JP2011085025A - 廃熱回生システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ランキンサイクルでの熱効率の向上を図る廃熱回生システムを提供することを目的とする。
【解決手段】廃熱回生システム101は、ランキンサイクル201を構成し、車両の廃熱を利用して作動流体を加熱するボイラ2と、ボイラ2で加熱された作動流体を膨張させて仕事を得る膨張機3と、膨張機3により膨張された作動流体を冷却するランキンコンデンサ4と、ランキンコンデンサ4により冷却された作動流体をボイラ2に向かって送るポンプ1と、ポンプ1をボイラ2に連通する経路6a,6b,6cを流通する作動流体及び車両の冷凍サイクル301を流通するエアコン冷媒の間で熱交換を行うエアコン熱交換器7と、経路6a,6b,6cを流通する作動流体及び膨張機3をランキンコンデンサ4に連通する経路6e,6fを流通する作動流体の間で熱交換を行い、且つ経路6a,6b,6cにおけるエアコン熱交換器7の下流に設けられる内部熱交換器8を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、廃熱回生システムに係り、特に、ランキンサイクルを利用した廃熱回生システムに関する。
二酸化炭素(CO)排出量削減という社会的な要請により、自動車などの内燃機関を有する車両には燃費の向上が要求され、従来は単に排出していた車両から生成されるエネルギーを有効利用するための技術が開発されている。その中に、冷却水の熱や排気ガスの熱等の内燃機関から排出される熱を発電機等の動力に変換するランキンサイクルを利用した廃熱回生システムがある。そして、ランキンサイクルは、液相流体を等圧加熱して過熱蒸気を発生させるボイラ、過熱蒸気を断熱膨張させて動力を得る膨張機、膨張機において膨張した蒸気を等圧冷却して液化する凝縮器、及び液化した液相流体をボイラに送り出すポンプ等から構成される。
特許文献1には、作動流体としてプロパンを使用するランキンサイクル及び作動流体として二酸化炭素冷媒を使用する冷凍サイクルを備え、冷凍サイクルで放出される熱をランキンサイクルに利用する構成を有する車両用排熱回収システムが記載されている。そして、特許文献1の図4には、上述の車両用排熱回収システムの構成の1つが示されている。
特許文献1の図4において、冷凍サイクル1は、二酸化炭素冷媒を圧縮して高温高圧状態にするコンプレッサ2、コンプレッサ2から吐出された二酸化炭素冷媒を冷却する第二のコンデンサ(凝縮器)18、第二のコンデンサ18から排出された二酸化炭素冷媒を膨張させる膨張弁4、膨張弁4で膨張された二酸化炭素冷媒と空気との間で熱交換させて二酸化炭素を気化させると共に空気を冷却する蒸発器5等から構成されている。コンプレッサ2により圧縮されて吐出された二酸化炭素冷媒は、第二のコンデンサ18、膨張弁4、及び蒸発器5を順次流通した後、コンプレッサ2により再び圧縮・吐出されることによって、冷凍サイクル1を循環する。
そして、特許文献1の車両用排熱回収システムでは、冷凍サイクル1とランキンサイクル10との間で熱交換器16を介して熱交換を行っている。すなわち、冷凍サイクル1におけるコンプレッサ2から第二のコンデンサ18に向かう経路の二酸化炭素冷媒と、ランキンサイクル10におけるボイラ12から膨張機13に向かう経路のプロパンとの間で熱交換器16を介して熱交換が行われる。
このとき、ランキンサイクル10では、ポンプ11から吐出された液体のプロパンは、ボイラ12によってエンジン冷却水8と熱交換をされた後、さらに熱交換器16において熱交換され昇温されてガスとなる。そして、ガスとなったプロパンは、膨張機13に流入して膨張機13を駆動した後、第一のコンデンサ17によって冷却凝縮される。これにより、冷凍サイクル1の第二のコンデンサ18で放出されるはずの二酸化炭素冷媒の熱の一部又はすべてが、ランキンサイクル10におけるプロパンの加熱に利用される。
特開2005−329843号公報
しかしながら、特許文献1の車両用排熱回収システムでは、ランキンサイクル10の膨張機13で膨張した後の高温のプロパンは、凝縮するために放出すべき熱の全てを、第一のコンデンサ17において外気に放出するため、ランキンサイクル10内での熱利用の効率が高くないという問題がある。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、ランキンサイクルでの熱効率の向上を図る廃熱回生システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係る廃熱回生システムは、車両の廃熱を利用して作動流体を加熱するボイラと、ボイラで加熱された作動流体を膨張させて仕事を得る膨張機と、膨張機により膨張された作動流体を冷却する凝縮器と、凝縮器により冷却された作動流体をボイラに向かって送るポンプとを備えてランキンサイクルを構成すると共に、ポンプをボイラに連通する第一経路を流通する作動流体及び車両の冷凍サイクルを流通する冷凍冷媒の間で熱交換を行う第一熱交換器と、第一経路を流通する作動流体及び膨張機を凝縮器に連通する第二経路を流通する作動流体の間で熱交換を行う第二熱交換器であって、第一経路における第一熱交換器の下流に設けられる第二熱交換器とをさらに備える。
第一熱交換器において熱交換を行う冷凍冷媒は、冷凍サイクルにおける圧縮機及び冷凍冷媒凝縮器の間を流通する冷凍冷媒であってもよい。
第一熱交換器及び第二熱交換器は一体であってもよい。
一体とされた第一熱交換器及び第二熱交換器は、複合熱交換器を構成し、複合熱交換器は、冷凍サイクルの冷凍冷媒が流通する冷凍冷媒経路と、第一経路におけるボイラで加熱される前の低温側の作動流体が流通する低温側作動流体経路と、第二経路におけるボイラで加熱された後の高温側の作動流体が流通する高温側作動流体経路とを有し、冷凍冷媒経路及び高温側作動流体経路の間における熱の移動が遮断され、低温側作動流体経路を流通する低温側の作動流体は、冷凍冷媒経路を流通する冷凍冷媒と熱交換を行った後、高温側作動流体経路を流通する高温側の作動流体と熱交換を行ってもよい。
複合熱交換器は、プレート式熱交換器であり、複合熱交換器では、低温側作動流体経路を形成する低温側プレートと、冷凍冷媒経路及び高温側作動流体経路を形成する高温側プレートとが積層されてもよい。
複合熱交換器は、プレート式熱交換器であり、複合熱交換器では、冷凍冷媒経路を形成する冷凍冷媒プレートと、高温側作動流体経路を形成する高温側作動流体プレートと、低温側作動流体経路を形成する低温側作動流体プレートとが積層されてもよい。
この発明に係る廃熱回生システムによれば、ランキンサイクルでの熱効率を向上させることが可能になる。
この発明の実施の形態1に係る廃熱回生システム及びその周辺の構成を示す模式図である。 図1のエアコン熱交換器及び内部熱交換器の概略構成を示す模式図である。 図2の内部熱交換器の構成を示す分解斜視図である。 図3の内部熱交換器の第一プレートの構成を示す模式平面図である。 図3の内部熱交換器の第二プレートの構成を示す模式平面図である。 この発明の実施の形態2に係る廃熱回生システムの第一複合熱交換器の概略構成を示す模式図である。 図6の第一複合熱交換器の高温側プレートの構成を示す模式平面図である。 図6の第一複合熱交換器の低温側プレートの構成を示す模式平面図である。 この発明の実施の形態3に係る廃熱回生システムの第二複合熱交換器の概略構成を示す模式図である。 図9の第二複合熱交換器の構成を示す分解斜視図である。 図10の第二複合熱交換器の高温側ランキン冷媒プレートの構成を示す模式平面図である。 図10の第二複合熱交換器のエアコン冷媒プレートの構成を示す模式平面図である。 図10の第二複合熱交換器の低温側ランキン冷媒プレートの構成を示す模式平面図である。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1〜5を用いて、この発明の実施の形態1に係る廃熱回生システム101及びその周辺の構成を説明する。なお、以下の実施形態において、内燃機関すなわちエンジンを搭載する車両に廃熱回生システムを使用した場合の例について説明する。
