JP2011079360A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】通常走行時の乗り心地性とランフラット耐久性能とを、より高度に両立させたランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】ラジアルカーカス2に沿って、少なくともベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までを覆う補強コード層5を備え、補強コード層を構成するコードが、タイヤ半径方向に対し85〜90°のコード角度を有し、タイヤから引き抜かれた該コードの、177℃における熱収縮応力σ(cN/dtex)および177℃における10N荷重時の弾性率E(cN/dtex)が、σ+0.025E≧0.36、40≧E≧8、および、σ≧0.05の条件を満足するランフラットタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明はランフラットタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、サイド補強タイプのランフラットタイヤにおける補強コード層の改良に関する。
従来、パンク等によりタイヤの内圧が低下した状態でも、タイヤが荷重支持能力を失うことなくある程度の距離を安全に走行することが可能なタイヤ、いわゆるランフラットタイヤとして、サイドウォール部におけるカーカスの内方に、比較的モジュラスが高い断面三日月状のサイド補強ゴム層を配置してサイドウォール部の剛性を向上させ、内圧低下時にサイドウォール部の撓み変形を極端に増加させることなく荷重を負担できるようにしたサイド補強タイプのランフラットタイヤが種々提案されてきている。
しかし、従来のサイド補強タイプのランフラットタイヤは、ランフラット走行時のタイヤの撓みが大きく、また、ランフラット走行中にはサイドウォール部が高温になり、ゴムの軟化によりサイドウォール部の剛性が低下して撓みが更に大きくなるため、ランフラット走行末期の故障の主因は、上記断面三日月状のサイド補強ゴム層の割れによるものであった。そのため、従来のサイド補強タイプのランフラットタイヤには、ランフラット走行での耐久距離が短いという問題があった。
これに対し、タイヤのランフラット走行での耐久距離を延ばすために、サイド補強ゴム層のゲージを厚くする等してサイドウォール部を補強すると、タイヤ重量が増加したり、通常走行時のタイヤの縦バネが上昇するなどして、通常走行時の乗り心地が悪化してしまうという問題があった。
ランフラットタイヤにおいて、ランフラット耐久性能と乗り心地性との両立を図るための技術としては、例えば、特許文献1に、サイド補強タイプのランフラットタイヤにおいて、ベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までの領域Aおよびビードコア近傍からビードフィラーまでの領域Bの少なくとも一部に配設された補強コード層に、ポリケトンからなるフィラメント束を複数本撚り合わせてなり、177℃における熱収縮応力σおよび25℃における49N荷重時の弾性率Eが所定の条件を満足するポリケトン繊維コードを用いる技術が開示されている。ここで、かかる補強コード層におけるポリケトン繊維コードのタイヤ半径方向に対する好適角度は、0〜85°であるとされている。
特開2007−191154号公報(特許請求の範囲等)
上記特許文献1に係る技術によれば、通常走行時の乗り心地性とランフラット耐久性能とを、良好に両立させたランフラットタイヤを実現することが可能である。しかしながら、近年の要求性能の向上に伴い、より高度にこれら両性能を両立させうる技術の確立が望まれていた。
そこで、本発明の目的は、上記問題を解消して、通常走行時の乗り心地性とランフラット耐久性能とを、より高度に両立させたランフラットタイヤを提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、特定部位に挿入される補強コード層のコードとして、特定の材質および物性値を満足するものを用いることで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のランフラットタイヤは、一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する1枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスのタイヤ半径方向外側に配設された少なくとも一層のベルトとを有し、該ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部と、該トレッド部の両端部に位置する一対のバットレス部と、該バットレス部と前記ビード部との間を連結する一対のサイド部とを備え、前記バットレス部から前記サイド部にわたる前記ラジアルカーカスの内側に一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層が配設されてなるランフラットタイヤにおいて、
