JP2011074661A - 建設機械の旋回フレーム - Google Patents

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Abstract

【課題】 底板上に設ける左,右の縦梁を複数のパイプ材を用いて形成することにより、十分な強度を確保すると共に軽量化できるようにする。
【解決手段】 センタフレーム12の底板13上に設ける左,右の縦梁14,15を、長尺な円筒状の金属パイプ材を用いて形成され底板13の前,後方向に延びた左側の主パイプ部16,右側の主パイプ部19と、主パイプ部16,19と底板13との間に骨組み構造をなして配置された短尺な円筒状の金属パイプ材からなる複数の左側の補強パイプ部17,18,右側の補強パイプ部20,21とにより構成する。そして、骨組み構造をなす金属パイプ材を底板13の上側で前,後方向に延ばして配置することにより、前側のスイングポスト取付部22と後側のウエイト取付部28とを底板13と一緒に連結する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の上部旋回体に好適に用いられる建設機械の旋回フレームに関し、特に、前部側にスイングポスト式の作業装置を左,右方向に揺動可能に設ける構成とした建設機械の旋回フレームに関する。
一般に、油圧ショベル等の建設機械は、下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に設けられ土砂の掘削作業等を行う作業装置とにより構成されている。
また、所謂後方小旋回式と呼ばれる小型の油圧ショベル等は、上部旋回体の旋回フレームに対して作業装置のブームを、スイングポスト等を用いて左,右方向に揺動可能に連結する構成としたスイングポスト式の作業装置を採用している(例えば、特許文献1,2参照)。
そして、この種の従来技術による旋回フレームは、下部走行体上に旋回可能に取付けられる底板と、該底板から上向きに立設され底板の前,後方向に延びる左,右の縦板と、該左,右の縦板および前記底板の前端側に設けられスイングポスト式の作業装置を左,右方向に揺動可能に支持するスイングポスト取付部等とにより構成されている。
特開2005−60976号公報 特開2005−336920号公報
ところで、上述した従来技術では、左,右の縦板を剛性の高い鋼板からなる厚い板材により形成し、この板材を底板上に前,後方向に延びるように立設する構成としている。そして、このように形成した左,右の縦板は、前記作業装置側からスイングポスト取付部が受ける曲げ荷重等を、前記底板と共に受承するものである。
しかし、この場合の左,右の縦板は、十分な強度を確保するために板厚や高さ寸法を大きくせざるを得ず、必然的に重量物となっている。このため、左,右の縦板(即ち、左,右の縦梁)は、建設機械の小型、軽量化を図る上で障害になっており、十分な強度を確保しつつ、軽量化を図るということは大きな検討課題となっている。
また、左,右の縦板の内側と外側には、油圧ポンプからの圧油を複数の油圧アクチュエータに給排するための油圧ホース類を板厚方向に貫通して配置する構成としている。このため、前記縦板の途中部位には、油圧ホースを挿通するための穴加工を施し、この穴加工部の周囲には油圧ホースを縦板との接触、干渉から保護するための保護部材を追加して設ける等の対策が必要となっている。
この結果、前記縦板に設ける挿通穴の穴加工に余分な手間が掛かる上に、油圧ホース用の保護部材により部品点数が増加し、組立て時の作業性が悪くなるという問題がある。さらに、前述の如く縦板に穴加工を施すことにより、縦板の強度低下を招くという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、縦板に替えて縦梁を骨組み構造をなすパイプ材を用いて形成することにより、十分な強度を確保することができる上に、軽量化も図ることができるようにした建設機械の旋回フレームを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、中空円筒状のパイプ材を用いることにより、油圧ホース用の挿通穴等を特別に穴加工にして設ける必要がなくなり、油圧ホースを接触、干渉から保護するための保護部材等も不要とすることができるようにした建設機械の旋回フレームを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、下部走行体上に旋回輪を介して設けられる底板と、該底板の上側に設けられ該底板の前,後方向に延びる左,右の縦梁と、該左,右の縦梁の前側に位置して前記底板の前部側に設けられスイングポスト式の作業装置を左,右方向に揺動可能に支持するスイングポスト取付部と、前記左,右の縦梁の後側に位置して前記底板の後部側に設けられカウンタウエイトが取付けられるウエイト取付部とを備えてなる建設機械の旋回フレームに適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記左,右の縦梁は、前記底板の前,後方向に沿って延び前側の前記スイングポスト取付部と後側の前記ウエイト取付部とを前記底板と一緒に連結するパイプ材により構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記底板の上側には、前記ウエイト取付部の前側に位置して前記底板の左,右方向に延びる仕切板を設け、前記パイプ材からなる前記左,右の縦梁は、該仕切板を挟んで前,後方向に延在する構成としている。
また、請求項3の発明によると、前記底板には前記旋回輪が取付けられる旋回輪取付部を設け、前記パイプ材からなる前記左,右の縦梁は、該旋回輪取付部の位置で前記底板に対して溶接手段により接合すると共に、前記スイングポスト取付部に対して溶接手段により接合する構成としている。
また、請求項4の発明によると、前記底板には前記旋回輪が取付けられる旋回輪取付部を設け、前記パイプ材からなる前記左,右の縦梁は、該旋回輪取付部の位置で前記底板に対して溶接手段により接合すると共に、前記ウエイト取付部に対して溶接手段により接合する構成としている。
一方、請求項5の発明によると、前記左,右の縦梁は、前記底板の前,後方向に延びる長尺なパイプ材からなる主パイプ部と、該主パイプ部と前記底板との間に上,下方向及び/又は斜め方向に延びて配置される短尺なパイプ材からなる複数の補強パイプ部とにより構成している。
また、請求項6の発明によると、前記主パイプ部は、その前端を前記スイングポスト取付部に溶接手段により接合して設け、後端側は下向きに湾曲して折曲げられた後端折曲げ部となり、該後端折曲げ部の下側端部を前記ウエイト取付部に溶接手段により接合して設ける構成としている。
また、請求項7の発明によると、前記左,右の縦梁には、両者間を左,右方向で連結する連結パイプ部を設ける構成としている。
上述の如く、請求項1の発明によれば、底板の上側で前,後方向に延びる左,右の縦梁を、パイプ材を用いて形成することができ、縦梁としての十分な強度を確保できると共に、軽量化を図ることができる。そして、パイプ材を底板の上側で前,後方向に延ばし、骨組み構造(例えば、三角形のトラス構造またはラチス構造)をなして配置することにより、前側のスイングポスト取付部と後側のウエイト取付部とを前記底板と一緒に連結することができ、前側のスイングポスト取付部と後側のウエイト取付部とを十分な強度をもって支持することができる。
また、左,右の縦梁を円筒状のパイプ材により骨組み構造をなして形成することにより、油圧ホース用の挿通穴等を特別に穴加工して設ける必要がなくなり、複数のパイプ材間の隙間(空間)を、油圧ホース等の挿通穴として活かすことができる。しかも、この場合の油圧ホースがパイプ材に接触しても、円形なパイプ材を用いているために油圧ホースの摩耗、損傷を防ぐことができ、油圧ホースを保護する保護部材等を従来技術のように用いる必要がなくなり、部品点数を削減して組立て時の作業性等を高めることができる。
また、請求項2の発明は、底板の上側に設けた左,右方向に延びる仕切板により、ウエイト取付部の前側に位置して、例えばエンジン用の機械室等を画成することができ、エンジンからの騒音、熱等が機械室の外側に洩れるのを前記仕切板により防ぐことができる。また、パイプ材からなる左,右の縦梁は、仕切板を挟んで前,後方向に延在する構成としているので、底板上を左,右方向に延びる仕切板と、該仕切板を挟んで前,後方向に延在する左,右の縦梁とにより、旋回フレームの強度を高めることができる。
また、請求項3の発明によると、パイプ材を用いて形成した左,右の縦梁を、旋回輪取付部の位置で底板に対して溶接により接合できると共に、前側のスイングポスト取付部に対しても溶接により接合することができる。これにより、パイプ材からなる左,右の縦梁を用いて、底板のうち旋回輪取付部の近傍位置とスイングポスト取付部との強度アップを図ることができる。
