JP2008153553A - 発光装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティ付き基板のキャビティ空間内に発光素子を実装してガラス封止した発光装置において、キャビティ空間内底面周縁部にガラス未充填箇所が発生することを抑制し、発光素子にかかる応力負荷を減少し、発光素子に及ぼす損傷を減少させる。
【解決手段】一対の電極41を有する発光素子40と、上下面間に連通するキャビティ空間21を有するキャビティ20aが取り付けられ、キャビティ空間内底面部の基板30a上に発光素子40が搭載されるキャビティ付き基板10aと、キャビティ空間内底面部の基板30に設けられ、発光素子40の電極41に電気的に接続される基板電極およびパターン配線31と、発光素子40を封止したガラス封止部11aと、を有する発光装置であって、キャビティ20aは、キャビティ空間の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置およびその製造方法に係り、特にガラス材料を用いて半導体発光素子を封止した構造の発光装置およびその製造方法に関するもので、例えば白色発光ダイオードの製造に使用されるものである。
従来の発光装置は、リードフレームまたはプリント配線基板などの基板に発光素子が載置され、その発光素子を被覆するように透光性を有する封止体が形成されている。封止体には、通常、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機材料が用いられており、発光素子から放出される光が封止体を透過して空気中に放出されることになる。有機材料で発光素子を被覆する場合、有機材料が発光素子や外部からの熱や光により劣化することがあり、有機材料中の成分が、発光素子搭載基板や発光素子の電極などを変質させることもある。これにより発光装置の光学特性、電気特性、信頼性特性の低下を招く場合がある。
一方、エポキシ樹脂等の有機材料を低融点ガラスに置き換えたチップ型発光装置が知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。このような低融点ガラスを封止材料に用いた発光装置を製造する際、低融点ガラスを融点以上に加熱して液状で供給する方法は、ガラスが液体から冷却されて固体となる場合に、その膨張率や収縮率の大きさで応力が発生し、クラックが発生したり、配線が切断されたり外れたりする問題があった。また、ガラスが液体から冷却されて固体となる場合に、その膨張率や収縮率の大きさで応力が発生し、クラックが発生したり、配線が切断されたり、発光素子が基板から外れたりする問題があった。また、低融点ガラスは、着色されているので、発光素子から出射された光が低融点ガラスの着色部分で一部吸収され、光の取り出し効率が悪い。
他方、特許文献4では、板状の低融点ガラスを固体素子搭載基板に平行にセットし、板状のガラスをホットプレス加工することによってガラス封止部を形成し、耐湿性、透明性、耐熱性に優れた固体素子デバイスを実現する点が提案されている。しかし、例えば図6に示すように、キャビティ付き基板60のキャビティ空間61の垂直断面形状が矩形である場合には、次のような問題がある。即ち、キャビティ空間内に発光素子62を実装した後、キャビティ上方から板状ガラス63を加熱プレス加工してキャビティ空間の開口面部から底面部に向けて充填させようとすると、キャビティ側壁の上面に接するガラス部分よりもキャビティ空間内側のガラス部分がキャビティ空間内側へ突出し、板状ガラス63の中央付近が最も突出した湾曲形状になる。これにより、板状ガラス63がキャビティ空間内へ充填される過程で、板状ガラスはキャビティ空間内の中央付近の底面から接し始めることになるので、キャビティ空間内底面の周縁部に板状ガラスの充填が進むまでの間に、キャビティ空間内底面の中央付近は大きな応力を受けることになる。したがって、内底面中央付近に発光素子62を配置している場合には、発光素子は大きな応力を受けることになり、発光素子の電極やエピ構造のバンプ接合部相当部分が大きな応力を受けることになり、その部分の構造的な破壊や、電気的特性や発光特性が劣化する原因となる。
また、キャビティ空間内への板状ガラスの充填が進む過程で、板状ガラスはキャビティ空間内の中央付近が突出した湾曲形状になり、底面周縁部はガラスの充填が不十分な状態になり易く、キャビティ空間内底面周縁部はガラスの未充填箇所64が生じ易い。
また、キャビティ空間内底面に載置された発光素子が蛍光体層で覆われている場合、充填したガラスが蛍光体層に接するので、蛍光体層はガラスからの圧力とガラスの変形に伴うズレによって剥離等の損傷を受ける。
特開平11−177129号公報 特開2002−203989号公報 特開2004−200531号公報 特開2006−80317号公報
本発明は前記した従来の問題点を解決すべくなされたもので、キャビティ付き基板のキャビティ空間内に発光素子を実装してガラス封止した構造の発光装置を製造する際、ガラス充填を効率化でき、発光素子に及ぼす損傷を減少でき、簡易に量産性良く製造し得る発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、キャビティ付き基板のキャビティ空間内に発光素子を実装してガラス封止した構造の発光装置であって、キャビティ空間内底面周縁部のガラス未充填箇所の発生を抑制でき、発光素子に及ぼす損傷を減少でき、耐熱性、耐光性に優れ、信頼性の高い発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置の製造方法は、キャビティ付き基板上でキャビティ空間内に発光素子が実装されてガラス封止された発光装置の製造方法であって、前記キャビティ空間をそれぞれ有する複数のキャビティ領域が一体的に形成され、各キャビティ空間の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を有するキャビティアレイの底面部を配線基板上に固着してなるキャビティ付き基板を形成する工程と、前記各キャビティ空間内で前記配線基板上に前記発光素子を実装する工程と、前記キャビティ空間内の前記発光素子をガラスで封止するガラス封止工程と、所望の切断位置で前記キャビティ付き基板のダイシングを行い、個々の発光装置に分割する分割工程と、を具備することを特徴とする。
上記製造方法において、ガラス封止工程の一例は、キャビティの開口先端面を塞ぐように板状のガラスを載置し、当該ガラスをガラス軟化点以上となるように加熱してプレス成形を行うことによってガラスを融着させて発光素子を封止し、この後にガラスを冷却する。 前記ガラス封止工程の他の例は、キャビティ空間内に、粉体ガラスあるいはそれと他の材料との混合物からなる封止材料を供給し、当該ガラスをガラス軟化点以上となるように加熱して封止材料をプレス成形することによってガラスを融着させて発光素子を封止し、この後にガラスを冷却する。
前記ガラス封止工程のさらに他の例は、キャビティ空間内に、粉体ガラスあるいはそれと他の材料との混合物に液体を混合した状態の封止材料を供給し、当該ガラスをガラス軟化点以上となるように加熱して封止材料をプレス成形することによってガラスを融着させて発光素子を封止し、この後にガラスを冷却する。
本発明の発光装置は、一対の電極を有する発光素子と、上下面間に連通するキャビティ空間を有するキャビティの底面が上面に接着され、キャビティ空間内底面部の基板上に前記発光素子が搭載されるキャビティ付き基板と、前記キャビティ空間内底面部の基板上に設けられ、前記発光素子の電極に電気的に接続される基板電極と、前記発光素子を封止したガラス封止部と、を有する発光装置であって、前記キャビティは、キャビティ空間の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を有することを特徴とする。
上記発光装置において、キャビティの内壁面の一例は、開口先端面あるいは中間部から底面部に向かって傾斜状の変化を有する。キャビティの内壁面の他の例は、開口先端面あるいは中間部から底面部に向かって湾曲状の変化を有する。キャビティの内壁面のさらに他の例は、開口先端面あるいは中間部から底面部に向かって階段状の変化を有する。キャビティの内壁面のさらに他の例は、開口先端面あるいは中間部から底面部に向かって傾斜状あるいは湾曲状あるいは階段状の変化のうちの少なくとも2つのが組み合わされた複合的な変化を有する。
本発明の発光装置の製造方法によれば、キャビティ付き基板のキャビティ空間内に発光素子を実装してガラス封止した構造の発光装置を製造する際、ガラス充填を効率化でき、発光素子に及ぼす損傷の減少効果を改善することができる。この際、キャビティ空間内底面周縁部のガラス未充填箇所の発生を抑制でき、発光素子にかかる応力負荷を減少することができる。また、ガラス充填に要する加工時間を短縮でき、発光素子が高温・高圧に晒される時間も短縮でき、発光素子の電極やエピタキシャル成長構造および発光素子が蛍光体層で覆われている場合に蛍光体層に及ぼす損傷も減少でき、簡易に量産性良く製造することができる。
本発明の発光装置の製造方法において、発光素子を封止するために粉体ガラスあるいはそれと他の材料との混合物からなる乾燥状態あるいは湿潤状態の封止材料を使用する場合には、基板上の発光素子の周辺部に封止材料を供給することによって、複雑な三次元形状に対応したガラス封止部であっても、洩れなく封止材料を充填させることが可能となり、ガラス封止部を簡易に量産性良く形成することが可能になる。この際、封止材料を粉体で供給するので、加熱プレス時の成形圧力を低く設定でき、周辺の部材へ与えるダメージを少なくすることができる。また、粉体ガラスの融点より低い温度となるように加熱することにより、粉体ガラスは液状にならず、ガラス封止部の膨張率を問題とすることなくガラス封止部を基板に容易に固定することができる。また、一般的に熱膨張率の大きい低融点ガラスの粉体ガラスを用いたとしても、封止材料に粉体フィラーを混入することによってバルクとしての膨張率を低減でき、封止体中、封止体と被封止物界面のクラック抑制と応力を低減することができ、厳しい環境条件下での使用に耐え得る発光装置を実現できる。また、封止材料に粉末状態の蛍光体を混合することにより、封止材料中に蛍光体を容易に供給することができ、封止材料中の蛍光体の比率を容易に調整することができる。この際、発光素子として青色発光素子、蛍光体としてYAG蛍光体を用いることにより、白色発光装置を安価に実現することができる。また、ガラス封止部に例えばレンズ状の所望の形状を転写させることができる。
