弁時期及び閉弁時期を変更可能な機構である。排気VVT26は排気弁の開弁時期及び閉弁時期を変更可能な機構である。
本実施例に係る吸気VVT25は吸気弁の作用角及び位相を変更することが可能である。そのため、吸気VVT25によって、吸気弁の開弁時期又は閉弁時期の一方を固定しつつ他方を変更することができる。また、吸気VVT25によって、吸気弁の開弁時期又は閉弁時期の一方を進角しつつ他方を遅角することもできる。同様に、排気VVT26は排気弁の作用角及び位相を変更することが可能である。そのため、排気VVT26によって、排気弁の開弁時期又は閉弁時期の一方を固定しつつ他方を変更することができる。また、排気VVT26によって、排気弁の開弁時期又は閉弁時期の一方を進角しつつ他方を遅角することもできる。吸気VVT25によって吸気弁の開弁時期を変更すること、及び/又は、排気VVT26によって排気弁の閉弁時期を変更することによって、吸気弁及び排気弁の両方が開弁状態となるバルブオーバーラップ期間を制御することができる。
内燃機関1には、インテークマニホールド5およびエキゾーストマニホールド7が接続されている。インテークマニホールド5には吸気通路4が接続されている。エキゾーストマニホールド7には排気通路6が接続されている。
吸気通路4にはターボチャージャ8のコンプレッサ8aが設置されている。排気通路6にはターボチャージャ8のタービン8bが設置されている。タービン8bにはノズルベーン14が設けられている。ノズルベーン14の開度が変化することで、排気流路の断面積が変化する。即ち、ノズルベーン14の開度が大きくなると排気流路の断面積が大きくなり、ノズルベーン14の開度が小さくなると排気流路の断面積が小さくなる。本実施例においては、ノズルベーン14が本発明に係る流路断面積制御手段に相当する。
インテークマニホールド5には、吸気圧力(過給圧)を検出する吸気圧センサ23が設けられている。吸気通路4におけるコンプレッサ8aよりも下流側にはスロットル弁9が設けられている。吸気通路4におけるコンプレッサ8aよりも上流側にはエアフローメータ24が設けられている。排気通路6におけるタービン8bよりも下流側には、パティキュレートフィルタ等によって構成される排気浄化装置10が設けられている。
内燃機関1の吸排気系にはEGR装置11が設けられている。EGR装置11は、EGR通路12及びEGR弁13を備えている。EGR通路12は、その一端がエキゾーストマニホールド7に接続されており、その他端が吸気通路4におけるスロットル弁9よりも下流側に接続されている。
EGR弁13は、EGR通路12に設けられており、EGR通路12を通ってエキゾーストマニホールド7から吸気通路4に導入されるEGRガスの流量を制御する。
以上述べたように構成された内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。ECU20には、エアフローメータ24、吸気圧センサ23、クランクポジションセンサ21及びアクセル開度センサ22が電気的に接続されている。これらの出力信号がECU20に入力される。クランクポジションセンサ21は、内燃機関1のクランク角を検出するセンサである。また、アクセル開度センサ22は、内燃機関1を搭載した車両のアクセル開度を検出するセンサである。
また、ECU20には、燃料噴射弁3、吸気VVT25、排気VVT26、スロットル弁9、ノズルベーン14及びEGR弁13が電気的に接続されている。ECU20によってこれらが制御される。
(掃気効果)
本実施例においては、内燃機関1の運転状態が加速運転となった場合、掃気効果を利用して体積効率の向上を図っている。図2は、エキゾーストマニホールド7内の排気圧力(以下、単に排気圧力と称する)とインテークマニホールド5内の吸気圧力(以下、単に吸気圧力と称する)との脈動による変化を示す図である。
内燃機関1の機関負荷がある程度以上高くなると、排気脈動の振幅が吸気脈動の振幅に比べて非常に大きくなる。そのため、図2に示すように、排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期Δtaが生じる場合がある。この時期Δtaの間にバルブオーバーラップ期間を生じさせると、吸気ポートから気筒2内に流入した吸気が排気ポートに吹き抜け、掃気効果を生じさせることができる。以下、この排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期を掃気可能時期と称する。
(排気脈動特性の推定)
上記のように、掃気効果を利用するためには、掃気可能時期の間にバルブオーバーラップ期間を生じさせる必要がある。そのためには、排気脈動の特性を高精度で推定し、掃気可能時期を正確に把握する必要がある。本実施例においては、排気脈動の特性として排気
圧力の平均値、振幅及び位相を推定する。これらの値を推定するためのパラメータとして、エキゾーストマニホールド7内の排気(即ち、内燃機関1から排出された直後の排気)のエンタルピ(以下、単に排気のエンタルピと称する)Heg、排気流路の断面積Seg、内燃機関1の機関回転速度Ne及び排気弁の開弁時期Tevoを用いる。
