JP2011074445A - 大入熱溶接熱影響部靱性に優れた非調質厚肉高張力鋼の製造方法。 - Google Patents

大入熱溶接熱影響部靱性に優れた非調質厚肉高張力鋼の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】降伏強度が500N/mm級以上で板厚が40mm以上の大入熱溶接熱影響部靱性に優れた非調質厚肉高張力鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】鋼組成が、質量%でC:0.03〜0.08%、Si:0.02〜0.15%、Mn:1.8〜2.5%、Ni:0.20%未満、Al:0.005〜0.06%、P、S、Nb:0.025〜0.040%、Ti:0.005〜0.02%、N:0.0055〜0.0090%、Ca:0.0005〜0.0030%、B:0.0005〜0.0025%、必要に応じて、V、Cu、Cr、Mo、Wの1種または2種以上、残部Feおよび不可避的不純物で、かつ下式を満たす鋼素材を1150〜1250℃に加熱後、熱間圧延を施した後、加速冷却し、450℃〜300℃の温度域にて冷却を停止し、その後は空冷する。0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1。ただし、Ca、O、Sは含有量(質量%)。
【選択図】なし

Description

本発明は、大入熱溶接熱影響部靱性に優れた非調質厚肉高張力鋼の製造方法に関し、溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接でも溶接熱影響部の靭性と継手の引張強度に優れる、降伏強度が500N/mm級以上で板厚が40mm以上のものの製造方法に関する。
大入熱溶接による溶接熱影響部靱性の低下に対しては、従来、(1)鋼中に分散する粒子(介在物)によるピンニング効果に基づく結晶粒の粗大化防止(結晶粒の微細化)、(2)オーステナイト結晶粒内のフェライト変態促進に基づく変態組織及び有効結晶粒の微細化、(3)MA(Martensite−Austenite constituent)に代表される局所的な脆化相の生成抑制、(4)地組織の靭性改善が有効とされ、これらを組み合わせた大入熱溶接用鋼が種々提案されている。
例えば、特許文献1には固溶Nの低減と酸化物による粒径微細化効果により靭性を改善することが記載され、特許文献2にはボンド部では固溶Nを低減し、ボンド部から若干離れた位置ではTiNの適量添加によるフェライト粒の微細化で靭性を改善することが記載されている。更に、靭性を向上させる場合、Caを添加して硫化物(サルファイド)の形態制御をおこなって溶接熱影響部の靭性を向上させる。特許文献3には硫化物(サルファイド)の形態制御のためREMを添加することが記載されている。
このような大入熱溶接用鋼が開発される一方、近年、入熱量はますます増大し400kJ/cmを超える大入熱溶接が高強度で厚肉な鋼材に適用されたり、入熱量は低くても従来より低温での溶接熱影響部の靭性確保が要求されるようになり、新たな大入熱溶接用鋼が要望され、例えば、特許文献4〜6が提案されている。
特許文献4は、400kJ/cmを超える大入熱溶接でも良好な溶接熱影響部靱性を確保する鋼材に関し、高温領域でのオーステナイトの粗大化を抑制するとともに、その後の冷却過程におけるフェライト変態も促進させるように、変態核となる硫化物の形態制御に必要なCaを適正に含有させて、変態核を微細に分散させることを特徴とする。
特許文献5は溶接熱影響部靭性に優れた板厚50〜100mmの厚手高強度Ni含有鋼に関し、溶接入熱は20kJ/mm程度であるが、−40℃での低温靭性を確保するため、Niを除く他の合金元素の添加量を厳格に管理し、大入熱溶接熱影響部のミクロ偏析部のMA生成を抑制することが記載されている。
特許文献6は、入熱量50kJ/mm以上の超大入熱溶接の溶接熱影響部靭性を向上させるため、HAZのオーステナイト粒の粗大化を抑制するTi系炭窒化物を、高温でのδフェライト温度域を縮小させることにより、微細分散させることが記載されている。