図1を参照すると、エンジン10を備える図示しない車両は、ランキンサイクル201を構成する廃熱回生システム101と、エアコンディショナーを構成する冷凍サイクル301とを備えている。
まず、冷凍サイクル301には、圧縮機11、エアコンコンデンサ(冷凍冷媒凝縮器)12、膨張弁13、及びエバポレータ(蒸発器)14が設けられており、冷凍冷媒であるエアコン冷媒が冷凍サイクル301を流通するようになっている。
圧縮機11は、吸入したエアコン冷媒を圧縮し高温高圧の状態にして吐出するものであり、伝達ベルト11aを介してエンジン10と接続されて、エンジン10の動力によって駆動する。
さらに、エアコンコンデンサ12は、圧縮機11の図示しない吐出口に、経路15a及び15bを介して連通するようにして設けられている。エアコンコンデンサ12には、圧縮機11から吐出された高温高圧状態のエアコン冷媒が流入し、流入したエアコン冷媒は、エアコンコンデンサ12において外気と熱交換することにより冷却されて凝縮する。
また、膨張弁13は、エアコンコンデンサ12における冷却後のエアコン冷媒の出口に、経路15cを介して連通するようにして設けられている。そして、膨張弁13は、エアコンコンデンサ12から送られたエアコン冷媒を膨張及び減圧する。
さらに、エバポレータ14は、膨張弁13におけるエアコン冷媒の出口に、経路15dを介して連通するようにして設けられている。そして、エバポレータ14では、膨張弁13による減圧後のエアコン冷媒が周囲の空気と熱交換を行い気化する。また、エバポレータ14の周囲の空気は、エアコン冷媒との熱交換により冷却されて図示しない車室内に送られる。
また、圧縮機11の図示しない吸入口は、エバポレータ14におけるエアコン冷媒の出口に、経路15eを介して連通しており、圧縮機11は、エバポレータ14から排出されたエアコン冷媒を吸入後、再び圧縮して吐出し、冷凍サイクル301内を循環させる。
次に、廃熱回生システム101は、ランキンサイクル201を構成している。ランキンサイクル201は、ポンプ1、ボイラ2、膨張機3、及びランキンコンデンサ4によって構成されており、ランキンサイクル201には、作動流体であるランキンサイクル用冷媒(以下、ランキン冷媒と称する)が流通するようになっている。
ポンプ1は、図示しない動力源に接続されており、この動力源の動力により駆動して流体を圧送する。なお、本実施の形態1では、ポンプ1は、電動ポンプであり液体を圧送するものとする。
ポンプ1の吐出側となる下流側には熱交換器であるボイラ2が設けられており、ボイラ2は、ポンプ1の図示しない吐出口に経路6a、6b及び6cを介して連通して、その内部をポンプ1により圧送されたランキン冷媒が流通するようになっている。さらに、ボイラ2の内部には、エンジン10の廃熱を含む流体であるエンジン冷却水が流通するようになっている。そして、ボイラ2の内部において、ランキン冷媒とエンジン冷却水とが熱交換を行う。このとき、ボイラ2の内部では、熱交換の効率を高めるために、エンジン冷却水の流れる方向とランキン冷媒の流れる方向とが反対になっている。なお、ボイラ2の内部には、エンジン10の廃熱を含む流体としてエンジン10の排気ガスが流通するようにしてもよい。
さらに、ボイラ2の下流側には膨張機3が設けられており、膨張機3の図示しない入口が、ボイラ2におけるランキン冷媒の出口に経路6dを介して連通する。膨張機3は、ボイラ2において加熱された高温高圧のランキン冷媒の膨張によって図示しないタービン等の回転体を回転させ、回転駆動力として仕事を得る流体機器である。膨張機3には発電機5が接続されており、膨張機3の発生させる駆動力によって発電機5が作動され、発電した電力が図示しないバッテリに充電される。
また、膨張機3の下流側には凝縮器であるランキンコンデンサ4が設けられており、ランキンコンデンサ4は、膨張機3の図示しない出口に経路6e及び6fを介して連通して、その内部をランキン冷媒が流通するようになっている。ランキンコンデンサ4には、膨張機3からの高温のランキン冷媒が流入し、流入したランキン冷媒は、ランキンコンデンサ4において外気と熱交換することにより冷却されて凝縮する。
さらに、ランキンコンデンサ4におけるランキン冷媒の出口は、ポンプ1の図示しない吸入口に経路6gを介して連通する。よって、ランキンコンデンサ4から排出された液体状態のランキン冷媒は、ポンプ1によって吸入されて再び圧送され、ランキンサイクル201を循環する。
また、廃熱回生システム101は、第一熱交換器であるエアコン熱交換器7をさらに備えている。
エアコン熱交換器7は、ランキンサイクル201において、ポンプ1をボイラ2に連通する第一経路である連続した経路6a、6b及び6cのうちの、経路6aと経路6bとの間に、設けられている。さらに、エアコン熱交換器7は、冷凍サイクル301における圧縮機11をエアコンコンデンサ12に連通する連続した経路15a及び15bの間に介在させて設けられている。
図1及び2をあわせて参照すると、エアコン熱交換器7は、その内部に2つの経路7ab及び7cdを有している。経路7abは、ランキンサイクル201の経路6aを経路6bに連通し、経路7cdは、冷凍サイクル301の経路15aを経路15bに連通する。
よって、エアコン熱交換器7では、ランキンサイクル201におけるポンプ1から圧送された直後の低温の液体状態のランキン冷媒と、冷凍サイクル301における圧縮機11から吐出された直後の高温の気体状態のエアコン冷媒との間で熱交換が行われる。このとき、エアコン熱交換器7の内部では、熱交換の効率を高めるために、経路7abにおけるランキン冷媒の流れる方向と、経路7cdにおけるエアコン冷媒の流れる方向とが反対になっている。
さらに、図1に戻り、廃熱回生システム101は、第二熱交換器である内部熱交換器8を備えている。
内部熱交換器8は、ランキンサイクル201における経路6bと経路6cとの間に、設けられている。すなわち、内部熱交換器8は、ポンプ1及びボイラ2の間において、エアコン熱交換器7の下流側に設けられている。さらに、内部熱交換器8は、ランキンサイクル201における膨張機3をランキンコンデンサ4に連通する第二経路である連続した経路6e及び6fの間に介在させて設けられている。
図1及び2をあわせて参照すると、内部熱交換器8は、その内部に2つの経路8ab及び8efを有している。経路8abは、経路6bを経路6cに連通し、経路8efは、経路6eを経路6fに連通する。そして、経路8abには、エアコン熱交換器7からボイラ2へ流通し且つボイラ2で加熱される前の低温のランキン冷媒が流れ、経路8abは、低温側ランキン冷媒流路を構成している。また、経路8efには、膨張機3からランキンコンデンサ4へ流通し且つボイラ2で加熱された後の高温のランキン冷媒が流れ、経路8efは、高温側ランキン冷媒流路を構成している。
よって、内部熱交換器8では、エアコン熱交換器7からボイラ2へ流通する低温のランキン冷媒と、膨張機3からランキンコンデンサ4へ流通する高温のランキン冷媒との間で熱交換が行われる。このとき、内部熱交換器8の内部では、熱交換の効率を高めるために、経路8abにおける低温のランキン冷媒の流れる方向と、経路8efにおける高温のランキン冷媒の流れる方向とが反対になっている。
また、本実施の形態1におけるエアコン熱交換器7及び内部熱交換器8はそれぞれ、積層された複数のプレートによって内部の経路を形成するプレート式熱交換器によって構成されている。
