JP2011084543A - 生活習慣病予防及び改善剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】没食子酸、茶ポリフェノール、テアフラビン類、カフェイン、サポニン、アミノ酸、水溶性繊維等の茶葉成分を含有し、これらの成分の組み合わせが、相乗効果を有した結果、内蔵脂肪沈着、体重増加、血糖値上昇、動脈硬化等を生活習慣病予防あるいは改善させる飲食品、医薬品または飼料。
【選択図】なし
Description
高脂肪食誘発肥満モデルマウスC57BL6の4週齢の雄性マウスを購入し、実験環境に慣らす為に7日間予備飼育してから健全な動物を実験に使用した。飼育室の環境は温度を23±1℃、湿度を55±5%の一定とし明暗は12時間周期(明8:00−20:00)とした。実験動物はプラスチック製のケージを用いて1つのケージあたり5匹のマウスを入れ動物飼育室内で飼育した。
実験群は8群とし各群の数はn=10匹とした。各群に与える試料と飲料は表3に示した。
実験開始後、9ヶ月間の体重増加率の変化について表4に表した。体重はマウスが2月齢、3月齢、4月齢、6月齢、9月齢に達したとき測定した。体重増加率は実験開始時の体重に比べてどれだけ体重が増加したか、以下の計算式により算出した。
体重増加(%)=(測定月齢の体重-実験開始時の体重)÷実験開始時の体重×100
普通食群では本発明の実施例であるIV群はコントロール(I群)と比較して体重の増加が抑制されていた。特に9月齢ではコントロール(I群)、比較例群(II及びIII群)の4群で検定を行なったが有意に低下した。
高脂肪食群の体重増加率は全ての月齢において、本発明の実施例であるVIII群は低下した。特に4月齢、6月齢、9月齢の場合、V、VI、VII、VIII群において、本発明の実施例であるVIII群は有意に体重増加率を低下させた。
高脂肪食群において実験開始時の体重19g台のマウスの体重変化を表5に示した。本発明の実施例であるVIII群はコントロール(I群)、比較例群(VI及びVII群)と比べて一番低い体重を示した。
試験期間中の餌及び飲料水の摂取量は2日おきに測定し、1日あたりの平均飼料摂取量及び平均飲料水摂取量を表6に示す。
普通食群、高脂肪食群の24時間の糞量を測定した。それぞれの群のマウスを個別の代謝ゲージにて24時間飼育し24時間後の糞量を測定した。結果を表7に示す。普通食群では本発明の実施例であるIV群はコントロール(I群)、比較例群(II及びIII群)の中で糞量が一番多い結果を示した。高脂肪食群では本発明の実施例であるVIII群はコントロール(V群)、比較例群(VI及びVII群)の中で糞量が一番多い結果を示し、コントロール、比較群に比べて50%も多い糞量を示したのは特筆すべきである。
普通食群、高脂肪食群の尿量を測定した。それぞれの群のマウスを個別の代謝ゲージにて24時間飼育し24時間後の尿量を測定した。
表8に示すように普通食群では本発明の実施例であるIV群はコントロール(I群)、比較例群(II及びIII群)の中で比較III群とともに尿量が多い結果を示した。高脂肪食群では本発明の実施例であるVIII群はコントロール(V群)、比較例群(VI及びVII群)の中で尿量が一番多い結果を示した。
随時血糖値は午後1時に測定した。血糖値はマウスが3月齢、4月齢、6月齢、9月齢、10月齢に達したとき測定した。採血は尾静脈から行い、簡易血糖測定システム(テルモ社製)にて血糖値を測定した。
表9に示すように普通食群では本発明の実施例であるIV群はコントロール(I群)、比較例群(II及びIII群)の中で随時血糖値は一番低い値を示し、特に4月齢、6月齢、9月齢とも血糖値が150台で推移しているのは特筆すべきである。高脂肪食群では本発明の実施例であるVIII群は3月齢、4月齢、6月齢の中でコントロール(V群)、比較例群(VI及びVII群)の中で随時血糖値は一番低い値を示した。さらにVIII群は
4月齢から10月齢まで高脂肪食を食べているにもかかわらず随時血糖値が180台でほぼ一定であるのは特筆すべきである。