特開2001−107177号公報 特開昭60−204863号公報 特公平4−14180号公報 特許第3546308号公報 特開2005−256161号公報 特開2007−239090号公報
ところで、溶接構造物の大型化とともに使用される鋼材は高強度厚肉化し、各分野で40mmを超える厚鋼鈑が採用される様になってきている。
例えば、造船分野では、コンテナ船の強力甲板の縦強度部材に板厚70〜80mmの降伏応力390N/mm級高強度部材が適用され、近年では板厚50mmの降伏応力460N/mm級鋼が採用された。降伏応力460N/mm級鋼は更なる板厚拡大が予想される。
上述したように、高強度厚肉材で大入熱溶接熱影響部に優れる鋼は開発されているものの、本発明者らが、降伏強度500N/mm以上の高強度厚肉材に適用した結果、所望する大入熱溶接熱影響部靭性が得られないことが判明した。特に、例えば、特許文献5のようにNiを利用した技術では高強度化に限界があると考えられる。また、特許文献6においても、Niの添加は好ましくは0.2%以上とされており、実施例でもNiを添加した成分系が記載されており、実質的にNi添加を必須とする技術なので、MA生成にともなう溶接熱影響部靱性への悪影響が懸念される。
このように、降伏強度が460N/mmクラスを超え、500N/mm以上となるような成分系においては、溶接入熱量が400kJ/cmを超える大入熱溶接を施したときのボンド部組織に、島状マルテンサイトと呼ばれる硬質の脆化組織が数%形成し、靭性のさらなる向上が困難となっている。更に、高強度厚肉材の大入熱溶接継手では、継手に軟化部が生じるため、継手強度の確保も検討課題とされる。
そこで、本発明は、降伏強度が500N/mm級以上のかつ板厚が40mm以上の、溶接入熱量が300kJ/cmを超える大入熱溶接でも溶接熱影響部の靭性と継手の引張り強度に優れる鋼材を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するため、基本成分組成を高価なNiを少量、若しくは無添加とし、Mnを従来よりも多く添加し、かつ適量のNbを添加し、Nの添加量を高めたものとした鋼の、大入熱溶接部の熱影響部靭性について鋭意検討し、以下の知見を得た。
1.C量を0.03〜0.08%に制限し、Mn、NbおよびNを添加した成分組成は大入熱溶接熱影響部でのMAの生成を抑制し、かつ母材強度を高めるために有効である。
すなわち、MnはNiほどMAの生成を促進しないため熱影響部靭性の向上には有利である。しかしながら、Mnは比較的偏析しやすい元素であるため、ミクロ偏析部やマクロ偏析部ではMAを生成するため、Mn量の増大だけに頼るのではなく、NbとNを一定量以上添加する。
2.Nbを変態温度の調整のために添加して、高温でのフェライト生成を抑制することがMAの抑制に有効である。
すなわち、MAの生成は熱影響部のフェライト変態に伴い、未変態オーステナイトにCが濃縮するために起こる。フェライト変態が核生成頻度の小さい高温で起こると、フェライトが成長しその結果、未変態オーステナイトへの濃縮度が大きく、MAが生成しやすい。
フェライト変態が、より低温で、より多くのフェライト変態核より発生すると、Cの濃縮は軽減されてMAの生成が抑制される。
3.また、Nb添加は、溶接熱影響部の軟化を抑制し、継手強度の確保に有効である。溶接熱影響部の軟化は溶接ボンド部よりも離れた領域、すなわち最高加熱温度が700〜1200℃となる領域で顕著で、この領域の軟化を抑制し、強度を保つためには、Nb添加による変態強化と析出強化を最大限活用することが最も効果的である。
そのため、Nb添加量のみならず製造方法、具体的には加熱温度を規定して母材での固溶Nb量の制御を行う。
4.溶接熱影響部の微細化のため、Nを含有させTiNおよびBNを変態核とする。また、変態核としてCa、Mnの複合硫化物も利用する。
本発明は得られた知見をもとに更に検討を加えてなされたもので、すなわち本発明は、1.鋼組成が、質量%で
