JP2003183767A - 超大入熱溶接haz靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents

超大入熱溶接haz靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板およびその製造方法

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JP2003183767A JP2001379628A JP2001379628A JP2003183767A JP 2003183767 A JP2003183767 A JP 2003183767A JP 2001379628 A JP2001379628 A JP 2001379628A JP 2001379628 A JP2001379628 A JP 2001379628A JP 2003183767 A JP2003183767 A JP 2003183767A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 400kJ/cmを超える超大入熱溶接HAZ 靱性に
優れた低降伏比建築構造用厚鋼板およびその製造方法を
提案する。 【解決手段】 C:0.03〜0.15%、Si:0.05〜0.50%、
Mn:0.5 〜2.0 %、P:0.03%以下、S:0.0005〜0.00
30%、Al:0.005 〜0.1 %、Ti:0.004 〜0.02%、N:
0.0020〜0.0070%、Ca:0.0005〜0.0030%、O:0.0050
%以下を含有し、かつACR が0.3 以上0.8 以下を満足
し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、
かつ分散粒子の平均粒径が50nm以下、粒数密度が1×10
6 個/mm2 以上である組織とする。80%以下の低降伏比
とするために、1000℃〜1250℃に再加熱後、圧延終了温
度をAr3変態点以上とする熱間圧延を施し、ついで、1
℃/s以上の冷却速度で、600 〜250 ℃まで加速冷却す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築構造用として
好適な、厚鋼板に係り、特に超大入熱溶接を施される使
途に好適な建築構造用厚鋼板に関する。なお、本発明で
いう「超大入熱溶接」とは、溶接入熱量が400kJ/cmを超
える溶接を意味するものとする。また、厚鋼板とは、板
厚30mm以上の鋼板をいうものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、建築構造物の大型化に伴い、使用
鋼材の厚肉化が要望され、構造物の施工効率の向上と施
工コストの低減の観点から、溶接効率の向上が求めら
れ、大入熱の高能率溶接が指向されてきた。たとえば、
建築構造用ボックス柱では、サブマージアーク溶接やエ
レクトロスラグ溶接などの溶接入熱が400kJ/cmを超える
ような大入熱溶接が適用されている。
【0003】また、近年、建築構造物の耐震性向上が求
められ、建築構造物の溶接継手部にも、高い靱性を有す
ることが要求されるようになっている。例えば、柱−梁
接合部については、0℃におけるシャルピー吸収エネル
ギーが70Jを超えるような、高い靱性を有することが要
求されている。また、ボックス柱の溶接部にも、同様の
要求がある。
【0004】一般に、溶接熱影響部(以下、HAZ ともい
う)は、溶接時に高温に晒され、結晶粒が粗大化しやす
く、しかも、溶接入熱が増大するにしたがい冷却速度が
遅くなり、脆弱な上部ベイナイト組織が形成され、さら
に島状マルテンサイト等の脆化組織が生成されやすく、
HAZ 靱性が低下しやすいことが知られている。このよう
な大入熱溶接HAZ の靭性の低下という問題に対し、例え
ば、特開平2-250917号公報、特開平2-254118 号公
報、特公平3-53367号公報には、TiN を鋼中に微細分散
させ、MnS または REMオキシサルファイドと複合してオ
ーステナイト粒の粗大化を抑制し、大入熱溶接HAZ の靭
性を改善する技術が提案されている。
【0005】また、特開昭60-184663 号公報には、入熱
量100kJ/cmの溶接ボンド部靱性の改善をめざし、希土類
元素(REM )とTiとを複合添加し、鋼中に微細粒子を分
散させてオーステナイトの粒成長を抑制し、溶接ボンド
部の靱性向上を図る技術が提案されている。また、特開
昭57-51243号公報には、Ti酸化物(特に一酸化チタン)
を微細分散させ、大入熱溶接HAZ の高靭性化を図る技術
が提案されている。また、特開昭62-170459 号公報に
は、Ti窒化物の微細分散と、固溶B量を低減したうえで
のBNの析出を組み合わせて、大入熱溶接HAZ の高靭性化
を図る技術が提案されている。
【0006】また、特開昭60-245768 号公報、特開昭61
-79745号公報等には、Tiの酸化物を微細分散させ、フェ
ライト変態の核生成サイトとして利用し、大入熱溶接HA
Z の靭性を改善する技術が提案されている。また、特開
昭61-253344 号公報には、溶接時の冷却過程で TiNなど
の上に析出するBNをフェライト変態の核として利用し、
大入熱溶接HAZ の靭性を改善する技術が提案されてい
る。
【0007】また、特開2001-107177 号公報には、固溶
Nを徹底的に低減するため、Tiと十分なAl量(0.05〜0.