プラスチックゲージに床敷も無い状態で14時間絶食後、普通食、及び高脂肪食の空腹時血糖値を測定した。血糖値はマウスが9月齢、10月齢に達したとき測定した。表10に示すように普通食の場合、本発明の実施例であるIV群はコントロール(I群)、比較例群(II及びIII群)と比べ同程度の血糖値を示し正常値の場合血糖値を下げる等の逆の効果はなかった。高脂肪食群では本発明の実施例であるVIII群は9月齢、10月齢ともコントロール(V群)、比較例群(VI及びVII群)の中で空腹時血糖値は一番低い値を示した。
臓器脂肪組織量は10月齢のマウスを14時間絶食後、麻酔下(ジエチルエーテル)で開腹し、速やかに腎臓周囲脂肪、睾丸周囲脂肪、腸管周囲脂肪、総脂肪量を摘出しその重量を測定した。コントロールの脂肪量を100として相対値を表した。
表11に示すように普通食群の臓器脂肪組織量は本発明の実施例であるIV群は腎臓、睾丸周囲、腸管周囲、総脂肪量ともにコントロール(I群)、比較例群(II及びIII群)と比べ有意に一番少ない値を示し、優れた脂肪沈着抑制効果を示した。例えばIV群は腎臓の場合コントロール群の1/13以下、II群の約1/3以下、III群の約1/8以下ときわめて高い脂肪沈着抑制効果を示した。表12に示すように高脂肪食の臓器脂肪組織量は本発明の実施例であるVIII群はコントロール(V群)、比較例群(VI及びVII群)の中で腸管周囲、総脂肪量は有意に一番低い値を示した。
血液生化学検査では10月齢のマウスを14時間絶食後、麻酔下(ジエチルエーテル)で頸動脈からシリンジを用いて採血し、それから得られた血漿を血液自動分析装置(オリエンタル酵母工業株式会社 長浜ライフサイエンスラボラトリー委託)で測定を行なった。
表13に示すように普通食の場合、本発明の実施例であるIV群はコントロール(I群)と比べグルコース値は減少した。比較飲料であるII群はHDLコレステロールの有意な減少、及びLDLコレステロールの有意な増加により動脈硬化指数値を有意に増加させたがIV群は認められなかった。表14に示すように高脂肪食の場合、本発明の実施例であるVIII群はHDLコレステロールを上昇させ、LDLコレステロールを減少させた結果、コントロール(V群)、比較例群(VI及びVII群)の中で動脈硬化指数を有意に下げたことは特筆すべきである。
肝臓内の脂肪組織量は10月齢のマウスを14時間絶食後、麻酔下(ジエチルエーテル)で開腹し、肝臓を採取し−80℃下で冷凍保存した。肝臓はホルチ法により脂質を抽出した。トリグリセリド、コレステロール、リン脂質、遊離脂肪酸は和光純薬工業製のラボアッセイトリグリセライドキット、ラボアッセイコレステロールキット、ラボアッセイリン脂質キット、ラボアッセイNEFAキットにより測定した。
表15に示すように普通食肝臓脂質の総脂質量は本発明の実施例であるIV群はコントロール(I群)と比べ減少したが、比較飲料であるII群はさらに低下した。トリグリセリド値はIV群、II群とも対照群に比べて低下した。表16に示すように高脂肪食肝臓脂質の分析では本発明の実施飲料であるVIII群はコントロール(V群)と比べ総脂質量、及びトリグリセリドは低下させた。
実験に使用した高脂肪食誘発肥満モデルマウスC57BL6は脱毛遺伝子をもっているため、飼育期間中に脱毛することは報告されている。
実験開始後9ヶ月間のマウスの脱毛度を大きさの順に脱毛度を小10点、中20点、大30点とし点数化し平均値を出した。表17に示すようにいずれも高脂肪食、普通食群とも市販紅茶飲料(II群、VI群)は対照群に比べ有意に脱毛させた。実験に使用したマウスは脱毛遺伝子を持つ事は報告されているが普通食、高脂肪食ともにコントロールの水投与群は脱毛がほとんど認められなかった。本発明の実施例であるIV群、VIII群は水に次いで脱毛度は非常に少なかった。毛の量、つやは水と同等であった。紅茶飲料、緑茶飲料は脱毛部分以外も毛の量は少なく地肌が見えたが水と発明飲料は地肌は見えずふさふさで、色、つやともに優れていた。
以上、高脂肪食、普通食に対し市販緑茶飲料、市販紅茶飲料及び発明成分を含む飲料を与えることにより、体重、随時血糖値、空腹時血糖値、糞量、尿量、臓器内脂肪、血液成分、肝臓脂質成分、及び脱毛度にどのような効果があるかどうかを9ヶ月間、調べた。
上記項目につき有意差検定を行ないそれぞれの項目につき有意差が認められた項目につき有意差の点数化(10点または20点)を行い表18に示した。良い効果は加点し、悪い効果は減点した。
10点:有意水準5%で有意差が認められたもの