例えば、プレート式熱交換器による内部熱交換器8の構造は、図3〜5によって示されている。なお、プレート式熱交換器によるエアコン熱交換器7の構成は、内部熱交換器8と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
図3を参照すると、内部熱交換器8は、両端の第一フレーム8F1及び第二フレーム8F2の間に積層された複数のプレートを有している。そして、この複数のプレートは、経路8ab(図1参照)を形成するための第一プレート8LPと、経路8ef(図1参照)を形成するための第二プレート8HPとによって構成され、第一プレート8LPと第二プレート8HPとは交互に配置されている。
まず、第一フレーム8F1及び第二フレーム8F2は、矩形状をした板部材である。さらに、第一フレーム8F1には、低温側ランキン冷媒入口8a、低温側ランキン冷媒出口8b、高温側ランキン冷媒入口8e及び高温側ランキン冷媒出口8fが第一フレーム8F1を貫通して形成されている。そして、第一フレーム8F1及び第二フレーム8F2は、図示しないボルト等によって互いに締結されている。
次に、図4を参照すると、矩形状した板部材である第一プレート8LPの構成が示されている。
第一プレート8LPには、低温側ランキン冷媒導入孔8pa、低温側ランキン冷媒導出孔8pb、高温側ランキン冷媒導入孔8pe及び高温側ランキン冷媒導出孔8pfが第一プレート8LPを貫通して形成されている。また、低温側ランキン冷媒導入孔8pa及び低温側ランキン冷媒導出孔8pbは、第一プレート8LPの長手側の一方の側部8LP1に沿ってその両端付近に配置されている。さらに、高温側ランキン冷媒導入孔8pe及び高温側ランキン冷媒導出孔8pfは、第一プレート8LPの側部8LP1に対向する側部8LP2に沿ってその両端付近に配置されている。そして、低温側ランキン冷媒導入孔8paと高温側ランキン冷媒導出孔8pfとが対向し、低温側ランキン冷媒導出孔8pbと高温側ランキン冷媒導入孔8peとが対向するように配置されている。
なお、図3及び4をあわせて参照すると、第一フレーム8F1及び第一プレート8LPの間において、低温側ランキン冷媒入口8a及び低温側ランキン冷媒導入孔8pa、低温側ランキン冷媒出口8b及び低温側ランキン冷媒導出孔8pb、高温側ランキン冷媒入口8e及び高温側ランキン冷媒導入孔8pe、並びに、高温側ランキン冷媒出口8f及び高温側ランキン冷媒導出孔8pfはそれぞれ、互いに整合するように配置されている。
さらに、図4に戻り、第一プレート8LPの表面には、低温側ランキン冷媒導入孔8pa及び低温側ランキン冷媒導出孔8pbを囲むようにして1つの環状になった低温側ランキン冷媒用ガスケット8LPaが突出させて設けられている。そして、低温側ランキン冷媒用ガスケット8LPaは、第一プレート8LPの表面全体にわたって設けられている。低温側ランキン冷媒用ガスケット8LPaは、第一プレート8LPが第二プレート8HP(図3参照)と組み合わされた際、これらの間に1つの低温側ランキン冷媒単流路8pabを形成し、この単流路からのランキン冷媒の漏れを防止する。
さらに、第一プレート8LPの表面において、高温側ランキン冷媒導入孔8pe及び高温側ランキン冷媒導出孔8pfのそれぞれの周りには、それぞれが1つの環状になったガスケットが突出させて設けられている。これらのガスケットは、第一プレート8LPが第二プレート8HP(図3参照)と組み合わされた際、ランキン冷媒が、高温側ランキン冷媒導入孔8pe及び高温側ランキン冷媒導出孔8pfから漏れることを防止する。
次に、図5を参照すると、矩形状した板部材である第二プレート8HPの構成が示されている。
第二プレート8HPには、第一プレート8LP(図4参照)と同様にして、低温側ランキン冷媒導入孔8pa、低温側ランキン冷媒導出孔8pb、高温側ランキン冷媒導入孔8pe及び高温側ランキン冷媒導出孔8pfが第二プレート8HPを貫通して形成されている。
さらに、第二プレート8HPの表面には、高温側ランキン冷媒導入孔8pe及び高温側ランキン冷媒導出孔8pfを囲むようにして1つの環状になった高温側ランキン冷媒用ガスケット8HPaが突出させて設けられている。そして、高温側ランキン冷媒用ガスケット8HPaは、第二プレート8HPの表面全体にわたって設けられている。高温側ランキン冷媒用ガスケット8HPaは、第二プレート8HPが第一プレート8LP(図3参照)と組み合わされた際、これらの間に1つの高温側ランキン冷媒単流路8pefを形成し、この単流路からのランキン冷媒の漏れを防止する。
さらに、第二プレート8HPの表面において、低温側ランキン冷媒導入孔8pa及び低温側ランキン冷媒導出孔8pbのそれぞれの周りには、それぞれが1つの環状になったガスケットが突出させて設けられている。これらのガスケットは、第二プレート8HPが第一プレート8LP(図3参照)と組み合わされた際、ランキン冷媒が、低温側ランキン冷媒導入孔8pa及び低温側ランキン冷媒導出孔8pbから漏れることを防止する。
よって、図3〜5を合わせて参照すると、第一プレート8LP及び第二プレート8HPを交互に隣接させて積層することにより、第一プレート8LPの低温側ランキン冷媒単流路8pabと、第二プレート8HPの低温側ランキン冷媒導入孔8pa及び低温側ランキン冷媒導出孔8pbとが、内部熱交換器8の低温側ランキン冷媒流路である経路8ab(図1参照)を形成する。同時に、第二プレート8HPの高温側ランキン冷媒単流路8pefと、第一プレート8LPの高温側ランキン冷媒導入孔8pe及び高温側ランキン冷媒導出孔8pfとが、内部熱交換器8の高温側ランキン冷媒流路である経路8ef(図1参照)を形成する。そして、第一プレート8LPの低温側ランキン冷媒単流路8pabと、第二プレート8HPの高温側ランキン冷媒単流路8pefとが互いに隣接する。
そして、内部熱交換器8では、低温側ランキン冷媒入口8aから流入した後、各低温側ランキン冷媒単流路8pabを流通して、低温側ランキン冷媒出口8bから流出する低温のランキン冷媒は、方向D1aに流れる。また、高温側ランキン冷媒入口8eから流入した後、各高温側ランキン冷媒単流路8pefを流通して、高温側ランキン冷媒出口8fから流出する高温のランキン冷媒は、方向D1aと反対の方向D1bに流れる。このとき、互いに隣接し合う、第一プレート8LPの低温側ランキン冷媒単流路8pabを流通する低温のランキン冷媒と、第二プレート8HPの高温側ランキン冷媒単流路8pefを流通する高温のランキン冷媒とが、熱交換を行う。
次に、図1〜5を用いて、この発明の実施の形態1に係る廃熱回生システム101の動作を説明する。
図1を参照すると、エンジン10が稼動すると、冷凍サイクル301では、エンジン10の動力が伝達ベルト11aを介して圧縮機11に伝わり、圧縮機11が駆動される。圧縮機11が駆動されると、エアコン冷媒が、圧縮機11によって圧縮されて高温高圧の状態で吐出される。
吐出されたエアコン冷媒は、エアコン熱交換器7において、ランキンサイクル201を流通する低温のランキン冷媒と熱交換を行う。
そこで、図2を参照すると、例えば、エアコン熱交換器7に流入する直前のエアコン冷媒の温度は80℃となっており、エアコン熱交換器7に流入する直前のランキン冷媒の温度は40℃となっている。このため、エアコン熱交換器7において、エアコン冷媒は、ランキン冷媒との熱交換によりランキン冷媒に熱エネルギーを与え、ランキン冷媒の温度を上昇させると共に自身の温度を低下させる。
図1に戻り、エアコン熱交換器7において温度の低下したエアコン冷媒は、次にエアコンコンデンサ12に流入する。
エアコンコンデンサ12に流入したエアコン冷媒は、エアコンコンデンサ12において外気との熱交換によりさらに冷却されて凝縮する。