図3は、排気脈動の波形と排気のエンタルピHegとの関係を説明するための図である。図4は、排気脈動の波形と排気流路の断面積Segとの関係を説明するための図である。図3及び4において、縦軸は排気圧力を表しており、横軸はクランク角を表している。また、図3及び4において、破線は吸気圧力の平均値を表している。
図3に示すように、排気のエンタルピHegが増加するほど、排気圧力の極大値が高くなる。このとき、排気圧力の極小値はほとんど変化しない。つまり、排気のエンタルピHegが増加するほど、排気圧力の平均値が高くなり且つ排気圧力の振幅が大きくなる。
また、図4に示すように、排気流路の断面積Segが小さくなるほど、排気圧力の極大値及び極小値が高くなる。このとき、排気圧力の振幅はほとんど変化しない。つまり、排気流路の断面積Segが小さいほど、排気圧力の平均値が高くなる。
そこで、本実施例では、排気のエンタルピHegに基づいて排気圧力の振幅を算出する。ここで、排気のエンタルピHegは、燃料噴射弁3からの燃料噴射量及び燃料噴射時期、吸入空気量、吸気圧センサ23によって検出される吸気圧力、及び、ノズルベーン14の開度に基づいて算出される。本実施例において、排気のエンタルピHegと、燃料噴射量、燃料噴射時期、吸入空気量、吸気圧力及びノズルベーン14の開度との関係が実験等によって求められており、これらの関係がマップ又は式としてECU20に予め記憶されている。さらに、排気のエンタルピHegと排気圧力の振幅との関係についても実験等によって求められており、これらの関係がマップ又は式としてECU20に予め記憶されている。
尚、排気のエンタルピに代えて、排気のエンタルピと相関のある値(例えば、燃料噴射弁3からの燃料噴射量等)を検出又は算出し、その値に基づいて排気圧力の振幅を算出してもよい。
また、本実施例では、排気のエンタルピHeg及び排気流路の断面積Segに基づいて排気圧力の平均値を算出する。ここで、排気流路の断面積Segはノズルベーン14の開度に基づいて算出される。本実施例において、排気流路の断面積Segとノズルベーン14の開度との関係が実験等によって求められており、これらの関係がマップ又は式としてECU20に予め記憶されている。さらに、排気のエンタルピHeg及び排気流路の断面積Segと排気圧力の平均値との関係についても実験等によって求められており、これらの関係がマップ又は式としてECU20に予め記憶されている。
尚、ノズルベーン14の開度に代えて又はそれに加えて、タービン8bに設けられたウェストゲートバルブの開度に基づいて排気流路の断面積Segを算出してもよい。また、排気通路6に排気絞り弁が設けられている場合は、該排気絞り弁の開度に基づいて排気流路の断面積Segを算出してもよい。これら以外に排気流路の断面積に関わる構成が存在する場合は、該構成の状態に基づいて排気流路の断面積Segを算出してもよい。
さらに、排気脈動の位相は、内燃機関1の機関回転速度Ne及び排気弁の開弁時期Tevoと相関がある。そのため、これらの値から排気脈動の位相を算出する。
上記のように、本実施例においては、排気圧力の振幅、平均値及び位相の値が、それぞ
れに対して相関性の高いパラメータに基づいて算出される。これにより、排気脈動の特性たる排気圧力の振幅、平均値及び位相を高精度で推定することができる。また、本実施例によれば、排気脈動の特性を推定するための新たなセンサを内燃機関1又はその吸排気系に設ける必要がない。
(バルブオーバーラップ期間の制御)
本実施例においては、掃気効果を利用すべく、上記のような方法で推定された排気脈動の特性に応じてバルブオーバーラップ期間を制御する。以下、本実施例に係るバルブオーバーラップ期間の制御について図5に示すフローチャートに基づいて説明する。尚、本フローは、ECU20に予め記憶されており、ECU20によって所定の間隔で繰り返し実行される。
本フローでは、先ずステップS101において、内燃機関1の運転状態が加速運転であるか否かが判別される。ステップS101において、肯定判定された場合、次にステップS102の処理が実行され、否定判定された場合、本フローの実行が一旦終了される。
ステップS102においては、燃料噴射弁3からの燃料噴射量及び燃料噴射時期、吸入空気量、吸気圧センサ23によって検出される吸気圧力、及び、ノズルベーン14の開度に基づいて、排気のエンタルピHegが算出される。尚、本実施例においては、該ステップS102を実行するECU20が、本発明に係るエンタルピ取得手段に相当する。
次に、ステップS103において、ノズルベーン14の開度に基づいて排気流路の断面積Segが算出される。
次に、ステップS104において、脈動する排気圧力の振幅、平均値及び位相が算出される。ここで、排気圧力の振幅は、ステップS102において算出された排気のエンタルピHegに基づいて算出される。排気圧力の平均値は、ステップS102において算出された排気のエンタルピHeg及びステップS103において算出された排気流路の断面積Segに基づいて算出される。排気圧力の位相は、内燃機関1の機関回転速度Ne及び排気弁の開弁時期Tevoに基づいて算出される。尚、本実施例においては、該ステップS104を実行するECU20が、本発明に係る平均値推定手段、振幅推定手段及び位相推定手段に相当する。