また、請求項4の発明によると、パイプ材を用いて形成した左,右の縦梁を、旋回輪取付部の位置で底板に対して溶接により接合できると共に、後側のウエイト取付部に対しても溶接により接合することができる。これにより、パイプ材からなる左,右の縦梁を用いて、旋回輪取付部の近傍位置とウエイト取付部との強度アップを図ることができる。
一方、請求項5の発明によると、左,右の縦梁は、長尺なパイプ材からなる主パイプ部と、短尺なパイプ材からなる複数の補強パイプ部とにより構成しているので、これらの補強パイプ部により底板と主パイプ部との間を骨組み構造をなして連結することができ、前記主パイプ部を底板上で強固に支持することができる。そして、骨組み構造をなす補強パイプ部と主パイプ部とにより、前側のスイングポスト取付部と後側のウエイト取付部とを前記底板と一緒に連結することができ、前側のスイングポスト取付部と後側のウエイト取付部とを十分な強度をもって支持することができる。
また、請求項6の発明では、主パイプ部の前端をスイングポスト取付部に溶接等で接合することができ、下向きに湾曲して折曲げられた主パイプ部の後端折曲げ部は、その下側端部をウエイト取付部に溶接等で接合することができる。これにより、前側のスイングポスト取付部と後側のウエイト取付部とを底板と一緒に連結することができる。
さらに、請求項7の発明によると、左,右の縦梁間には、両者間を左,右方向で連結する連結パイプ部を設けているので、左,右の縦梁の捩り剛性等を連結パイプ部により高めることができ、例えば作業装置からの掘削反力等により外力がスイングポスト取付部を介して左,右の縦梁に捩り荷重として作用する場合でも、十分な強度を確保することができる。
本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。 図1中のキャブ、外装カバーおよびカウンタウエイト等を取外した状態で旋回フレームを示す斜視図である。 図2よりも後方側から旋回フレームをみた斜視図である。 図3とは反対側から旋回フレームをみた斜視図である。 図4よりも前方側から旋回フレームをみた斜視図である。 図2の旋回フレームを上方からみた平面図である。 図3中のセンタフレームを拡大して示す斜視図である。 図7のセンタフレームを上方からみた平面図である。 図7に示すセンタフレームの正面図である。 センタフレームを前方からみた図9の左側面図である。 センタフレームを後方からみた図9の右側面図である。 図6の旋回フレームにエンジン、熱交換器、油圧ポンプ、作動油タンク、燃料タンク、コントロールバルブ、旋回モータおよび各種のホース等を搭載した状態を示す平面図である。 第2の実施の形態による旋回フレームを上方からみた平面図である。 図13中のセンタフレームを拡大して示す斜視図である。 図14のセンタフレームを上方からみた平面図である。 図15に示すセンタフレームの正面図である。 センタフレームを前方からみた図16の左側面図である。 センタフレームを後方からみた図16の右側面図である。 第3の実施の形態による旋回フレームを斜め上方からみた斜視図である。 図19中のセンタフレームを拡大して示す斜視図である。 図20のセンタフレームを上方からみた平面図である。 図21に示すセンタフレームの正面図である。 センタフレームを前方からみた図22の左側面図である。 センタフレームを後方からみた図22の右側面図である。 第3の実施の形態による旋回フレームにエンジン、熱交換器、油圧ポンプ、作動油タンク、燃料タンク、コントロールバルブ、旋回モータおよび各種のホース等を搭載した状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態による建設機械の旋回フレームを、後方小旋回式の油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図12は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回輪3を用いて旋回可能に搭載された上部旋回体4と、後述の作業装置8等により構成されている。
また、上部旋回体4は、後述の旋回フレーム11を有し、この旋回フレーム11上には、図1に示す如くキャブ5、外装カバー6およびカウンタウエイト7等が設けられている、そして、キャブ5は、オペレータが乗降する操作運転部を構成し、その内部に運転室を画成している。また、外装カバー6は、カウンタウエイト7と共に後述のエンジン46、油圧ポンプ47、熱交換器49等が収容される機械室を画成するものである。
8は上部旋回体4の前部側に俯仰動可能に設けられたスイングポスト式の作業装置で、該作業装置8は、例えばスイングポスト8A、ブーム8B、アーム8Cおよび作業具としてのバケット8D等を備えている。そして、作業装置8のスイングポスト8Aは、連結ピン(図示せず)等を用いて後述する旋回フレーム11のスイングポスト取付部22に対し左,右に揺動可能に取付けられている。これにより、スイングポスト式の作業装置8は、前記連結ピンを中心にして左,右方向に揺動されると共に、ブーム8Bおよびアーム8Cが上,下に俯仰動され、先端側のバケット8Dによって土砂等の掘削作業(側溝堀を含む)を行うものである。
一方、下部走行体2の前側には、図1に示す如く排土板9等が上,下に回動可能に設けられている。そして、該排土板9は、土砂等の排土作業、地均し作業等を行うときに用いられる。また、排土板9は、車両姿勢を安定させるためのアウトリガーとしても使用されるものである。
11は上部旋回体4のメインフレームを構成する旋回フレームで、該旋回フレーム11は、図2ないし図6に示すように後述するセンタフレーム12と、左,右のサイドフレーム30,31等とにより構成されている。
12は旋回フレーム11の中央部分を構成するセンタフレームで、該センタフレーム12は、図2ないし図11に示す如く平板状の板材により形成され、前,後方向に延びた底板13と、後述する左,右の縦梁14,15、スイングポスト取付部22、上板部25、蓋板27、ウエイト取付部28および仕切板29等とにより構成されている。
そして、旋回フレーム11の底板13には、図2ないし図8に示す如く旋回中心O(図6、図8参照)に対して同心円状をなすように周方向で互いに離間した多数のボルト穴13A,13A,…が形成され、これらのボルト穴13Aは、図1に示す旋回輪3を下部走行体2との間に多数のボルト(図示せず)を介して取付けるための旋回輪取付部を構成するものである。
これによって、旋回フレーム11の底板13は、長さ方向(前,後方向)の中央部(即ち、多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部)が下部走行体2上に旋回輪3を介して旋回可能に取付けられ、旋回中心Oを中心として左,右に旋回駆動される。また、底板13は、各ボルト穴13Aよりも前側に位置する前端部13Bと、各ボルト穴13Aよりも後側に位置する後端部13Cとを有し、この後端部13Cは、前端部13Bによりも左,右方向で幅広となるように形成されている。
ここで、底板13の前端部13Bは、図7、図8に示すように左,右方向へと直線状をなして延び、この前端部13Bには、後述するスイングポスト取付部22の下板部22Bが溶接手段を用いて接合されている。一方、底板13の後端部13Cの端面は、旋回中心Oを中心とした円弧形状に形成されている。そして、底板13の後端部13Cには、後述のウエイト取付部28が設けられている。
14,15は底板13の上面側に設けられて前,後方向に延びた左,右の縦梁で、該縦梁14,15は、図2〜図11に示すように骨組み構造をなす円筒状のパイプ材を用いて形成され、底板13の前,後方向に沿って延びることにより後述のスイングポスト取付部22とウエイト取付部28とを底板13と一緒に連結するものである。
そして、左,右の縦梁14,15のうち左側の縦梁14は、長尺な円筒状の金属パイプ材を用いて形成され底板13の前,後方向に延びた主パイプ部16と、該主パイプ部16と底板13との間に骨組み構造(例えば、三角形のトラス構造またはラチス構造)をなして配置された短尺な円筒状の金属パイプ材からなる複数の補強パイプ部17,18とにより構成されている。
ここで、主パイプ部16は、後述のスイングポスト取付部22と仕切板29との間に位置する前側主パイプ部16Aと、後述のウエイト取付部28と仕切板29との間に位置する後側主パイプ部16Bとにより構成されている。即ち、前側主パイプ部16Aと後側主パイプ部16Bとは、仕切板29を挟んで底板13の前,後方向に延在している。
