JP2011076033A - 光照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PSA方式のディスプレイパネルの貼り合わせ装置に用いられる光照射装置であって、例えば液晶材料に含有される光重合性成分の重合反応を進行させることなしに、高い光の利用効率で、封止剤層に光を照射して硬化することができる光照射装置の提供。
【解決手段】光重合性成分を含有する光重合性材料層と、この光重合性材料層を包囲する、感度波長域が前記光重合性成分の感度波長域よりも長波長側にある光硬化型封止剤よりなる封止剤層とが、2枚の透光性基板の間に形成された状態で、当該封止剤層に光を照射することによって2枚の透光性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置に用いられる光照射装置において、LED素子と、このLED素子の発光ピーク波長よりも短波長側で、当該LED素子の発光スペクトルの最短波長よりも長波長側にカットオフ波長を有する短波長側の光を遮蔽するフィルタとを有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液晶パネル等のディスプレイパネルの製造工程において、2枚の透光性基板を光硬化型の封止剤によって貼り合わせるためのディスプレイパネルの貼り合わせ装置の光源として用いられる光照射装置に関する。
近年、液晶パネルにおいては、コントラストの向上や応答速度の改善を目的として、セル内部に形成されたリブ構造の代わりにポリマー構造物によって液晶分子の配向方向を規制するPSA(Polymer Sustained Alignment)方式またはPSVA方式が開発されている。
このPSA方式の液晶パネルの製造プロセスにおいては、光重合性成分を含有する液晶材料をセル内に注入し、注入された液晶材料に電圧を印加しながら紫外線を照射することにより、セル内にポリマー構造物を形成することが行われる。この液晶材料を液晶パネルに留める手法の一つである液晶滴下工法(One Drop Fill、略してODF)においては、セルを構成する一方の透光性基板の表面に、光硬化型封止剤を塗布することにより、枠状の封止剤層を形成し、当該一方の透光性基板の表面における封止剤層に包囲された領域に、モノマーを含有する液晶材料を塗布した後、他方の透光性基板を重ね合わせた状態で、ディスプレイパネルの貼り合わせ装置によって封止剤層に光を照射し、当該封止剤を硬化させて2枚の透光性基板を貼り合わせる。その後、液晶材料に含まれるモノマーを紫外線を照射することによりポリマー構造物を形成し、液晶材料が注入されたセルが形成される。
而して、光硬化型封止剤としては、光が照射される際に液晶材料中に含有される光重合性成分の重合反応が進行しないよう、その感度波長域が液晶材料中の光重合性成分の感度波長域より長波長側にシフトしたものが用いられる。
一方、ディスプレイパネルの貼り合わせ装置においては、封止剤層に光を照射するための光源として、光硬化型封止剤の感度波長域の光を放射するランプと、短波長側の光を遮蔽するフィルターとを具えてなる光照射装置が用いられている(特許文献1参照)。
特開2003−149647号
しかしながら、このような光照射装置においては、以下のような問題がある。
(1)一般に、ランプは、点灯を開始してから定常点灯状態に達するまで相当な時間を要する、すなわち瞬時点灯が困難であるため、光照射装置においては、シャッター機構を設けることにより、ランプを連続点灯した状態で、シャッター機構のシャッターの開閉によって必要なときに照射対象物に対して光が照射される。このため、エネルギー効率が低く、しかも、シャッター機構における可動部品は故障の原因となりやすく、装置の信頼性が低くなる、という問題がある。
(2)ランプの発光スペクトルは、その波長域が例えば波長200〜600nm(特許文献1の段落0238参照。)で、光硬化型封止剤の感度波長である200〜450nm(特許文献1の段落0244参照。)に比較して長波長側が相当に広く、しかも、短波長側の波長域の光がフィルターによって遮蔽されるため、光の利用効率が極めて低い、という問題がある。
(3)フィルタとしては、一般に、誘電体多層膜を有するフィルタが用いられるが、このようなフィルタにおいては、入射角依存性が著しい、すなわち光の入射角度によっては、所期の波長域の光を十分に遮蔽することが困難である。そのため、液晶材料に光が照射されることを防止することを目的として、通常、マスクが用いられるが、このマスクは、製造すべきディスプレイパネルの形態や寸法などに応じて用意する必要があるため、製造コストが増大する、という問題がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、PSA方式のディスプレイパネルの貼り合わせ装置に用いられる光照射装置であって、例えば液晶材料に含有される光重合性成分の重合反応を進行させることなしに、高い光の利用効率で、封止剤層に光を照射して硬化することができる光照射装置を提供することにある。
