JP2011084863A - ユニット式建物の改築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のユニット式建物1の改築方法は、柱10および梁から直方体状の骨組みを有するとともに前記梁で囲われた平面部が上下に配置される建物ユニット3,5を複数組み合わせて施工されるユニット式建物1を改築する方法であって、前記平面部に居室空間1Aと非居室空間1Bとを区切る面材A1,A2を設け、この面材A1,A2より前記非居室空間1Bであって前記柱10から離れた位置に耐火構造を有する界壁部81,82を設けて建物ユニット3,5を施工し、改築時には、前記界壁部81,82の前記居室空間1Aに対応する位置に耐火構造を有するとともに天井A2から床A1までの高さの壁本体91,92を連結することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、一度施工した建物を長期にわたって利用する超長期住宅対応が求められており、この背景のもとでは、簡単に界壁が建物ユニットに設置されることが望まれるが、特許文献1,2で示される従来例では、これを実現することができないという問題がある。
つまり、改築の際には、既に非居室空間1Bに界壁部81,82が設けられているため、既存の天井面材A2や床材等A1を取り除き、新たに界壁部81,82を設ける必要がない。
このため、改築する際、居室空間1Aを区切るために界壁部81,82に対応する位置に壁本体91,92を設けるだけで、耐火構造を有する間仕切りを形成することができる。
よって、壁本体91,92を設けるだけで改築作業が行え、その作業性を良好なものとすることができる。
よって、建物現場での作業性をより良好なものとすることができる。
このため、上下階を有するユニット式建物1の上下階間の非居室空間1Bに耐火構造物を形成することができる。
このため、上階用建物ユニット5の床部と下階用建物ユニット3の天井部とが形成する非居室空間1Bに位置ずれした界壁部81とこれらを連通する耐火構造の床部と天井部とを形成することができる。
よって、上下階を有するユニット式建物1の上下階間の非居室空間1Bに耐火構造物を形成することができる。
図1〜図5には本実施形態のユニット式建物が示されている。
図1に基づいて第一実施形態におけるユニット式建物1を説明する。
図1には、本発明の第一実施形態におけるユニット式建物を示す断面図が示されている。
ユニット式建物1は、下階用建物ユニット3により形成される下階部4と、上階用建物ユニット5により形成される上階部6とを有している。
なお、第一実施形態における床面材A1、天井面材A2、壁面材A3の材質としては、石膏ボードを適用することができる。
さらに、非居室空間1Bには、建物ユニット3,5が間隔S離し置かれた隙間に形成される第二下界壁部812と、この第二下界壁部812と同一鉛直線上の位置に形成される第二上界壁部822が設けられている。
なお、改築する際、この非居室空間1Bに形成される界壁部81,82に対応して同一鉛直線上に天井から床までの高さの壁本体91,92を形成することで、居室空間1Aが間仕切られるようになっている。
図2には、本発明の第一実施形態におけるユニット式建物の下階部を示す平断面図が示されている。
図2に示すように、これら下界壁部811,812は下階用建物ユニット3の長辺方向に沿って下階部4に連通されている。また、図示しない上界壁部は、下界壁部811,812と同様に長辺方向に沿って連通されており、これらの下界壁部811,812に対応してそれぞれ形成されている。
図3には、本発明の第一実施形態における建物ユニットを示す斜視図が示されている。
下階用建物ユニット3および上階用建物ユニット5は、四隅に立設される4本の柱10と、これらの柱10の上端間同士を結合する4本の天井梁11と、各柱10の下端間同士を結合する4本の床梁12とを含む骨組み13を有し、略直方体状に形成されている。
また、柱10と天井梁11および床梁12とは、仕口14を介して接続されている。そして、下階用建物ユニット3および上階用建物ユニット5の対角に位置する仕口14のそれぞれを連結する図示しないブレースが設けられている。
図4には、本発明の第一実施形態における第一界壁部周辺の拡大断面図が示されている。図5には、本発明の第一実施形態における第二界壁部周辺の拡大断面図が示されている。
図4に示すように、第一下界壁部811は、建物ユニット3,5の長辺方向に沿って、天井小梁15および根太16の中腹に形成される。