そして、前側主パイプ部16Aの後端と後側主パイプ部16Bの前端とは、仕切板29を挟んだ位置で一体化されている。この場合、前側主パイプ部16Aと後側主パイプ部16Bとは、別体のパイプ材を仕切板29の前,後で溶接手段等により接合して一体化する構成としている。また、前側主パイプ部16Aと後側主パイプ部16Bとは、予め一体物として形成されたパイプ材を用いて構成してもよいものである。
そして、前側主パイプ部16Aは、その前端が後述するスイングポスト取付部22のボス部22Aに溶接手段を用いて固着され、後端は後述の仕切板29に溶接手段で固着されている。また、後側主パイプ部16Bは、その前端が仕切板29に固着され、仕切板29の位置から後方へと垂直に延びている。そして、後側主パイプ部16Bの後端側は、下向きに湾曲して折曲げられた後端折曲げ部16Cとなり、該後端折曲げ部16Cの下側端部は、後述のウエイト取付部28に溶接手段により接合されている。
また、前記各補強パイプ部17,18のうち一方の補強パイプ部17は、底板13と前側主パイプ部16Aとの間を上,下方向に垂直に延びる垂直な補強パイプ部(以下、垂直補強パイプ部17A,17B,17Cという)となり、これらの垂直補強パイプ部17A,17B,17Cは、図7、図9に示すように底板13と前側主パイプ部16Aとの間に複数本(例えば、合計3本)、前,後方向に間隔をあけて配設されている。
ここで、複数本の垂直補強パイプ部17A〜17Cのうち、最も前側に位置する垂直補強パイプ部17Aは、後述するスイングポスト取付部22の下板部22Bと前側主パイプ部16Aとの間に設けられている。そして、残りの垂直補強パイプ部17B,17Cは、その上端が前側主パイプ部16Aに溶接により接合され、下端側は底板13に溶接により接合されている。
また、他方の補強パイプ部18は、底板13と前側主パイプ部16Aとの間を斜め方向に傾いて延びる傾斜補強パイプ部18A,18B,18C,18Dとなり、これらの傾斜補強パイプ部18A〜18Dは、垂直補強パイプ部17A〜17Cの前,後に間隔をあけて複数本(例えば、合計4本)配設されている。そして、傾斜補強パイプ部18A〜18Dは、垂直補強パイプ部17A〜17Cと共に、前側主パイプ部16Aと底板13との間に略三角形のトラス構造をなす骨組みを構成するものである。
なお、これらの傾斜補強パイプ部18A〜18Dのうち最も前側に位置する傾斜補強パイプ部18Aは、後述するスイングポスト取付部22のボス部22Aと下板部22Bとの間に斜めに傾けた状態で接合されている。この場合、傾斜補強パイプ部18Aは、その上端側が前側主パイプ部16Aの下側となる位置でボス部22Aに接合され、斜め下向きに延びる下端側が下板部22Bの上面に接合されている。
そして、傾斜補強パイプ部18Aよりも後側に位置する複数(例えば、3本)の傾斜補強パイプ部18B,18C,18Dは、2本の垂直補強パイプ部17A,17B間、垂直補強パイプ部17B,17C間、垂直補強パイプ部17Cと仕切板29との間に配置され、上,下方向の両端が前側主パイプ部16Aと底板13とに溶接により接合されている。
また、後側主パイプ部16Bと底板13との間にも、同様に垂直補強パイプ部17Dと傾斜補強パイプ部18E,18Fとが配設されている。しかし、傾斜補強パイプ部18E,18Fは、前側の傾斜補強パイプ部18A〜18Dとは逆向きに傾斜して設けられ、後述のウエイト取付部28に対する補強を一層効果的に行う構成としている。
そして、傾斜補強パイプ部18E,18Fのうち後側に位置する傾斜補強パイプ部18Fは、後述のウエイト取付部28と後側主パイプ部16Bとの間に斜めに傾けた状態で接合されている。この場合、傾斜補強パイプ部18Fは、その上端側が後側主パイプ部16Bのうち後端折曲げ部16Cの上部側に接合され、斜め下向きに延びる下端側がウエイト取付部28の上面に接合されている。
一方、左,右の縦梁14,15のうち右側の縦梁15についても、前述した左側の縦梁14とほぼ同様に構成され、前側主パイプ部19A、後側主パイプ部19Bおよび後端折曲げ部19Cからなる主パイプ部19と、短尺な円筒状の金属パイプ材からなる複数の補強パイプ部20,21(より具体的には垂直補強パイプ部20A,20B,20C,20Dと傾斜補強パイプ部21A,21B,21C,21D,21E,21F)とにより構成されている。
ここで、左,右の縦梁14,15の一部を構成する左,右の前側主パイプ部16A,19Aは、図6、図8に示す如く旋回中心Oに対し左,右両側に離間して略「ハ」の字状に延びるように配設されている。そして、左,右の前側主パイプ部16A,19Aは、その前端側が後述のスイングポスト取付部22に左,右両側から接合され、後端側は仕切板29に対して左,右方向で斜めに傾けた状態で接合されている。
即ち、左,右の前側主パイプ部16A,19Aは、後述のスイングポスト取付部22と仕切板29との間を互いに斜めに直線状をなして延び、スイングポスト取付部22と仕切板29との間に略「ハ」の字状に拡開して配設されている。これにより、左,右の縦梁14,15は、旋回フレーム11(特に、センタフレーム12)の曲げ剛性を高める機能を有するものである。
また、パイプ材を用いて形成した左,右の縦梁14,15は、前側主パイプ部16A,19Aの前端側、垂直補強パイプ部17A,20Aおよび傾斜補強パイプ部18A,21Aが後述のスイングポスト取付部22に対して溶接によりに接合され、垂直補強パイプ部17B〜17C,20B〜20Cおよび傾斜補強パイプ部18B〜18D,21B〜21Dの下端側は、図1に示す旋回輪3が取付けられる各ボルト穴13A(旋回輪取付部)の近傍位置で底板13に対して溶接により接合されている。
一方、縦梁14,15の後部側(即ち、後側主パイプ部16B,19B、垂直補強パイプ部17D,20Dおよび傾斜補強パイプ部18E,18F,21E,21F)は、図3ないし図6に示すように、後述の仕切板29とウエイト取付部28との間に左,右に離間して配設され、下端側が底板13の後部側に接合されると共に、後端折曲げ部16C,19Cの下端側はウエイト取付部28にそれぞれ接合されている。
また、後側主パイプ部16B,19Bは、前端側が仕切板29に接合され、前側主パイプ部16A,19Aの後端との間で仕切板29を前,後方向から挟むように配設されている。なお、傾斜補強パイプ部21Eの下端側は、図3に示すように後述するシリンダ取付部38の上面側に斜め上方から接合されている。また、傾斜補強パイプ部21Fは、その上端側が後側主パイプ部19Bのうち後端折曲げ部19Cの上部側に接合され、斜め下向きに延びる下端側がウエイト取付部28の上面に接合されている。
即ち、左,右の縦梁14,15は、後側主パイプ部16B,19Cの前端が仕切板29を挟んで前側主パイプ部16A,19Aの後端側に溶接により接合され、後側主パイプ部16B,19Cの後端折曲げ部16C,19C、垂直補強パイプ部17D,20Dおよび傾斜補強パイプ部18F,21Fは、後側のマウント取付部28に対して溶接によりに接合されている。そして、垂直補強パイプ部17B〜17C,20B〜20Cおよび傾斜補強パイプ部18B〜18E,21B〜21Eの下端側は、各ボルト穴13A(旋回輪取付部)の近傍位置で底板13に対して溶接により接合されている。
22は底板13および縦梁14,15の前端側に設けられたスイングポスト取付部で、該スイングポスト取付部22は、例えば鋳鋼等の材料を用いた鋳造部品として一体成形されている。そして、スイングポスト取付部22は、図7〜図10に示す如く上,下方向に延びる筒状のボス部22Aと、下板部22Bとからなる一体物により構成されている。
ここで、スイングポスト取付部22のボス部22Aには、図7〜図10に示す如く左,右の縦梁14,15(前側主パイプ部16A,19A、傾斜補強パイプ部18A,21A)の前端側が外周側に突当てた状態で接合されている。また、スイングポスト取付部22のボス部22Aは、上下方向に貫通して延びるピン穴22Cを有し、このピン穴22C内には、前述した連結ピンが回動可能に挿嵌される。これにより、作業装置8のスイングポスト8Aは、図1に示す如くスイングポスト取付部22に対して左,右に揺動可能に連結されるものである。
一方、スイングポスト取付部22の下板部22Bは、図7〜図10に示す如くボス部22Aの下端外周側から後方へと下向きに傾斜して延び、その左,右両側は略「ハ」の字状の末広がり形状をなしている。そして、下板部22Bの後端部には、底板13の前端部13Bが衝合状態で溶接により接合されている。
23,24はスイングポスト取付部22の下板部22Bの左,右両側に一体形成された左,右の取付端部で、該取付端部23,24は、スイングポスト取付部22の下板部22Bから左,右方向に突出して設けられ、後述するサイドフレーム30,31の前枠部30A,31Aが左,右方向で接合される。これにより、スイングポスト取付部22には、左,右の取付端部23,24を介してサイドフレーム30,31の前端側がそれぞれ連結されるものである。