本発明の光照射装置は、感度波長域が一定の範囲にある光重合性成分を含有する光重合性材料層と、この光重合性材料層を包囲する、感度波長域が前記光重合性成分の感度波長域よりも長波長側にある光硬化型封止剤よりなる封止剤層とが、2枚の透光性基板の間に形成された状態で、当該封止剤層に光を照射することによって前記2枚の透光性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置に用いられる光照射装置において、
LED素子と、このLED素子の発光ピーク波長よりも短波長側であって、当該LED素子の発光スペクトルの最短波長よりも長波長側にカットオフ波長を有する短波長側の光を遮蔽するフィルタとを有してなり、前記LED素子から発する光が前記フィルタを介して前記封止剤層に照射されることを特徴とする。
本発明の光照射装置においては、前記フィルタのカットオフ波長は、前記光重合性成分の感度波長域の長波長側端よりも長波長側にあることが好ましい。
また、前記LED素子の複数が同一の基板上に配置されてなる複数の光源セグメントが、当該基板の面方向に沿って並ぶよう配置されて構成されていることが好ましい。
また、前記LED素子が収納されてなるLEDパッケージを有し、当該LEDパッケージに前記フィルタが設けられていてもよい。
本発明の光照射装置によれば、発光スペクトルの波長域が狭いLED素子からの光を、このLED素子の発光ピーク波長より短波長側であって、当該LED素子の発光スペクトルの最短波長よりも長波長側にカットオフ波長を有するフィルタを介して照射するため、照射される光の波長分布が極めて狭いものとなる。従って、封止剤層を構成する光硬化型封止剤の感度波長域および光重合性材料層中の光重合性成分の感度波長域に応じてLED素子を選択することにより、光重合性材料層中の光重合性成分の重合反応を進行させることなしに、高い光の利用効率で、封止剤層に光を照射して硬化することができる。
また、LED素子は、点灯を開始してから定常点灯状態に達するまでの時間が極めて短い、すなわち瞬時点灯が可能であるため、連続点灯することおよびシャッター機構を設けることが不要であり、従って、高いエネルギー効率が得られると共に、高い信頼性が得られる。
また、フィルタとして、カットオフ波長が、光重合性材料層中の光重合性成分の感度波長域の長波長側端よりも長波長側にあるものを用いる構成によれば、封止剤層に光を照射したときに、光重合性材料層中の光重合性成分の重合反応が進行することを確実に防止することができる。
LED素子の複数が同一の基板上に配置されてなる複数の光源セグメントが、当該基板の面方向に沿って並ぶよう配置された構成によれば、点灯する光源セグメントを封止剤層の形態に応じて選択することにより、封止剤層に対して選択的に光を照射することができるので、一層高いエネルギー効率が得られると共に、封止剤層に選択的に光を照射するためにマスクを設けることが不要となるため、製造コストの低減化を図ることができる。また、光源セグメントにおける一のLED素子が劣化したときには、他のLED素子の照射強度を上げることにより、光源セグメント全体として安定した光量の光を照射することができる。
また、LED素子が収納されてなるLEDパッケージを有し、当該LEDパッケージにフィルタが設けられた構成によれば、大面積のフィルタを設けることが不要となるため、フィルタのコストの低減化および生産性の向上を図ることができる。
本発明に係る光照射装置を具えたディスプレイパネルの貼り合わせ装置の一例における構成の概略を示す説明図である。 図1に示すディスプレイパネルの貼り合わせ装置の処理対象物を示す平面図である。 本発明に係る光照射装置の一例における構成を示す平面図である。 図3に示す光照射装置における光源セグメントの構成を示す説明図である。 LED素子の発光スペクトルとフィルタの分光特性との関係を模式的に示す曲線図である。 本発明の光照射装置の他の例における光源セグメントの構成を示す説明図である。 図6に示す光源セグメントにおけるLEDパッケージの構成を示す説明図である。 光源セグメントの変形例の要部の構成を示す説明図である。 光源セグメントの他の変形例の構成を示す説明図である。 LEDパッケージの変形例の構成を示す説明図である。 実施例1および比較例1に係る光照射装置における光源セグメントに係る発光スペクトル図である。 代表的な光硬化型封止剤の感度曲線を示す図である。 実施例における光照射装置の発光スペクトルと光硬化型封止剤の感度曲線とを掛け合わせた合成曲線図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る光照射装置を具えたディスプレイパネルの貼り合わせ装置の一例における構成の概略を示す説明図である。
