JP5435321B2 - 縦葺き外装構造 - Google Patents
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Description
特許文献2には、金属製屋根板1(=外装材)の側縁にアール状のコーナー8を設け、さらに垂直状に形成した上端に立ハゼ2を設け、この外装材の立ハゼ2を吊り子3のハゼ止め部5に係合させ、略Ω形状に形成したキャップ式金属瓦棒4(=キャップ材)の脚片をコーナー8に接触させるように嵌め込んだ金属瓦棒屋根が開示されている。
さらに、前記特許文献2の構造では、キャップ式金属瓦棒4(=キャップ材)の脚片がアール状に成形され、金属製屋根板1(=外装材)のアール状のコーナー8と重合状に接しているため、例えば左右方向から強風が作用した場合などにもキャップ材の左右の傾斜は防止されるものの、面板部を流れる雨水が、脚片と立上り部との隙間から毛細管作用により浸入しやすいという問題があった。
縦葺き外装材は、面板部の左右の側縁を立ち上げた側縁成形部を備える構成であり、この側縁成形部は、後述する保持部材にて下地に取り付けられるものであれば、保持部材の構成に応じて適宜に形成すればよく、例えば後述する図示実施例に示されるように単なる起立片状でもよく、特に限定するものではない。
また、縦葺き外装材は、後述するキャップ材を配設した状態で、その当接部分の外側に(キャップ材としては内側)に隅部空間が形成される構成であり、この隅部空間は、後述するキャップ材の形状に応じて適宜に形成すればよく、例えば後述する図示実施例に示されるように単なる直角状の隅部でもよく、特に限定するものではない。
保持部材は、隣り合う前記縦葺き外装材の対向させた側縁成形部を下地に取り付けるものであり、後述するキャップ材を係合させる構成を備えるものである。
「隣り合う前記縦葺き外装材の対向させた側縁成形部を下地に取り付ける」構成とは、下地への固定部と側縁成形部を保持する保持部とを併せ持つということである。
また、「キャップ材を係合させる構成」とは、キャップ材の係合部に対する被係合部を備えるということである。即ち保持部材は、下地への固定部と、側縁成形部を保持する保持部と、キャップ材を係合させる被係合部とを有する構成であり、後述する図示実施例のように単一部材で構成されるものでも、或いは複数部材を組み合わせて構成されるものでもよい。
さらに、この保持部材は、予め所定の形状に成形したものを下地に固定するものでも、或いは後述する図示実施例のように下地に固定した保持部材に縦葺き外装材を臨ませ、その後に保持部材の一部を変形させて縦葺き外装材の側縁成形部を保持するようにしてもよい。即ち保持部は、縦葺き外装材の配設以前に形成しておくものでも縦葺き外装材の配設後に変形させて形成するものでもよい。
キャップ材は、隣り合う前記縦葺き外装材の対向させた側縁成形部に跨るように配して前記保持部材に係合させるものであって、左右の脚片が縦葺き外装材の面板部に当接するものであり、さらには当接部分の内側に隅部空間が形成されるものである。
「隣り合う前記縦葺き外装材の対向させた側縁成形部に跨るように配して前記保持部材に係合させる」構成とは、左右の側縁成形部間を覆う覆い部を備え、前記保持部材の被係合部に係合させる係合部を備えるということである。
また、「左右の脚片が縦葺き外装材の面板部に当接する」構成とは、キャップ材の敷設状態において左右の脚片(の下端)が面板部に上方から押圧するように当接する当接部を備えるということである。特に当接部を、縦葺き外装材の面板部に面状に沿うようにすることにより、面接触させることが望ましい。例えば当接部が面板部に線接触する場合には、当接部が面板部から僅かに離反した隙間に風が内部に吹き込み、キャップ材を吹き飛ばす事故を引き起こす恐れがあるが、面接触させることにより、側方からの強風はむしろ下方へ押さえ付ける作用を果たすからである。
さらに、「当接部分の内側に隅部空間が形成される」という構成は、既に前記(A)縦葺き外装材の項にて説明したように、キャップ材を配設した状態で、その当接部分の内側(縦葺き外装材としては外側)に隅部空間が形成される構成である。そして、この隅部空間は、前記縦葺き外装材の形状に応じて適宜に形成すればよく、例えば後述する図示実施例に示されるように単なる傾斜片状でもよく、特に限定するものではない。
この外装材1は、流れ方向に連続する通し材でもよいし、定尺の外装材を公知の連結構造を用いて接続したものでもよく、表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板、真鍮板、鉛板等の公知の金属素材、炭素繊維積層板、硬質樹脂板等より成形され、素材が金属板の場合にはロール成形、或いはプレス成型、或いは両者の組合せにより成形(成型)される。素材が非金属素材の場合には、主に型成型により成型される。また、その素材厚は特に限定するものではないが、概ね0.4乃至1.6mm程度である。
この保持部材2は、短尺なピース材であっても長尺であってもよく、後述する図2にて詳細に説明するが、下地4に固定した保持部材2に外装材1を臨ませ、その後に保持部材2の一部を変形させて(=保持部24を形成する)外装材1の側縁成形部12を保持するものであり、前記変形を可能とする素材であれば特に限定するものではないが、例えば前記外装材1と同様の素材にて形成してもよい。或いは予め所定の形状に成形したものとする場合には、アルミや硬質樹脂による押出成形品、メッキ鋼板、ステンレス鋼板等のプレス加工品及びセラミック等より形成すればよい。