25は鋼板等の板材を用いて形成された上板部で、この上板部25は、スイングポスト取付部22の下板部22Bと上,下で対向し、その前部側はボス部22Aの上部外周側に接合されている。また、上板部25は、その左,右両側が略「ハ」の字状の末広がり形状をなして形成されている。そして、上板部25は、左,右の両側面が前側主パイプ部16A,19A間に溶接手段を用いて接合され、左,右の縦梁14,15の前端側でスイングポスト取付部22を補強するものである。
26は上板部25の上面側に設けられた受座で、該受座26は、図3、図4および図9に示すように上板部25の上面側に取付けられ、前側主パイプ部16A,19Aよりも僅かに上向きに突出している。そして、受座26は、オペレータが乗降するキャブ5のフロア(床板)側を後述のキャブ支持板39等を介して下側から支持するものである。
27はスイングポスト取付部22の下板部22Bと上板部25との間に設けられた蓋板で、該蓋板27は、図2〜図4、図7に示すように鋼板等の板材を用いて略四角形の蓋体として形成されている。そして、蓋板27は、上,下方向の両端がスイングポスト取付部22の下板部22Bと上板部25とに接合され、左,右方向の両端が垂直補強パイプ部17A,20Aに接合されている。これにより、蓋板27は、左,右の縦梁14,15の前端側で前側主パイプ部16A,19A、垂直補強パイプ部17A,20Aおよび上板部25と共にスイングポスト取付部22を補強するものである。
即ち、蓋板27は、左,右の縦梁14,15の前側部位(前側主パイプ部16A,19A、垂直補強パイプ部17A,20A、上板部25)とスイングポスト取付部22との間の接合強度や曲げ強度等を高め、センタフレーム12の前部側を頑丈な構造に形成するものである。また、蓋板27の中央部には円形の開口部27Aが形成され、この開口部27A内には、作業装置8(図1参照)側に圧油を給排するための油圧ホース53A(図12参照)が挿通されるものである。
28は底板13の後端部13Cに設けられたウエイト取付部で、該ウエイト取付部28は、図2ないし図8に示す如く左,右方向に延びる鋼板等の板材を底板13の後端部13Cに溶接手段等で固着することにより構成されている。ここで、ウエイト取付部28の後側端面は、底板13の後端部13Cと同様に旋回中心Oを中心とした円弧形状に形成されている。そして、ウエイト取付部28には、図1に示すカウンタウエイト7がボルト等を用いて着脱可能に取付けられるものである。
29は底板13の左,右方向に延びる仕切板で、該仕切板29は、図2ないし図12に示す如く例えば底板13よりも薄肉の鋼板等を用いて形成され、縦梁14,15の前側主パイプ部16A,19Aと後側主パイプ部16B,19Bとの間に位置して底板13上に立設されている。そして、仕切板29は、その下側端面が底板13の上面に溶接手段を用いて接合され、仕切板29の上部側には、前側主パイプ部16A,19Aの後端と後側主パイプ部16B,19Bの前端とがそれぞれ溶接手段を用いて接合されている。
ここで、仕切板29は、底板13上で左,右の主パイプ部16,19間を互いに連結し、仕切板29の下端と底板13の上面との間には、傾斜補強パイプ部18D,18E,21D,21Eの下端側が斜めに接合されている。なお、傾斜補強パイプ部21Eの下端側は、図3に示すように後述するシリンダ取付部38の上面側に斜めに接合されている。そして、仕切板29は、図8に示すように多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の後部側で、ウエイト取付部28よりも前側となる位置に配置されている。
これにより、仕切板29の後側には、ウエイト取付部28との間に後述のエンジン46、油圧ポンプ47、排気ガス後処理装置48および熱交換器49等を収容するための機械室が画成される。そして、仕切板29は、例えばエンジン46からの騒音、熱等が機械室の外側(キャブ5側)に洩れるのを抑える。また、仕切板29は、底板13上を左,右方向に横切って延びることにより、旋回フレーム11(特に、底板13)の曲げ強度等を高める機能を有するものである。
30,31は旋回フレーム11の一部を構成する左,右のサイドフレーム(以下、左サイドフレーム30,右サイドフレーム31という)で、該左サイドフレーム30と右サイドフレーム31とは、例えば横断面がD字状、四角形状、三角形状、円形状または楕円形状をなす筒状の中空フレーム材を、図2〜図6に示す如く旋回中心O(図6参照)を基準として円弧状に曲げ加工することにより形成されている。
ここで、左サイドフレーム30は、左,右方向に直線状に延びた前枠部30Aと、該前枠部30Aの一側(左,右方向の外側端部)に継手部30Bを介して連結され、後部側が図6に示す旋回中心Oを基準として円弧状に湾曲して形成された曲げ枠部30Cとにより構成されている。そして、左サイドフレーム30の前枠部30Aは、図3、図7に示すように左,右方向の内側端部がスイングポスト取付部22の左側に位置する取付端部23に接合して固定され、曲げ枠部30Cの後端側は、連結金具32等を用いて底板13の後端側に連結されている。
また、曲げ枠部30Cの長さ方向途中部位は、後述の張出ビーム34等を介して底板13の長さ方向中間部に連結されている。そして、左サイドフレーム30は、後述のキャブ支持板39を介してキャブ5を下側から支持し、左サイドフレーム30の継手部30B側は、キャブ5内の居住空間を広げるために曲げ枠部30Cの後部側がなす円弧から径方向の外側へと突出しているものである。
一方、右サイドフレーム31は、左,右方向に直線状に延びた短尺の前枠部31Aと、該前枠部31Aの一側(左,右方向の外側端部)に継手部31Bを介して連結され、図6に示す旋回中心Oを基準として円弧状に湾曲して形成された曲げ枠部31Cとにより構成されている。
そして、右サイドフレーム31の前枠部31Aは、その内側端部がスイングポスト取付部22の右側に位置する取付端部24に接合して固定され、曲げ枠部31Cの後端側は、連結金具33等を用いて底板13の後端側に連結されている。また、曲げ枠部31Cの長さ方向途中部位は、後述の張出ビーム35等を介して底板13の長さ方向中間部に連結されている。
34は左サイドフレーム30をセンタフレーム12に連結する張出ビームで、該張出ビーム34は、基端側がセンタフレーム12の底板13等に接合され、先端側は左サイドフレーム30の曲げ枠部30Cに接合されている。また、張出ビーム34は、仕切板29の下端側に一体または別体で固定して設けられている。そして、張出ビーム34は、仕切板29と共にセンタフレーム12に対する左サイドフレーム30の接合強度を増大させるものである。
35は右サイドフレーム31をセンタフレーム12に連結する張出ビームで、該張出ビーム35は、基端側がセンタフレーム12の底板13等に接合され、先端側は右サイドフレーム31の曲げ枠部31Cに接合されている。そして、張出ビーム35は、センタフレーム12に対する右サイドフレーム31の接合強度を増大させるものである。
36,37はセンタフレーム12の前縦梁17と右サイドフレーム31との間に設けられた取付板で、該取付板36,37は、例えば図4に示すように鋼板等の板材をクランク状に屈曲させることにより形成され、その基端側はセンタフレーム12の底板13から上方に離間した位置で前側主パイプ部19の外周面に接合されている。また、取付板36,37の先端側は、前述の基端側よりも低い位置で右サイドフレーム31の曲げ枠部31Cに接合されている。
ここで、取付板36,37は、張出ビーム35の前,後に離間して配置され、後述の作動油タンク44、燃料タンク45(図12参照)を下側から支持するものである。そして、クランク状をなす取付板36と右サイドフレーム31の前枠部31Aとの間には、後述のスイングシリンダ42が隙間をもって配置されるものである。
また、張出ビーム35の後側に位置する取付板37には、後述の熱交換器49が作動油タンク44の後側となる位置で上側から搭載される。そして、この取付板37は、図4に示すように後述のシリンダ取付部38を上方から覆う位置に配置され、後述するスイングシリンダ42のボトム側が取付板37とシリンダ取付部38との間に回動可能にピン結合されるものである。
38は後側主パイプ部19Bの外側となる位置で底板13上に設けられたシリンダ取付部で、該シリンダ取付部38は、図4および図8に示す如く平面形状が略U字状をなすブロック体として形成され、底板13の上面側に溶接手段等を用いて固着されている。そして、シリンダ取付部38には、後述するスイングシリンダ42のボトム側が連結ピン(図示せず)を介して回動可能に連結されるものである。また、取付板37は、図4に示すようにシリンダ取付部38を上方から覆うことにより、スイングシリンダ42のボトム側が前記連結ピンの上端から抜け出すのを規制する機能を有している。