前記ラジアルカーカスに沿って、少なくともベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までを覆う補強コード層を備え、該補強コード層を構成するコードが、タイヤ半径方向に対し85〜90°のコード角度を有し、
タイヤから引き抜かれた該コードの、177℃における熱収縮応力σ(cN/dtex)および177℃における10N荷重時の弾性率E(cN/dtex)が、σ+0.025E≧0.36、40≧E≧8、および、σ≧0.05の条件を満足することを特徴とするものである。
ここで、上記コードの177℃における熱収縮応力σは、一般的なディップ処理を施した加硫前のコードの25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する応力である。また、177℃における10N荷重時の弾性率Eは、177℃に設定した恒温槽内でJISのコード引張試験を行い、得られたSSカーブの10N時の接線から算出した単位cN/dtexでの弾性率である。
本発明においては、タイヤから引き抜かれた前記コードの、177℃における熱収縮応力σ(cN/dtex)および177℃における10N荷重時の弾性率E(cN/dtex)が、σ+0.025E≧0.36、40≧E≧8、および、σ≧0.15の条件を満足することが好ましい。また、本発明において、前記補強コード層を構成するコードとしては、ナイロン66コード、セルロース系繊維コード、および、アラミドとナイロン66とのハイブリッド繊維コードからなる群から選択されるいずれかであることが好ましい。
さらに、前記補強コード層を構成するコードの打込み数は、好適には40〜60本/50mmである。さらにまた、本発明において、前記補強コード層は、幅5〜15mmのコードとゴムとからなるコード/ゴム複合体をタイヤ周方向に巻き付けて形成されていることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、通常走行時の乗り心地性とランフラット耐久性能とを、従来に比し、より高度に両立させたランフラットタイヤを実現することが可能となった。
本発明のランフラットタイヤの一例を示す幅方向片側断面図である。 本発明のランフラットタイヤの他の例を示す幅方向片側断面図である。
以下、本発明の好適実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明のランフラットタイヤの一例の幅方向片側断面図を示す。図示するランフラットタイヤは、一対のビード部11にそれぞれ埋設されたビードコア1間にトロイド状に延在する本体部、および、ビードコア1の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向けて巻上げられた巻上げ部からなる1枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカス2を骨格とし、ラジアルカーカス2のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部12と、その両端部に位置する一対のバットレス部13と、バットレス部13とビード部11との間を連結する一対のサイド部14とを備え、バットレス部13からサイド部14にわたるラジアルカーカス2の内側には、一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層4が配設されてなる。
また、図示するタイヤにおいては、ラジアルカーカス2の本体部と折り返し部との間であってビードコア1のタイヤ半径方向外側に、ビードフィラー6が配置されており、ラジアルカーカス2のクラウン部のタイヤ半径方向外側には、2枚のベルト層からなるベルト3と、ベルト3の全体を覆うベルト補強層7Aと、ベルト補強層7Aの両端部のみを覆う一対のベルト補強層7Bとが順次配置されている。ここで、ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層は、各ベルト層を構成するコードが互いにタイヤ赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト3を構成する。また、ベルト補強層7A,7Bは、通常、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなる。
図示するタイヤのラジアルカーカス2は1枚のカーカスプライからなるが、本発明においては、ラジアルカーカス2を構成するカーカスプライの枚数はこれに限られるものではなく、2枚以上であってもよい。また、その構造も特に限定されるものではない。ビード部におけるラジアルカーカス2の係止構造についても、図示するようにビードコアの周りに巻き上げて係止した構造に限られず、ラジアルカーカスの端部を2層のビードコアで挟み込んだ構造でもよい(図示せず)。なお、本発明においては、カーカスプライ2を構成するコードとして、セルロース系繊維コード、ポリエチレンテレフタレート(PET)コードおよびポリエチレンナフタレート(PEN)コードからなる群から選択されるいずれかを好適に用いることができる。