本発明の発光装置によれば、キャビティ付き基板のキャビティ空間内に発光素子を実装してガラス封止した発光装置において、キャビティ空間内底面周縁部にガラス未充填箇所が発生することを抑制でき、発光素子にかかる応力負荷を減少し、発光素子に及ぼす損傷の減少効果を改善することができる。また、発光素子の電極やエピタキシャル成長構造および発光素子が蛍光体層で覆われている場合に蛍光体層に及ぼす損傷も減少することができる。しかも、開口部から底面部に向かって開口面積が徐々に減少する内壁面により、光の取り出し効率の改善および配光の制御が可能となる。
特に、発光素子を封止するために粉体ガラスあるいはそれと他の材料との混合物からなる封止材料を使用した場合には、発光素子封止用のガラス封止部が複雑な三次元形状であっても、あるいは、発光素子が基板上にフェイスアップ実装されて発光素子の上面電極から基板電極にループ状のワイヤ配線が接続されている場合であっても、洩れなく封止材料を充填させることが可能となり、発光素子周辺の部材へ与えるダメージが少ない状態で実現可能であり、耐熱性、耐光性、信頼性を高めることができる。また、ガラス封止部にフィラーを混入することによってバルクとしての膨張率を低減させることができる。また、ガラス封止部に蛍光体を混入させることによって、蛍光体を発光素子周辺に配置し、光の取り出し効率を高めることが容易になる。この際、発光素子として青色発光素子、蛍光体としてYAG蛍光体を用いることにより、白色発光装置を安価に実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態および実施例を説明する。この説明に際して、全図にわたり共通する部分には共通する参照符号を付す。但し、本発明は、この実施形態および実施例に限定されない。
<第1の実施形態>
図1乃至図2は、本発明の発光装置の製造方法の第1の実施形態における工程を概略的に示す図である。図示の便宜上、基板に形成されている基板電極の一部は図示を省略している。図3は、図1乃至図2の工程後に個々に分割して得られた発光装置を概略的に示す断面図である。ここでは、チップ状の発光素子(以下、「LED」という。)を基板上にフェイスダウン実装したものを図示しているが、LEDを基板上にフェイスアップ実装したものを使用することもできる。
まず、キャビティアレイ20および配線基板30を別々に形成する。キャビティアレイ20の底面部を配線基板30に例えば接着により固定して、キャビティアレイ付き基板10を通常の方法により形成する。この場合、キャビティアレイ20は、例えばセラミックスを用いて複数のキャビティ20aが一体的に形成されたものである。各キャビティ20aは、上下面間に連通するキャビティ空間21を有し、各キャビティ空間21は、後述するように開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を有する。
前記配線基板30は、アルミナ(Al2 3 )あるいは窒化アルミ(AlN)等を用いて複数の基板領域が一体的に形成されたものである。各基板領域には、基板電極およびパターン配線31が形成されており、それらの少なくとも一部が各キャビティ空間21の底面に露呈する状態で形成されている。
次に、一対の電極を有するLED40を多数形成しておき、各キャビティ空間内で配線基板30上に、導電性のバンプを介してLED40をフリップチップ接続してフェイスダウン実装することにより素子実装済み配線基板を得る。本例では、チップの同一面側に正負一対の電極を有するLED40を配線基板30上にフェイスダウン実装しているが、LED40をフェイスアップ実装するように変更してもよい。
次に、各キャビティ空間内のLED40を一括してガラス11で封止し、この後にガラス11を冷却する。このガラス封止に際して、本実施形態では、各キャビティ空間の開口先端面を塞ぐようにキャビティアレイ20上の全体に板状のガラス11を載置する。このように板状のガラス11をワークに重ねた状態で金型(上金型51と下金型52)に挟み、例えば窒素雰囲気中でガラス軟化点以上となるように全体的に加熱し、加圧を行うことによって、ガラス11を融着させてLED40を封止する。この際、ガラス11の加熱は、ガラス11の融点より低い温度となるように加熱する。この後、冷却によりガラス11は固化され、LED40を封止するガラス封止部11aとなる。
この後、ガラス封止部11aおよびキャビティアレイ付き基板10は、最終的には単位領域(30a、20a)毎に個片化されて複数の発光装置に分割される。これにより、各発光装置は、前記単位領域30aに対応する基板30aと前記単位領域20aに対応するキャビティ20aとからなるキャビティ付き基板10aを備えることになる。
図2は、前記ガラス封止工程においてキャビティ空間の開口面部から底面部に向けて板状のガラス11が充填されていく様子の一例を示している。即ち、キャビティ内壁面が開口先端面から底面部に向かって傾斜状の変化を有するキャビティ20aの上方から板状のガラス11を加熱、プレスして充填させる。この際、キャビティ側壁の上面に接するガラス部分よりもキャビティ空間内側のガラス部分がキャビティ空間内側へ突出し、ガラス11の中央付近が最も突出した湾曲形状になる。これにより、ガラス11がキャビティ空間内へ充填される過程で、ガラス11はキャビティ空間内の中央付近の底面から接し始めることになる。キャビティ内底面中央付近にLED40を配置している場合には、LED40はガラス11からの応力を受けることになる。この際、キャビティ20aは、キャビティ空間の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を有するので、ガラス11はキャビティ空間内の周縁部に沿って充填され、キャビティ空間内底面の周縁部までガラス11の充填が進む。
したがって、LED40が応力を受ける時間は短縮され、LED40が持つ電極やエピ構造のバンプ接合相当部分が応力を受ける時間も短縮されるので、その部分の構造的な破壊や、電気的特性や発光特性が劣化することは抑制される。また、LED40が蛍光体層で覆われている場合、充填したガラス11が蛍光体層に接するが、蛍光体層がガラスからの圧力と、ガラスの変形に伴う剪断変位の程度が軽減され、剥離等の損傷を受け難い。
また、キャビティ空間内へのガラス11の充填が進む過程で、ガラス11はキャビティ空間内の中央付近が突出した湾曲形状になるが、キャビティ空間の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少しているので、キャビティ空間内底面周縁部までガラス11が十分に充填され、キャビティ空間内底面周縁部はガラス11の未充填箇所は生じ難い。
この後、必要に応じて、所望の切断位置で、ガラス11a、キャビティアレイ20および配線基板30をダイシングすることによって複数の発光装置に分割する。この際、LED40を避けたダイシングライン部でガラス封止済み配線基板30をダイシングブレードにより切断し、LED40を1個単位の個片に分割した発光装置、あるいは、実装済み配線基板30上のLED配列の各列間で基板30aを切断し、LED40を複数個単位のモジュールに分割した発光装置を得るようにしてもよい。この際、ダイシングブレードを用いることなく、キャビティアレイ20および配線基板30に予めスナップラインを形成しておき、応力を加えてスナップラインのブレーキングにより分割してもよい。あるいは、ダイシングブレードを用いて部分的に切断した後、スナップラインのブレーキングにより分割してもよい。この後、必要に応じて、ガラス封止部11aの側面および上面を研磨し、凹凸のない平坦面あるいは滑らかな曲面に形成することもできる。
前述したような一連の工程により、キャビティ付き基板10a上でキャビティ空間内にLED40が実装されてガラス封止部11aにより封止された発光装置が得られる。
上記した発光装置の製造方法によれば、キャビティ付き基板10aのキャビティ形状をガラス封止に適したように工夫し、キャビティ空間21の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を持たせることにより、ガラス充填の効率化を図り、LED40に及ぼす損傷の減少効果を改善することができる。即ち、キャビティ空間20内の底面周縁部のガラス未充填箇所の発生を抑制でき、LED40にかかる応力負荷を減少することができる。また、ガラス充填に要する加工時間を短縮でき、LED40が高温・高圧に晒される時間も短縮でき、LED40の電極やエピタキシャル成長構造およびLED40が蛍光体層で覆われている場合の蛍光体層に及ぼす損傷も減少でき、簡易に量産性良く製造することが可能になる。キャビティ20aの開口部から底面部に向かって開口面積が徐々に減少する内壁面を持つキャビティ付き基板10aにより、光の取り出し効率の改善および配光の制御が可能となる。
この発光装置は、具体的には、一又は二以上のLED40と、上下面間に連通するキャビティ空間を有するキャビティ20aが取り付けられ、キャビティ空間内底面部の基板30a上にLED40が搭載されるキャビティ付き基板10aと、キャビティ空間内底面部の基板30aに設けられ、LED40の電極41に電気的に接続される基板電極および配線パターン31と、LED40を封止したガラス封止部11aと、を有し、キャビティ20aは、キャビティ空間の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を有する。