20点:有意水準1%で有意差が認められたもの
発明成分含有飲料は普通食、高脂肪食ともに体重増加度抑制、血糖値の上昇抑制、快便、利尿作用、内蔵脂肪の沈着を防ぐ効果、肝臓の中性脂肪を下げる事が有意差検定で有意差が認められ、表に示すように水、市販紅茶飲料、市販緑茶飲料に比べ非常に高い効果(普通食−発明成分飲料190点、高脂肪食−発明成分飲料150点)が認められた。
一方、市販紅茶飲料は発明成分飲料に比べれば効果は劣るが普通食において体重増加抑制、及び脂肪沈着を防ぐ効果が認められたが、動脈硬化指数値の上昇効果やマウスの脱毛が激しい事などマイナス効果も多かった。発明成分飲料はマイナス効果はほとんど認められず生活習慣病を予防する効果が水、市販紅茶飲料、市販緑茶飲料に比べ高い効果をもつことが実証された。
紅茶葉(エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、遊離テアフラビン、テアフラビン類をほとんど含有しない紅茶葉) 6g 熱水抽出物
遊離テアフラビン 20mg 〜 90mg
没食子酸 40mg 〜 100mg
アスコルビン酸ナトリウム 適量
水にて1000mlとする。
紅茶葉 (エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、遊離テアフラビン、テアフラビン類をほとんど含有しない紅茶葉) 6g 熱水抽出物
テアフラビン類 20mg 〜 90mg
没食子酸 40mg 〜 100mg
アスコルビン酸ナトリウム 適量
水にて1000mlとする。
特願2008-087504製法による飲料 1000ml
(飲料の製法:冷凍保存した茶葉76.5gに水4リットル加え、工業用ミキサー(High スピード)にて3分間破砕し、30リットル用ステンレス槽に移した。この操作を4回繰り返し、茶葉 (306g) を破砕し、最後に水9リットルを添加し水の全量を25リットルとした。その後40分間振とうした。粗濾過を行った後、アスコルビン酸Naを添加して濾過を行った。濾過後レトルト殺菌を行った。)
没食子酸 40mg 〜 100mg
アスコルビン酸ナトリウム 適量
紅茶葉 (エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートが残存している紅茶葉) 6g 熱水抽出物
遊離テアフラビン 20mg 〜 90mg
没食子酸 40mg 〜 100mg
アスコルビン酸ナトリウム 適量
水にて1000mlとする。
紅茶葉 (エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートが残存している紅茶葉) 6g 熱水抽出物
テアフラビン類 20mg 〜 90mg
没食子酸 40mg 〜 100mg
アスコルビン酸ナトリウム 適量
水にて1000mlとする。
紅茶葉 (エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、遊離テアフラビン、テアフラビン類がほとんど存在しない紅茶葉 またはエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートが残存している紅茶葉) 6g 熱水抽出物
テアフラビン類混合物(カテキン類、カフェイン、テアフラビン類の混合物) 適量
没食子酸 40mg 〜 100mg
アスコルビン酸ナトリウム 適量
水にて1000mlとする。
紅茶葉 (エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、遊離テアフラビン、テアフラビン類がほとんど存在しない紅茶葉 またはエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートが残存している紅茶葉) 6g 熱水抽出物
テアフラビン類混合物(カテキン類、カフェイン、テアフラビン類、没食子酸の混合物)
適量
アスコルビン酸ナトリウム 適量
遊離テアフラビンまたはテアフラビン類 20mg 〜 90mg
没食子酸 40mg 〜 100mg
茶ポリフェノール 65mg 〜 130mg
アスコルビン酸ナトリウム 適量
水にて1000mlとする。
遊離テアフラビンまたはテアフラビン類 20mg 〜 90mg