C:0.03〜0.08%
Si:0.02〜0.15%
Mn:1.8〜2.5%
Ni:0.20%未満
Al:0.005〜0.06%
P:0.015%以下
S:0.0050%以下
Nb:0.025〜0.040%
Ti:0.005〜0.02%
N:0.0055〜0.0090%
Ca:0.0005〜0.0030%
B:0.0005〜0.0025%
を含有し残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式を満たす鋼素材を1150〜1250℃に加熱後、熱間圧延を施した後、加速冷却し、450℃〜300℃の温度域にて冷却を停止し、その後は空冷することを特徴とする大入熱溶接熱影響部靱性に優れた非調質厚肉高張力鋼の製造方法。

0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1 (1)
ただし、Ca、O、Sは各成分の含有量(質量%)をあらわす。
2.鋼組成として、更に質量%で
V:0.04%以下
Cu:1.0%以下
Cr:0.7%以下
Mo:0.7%以下
W:0.5%以下
の1種または2種以上を含有する1記載の大入熱溶接熱影響部靱性に優れた非調質厚肉高張力鋼の製造方法。
本発明によれば、造船、建築、土木等の各種構造物に好適な、溶接入熱量が300kJ
/cmを超える大入熱溶接でも溶接熱影響部の靭性に優れ、降伏強度が500N/mm以上でかつ板厚が40mm以上の溶接用鋼材が得られ産業上極めて有用である。
以下、本発明での成分限定理由と製造条件について説明する。
[成分組成] 説明において%は質量%とする。
C:0.03〜0.08%
Cは鋼の強度を向上する元素であり、強度を確保するため0.03%以上の含有を必要とする。一方、0.08%を超えると、溶接性が劣化し、靭性も低下させるようになるため、0.03〜0.08%の範囲に規定した。なお、好ましくは0.05〜0.08%である。
Si:0.02〜0.15%
Siは脱酸元素として、また、鋼の強化元素として有効であるが、0.02%未満の含有量ではその効果が得られない。一方、0.15%を超えると鋼の表面性状を損なうばかりか靭性が極端に劣化するため、0.02%以上、0.15%以下とする。
Mn:1.8〜2.5%
Mnは本発明において重要な合金元素であり、強化元素として添加するが、1.8%より少ないとその効果が十分でなく、一方、2.5%を超えると溶接性が劣化し、鋼材コストも上昇するため、1.8%以上、2.5%以下とする。
Ni:0.20%未満
Niは高強度鋼の大入熱溶接の溶接熱影響部においてMAの生成を促進するので、0.20%未満とする。
Al:0.005〜0.06%
Alは、脱酸剤として作用し、その効果を得るため、0.005%以上の含有を必要とする。一方、0.06%を超えて含有すると、靭性を低下させるとともに、溶接した場合に、溶接金属部の靭性を低下させるため、0.005〜0.06%とする。好ましくは、0.02〜0.05%である。
P:0.015%以下、S:0.0050%以下
Pは、0.015%を超えて添加すると、溶接部の靭性を劣化させる。Sは、0.0050%を超えて添加すると、母材および溶接部の靭性を劣化させる。生産性を損なわない範囲で、含有量を低下させることが好ましい。
Nb:0.025〜0.040%
Nbは制御圧延を行う鋼で不可欠な元素であり、鋼の強化に有効に作用する。また、適量の添加により、MAの生成を抑制して熱影響部靭性を向上させる。さらに、溶接熱影響部の軟化を抑制する効果が大きく、継手強度の低下を防ぐことができる。そのような効果を得るため、0.025%以上とする。一方、0.040%を超える多量の添加は析出硬化により熱影響部靭性を低下させるので、0.025〜0.040%とする。
Ti:0.005〜0.02%
Tiは凝固時にTiNとなって析出し、溶接部でのオーステナイトの粗大化抑制やフェライト変態核となって高靭性化に寄与する。0.005%未満ではその効果が少なく、一方、0.02%を超えるとTiN粒子の粗大化によって期待する効果が得られなくなるため、0.005〜0.02%とする。