39は左サイドフレーム30の前枠部30A上に脚板40,41を介して設けられたキャブ支持板で、該キャブ支持板39は、図6に示す如く左,右の前側主パイプ部16A,19Aと脚板40,41との間を左,右方向に延び、スイングポスト取付部22の上板部25上では受座26により下側から支持されている。そして、キャブ支持板39は、仕切板29側のキャブ支持板(図示せず)と共に図1に示すキャブ5のフロア(床板)側を下側から支持するものである。
42は前記連結ピンを中心として作業装置8全体を左,右に揺動させるスイングシリンダで、該スイングシリンダ42は、圧油の給排によって前,後に伸縮するロッド42Aを有し、該ロッド42Aの先端側には、図1に示す如く作業装置8のスイングポスト8Aがピン43を介して回動可能にピン結合されている。また、スイングシリンダ42のボトム側は、図4に示す取付板37とシリンダ取付部38との間に回動可能にピン結合される。そして、スイングシリンダ42は、ロッド42Aを伸縮させることにより前記連結ピンを中心として作業装置8全体を左,右に揺動させるものである。
44はスイングシリンダ42の上方位置に配置された作動油タンクで、該作動油タンク44は、図3に示す取付板36,37を介して旋回フレーム11上に搭載され、図12に示すように後述する熱交換器49の前側に配置されている。そして、作動油タンク44は、後述する油圧ポンプ47の吸込側に供給する作動油を貯えるものである。
45は作動油タンク44の右側に配設された燃料タンクで、該燃料タンク45は、後述のエンジン46に供給する燃料を貯えるものである。そして、燃料タンク45は、図3に示す取付板36,37を介して旋回フレーム11上に作動油タンク44と共に搭載され、図12に示すように作動油タンク44と右サイドフレーム31との間に配置されている。
46は旋回フレーム11の後側に搭載された原動機としてのエンジンで、該エンジン46は、旋回フレーム11上で仕切板29の後側に左,右方向に延在する横置き状態に配置されている。また、エンジン46の長さ方向一側(図12中の左側位置)には、下部走行体2、作業装置8等のアクチュエータに向け圧油を吐出する油圧ポンプ47が取付けられている。また、油圧ポンプ47の上方位置には、排気管46Aの先端側に位置して消音装置、排気ガス浄化装置等の排気ガス後処理装置48が配設されている。
一方、エンジン46の長さ方向他側(図12中の右側位置)には、ラジエータ、オイルクーラ等からなる熱交換器49が配設され、該熱交換器49は、図2〜図6に示す取付板37の上側に固定して設けられている。そして、熱交換器49は、エンジン46の冷却水、前記作動油等の冷却を行うものである。
50は旋回フレーム11の底板13の中央付近に設けられた油圧機器としての旋回モータで、該旋回モータ50は、前述した旋回装置3の駆動源となるものである。そして、旋回モータ50は、左,右の縦梁14,15間に位置して底板の上面側に旋回用減速機(図示せず)等と共に搭載されている。また、多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の中心側(図6に示す旋回中心Oの近傍)には、図12に示すように回転継手としてのセンタジョイント51が設けられている。
52は左側の縦梁14と左サイドフレーム30との間に位置して旋回フレーム11上に搭載された油圧機器としてのコントロールバルブである。このコントロールバルブ52は、複数個の方向制御弁を重ね合せてなる多連弁により構成されている。また、コントロールバルブ52には、例えば旋回モータ50、センタジョイント51および作業装置8側との間で複数本の油圧ホース53が接続されている。このうち作業装置8側に向けて延びる複数本の油圧ホース53Aは、センタフレーム12の前端側(図6に示すスイングポスト取付部22側)から作業装置8のスイングポスト8Aを介してブーム8B側へと導かれている。
また、油圧ポンプ47とコントロールバルブ52との間には、油圧ポンプ47から吐出された圧油をコントロールバルブ52を介して前述の各油圧アクチュエータに供給するための吐出配管54が設けられている。また、コントロールバルブ52と作動油タンク44との間には、前記各油圧アクチュエータから戻される戻り油をコントロールバルブ52を介して作動油タンク44に戻すための戻し配管55が設けられている。
本実施の形態による後方小旋回式の油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、旋回フレーム11の組立て作業について説明する。
まず、センタフレーム12の組立工程では、図7、図8に示す如く厚肉の鋼板等から前,後方向に延びる形状に形成された底板13に対して、その上面側に左,右の縦梁14,15をスイングポスト取付部22と共にそれぞれ溶接し、底板13の後端部13Cには、厚い板材からなるウエイト取付部28を溶接して設ける。
そして、縦梁14,15の前側主パイプ部16A,19Aは、その前端側をスイングポスト取付部22のボス部22Aに対して左,右両側から隅肉溶接等により接合する。この場合、作業装置8のスイングポスト8Aがピン結合されるスイングポスト取付部22は、筒状のボス部22Aおよび下板部22Bからなる鋳鋼部品として予め一体成形されている。
そして、ボス部22Aから後方に延びる下板部22Bの先端側には、図7に示す如く底板13の前端部13Bを突合わせ溶接する。また、下板部22Bの左,右両側には、前側主パイプ部16A,19Aとの間に垂直補強パイプ部17A,20Aを接合して設け、ボス部22Aと下板部22Bとの間には、傾斜補強パイプ部18A,21Aを接合して設ける。
また、スイングポスト取付部22のボス部22Aと左,右の前側主パイプ部16A,19Aとの間には、略三角形または台形状をなす上板部25を隅肉溶接等の手段を用いて接合する。そして、蓋板27は、上,下方向の両端をスイングポスト取付部22の下板部22Bと上板部25とに接合し、左,右方向の両端を左,右の垂直補強パイプ部17A,20A間に接合して設ける。これにより、左,右の縦梁14,15の前端側では、前側主パイプ部16A,19A、垂直補強パイプ部17A,20A、傾斜補強パイプ部18A,21A、上板部25および蓋板27等を用いてスイングポスト取付部22を補強する。
一方、底板13と前側主パイプ部16Aとの間には、垂直補強パイプ部17Aから後側に間隔をあけて他の垂直補強パイプ部17(例えば、垂直補強パイプ部17B,17C)を溶接して設ける。また、底板13と前側主パイプ部16Aとの間には、例えば2本の垂直補強パイプ部17A,17B間に位置して傾斜補強パイプ部18Bを溶接して設け、垂直補強パイプ部17B,17C間には傾斜補強パイプ部18Cを、垂直補強パイプ部17Cと仕切板29との間には傾斜補強パイプ部18Dを溶接して設ける。
また、右側の縦梁15についても、左側の縦梁14と同様に複数の垂直補強パイプ部20と複数の傾斜補強パイプ部21とを設ける。即ち、底板13と前側主パイプ部19Aとの間には、例えば垂直補強パイプ部20B,20Cを溶接して設けると共に、傾斜補強パイプ部21B,21C,21Dを前,後に間隔をあけて溶接して設ける。
また、センタフレーム12の底板13に設けた多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部のうち、その後側寄りとなる位置には、底板13を左,右方向に横切るように延びた仕切板29を設け、この仕切板29を前,後で挟むように底板13上には、前記左,右の前側主パイプ部16A,19Aと共に左,右の後側主パイプ部16B,19Bを溶接して設ける。そして、後側主パイプ部16B,19Bの後端折曲げ部16C,19Cは、その下側端部をウエイト取付部28に接合して設ける。
また、ウエイト取付部28と仕切板29との間では、後側主パイプ部16Bと底板13との間で骨組み構造をなすように垂直補強パイプ部17Dと傾斜補強パイプ部18E,18Fとを溶接して設ける。また、後側主パイプ部19Bと底板13との間にも、同様に垂直補強パイプ部20Dと傾斜補強パイプ部21E,21Fとを溶接して設ける。
次に、このように組立てられたセンタフレーム12の左,右両側には、図2ないし図6に示すように左サイドフレーム30と右サイドフレーム31とを連結金具32,33、張出ビーム34,35等を介して溶接手段等により組付ける。
この場合、左サイドフレーム30は、前枠部30Aの内側端部をスイングポスト取付部22の取付端部23に接合して固定し、曲げ枠部30Cの後端側を連結金具32を介して底板13の後端側に連結する。また、曲げ枠部30Cの長さ方向途中部位を、図3に示すように張出ビーム34等を介して底板13の長さ方向中間部に一体に接合する。