尚、下地4としては野地材の表面に所定厚みの合板を配したものを用いた。
このキャップ材3は、前記外装材1と同様に流れ方向に連続する通し材でもよいし、定尺の外装材を公知の連結構造を用いて接続したものでもよく、前記外装材1と同様の素材にて形成すればよい。
尚、前記外装材1は面板部11の側縁を略垂直状に立ち上げて側縁成形部12を形成したのに対し、このキャップ材3の脚片33は傾斜片状であるため、両部材(1,3)の間には、脚片33の下端である当接部331の内側(外装材1としては外側)に隅部空間34が形成されるものとなる。また、キャップ材3の覆い部31の頂部内面には、不定形の弾性材兼止水材35を配した。この弾性材兼止水材35は、単なる弾性材でも単なる止水材でもよいが、弾性と止水性を併せ持つ材料が好ましく、定形のものでも不定形のものでもよい。
まず、下地4上の所定位置に、保持部材2を配してその固定部21を固定具22にて固定する。
続いて、保持部材2の縦片部23を挟んで左右に外装材1,1を配し、それぞれの側縁成形部12,12を対向状に臨ませる。
その後、保持部材2の縦片部23の上方部分を折曲して左右の外装材1,1の側縁成形部12,12を保持する。即ち保持部24,24を形成する。
最後に、予め頂部内面に弾性材兼止水材35を配したキャップ材3を、対向させた側縁成形部12,12に跨るように配して係合部32,32を保持部材2の被係合部25,25に係合させ、キャップ材3の脚片33,33の下端(面状の当接部331,331)を外装材1,1の面板部11,11に当接(面接触)させる。この当接部331,331の内側には、隅部空間34,34が形成される。
また、当接部331の内側(外装材1としては外側)には隅部空間34が形成されているので、当接部331の内側に毛細管作用による雨水の浸入を生ずることもないし、仮に隅部空間34に雨水が浸入してもこの隅部空間34内を水下側へ流下する。
図2(e),(f)は、前記丸波部分204、折部205をそれぞれ折曲して保持部24、被係合部25とする状況を示す拡大断面図であり、この例における外装材1'については、後述する図3の実施例にて詳細に説明する。
図2(f)では、折曲された丸波部分204,204(保持部24,24)が、左右の外装材1,1の側縁成形部12,12を外側から押圧状に保持する。折部205,205は予め外側へ折り曲げておいてもよく、丸波部分204,204の折曲に伴って被係合部25,25となる。
そのため、この実施例では、毛細管作用による雨水の浸入をより確実に防止することができ、また仮に当接部331'から内側に雨水が浸入しても、隅部空間34'にて水下側へより確実に流下させることができる。
さらに、キャップ材3'の当接部331'は、前記図1の実施例における当接部331に比べて面板部11方向により長く延在する形状(より広い面状、より広幅の面部)であって、前記図1の実施例と同様に、側方から強風が吹いても、むしろ強風が下方へ押さえ付ける作用を果たし、キャップ材3'の内部への風の吹き込みが生ずることがなく、安定した係合状態が維持される。また、前記図1の実施例と同様に、隅部空間34'内が減圧状態になることがなく、雨水を内部に導くことがない。
そのため、この実施例では、面板部11を流れる雨水が流水部分15を水下側へ流下するため、雨水が側縁に集まることを防止することができる。
11 面板部
12 側面成形部
13 凹状溝
14 隆起部
2,2' 保持部材
21 固定部
24 保持部
25 被係合部
3,3' キャップ材
31 覆い部
32 係合部
33 脚片
331,331' 当接部
34,34' 隅部空間
4 下地
Claims (3)
- 左右側縁を立ち上げた縦葺き外装材を、保持部材と、キャップ材とを用いて施工した縦葺き外装構造であって、
前記縦葺き外装材は、面板部の左右の側縁を立ち上げた側縁成形部を備え、
前記保持部材は、縦片部と、この縦片部の上端に設けられて前記側縁成形部を保持する保持部と、キャップ材を係合させる被係合部とを有し、前記保持部は、複数の円弧状の突出部分を備え、
前記キャップ材は、板材からなる成形体であって、左右の脚片が前記縦葺き外装材の面板部に上方から押圧するように当接する当接部を備え、
隣り合う縦葺き外装材の対向させた側縁成形部の外側から前記保持部材の保持部を押圧状に接することにより下地に取り付け、対向させた側縁成形部に跨るようにキャップ材を配して保持部材に係合させ、キャップ材の当接部を縦葺き外装材の面板部に面接触させると共に、その内側に隅部空間が形成されることを特徴とする縦葺き外装構造。 - 縦葺き外装材の当接部分と側縁成形部との間に凹状溝が形成されて隅部空間が拡大されていることを特徴とする請求項1に記載の縦葺き外装構造。
- 縦葺き外装材の面板部に隆起部が形成され、該隆起部にてキャップ材の脚片と当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載の縦葺き外装構造。
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