N:0.0055〜0.0090%
Nは、TiNの必要量を確保するうえで必要な元素であり、本発明では0.0055%未満では十分なTiN量が得られず、高靭性化が達成されない。一方、0.0090%を超えると溶接熱サイクルによってTiNが溶解する領域における固溶N量の増加のために溶接部靭性を著しく低下させるため、0.0055〜0.0090%とする。
Ca:0.0005%〜0.0030%
Caは、Sの固定による靭性改善効果を有する元素である。このような効果を発揮させるには少なくとも0.0005%は含有することが必要であるが、0.0030%を超えて含有しても効果が飽和するため、0.0005%〜0.0030%とする。
B:0.0005〜0.0025%
Bは溶接熱影響部でTiNが溶解して放出されるNをBNとして固定し、溶接部靭性の劣化を抑制するとともに、BNがフェライト生成核となって、組織の微細化とMAの生成を抑制し、溶接部靭性の向上に寄与する。また、焼入性を向上させ母材の強度確保に有効に寄与する。このような効果を得るため、0.0005%以上を添加する。一方、0.0025%以上を超えて添加してもその効果は飽和するため、0.0005〜0.0025%とする。
0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1
ただし、Ca,O,Sは各成分の含有量(質量%)とする。
本パラメータ式は、Ca,S,Oの含有量のバランスを規定して、複合硫化物の形態を規定するもので、本パラメータ式の値が0以下の場合、CaSが晶出しないため、SはMnS単独の形態で析出する。このMnSはフェライト変態発生核となるが、本パラメータ式の値が0超えの場合に比べて溶接熱影響部で微細分散せず、MAの発生を抑制する効果が少ない。一方、1以上になると、Sが完全にCaによって固定され、フェライト生成核として作用するMnSがCaS上に析出しないため、本パラメータ式の値は0超え、1未満とする。CaS上にMnSが析出した複合硫化物の形態となり、溶接熱影響部でのフェライト変態促進を通じて、溶接熱影響部の靱性を向上させる。
以上が本発明の基本成分組成であるが、更に特性を向上させるため、V、Cu、Cr、Moの一種または二種以上を含有することが可能である。
V、Cu、Cr、Mo、W
V、Cu、Cr、Mo、Wはいずれも鋼の焼入れ性を高める元素である。これらの元素は、圧延後の強度上昇に直接寄与するとともに、靭性、高温強度、あるいは耐候性などの機能向上のために添加することができるが、過度の添加は靭性や溶接性を劣化させるため、添加する場合には、上限を、それぞれ、Vは0.04%、Cuは1.0%、Crは0.7%、Moは0.7%、Wは0.5%とすることが好ましい。一方、含有量が0.01%未満であると上記の効果が得られないため、添加する場合の含有量はいずれも0.01%以上とすることが好ましい。
[製造条件]
上記成分組成の溶銑を転炉で精錬して鋼とした後、必要に応じてRH脱ガスなどの脱ガス処理を行い、連続鋳造または造塊−分塊工程を経て鋼片とする。
加熱温度:1150〜1250℃
鋼片を1150〜1250℃に加熱してから熱間圧延を行う。ここで、鋼片の加熱温度が1150℃より低いと、NbがNb(CN)として析出したままで固溶Nb量が不十分となり、大入熱溶接熱影響部の軟化の抑制に寄与せず、継手強度が低下する。
一方、加熱温度が1250℃より高いとオーステナイト粒が粗大化し、靭性の低下を招くばかりか、酸化ロスが顕著となり、歩留が低下するので、加熱温度は1150〜1250℃とする。母材靭性の観点からは、好ましくは1150〜1200℃である。
熱間圧延・加速冷却
熱間圧延・加速冷却条件は所望する板厚、強度および母材靭性が得られるように適宜選定すればよく本発明では特に規定しない。上記成分組成の鋼に制御圧延後、加速冷却を施すと、板厚が40mm以上で降伏強度が500N/mm以上の高強度厚鋼板の製造が可能である。