凝縮したエアコン冷媒は、膨張弁13に送られて膨張弁13により膨張・減圧された後、エバポレータ14に流入する。
エバポレータ14では、エアコン冷媒は、周囲の空気と熱交換を行い、周囲の空気の熱を吸収して気化する。また、熱交換により冷却された空気は図示しない車室内に送られる。そして、気化したエアコン冷媒は、再び圧縮機11に吸入される。
さらに、上述の工程を繰り返すことによって、エアコン冷媒は冷凍サイクル301を循環する。
なお、冷凍サイクル301では、圧縮機11から吐出された高温のエアコン冷媒が、エアコンコンデンサ12に流入する前に、エアコン熱交換器7において冷却されるため、エアコンコンデンサ12の容量の低減が可能となる。
また、エンジン10が稼動されると、図示しないポンプによってエンジン10からエンジン冷却水が圧送され、エンジン冷却水は、エンジン10をボイラ2に連通する冷却水経路10a及び10bを循環する。そして、エンジン冷却水は、ボイラ2において、ランキンサイクル201を流通するランキン冷媒と熱交換を行い、ランキン冷媒の温度を上昇させる。
また、エンジン10が稼動され、エンジン冷却水の温度が所定の温度以上に上昇すると、ランキンサイクル201では、図示しない動力源によってポンプ1が駆動される。
駆動されたポンプ1は、液体状態のランキン冷媒をボイラ2に向かって圧送する。
ポンプ1によって圧送された液体状態の低温のランキン冷媒は、経路6a、6b及び6cを順次通過して、ボイラ2に流入する。ボイラ2では、ランキン冷媒は、ボイラ2を流通するエンジン冷却水と熱交換を行うことによって加熱されて蒸発し、高温高圧の過熱蒸気となる。
過熱蒸気となったランキン冷媒は、ボイラ2を出た後、経路6dを通過して、膨張機3に流入する。膨張機3では、高温高圧の過熱蒸気の状態であるランキン冷媒が膨張し、高圧状態から低圧状態になる際のランキン冷媒の膨張エネルギーが回転エネルギー等に変換されて回収される。そして、ランキン冷媒は、高温低圧状態となり、膨張機3から排出される。また、膨張機3において変換・回収されるエネルギーは、膨張機3に接続された発電機5に駆動力として伝達され、発電機5において電力に変換されて図示しないバッテリに充電される。
膨張機3から排出された高温低圧状態のランキン冷媒は、経路6e及び6fを通過して、ランキンコンデンサ4に流入する。ランキンコンデンサ4では、ランキン冷媒は、周囲の空気すなわち外気と熱交換を行うことによって冷却されて凝縮し、液体となる。液体となったランキン冷媒は、経路6gを介してポンプ1に吸入され、ポンプ1によって再度圧送されて、ランキンサイクル201を循環する。
このとき、ランキンサイクル201では、ランキンコンデンサ4からポンプ1を経てボイラ2までの区間を流通するランキン冷媒の温度は、ボイラ2から膨張機3を経てランキンコンデンサ4までの区間を流通するランキン冷媒の温度より低くなっている。そこで、以下の説明において、ランキンコンデンサ4からポンプ1を経てボイラ2までの区間を流通するランキン冷媒を低温側ランキン冷媒と称し、ボイラ2から膨張機3を経てランキンコンデンサ4までの区間を流通するランキン冷媒を高温側ランキン冷媒と称する。
また、ポンプ1によって圧送されてボイラ2に流入する低温側ランキン冷媒は、ボイラ2に流入するまでの過程において、エアコン熱交換器7及び内部熱交換器8をこの順で通過する。
図2を参照すると、エアコン熱交換器7に流入した低温側ランキン冷媒は経路7abを流通し、エアコン熱交換器7に流入した冷凍サイクル301(図1参照)のエアコン冷媒は経路7cdを流通する。経路7abを流通する低温側ランキン冷媒は、経路7cdを流通するエアコン冷媒と熱交換を行うが、例えば、エアコン熱交換器7に流入する直前では、低温側ランキン冷媒の温度は40℃であり、エアコン冷媒の温度は80℃である。
このため、エアコン熱交換器7では、低温側ランキン冷媒は、エアコン冷媒と熱交換を行うことによって、エアコン冷媒から熱エネルギーを取得し、その温度を50℃に上昇させて、エアコン熱交換器7から流出する。一方、エアコン冷媒は、その熱エネルギーを低温側ランキン冷媒に与えることによって、その温度を60℃に低下させてエアコン熱交換器7から流出する。よって、冷凍サイクル301のエアコンコンデンサ12(図1参照)での凝縮により放出されるべきエアコン冷媒の熱エネルギーの一部が、低温側ランキン冷媒の昇温に利用される。
次に、エアコン熱交換器7を通過した後の、昇温されているが比較的低温である低温側ランキン冷媒は、内部熱交換器8の経路8abに流入する。また、内部熱交換器8の経路8efには、ボイラ2(図1参照)において加熱されて膨張機3(図1参照)を通過した後の高温低圧状態の高温側ランキン冷媒が流通する。経路8abを流通する低温側ランキン冷媒は、経路8efを流通する高温側ランキン冷媒と熱交換を行うが、例えば、内部熱交換器8に流入する直前では、低温側ランキン冷媒の温度は50℃であり、高温側ランキン冷媒の温度は120℃である。
このため、内部熱交換器8では、経路8abを流通する低温側ランキン冷媒は、経路8efを流通する高温側ランキン冷媒と熱交換を行うことによって、高温側ランキン冷媒から熱エネルギーを取得し、その温度を80℃に上昇させて、内部熱交換器8から流出する。一方、経路8efを流通する高温側ランキン冷媒は、その熱エネルギーを経路8abを流通する低温側ランキン冷媒に与えることによって、その温度を70℃に低下させて、内部熱交換器8から流出する。
よって、ランキンコンデンサ4(図1参照)での凝縮により放出されるべき高温側ランキン冷媒の熱エネルギーの一部が、低温側ランキン冷媒の昇温に利用される。
従って、図1及び2をあわせて参照すると、廃熱回生システム101では、冷凍サイクル301のエアコンコンデンサ12及びランキンサイクル201のランキンコンデンサ4での廃熱を低温側ランキン冷媒の昇温に利用するため、図示しない車両全体の熱効率を向上させている。そして、ランキンコンデンサ4での廃熱を低温側ランキン冷媒の昇温に利用することは、ランキンサイクル201の熱効率を向上させている。
また、ボイラ2には昇温された状態の低温側ランキン冷媒が流入するため、低温側ランキン冷媒を加熱して過熱蒸気とするためにボイラ2に要求される熱エネルギーが低減される。このため、ランキンサイクル201自体の効率が向上する。さらに、ボイラ2に昇温された状態の低温側ランキン冷媒が流入することにより、過熱蒸気となったランキン冷媒自体の温度を上昇させることができるため、膨張機3において回収されるエネルギーが増大する。
また、冷凍サイクル301における圧縮機11及びエアコンコンデンサ12の間を流通するエアコン冷媒の温度より、ランキンサイクル201における膨張機3及びランキンコンデンサ4の間を流通する高温側ランキン冷媒の温度の方が高くなっている。そして、ポンプ1からボイラ2までを流通する低温側ランキン冷媒は、エアコン熱交換器7でエアコン冷媒と熱交換を行った後、内部熱交換器8で高温側ランキン冷媒と熱交換を行っており、温度の低いものとから順に熱交換を行っているため、効果的に熱を取得している。
このように、この発明に係る廃熱回生システム101は、車両の廃熱を利用してランキン冷媒を加熱するボイラ2と、ボイラ2で加熱されたランキン冷媒を膨張させて仕事を得る膨張機3と、膨張機3により膨張されたランキン冷媒を冷却するランキンコンデンサ4と、ランキンコンデンサ4により冷却されたランキン冷媒をボイラ2に向かって送るポンプ1とを備えてランキンサイクル201を構成すると共に、ポンプ1をボイラ2に連通する経路6a、6b及び6cを流通するランキン冷媒及び車両の冷凍サイクル301を流通するエアコン冷媒の間で熱交換を行うエアコン熱交換器7と、経路6a、6b及び6cを流通するランキン冷媒及び膨張機3をランキンコンデンサ4に連通する経路6e及び6fを流通するランキン冷媒の間で熱交換を行う内部熱交換器8であって、経路6a、6b及び6cにおけるエアコン熱交換器7の下流に設けられる内部熱交換器8とをさらに備える。