このディスプレイパネルの貼り合わせ装置(以下、単に「貼り合わせ装置」という。)においては、基台11上に、支持台12を介して、処理対象物が載置されるステージ10が設けられ、このステージ10の上方には、本発明に係る光照射装置15が配置されている。
この貼り合わせ装置の処理対象物1は、光重合性材料層2と、この光重合性材料層2の周りを囲むように包囲する封止剤層3とが、2枚の透光性基板4の間に形成されてなるものである。この例の処理対象物1は、合計で4つのディスプレイパネルを製造するためのものであり、当該処理対象物1においては、図2に示すように、互いに離間して縦横に並ぶ4つの光重合性材料層2と、それぞれ一つの光重合性材料層2を包囲する4つの封止剤層3とが形成されている。
光重合性材料層2は、感度波長域が一定の範囲にある光重合性成分と、液晶成分とを含有してなる液晶材料により構成されている。光重合性材料層2中の光重合性成分は、モノマーと、紫外線を受けることによりラジカルまたはカチオンなどの活性種を発生する光重合開始剤とを含有してなる。この光重合性成分の感度波長域は、光重合開始剤の種類を選択することにより定められる。
また、封止剤層3は光硬化型封止剤よりなり、この光硬化型封止剤は、硬化性樹脂と紫外線を受けることによりラジカルまたはカチオンなどの活性種を発生する光重合開始剤とを含有してなる。光硬化型封止剤は、その感度波長域の長波長側端が光重合性材料層2中の光重合性成分の感度波長域の長波長側端よりも長波長側にあるものである。光硬化型封止剤の感度波長域は、光重合開始剤の種類を選択することにより定められる。
また、透光性基板4は、ガラスなどにより構成されている。
このような処理対象物1は、一方の透光性基板4の表面に、光硬化型封止剤を塗布することにより、それぞれ枠状の4つの封止剤層3を形成し、当該一方の透光性基板4の表面における封止剤層3の各々に包囲された領域に、光重合性成分と液晶成分とを含有してなる液晶材料を塗布することにより、4つの光重合性材料層2を形成した後、一方の透光性基板4に対して、他方の透光性基板を所定の間隔で離間した状態で重ね合わせることにより得られる。
図示の例の光照射装置15は、図3にも示すように、適宜の支持体(図示省略)上に複数の光源セグメント20が縦横に並ぶよう配置されて構成されている。
光源セグメント20の各々においては、図4に示すように、同一の矩形の基板21の表面に複数のLED素子25が配置され、これらのLED素子25の各々の表面には、フィルタ30が当該LED素子25を覆うよう設けられている。
また、基板21の表面における周縁部には、内面が光反射面とされた矩形の筒状の導光部材26が配置され、当該基板21の裏面には、LED素子25が発する熱を放熱する放熱用フィン27が設けられている。
LED素子25としては、インジウム(In)、アルミニウム(Al)を含む窒化ガリウム(GaN)系LEDを用いることができる。LED素子25の発光スペクトルは、光重合性材料層を構成する光重合性成分の感度波長域および封止剤層を構成する光硬化型封止剤の感度波長域に応じて選択され、LED中のIn、AlGa、Nの組成比を調整することにより、ピーク波長が例えば200nmから赤外域までのLED素子25が得られるが、具体的には、ピーク波長が360〜420nmから選択される。
また、LED素子25の発光スペクトルにおけるピーク波長の半値幅は、例えば10〜30nmである。
また、光源セグメント20の各々におけるLED素子25の数は、例えば5〜16個である。
フィルタ30は、短波長側の光を遮蔽するロングパスフィルタであって、そのカットオフ波長(光透過率が50%となる波長)が、LED素子25の発光ピーク波長よりも短波長側にあって、かつ、当該LED素子25の発光スペクトルの最短波長よりも長波長側にあるものである。かかるフィルタ30としては、誘電体多層膜を有するものを用いることができる。
また、フィルタ30は、そのカットオフ波長が光重合性材料層2中の光重合性成分の感度波長域の長波長側端よりも長波長側にあることが好ましく、これにより、封止剤層3に光を照射したときに、光重合性材料層2中の光重合性成分の重合反応が進行することを確実に防止することができる。
上記の光照射装置15においては、全ての光源セグメント20のうち、処理対象物1における封止剤層3の形状に応じて選択された光源セグメント20が作動することにより、当該光源セグメント20におけるLED素子25からの光が、フィルタ30を介して導光部材26の光出射部28から出射され、貼り合わせ装置のステージ10上に配置された処理対象物1における封止剤層3に照射され、これにより、封止剤層3が硬化される。
以上において、LED素子25は、図5に模式的に示すように、曲線(L)に示す発光スペクトルを有するものであるが、フィルタ30が、曲線(F)に示す分光特性を有するもの、すなわち、LED素子25の発光ピーク波長よりも短波長側であって、当該LED素子25の発光スペクトルの最短波長よりも長波長側であるカットオフ波長を有するロングパスフィルタであるため、LED素子25が発する光のうち、フィルタ30のカットオフ波長より短波長側の波長の光(図5において斜線部分の光)が、当該フィルタ30によって遮蔽される。