10%)を含有させ、さらに微細酸化物としてCa酸化物を
活用して、超大入熱溶接におけるHAZ 靭性を向上させる
高張力鋼板が提案されている。さらには特開昭60-20486
3 号公報には、Caを添加することで硫化物の形態を制御
することにより、大入熱溶接HAZ の靭性を改善する技術
が提案されている。また、特公平4-14180 号公報には、
REM を添加し硫化物の形態を制御することにより、大入
熱溶接HAZ の靱性を改善する技術が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たTi酸化物を用いる従来技術では、酸化物を均一かつ微
細に分散させることがかなりの困難を伴い、酸化物の複
合化等によりその分散能を改良すべく種々の検討がなさ
れているが、入熱が400kJ/cmを超える超大入熱溶接にお
いてはオーステナイト粒の成長を十分抑制することが現
在までのところ難かしく、超大入熱溶接HAZ を安定して
高靭性とすることが困難となる。
【0009】また、上記したTiN を主体に利用する従来
技術で製造された鋼材に、400kJ/cmを超える大入熱溶接
法を適用した場合、HAZ が、TiN が溶解する高温域に長
時間晒されるため、TiN による結晶粒微細化の作用がな
くなり、超大入熱溶接HAZ を高靭性とすることができな
くなるという問題があった。また、上記した従来技術で
は、固溶Tiおよび固溶Nの増加に起因して、脆化組織が
生成し、著しくHAZ 靱性が低下する場合があるという問
題があった。
【0010】また、特開2001-107177 号公報に記載され
た技術では、靱性に悪影響を及ぼす固溶N量の低減と溶
融点近傍の高温域でも粒径微細化効果を有する酸化物を
活用することで、超大入熱溶接における HAZ靱性の向上
させたものであり、過剰にAlを含有させることが特徴で
ある。しかし、多量のAl添加は、溶接時に溶接金属中に
混入して脱酸反応に影響し、溶接部靱性を低下させると
いう問題があった。
【0011】また、建築構造物では、鋼材の塑性変形を
一部許容することで地震エネルギーを吸収する設計法が
とられることから、建築構造物用鋼材は、降伏比:80%
以下の低降伏比鋼材とすることが要求されている。本発
明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、母材降
伏強さが490MPa以上と高く、かつ母材降伏比が80%以下
と低降伏比であり、さらに溶接入熱量が400kJ/cmを超え
る超大入熱溶接においても優れたHAZ 靱性を有する、超
大入熱溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板
およびその製造方法を提供することを目的とする。な
お、本発明で「超大入熱溶接HAZ 靱性に優れる」とは、
400kJ/cmを超える大入熱溶接のHAZ における、0℃にお
けるシャルピー吸収エネルギー VO が70J以上を有す
る場合をいうものとする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するために、入熱が400kJ/cmを超える超大入
熱溶接HAZ の靱性におよぼす各種要因について、研究、
検討を重ねた。その結果、超大入熱溶接HAZ において、
高靱性を得るためには、高温に加熱された領域における
オーステナイト粒の粗大化抑制と、冷却時にフェライト
変態を促進する変態核の微細分散が重要であることを見
出した。従来は、これらが不十分であったために、溶接
部を安定して高靭性とすることができなかった。
【0013】本発明者らは、フェライト変態核の微細分
散のために、硫化物の形態制御の役割を担うCaに注目
し、凝固時にCaS を晶出させることを想到した。CaS は
酸化物に比べて低温で晶出するため、鋼中で微細かつ均
一な分散が可能となる。CaS の晶出のためには、まずCa