これによって、ランキンサイクル201におけるボイラ2流入前の低温のランキン冷媒が、冷凍サイクル301におけるエアコン冷媒と熱交換して昇温し、さらに、ランキンサイクル201におけるボイラ2加熱後の高温のランキン冷媒と熱交換して昇温することにより、ランキンサイクル201の効率自体を向上させることが可能である。さらに、本来、ランキンコンデンサ4において放出されるはずのランキン冷媒の熱が、ボイラ2に流入する前のランキン冷媒の昇温に利用されるため、ランキンサイクル201における熱効率を向上させることが可能である。また、エアコン冷媒と熱交換させた後に、エアコン冷媒より温度の高いボイラ加熱後のランキン冷媒と熱交換させることにより、ボイラ2流入前のランキン冷媒は効果的に熱を取り込むことができるため、車両全体としての熱効率を向上させることが可能である。
また、エアコン熱交換器7において熱交換を行うエアコン冷媒は、冷凍サイクル301における圧縮機11及びエアコンコンデンサ12の間を流通するエアコン冷媒である。これによって、冷凍サイクル301のエアコンコンデンサ12において本来放出されるはずのエアコン冷媒の熱が、ボイラ2に流入する前のランキン冷媒の昇温に利用されるため、車両全体における熱効率を向上させることが可能である。
また、実施の形態1における廃熱回生システム101では、エアコン熱交換器7及び内部熱交換器8がプレート式熱交換器である。よって、エアコン熱交換器7及び内部熱交換器8は、プレートの積層数量を変更することにより、その熱交換容量を変更することができる。従って、エアコン熱交換器7及び内部熱交換器8は、熱交換容量の変更を容易にすることにより、コストを低減することが可能である。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る廃熱回生システム102は、実施の形態1における廃熱回生システム101のエアコン熱交換器7及び内部熱交換器8を一体にしたものである。
なお、以下の実施の形態において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図6を参照すると、エアコン熱交換器及び内部熱交換器を一体にした第一複合熱交換器91の模式図が示されている。
第一複合熱交換器91は、長手側の第一側部91saの両端付近に、低温側ランキン冷媒入口91a及び低温側ランキン冷媒出口91bを有している。
また、第一複合熱交換器91は、第一側部91saと対向する第二側部91sbに沿って、エアコン冷媒出口91d、エアコン冷媒入口91c、高温側ランキン冷媒出口91f、及び高温側ランキン冷媒入口91eをこの順序で配置して有している。さらに、エアコン冷媒出口91d及び高温側ランキン冷媒入口91eはそれぞれ、低温側ランキン冷媒入口91a及び低温側ランキン冷媒出口91bと対向している。
そして、第一複合熱交換器91の内部には、低温側ランキン冷媒入口91aを低温側ランキン冷媒出口91bに連通する低温側ランキン冷媒流路91ab、エアコン冷媒入口91cをエアコン冷媒出口91dに連通するエアコン冷媒流路91cd、及び、高温側ランキン冷媒入口91eを高温側ランキン冷媒出口91fに連通する高温側ランキン冷媒流路91efが長手方向に沿って形成されている。さらに、エアコン冷媒流路91cd及び高温側ランキン冷媒流路91efは、低温側ランキン冷媒流路91abと対向するようにして配置されている。なお、エアコン冷媒流路91cdのエアコン冷媒及び高温側ランキン冷媒流路91efの高温側ランキン冷媒の流れる方向はいずれも、低温側ランキン冷媒流路91abの低温側ランキン冷媒の流れる方向と反対になっている。ここで、低温側ランキン冷媒流路91ab、エアコン冷媒流路91cd、及び、高温側ランキン冷媒流路91efはそれぞれ、低温側作動流体経路、冷凍冷媒経路、及び、高温側作動流体経路を構成している。
また、第一複合熱交換器91の内部には、エアコン冷媒流路91cdと高温側ランキン冷媒流路91efとを仕切る仕切り部91gが設けられている。仕切り部91gは断熱作用を有しており、このため、第一複合熱交換器91の内部において、エアコン冷媒と高温側ランキン冷媒との間で、熱の移動は発生しない。
よって、第一複合熱交換器91の内部に流入し低温側ランキン冷媒流路91abを流通する低温側ランキン冷媒は、エアコン冷媒流路91cdを流通するエアコン冷媒と熱交換を行った後、高温側ランキン冷媒流路91efを流通する高温側ランキン冷媒と熱交換を行う。
また、本実施の形態2における第一複合熱交換器91は、実施の形態1の内部熱交換器8と同様にして、プレート式熱交換器によって構成されている。そして、第一複合熱交換器91は、エアコン冷媒流路91cd及び高温側ランキン冷媒流路91efを形成するための高温側プレート91HPと、低温側ランキン冷媒流路91abを形成するための低温側プレート91LPとを交互に積層した構成を有している。
まず、図7を参照すると、矩形状した板部材である高温側プレート91HPの構成が示されている。
高温側プレート91HPには、低温側ランキン冷媒導入孔91pa、低温側ランキン冷媒導出孔91pb、エアコン冷媒導入孔91pc、エアコン冷媒導出孔91pd、高温側ランキン冷媒導入孔91pe及び高温側ランキン冷媒導出孔91pfが高温側プレート91HPを貫通して形成されている。そして、図6もあわせて参照すると、第一複合熱交換器91及び高温側プレート91HPの間において、低温側ランキン冷媒入口91a及び低温側ランキン冷媒導入孔91pa、低温側ランキン冷媒出口91b及び低温側ランキン冷媒導出孔91pb、エアコン冷媒入口91c及びエアコン冷媒導入孔91pc、エアコン冷媒出口91d及びエアコン冷媒導出孔91pd、高温側ランキン冷媒入口91e及び高温側ランキン冷媒導入孔91pe、並びに、高温側ランキン冷媒出口91f及び高温側ランキン冷媒導出孔91pfはそれぞれ、互いに整合するようになっている。
さらに、図7に戻り、高温側プレート91HPの表面には、エアコン冷媒導入孔91pc及びエアコン冷媒導出孔91pdを囲むようにして1つの環状になったエアコン冷媒用ガスケット91HPaが突出させて設けられている。エアコン冷媒用ガスケット91HPaは、高温側プレート91HPが低温側プレート91LP(図8参照)と組み合わされた際、1つのエアコン冷媒単流路91pcdを形成する。
また、高温側プレート91HPの表面には、高温側ランキン冷媒導入孔91pe及び高温側ランキン冷媒導出孔91pfを囲むようにして1つの環状になった高温側ランキン冷媒用ガスケット91HPbが突出させて設けられている。高温側ランキン冷媒用ガスケット91HPbは、高温側プレート91HPが低温側プレート91LP(図8参照)と組み合わされた際、1つの高温側ランキン冷媒単流路91pefを形成する。
また、エアコン冷媒用ガスケット91HPa及び高温側ランキン冷媒用ガスケット91HPbは、互いに空間91HPgをあけて設けられている。空間91HPgは、高温側プレート91HPが低温側プレート91LP(図8参照)と組み合わされた際、断熱作用を有する空間を形成して、エアコン冷媒単流路91pcd及び高温側ランキン冷媒単流路91pef間の熱の移動を防ぎ、仕切り部91g(図6参照)を構成する。
さらに、高温側プレート91HPの表面において、低温側ランキン冷媒導入孔91pa及び低温側ランキン冷媒導出孔91pbのそれぞれの周りには、それぞれが1つの環状になったガスケットが突出させて設けられている。
次に、図8を参照すると、矩形状した板部材である低温側プレート91LPの構成が示されている。
