JP2011074719A - 住宅の屋根構造および屋根の構築方法 - Google Patents

住宅の屋根構造および屋根の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】施工が簡単で断熱性能を維持しつつ結露の発生を防止して屋根構造の強度を低下させない住宅の屋根構造および屋根の構築方法提供する。
【解決手段】各垂木10は、その横断面が長方形の長方形部11と、この長方形部11の下方にあって長方形部11よりも幅広の鍔部15とからなり、断熱材20は、隣り合う垂木10の間に組み込まれる嵌合部25と、嵌合部25の両側面の上方部分に突設された出っ張り部27からなり、嵌合部25は、その両側面が組込み時に対応する各垂木10の長方形部11の側面12と当接するように形成され、かつ、出っ張り部27は、断熱材20の上面シート21と連続した延長シート28aと、延長シート28aの下面に接着されかつ嵌合部25の断熱層23と同一素材の延長断熱層28bとを有し、組込み時に上面シート21との境界部分Bを中心として回動して上面シート21と当接するように形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅の屋根構造および屋根の構築方法に関する。
図23〜図25に、一般の木造住宅の屋根構造を示す。図23において、50は垂木、70は野地板である。複数本の垂木50は、住宅の軒から棟に亘って伸延するように配設されており、野地板70はこれらの垂木50上に設けられる。そして、野地板70上にルーフィングおよび瓦等の屋根材74が施工される。なお、75は棟換気孔である。
現今の木造住宅においては、住環境上・屋根耐久性の向上の観点から、屋根構造に通気性および断熱性を付与することが望まれている。そのため、図24および図25に示すように、隣接する垂木(50,50)間には発泡ポリスチレン板等の断熱材60が設けられるとともに、断熱による結露等を防止するために、当該断熱材60の上面と野地板70との間には通気用の空洞(通気洞)65が形成されている(例えば、特許文献1、2参照)。この空洞65(通気洞)は軒から棟へ貫通され、当該通気洞(65)を空気が流通する。なお、断熱材60は、その弾性復元力を利用して隣接する垂木(50,50)間に嵌合されている。
特開平9−144156号公報 特開2005−105532号公報
ところで、上記した特許文献1,2に代表される屋根構造では、経年変化によって断熱材60の弾性が弱まると、垂木50と断熱材60との間に隙間が生じて、当該隙間に結露水が溜まって垂木50等の屋根部材を腐朽させて屋根全体の構造強度を減少させるとともに、断熱性能が低下する。また、上記したように断熱材60に通気洞(65)形成用の溝を形成することは、断熱性能を低下させるとともに、その加工に手間が掛かる。
一般に、断熱材(60)は、図26に示すように、上型81と下型82とからなる型80内に上面シート61および下面シート62を平行に対向配置し、当該両シート(61,62)間に配設された注入口83からポリスチレン等の発泡プラスチックを注入して発泡させて断熱層(63)を形成することによって製造(例えば、特開2000−271944)されるが、この製造段階で上記溝を形成するには特殊な上型81を用意しなければならず、加工費が増大するとともに手間が掛かることになる。また、別方法として、断熱材60を、その両シート(61,62)が平坦になるように作った後に当該平坦な上面シート61の中央部分を除去して溝を形成することも考えられるが、かかる加工方法では断熱性能・耐久性の減少を招くことになる。