また、右サイドフレーム31は、前枠部31Aの内側端部をスイングポスト取付部22の取付端部24に接合して固定し、曲げ枠部31Cの後端側を連結金具33を介して底板13の後端側に連結する。また、曲げ枠部31Cの長さ方向途中部位は、図4〜図6に示すように張出ビーム35、取付板36,37等を介して底板13、主パイプ部19等に一体に接合する。
そして、張出ビーム35よりも後側に位置する取付板37は、センタフレーム12の後側主パイプ部19Bと右サイドフレーム31の曲げ枠部31Cとの間に溶接等により設け、図12に例示する熱交換器49を下側から支持する熱交換器用ブラケットとして、図4〜図6に示す如く平面形状が略L字状をなすように配設する。
また、取付板37の下方側には、底板13の後部上面側に溶接して設けたシリンダ取付部38を配置し、このシリンダ取付部38と取付板37との間には、スイングシリンダ42(図12参照)のボトム側を上,下方向から挟むようにする。そして、旋回フレーム11のシリンダ取付部38に対してスイングシリンダ42のボトム側を取付ける場合には、シリンダ取付部38とスイングシリンダ42側のピン穴(図示せず)とを位置合わせした状態で、底板13の下側からスイングシリンダ42用の連結ピン(図示せず)を挿通することができる。
次に、上述の如く組立てられた旋回フレーム11を備える後方小旋回式の油圧ショベル1の作動について図1、図12等を参照して説明する。
まず、キャブ5の後部下側で外装カバー6内に収容したエンジン46によって油圧ポンプ47を駆動すると、該油圧ポンプ47から吐出された圧油が下部走行体2の走行用モータ(図示せず)に給排されることにより、油圧ショベル1(車両)を前進または後退させるように走行駆動できる。
そして、土砂等の掘削作業を行うときには、油圧ポンプ47からの圧油を作業装置8の各油圧シリンダ等に給排することにより、スイングポスト8Aに対しブーム8Bおよびアーム8Cを上,下に俯仰動させつつ、バケット8Dを回動させて土砂等を掘削する。
また、作業装置8を用いて例えば側溝堀作業等を行うときには、スイングシリンダ42のロッド42Aを圧油の給排で伸縮させることにより、旋回フレーム11のスイングポスト取付部22に対し、前記連結ピンを中心にしてスイングポスト8Aを水平方向(左,右方向)に揺動し、これにより作業装置8全体が旋回フレーム11に対して左,右にスイングされるものである。
ところで、センタフレーム12の底板13上に設けた左,右の縦梁14,15は、作業装置8による掘削作業等に伴って作業装置8側からスイングポスト取付部22が受ける曲げ荷重等を、底板13と共に受承するものである。このため、左,右の縦梁14,15を従来技術のように高剛性の厚い板材(左,右の縦板)により形成した場合には、左,右の縦板が重量物となって、建設機械の小型、軽量化を図る上で障害になる。
そこで、本実施の形態にあっては、センタフレーム12の底板13上に設ける左,右の縦梁14,15を、長尺な円筒状の金属パイプ材を用いて形成され底板13の前,後方向に延びた左側の主パイプ部16,右側の主パイプ部19と、該主パイプ部16,19と底板13との間に骨組み構造(例えば、三角形のトラス構造またはラチス構造)をなして配置された短尺な円筒状の金属パイプ材からなる複数の左側の補強パイプ部17,18,右側の補強パイプ部20,21とにより構成している。
これにより、底板13の上側で前,後方向に延びる左,右の縦梁14,15を、例えば三角形のトラス構造またはラチス構造をなす円筒状のパイプ材を用いて形成することができ、縦梁14,15としての十分な強度を確保できると共に、軽量化を図ることができる。そして、骨組み構造をなすパイプ材を底板13の上側で前,後方向に延ばして配置することにより、前側のスイングポスト取付部22と後側のウエイト取付部28とを底板13と一緒に連結することができ、前側のスイングポスト取付部22と後側のウエイト取付部28とを十分な強度をもって頑丈に支持することができる。
また、センタフレーム12の底板13に設けた多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部のうち、その後側寄りとなる位置には、底板13を左,右方向に横切るように延びた仕切板29を設けているので、前記旋回輪取付部の後側にはウエイト取付部28との間に位置して、例えばエンジン46、油圧ポンプ47、排気ガス後処理装置48および熱交換器49等を収容するための機械室を、仕切板29によりキャブ5側から遮断して画成することができる。
これにより、仕切板29は、例えばエンジン46からの騒音、熱等が機械室の外側(キャブ5側)に洩れるのを抑えることができる。また、パイプ材からなる左,右の縦梁14,15は、仕切板29を挟んで前,後方向に延在する構成としているので、底板13上を左,右方向に延びる仕切板29と、該仕切板29を挟んで前,後方向に延在する左,右の縦梁14,15とにより、旋回フレーム11(特に、底板13)の曲げ強度等を高めることができ、多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の近傍位置での強度アップを図ることができる。
また、パイプ材を用いて形成した左,右の縦梁14,15は、前側主パイプ部16A,19Aの前端側、垂直補強パイプ部17A,20Aおよび傾斜補強パイプ部18A,21Aが前側のスイングポスト取付部22に対して溶接によりに接合され、垂直補強パイプ部17B〜17C,20B〜20Cおよび傾斜補強パイプ部18B〜18D,21B〜21Dの下端側は、図1に示す旋回輪3が取付けられる各ボルト穴13A(旋回輪取付部)の近傍位置で底板13に対して溶接により接合されている。
これにより、底板13のうち各ボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の近傍位置とスイングポスト取付部22との間を、パイプ材を用いて形成した左,右の縦梁14,15により強固に連結することができ、前記旋回輪取付部の近傍位置とスイングポスト取付部22との双方を、前側主パイプ部16A,19Aおよび複数の補強パイプ部17,18,20,21等によって強度を高めることができる。
また、左,右の縦梁14,15は、後側主パイプ部16B,19Bの前端が仕切板29を挟んで前側主パイプ部16A,19Aの後端側に溶接により接合され、後側主パイプ部16B,19Cの後端折曲げ部16C,19C、垂直補強パイプ部17D,20Dおよび傾斜補強パイプ部18F,21Fは、後側のマウント取付部28に対して溶接によりに接合されている。しかも、垂直補強パイプ部17B〜17C,20B〜20Cおよび傾斜補強パイプ部18B〜18E,21B〜21Eの下端側は、各ボルト穴13A(旋回輪取付部)の近傍位置で底板13に対して溶接により接合されている。
これにより、底板13のうち各ボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の近傍位置とウエイト取付部28との間を、パイプ材を用いて形成した左,右の縦梁14,15(例えば、後側主パイプ部16B,19B等)により仕切板29等を介して連結することができ、前記旋回輪取付部の近傍位置とウエイト取付部28との双方を、後側主パイプ部16B,19B、複数の補強パイプ部17,18,20,21および仕切板29等によって強度を高めることができる。
しかも、左,右の縦梁14,15は、長尺なパイプ材からなる左,右の主パイプ部16,19と、短尺なパイプ材からなる左側の補強パイプ部17,18、右側の補強パイプ部20,21とにより構成しているので、これらの補強パイプ部17,18,20,21により底板13と主パイプ部16,19との間を骨組み構造をなして連結することができ、主パイプ部16,19を底板13上で強固に支持することができる。
そして、骨組み構造をなすパイプ材からなる主パイプ部16,19と複数の補強パイプ部17,18,20,21とにより、前側のスイングポスト取付部22と後側のウエイト取付部28とを底板13と一緒に連結することができ、前側のスイングポスト取付部22と後側のウエイト取付部28とを十分な強度をもって支持することができる。
また、左,右の縦梁14,15を中空円筒状のパイプ材により骨組み構造をなして形成することにより、主パイプ部16と各補強パイプ部17,18との間に形成されるパイプ材間の空間、主パイプ部19と各補強パイプ部20,21との間に形成されるパイプ材間の空間を、油圧ホース53、戻し配管55(図12参照)等の挿通穴として活かすことができ、油圧ホース、油圧配管用の挿通穴等を特別に穴加工して設ける必要がなくなる。
そして、この場合の油圧ホース53、戻し配管55等が主パイプ部16と各補強パイプ部17,18および主パイプ部19と各補強パイプ部20,21等のパイプ材に接触しても、円形なパイプ材を用いているために油圧ホース53、戻し配管55等の摩耗、損傷を防ぐことができ、油圧ホースを保護する保護部材等を従来技術のように用いる必要がなくなり、部品点数を削減して組立て時の作業性等を高めることができる。