添加時の溶鋼中の溶在酸素量を0.0050mass%以下に調整
することが肝要である。そして、Ca添加時の溶鋼中の溶
存酸素量を0.0050mass%以下に調整したうえで、Ca,S
の添加量を次(1)式 ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1) ここで、Ca,O,S:各合金元素の含有量(mass%)で
定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足するように調
整する。これにより、CaS の晶出後に固溶S量が確保で
き、CaS の表面上にMnS が析出する複合硫化物を形成す
ることを見出した。MnS はフェライト核生成能があるこ
とが知られており、さらにはその周囲にMnの希薄帯が形
成されフェライト変態がさらに促進される。また、MnS
上にTiN ,BN,AlN 等のフェライト生成核が析出するこ
とによっても、より一層フェライト変態が促進すること
も新たに発見した。
【0014】また、400kJ/cm以上の超大入熱溶接HAZ で
は、高温における滞留時間が増加するため、高温滞留域
におけるオーステナイト粒の一層の微細化が必要である
ことに鑑み、本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、
分散粒子のサイズおよび形態を制御することが重要であ
ることに思い至り、超大入熱溶接HAZ の高靭性化のため
には、分散粒子の平均粒径を50nm以下、粒数密度を1×
106 個/mm2 以上とする必要があることを見いだした。
【0015】分散粒子のサイズおよび形態を上記した範
囲に制御するためには、転炉、電気炉、真空溶解炉など
の通常公知の方法で溶製し、脱酸処理や脱ガスプロセス
にて、溶存酸素量を0.0050mass%以下に制御したのち、
ACR が 0.3〜 0.8の範囲となるようにCa添加することで
介在物制御を行ったうえで、連続鋳造法により鋼素材と
することが肝要である。なお、連続鋳造時の鋳込速度は
概ね 0.1m/min 以上とすることが望ましい。
【0016】また、本発明者らは、母材厚鋼板を低降伏
比鋼板とするには、熱間圧延条件およびその後の冷却を
制御することが重要であることを見出した。本発明は、
上記した知見に基づいて、さらに検討を加えて完成され
たものである。すなわち、本発明は、mass%で、C:0.
03〜0.15%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5 〜2.0 %、
P:0.03%以下、S:0.0005〜0.0030%、Al:0.005 〜
0.1 %、Ti:0.004 〜0.02%、N:0.0020〜0.0070%、
Ca:0.0005〜0.0030%、O:0.0050%以下を含有し、か
つ次(1)式 ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1) (ここで、Ca,O,S:各元素の含有量(mass%))で
定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足し、残部Feお
よび不可避的不純物からなる組成を有し、かつ分散粒子
の平均粒径が50nm以下、粒数密度が1×106 個/mm2
上である組織を有することを特徴とする降伏比80%以下
を有し、超大入熱溶接HAZ 靱性に優れた、低降伏比建築
構造用厚鋼板である。また、本発明では、前記組成に加
えてさらに、mass%で、Nb:0.05%以下、V:0.2 %以
下、Cu:1.0 %以下、Ni:1.5 %以下、Cr:0.7 %以
下、Mo:0.7 %以下、B:0.0003〜0.0025%のうちから
選ばれた1種または2種以上を含有することが好まし
い。
【0017】また、本発明は、mass%で、C:0.03〜0.