また、図示するベルト3は2枚のベルト層からなるが、本発明においては、ベルト3を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。さらに、図示するベルト補強層7A,7Bは、ベルト3の全体を覆う1層のベルト補強層7Aと、その両端部のみを覆う一対のベルト補強層7Bとから構成されて、いわゆるキャップ・レイヤー構造をなしているが、本発明においては、ベルト補強層7A,7Bの配設は必須ではなく、別の構造および層数のベルト補強層を配設することもできる。
また、図示するタイヤは、サイド部13からビード部11にわたる領域のラジアルカーカス2の折り返し部のタイヤ幅方向外側に、断面略三角形状のリムガード8を備えているが、本発明においては、リムガード8の配設も必須ではなく、他の形状のリムガードを配設することもできる。なお、本発明において、タイヤサイド部の最大幅部とは、リムガード8がない場合のタイヤサイド部の最大幅部をいう。
本発明においては、ラジアルカーカス2に沿って、図1に示す例ではそのタイヤ半径方向外側に、ベルト3の端部からタイヤサイド部の最大幅部までを覆う補強コード層5が配置されている。かかる補強コード層5は、ランフラット走行時にカーカスプライへの引張応力が大きい部位として、少なくともベルト3の端部からタイヤサイド部の最大幅部までを覆うものであればよく、これによりタイヤ重量を増加させることなく、効果的にランフラット耐久性を向上させることができるものである。また、補強コード層5は、図2に示すように、ラジアルカーカス2のタイヤ半径方向内側に配置してもよい。さらに、補強コード層5は、図示する例では1層にて配設しているが、2層以上としてもよく、層数には特に制限はない。
かかる補強コード層5は、構成コードがタイヤ半径方向に対し85〜90°の角度となるよう配置されている。補強コード層5のコード角度を、タイヤ半径方向に対し実質90°にすることで、通常走行時の縦バネを抑制して、結果として乗り心地を保持することが可能となる。補強コード層5のコード材質としては、特に制限されるものではないが、ナイロン66コード、セルロース系繊維コード、および、アラミドとナイロン66とのハイブリッド繊維コードからなる群から選択されるいずれかを、好適に用いることができる。
また、本発明においては、補強コード層5を構成するコードとして、以下の物性を満足するものを用いることが必要である。すなわち、まず、かかるコードの、タイヤから引き抜かれたコードとしての、177℃における熱収縮応力σ(cN/dtex)および177℃における10N荷重時の弾性率E(cN/dtex)が、σ+0.025E≧0.36、40≧E≧8、および、σ≧0.05の条件を満足する。ランフラット走行時のランフラットタイヤにおいては、通常乗用車用タイヤとは異なり、この補強コード層5の近傍において150〜200℃の熱が発生するため、補強コード層5に上記特定物性の、大きな熱収縮応力を発現し得るコードを配置することで、効果的な締め付け力を発現させて、タイヤが撓むことを抑制し、ランフラット耐久性を大幅に向上させることができる。
ここで、上記式σ+0.025E≧0.36について説明する。ランフラット走行時においてタイヤを支える力には、外力の入力(荷重および歪)に対して受動的に発現する抗力Fと、発熱によりサイド部が能動的に発現する抗力Fとが存在する。このうちFの主要な支配因子は補強コード層の剛性(弾性率)Eであり、したがってFは下記式で表される。
=aE (1)
(式中、aはFに対する剛性の寄与率であり、a>0である)
また、Fの主要な支配因子は補強コード層の熱収縮応力Fであり、したがってFは下記式で表される。
=bF (2)
(式中、bはFに対する熱収縮応力の寄与率であり、b>0である)
すなわち、ランフラット走行を効果的に支えるためにはFとFとの和があるレベル以上にあることが必要であり、そのレベルをγとすると、下記式が成立する。
+F≧γ (3)
(式中、γはタイヤサイズや荷重により決まる基準量であり、γ>0である)
上記式(3)に式(1),(2)を代入すると、下記式が導かれる。
aE+bF≧γ
この式の両辺をbで除して整理すると、下記式が得られる。
+a/b×E≧γ/b
上記式に基づいて、式σ+0.025E≧0.36を導出した。
ここで、上記熱収縮応力σは、好適にはσ≧0.15、より好適には1.5≧σ≧0.15とする。熱収縮応力σが1.5cN/dtexを超えると、加硫時の収縮力が大きくなり過ぎ、結果的に、タイヤ内部のコード乱れやゴムの配置乱れを引き起こし、耐久性の悪化やユニフォミティの悪化を招いてしまう。また、上記コードの熱収縮応力σは、ランフラット走行におけるタイヤの変形を十分に抑制する観点からは0.20cN/dtex以上であることが好ましく、ランフラット走行におけるタイヤの変形を確実に抑制する観点からは0.30cN/dtex以上であることがより好ましく、0.4cN/dtexを超えることがより一層好ましい。