この際、LED40がフェイスダウン実装された発光装置の場合は、キャビティ付き基板10a上に所定の基板電極および配線パターン31が設けられており、LED40の一対の電極41がそれぞれAuバンプまたは半田ボールを介して基板電極および配線パターン31に接合(フリップチップ接続)するように実装される。なお、フェイスダウン実装に際して、上記例に限らず、配線基板上のパターン配線部とLEDの電極との間が半田やロウ材を用いて熱間接合、拡散性のよい金属又は合金を用いて熱間超音波接合された構造、金、銀、パラジウム、ロジウム等の導電性ペースト、異方性導電ペースト等を用いて接合された構造など、種々の形態を採用できる。
これに対して、LEDがフェイスアップ実装された発光装置の場合は、キャビティ付き基板上に所定のパターン配線部が設けられており、LEDの底面がAuSn、AgSn等の金属ロウ材を用いて基板にダイボンディングされ、LED上面の一対の電極と基板のパターン配線部とがAu、Ag、Al、W、Pt等からなるループ状のボンディングワイヤーを介して接続されている。なお、フェイスアップ実装における配線基板とLEDとの接続手段は上記例に限らず、無機接着剤、金属接合など種々の形態を採用できる。
なお、一般的に熱膨張率の大きい低融点ガラスのガラス11を用いても、ガラス封止材料にフィラーを混入することによってバルクとしての膨張率を低減でき、ガラス封止体と被ガラス封止体との界面のクラック抑制と応力を低減することができ、厳しい環境条件下での使用に耐え得る発光装置を実現できる。また、ガラス封止部11aに蛍光体を混合することも可能である。この際、LED40として青色発光素子、蛍光体としてYAG蛍光体を用いることにより、白色発光装置を安価に実現することができる。
さらに、LED40をガラス封止部11aにより直接に被覆することに代えて、LED40を所定の被覆部材(図示せず)で被覆した後にガラス封止部11aにより被覆することにより、LED40を熱や埃等から保護することができる。この被覆部材に、所定の液体、ゾル、ゲルなどにフィラーや光拡散剤、蛍光物質等を混合しておくこともできる。例えば被覆部材に粉末状の蛍光物質を用いる場合、水や有機溶剤に混合した蛍光物質をLED40の周囲に固着させることができる。粉体ガラスを軟化させるために温度を上げると、水や有機溶剤が揮発する。このようにすれば、LED40は、直接的にガラス封止部11aに被覆されておらず、被覆部材を介してガラス封止部11aに被覆されているので、蛍光物質の使用量を少なくすることができ、配向特性を向上することができる。なお、被覆部材は、LED40を被覆するだけでなく、基板電極および配線パターン31も被覆することができ、LED40の周囲に容易に配置することができる。 さらに、ガラス封止部11aの外表面に被膜が固着されていることが好ましい。これによりガラス封止部11aの変質、劣化、変色、失透を防止又は低減し、また、被膜に所定の機能を持たせることもできる。例えば、所定の波長の光を吸収し、特定の波長の光を外部に放出するフィルター作用を有する被膜などである。また、ガラス封止部11aの表面にガラスレンズあるいは樹脂レンズを貼り付けることによって形成してもよい。
<異なる実施の形態>
異なる実施の形態として図面を用いて説明する。異なる実施の形態は、第1の実施の形態とキャビティの形状が異なる以外は、ほぼ同一の形状を有する。第1の実施の形態と同一部材についての符合は同一のものを使用する。
図4(a)、(b)は、第1の実施の形態のキャビティ付き基板と異なる形状を有する発光装置を概略的に示す断面図である。この発光装置は、基板30aとキャビティ22aとを有するキャビティ付き基板12aと、キャビティ付き基板12aのキャビティ内底面部に配置されたLED40と、LED40を覆うガラス封止部11aと、を有する。LED40が持つ電極41は基板30aに設けられた基板電極および配線パターン31と電気的に接続されている。キャビティ22aは、内壁面が開口先端面側から底面部側に向かって湾曲状に形成されている。これによりキャビティ空間内底面周縁部の気体の残存を低減することができる。
また、キャビティ23aは、内壁面が開口先端面側から底面部側に向かって階段状に形成されている。例えば、セラミックスグリーンシートを積層したセラミックスをキャビティ付き基板13aに使用する場合は容易に形成することができる。
また、図5(a)乃至(i)は、第1の実施の形態のキャビティ付き基板と異なる形状を有する発光装置を概略的に示す断面図である。図5(a)に示すキャビティ120aの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって傾斜状の変化を有する。キャビティ120aの内壁面は、微細な凹凸(図示しない)が形成されておりガラス封止部との密着性を高めている。図5(b)に示すキャビティ121aの内壁面は、内壁面中間部から底面部に向かって傾斜状の変化を有する。図5(c)に示すキャビティ122aの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって湾曲状の変化を有する。キャビティ122aの内壁面は、微細な凹凸(図示しない)が形成されている。図5(d)に示すキャビティ123aの内壁面は、内壁面中間部から底面部に向かって湾曲状の変化を有する。キャビティ123aは、キャビティ122aとキャビティ深さが異なり、内壁面は凹凸がなく滑らかである。図5(e)に示すキャビティ124aの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって階段状の変化を有する。
キャビティの内壁面のさらに他の例は、開口先端面あるいは中間部から底面部に向かって傾斜状あるいは湾曲状あるいは階段状の変化のうちの少なくとも2つの変化が組み合わされた複合的な変化を有する。即ち、図5(f)に示すキャビティ125aの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって傾斜状の変化と湾曲状の変化が組み合わされた複合的な変化を有する。図5(g)に示すキャビティ126aの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって傾斜状の変化と階段状の変化が組み合わされた複合的な変化を有する。図5(h)に示すキャビティ127aの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって湾曲状の変化と階段状の変化が組み合わされた複合的な変化を有する。図5(i)に示すキャビティ128aの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって湾曲状の変化と階段状の変化と傾斜状の変化が組み合わされた複合的な変化を有する。これらのキャビティの内壁面の構造において、階段構造の段数は任意であり、キャビティの深さ、発光素子の配置、所望の配光特性などを考慮して内壁面の構造を決定する。キャビティ空間21内には第1の実施の形態と同様にLEDが配置される。
以下、前記した各構成要素について詳述する。主に第1の実施の形態について説明するが、他の実施の形態についても適用可能である。
<発光素子(LED)>
LED40は、基板上にGaAlN、ZnS、ZnSe、SiC、GaP、GaAlAs、AlN、InN、AlInGaP、InGaN、GaN、AlInGaN等の半導体を発光層として形成させたものが用いられる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を紫外光から赤外光まで種々選択することができる。発光層は、量子効果が生ずる薄膜とした単一量子井戸構造や多重量子井戸構造としても良い。
屋外などの使用を考慮する場合、高輝度な発光素子を形成可能な半導体材料として窒化ガリウム系化合物半導体を用いることが好ましく、また、赤色ではガリウム・アルミニウム・砒素系の半導体やアルミニウム・インジュウム・ガリウム・燐系の半導体を用いることが好ましいが、用途によって種々利用することもできる。
窒化ガリウム系化合物半導体を使用した場合、基板にはサファイヤ、スピネル、SiC、Si、ZnOやGaN等の材料が用いられる。結晶性の良い窒化ガリウムを量産性良く形成させるためにはサファイヤ基板を用いることが好ましい。LED40はフェイスダウンで用いるため、基板は透光性であることを要する。窒化物系化合物半導体を用いたLED40を示す。サファイヤ基板上にGaN、AlN等のバッファー層を形成する。その上にN或いはP型のGaNである第1のコンタクト層、量子効果を有するInGaN薄膜である活性層、P或いはN型のAlGaNであるクラッド層、P或いはN型のGaNである第2のコンタクト層を順に形成した構成とすることができる。窒化ガリウム系化合物半導体は、不純物をドープしない状態でN型導電性を示す。なお、発光効率を向上させる等所望のN型窒化ガリウム半導体を形成させる場合は、N型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。
一方、P型窒化ガリウム半導体を形成させる場合は、P型ドーパンドであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせる。窒化ガリウム系半導体は、P型ドーパントをドープしただけではP型化しにくいためP型ドーパント導入後に、炉による加熱、低電子線照射やプラズマ照射等によりアニールすることでP型化させる必要がある。こうして形成された半導体ウエハーを部分的にエッチングなどさせ正負の各電極を形成させる。その後、半導体ウエハーを所望の大きさに切断することによってLED40を形成することができる。