15%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.5〜2.0 %、P:0.03
%以下、S:0.0005〜0.0030%、Al:0.005 〜0.1 %、
Ti:0.004 〜0.02%、N:0.0020〜0.0070%、Ca:0.00
05〜0.0030%、O:0.0050%以下を含有し、かつ前記
(1)式で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足す
る組成を有する鋼素材を、1000℃〜1250℃に再加熱後、
圧延終了温度をAr3変態点以上とする熱間圧延を施し、
ついで、1℃/s以上の平均冷却速度で冷却し、冷却停止
温度:600 〜250 ℃とする加速冷却を行った後、空冷す
ることを特徴とする降伏比80%以下を有し超大入熱溶接
HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板の製造方法
である。また、本発明では、前記鋼素材が、溶鋼中の溶
存酸素量を0.0050mass%以下に調整したのちCaを添加
し、前記(1)式で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下
を満足するように、Ca,S含有量を調整したのち、連続
鋳造してなる鋼素材であることが好ましい。分散粒子の
サイズおよび形態を上記した範囲に制御するためには、
転炉、電気炉、真空溶解炉などの通常公知の方法で溶製
し、脱酸処理や脱ガスプロセスにて溶存酸素量を0.0050
mass%以下に制御したのち、ACR が 0.3〜 0.8の範囲と
なるようにCa添加することで介在物制御を行ったうえ
で、連続鋳造法により鋼素材とすることが肝要である。
なお、連続鋳造時の鋳込み速度は概ね 0.1m/min 以上
とすることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】まず、厚鋼板の組成限定理由につ
いて説明する。なお、以下、mass%は単に%で表示す
る。 C:0.03〜0.15% Cは、鋼の強度を増加させる元素であり、建築構造用厚
鋼板として必要な強度(母材降伏強さ:490MPa以上)を
得るためには、少なくとも0.03%は必要である。しか
し、過剰に含有すると、溶接部の靱性、耐溶接割れ性を
低下させる。このため、本発明では、Cは0.03〜0.15%
の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.03〜0.12%で
ある。
【0019】Si:0.05〜0.50% Siは、脱酸剤として作用し、製鋼上0.05%以上の含有が
必要であるが、0.50%を超えて含有すると、母材靱性が
劣化するとともに、超大入熱溶接HAZ において島状マル
テンサイトが生成し、HAZ 靱性が顕著に劣化する。この
ため、Siは0.05〜0.50%の範囲に限定した。なお、好ま
しくは、0.05〜0.40%である。
【0020】Mn:0.5 〜2.0 % Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、本発明では所
定の母材強度を確保するため、0.5 %以上の含有を必要
とする。一方、2.0 %を超える過剰の含有は、溶接部の
靱性を著しく劣化させる。このため、本発明では、Mnは
0.5 〜2.0 %の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.
6 〜 1.6%である。
【0021】P:0.03%以下 Pは、不純物として鋼中に不可避的に含有される元素で
あり、鋼の靭性を劣化させるため、できるだけ低減する
ことが好ましい。とくに、0.03%を超える含有は、HAZ
の靱性劣化が著しくなる。このため、Pは0.03%以下に
限定した。なお、過度のP低減は精錬コストを高騰させ
経済的に不利となるため、0.005 %以上とすることが好
ましい。
【0022】S:0.0005〜0.0030% Sは、Caを含有する本発明では、Caと結合しCaS 粒子と
して凝固段階で微細に晶出し、さらに溶接時にCaS 粒子
上にMnS として析出し、フェライト変態核として作用し
溶接部靭性を向上させる効果を有する。このような効果
はS:0.0005%以上の含有で認められる。一方、0.0030
%を超えて含有すると、母材および溶接部の靱性を劣化
させる。このため、Sは0.0005〜0.0030%に限定した。
【0023】Al:0.005 〜0.1 % Alは、脱酸剤として作用し、鋼の脱酸上0.005 %以上の
含有を必要とするが、0.1 %を超えて含有すると、母材
の靱性が低下し、同時に溶接時に溶接金属部に混入し
て、靱性を劣化させる。このため、Alは0.005 〜0.1 %
の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.005 %以上0.
05%未満である。
【0024】Ti:0.004 〜0.02% Tiは、Nとの親和力が強く凝固時にTiN として析出し
て、HAZ でのオーステナイト粒の粗大化を抑制し、ある
いはフェライト変態核としてHAZ の高靱性化に寄与す
る。このような効果は、0.004 %以上の含有で認められ
るが、0.02%を超えて含有すると、TiN 粒子が粗大化
し、上記した効果が期待できなくなる。このため、Tiは
0.004 〜0.02%の範囲に限定した。なお、好ましくは、
0.005 〜 0.018%である。
【0025】N:0.0020〜0.0070% Nは、Tiと結合しTiN として析出して、HAZ でのオース
テナイト粒の粗大化を抑制し、あるいはフェライト変態
核としてHAZ の高靱性化に寄与する。このような効果を
有するTiN の必要量を確保するために、0.0020%以上の
Nを含有する必要がある。一方、0.0070%を超えて含有
すると、溶接時にTiN が溶解する温度まで加熱される領
域では、固溶N量が増加し、靱性が著しく低下する。こ
のため、Nは0.0020〜0.0070%の範囲に限定した。
【0026】Ca:0.0005〜0.0030% Caは、硫化物の形態を制御して鋼の延性向上に寄与する
元素である。このような効果を発揮させるには少なくと
も0.0005%含有することが必要であるが、0.0030%を超
えて含有しても効果が飽和する。このため、本発明で
は、Caは0.0005〜0.0030%の範囲に限定した。なお、本
発明では、後述するように、Ca添加直前の溶存酸素量を
0.0050%以下に調整したのち、Caを添加して、Ca酸化物
の生成を抑制してCaS を晶出させる。CaS は、溶鋼中で
酸化物に比べて低温で晶出するため、鋼中で微細かつ均
一な分散が可能となり、このCaS 微細粒子はMnS と複合
して溶接時にフェライト変態核として作用し、HAZ 靭性
の向上に寄与する。
【0027】O:0.0050%以下 Oは、不可避的不純物として含有され、鋼中では酸化物
として存在し、清浄度を低下させる。このため、本発明
ではできるだけ低減することが好ましい。O含有量が0.