本発明の目的は、屋根の断熱性能を維持しつつ結露を防いで構造強度を低下させることのない住宅の屋根構造および屋根の構築方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、住宅の軒から棟に亘って延びる複数本の木製の垂木が設けられており、互いに隣り合う垂木の間には断熱材が組み込まれており、当該断熱材が、平行に対向配置されるとともに任意の部位で折り曲げ可能で防水性の上面シートおよび下面シートと、当該両シート間に配置され該各シートの内面と接着した断熱層とからなる屋根構造において、前記各垂木が、その横断面が長方形の長方形部と、この長方形部の下方にあって当該長方形部よりも幅広の鍔部とからなり、前記断熱材が、隣り合う前記垂木の間に組み込まれる嵌合部と、当該嵌合部の両側面の上方部分に突設された出っ張り部からなり、当該断熱材の嵌合部は、その両側面が組込み時に前記各垂木の長方形部の側面と当接するように形成され、かつ、当該出っ張り部は、前記断熱材の上面シートと連続した延長シートと、該延長シートの下面に接着され前記断熱層と同一素材の延長断熱層とを有し、組込み時に前記上面シートとの境界部分を中心として回動して当該上面シートと当接するように形成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、前記出っ張り部の延長断熱層が、その内側面が下方に行くにしたがって前記嵌合部の側面から離れるように傾斜されていることを特徴とする請求項1記載の住宅の屋根構造である。
請求項3の発明は、前記各垂木を、前記長方形部と、前記鍔部とを有するように形成し、平行に対向配置されるとともに任意の部位で折り曲げ可能で防水性の上面シートおよび下面シートを有しかつ当該両シート間に介装され該各シートの内面と接着した断熱層とからなる断熱材形成用素材を、その幅方向に前記嵌合部の幅寸法および前記各出っ張り部の幅寸法の合計に相応した長さに切断し、次に、当該断熱材形成用素材の両側面を前記出っ張り部および前記嵌合部の側面の一部となる部分だけが残るように他の部分を除去し、次にその状態で、当該嵌合部の側面の一部となる面に沿って当該素材を前記上面シートが所定深さだけ切り込まれるまで切断したことを特徴とする住宅の屋根構造の構築方法である。
請求項4の発明は、前記出っ張り部の延長断熱層の内側面を、下方に行くにしたがって前記嵌合部の端面から離れるように傾斜するように切断したことを特徴とする請求項3記載の住宅の屋根の構築方法である。
本発明によれば、隣接する垂木間に断熱材の嵌合部を嵌め入れ、その状態で当該断熱材を垂木の鍔部に当接するまで下方へ移動させると、この下降中に両出っ張り部には当接した垂木の長方形部から上向きの力が作用する。これによって、断熱材の出っ張り部は、嵌合部の上面シートに接近しようとする方向に回動する。そして、断熱材は、その嵌合部が垂木の鍔部に当接して停止させられると、その出っ張り部は嵌合部の上面シートと当接する位置まで回動される。ここで、断熱材の出っ張り部は、嵌合部の上面シートと当接する位置に達すると垂木の長方形部よりも設定量だけ高くなる。その状態で、断熱材の両出っ張り部上に野地板を載置し、そして釘等の固定部材で当該野地板を垂木に固定する。
このように屋根を構築すると、断熱材の両出っ張り部、嵌合部の上面シートおよび野地板に囲まれた空き空間が形成される。この空き空間の軒側および棟側は開口されている。したがって、かかる空き空間は空気が流通する洞(すなわち通気洞)となる。この通気洞によって屋根に使用される部材に生じる温度差が緩和されるとともに、換気の役割を果たし、その結果として結露が有効に防止される。
なお、仮に何らかの理由で、通気洞の一部(例えば、野地板の下面)で結露が発生したとしても、当該通気洞の側面(延長シート)および底面(嵌合部の上面シート)は防水性に富んでいるので、結露水が当該通気洞外の垂木や断熱層へ結露水が浸透してしまうようなことはない。また、断熱材と垂木との当接箇所に隙間が生じていると、断熱性能が低下するばかりか当該隙間で結露が発生しやすいのであるが、当該断熱材の下面(嵌合部の下面シート)は野地板によって垂木の鍔部へ強く押圧されているので、当該断熱材の弾性力が減少したとしてもそのような隙間が生じるようなことはない。
また、上記したように断熱材は隣接する垂木間に嵌合される際に横方向に押し縮められて外向きの弾性復元力が働きやすい状態で嵌合されるのであるが、さらに野地板によって上下方向に押し縮められる結果ポアソン比に応じた外向きの横方向の弾性復元力が発生するので、断熱材の側面と垂木の長方形部の側面とは強く密着され隙間は生じない。このように、断熱材の弾性が経年変化等によって低下しても、当該断熱材と垂木との当接箇所に隙間は生ぜず結露は発生しない。