このことにより、4つの固定部材C1が上下に対向することになり、対向する固定部材C1に両外側から2枚の板面材B1を貼り付けて固定することで第一下界壁部811を形成する。
なお、第一実施形態における板面材B1の材質としては、石膏ボードを適用することができる。
また、床面材A1および天井面材A2の非居室空間1B側には、天井小梁15や根太16の箇所を除いてロックウールR2が一面に敷き詰められる。
そして、2枚の板面材B1を対向する固定部材C1に両外側から貼り付けて固定することで第一上界壁部821を形成する。
さらに、第一上界壁部821の内部において、コンクリート材72に面する箇所にもロックウールR3が貼り付けられる。
なお、上述した界壁部81,82は、建物ユニット3,5の組立工場において艤装され、建物現場で界壁部81,82を形成しなくて済むようになっている。
改築する際には、まず建物ユニット3,5に設けられた界壁部81,82の内部に取り付けられた固定部材C1と床面材A1または天井面材A2を挟んで対応する位置に同様に固定部材C1を取り付ける。この際、固定部材C1は対向する固定部材C1に釘等により打ちつけることで取り付けられる。
そして、居室空間1A側に取り付けられた固定部材C1に壁本体91,92を取り付けることで居室空間1Aが間仕切られる。このとき、対向する壁本体91,92のいずれか一方にロックウールR4が壁本体91,92の一面に貼付けられる。
これにより、耐火構造の壁を形成して居室空間1Aが間仕切られることとなる。
(1)第一実施形態では、非居室空間1Bにおいて、柱10から離れた位置にロックウールR1,R3が取り付けられた界壁部81,82を設け、改築時に界壁部81,82の居室空間1Aに対応する位置に壁本体91,92を連結する。
つまり、改築の際には、既に非居室空間1Bに界壁部81,82が設けられているため、既存の床面材A1や天井面材A2等を取り除き、新たに界壁部81,82を設ける必要がない。
よって、壁本体91,92を設けるだけで改築作業が行え、その作業性を良好なものとすることができる。
このため、簡易な作業で耐火構造の壁を形成して居室空間1Aを間仕切ることができる。
本発明の第二実施形態を図6に基づいて説明する。
なお、第二実施形態は、第一実施形態とは、界壁部811,821の工場における艤装方法が異なり、さらに第二界壁部812,822が設けられない点が異なるものであり、その他の構成は第一実施形態と同様である。
図6には、本発明の第二実施形態における第三界壁部周辺の拡大断面図が示されている。
第三下界壁部813は、建物ユニット3,5の組立工場において、下階用建物ユニット3の天井小梁15と上階用建物ユニット5の根太16とにそれぞれ別々に界壁部を艤装し、建物現場において建物ユニット3,5を上下に積み上げることにより形成される。
そして仕上げとして板面材B1の外側にシール材B2を貼り付けることにより第三下界壁部813を形成している。
また、第三上界壁部823も第三下界壁部813と同様に天井小梁15と梁材71とにそれぞれ界壁部82を形成し、シール材B2を貼り付けて形成している。
(4)第二実施形態では、第三下界壁部813が、上階用建物ユニット5の根太16と、下階用建物ユニット3の天井小梁15とにそれぞれ艤装され、建物現場において建物ユニット3,5を上下に積み上げ、仕上げに板面材B1の外側にシール材B2を貼り付けるため、上階用建物ユニット5の根太16と下階用建物ユニット3の天井小梁15とを連通する第三下界壁部813を形成することができる。
また、第三上界壁部823も同様に天井小梁15と梁材71とにそれぞれ界壁部82を形成するので、同様の効果を奏することができる。
本発明の第三実施形態を図7および図8に基づいて説明する。
なお、第三実施形態は、第二実施形態とは、界壁部813が上下にずれた位置に形成される点で異なるものであり、その他の構成は第二実施形態と同様である。
図7には、本発明の第三実施形態におけるユニット式建物を示す断面図が示されている。図8には、本発明の第三実施形態における第四界壁部周辺の拡大断面図が示されている。
(5)第三実施形態では、上階用建物ユニット5に設けられた界壁部814と、下階用建物ユニット3に設けられた界壁部814とが水平方向にずれて形成されている。そして、これら位置ずれする界壁部814同士を連結するロックウールR1,R3が根太16と天井小梁15とに予め取り付けられている。
このため、上下が水平方向に位置ずれした第四下界壁部814を連続した耐火構造体とすることができる。