LED40は、適宜に複数個用いることができ、その組み合わせによって種々の色調を実現することができる。例えば、三原色となるように青色系、緑色系、赤色系が発光可能なLEDを用いる。なお、表示装置用のフルカラー発光装置として利用するためには赤色系の発光波長が610nmから700nm、緑色系の発光波長が495nmから565nm、青色系の発光波長が430nmから490nmであることが好ましい。また、白色系の発光装置は、青色のLEDと、黄色に発光する蛍光物質とを用いる。蛍光物質は、LEDからの光を吸収して波長変換を行い黄色に発光する。この蛍光物質からの光と、LEDからの光とが混合され、混色光となり白色系に発光する。また、複数個のLEDの配列は用途、製造工程等により適宜変更する。
LEDのp側電極は、直線状、曲線状、ひげ状、櫛状、網目状等の形状を成す。p側電極はAu、Au―Sn等の金属や、金属以外のITO、ZnOも使用することができる。また透光性p側電極の代わりに、メッシュ状電極などの複数の光取り出し用開口部を備えた電極形態としてもよい。LEDの大きさは□1mmサイズが実装可能で、□600μm、□320μmサイズ等のものも実装可能である。
<基板、キャビティ>
基板30aは、所定の基板電極および配線パターン31を設けており、LED40の電極41と基板電極および配線パターン31とを電気的に接続してLED40を載置している。基板30aは、ガラスを加熱して軟化状態にする温度で変質しない物質であればよい。例えば、アルミナ(Al2 3 )、窒化アルミ(AlN)、SiC、SiO2 、ZrO2 、SiN等のセラミックス基板、ガラスエポキシ基板、ガラス基板、W合金、Ni,Mo,V,Mn,Cr,Fe等を含む低膨脹金属基板等である。そのうち、耐熱性、耐光性に優れたセラミックス基板が好ましい。特に、原料粉末の90重量%〜96重量%がアルミナであり、焼結助剤として粘度、タルク、マグネシア、カルシアおよびシリカ等が4重量%〜10重量%添加され1500℃から1700℃の温度範囲で焼結させたセラミックスや、原料粉末の40重量%〜60重量%がアルミナで焼結助剤として60重量%〜40重量%の硼珪酸ガラス、コージュライト、フォルステライト、ムライトなどが添加され800℃〜1200℃の温度範囲で焼結させたセラミックス等が挙げられる。これらのセラミックス材料にTiO2 、TiNなどを添加しておくこともできる。また、Cr2 3 、MnO2 、Fe2 3 などをグリーンシート自体に含有させることによって暗色系にすることもできる。
基板30aは、所定の厚さを有する平板に所定の位置にスルーホールを設け、そのスルーホールに導電性の部材を配置することもできる。例えば略直方体の形状をなすセラミックスの基板(単位基板領域)の上面から裏面にかけて四隅にスルーホールを設ける。さらに、向かい合う二辺にスルーホールを設け、基板の上面から裏面にかけて導電性部材を設ける。基板の上面は、所定の基板電極および配線パターン31を形成し、スルーホールの導電性の部材と電気的に接続している。また、基板の裏面は、短絡しない程度に広面積の導電性の部材を配置し、スルーホールの導電性の部材と電気的に接続しており、これらの導電性の部材を基板電極および配線パターン31とする。これにより、セラミックスの基板の裏面側と導通をとることができる。基板に設けられる基板電極および配線パターン31は、LED40のn側電極とp側電極とを電気的に接続する少なくとも一対の導電性の部材である。基板電極および配線パターン31は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどの金属またはITOのように電気伝導率が高く、反射効率の高い部材を使用することが好ましい。LED40からの光を基板電極および配線パターン31で反射させ、正面への発光効率を高めるためである。基板電極および配線パターン31の材質はLEDの発光波長との関係で選択することが好ましい。ある波長域では反射率が高いが、異なる波長域では反射率が低い場合もあるからである。基板電極および配線パターン31は基板30aの上面の大部分を占めることもできるが、基板30aへのガラスの固定力を高めるため、および基板電極および配線パターン31の絶縁性を取るため、基板30aの上面積の半分以下とすることが好ましい。
例えば、セラミックスを用いた配線基板30及びキャビティアレイ20は、所定の形状を形成した後、焼成を行い、キャビティアレイ付き基板10を形成する。配線基板30またはキャビティアレイ20はセラミックスグリーンシートを1枚若しくは複数枚使用する。焼成前のグリーンシート段階においてセラミックスの基板は種々の形状をとることができる。セラミックスの基板内の基板電極および配線パターン31は、タングステンやモリブデンなど高融点金属を樹脂バインダーに含有させたペースト状の材料から形成される。スクリーン印刷などの方法により、ペースト状の材料グリーンシートに設けたスルーホールを介して所望の形状とし、セラミックスの焼成によって導体の配線パターンとなる。このようなグリーンシートを積層させた後、焼結させることによってセラミックスの基板とすることができる。
キャビティ付き基板10aの厚さは0.3mmから3mmが好ましいが、任意のものを使用することができる。キャビティ付き基板10aは、略長方形の平面を持つものや、略正方形の平面を持つもの、略多角形の平面を持つものなどを使用することができる。個片化されたキャビティ付き基板10aは、長辺が2mmから5mm、短辺が1mmから3mmの平面を持つものを製造できるほか、所定の大きさのものも製造できる。
<基板電極およびパターン配線31>
基板電極およびパターン配線31は、基板30aに設けられる。金属部材である基板電極およびパターン配線31は、メッキ、蒸着、スパッタ、印刷等により、Au,Ag,Cu,W,Pt,Rh,Al,Ni金等のパターニングにより形成される。基板電極およびパターン配線31の表面は、反射率を向上させるために平滑にすることが好ましい。また、基板領域の一部に貫通孔(スルーホールまたはビアホール)を設け、該貫通孔を導電性部材で埋めるなどして基板30aの上面と底面との電気的接続をとっている。この貫通孔を基板領域分割予定部に設けた場合には、配線基板が分割された後に基板30aの側面に、基板30aの上面と底面とを電気的に接続するパターン配線が露呈する。
<バンプ>
導電性のバンプは、LED40のn側およびp側の電極41を基板電極および配線パターン31と電気的に接合するものである。また、粉体ガラスを加熱して軟化状態にする際にバンプ等の金属が軟化して短絡しないものを用いる。例えば、Au−Sn、Ag、Cu、Pb等の金属および合金を用いることができる場合もあるが、好ましくはAuである。Auの融点は1064℃である。金バンプは粉体ガラスを加熱して軟化状態にする温度では軟化せず、LED40の電極41と基板電極および配線パターン31との短絡は生じない。バンプは、通常100から300μm径のボールのものである。
<ガラス>
ガラス11は、SiO2 、BaO、TiO2 、Al2 3 、P2 5 、PbO、B2 3 、ZnO、Nb2 5 、Na2 O、K2 O、Sb2 5 、CaO、Li2 O、WO3 、Gd2 3 、Bi2 3 、ZrO2 、SrO、MgO、La2 3 、Y2 3 、AgO、LiF、NaF、KF、AlF3 、MgF2 、CaF2 、SrF2 、BaF2 、YF3 、LaF3 、SnF2 、ZnF2 のいずれかを含む。そして、ガラス転移温度Tgが200℃〜600℃、軟化点/屈伏点が200℃〜700℃、かつ、融点が200℃〜800℃、線膨張係数が3〜15ppmである。
ガラス11の一具体例は、P2 5 を56〜63wt%、Al2 3 を5〜13wt%、ZnOを21〜41wt%含むP2 5 −Al2 3 −ZnO系低融点ガラスである。この場合、さらに、B2 3 、Na2 O、K2 O、Li2 O、MgO、WO3 、Gd2 3 、ZrO2 をそれぞれ0〜6wt%、CaO、SrOをそれぞれ0〜12wt%、BaO、TiO2 、Nb2 5 、Bi2 3 をそれぞれ0〜22wt%含ませてもよい。
ガラス11の他の具体例は、B2 3 を20〜31wt%、SiO2 を0.3〜14.5wt%、Na2 Oを1〜9wt%、ZnOを40〜58wt%、Nb2 5 を10〜20wt%含むB2 3 −SiO2 −Na2 O−ZnO−Nb2 5 系低融点ガラスである。この場合、さらに、BaO、TiO2 、Al2 3 、K2 O、CaO、Li2 O、ZrO2 、SrO、MgOをそれぞれ0〜6wt%含ませてもよい。
ガラス11のさらに他の具体例は、B2 3 を15〜30wt%、SiO2 を1〜9wt%、ZnOを25〜59wt%、Nb2 5 を10〜49wt%含むB2 3 −SiO2 −ZnO−Nb2 5 系低融点ガラスである。この場合、さらに、BaO、TiO2 、Nb2 5 、CaO、Gd2 3 、SrO、La2 3 、Y2 3 をそれぞれ0〜19wt%、Al2 3 を0〜9wt%、Bi2 3 を0〜9wt%、Na2 O、K2 O、Li2 O、ZrO2 をそれぞれ0〜4wt%含ませてもよい。
ガラス11のさらに他の具体例は、PbO、B2 3 、SiO2 を含み、その中で、PbOを29〜69wt%、B2 3 を20〜50wt%含むB2 3 −SiO2 −PbO系低融点ガラスである。
<蛍光物質>