以上から、上記構成の屋根構造およびその構築方法によれば、施工が簡単で断熱性能を維持しつつ結露の発生を防止して屋根構造の強度を低下させない。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る住宅の屋根構造は、図22に示すように、当該住宅の軒から棟に亘って伸延するように配設された複数本の垂木10と、隣接する垂木(10,10)間に嵌合された断熱材20と、各垂木10上に設けられた野地板40とを有し、図1に示すように、断熱材20が両垂木(10,10)間に嵌合されると自動的に通気洞形成用突起(27)が出現する構成とされている。なお、図22に示すように、野地板40上にはルーフィングおよび瓦等の屋根材45が施工される。なお、75は棟換気孔である。
具体的に本屋根構造の各構成要素を説明する。
各垂木10は、図1および図5に示すように、その横断面が長方形の長方形部11と、この長方形部11の下方にあって当該長方形部11よりも幅広の鍔部15とからなる。この実施形態では、垂木10の第1高さ(すなわち、鍔部15の底面16から長方形部11の上面13までの長さ)H1、第2高さ(鍔部15の上面17から長方形部11の上面13までの長さ)H2などは、屋根の大きさ等をもとに算出される。同様に、垂木10の縦方向長さ(図5で軒側端面19から棟側端面19bの長さ)も屋根の大きさ等をもとに算出される。この実施形態では、垂木10は、一度に5面を加工可能な加工機械によって、一本の長寸の木製部材の所定部位を切断することにより一体形成されている。なお、上記した長方形部11と鍔部15とを別部材で作った後に合体させて垂木10を形成してもよい。
次に、断熱材20は、素材的には、図1に示すように、上面シート21、下面シート22および両シート(21,22)に挟まれた断熱層23とからなる。上面シート21および下面シート22は、任意の部位で折り曲げ可能で防水性に富んだ薄板状プラスチック製とされており、互いに平行に対向配置されている。上記断熱層23は、発泡プラスチック(例えば、ポリスチレン)製とされており、上記両シート(21,22)の内面と強固に接着されている。この断熱層23が主に断熱機能を発揮する部分である。なお、断熱材20の製造時に、上記両シート(21,22)の間隔(すなわち、上面シート21の上側面から下面シート22の下側面までの長さ)H10が、垂木10の第2高さH2よりも所定長さβ(例えば2mm)だけ短くなるように選択されている。
この断熱材20は、形状的には、図1に示すように、隣り合う垂木(10,10)の間に嵌め入れられる嵌合部25と、当該嵌合部25の両側面(26,26)の上方部分に突設された出っ張り部(27,27)からなる。
より具体的には、断熱材20の嵌合部25は、その横方向(幅方向)長さL10は、対応する各垂木(10,10)間の間隔L0よりも所定長さα(例えば2mm)だけ長くなるように形成されている。なお、ここで、両垂木(10,10)間の間隔L0は、それぞれの長方形部(11,11)の対向する側面12間の距離を意味する。
また、断熱材20の特徴部である出っ張り部27は、図9に示すように、上記嵌合部25の両側面(26,26)の上方部分に当該嵌合部25から横方向(幅方向)に所定長さL11だけ外方へ突出するように設けられている。具体的には、この出っ張り部27は、上記嵌合部25の上面シート21と連続した(繋がった)延長シート28aと、当該延長シート28aの下面に接着されており当該嵌合部25の断熱層23と同一素材の延長断熱層28bとを有し、図中2点鎖線で示すように、上記両シート(21,28a)の境界部分Bを中心として矢印E方向に180°回動して当該嵌合部25の上面シート21と当接可能に形成されている。
ここに、上記出っ張り部27の高さ(上記延長シート28aから上記延長断熱層28bの下面までの長さ)H11は、図2に示すように、上記回動が終了した状態で垂木10の長方形部11の上面13よりも所定長さγ(例えば2mm)だけ高くなるように設定されている。