本発明の第三実施形態を図9および図10に基づいて説明する。
なお、第四実施形態は、説明を行う構成以外は他の実施形態と同様の構成である。
図9には、本発明の第四実施形態におけるユニット式建物を示す断面図が示されている。図10には、本発明の第四実施形態における建物ユニットを示す斜視図が示されている。
図9に示すように、第四実施形態におけるユニット式建物1は、2個の下階用建物ユニット3が基礎2の上に隣接配置され、これらの下階用建物ユニット3の上に上階用建物ユニット5が同様に隣接配置され、さらに上階用建物ユニット5の上には天井ユニット7が設けられている。
また、このユニット式建物1では、第五下界壁部815と第六下界壁部816および第四上界壁部824とは下階部4と上階部6とにおいて水平方向に位置ずれして設けられている。
このとき、水平方向に位置ずれした第五下界壁部815と第六下界壁部816との間に図示しないロックウールR2が床面材A1もしくは天井面材A2に沿って一面に敷き詰められている。
(7)第四実施形態では、第五下界壁部815と第六下界壁部816とが水平方向に位置ずれして形成され、それらの間を床面材A1もしくは天井面材A2に沿って一面にロックウールR2が敷き詰められるので、下界壁部81もしくは上界壁部82が下階用建物ユニット3と上階用建物ユニット5との間で位置ずれする構成に比べてより一層、位置ずれ幅を大きくすることができる。
このため、下階部4と上階部6との居室空間において、大幅に異なるレイアウトに改築することができる。
第二実施形態および第三実施形態では、間隔S離し置かれた建物ユニット3,5の間に第二界壁部812,822を設けないとしたが、これに限らず、第二実施形態および第三実施形態においても第二界壁部812,822を設ける構成としてもよい。
また、第一実施形態から第三実施形態では、ユニット式建物1を下階部4と上階部6を備える2階建てとしたが、これに限られず、1階平屋建てでもよいし、3階以上の建物としてもよい。
さらに、第四実施形態では、界壁部81,82が天井小梁15もしくは根太16と平行に設けられるとしたが、これに限らず、天井小梁15や根太16と直行する構成であってもよい。
1A…居室空間
1B…非居室空間
3…下階用建物ユニット
5…上階用建物ユニット
10…柱
11…天井梁
12…床梁
13…骨組み
81…下界壁部
82…上界壁部
811…第一下界壁部
812…第二下界壁部
813…第三下界壁部
814…第四下界壁部
815…第五下界壁部
816…第六下界壁部
821…第一上界壁部
822…第二上界壁部
823…第三上界壁部
824…第四上界壁部
91,92…壁本体
A1…床面材(面材)
A2…天井面材(面材)
A3…壁面材(面材)
B2…シール材
R1…ロックウール(耐火構造)
R2…ロックウール(耐火構造)
R3…ロックウール(耐火構造)
R4…ロックウール(耐火構造)
Claims (4)
- 柱および梁から直方体状の骨組みを有するとともに前記梁で囲われた平面部が上下に配置される建物ユニットを複数組み合わせて施工されるユニット式建物の改築方法であって、
前記平面部に居室空間と非居室空間とを区切る面材を設け、この面材より前記非居室空間であって前記柱から離れた位置に耐火構造を有する界壁部を設けて建物ユニットを施工し、改築時には、前記界壁部の前記居室空間に対応する位置に耐火構造を有するとともに天井から床までの高さの壁本体を連結することを特徴とするユニット式建物の改築方法。 - 請求項1に記載のユニット式建物の改築方法において、
前記界壁部は、工場にて前記建物ユニットの前記骨組みに艤装することを特徴とするユニット式建物の改築方法。 - 請求項1または請求項2に記載のユニット式建物の改築方法において、
前記建物ユニットは、上階用と下階用とがあり、上階用建物ユニットの床部に前記界壁部を艤装し、下階用建物ユニットの天井部に前記界壁部を艤装し、現場では、下階用建物ユニットの上に上階用建物ユニットを設置した後、前記界壁部同士をシールすることを特徴とするユニット式建物の改築方法。 - 請求項3に記載のユニット式建物の改築方法において、
前記上階用建物ユニットの界壁部と下階用建物ユニットの界壁部とは水平方向にずれて形成され、これらの界壁部同士を連結する耐火構造の床部または天井部が前記非居室空間に予め設置されていることを特徴とするユニット式建物の改築方法。
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