ガラス11には、蛍光物質を含有することもできる。蛍光物質を含有することにより、LED40から射出された光が蛍光物質に吸収され、波長変換を行いLED40と異なる色を発光することができる。よって、蛍光物質はLEDからの光を吸収し異なる波長の光に波長変換するものであればよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類ケイ酸塩、アルカリ土類硫化物、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、または、Ce等のランタノイド系元素で主に付活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩またはEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機および有機錯体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。具体例として、下記の蛍光体を使用することができるが、これに限定されない。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体は、M2 Si5 8 :Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。また、M2 Si5 8 :EuのほかMAlSiN3 :Eu、MSi7 10:Eu、M1.8 Si5 0.2 8 :Eu、M0.9 Si7 0.1 10:Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などもある。
Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される酸窒化物系蛍光体は、MSi2 2 2 :Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
Eu等のランタノイド系、Mn等の遷移金属系の元素により主に付活されるアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体には、M5 (PO4 3 X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体には、M2 5 9 X:R(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体には、SrAl2 4 :R、Sr4 Al1425:R、CaAl2 4 :R、BaMg2 Al1627:R、BaMg2 Al1612:R、BaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1以上である。)などがある。
アルカリ土類硫化物蛍光体には、La2 2 S:Eu、Y2 2 S:Eu、Gd2 2 S:Euなどがある。
Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体には、Y3 Al5 12:Ce、(Y0.8 Gd0.2 3 Al5 12:Ce、Y3 (Al0.8 Ga0.2 5 12:Ce、(Y,Gd)3 (Al,Ga)5 12の組成式で表されるYAG系蛍光体などがある。また、Yの一部若しくは全部をTb、Lu等で置換したTb3 Al5 12:Ce、Lu3 Al5 12:Ceなどもある。
その他の蛍光体には、ZnS:Eu、Zn2 GeO4 :Mn、MGa2 4 :Eu(Mは、Sr、Ca、Ba、Mg、Znから選ばれる少なくとも1種以上である。Xは、F、Cl、Br、Iから選ばれる少なくとも1種以上である。)などがある。
上述の蛍光体は、所望に応じてEuに代えて、または、Euに加えてTb、Cu、Ag、Au、Cr、Nd、Dy、Co、Ni、Tiから選択される1種以上を含有させることもできる。また、上記蛍光体以外の蛍光体であって、同様の性能、効果を有する蛍光体も使用することができる。
これらの蛍光体は、LEDの励起光により、黄色、赤色、緑色、青色に発光スペクトルを有する蛍光体を使用することができるほか、これらの中間色である黄色、青緑色、橙色などに発光スペクトルを有する蛍光体も使用することができる。これらの蛍光体を種々組み合わせて使用することにより、種々の発光色を有する発光装置を製造することができる。
例えば、青色に発光するGaN系化合物半導体を用いて、Y3 Al5 12:Ce若しくは(Y0.8 Gd0.2 3 Al5 12:Ceの蛍光物質に照射し、波長変換を行う。LEDからの光と、蛍光体からの光との混合色により白色に発光する発光装置を提供することができる。
例えば、緑色から黄色に発光するCaSi2 2 2 :Eu、またはSrSi2 2 2 :Euと、青色に発光する(Sr,Ca)5 (PO4 3 Cl:Eu、赤色に発光する(Ca,Sr)2 Si5 8 :Euと、からなる蛍光体を使用することによって、演色性の良好な白色に発光する発光装置を提供することができる。これは、色の三源色である赤・青・緑を使用しているので、第1の蛍光体および第2の蛍光体の配合比を変えることのみで、所望の白色光を実現することができる。
<光拡散部材>
前述の蛍光物質に代えて、若しくは蛍光物質とともに光拡散部材をガラスに含有させてもよい。具体的な光拡散部材としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素等が好適に用いられる。
本明細書において、蛍光物質、光拡散部材、フィラーの厳密な区別は特になく、蛍光物質のうち反射率の高い物質は光拡散部材として作用する。光拡散部材は、中心粒径が1nm以上5μm未満のものをいう。1nm以上5μm未満の光拡散部材は、LEDおよび蛍光物質からの光を良好に乱反射させ、大きな粒径の蛍光物質を用いることにより生じやすい色むらを抑制することができる。また、発光スペクトルの半値幅を狭めることができ、色純度の高い発光装置を得ることができる。一方、1nm以上1μm未満の光拡散部材は、透明度が高く、光度を低下させることなくガラスの粘度を高めることができる。
<フィラー>
前述の蛍光物質に代えて、若しくは蛍光物質、光拡散部材とともにフィラーをガラスに含有させてもよい。具体的な材料は、光拡散部材と同様であるが、光拡散部材と中心粒径が異なる。ここで、粉体フィラ−は、SiO2 、TiO2 、Al2 3 、ZnO、ZrO2 、TaO2 、SnO、SnO2 、ITO、In2 3 、Ga2 3 のいずれかであり、中心粒径(平均粒径)が5nm〜100μmのものをいう。このような粒径のフィラーを粉体ガラス中に含有させると、光拡散作用により発光装置の色度バラツキを改善することができる。ガラスの流動性を一定に調整することが可能となり、歩留まり高く発光装置を量産することができる。また、ガラスの流動性を一定に調整することができる。
粉体フィラーは、蛍光物質と同一若しくは類似の粒径および/または形状を有することが好ましい。類似の粒径は、各粒子の真円との近似程度を表す円形度(円経度=粒子の投影面積に等しい真円の周囲長さ/粒子の投影の周囲長さ)の値の差が20%未満の場合をいう。このような粉体フィラーを用いることにより、蛍光物質とフィラーが互いに作用しあい、ガラス中にて蛍光物質を良好に分散させることができ色むらを抑制することができる。
<被膜>
ガラス封止部11aの表面に被膜を形成することが好ましい。被膜はガラス表面の劣化(変色、失透、白濁)を防止することができる。ガラスの白濁、失透は主にガラスが結晶化することに起因する。また水分の透過を抑制することができる。被膜はフィラーなどを入れたものを使用することができる。例えば所定の波長の光(350nm以下の波長および550nm以上の波長の光)を吸収する被膜を用いることにより、特定の波長の光(350nmから550nmまでの波長の光)を取り出すことができる発光装置を提供することができる。被膜は一層だけでなく、多層構造とすることもできる。多層構造とすることにより透過率を上げることもできる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、前述した第1の実施形態におけるガラス封止工程において、板状のガラス11に代えて、所定の性質を有する粉体ガラスを主成分とする封止材料(粉体ガラスあるいはそれと他の材料との混合物からなる封止材料)を用いるように変形したものである。即ち、上記したような封止材料を予め準備しておき、この封止材料をキャビティ空間内に供給し、当該ガラスをガラス軟化点以上となるように加熱し、封止材料を例えば上金型によりプレス成形することによってガラスを融着させてLEDを封止する。この際、加熱は、ガラスの融点より低い温度となるように加熱する。
上記粉体ガラスの熱特性は、前述した第1の実施形態におけるガラスと同様に、ガラス転移温度Tgが200℃〜600℃、軟化点/屈伏点が250℃〜700℃、かつ、融点が200℃〜800℃であり、線膨張係数が3〜15ppmである。そして、平均粒径が10nm〜200μmである。
実際に使用する封止材料として、粉体ガラスのみに限らず、粉末状蛍光体または粉体フィラーまたはその両方を粉体ガラスに混合してもよい。即ち、粉体ガラスに粉体フィラーを混合して分散させた混合物、あるいは、粉体ガラスに粉末状蛍光体を混合して分散させた混合物、あるいは、粉体ガラスに粉末状蛍光体と粉体フィラーを混合して分散させた混合物を用いてもよい。
ここで、粉末状蛍光体は、粉体ガラスと同様に平均粒径が10nm〜200μmのものであり、例えばYAGあるいは窒化物蛍光体である。また、粉末フィラーは、SiO2 、TiO2 、Al2 3 、ZnO、ZrO2 、TaO2 、SnO、SnO2 、ITO、In2 3 、Ga2 3 のいずれかであり、平均粒径が5nm〜100μmのものである。
次に、第2の実施形態におけるガラス封止工程の一例を詳細に説明する。例えば粉末状蛍光体が混合された封止材料をキャビティ空間内に供給してLEDの周辺部に十分に充填する。次に、封止材料に対して加熱とプレス成形を行い、粉体ガラスを融着させてガラス封止部を形成する。この際、例えば石英チャンバー内にワーク部を配設し、石英チャンバーの周囲に配設したヒーターの温度を調節することによって、粉体ガラスの軟化温度以上となるように加熱し、第1の上金型により加圧成形(加熱圧縮成形あるいは真空加熱圧縮成形)してガラス封止部を形成する。このガラス封止部は、軟化状態の時に基板に押圧されており、冷却により固化すると、基板に固定される。
このように粉体ガラスをガラス転移温度以上に加熱することで、キャビティ空間内の粉体ガラスが軟化状態になり、また、粉体ガラスが融点よりも低い温度に保持されているので液状になっておらず、ガラス封止部の膨張率を問題とすることなくガラス封止部と基板との固定を容易に行うことができる。