なお、上記したように断熱材20の上面シート21は任意の部位で折り曲げ可能であるので、上記回動は円滑に行われる。特に、この実施形態では、図9に示すように、上記両シート(21,28a)の境界部分Bは切り込みがいれられて厚さが小さくされているので、出っ張り部27は当該境界部分Bを中心として円滑に折り曲げられる。また、断熱材20の嵌合部25の上面シート21と断熱層23および出っ張り部27の延長シート28aと延長断熱層28bとは、それぞれ強固に接着しているので上記回動によって剥がれるようなことはない。また、上記回動によって上記両シート(21,28a)の境界部分Bでも破断するようなことはない。
(上記断熱材20の具体的形成方法)
本屋根構造の要部である断熱材20は次のように形成される。
(1) 上記嵌合部25および両側の出っ張り部27が形成できるような断熱材形成用素材(20A)を用意する。なお、断熱材形成用素材(20A)の製造方法は、発明が解決しようとする課題の欄で述べた特開2000−271944に開示された方法と同じであるので、その詳細は省略する。
(2) この断熱材形成用素材(20A)を、図6に示すように、その横方向長さ(幅方向長さ)をL10+2×L11に切断する。
(3) 上記(2)で成形された断熱材形成用素材20Aを、図7に示すように、その側面24Aから長さL11および下面から(H10−H11)の直方体部分(図7中2点鎖線部分)を切除する。
(4) 次に、図8および図9に示すように、上記(3)の切断作業で出現した側面(24B)に沿って断熱材形成用素材20Aを上面シート21Aが所定深さt1(この実施形態では厚さtの半分)まで切り込まれるまで切断する。なお、断熱材形成用素材20Aの切り込み深さは、当該シート21Aの折り曲げやすさで決定される。すなわち、上記シート21Aの剛性が高く折り曲げにくい場合には切り込み量を大きくし、反対に折り曲げやすい場合には切り込み量を小さくする。なお、上面シート21Aが特に折り曲げやすい場合には、当該シート21Aに切り込みが全然入らないように切断してもよい。このような切断作業によって、上記嵌合部25の両側面26の上方部分に横断面長方形状(幅L11および高さH11)の出っ張り部27が形成される。
以上のような形成作業によって断熱材20が形成される。
なお、上記具体的形成方法では出っ張り部27を横断面長方形状としたが、図16に示すように、その内側面29bを下方に行くにしたがって上記嵌合部25の側面26から離れるように傾斜するように断熱材(20)を形成してもよい。なお、かかる断熱材(20)は、その内側面29bが傾斜面となっている他は上記した横断面長方形状の出っ張り部27を有する断熱材20と同様構成である。
(屋根の構築)
上記した垂木10および断熱材20を用いて屋根を構築する場合、図1中2点鎖線に示すように、隣接する垂木(10,10)間に断熱材20の嵌合部25を嵌めいれる。すると、図10〜図14に示すように、断熱材20の嵌合部25が対応する垂木10の長方形部11の側面12と当接しながら下方へ移動するに従って、出っ張り部27には垂木10の長方形部11の上面13から上向きの力が作用する。この上向きの力は上記両シート(28a,21)の境界部分Bの図11中左側の出っ張り部27部分に作用するので、当該出っ張り部27は嵌合部25に対して矢印E方向に回動し始める。なお、断熱材20の両出っ張り部27の動きは完全に対称であるので、これからの説明では一方のみ図示して説明することにして他方は省略する。
そして、図12に示すように、断熱材20の嵌合部25の上面(21)が垂木10の長方形部11の上面13と同一高さになる位置に達した段階では、出っ張り部27は図10に示す初期位置から矢印E方向に90°回転して内側面29bが長方形部11の上面13と当接する。さらに、その位置から断熱材20の嵌合部25が下がり続けると、出っ張り部27には垂木10の長方形部11の内角14および側面12から上向きの力が作用する。これによって、出っ張り部27は、矢印E方向の回動を続けて、図13および図14に示すように、断熱材20の嵌合部25の上面(上面シート21)が垂木10の長方形部11の上面13より下がった段階では初期位置から矢印E方向に180°回転して当該嵌合部25の上面(21)と当接する。その状態で、断熱材20は、図15に示すように、その嵌合部25の下面(22)が垂木10の鍔部15にまで達すると、下降が停止される。このように、断熱材20が隣接垂木(10,10)間に嵌めいれられて下降作業が完了すると、両出っ張り部(27,27)は嵌合部25の上面(21)に当接した位置(通気洞形成位置)に係止される。