次に、ステップS105において、掃気可能時期Δtaが存在するか否かが判別される。ここでは、ステップS104において算出された排気脈動の特性と吸気圧センサ23によって検出される吸気圧力とに基づいて、掃気可能時期Δtaが存在するか否かの判別が行なわれる。尚、上述したように、吸気圧力の脈動の振幅は比較的小さいため、吸気圧力の平均値を用いて該判別を行なってもよい。ステップS105において、肯定判定された場合、次にステップS106の処理が実行され、否定判定された場合、本フローの実行は一旦終了される。
ステップS106においては、掃気可能時期Δtaの間にバルブオーバーラップ期間Δtvoが存在する否かが判別される。ステップS106において、肯定判定された場合、次にステップS107の処理が実行され、否定判定された場合、本フローの実行は一旦終了される。
ステップS107においては、吸気VVT25によって吸気弁の開弁時期を進角すること、及び/又は、排気VVT26によって排気弁の閉弁時期を遅角することによって、図6に示すように、バルブオーバーラップ期間Δtvoが拡大される。図6において、Δtvo1は拡大前のバルブオーバーラップ期間を表しており、Δtvo2は拡大後のバルブ
オーバーラップ期間を表している。ステップS107において、バルブオーバーラップ期間Δtvoは、吸気圧力より排気圧力の方が高い時期と重ならない範囲で可及的に長く拡大されるのが好ましい。
ここで、上述したように、排気のエンタルピHegが増加するほど、排気圧力の平均値が高くなり且つ排気圧力の振幅が大きくなる。換言すれば、排気のエンタルピHegが小さいほど、排気圧力の平均値が低くなり且つ排気圧力の振幅が小さくなる。そして、図3に示すように、掃気可能時期が存在する場合、排気圧力の平均値が低くなり且つ排気圧力の振幅が小さくなるほど、掃気可能時期は長くなる。そこで、ステップS107では、ステップS104において算出された排気圧力の平均値が低く且つ排気圧力の振幅が小さいほど、バルブオーバーラップ期間Δtvoを長くする。
また、上述したように、排気流路の断面積Segが小さいほど、排気圧力の平均値が高くなる。換言すれば、排気流路の断面積Segが大きいほど、排気圧力の平均値が低くなる。そして、図4に示すように、掃気可能時期が存在する場合、排気圧力の平均値が低いほど、掃気可能時期は長くなる。そこで、ステップS107では、ステップS104において算出された排気圧力の平均値が低いほど、バルブオーバーラップ期間Δtvoを長くする。
尚、本実施例においては、該ステップS107を実行するECU20が、本発明に係るバルブオーバーラップ期間制御手段に相当する。
上記フローによれば、加速運転時において、吸気圧力よりも排気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なることを抑制しつつ、掃気可能時期とバルブオーバーラップ期間とが重なっている期間をより長くすることができる。その結果、内燃機関1における掃気効果を高めることができる。従って、内燃機関1における堆積効率を大幅に向上させることができる。
(変形例)
尚、本実施例においては、各気筒2に筒内圧センサを設けてもよい。この場合、排気弁の開弁時に筒内圧センサによって検出される筒内圧力に基づいてエキゾーストマニホールド7内の排気圧力を推定することができる。そこで、該推定値を用いて掃気可能時期を算出してもよい。また、この場合においては、排気圧力の推定値を、上記と同様に算出される排気のエンタルピ及び排気流路の断面積に基づいて補正してもよい。
また、本実施例に係る内燃機関の吸排気系を、吸気通路4及び排気通路6が途中で分岐しており、二つのターボチャージャが並列に設けられている構成としてもよい。この場合、排気の流路を切り換えることで、一つのターボチャージャのみを駆動させた状態と二つのターボチャージャの両方を駆動させた状態とを切り換えることができる。
このような構成の場合、例えば、一つのターボチャージャのみを駆動させた状態から二つのターボチャージャの両方を駆動させた状態に切り換えられた場合、排気流路の断面積が増加することになる。そこで、排気流路の断面積を、ターボチャージャの駆動状態(一つのターボチャージャのみが駆動している状態か又は二つのターボチャージャの両方が駆動している状態か)に基づいて算出してもよい。
また、本実施例において、加速運転時に、掃気可能時期の間にバルブオーバーラップ期間が存在しないと判定された場合、掃気可能時期とバルブオーバーラップ期間とが重なるように排気圧力の位相を制御してもよい。排気圧力の位相は、排気VVT26によって排気弁の開弁時期を変更することで制御することができる。排気圧力の位相を変化させるこ
とで掃気可能時期を変化させることができる。このような排気圧力の位相の制御により掃気可能時期とバルブオーバーラップ期間とが重なれば、その後は上記と同様のバルブオーバーラップ期間の制御を行なうことができる。