低温側プレート91LPには、高温側プレート91HP(図7参照)と同様にして、低温側ランキン冷媒導入孔91pa、低温側ランキン冷媒導出孔91pb、エアコン冷媒導入孔91pc、エアコン冷媒導出孔91pd、高温側ランキン冷媒導入孔91pe及び高温側ランキン冷媒導出孔91pfが形成されている。
さらに、低温側プレート91LPの表面には、低温側ランキン冷媒導入孔91pa及び低温側ランキン冷媒導出孔91pbを囲むようにして1つの環状になった低温側ランキン冷媒用ガスケット91LPaが突出させて設けられている。そして、低温側ランキン冷媒用ガスケット91LPaは、低温側プレート91LPの表面全体にわたって設けられている。低温側ランキン冷媒用ガスケット91LPaは、低温側プレート91LPが高温側プレート91HP(図7参照)と組み合わされた際、1つの低温側ランキン冷媒単流路91pabを形成する。
また、低温側プレート91LPの表面において、エアコン冷媒導入孔91pc、エアコン冷媒導出孔91pd、高温側ランキン冷媒導入孔91pe及び高温側ランキン冷媒導出孔91pfのそれぞれの周りには、それぞれが1つの環状になったガスケットが突出させて設けられている。
よって、図6〜8をあわせて参照すると、高温側プレート91HPと低温側プレート91LPとを交互に積層することにより、各プレートにおけるエアコン冷媒単流路91pcdが全体で1つの複合流路すなわちエアコン冷媒流路91cdを形成し、高温側ランキン冷媒単流路91pefが全体で1つの複合流路すなわち高温側ランキン冷媒流路91efを形成し、低温側ランキン冷媒単流路91pabが全体で1つの複合流路すなわち低温側ランキン冷媒流路91abを形成する。
そして、図7に示すように、第一複合熱交換器91(図6参照)では、各エアコン冷媒単流路91pcdを流通するエアコン冷媒は、方向D2cに流れ、各高温側ランキン冷媒単流路91pefを流通する高温側ランキン冷媒は、方向D2bに流れる。さらに、図8に示すように、各低温側ランキン冷媒単流路91pabを流通する低温のランキン冷媒は、方向D2c及びD2bと反対の方向である方向D2aに流れる。
よって、図7及び8をあわせて参照すると、低温側プレート91LPの低温側ランキン冷媒単流路91pabを流通する低温のランキン冷媒は、隣接する高温側プレート91HPのエアコン冷媒単流路91pcdを流通するエアコン冷媒と熱交換を行った後、高温側ランキン冷媒単流路91pefを流通する高温側ランキン冷媒と熱交換を行う。
また、この発明の実施の形態2に係る廃熱回生システム102のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
このように、実施の形態2における廃熱回生システム102によれば、上記実施の形態1の廃熱回生システム101と同様な効果が得られる。
また、実施の形態2における廃熱回生システム102では、エアコン熱交換器及び内部熱交換器を一体にして第一複合熱交換器91としているため、熱交換器の小型化及び軽量化を図ることが可能になる。
また、実施の形態2の第一複合熱交換器91では、エアコン冷媒流路91cdのエアコン冷媒と高温側ランキン冷媒流路91efの高温側ランキン冷媒との間における熱の移動が遮断されている。このため、低温側ランキン冷媒流路91abを流通する低温側ランキン冷媒は、エアコン冷媒及び高温側ランキン冷媒のそれぞれから効果的に熱を取り込むことができる。
また、実施の形態2における廃熱回生システム102では、実施の形態1のエアコン熱交換器7及び内部熱交換器8と同様に、第一複合熱交換器91がプレート式熱交換器である。よって、第一複合熱交換器91は、高温側プレート91HP及び低温側プレート91LPの積層数量を変更することにより、その熱交換容量を変更することができる。従って、第一複合熱交換器91は、熱交換容量の変更を容易にすることにより、コストを低減することが可能である。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る廃熱回生システム103は、実施の形態2における廃熱回生システム102の第一複合熱交換器91の構成を変更したものである。
図9を参照すると、エアコン熱交換器及び内部熱交換器を一体にした実施の形態3における第二複合熱交換器92の模式図が示されている。
第二複合熱交換器92は、長手側の第一側部92saに沿って、エアコン冷媒入口92c、エアコン冷媒出口92d、及び低温側ランキン冷媒入口92aをこの順序で配置して有している。
また、第二複合熱交換器92は、第一側部92saと対向する第二側部92sbに沿って、高温側ランキン冷媒出口92f、高温側ランキン冷媒入口92e、及び低温側ランキン冷媒出口92bをこの順序で配置して有している。高温側ランキン冷媒出口92f、高温側ランキン冷媒入口92e、及び低温側ランキン冷媒出口92bはそれぞれ、エアコン冷媒入口92c、エアコン冷媒出口92d、及び低温側ランキン冷媒入口92aと対向する位置に配置されている。
そして、第二複合熱交換器92の内部には、エアコン冷媒入口92cをエアコン冷媒出口92dに連通するエアコン冷媒流路92cd、及び、高温側ランキン冷媒入口92eを高温側ランキン冷媒出口92fに連通する高温側ランキン冷媒流路92efが長手方向に沿って形成されている。さらに、エアコン冷媒流路92cdは、高温側ランキン冷媒流路92efと対向するようにして配置されており、エアコン冷媒流路92cdのエアコン冷媒及び高温側ランキン冷媒流路92efの高温側ランキン冷媒の流れる方向は、互いに反対になっている。
また、第二複合熱交換器92の内部には、低温側ランキン冷媒入口92aを低温側ランキン冷媒出口92bに連通する低温側ランキン冷媒流路92abが形成されている。
低温側ランキン冷媒流路92abは、低温側ランキン冷媒入口92aから延びて、中央線CLを境界とした一方の領域であり且つエアコン冷媒流路92cdが配置された領域A3内を、エアコン冷媒流路92cdと対向するようにして延びる。さらに、低温側ランキン冷媒流路92abは、その方向を変え、領域A3の他方の領域であり且つ高温側ランキン冷媒流路92efが配置された領域B3内を、高温側ランキン冷媒流路92efと対向するようにして延び、低温側ランキン冷媒出口92bに連結している。そして、低温側ランキン冷媒流路92abにおける低温側ランキン冷媒の流れの方向は、領域A3内では、エアコン冷媒流路92cdにおけるエアコン冷媒の流れの方向と反対になっており、領域B3内では、高温側ランキン冷媒流路92efにおける高温側ランキン冷媒の流れの方向と反対になっている。
よって、第二複合熱交換器92の内部に流入した低温側ランキン冷媒は、低温側ランキン冷媒流路92abを流通し、その際、エアコン冷媒流路92cdを流通するエアコン冷媒と熱交換を行った後、高温側ランキン冷媒流路92efを流通する高温側ランキン冷媒と熱交換を行う。
また、本実施の形態3における第二複合熱交換器92は、実施の形態1の内部熱交換器8と同様にして、プレート式熱交換器によって構成されている。
図10を参照すると、第二複合熱交換器92は、低温側ランキン冷媒流路92ab(図9参照)を形成するための低温側ランキン冷媒プレート92LPと、高温側ランキン冷媒流路92ef(図9参照)を形成するための高温側ランキン冷媒プレート92HPと、エアコン冷媒流路92cd(図9参照)を形成するためのエアコン冷媒プレート92APとを積層した構成を有している。
ここで、低温側ランキン冷媒プレート92LPは低温側作動流体プレートを構成し、高温側ランキン冷媒プレート92HPは高温側作動流体プレートを構成し、エアコン冷媒プレート92APは冷凍冷媒プレートを構成している。
まず、図11を参照すると、矩形状した板部材である高温側ランキン冷媒プレート92HPの構成が示されている。