本発明においては、上記物性値を満足するコードを用いた補強コード層5を配設したことで、通常内圧時の縦バネを維持しつつ、ランフラット耐久性能を向上させることができ、しかも、従来に比してより高度にこれら性能を両立させることが可能となったものである。特には、本発明のランフラットタイヤでは、従来使用されていた高価なポリケトン繊維を使用せず、汎用繊維を用いて同等以上の性能を確保できるので、コスト性にも優れている。ここで、本発明において、上記コードの物性値を調整する方法としては、コードの撚り数や、ディップ処理時におけるテンションないし温度を制御する方法が挙げられる。例えば、ディップ処理テンションについては、最終ノルマライジングゾーンでの処理テンションが高ければ高いほどコードの弾性率も高くなる。但し、40N/本を超えるような処理テンションを与えると、処理中にコード切れが頻発してしまい好ましくない。また、ディップ温度については、レーヨンやリヨセルの場合は、基本的にコード弾性率および熱収縮応力に与える影響は小さく、すなわち、温度を変えてもほとんど変化しない。その他コード、例えば、ナイロン66やアラミドとナイロン66とのハイブリッド繊維コードなどの場合は、処理温度が高いほうが、一般的には弾性率は高くなる。但し、糸切れ防止のため、融点より5℃以上低い温度で処理することが好ましい。さらに、撚り数については、小さいほど弾性率は高くなるが、小さすぎるとコードの疲労性と接着力が著しく低下してしまうため好ましくない。逆に、撚り数が大きすぎるとコード強力が低くなってしまい、また、コード弾性率も低くなってしまい、同様に好ましくない。なお、補強コード層における撚り係数の好適範囲は、通常のカーカスプライと同程度である。
なお、補強コード層5を構成するコードの打込み数としては、40〜60本/50mmとすることが好ましい。この打込み数が少なすぎても多すぎても、ランフラット耐久性の向上効果が十分に得られないおそれがある。
上記材質および物性値を満足するコードを、所定の打込み数にてコーティングゴムで被覆することで、補強コード層5に用いるコード/ゴム複合体を得ることができる。ここで用いるコーティングゴムとしては、特に制限はなく、従来、タイヤ用のコード/ゴム複合体に用いられているコーティングゴムを用いることができる。また、コードのコーティングゴムによる被覆に先立って、コードに接着剤処理を施し、コーティングゴムとの接着性を向上させてもよい。この場合、補強コード層5を、幅5〜15mmのコードとゴムとからなるコード/ゴム複合体をタイヤ周方向に1ないし複数回巻き付けることにより形成することで、締め付け効果をさらに向上して、ランフラット耐久性能を著しく向上させることができ、好ましい。
本発明のランフラットタイヤは、上記補強コード層5を少なくともベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までを覆うよう配置して、常法により製造することができる。なお、本発明のランフラットタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、または窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
下記表1〜3中に示す補強コード層に係る条件を満足する繊維コードを、各表中に示す打込み数にて平行に配列し、コーティングゴムで被覆して、各表中に示す幅のコード/ゴム複合体を作製した。得られたコード/ゴム複合体をタイヤ周方向に各表中に示す回数にて巻き付けて補強コード層5を形成し、図1または図2に示す構造を有する各実施例のサイド補強タイプのランフラットタイヤを作製した。タイヤサイズは245/45R19とした。補強コード層5を構成するコードのタイヤ半径方向に対する角度は、表中に示す通りである。また、下記表中、補強コード層を構成するコードの177℃における熱収縮応力σおよび177℃における10N荷重時の弾性率Eは、いずれも、タイヤから引き抜いたコードについて測定した値である。
また、補強コード層5を設けない以外は実施例と同構造にて、比較例1のランフラットタイヤを作製した。さらに、補強コード層5のコード条件を下記表中に示すようにそれぞれ変えて、比較例2〜5のランフラットタイヤを作製した。
得られた各供試タイヤにつき、ランフラット耐久性および内圧充填時の縦バネを、下記に従い評価した。その結果を、下記表1〜3中に併せて示す。
(1)ランフラット耐久性
各供試タイヤに内圧を充填することなく、荷重4.17kN、速度89km/h、温度38℃の環境下でドラム試験を行い、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定して、比較例1のタイヤが故障に至るまでの走行距離を100として指数表示した。指数値が大きい程、故障に至るまでの走行距離が長く、ランフラット耐久性に優れていることを示す。
(2)内圧充填時の縦バネ
230kPaの内圧を充填した供試タイヤの荷重−撓み曲線を測定し、得られた荷重−撓み曲線上のある荷重における接線の傾きを該荷重に対する縦バネ定数とし、比較例1のタイヤの縦バネ定数の値を100として指数表示した。指数値が小さい程、縦バネ定数が小さく、通常走行時の乗り心地に優れていることを示す。