0050%を超えるとCaO系介在物が粗大化して、靭性に悪
影響を及ぼす。また、本発明では、CaをCaS として晶出
させるために、Caとの結合力が強いOはCa添加前に、脱
ガスを強化するか、脱酸剤を投入して、溶鋼中のOを0.
0050%以下に低減しておくことが好ましい。
【0028】また、本発明では、Ca添加時の溶鋼中の溶
在酸素量を0.0050mass%以下に調整したうえで、Ca,S
を次(1)式 ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1) (ここで、Ca,O,S:各元素の含有量(mass%))で
定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足するように添
加、調整する。
【0029】ACR が、0.3 未満では、CaS が晶出しない
ため、SはMnS 単独の形態で析出する。このMnS は鋼板
製造時の圧延で伸長されて均一かつ微細に分散しないた
め、母材の靱性低下を引き起こすとともに、超大入熱溶
接HAZ においてMnS が溶融し微細分散が達成されないた
め、HAZ の靭性向上が達成できない。一方、ACR が、0.
8 超えると、Sが完全にCaによって固定され、フェライ
ト生成核として働くMnS がCaS 上に析出しない。このた
め、HAZ 靭性の向上が達成されない。ACR が、0.3 以上
0.8 以下を満足してはじめて、CaS 上にMnS が析出した
複合硫化物の形態となる。この複合硫化物の存在によ
り、フェライト変態の核として機能し、HAZ の組織が微
細化され、HAZ 靭性が向上する。
【0030】上記した基本組成に加えてさらに、強度増
加の目的で必要に応じ、Nb:0.05%以下、V:0.2 %以
下、Cu:1.0 %以下、Ni:1.5 %以下、Cr:0.7 %以
下、Mo:0.7 %以下、B:0.0003〜0.0025%のうちから
選ばれた1種または2種以上を含有することができる。
Nb、V、Cu、Ni、Cr、Mo、Bは、いずれも鋼の強度を増
加させる元素であり、母材強度、溶接継手部強度の確保
のために、必要に応じ選択して含有することが好まし
い。
【0031】Nbは、母材の強度および靱性を向上させる
とともに、継手部強度を増加させる作用を有する。この
ような効果は、0.005 %以上の含有で顕著となるが、0.