高温側ランキン冷媒プレート92HPには、低温側ランキン冷媒導入孔92pa、低温側ランキン冷媒導出孔92pb、エアコン冷媒導入孔92pc、エアコン冷媒導出孔92pd、高温側ランキン冷媒導入孔92pe及び高温側ランキン冷媒導出孔92pfが高温側ランキン冷媒プレート92HPを貫通して形成されている。図9〜11をあわせて参照すると、第二複合熱交換器92及び高温側ランキン冷媒プレート92HPの間において、低温側ランキン冷媒入口92a及び低温側ランキン冷媒導入孔92pa、低温側ランキン冷媒出口92b及び低温側ランキン冷媒導出孔92pb、エアコン冷媒入口92c及びエアコン冷媒導入孔92pc、エアコン冷媒出口92d及びエアコン冷媒導出孔92pd、高温側ランキン冷媒入口92e及び高温側ランキン冷媒導入孔92pe、並びに、高温側ランキン冷媒出口92f及び高温側ランキン冷媒導出孔92pfはそれぞれ、互いに整合するようになっている。
さらに、図11に戻り、高温側ランキン冷媒プレート92HPの表面には、高温側ランキン冷媒導入孔92pe及び高温側ランキン冷媒導出孔92pfを囲むようにして1つの環状になった高温側ランキン冷媒用ガスケット92HPaが突出させて設けられている。高温側ランキン冷媒用ガスケット92HPaは、高温側ランキン冷媒プレート92HPの中央線CL1を境界として片側の領域に設けられている。そして、高温側ランキン冷媒用ガスケット92HPaは、高温側ランキン冷媒プレート92HPが低温側ランキン冷媒プレート92LP(図10参照)と組み合わされた際、1つの高温側ランキン冷媒単流路92pefを形成する。
また、高温側ランキン冷媒プレート92HPの表面において、低温側ランキン冷媒導入孔92pa、低温側ランキン冷媒導出孔92pb、エアコン冷媒導入孔92pc、及びエアコン冷媒導出孔92pdのそれぞれの周りには、それぞれが1つの環状になったガスケットが突出させて設けられている。
次に、図12を参照すると、矩形状した板部材であるエアコン冷媒プレート92APの構成が示されている。
エアコン冷媒プレート92APには、高温側ランキン冷媒プレート92HP(図11参照)と同様にして、低温側ランキン冷媒導入孔92pa、低温側ランキン冷媒導出孔92pb、エアコン冷媒導入孔92pc、エアコン冷媒導出孔92pd、高温側ランキン冷媒導入孔92pe及び高温側ランキン冷媒導出孔92pfが形成されている。
さらに、エアコン冷媒プレート92APの表面には、エアコン冷媒導入孔92pc及びエアコン冷媒導出孔92pdを囲むエアコン冷媒用ガスケット92APa、並びに、低温側ランキン冷媒導入孔92pa、低温側ランキン冷媒導出孔92pb、高温側ランキン冷媒導入孔92pe及び高温側ランキン冷媒導出孔92pfのそれぞれを囲むガスケットが突出させて設けられている。これらのガスケットの形状及び配置は、中央線CL1に関して高温側ランキン冷媒プレート92HP(図11参照)の各ガスケットと対称になっている。このため、エアコン冷媒プレート92APの構成についてのその他の詳細な説明を省略する。なお、エアコン冷媒用ガスケット92APaは、エアコン冷媒プレート92APが低温側ランキン冷媒プレート92LP(図10参照)と組み合わされた際、1つのエアコン冷媒単流路92pcdを形成する。
また、図13を参照すると、矩形状した板部材である低温側ランキン冷媒プレート92LPの構成が示されている。
低温側ランキン冷媒プレート92LPには、高温側ランキン冷媒プレート92HP(図11参照)と同様にして、低温側ランキン冷媒導入孔92pa、低温側ランキン冷媒導出孔92pb、エアコン冷媒導入孔92pc、エアコン冷媒導出孔92pd、高温側ランキン冷媒導入孔92pe及び高温側ランキン冷媒導出孔92pfが形成されている。
さらに、低温側ランキン冷媒プレート92LPの表面には、低温側ランキン冷媒導入孔92pa及び低温側ランキン冷媒導出孔92pbを囲むようにして1つの環状になった低温側ランキン冷媒用ガスケット92LPaが突出させて設けられている。低温側ランキン冷媒用ガスケット92LPaは、低温側ランキン冷媒プレート92LPがエアコン冷媒プレート92AP或いは高温側ランキン冷媒プレート92HP(図10参照)と組み合わされた際、1つの低温側ランキン冷媒単流路92pabを形成する。
また、低温側ランキン冷媒用ガスケット92LPaによって囲まれて形成される領域は、図13上において、低温側ランキン冷媒導入孔92pa及び低温側ランキン冷媒導出孔92pb側が開いている縦向きのU字状であり中央線CL1について対称な形状を有している。さらに、この領域は、低温側ランキン冷媒プレート92LPの表面全体にわたって形成されている。
そして、低温側ランキン冷媒プレート92LPがエアコン冷媒プレート92AP(図10参照)と組み合わされた際、中央線CL1より低温側ランキン冷媒導入孔92pa側に形成される、低温側ランキン冷媒単流路92pabの流路部92pab1が、エアコン冷媒単流路92pcd(図12参照)と隣接する。また、低温側ランキン冷媒プレート92LPが高温側ランキン冷媒プレート92HP(図10参照)と組み合わされた際、中央線CL1より低温側ランキン冷媒導出孔92pb側に形成される、低温側ランキン冷媒単流路92pabの流路部92pab2が、高温側ランキン冷媒単流路92pef(図11参照)と隣接する。
また、低温側ランキン冷媒プレート92LPの表面において、エアコン冷媒導入孔92pc、エアコン冷媒導出孔92pd、高温側ランキン冷媒導入孔92pe及び高温側ランキン冷媒導出孔92pfのそれぞれの周りには、それぞれが1つの環状になったガスケットが突出させて設けられている
また、図10に戻ると、第二複合熱交換器92では、低温側ランキン冷媒プレート92LPと、高温側ランキン冷媒プレート92HP或いはエアコン冷媒プレート92APとが交互に積層され、低温側ランキン冷媒プレート92LPの両側に高温側ランキン冷媒プレート92HP及びエアコン冷媒プレート92APが配置される構成となっている。
そして、各プレートにおけるエアコン冷媒単流路92pcdが全体で1つの複合流路すなわちエアコン冷媒流路92cd(図9参照)を形成し、高温側ランキン冷媒単流路92pefが全体で1つの複合流路すなわち高温側ランキン冷媒流路92ef(図9参照)を形成し、低温側ランキン冷媒単流路92pabが全体で1つの複合流路すなわち低温側ランキン冷媒流路92ab(図9参照)を形成する。
また、図10〜13をあわせて参照すると、第二複合熱交換器92では、各高温側ランキン冷媒単流路92pefを流通する高温側ランキン冷媒は、方向D3bに流れ、各エアコン冷媒単流路92pcdを流通するエアコン冷媒は、方向D3cに流れる。さらに、各低温側ランキン冷媒単流路92pabを流通する低温のランキン冷媒は、方向D3cと反対の方向に流れた後に方向を変えて方向D3bと反対の方向に流れる、すなわち方向D3aに流れる。このとき、低温側ランキン冷媒プレート92LPの低温側ランキン冷媒単流路92pabを流通する低温側ランキン冷媒は、隣接するエアコン冷媒プレート92APのエアコン冷媒単流路92pcdを流通するエアコン冷媒と熱交換を行った後、隣接する高温側ランキン冷媒プレート92HPの高温側ランキン冷媒単流路92pefを流通する高温側ランキン冷媒と熱交換を行う。
また、高温側ランキン冷媒プレート92HP及びエアコン冷媒プレート92APは、互いに隣接しないようにして配置されているので、高温側ランキン冷媒単流路92pefを流通する高温側ランキン冷媒と、エアコン冷媒単流路92pcdを流通するエアコン冷媒との間で熱の移動が発生しない。