このように断熱材20の嵌合部25を垂木(10,10)間に嵌め入れて下降させると、特別な操作をすることなく、図15に示すように、出っ張り部25は当該嵌合部25の上面シート21に当接する位置まで回動されて通気洞形成用出っ張り部分となる。この状態では、出っ張り部27は垂木10の上面(13)よりも所定長さγだけ高い。
その状態で、図3に示すように、両出っ張り部(27,27)上に野地板40を載置し、そして図4に示す釘43等の固定部材で当該野地板40を垂木10に固定する。その後、野地板40上にルーフィングおよび瓦等の屋根材45を施す。
なお、出っ張り部27の内側面29bが傾斜面となっている図16に示す断熱材(20)でも、その嵌合部25を隣接する垂木(10,10)間に嵌め入れて下降させると、図17〜図20に示すように、当該出っ張り部27が当該嵌合部25に対して矢印E方向に回動して、図21に示す下降完了位置に達した場合には当該出っ張り部27は当該嵌合部25の上面シート21と当接する。ここで、断熱材(20)では、上記嵌合部25の下降中にその出っ張り部27には上記断熱材20の場合と同様に垂木10の長方形部11から上向きの力が作用して矢印E方向に回動する。ここで、断熱材(20)の出っ張り部27は、その傾斜した内側面29bを介して上記した上向きの力が作用するようになると、当該上向き力の伝わりかたが上記断熱材20の場合よりも一段となめらかになる。したがって、断熱材(20)の出っ張り部27の回動が一段と円滑になる。なお、垂木10の内角14を面取り(C)すれば、断熱材20の出っ張り部27の矢印E方向の回動(特に、嵌合部25が垂木10よりも下がった段階の回動)が一段と円滑になる。
このように屋根を構築すると、断熱材20の両出っ張り部(25,25)、嵌合部25の上面シート21および野地板40に囲まれた空き空間が形成される。この空き空間は住宅の軒から棟へ貫通しており、図4に示すように、空気が流通する洞(すなわち、通気洞39)を形成する。この通気洞39によって屋根に使用される部材に生じる温度差が緩和されるとともに、換気の役割を果たし、その結果として結露が有効に防止される。
なお、仮に何らかの理由で、通気洞39の一部(例えば、その天井面)で結露が発生したとしても、その側面(28a)および底面(21)は防水性に富んでいるので、結露水が当該通気洞39外の垂木10や断熱層23へ結露水が浸透してしまうようなことはない。また、断熱材20と垂木10との当接箇所に隙間が生じていると、断熱性能が低下するばかりか当該隙間で結露が発生しやすいのであるが、次に述べるように本発明では断熱材20が経年変化等によって弾性力が減少したとしても垂木10との当接箇所に隙間が生じない。
(1)断熱材20の下面(22)と垂木10の鍔部15との当接箇所
上記したように、断熱材20の下面(22)は野地板40および固定部材(43)によって垂木10の鍔部15へ強く押圧されているので、当該断熱材20の弾性力が減少したとしてもそのような隙間が生じるようなことはない。したがって、当該箇所における結露の発生が防止される。
(2)断熱材20の嵌合部25の側面26と垂木10の長方形部11との当接箇所
断熱材20は隣接する垂木(10,10)間に嵌合される際に横方向に押し縮められて外向きの弾性復元力が働きやすい状態で嵌合されるのであるが、さらに上記野地板40によって上下方向に押し縮められる結果ポアソン比に応じた横方向の弾性復元力が発生するので、断熱材20の側面26と垂木10の長方形部11の側面12とは強く密着され隙間は生じない。したがって、当該箇所における結露の発生が防止される。
以上から、上記構成の屋根構造およびその構築方法によれば、施工が簡単で断熱性能を維持しつつ結露の発生を防止して屋根構造の強度を低下させない。