なお、ガラス封止部の表面は、平面に限らず、球面レンズ、非球面レンズ、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズ、ナローレンズ、ワイドレンズ等の任意の形状を持たせることができる。そのためには、第1の上金型の内面に、所望の三次元または二次元形状の型枠を持たせておき、この型枠の形状をガラス封止部に転写させることができる。
前記したように加熱プレスを行った後、ガラス封止部を冷却する。この際、上金型により封止材料および基板を押圧した状態で冷却を行っても良いが、封止材料が半固化された状態で上金型を取り外し、冷却を行うことも可能である。また、加熱と冷却を1段階で行うことも可能であるが、数段階に分けて加熱を行い、数段階に分けて冷却を行うことが好ましい。これにより、封止材料を冷却する際の割れを防止することができるからである。
次に、ガラス封止済み配線基板を取り出した後、必要に応じて、所望の切断位置でガラス封止部、キャビティおよび基板のダイシングを行い、複数の発光装置に分割する。この際、LEDを避けたダイシングライン部でガラス封止済み配線基板をダイシングブレードにより切断し、LEDを1個単位の個片に分割した発光装置、あるいは、実装済み配線基板上のLED配列の各列間で基板を切断し、LEDを複数個単位のモジュールに分割した発光装置を得るようにしてもよい。この際、ダイシングブレードを用いることなく、配線基板に予めスナップラインを形成しておき、応力を加えてスナップラインのブレーキングにより分割してもよい。あるいは、ダイシングブレードを用いて部分的に切断した後、スナップラインのブレーキングにより分割してもよい。この後、必要に応じて、ガラス封止部の側面および上面を研磨し、凹凸のない平坦面あるいは滑らかな曲面に形成することもできる。
上記した第2実施形態による発光装置の製造方法によれば、LEDが実装されているキャビティ付き配線基板上に複雑な三次元形状に対応したガラス封止部を形成する場合であっても、粉体ガラスを主成分とする封止材料を粉体状態で供給し、洩れなく封止材料を充填させることが可能となる。あるいは、LEDが基板上にフェイスアップ実装されてLEDの上面電極から基板電極にループ状のワイヤ配線が接続されている場合であっても、粉体ガラスを主成分とする封止材料を粉体状態で供給し、洩れなく封止材料を充填させることが可能となる。そして、加熱プレスを行うことにより、複雑な形状に対応したガラス封止部を簡易に、かつ、量産性良く形成することが可能になる。
この際、LEDが基板上にフェイスダウン実装されている場合には、LEDと基板との間の間隙部に封止材料が入り込んだ状態になる。このように間隙部に存在している封止材料により、LEDから基板への放熱効果が向上し、また、封止材料と基板との接着効果も向上し、また、間隙部に空気層が存在している場合よりもLEDから基板方向への光の取り出し効率も向上する。特に、ガラス基板を用いた場合に基板方向への光の取り出し効率は大きく向上する。
また、封止材料を粉体で供給して加熱プレスを行うので、成形圧力を低く設定でき、周辺の部材(例えばLEDと基板電極とを接続するボンディングワイヤーなど)へ与えるダメージを少なくすることができる。また、一般的に熱膨張率の大きい低融点ガラスの粉体ガラスを用いたとしても、封止材料に粉体フィラーを混入することによってバルクとしての膨張率を低減でき、封止体中、封止体と被封止物界面のクラック抑制と応力を低減することができ、厳しい環境条件下での使用に耐え得る発光装置を実現できる。
また、封止材料に粉末状態の蛍光体を混合することにより、封止材料中に蛍光体を容易に供給することができ、封止材料中の蛍光体の比率を容易に調整することができる。この際、LEDとして青色LEDを用い、粉体ガラスに例えばYAG(Y3 Al5 12:Ce系(Yの一部をGd等、Alの一部をGa等で置換してもよい。))蛍光体を混合することで、白色系に発光する発光装置を安価に量産性よく実現することができる。
なお、封止材料は、粉体ガラスのほか、粉末状蛍光体、粉体フィラーに限らず、顔料、光拡散部材、セラミックス粉の少なくともいずれか1つを含有することにより、用途に応じた発光装置を提供することができる。即ち、光拡散部材を粉体ガラスに混合することにより色むらの少ない均一に発光する発光装置を提供することができる。また、LEDの近傍に蛍光物質等を配置することができるので、蛍光物質が少量で済み、経済的である。また、封止材料を溶融して固着するので、蛍光物質等の分散性を高めることができる。
さらに、LEDをガラス封止部により直接に被覆することに代えて、LEDを被覆部材(図示せず)で被覆した後にガラス封止部により被覆することにより、LEDを熱や埃等から保護することができる。この場合、被覆部材は粉末状の蛍光物質、セラミックス粉などを用いることができる。また、所定の液体、ゾル、ゲルなどに蛍光物質等を混合しておくこともできる。例えば被覆部材に粉末状の蛍光物質を用いる場合、水や有機溶剤に混合した蛍光物質をLEDの周囲に固着させることができる。粉体ガラスを軟化させるために温度を上げると、水や有機溶剤が揮発する。このようにすれば、LEDは、直接的にガラス封止部に被覆されておらず、被覆部材を介してガラス封止部に被覆されているので、蛍光物質の使用量を少なくすることができ、配向特性を向上することができる。なお、被覆部材は、LEDを被覆するだけでなく、基板電極も被覆することができ、LEDの周囲に容易に配置することができる。
さらに、ガラス封止部の外表面に被膜が固着されていることが好ましい。これによりガラス封止部の変質、劣化、変色、失透を防止又は低減し、また、被膜に所定の機能を持たせることもできる。例えば、所定の波長の光を吸収し、特定の波長の光を外部に放出するフィルター作用を有する被膜などである。また、ガラス封止部の表面にガラスレンズあるいは樹脂レンズを貼り付けることによって形成してもよい。
(第2の実施形態に係る発光装置)
第2の実施形態に係るガラス封止工程を経て形成された発光装置は、前述した第1の実施形態に係るガラス封止工程を経て形成された発光装置と比べて、ガラス封止部は、基板上でLEDの周辺部に供給された所定の性質を有する粉体ガラスを主成分とする封止材料が加熱・加圧によって融着されてなる点が異なる。このガラス封止部は、押圧により基板に固定されている。これは、ガラスと金属との固定力よりもガラスとセラミックスとの固定力の方が強いからである。また、このガラス封止部は、所望の形状を有し、LEDからの光を透過するとともに、LEDを外部からの水や埃等から保護する。基板、キャビティおよびガラス封止部は、封止後にそれぞれ切断あるいは分割された端面を有し、ガラス封止部は、必要に応じて端面、上面の少なくとも一方が研磨される場合がある。
上記した構造の第2の実施形態に係る発光装置によれば、ガラス封止部が複雑な三次元形状であったとしても、周辺の部材へ与えるダメージが少ない状態で形成することが容易になるので、耐熱性、耐光性、信頼性を高めることができる。また、ガラス封止部に蛍光体を混入させる場合には、蛍光体をLED周辺に配置することが容易になる。また、フェイスアップ実装の場合には、封止材料中の粉体ガラスの材質を変更することにより、ガラスを押圧してもワイヤーが切断されることなくガラスを基板に固定することが可能である。
<第2の実施形態の変形例>
前述した第2の実施形態の一部を変更し、キャビティ空間内の中間付近まで第1の封止材料(粉体ガラスと粉末状蛍光体の混合物)を供給し、第1の上金型を用いて第1のガラス封止部を形成する。次に、ガラス封止部の外側を再び封止(アウターモールド)して二層構造のガラス封止部を形成するために、引き続き、その上側でキャビティ空間内に全体的に第2の封止材料(粉体ガラス)を供給し、前記第1の上金型と同じ、あるいは、異なる第2の上金型を用いて前述したような加熱プレスを行って第2のガラス封止部を形成する。これにより、キャビティ空間内に二層構造のガラス封止部が形成された発光装置が得られる。この際、第2の上金型の内面に任意の三次元または二次元形状を持たせ、この形状を外側のガラス封止部に転写することによって、外側のガラス封止部を配光調整用の凸レンズ形状に形成することも可能である。
なお、前記した最初のガラス封止工程によって形成したガラス封止部の外側を再び封止する際、封止材料として、粉体ガラスのみに限らず、粉体ガラスと粉末フィラーとの混合物などを用いてもよい。また、再び封止する際には、板状のガラスを用いてもよい。また、最初のガラス封止工程によって従来の樹脂封止部よりも高い信頼性を有する封止部が得られるので、外側のガラス封止部を形成する際、場合によっては、エポキシ樹脂やシリコ−ン樹脂などの有機材料を用い、それを硬化させて外側の封止部を形成することも可能である。
上記した第2の実施形態の変形例に係るガラス封止工程を経て形成された発光装置は、前述した第2の実施形態に係るガラス封止工程を経て形成された発光装置と同様に、ガラス封止部は粉体ガラスが溶着されている。この場合、内側のガラス封止部は、基板上でLEDの周辺部に供給された所定の性質を有する粉体ガラスを主成分とする封止材料が加熱・加圧によって融着されてなり、LEDを直接に被覆している。また、二層構造のガラス封止部は、押圧により基板に固定されている。これは、ガラスと金属との固定力よりもガラスとセラミックスとの固定力の方が強いからである。
二層構造のガラス封止部は、所望の形状を有し、LEDからの光を透過するとともに、LEDを外部からの水や埃等から保護する。基板、キャビティおよび外側のガラス封止部は、封止後にそれぞれ切断あるいは分割された端面を有し、外側のガラス封止部は、必要に応じて端面、上面の少なくとも一方が研磨される場合がある。