そして、低温側ランキン冷媒単流路92pabは、低温側ランキン冷媒プレート92LP上において、中央線CL1について対称なU字状の形状で形成されている。このため、低温側ランキン冷媒単流路92pabを流通する低温側ランキン冷媒において、高温側ランキン冷媒単流路92pefの高温側ランキン冷媒と熱交換を行った低温側ランキン冷媒が、エアコン冷媒単流路92pcdのエアコン冷媒と熱交換を行う低温側ランキン冷媒に対して熱の移動を発生しない。さらに、この高温側ランキン冷媒と熱交換を行った低温側ランキン冷媒は、隣接するエアコン冷媒プレート92APにおけるエアコン冷媒単流路92pcdのエアコン冷媒に対して熱の移動を発生しない。
よって、低温側ランキン冷媒単流路92pabを流通する低温側ランキン冷媒は、エアコン冷媒及び高温側ランキン冷媒のそれぞれから効果的に熱を取り込む。
また、車両の種別ごとに、ランキンサイクル201(図1参照)の熱負荷及び冷凍サイクル301(図1参照)の熱負荷は異なる。そこで、第二複合熱交換器92における高温側ランキン冷媒プレート92HPの積層数量とエアコン冷媒プレート92APの積層数量とを変更することにより、第二複合熱交換器92は、上述に示すような異なる熱負荷に合わせて、低温側ランキン冷媒を昇温する能力を調整することができる。そして、上述の第二複合熱交換器92における能力の調整は、低温側ランキン冷媒プレート92LP、高温側ランキン冷媒プレート92HP、及びエアコン冷媒プレート92APの構造を変更することなく実施可能である。
また、この発明の実施の形態3に係る廃熱回生システム103のその他の構成及び動作は、実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
このように、実施の形態3における廃熱回生システム103によれば、上記実施の形態2の廃熱回生システム102と同様な効果が得られる。
また、実施の形態2の第一複合熱交換器91では、ランキンサイクル201の熱負荷及び冷凍サイクル301の熱負荷に合わせて低温側ランキン冷媒の昇温能力を調整するためには、エアコン冷媒流路91cd及び高温側ランキン冷媒流路91efの構成を個別に変更する必要があるため、高温側プレート91HPの構造を変更する必要がある。しかしながら、実施の形態3の第二複合熱交換器92では、各プレートの構造を変更することなく、高温側ランキン冷媒プレート92HP及びエアコン冷媒プレート92APのそれぞれの積層数量を変更することにより、低温側ランキン冷媒の昇温能力すなわち第二複合熱交換器92の熱交換能力の調整が可能である。従って、実施の形態3における廃熱回生システム103は、プレートの種類の設定バリエーションを低減することができるため、実施の形態2の第一複合熱交換器91よりコストをさらに低減することが可能である。
また、実施の形態3の第二複合熱交換器92では、高温側ランキン冷媒プレート92HP及びエアコン冷媒プレート92APは互いに隣接しないように配置されていたが、これに限定されるものではない。第二複合熱交換器92では、高温側ランキン冷媒プレート92HPの高温側ランキン冷媒単流路92pefと、エアコン冷媒プレート92APのエアコン冷媒単流路92pcdとは、中央線CL1を境界にして互いに反対側に形成されている。このため、高温側ランキン冷媒プレート92HP及びエアコン冷媒プレート92APが互いに隣接した場合であっても、高温側ランキン冷媒単流路92pef及びエアコン冷媒単流路92pcdが隣接せずに互いの間で熱の移動が発生しないため、これらのプレートを隣接して配置してもよい。
また、実施の形態3の第二複合熱交換器92では、高温側ランキン冷媒プレート92HPの高温側ランキン冷媒単流路92pef及びエアコン冷媒プレート92APのエアコン冷媒単流路92pcdはいずれも、中央線CL1を境界として片側の領域にのみ設けられていたが、これに限定されるものではなく、両側の領域にわたって設けられてもよい。このとき、第二複合熱交換器92の内部において、高温側ランキン冷媒とエアコン冷媒との間における熱の移動の発生を防ぐために、高温側ランキン冷媒プレート92HP及びエアコン冷媒プレート92APが隣接しないように配置することが好ましい。
1 ポンプ、2 ボイラ、3 膨張機、4 ランキンコンデンサ(凝縮器)、6a,6b,6c 経路(第一経路)、6e,6f 経路(第二経路)、7 エアコン熱交換器(第一熱交換器)、8 内部熱交換器(第二熱交換器)、11 圧縮機、12 エアコンコンデンサ(冷凍冷媒凝縮器)、91 第一複合熱交換器(複合熱交換器)、91ab,92ab 低温側ランキン冷媒流路(低温側作動流体経路)、91cd,92cd エアコン冷媒流路(冷凍冷媒経路)、91ef,92ef 高温側ランキン冷媒流路(高温側作動流体経路)、91HP 高温側プレート、91LP 低温側プレート、92 第二複合熱交換器(複合熱交換器)、92AP エアコン冷媒プレート(冷凍冷媒プレート)、92HP 高温側ランキン冷媒プレート(高温側作動流体プレート)、92LP 低温側ランキン冷媒プレート(低温側作動流体プレート)、101,102,103 廃熱回生システム、201 ランキンサイクル、301 冷凍サイクル。

Claims (6)

  1. 車両の廃熱を利用して作動流体を加熱するボイラと、
    前記ボイラで加熱された作動流体を膨張させて仕事を得る膨張機と、
    前記膨張機により膨張された作動流体を冷却する凝縮器と、
    前記凝縮器により冷却された作動流体を前記ボイラに向かって送るポンプとを備えてランキンサイクルを構成すると共に、
    前記ポンプを前記ボイラに連通する第一経路を流通する作動流体及び車両の冷凍サイクルを流通する冷凍冷媒の間で熱交換を行う第一熱交換器と、
    前記第一経路を流通する作動流体及び前記膨張機を前記凝縮器に連通する第二経路を流通する作動流体の間で熱交換を行う第二熱交換器であって、前記第一経路における前記第一熱交換器の下流に設けられる第二熱交換器と
    をさらに備える廃熱回生システム。
  2. 前記第一熱交換器において熱交換を行う冷凍冷媒は、前記冷凍サイクルにおける圧縮機及び冷凍冷媒凝縮器の間を流通する冷凍冷媒である
    請求項1に記載の廃熱回生システム。
  3. 前記第一熱交換器及び前記第二熱交換器は一体である請求項1または2に記載の廃熱回生システム。
  4. 前記一体とされた第一熱交換器及び第二熱交換器は、複合熱交換器を構成し、
    前記複合熱交換器は、
    前記冷凍サイクルの冷凍冷媒が流通する冷凍冷媒経路と、
    前記第一経路における前記ボイラで加熱される前の低温側の作動流体が流通する低温側作動流体経路と、
    前記第二経路における前記ボイラで加熱された後の高温側の作動流体が流通する高温側作動流体経路とを有し、
    前記冷凍冷媒経路及び前記高温側作動流体経路の間における熱の移動が遮断され、
    前記低温側作動流体経路を流通する前記低温側の作動流体は、前記冷凍冷媒経路を流通する前記冷凍冷媒と熱交換を行った後、前記高温側作動流体経路を流通する前記高温側の作動流体と熱交換を行う
    請求項3に記載の廃熱回生システム。
  5. 前記複合熱交換器は、プレート式熱交換器であり、
    前記複合熱交換器では、
    前記低温側作動流体経路を形成する低温側プレートと、
    前記冷凍冷媒経路及び前記高温側作動流体経路を形成する高温側プレートとが積層される
    請求項4に記載の廃熱回生システム。
  6. 前記複合熱交換器は、プレート式熱交換器であり、
    前記複合熱交換器では、
    前記冷凍冷媒経路を形成する冷凍冷媒プレートと、
    前記高温側作動流体経路を形成する高温側作動流体プレートと、
    前記低温側作動流体経路を形成する低温側作動流体プレートとが積層される
    請求項4に記載の廃熱回生システム。
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