但し、仕上温度としては母材靭性の観点から900〜650℃の範囲が好ましく、より好ましくは、800〜700℃の範囲である。仕上温度が900℃より高いと圧延加工による細粒化が進まず、母材靭性を要求される場合には靭性が不十分となる場合がある。また仕上温度を650℃未満にしても靭性向上効果は飽和し、圧延能率が低下するだけである。加速冷却は、450℃〜300℃の温度域にて冷却を停止し、その後は空冷する。冷却停止温度は450〜300℃の温度域とする。冷却停止温度が450℃より高いと冷却停止後の空冷でNbがNbCとして析出し、固溶Nbが減少して、継手強度の低下を招く。一方、冷却停止温度が300℃より低いと母材の靭性が低下する。以下、本発明の作用効果を実施例に基づいて説明する。
種々の組成の溶鋼を、転炉で溶製し、連続鋳造法で鋼素材(スラブ:280mm厚)とした後、板厚50〜70mmに熱間圧延し、加速冷却を施して供試鋼とした。表1に成分組成を、表2に熱間圧延条件、加速冷却条件を示す。
Figure 2011074445
Figure 2011074445
得られた厚鋼板について、板厚の1/4部より平行部径14ΦのJIS14A号試験片を採取し、引張試験を行い、降伏強度(YS)、引張強さ(TS)を測定した。また、板厚の1/4部よりJIS4号衝撃試験片を採取し、シャルピー衝撃試験を行って、破面遷移温度(vTrs)を求めた。
さらに、各鋼板から採取した継手用試験板に、V開先を施し、エレクトロガスアーク溶接(溶接入熱350〜550kJ/cm)により大入熱溶接継手を作製した。これら溶接継手から切欠き位置をボンド部とするJIS4号衝撃試験片を採取し、試験温度−40℃でシャルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギー(vE−40、3本平均値)を求めた。また、全厚の継手引張試験片を採取し、継手強度を測定した。本発明範囲は吸収エネルギー(vE−40、3本平均値)70J以上、継手強度600N/mm以上とした。
表3に母材機械的特性の試験結果と大入熱溶接継手のシャルピー衝撃試験結果、継手引張試験結果を併せて示す。本発明例(製造No.1〜16)は溶接継手ボンド部のvE−40が165J以上と優れた熱影響部の靭性を示し、また継手強度も605N/mm以上と高強度であった。一方、比較例(製造No.17〜26)は本発明例と比較してシャルピー衝撃試験結果、継手引張試験結果が劣っていた。
Figure 2011074445

Claims (2)

  1. 鋼組成が、質量%で
    C:0.03〜0.08%
    Si:0.02〜0.15%
    Mn:1.8〜2.5%
    Ni:0.20%未満
    Al:0.005〜0.06%
    P:0.015%以下
    S:0.0050%以下
    Nb:0.025〜0.040%
    Ti:0.005〜0.02%
    N:0.0055〜0.0090%
    Ca:0.0005〜0.0030%
    B:0.0005〜0.0025%
    を含有し残部はFeおよび不可避的不純物からなり、かつ下記(1)式を満たす鋼素材を1150〜1250℃に加熱後、熱間圧延を施した後、加速冷却し、450℃〜300℃の温度域にて冷却を停止し、その後は空冷することを特徴とする大入熱溶接熱影響部靱性に優れた非調質厚肉高張力鋼の製造方法。

    0<(Ca−(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S<1 (1)
    ただし、Ca、O、Sは各成分の含有量(質量%)をあらわす。
  2. 鋼組成として、更に質量%で
    V:0.04%以下
    Cu:1.0%以下
    Cr:0.7%以下
    Mo:0.7%以下
    W:0.5%以下
    の1種または2種以上を含有する請求項1記載の大入熱溶接熱影響部靱性に優れた非調質厚肉高張力鋼の製造方法。
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