また、左,右の主パイプ部16,19は、前側主パイプ部16A,19Aと後側主パイプ部16B,19Bとからなり、前側主パイプ部16A,19Aの前端をスイングポスト取付部22のボス部22Aに接合して設け、後側主パイプ部16B,19Bの後端側は下向きに湾曲して折曲げられた後端折曲げ部16C,19Cとなり、該後端折曲げ部16C,19Cの下側端部をウエイト取付部28に接合して設ける構成としている。
そして、後側主パイプ部16B,19Bは、前端側が仕切板29に接合され、前側主パイプ部16A,19Aの後端との間で仕切板29を前,後方向から挟むように配設している。このため、前側のスイングポスト取付部22と後側のウエイト取付部28とを、前,後で仕切板29を挟んだ前側主パイプ部16A,19Aと後側主パイプ部16B,19B等により底板13と一緒に連結することができ、スイングポスト取付部22、前記旋回輪取付部の近傍部およびウエイト取付部28を、前側主パイプ部16A,19A、後側主パイプ部16B,19Bおよび複数の補強パイプ部17,18,20,21等によって強度アップを図ることができる。
従って、第1の実施の形態によれば、左,右の縦梁14,15を骨組み構造をなすパイプ材を用いて形成することにより、旋回フレーム11のセンタフレーム12を頑丈な構造に形成でき、フレームとして十分な強度を確保することができる上に、センタフレーム12の軽量化も図ることができる。
しかも、左,右の縦梁14,15は中空円筒状のパイプ材を用いて形成することにより、例えば油圧ホース53用の挿通穴等を特別に穴加工にして設ける必要がなくなり、油圧ホース53等を保護するための保護部材等も不要とすることができる。これにより、部品点数を減らして旋回フレーム11を組立てるときの作業性を向上することができ、メンテナンス時の作業性等も高めることができる。
次に、図13ないし図18は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
しかし、第2の実施の形態の特徴は、主パイプ部16,19と共に左,右の縦梁14,15を構成する複数の補強パイプ部61,62,63,64のうち、傾斜補強パイプ部62,64のいくつか(即ち、センタフレーム12の底板13に設けた多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の前部側とスイングポスト取付部22との間に位置する傾斜補強パイプ部62,64)を、その下端側が底板13の左,右方向へと張出すように斜め方向に傾けた状態で底板13の上面に接合する構成としたことにある。
ここで、複数の補強パイプ部61〜64のうち、底板13と主パイプ部16,19との間に垂直に立設してなる垂直補強パイプ部61,63は、第1の実施の形態で述べた垂直補強パイプ部17,20と同様に構成されている。即ち、複数本の垂直補強パイプ部61,63(61A〜61D,63A〜63D)のうち、最も前側に位置する垂直補強パイプ部61A,63Aは、スイングポスト取付部22の下板部22Bと前側主パイプ部16A,19Aとの間に設けられている。そして、残りの垂直補強パイプ部61B〜61D,63B〜63Dは、その上端が主パイプ部16、19にそれぞれ溶接により接合され、下端側は底板13に溶接により接合されている。
また、左側の主パイプ部16と底板13、下板部22B、ウエイト取付部28との間を斜め方向に傾いて延びる複数の傾斜補強パイプ部62のうち、スイングポスト取付部22の下板部22B上に設けた傾斜補強パイプ部62Aは、第1の実施の形態で述べた傾斜補強パイプ部18Aと同様に、その上端側が左側の前側主パイプ部16Aに溶接により接合され、下端側は前,後方向に斜めに傾けた状態で下板部22Bの上面に溶接により接合されている。
また、前記各ボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の後部側とウエイト取付部28との間に位置する傾斜補強パイプ部62E,62F,62Gは、第1の実施の形態で述べた傾斜補強パイプ部18D,18E,18Fと同様に、その上端側が左側の後側主パイプ部16Bにそれぞれ溶接により接合され、下端側は前,後方向に斜めに傾けた状態で底板13、ウエイト取付部28の上面に溶接により接合されている。
しかし、複数の傾斜補強パイプ部62のうち、前記各ボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の前部側とスイングポスト取付部22との間に位置する傾斜補強パイプ部62B,62C,62Dは、その上端側が前側主パイプ部16Aにそれぞれ溶接により接合され、下端側は底板13の左,右方向へと張出すように前,後方向と左,右方向とで斜めに傾けた状態で底板13の上面に溶接により接合されている。
また、右側の主パイプ部19と底板13、下板部22B、ウエイト取付部28との間に設けた複数の傾斜補強パイプ部64についても、スイングポスト取付部22の下板部22B上に設けた傾斜補強パイプ部64Aは、第1の実施の形態で述べた傾斜補強パイプ部21Aと同様に、その上端側が右側の前側主パイプ部19Aに溶接により接合され、下端側は前,後方向に斜めに傾けた状態で下板部22Bの上面に溶接により接合されている。
また、前記旋回輪取付部(多数のボルト穴13A)の後部側とウエイト取付部28との間に位置する傾斜補強パイプ部64E,64F,64Gは、第1の実施の形態で述べた傾斜補強パイプ部21D,21E,21Fと同様に、その上端側が右側の後側主パイプ部19Bにそれぞれ溶接により接合され、下端側は前,後方向に斜めに傾けた状態で底板13、ウエイト取付部28の上面に溶接により接合されている。
しかし、複数の傾斜補強パイプ部64のうち、前記旋回輪取付部(多数のボルト穴13A)の前部側とスイングポスト取付部22との間に位置する傾斜補強パイプ部64B,64C,64Dについては、その上端側を前側主パイプ部19Aにそれぞれ溶接により接合し、下端側は底板13の左,右方向へと張出すように前,後方向と左,右方向とで斜めに傾けた状態で底板13の上面に溶接により接合する構成としている。
ここで、傾斜補強パイプ部62B,62C,62D,64B,64C,64Dのうち、傾斜補強パイプ部62B,62D,64B,64Dは、左,右の前側主パイプ部16A,19Aから左,右方向の外側へと張出すように斜めに傾けて配設されている。そして、傾斜補強パイプ部62C,64Cについては、これとは逆に左,右の前側主パイプ部16A,19Aから左,右方向の内側へと張出すように斜めに傾けて配設されている。
また、傾斜補強パイプ部62B,62C,62D,64B,64C,64Dの下端側は、図13、図15に示すように前記旋回輪取付部を構成する多数のボルト穴13Aのうち、左,右の前側主パイプ部16A,19Aの斜め下方側に位置するボルト穴13Aの近傍位置で底板13の上面側に接合され、左,右の前側主パイプ部16A,19Aを底板13上で安定した状態で支持するものである。
これにより、傾斜補強パイプ部62B,62C,62D,64B,64C,64Dは、センタフレーム12の底板13に設けた多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部とスイングポスト取付部22との間で、底板13の前部側と左,右の前側主パイプ部16A,19Aとの外力に対する曲げ剛性、捩り剛性等を高める機能を有するものである。
かくして、このように構成される第2の実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態では、多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の前部側とスイングポスト取付部22との間に位置する傾斜補強パイプ部62,64を、その下端側が底板13の左,右方向へと張出すように斜めに傾けた状態で底板13の上面に接合する構成としている。
このため、例えば作業装置8からの掘削反力等による外力がスイングポスト取付部22を介して左,右の縦梁14,15に捩り荷重として作用する場合でも、底板13と左,右の前側主パイプ部16A,19Aとの間で左,右方向に張出すように配置した複数の傾斜補強パイプ部62,64によりセンタフレーム12の曲げ剛性、捩り剛性等を効果的に向上することができ、旋回フレーム11の強度を効率的に高めることができる。
次に、図19ないし図25は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、第3の実施の形態の特徴は、左,右の縦梁14,15間に連結パイプ部71を少なくとも左,右方向で連結して設ける構成としたことにある。