このような光照射装置15によれば、発光スペクトルの波長域が狭いLED素子25からの光を、このLED素子25の発光ピーク波長より短波長側であって、当該LED素子25の発光スペクトルの最短波長よりも長波長側にカットオフ波長を有するフィルタ30を介して照射するため、照射される光の波長分布が極めて狭いものとなる。封止剤層3の感度波長域は短波長側の方がより高いが、ディスプレイパネル貼り合わせ装置の光源としては光重合性材料層2中の光重合性分の感度波長域の光を照射することができない。従って、LED素子からの光の発光ピーク波長より短波長側の光をフィルタによって遮蔽することによって、光重合性材料層2中の光重合性成分の感度波長域を外した波長領域であって、封止剤層3を構成する光硬化型封止剤の感度が高い短波長領域の光をより強く照射することができる。これにより、光重合性材料層2中の光重合性成分の重合反応を進行させることなしに、高い光の利用効率で、封止剤層3に光を照射して硬化することができる。 また、LED素子25は、点灯を開始してから定常点灯状態に達するまでの時間が極めて短い、すなわち瞬時点灯が可能であるため、連続点灯することおよびシャッター機構を設けることが不要であり、従って、高いエネルギー効率が得られると共に、高い信頼性が得られる。
複数のLED素子25が同一の基板21上に配置されてなる複数の光源セグメント20を有し、これらの光源セグメント20が、基板21の面方向に沿って並ぶよう配置されているため、点灯する光源セグメント20を封止剤層3の形態に応じて選択することにより、封止剤層3に対して選択的に光を照射することができるので、一層高いエネルギー効率が得られると共に、封止剤層3に選択的に光を照射するためにマスクを設けることが不要となるため、製造コストの低減化を図ることができる。また、光源セグメント20における一のLED素子25が劣化したときには、他のLED素子25の照射強度を上げることにより、光源セグメント20全体として安定した光量の光を照射することができる。
図6は、本発明の光照射装置の他の例における光源セグメントの構成を示す説明図である。
この光源セグメント20においては、同一の矩形の基板21の表面に複数のLEDパッケージ35が配置され、当該基板21の表面における周縁部には、内面が光反射面とされた矩形の筒状の導光部材26が配置され、当該基板21の裏面には、LEDパッケージ35が発する熱を放熱する放熱用フィン27が設けられている。
LEDパッケージ35の各々は、図7に示すように、中央に矩形の凹所37が形成されたパッケージ基板36を有し、このパッケージ基板36の凹所37内には、LED素子25が配置され、当該パッケージ基板36の凹所37を塞ぐよう板状のフィルタ30が設けられている。また、28は、導光部材26の光出射部である。LED素子25およびフィルタ30の特性は、図4に示す光源セグメント20におけるものと同様である。
このような光照射装置によれば、図3および図4に示す光照射装置と同様の効果が得られると共に、LED素子25が収納されてなるLEDパッケージ35を有し、このLEDパッケージ35にフィルタ30が設けられているため、大面積のフィルタ30を設けることが不要となり、その結果、フィルタのコストの低減化および生産性の向上を図ることができる。
本発明の光照射装置は、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
(1)図4に示す光源セグメント20において、フィルタ30は、図8に示すように、レンズ機能を有する半球状のものであってもよい。
また、フィルタ30がLED素子25の各々に設けられる代わりに、図9に示すように、導光部材26の筒孔内における中央位置に、1つのフィルタ30が設けられた構成であってもよい。
また、図9に示すように、導光部材26の筒孔内における先端側位置に、インテグレータレンズ29が配置されていてもよい。
(2)図6に示す光源セグメント20において、LEDパッケージ35に設けられたフィルタ30は、図10(a)に示すように、レンズ機能を有する半球状のものであってもよい。
また、LEDパッケージ35には、図10(b)に示すように、板状のフィルタ30の表面にレンズ31が設けられていてもよい。
〈実施例1〉
図3および図4に示す構成に従い、130個の光源セグメントが縦横に並ぶよう配置されてなる光照射装置を作製した。光源セグメントの仕様は以下の通りである。
基板(21)の縦横の寸法は50mm×50mmであり、導光部材(26)の全長は45mmである。
LED素子(25) は、発光スペクトルのピーク波長が385nmで、半値幅が±5nmのものであり、1つの光源セグメントに9個設けられている。