没食子酸 40mg 〜 100mg
アスコルビン酸ナトリウム 適量
水にて1000mlとする。
紅茶葉 (エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートが全て酸化され消失した紅茶葉)
4〜6gを湯にて抽出し茶葉を除去した紅茶水溶液 720ml
遊離テアフラビン またはテアフラビン類 55mg
没食子酸 72mg
強力粉1000g
バター40g
砂糖68g
スキムミルク24〜48g
塩20g
ドライイースト 11.2g
もしくは、下記実施例12で得られる粉末茶を適量用いてパン生地に練り込んでもよい。
冷凍保存した生茶葉120gに水600ミリリットルを加え工業用ミキサー(High スピード)にて1分間破砕し、空気を巻き込まないように工業用スターラーで4時間撹拌し、
エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートを遊離テアフラビンに変換した後、アスコルビン酸Naを添加する。その後、水分を留去した後、乾燥して緑茶色の粉末茶30g(遊離テアフラビン10%以上含有、カフェイン2.3%、没食子酸1.6%、ポリフェノール6.7%)とする。
冷凍保存した生茶葉120gに水600ミリリットルを加え工業用ミキサー(High スピード)にて1分間破砕し、空気を巻き込まないように工業用スターラーで4時間静かに撹拌しエピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートを遊離テアフラビンに変換した後、冷蔵庫で24時間以上放置した後アスコルビン酸Naを添加する。その後水分を留去した後、乾燥して紅茶色の粉末茶30g(遊離テアフラビン10%以上含有、カフェイン2.3%、没食子酸1.6%、ポリフェノール6.7%)とする。
冷凍保存した生茶葉120gに水600ミリリットルを加え工業用ミキサー(High スピード)にて1分間破砕し、空気を巻き込まないように工業用スターラーで4時間静かに撹拌しエピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートを遊離テアフラビンに変換した後、濾過を行なう。得られた固形分を乾燥し28gの緑色の粉末茶(遊離テアフラビン10%以上含有)とする。
冷凍保存した生茶葉120gに水600ミリリットルを加え工業用ミキサー(High スピード)にて1分間破砕し、空気を巻き込まないように工業用スターラーで4時間静かに撹拌しエピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートを遊離テアフラビンに変換した後、冷蔵庫で24時間以上放置する。濾過を行ない得られた固形分を乾燥し28gの紅茶色の粉末茶(遊離テアフラビン10%以上含有)とする。
Claims (6)
- エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートを含まない茶ポリフェノール、没食子酸、テアフラビン類、カフェインおよびサポニンの茶葉成分を含有する、生活習慣病の予防または改善剤。
- 生活習慣病の原因となる体重増加抑制、血糖値上昇抑制、内蔵脂肪沈着抑制、動脈硬化指数の低下、肝臓脂質量の増加抑制、便秘改善、利尿作用を特徴とする請求項1記載の生活習慣病の予防または改善剤。
- テアフラビン類2mg/100mL以上と、没食子酸4mg/100mL以上と、茶ポリフェノール65mg/100mL以上とを少なくとも含有する請求項1記載の生活習慣病の予防または改善剤。
- テアフラビン類2mg/100mL以上と、没食子酸4mg/100mL以上とを少なくとも含有する請求項1記載の生活習慣病の予防または改善剤。
- 生茶葉に水を加えてミキサーで破砕し15分間以上静置または準嫌気的撹拌して培養した後に固液分を全て濃縮乾燥することにより得られる粉末茶を含有する、請求項1記載の生活習慣病の予防または改善剤。
- 生茶葉に水を加えてミキサーで破砕し15分間以上静置または準嫌気的撹拌して培養した後に分離した固形分を乾燥することにより得られる粉末茶を含有する、請求項1記載の生活習慣病の予防または改善剤。
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