ここで、連結パイプ部71は、左,右の前側主パイプ部16A,19A間を左,右方向(横方向)で連結した連結用横パイプ部72と、該連結用横パイプ部72の長さ方向(左,右方向)中間部と左,右の前側主パイプ部16A,19Aとの間を斜めに連結して設けられた連結用傾斜パイプ部73,74,75,76とにより構成されている。
そして、連結用横パイプ部72と連結用傾斜パイプ部73〜76とは、センタフレーム12の底板13に設けた多数のボルト穴13Aからなる旋回輪取付部の前部側とスイングポスト取付部22との間に位置する前側主パイプ部16A,19Aの長さ方向中間部を補強するため、前側主パイプ部16A,19Aの長さ方向中間部を左,右方向で骨組み構造をなして連結するものである。
即ち、連結用傾斜パイプ部73〜76のうち連結用横パイプ部72の前側に位置する連結用傾斜パイプ部73,74は、連結用横パイプ部72の長さ方向中間部から左,右の前側主パイプ部16A,19Aに向けて斜め前方へとV字状に拡開して延び、その先端側が傾斜補強パイプ部18B,21Bの近傍位置で前側主パイプ部16A,19Aに斜めに傾けて接合されている。
また、連結用横パイプ部72の後側に位置する連結用傾斜パイプ部75,76は、連結用横パイプ部72の長さ方向中間部から左,右の前側主パイプ部16A,19Aに向けて斜め後方へとV字状に拡開して延び、その先端側が垂直補強パイプ部17C,20Cの近傍位置で前側主パイプ部16A,19Aに斜めに傾けて接合されている。そして、後側の連結用傾斜パイプ部75,76は、前側の連結用傾斜パイプ部73,74よりも長尺に形成されている。
また、連結用横パイプ部72は、図25に示すようにセンタジョイント51よりも前側となる位置に配置され、後側の連結用傾斜パイプ部75,76は、センタジョイント51の左,右両側へと斜めに拡開してV字状に延びるように配設されている。そして、旋回モータ50とセンタジョイント51とは、旋回フレーム11の底板13上で左,右の前側主パイプ部16A,19A間に位置すると共に、後側の連結用傾斜パイプ部75,76と仕切板29との間となる位置に配置されている。
かくして、このように構成される第3の実施の形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。しかし、本実施の形態では、左,右の縦梁14,15の前側主パイプ部16A,19A間に、連結用横パイプ部72と連結用傾斜パイプ部73〜76とからなる連結パイプ部71を左,右方向で連結し、骨組み構造をなすように設ける構成としている。
このため、左,右の縦梁14,15の捩り剛性等を連結用横パイプ部72と連結用傾斜パイプ部73〜76とにより高めることができ、例えば作業装置8からの掘削反力等による外力がスイングポスト取付部22を介して左,右の縦梁14,15に捩り荷重として作用する場合でも、十分な強度を確保することができる。
なお、前記第3の実施の形態では、左,右の前側主パイプ部16A,19A間に設ける連結パイプ部71を、連結用横パイプ部72と連結用傾斜パイプ部73,75,76,76とにより構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば連結パイプ部71を連結用横パイプ部72のみで構成し、前側の連結用傾斜パイプ部73,75及び/又は後側の連結用傾斜パイプ部76,76を省略する構成としてもよい。
また、前記第1の実施の形態では、主パイプ部16,19と底板13との間に略三角形のトラス構造をなす複数の垂直補強パイプ部17,20と複数の傾斜補強パイプ部18,21とを設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば主パイプ部と底板との間に垂直補強パイプ部または傾斜補強パイプ部のいずれか一方のみを設け、他方を省略する構成としてもよい。なお、この場合には、主パイプ部と底板との間に設ける補強パイプ部の本数をさらに増やすこともできる。
そして、この点は第2,第3の実施の形態についても同様である。また、主パイプ部と底板との間に設ける補強パイプ部は、略三角形のトラス構造に限らず、略四角形の骨組み構造、または格子状をなすラチス構造に構成してもよいものである。
また、前記第1の実施の形態では、内部に運転室を画成する箱形状のキャブ5を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばオペレータが乗降する操作運転部は、キャノピを用いて運転席を上側から覆う構成としてもよい。そして、この点は第2,第3の実施の形態についても同様である。
また、前記各実施の形態では、後方小旋回式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばスイングポスト式の作業装置が設けられる種々の建設機械の旋回フレームに適用してもよいものである。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 旋回輪
4 上部旋回体
5 キャブ
6 外装カバー
7 カウンタウエイト
8 作業装置
8A スイングポスト
11 旋回フレーム
12 センタフレーム
13 底板
13A ボルト穴(旋回輪取付部)
14,15 縦梁
16,19 主パイプ部
16A,19A 前側主パイプ部
16B,19B 後側主パイプ部
16C,19C 後端折曲げ部
17,20,61,63 垂直補強パイプ部(補強パイプ部)
18,21,62,64 傾斜補強パイプ部(補強パイプ部)
22 スイングポスト取付部
22A ボス部
22B 下板部
23,24 取付端部
25 上板部
27 蓋板
28 ウエイト取付部
29 仕切板
30,31 左,右のサイドフレーム
34,35 張出ビーム
36,37 取付板
38 シリンダ取付部
42 スイングシリンダ
44 作動油タンク
45 燃料タンク
46 エンジン
47 油圧ポンプ
48 排気ガス後処理装置
49 熱交換器(ラジエータ、オイルクーラ)
50 旋回モータ
51 センタジョイント
52 コントロールバルブ
53 油圧ホース
54 吐出配管
55 戻し配管
71 連結パイプ部
72 連結用横パイプ部
73,74,75,76 連結用傾斜パイプ部
O 旋回中心

Claims (7)

  1. 下部走行体上に旋回輪を介して設けられる底板と、該底板の上側に設けられ該底板の前,後方向に延びる左,右の縦梁と、該左,右の縦梁の前側に位置して前記底板の前部側に設けられスイングポスト式の作業装置を左,右方向に揺動可能に支持するスイングポスト取付部と、前記左,右の縦梁の後側に位置して前記底板の後部側に設けられカウンタウエイトが取付けられるウエイト取付部とを備えてなる建設機械の旋回フレームにおいて、
    前記左,右の縦梁は、前記底板の前,後方向に沿って延び前側の前記スイングポスト取付部と後側の前記ウエイト取付部とを前記底板と一緒に連結するパイプ材により構成したことを特徴とする建設機械の旋回フレーム。
  2. 前記底板の上側には、前記ウエイト取付部の前側に位置して前記底板の左,右方向に延びる仕切板を設け、前記パイプ材からなる前記左,右の縦梁は、該仕切板を挟んで前,後方向に延在する構成としてなる請求項1に記載の建設機械の旋回フレーム。
  3. 前記底板には前記旋回輪が取付けられる旋回輪取付部を設け、前記パイプ材からなる前記左,右の縦梁は、該旋回輪取付部の位置で前記底板に対して溶接手段により接合すると共に、前記スイングポスト取付部に対して溶接手段により接合する構成としてなる請求項1または2に建設機械の旋回フレーム。
  4. 前記底板には前記旋回輪が取付けられる旋回輪取付部を設け、前記パイプ材からなる前記左,右の縦梁は、該旋回輪取付部の位置で前記底板に対して溶接手段により接合すると共に、前記ウエイト取付部に対して溶接手段により接合する構成としてなる請求項1または2に建設機械の旋回フレーム。
  5. 前記左,右の縦梁は、前記底板の前,後方向に延びる長尺なパイプ材からなる主パイプ部と、該主パイプ部と前記底板との間に上,下方向及び/又は斜め方向に延びて配置される短尺なパイプ材からなる複数の補強パイプ部とにより構成してなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械の旋回フレーム。
  6. 前記主パイプ部は、その前端を前記スイングポスト取付部に溶接手段により接合して設け、後端側は下向きに湾曲して折曲げられた後端折曲げ部となり、該後端折曲げ部の下側端部を前記ウエイト取付部に溶接手段により接合して設ける構成としてなる請求項5に記載の建設機械の旋回フレーム。
  7. 前記左,右の縦梁には、両者間を左,右方向で連結する連結パイプ部を設ける構成としてなる請求項1,2,3,4,5または6に記載の建設機械の旋回フレーム。
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