05%を超える含有は、HAZ 靱性の低下を招く。このた
め、本発明では、Nbは0.05%以下に限定することが好ま
しい。Vは、母材の強度および靱性を向上させるととも
に、VNとして析出し、フェライト変態の核として作用す
る。このような効果は、0.01%以上の含有で顕著となる
が、0.2 %を超える含有は、かえって靱性の低下を招
く。このため、Vは0.2%以下に限定することが好まし
い。
【0032】Niは、母材の高靱性を保ちつつ強度を増加
させる元素であり、本発明では0.05%以上の含有が望ま
しいが、1.5 %を超えて含有しても効果が飽和し、含有
量に見合う効果が期待できなくなり、経済的に不利とな
る。このため、本発明では、Niは1.5 %以下に限定する
ことが好ましい。なお、より好ましくは 0.1〜 1.0%で
ある。
【0033】Cuは、Niと同様、強度を増加するととも
に、靭性を向上させる作用を有する。このような効果は
0.05%以上の含有で顕著となるが、1.0 %を超える含有
は熱間脆性を生じ、鋼板の表面性状が劣化する。このた
め、Cuは1.0 %以下に限定することが好ましい。また、
Cr,Moは、いずれも鋼材(母材)の高強度化に有効に作
用する元素である。このような効果は、Cr:0.05%以
上、Mo:0.05%以上の含有で顕著となる。一方、過剰に
含有すると、いずれも靱性に悪影響を与えるため、Cr:
0.7 %以下、Mo:0.7 %以下にそれぞれ限定することが
好ましい。
【0034】Bは、焼入れ性の向上を介して、鋼の強度
を増加させる作用を有するとともに、HAZ ではBNを形成
し、固溶Nの低減とフェライト変態核として働く。この
ような効果は、0.0003%以下ではその効果が十分ではな
く、一方、0.0025%を超えて含有すると焼入れ性が著し
く増加し母剤靱性の劣化を招く恐れがある。このため、
Bは0.0003〜0.0025%の範囲に限定することが好まし
い。
【0035】上記した成分以外の残部は、Feおよび不可
避的不純物である。また、本発明の厚鋼板は、分散粒子
の平均粒径が50nm以下、粒数密度が1×10 6 個/mm2
上である組織を有する。分散粒子の平均粒径が50nmを超
えると、HAZ の高温滞留域における分散粒子のオーステ
ナイト粒ピン止め効果が小さくなり、HAZ が粗粒化する
ためHAZ 靱性が低下する。また、分散粒子の粒数密度が
1×106 個/mm2 未満では、同様に、HAZ の高温滞留域
でのオーステナイト粒のピン止め効果が小さくなり、HA
Z が粗粒化しHAZ 靱性が低下する。このようなことか
ら、分散粒子は、平均粒径を50nm以下とし、その粒数密
度を1×106 個/mm2 以上に限定した。なお、本発明で
いう分散粒子は、TiN やCa硫化物/酸化物などで代表さ
れる粒子である。
【0036】なお、分散粒子の平均粒径および単位面積
当たりの粒数密度は、鋼板から採取した試験片のL断面
を研磨し、さらに研磨面を電解腐食して分散粒子を現出
したのち、走査型電子顕微鏡を用いて倍率:2000倍で各
10視野観察し、撮像して、得られた画像を、画像解析装
置を用いて処理し算出するものとする。つぎに、本発明
厚鋼板の製造方法について説明する。
【0037】上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真
空溶解炉等通常公知の方法で溶製し、脱酸処理や脱ガス
プロセスにて、ガス成分の制御を行ったのち、CaSiワイ
ヤの添加による介在物制御したうえで連続鋳造法などの
鋳造方法で鋼素材(スラブ)とする。なお、溶製時に、
CaをCaS として晶出させるために、Caとの結合力が強い
OはCa添加前に、脱ガスを強化するか、脱酸剤を投入し
て、溶鋼中のOを0.0050%以下に低減しておくことが好
ましい。また、本発明では、Ca添加時の溶鋼中の溶在酸
素量を0.0050%以下に調整したうえで、ACR が0.3 以上
0.8 以下を満足するようにCa,Sを添加、調整すること
が好ましい。
【0038】また、分散粒子のサイズおよび形態を上記
した範囲に制御するためには、凝固段階においては、連
続鋳造時の鋳込速度や、冷却速度を制御して、凝固組織
の微細化を図ることが好ましい。ついで、これら鋼素材
を、1000〜1250℃に再加熱する。再加熱温度が1000℃未
満では、熱間圧延での変形抵抗が高くなり、1パス当た
りの圧下量が大きくとれなくなることから、圧延パス数
が増加し、圧延能率を招くとともに、鋼素材(スラブ)
中の鋳造欠陥を圧着することができない場合がある。一
方、再加熱温度が1250℃を超えると、凝固過程で析出し
たTiN がオストワルド成長により粗大化し、超大入熱溶
接時の溶接接合部近傍におけるオーステナイトのピン止
め効果が失われ、HAZ 靱性が低下する。このため、鋼素
材の再加熱温度は1000〜1250℃の範囲とすることが好ま
しい。なお、より好ましくは、1100〜1200℃である。
【0039】再加熱された鋼素材は、ついで、圧延終了
温度をAr3変態点以上とする熱間圧延を施され厚鋼板と
される。圧延終了温度がAr3変態点未満の低い温度とな
ると、フェライトが加工されるため、鋼板の降伏点が上
昇し、降伏比が増加する。このため、熱間圧延の圧延終