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・燃料噴射弁
4・・・吸気通路
5・・・インテークマニホールド
6・・・排気通路
7・・・エキゾーストマニホールド
8・・・ターボチャージャ
8a・・コンプレッサ
8b・・タービン
9・・・スロットル弁
10・・排気浄化装置
11・・EGR装置
12・・EGR通路
13・・EGR弁
14・・ノズルベーン
20・・ECU20
21・・クランクポジションセンサ
22・・アクセル開度センサ
23・・吸気圧センサ
24・・エアフローメータ
25・・吸気側可変動弁機構(吸気VVT)
26・・排気側可変動弁機構(排気VVT)

Claims (6)

  1. 排気流路の断面積を制御する流路断面積制御手段を備えた内燃機関において、
    前記流路断面積制御手段によって制御された排気流路の断面積を用いて内燃機関の排気脈動の特性を推定することを特徴とする内燃機関の排気脈動特性推定装置。
  2. 前記排気脈動の特性が排気圧力の平均値、振幅及び位相であって、
    内燃機関から排出された直後の排気のエンタルピ又は該エンタルピと相関のある物理量を取得するエンタルピ取得手段と、
    前記流路断面積制御手段によって制御された排気流路の断面積と、前記エンタルピ取得手段によって取得されたエンタルピ又はエンタルピと相関のある物理量とに基づいて排気圧力の平均値を推定する平均値推定手段と、
    前記エンタルピ取得手段によって取得されたエンタルピ又はエンタルピと相関のある物理量に基づいて排気圧力の振幅を推定する振幅推定手段と、
    内燃機関の機関回転速度及び排気弁の開弁時期に基づいて排気圧力の位相を推定する位相推定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気脈動特性推定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関の排気脈動特性推定装置と、
    該排気脈動特性推定装置によって推定された前記排気脈動の特性に応じて、内燃機関の吸気弁及び排気弁の両方が開弁状態となる期間であるバルブオーバーラップ期間を制御するバルブオーバーラップ期間制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御システム。
  4. 前記バルブオーバーラップ期間制御手段が、吸気圧力よりも排気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なることを抑制しつつ、排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なっている期間がより長くなるように、バルブオーバーラップ期間を制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御システム。
  5. 前記排気脈動特性推定装置が、前記流路断面積制御手段によって制御された排気流路の断面積が大きいときは該排気流路の断面積が小さいときに比べて排気圧力の平均値が低いと推定し、
    前記バルブオーバーラップ期間制御手段が、前記排気脈動特性推定装置によって推定された排気圧力の平均値が低いときは該排気圧力の平均値が高いときに比べてバルブオーバーラップ期間を長くすることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御システム。
  6. 請求項2に記載の内燃機関の排気脈動特性推定装置と、
    該排気脈動特性推定装置によって推定された前記排気脈動の特性に応じて、内燃機関の吸気弁及び排気弁の両方が開弁状態となる期間であるバルブオーバーラップ期間を制御するバルブオーバーラップ期間制御手段と、を備え、
    前記バルブオーバーラップ期間制御手段が、吸気圧力よりも排気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なることを抑制しつつ、排気圧力よりも吸気圧力の方が高い時期とバルブオーバーラップ期間とが重なっている期間がより長くなるように、バルブオーバーラップ期間を制御するものであって、
    前記排気脈動特性推定装置が、前記エンタルピ取得手段によって取得されたエンタルピ又はエンタルピと相関のある物理量が小さいときは該エンタルピ又は該エンタルピと相関のある物理量が大きいときに比べて排気圧力の平均値が低く且つその振幅が小さいと推定し、
    前記バルブオーバーラップ期間制御手段が、前記排気脈動特性推定装置によって推定さ
    れた排気圧力の平均値が低く且つその振幅が小さいときは該排気圧力の平均値が高く且つその振幅が大きいときに比べてバルブオーバーラップ期間を長くすることを特徴とする内燃機関の制御システム。
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