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、前述した第2の実施形態におけるガラス封止工程において、板状のガラスに代えて、所定の性質を有する粉体ガラスを主成分とする材料(粉体ガラスあるいはそれと他の材料との混合物からなる材料)と液体を混合した状態の封止材料を用いるように変形したものである。例えば、前記したように粉体ガラスを主成分とする材料を液体と混合し、湿潤状態程度になるまで液体分を除去した湿潤状態の封止材料を予め準備しておき、この封止材料をキャビティ空間内の三次元形状に充填するようにLED周辺に供給し、当該ガラスをガラス軟化点以上となるように加熱し、封止材料を例えば上金型によりプレス成形することによってガラスを融着させてLEDを封止する。この際、加熱は、ガラスの融点より低い温度となるように加熱する。
上記した第3の実施形態に係る発光装置の製造方法によれば、LEDが実装されている基板上にガラス封止部を形成する際、複雑な三次元形状に対応したガラス封止部であっても、封止材料を漏れなく充填させることが可能になり、ガラス封止部を簡易に量産性良く形成することが可能になる。この際、湿潤状態の封止材料を被封止部に供給することによって、作業時の粉塵の発生がなくなり作業環境が改善され、人体への悪影響が少ない環境下で製造することができる。また、必要箇所以外への材料の付着、飛散がなくなり、製品品質、工程品質が向上する。また、材料の立体形状保持性が良い。また、湿潤状態の封止材料を作成する際、均質な混合を短時間で得られ易い。均質性が得られると、発光の色むらが少ない。
しかも、湿潤状態の封止材料を作成する際、封止材料の撹拌の程度に応じて一次粒子と二次粒子との割合を調整することができる。一次粒子が二次粒子よりも多く、一次粒子の割合が多いほど、発光の色むらが少ない。また、湿潤状態の封止材料を供給し、加熱プレスを行うので、プレス時の成形圧力を低く設定でき、周辺の部材へ与えるダメージを少なくすることができる。
また、一般的に熱膨張率の大きい低融点ガラスの粉体ガラスを用いたとしても、封止材料に粉体フィラーを混入することによってバルクとしての膨張率を低減でき、封止体中、封止体と被封止物界面のクラック抑制と応力を低減することができ、厳しい環境条件下での使用に耐え得る発光装置を実現できる。
また、封止材料に粉末状態の蛍光体を混合することにより、封止材料中に蛍光体を容易に供給することができ、封止材料中の蛍光体の比率を容易に調整することができる。
上記した第3の実施形態において製造された発光装置によれば、LED封止用のガラス封止部が複雑な三次元形状であっても、周辺の部材へ与えるダメージが少ない状態で実現可能であり、色むらが少なく、耐熱性、耐光性、信頼性を高めることができる。また、ガラス封止部に蛍光体を混入させる場合には、蛍光体をLED周辺に配置し、光の取り出し効率を高めることが容易になる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、前述した各実施形態において、基板のLED搭載面側あるいはその裏側に、保護素子(図示せず)が実装されたものである。保護素子として例えばツェナーダイオードがLEDに対して電気的に逆並列接続されている。この場合、ツェナーダイオードは、一対の電極が素子の上下面に分離して形成された構造を有し、一方の電極から基板電極にループ状のワイヤ配線が接続され、前述したフェイスアップ実装状態のLEDと同様にガラス封止がなされている。この際、特にダメージを受けることなくガラス封止が可能である。
なお、赤色発光LED、赤外線発光LEDなどのように、一対の電極が素子の上下面に分離形成されている構造を有するLEDを基板上に実装する場合にも、一方の電極から基板電極にループ状のワイヤ配線を接続するが、前述したフェイスアップ実装状態のLEDと同様にガラス封止が可能である。
第1の実施形態で前述した図1乃至図3を参照しながら一実施例を説明する。キャビティアレイ20の底面部がアルミナ(Al2 3 )製の配線基板30上に接着され、配線基板30の各基板領域30aに基板電極および配線パターン31が形成されたキャビティアレイ付き基板10を形成する。この場合、キャビティ20aの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって傾斜状の変化を有する。そして、スクリーン印刷やメッキ等により配線基板30に基板電極および配線パターン31を形成する。この際、基板電極および配線パターン31をn側の基板電極とp側の基板電極に分け、配線基板30の上面から側面、下面にかけて基板電極および配線パターン31を形成する。次のLED40実装工程のため、キャビティアレイ付き基板10の基板電極および配線パターン31上にAu等のバンプを球状若しくは卵状を形成する。キャビティアレイ付き基板10は、基板電極およびパターン配線31の少なくとも一部が各キャビティ空間の底面に露呈する状態で形成されている。なお、上記キャビティアレイ付き基板10は、最終的には単位領域(30a、20a)毎に個片化されて複数の発光装置に分割される。この際、各発光装置は、基板領域30aに対応する基板30aとキャビティ領域20aに対応するキャビティ20aとからなるキャビティ付き基板10aを備えることになる。
次に、一対の電極41を有するLED40を多数形成しておき、各キャビティ空間内で基板領域30a上に、LED40をフェイスダウン実装することによってLED40実装済みのキャビティアレイ付き基板10を得る。本例では、チップの同一面側に正負一対の電極を有するLED40を基板領域30a上にフェイスダウン実装しているが、LED40をフェイスアップ実装するように変更してもよい。LED40は、発光ピーク波長が460nm近傍にある青色に発光する素子であって、同一面側にn側電極とp側電極とを有し、その反対側に透光性の基板を持つ素子を使用する。このLED40を配線基板30上に載置する際、LED40の透光性の基板をコレット等で吸引して、n側電極とp側電極とをフェイスダウンする。バンプに熱を加え、LED40をコレット等で超音波振動を加え、n側電極およびp側電極をバンプと接合することによって基板電極に電気的に接続する。この後、コレット等の吸引を止め、コレット等を引き上げることによってLED40実装済みのキャビティ付き基板10が得られる。
次に、各キャビティ空間内のLED40を一括してガラスで封止し、この後にガラスを冷却する。このガラス封止に際して、本実施形態では、各キャビティ空間の開口先端面を塞ぐようにキャビティアレイ20上の全体に板状のガラス11を載置する。なお、前記板状のガラス11を形成する際、ガラス、蛍光体およびフィラーを例えば100:40:30(重量%)の割合で混合し、十分に撹拌することにより、ガラス中に蛍光体およびフィラーをほぼ均一に分散させる。本例では、ガラス転移温度Tgが200℃〜600℃、軟化点/屈伏点が250℃〜700℃、かつ、融点が200℃〜800℃、線膨張係数が3〜15ppm 、平均粒径が10nm〜200μmのガラスを使用する。このガラスは、P2 5 を56〜63wt%、Al2 3 を5〜13wt%、ZnOを21〜41wt%含み、さらに、B2 3 、Na2 O、K2 O、Li2 O、MgO、WO3 、Gd2 3 、ZrO2 をそれぞれ0〜6wt%、CaO、SrOをそれぞれ0〜12wt%、BaO、TiO2 、Nb2 5 、Bi2 3 をそれぞれ0〜22wt%含む。
このように板状のガラス11をワークに重ねた状態で金型(上金型51と下金型52)に挟み、所定の加熱成形装置内に配置する。この装置は、内部を所定の温度に保持できるように構成されている。また、加熱成形装置内は、基板電極等の金属に酸化膜を形成させないために、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気中に保持しておくほか、真空にすることも可能である。本例では、窒素雰囲気中でガラス軟化点以上となるように、かつ、ガラスの融点より低い温度となるようにゆっくりと昇温し、全体的に加熱することによって、ガラス11を融着させてLED40を封止する。これにより、ガラスが軟化状態となる。但し、この軟化状態のガラスは融点よりも低い温度であるので、液状となっていない。ガラス11を加熱する温度は200℃以上800℃以下の温度が好ましい。特に500℃以上600℃以下の温度に加熱を行い、ガラスを軟化状態にすることも可能である。
ガラス11が軟化状態となったら、この状態で、下金型52と上金型51とを押圧して、軟化状態のガラスをキャビティアレイ付き基板10に押圧する。この際、ガラス11は軟化状態となっているので、LED40を破壊することなく配線基板30に接触する。
なお、バンプを介して接合されるLED40と基板電極および配線パターン31との隙間に、エポキシ樹脂等の絶縁部材を予め配置しておくこともできる。これにより、LED40から発生する熱を基板電極および配線パターン31側に伝達し易くし、放熱性を向上させることが可能になる。また、フリップチップ実装の場合には、ガラス封止工程における封止材料による押圧に耐えることができる。
所定の温度以下に下金型52および上金型51が冷えたら、上金型51と下金型52とを離し、固化したガラス11がガラス封止部11aとして固着された配線基板30を装置から取り出す。取り出された配線基板30のガラス封止部11aの上面は、そのままでも使用できるが、透光性を向上させるため研磨して平坦面にしておくことが好ましい。ガラス封止部11a、キャビティアレイ20および配線基板30を上方から切断機を用いて切断し、個片化された発光装置を得る。この切断により、ガラス封止部11aの側面が形成される。
ガラス封止部11aおよび配線基板30を切断機を用いて切断する際、配線基板30に達するまで、あるいは、配線基板30に達する付近まで入刃した後、所定の応力を加え、配線基板30と共にガラス封止部11aを分割するようにしてもよい。また、キャビティアレイ付き基板10を個片に分割するために、レーザ光でキャビティアレイ20表面に幅の狭い、深い溝を形成するレーザスクライビングを用いて、分割することもできる。また、配線基板30を割るためには、配線基板30のLED搭載面(ガラス封止部11aが固定されている側)とは反対の裏面側に、配線基板30の厚さの(2/5)〜(3/5)程度まで切り込みを設けておき、この切り込み部分に沿って分割することも可能である。この場合には、ガラス封止部11aの側面は、切断された部分と分割された部分とを有する。ガラス封止部11aの側面は研磨しておくこともできる。これにより製品毎のバラツキを抑制できるからである。