本発明の実施形態を説明するための図である。 断熱材の出っ張り部と垂木との位置関係が一段と円滑 本屋根の構築方法を説明するための図(1)である。 本屋根の構築方法を説明するための図(2)である。 垂木を説明するための斜視図である。 断熱材の形成方法を説明するための図(1)である。 断熱材の形成方法を説明するための図(2)である。 断熱材の形成方法を説明するための図(3)である。 本発明の要部である断熱材を説明するための横断面図である。 隣接する垂木間に断熱材を組み込む作業を説明するための図(1)である。 隣接する垂木間に断熱材を組み込む作業を説明するための図(2)である。 隣接する垂木間に断熱材を組み込む作業を説明するための図(3)である。 隣接する垂木間に断熱材を組み込む作業を説明するための図(4)である。 隣接する垂木間に断熱材を組み込む作業を説明するための図(5)である。 隣接する垂木間に断熱材を組み込む作業を説明するための図(6)である。 断熱材の変形例を説明するための図である。 隣接する垂木間に変形断熱材を組み込む作業を説明するための図(1)である。 隣接する垂木間に変形断熱材を組み込む作業を説明するための図(2)である。 隣接する垂木間に変形断熱材を組み込む作業を説明するための図(3)である。 隣接する垂木間に変形断熱材を組み込む作業を説明するための図(4)である。 垂木の変形例を説明するための横断面図である。 本発明に係る屋根の全体構成を説明するための図である。 従来の屋根構造を説明するための図(1)である。 従来の屋根構造を説明するための図(2)である。 従来の屋根構造を説明するための図(3)である。 断熱材素材を製造する方法を説明するための図である。
10 垂木
11 長方形部
12 側面
13 上面
14 内角
15 鍔部
16 底面
17 上面
20 断熱材
20A 断熱材形成素材
21 上面シート
22 下面シート
23 断熱層
24 側面
25 嵌合部
26 側面
27 出っ張り部
28a 延長シート
28b 延長断熱層
29a 下面
29b 内側面
39 通気洞
40 野地板
43 釘(固定部材)
45 屋根材

Claims (4)

  1. 住宅の軒から棟に亘って延びる複数本の木製の垂木が設けられており、互いに隣り合う垂木の間には断熱材が組み込まれており、当該断熱材が、平行に対向配置されるとともに任意の部位で折り曲げ可能で防水性の上面シートおよび下面シートと、当該両シート間に配置され該各シートの内面と接着した断熱層とからなる屋根構造において、
    前記各垂木が、その横断面が長方形の長方形部と、この長方形部の下方にあって当該長方形部よりも幅広の鍔部とからなり、
    前記断熱材が、隣り合う前記垂木の間に組み込まれる嵌合部と、当該嵌合部の両側面の上方部分に突設された出っ張り部からなり、当該断熱材の嵌合部は、その両側面が組込み時に前記各垂木の長方形部の側面と当接するように形成され、かつ、当該出っ張り部は、前記断熱材の上面シートと連続した延長シートと、該延長シートの下面に接着され前記断熱層と同一素材の延長断熱層とを有し、組込み時に前記上面シートとの境界部分を中心として回動して当該上面シートと当接して前記各垂木よりも所定長さだけ上方へ突出するように形成されていることを特徴とする住宅の屋根構造。
  2. 前記出っ張り部の延長断熱層が、その内側面が下方に行くにしたがって前記嵌合部の側面から離れるように傾斜されていることを特徴とする請求項1記載の住宅の屋根構造。
  3. 前記各垂木を、前記長方形部と、前記鍔部とを有するように形成し、
    平行に対向配置されるとともに任意の部位で折り曲げ可能で防水性の上面シートおよび下面シートを有しかつ当該両シート間に介装され該各シートの内面と接着した断熱層とからなる断熱材形成用素材を、その幅方向に前記嵌合部の幅寸法および前記各出っ張り部の幅寸法の合計に相応した長さに切断し、次に、当該断熱材形成用素材の両側面を前記出っ張り部および前記嵌合部の側面の一部となる部分だけが残るように他の部分を除去し、次にその状態で、当該嵌合部の側面の一部となる面に沿って当該素材を前記上面シートが所定深さだけ切り込まれるまで切断したことを特徴とする住宅の屋根構造の構築方法。
  4. 前記出っ張り部の延長断熱層の内側面を、下方に行くにしたがって前記嵌合部の端面から離れるように傾斜するように切断したことを特徴とする請求項3記載の住宅の屋根の構築方法。
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