Figure 2011079360
Figure 2011079360
Figure 2011079360
なおここで、上記表1〜3中に示すコードの物性値は、ディップ条件(テンションおよび温度)並びに撚り数を制御することにより、調整した。例えば、コード材質がナイロン66(1400/2)の場合の制御条件について、下記表中に示す(実施例1〜4に対応)。
Figure 2011079360
上記表4中に示すように、実施例1については、ノルマライジングゾーンのディップ処理テンションを大幅に高くし、かつ、撚り数を大幅に大きくしたことで、熱収縮応力が大幅に高くなっている。また、実施例2については、ノルマライジングゾーンのディップ処理テンションを高くし、かつ、撚り数を大きくしたことで、熱収縮応力が高くなっている。さらに、実施例3については、撚り数は変更せず、ノルマライジングゾーンのディップ処理テンションを高くしたことで、弾性率が高くなるとともに、熱収縮応力が高くなっている。さらにまた、実施例4については、ノルマライジングゾーンのディップ処理テンションを高くし、かつ、撚り数を小さくしたことで、弾性率が大幅に高くなるとともに、熱収縮応力がわずかに高くなっている。
上記表1〜3の結果から、本発明に係る条件を満足する各実施例の供試タイヤにおいては、いずれも縦バネ指数を維持しつつランフラット性能が向上されており、トータルとしての性能向上効果が得られていることがわかる。一方、補強コード層のコード角度が80°である比較例2においては、内圧充填時の縦バネが大きくなって、乗り心地が損なわれている。
また、弾性率および熱収縮応力が低く、σ+0.025E<0.36である比較例3,4においては、ランフラット走行時に十分な弾性率および熱収縮応力が発現しないため、サイド補強ゴム層の撓みを十分抑制することができず、ランフラット耐久性を向上することができなかった。さらに、比較例5においては、ランフラット耐久性は向上するが、弾性率Eが極めて高くなってしまうため、内圧充填時の縦バネが大きくなってしまい、乗り心地が悪化してしまった。
1 ビードコア
2 ラジアルカーカス
3 ベルト
4 サイド補強ゴム層
5 補強コード層
6 ビードフィラー
7A,7B ベルト補強層
8 リムガード
11 ビード部
12 トレッド部
13 バットレス部
14 サイド部

Claims (5)

  1. 一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する1枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスと、該ラジアルカーカスのタイヤ半径方向外側に配設された少なくとも一層のベルトとを有し、該ラジアルカーカスのクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部と、該トレッド部の両端部に位置する一対のバットレス部と、該バットレス部と前記ビード部との間を連結する一対のサイド部とを備え、前記バットレス部から前記サイド部にわたる前記ラジアルカーカスの内側に一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層が配設されてなるランフラットタイヤにおいて、
    前記ラジアルカーカスに沿って、少なくともベルト端からタイヤサイド部の最大幅部までを覆う補強コード層を備え、該補強コード層を構成するコードが、タイヤ半径方向に対し85〜90°のコード角度を有し、
    タイヤから引き抜かれた該コードの、177℃における熱収縮応力σ(cN/dtex)および177℃における10N荷重時の弾性率E(cN/dtex)が、σ+0.025E≧0.36、40≧E≧8、および、σ≧0.05の条件を満足することを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. タイヤから引き抜かれた前記コードの、177℃における熱収縮応力σ(cN/dtex)および177℃における10N荷重時の弾性率E(cN/dtex)が、σ+0.025E≧0.36、40≧E≧8、および、σ≧0.15の条件を満足する請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記補強コード層を構成するコードが、ナイロン66コード、セルロース系繊維コード、および、アラミドとナイロン66とのハイブリッド繊維コードからなる群から選択されるいずれかである請求項1または2記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記補強コード層を構成するコードの打込み数が、40〜60本/50mmである請求項1〜3のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記補強コード層が、幅5〜15mmのコードとゴムとからなるコード/ゴム複合体をタイヤ周方向に巻き付けて形成されている請求項1〜4のうちいずれか一項記載のランフラットタイヤ。
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