個片化された発光装置の大きさは縦3.0mm、横2.0mm、高さ1.5mmである。キャビティ付き基板10aの大きさは縦3.0mm、横2.0mm、高さ1.0mmである。ガラス封止部11aは、切断機で入刃する分だけキャビティ付き基板10aよりも小さく、その大きさは縦2.9mm、横1.9mm、高さ0.5mmである。
さらに、ガラス封止部11aの表面に被膜を形成してもよい。この被膜の形成は、ガラス封止部11aを切断する前に行ってもよい。被膜は所定のシートを貼り付ける他、被膜を付けたい部分にスプレーする方法、ガラス封止部11aを所定の液中に浸積する方法、所定の物質をスクリーン印刷する方法、スパッタや蒸着により形成する方法などがある。
本発明の発光装置は、携帯電話のバックライト用照明、自動車前照灯、室内照明、屋外照明、各種デ−タを表示するディスプレイ装置、ラインセンサ−など各種センサー、各種インジケータなどの光源、各種計測機器、屋外の案内板、車載機器などの表示に利用される。特に、太陽光、深海、電気炉など、高圧、高温の環境下で使用される機器への適用が可能になる。
本発明の発光装置の製造方法の第1の実施形態における工程の一部を概略的に示す図。 図1に続く工程を概略的に示す断面図。 図1乃至図2の工程を経て個々に分割して得られた発光装置を概略的に示す断面図。 第1の実施の形態のキャビティ付き基板と異なる形状を有する発光装置を概略的に示す断面図。 第1の実施の形態のキャビティ付き基板と異なる形状を有する発光装置を概略的に示す断面図である。 従来のキャビティ付き基板において垂直断面形状が矩形であるキャビティ空間内底面中央部に実装されている固体素子デバイスに対して板状のガラスをホットプレス加工することによってガラス封止部を形成する様子を概略的に示す図。
符号の説明
10、12a、13a…キャビティアレイ付き基板、
10a…キャビティ付き基板、
20…キャビティアレイ、
20a、22a、120a、121a、122a、123a、124a、125a、126a、127a、128a…キャビティ(キャビティアレイの単位領域)、
21…キャビティ空間、
30…配線基板、
30a…基板(配線基板の単位領域)、
31…基板電極およびパターン配線、
40…LED、41…電極、
11…ガラス、11a…ガラス封止部。

Claims (16)

  1. キャビティ付き基板上でキャビティ空間内に発光素子が実装されてガラス封止された発光装置の製造方法であって、
    前記キャビティ空間をそれぞれ有する複数のキャビティ領域が一体的に形成され、各キャビティ空間の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を有するキャビティアレイの底面部を配線基板上に固着してなるキャビティ付き基板を形成する工程と、
    前記各キャビティ空間内で前記配線基板上に前記発光素子を実装する工程と、
    前記キャビティ空間内の前記発光素子をガラスで封止するガラス封止工程と、
    所望の切断位置で前記キャビティ付き基板のダイシングを行い、個々の発光装置に分割する分割工程と、
    を具備することを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 前記ガラス封止工程は、前記キャビティアレイの各キャビティの開口先端面を塞ぐように板状のガラスを載置し、当該ガラスをガラス軟化点以上となるように加熱してプレス成形することによって、前記ガラスを融着させて前記発光素子を封止し、この後に前記ガラスを冷却することを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記ガラス封止工程は、粉体ガラスあるいはそれと他の材料との混合物からなる封止材料を、前記キャビティアレイの各キャビティ空間内の少なくとも発光素子周辺部に充填するように供給し、当該ガラスをガラス軟化点以上となるように加熱して前記封止材料を上金型によりプレス成形することによって前記ガラスを融着させて前記発光素子を封止し、この後に前記ガラスを冷却することを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記ガラス封止工程は、粉体ガラスあるいはそれと他の材料と液体との混合物からなる封止材料を、前記キャビティアレイの各キャビティ空間内の少なくとも発光素子周辺部に充填するように供給し、当該ガラスをガラス軟化点以上となるように加熱して前記封止材料を上金型によりプレス成形することによって前記ガラスを融着させて前記発光素子を封止し、この後に前記ガラスを冷却することを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記加熱は、前記ガラスの融点より低い温度となるように加熱することを特徴とする請求項1乃至4に記載の発光装置の製造方法。
  6. 一対の電極を有する発光素子と、
    上下面間に連通するキャビティ空間を有するキャビティの底面が上面に接着され、キャビティ空間内底面部の基板上に前記発光素子が搭載されるキャビティ付き基板と、
    前記キャビティ空間内底面部の基板上に設けられ、前記発光素子の電極に電気的に接続される基板電極と、
    前記発光素子を封止したガラス封止部と、
    を有する発光装置であって、前記キャビティは、キャビティ空間の開口先端面側から底面側に向かって開口面積が徐々に減少する内壁構造を有することを特徴とする発光装置。
  7. 前記キャビティの内壁面は、開口先端面あるいは中間部から底面部に向かって傾斜状の変化を有することを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  8. 前記キャビティの内壁面は、開口先端面あるいは中間部から底面部に向かって湾曲状の変化を有することを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  9. 前記キャビティの内壁面は、開口先端面から底面部に向かって階段状の変化を有することを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  10. 前記キャビティの内壁面は、開口先端面あるいは中間部から底面部に向かって傾斜状あるいは湾曲状あるいは階段状の変化のうちの少なくとも2つのが組み合わされた複合的な変化を有することを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  11. 前記ガラス封止部は、発光素子の周辺部に供給された粉体ガラスあるいはそれと他の材料と液体との混合物からなる封止材料が融着されてなり、前記封止材料を構成する全粒子中の一次粒子の割合が20%〜100%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  12. 前記ガラス封止部は、SiO2 、BaO、TiO2 、Al2 3 、P2 5 、PbO、B2 3 、ZnO、Nb2 5 、Na2 O、K2 O、Sb2 5 、CaO、Li2 O、WO3 、Gd2 3 、Bi2 3 、ZrO2 、SrO、MgO、La2 3 、Y2 3 、AgO、LiF、NaF、KF、AlF3 、MgF2 、CaF2 、SrF2 、BaF2 、YF3 、LaF3 、SnF2 、ZnF2 のいずれかを含むことを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  13. 前記ガラス封止部は、P2 5 を56〜63wt%、Al2 3 を5〜13wt%、ZnOを21〜41wt%含み、
    さらに、B2 3 、Na2 O、K2 O、Li2 O、MgO、WO3 、Gd2 3 、ZrO2 をそれぞれ0〜6wt%、CaO、SrOをそれぞれ0〜12wt%、BaO、TiO2 、Nb2 5 、Bi2 3 をそれぞれ0〜22wt%含むことを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  14. 前記ガラス封止部は、B2 3 を20〜31wt%、SiO2 を0.3〜14.5wt%、Na2 Oを1〜9wt%、ZnOを40〜58wt%、Nb2 5 を10〜20wt%含み、
    さらに、BaO、TiO2 、Al2 3 、K2 O、CaO、Li2 O、ZrO2 、SrO、MgOをそれぞれ0〜6wt%含むことを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  15. 前記ガラス封止部は、B2 3 を15〜30wt%、SiO2 を1〜9wt%、ZnOを25〜59wt%、Nb2 5 を10〜49wt%含み、
    さらに、BaO、TiO2 、Nb2 5 、CaO、Gd2 3 、SrO、La2 3 、Y2 3 をそれぞれ0〜19wt%、Al2 3 を0〜9wt%、Bi2 3 を0〜9wt%、Na2 O、K2 O、Li2 O、ZrO2 をそれぞれ0〜4wt%含むことを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  16. 前記ガラス封止部は、PbO、B2 3 、SiO2 を含み、前記PbOを29〜69wt%、前記B2 3 を20〜50wt%含むことを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
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