了温度はAr3変態点以上に限定することが好ましい。な
お、Ar3変態点は化学組成との相関が概ね次式 Ar3=910 −273 C+25Si−74Mn−56Ni−16Cr−9Mo −
5Cu −1620Nb (ただし、C,Mn,Ni,Cr,Mo,Cu:各合金元素の含有
量(mass%))で整理できる。
【0040】降伏比を安定して、80%以下とすること、
さらには、音響異方性を小さくすることを考慮すると、
圧延終了温度は、(Ar3変態点+70℃)以上とすること
がより好ましい。また、圧延終了温度が1000℃を超える
と、生成する組織が粗くなり母材の靱性が低下する。こ
のため、圧延終了温度は1000℃以下とすることが好まし
い。
【0041】熱間圧延終了後、平均冷却速度が1℃/s以
上の加速冷却を600 〜250 ℃(冷却停止温度)まで行
う。加速冷却の冷却速度が1℃未満では、組織が粗大化
し、母材靭性が低下する。加速冷却時の平均冷却速度の
上限については本発明では特に規定しないが、条切り歪
を低減するという観点からは10℃/s以下とすることが望
ましい。また、加速冷却の冷却停止温度が600 ℃を超え
ると、引張強さTSが低くなりすぎ、一方、250 ℃未満で
は降伏比が増大する。このため、加速冷却の冷却停止温
度は250 〜600 ℃の範囲とすることが好ましい。なお、
加速冷却後は、室温まで空冷させる。
【0042】また、本発明では、鋼板の残留応力低減の
観点から、焼戻し処理を行ってもなんら問題はない。以
上のように、本発明によれば、Ca,Sを限定された範囲
で含有し、かつ分散粒子サイズおよび分布を所定の範囲
に制御することにより、400kJ/cmを超える超大入熱溶接
におけるHAZ 靱性に優れた建築構造用厚鋼板を安価にし
かも安定して製造できる。
【0043】
【実施例】表1に示す組成の溶鋼を、転炉−脱ガスプロ
セスで溶製し、連続鋳造法で鋼素材(230 〜 310mm厚ス
ラブ)とした。なお、本発明例は、溶製中で、Ca添加直
前の溶存酸素量を0.0050mass%以下に調整した。つい
で、鋼素材を表2に示す条件で再加熱し、表2に示す条
件の熱間圧延を施し、厚鋼板とした。熱間圧延後、表2
に示す条件で加速冷却を施した。なお、加速冷却後は、
空冷とした。
【0044】得られた厚鋼板について、母材組織、母材
引張特性、母材靭性を調査した。 (1)母材組織 得られた厚鋼板から、試験片を採取し、分散粒子の平均
粒径、および粒数密度を調べた。分散粒子の平均粒径お
よび単位面積当たりの粒数密度は、試験片のL断面を研
磨し、さらに研磨面を電解腐食して分散粒子を現出した
のち、走査型電子顕微鏡を用いて倍率:2000倍で各10視
野観察し、撮像して、得られた画像を、画像解析装置を
用いて算出し、各視野ごとの平均値を求め、さらに各視
野の平均値を求め、各鋼板の値とした。 (2)母材引張特性 得られた厚鋼板の板厚の1/4t部C方向から、JIS 4号引
張試験片を採取し、JIS Z 2204の規定に準拠して引張試
験を実施し、降伏点YP、引張強さTS、降伏比YRを求め
た。 (3)母材靭性 得られた厚鋼板の板厚の1/4t部C方向から、JIS 4号衝
撃試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャル
ピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度vTrs、0℃におけ
る吸収エネルギーvE0 を求めた。
【0045】また、得られた厚鋼板について、超大入熱
溶接のHAZ 靭性を調査した。 (4)超大入熱溶接HAZ 靭性 得られた厚鋼板から採取した熱サイクル試験片を採取し
て、入熱400kJ/cmのサブマージアーク溶接ボンド部また
は入熱:800kJ/cmのエレクトロスラグ溶接ボンド部相当
の熱サイクル(最高加熱温度:1400℃、800 〜500 ℃の
冷却時間:550s,平均冷却速度:0.55℃/s)、または
入熱:1200kJ/cm のエレクトロスラグ溶接ボンド部相当
の熱サイクル(最高加熱温度:1400℃、800 〜500 ℃の
冷却時間:1000s、平均冷却速度:0.3 ℃/s)を付与し
た。これら熱サイクル試験片から、シャルピー衝撃試験
片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠して、0℃でシャ
ルピー衝撃試験を実施し、吸収エネルギーvE0 (J)を
求め、大入熱溶接HAZ 靭性を評価した。
【0046】得られた結果を表3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】本発明例はいずれも、TSが490MPa以上の高
強度で、降伏比が75%程度と良好な母材特性と、400kJ/
cmを超える超大入熱溶接のHAZ における0℃での吸収エ
ネルギーがいずれも100J以上と、極めて良好な超大入熱
溶接HAZ 靭性を有している厚鋼板である。これに対し、
本発明の範囲を外れる比較例は、とくにHAZ の組織を所
定の組織とすることができず、超大入熱溶接のHAZ にお
ける0℃での吸収エネルギーがいずれも51J以下と低
く、超大入熱溶接HAZ 靭性が低下した厚鋼板である。ま
た、圧延終了温度がAr3変態点未満の比較例(鋼板No.