フィルタ(30)は、誘電体多層膜を有するロングパスフィルタで、そのカットオフ波長が380nmのものである。
この光照射装置における光源セグメントに係る発光スペクトル図を図11(a)に示す。
〈比較例1〉
LED素子(25) として、発光スペクトルのピーク波長が405nmで、半値幅が±8nmのものを用い、フィルタ(30)を設けなかったこと以外は、実施例1と同様の構成の光照射装置を作製した。
この光照射装置における光源セグメントに係る発光スペクトル図を図11(b)に示す。
《封止剤の硬化試験》
実施例1および比較例1に係る光照射装置を用い、以下のようにして封止剤の硬化試験を行った。
それぞれ図12に代表されるような感度曲線を有する2種類の光硬化型封止剤(これらを「封止剤A」および「封止剤B」とする。)を用い、2枚の透光性基板の間に厚みが数μmの封止剤層を形成した。これらの封止剤層に、照射面における強度が155mW/cm2 となる条件で、光照射装置によって光を照射し、積算照射光量が500mJ/cm2 、750mJ/cm2 、1000mJ/cm2 および2000mJ/cm2 となったときの封止剤層の硬化率を測定した。
以上において、封止剤層の硬化率は、FT−IR(フーリエ変換赤外吸収分光)法によって硬化反応により変化する化学構造変化に伴なって変化する赤外吸収スペクトルの解析によって測定した。具体的には重合によって消滅する化学結合の消費量をその赤外吸収ピークの面積または高さに基づいて定量し、その値を元に硬化率を算出した。
また、実用上、硬化率が80%以上であれば、封止剤層が硬化したと判断される。
以上、結果を表1に示す。
Figure 2011076033
表1の結果から明らかなように、実施例1に係る光照射装置においては、封止剤Aおよび封止剤Bのいずれに対しても、積算照射光量が500mJ/cm2 以上となる条件で光を照射すれば硬化することができることが確認された。
これに対し、比較例1に係る光照射装置においては、封止剤層を硬化するためには、封止剤Aに対しては積算照射光量が2000mJ/cm2 以上、封止剤Bに対しては積算照射光量が1000mJ/cm2 以上となる条件で光を照射することが必要であった。
図13は、光照射装置の発光スペクトルと光硬化型封止剤の感度曲線とを掛け合わせた合成曲線図であり、(A1)は、実施例1に係る光照射装置の発光スペクトルと封止剤Aの感度曲線とを掛け合わせた合成曲線、(A2)は、比較例1に係る光照射装置の発光スペクトルと封止剤Aの感度曲線とを掛け合わせた合成曲線である。
これらの合成曲線においては、それぞれの積分値が単位照射時間当りの光硬化型封止剤の反応量とみなすことができ、(A1)の合成曲線の積分値は、(A2)の合成曲線の積分値の1.6倍であった。
このように、実施例1に係る光照射装置によれば、比較例1に係る光照射装置と比較して、高い光の利用効率が得られることが理解される。
1 処理対象物
2 光重合性材料層
3 封止剤層
4 透光性基板
10 ステージ
11 基台
12 支持台
15 光照射装置
20 光源セグメント
21 基板
25 LED素子
26 導光部材
27 放熱用フィン
28 光出射部
29 インテグレータレンズ
30 フィルタ
31 レンズ
35 LEDパッケージ
36 パッケージ基板
37 凹所

Claims (4)

  1. 感度波長域が一定の範囲にある光重合性成分を含有する光重合性材料層と、この光重合性材料層を包囲する、感度波長域が前記光重合性成分の感度波長域よりも長波長側にある光硬化型封止剤よりなる封止剤層とが、2枚の透光性基板の間に形成された状態で、当該封止剤層に光を照射することによって前記2枚の透光性基板を貼り合わせるディスプレイパネルの貼り合わせ装置に用いられる光照射装置において、
    LED素子と、このLED素子の発光ピーク波長よりも短波長側であって、当該LED素子の発光スペクトルの最短波長よりも長波長側にカットオフ波長を有する短波長側の光を遮蔽するフィルタとを有してなり、前記LED素子から発する光が前記フィルタを介して前記封止剤層に照射されることを特徴とする光照射装置。
  2. 前記フィルタのカットオフ波長は、前記光重合性成分の感度波長域の長波長側端よりも長波長側にあることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記LED素子の複数が同一の基板上に配置されてなる複数の光源セグメントが、当該基板の面方向に沿って並ぶよう配置されて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光照射装置。
  4. 前記LED素子が収納されてなるLEDパッケージを有し、当該LEDパッケージに前記フィルタが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光照射装置。
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