4)、冷却停止温度が250 ℃未満の比較例(鋼板No.
6)では、80%を超える高い降伏比を示している。ま
た、冷却停止温度が600 ℃を超える比較例(鋼板No.
7)では、TSが490MPa未満と低強度であった。
【0051】なお、本発明の厚鋼板は、超大入熱溶接用
を想定したものであるが、炭酸ガス溶接などの小入熱溶
接(入熱20kJ/cm 程度)多層溶接を行っても、十分高い
HAZ靱性が得られ、小入熱溶接用として十分適用できる
ことはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、超大入
熱溶接HAZ 靭性に優れた構造用厚鋼板が安価にしかも安
定して製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本
発明によれば、建築構造物の接合部品質を格段に向上で
きるという効果もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 9/00 501 B23K 9/00 501B (72)発明者 星野 俊幸 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 天野 虔一 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4E081 YB10 4K013 AA09 BA07 BA08 CB01 DA03 DA09 EA25 EA28 FA02 4K032 AA01 AA02 AA04 AA05 AA08 AA14 AA16 AA19 AA21 AA22 AA23 AA24 AA26 AA27 AA29 AA31 AA35 AA36 BA01 CA02 CA03 CC03 CC04 CD02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 mass%で、 C:0.03〜0.15%、 Si:0.05〜0.50%、 Mn:0.5 〜2.0 %、 P:0.03%以下、 S:0.0005〜0.0030%、 Al:0.005 〜0.1 %、 Ti:0.004 〜0.02%、 N:0.0020〜0.0070%、 Ca:0.0005〜0.0030% O:0.0050%以下 を含有し、かつ下記(1)式で定義されるACR が0.3 以
    上0.8 以下を満足し、残部Feおよび不可避的不純物から
    なる組成を有し、かつ分散粒子の平均粒径が50nm以下、
    粒数密度が1×106 個/mm2 以上である組織を有するこ
    とを特徴とする降伏比80%以下を有し、超大入熱溶接HA
    Z 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板。 記 ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1) ここで、Ca,O,S:各元素の含有量(mass%)
  2. 【請求項2】 前記組成に加えてさらに、mass%で、N
    b:0.05%以下、V:0.2 %以下、Cu:1.0 %以下、N
    i:1.5 %以下、Cr:0.7 %以下、Mo:0.7 %以下、
    B:0.0003〜0.0025%のうちから選ばれた1種または2
    種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の超
    大入熱溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼
    板。
  3. 【請求項3】 mass%で、 C:0.03〜0.15%、 Si:0.05〜0.50%、 Mn:0.5 〜2.0 %、 P:0.03%以下、 S:0.0005〜0.0030%、 Al:0.005 〜0.1 %、 Ti:0.004 〜0.02%、 N:0.0020〜0.0070%、 Ca:0.0005〜0.0030% を含有し、かつ下記(1)式で定義されるACR が0.3 以
    上0.8 以下を満足する組成を有する鋼素材を、1000℃〜
    1250℃に再加熱後、圧延終了温度をAr3変態点以上とす
    る熱間圧延を施し、ついで、1℃/s以上の平均冷却速度
    で冷却し、冷却停止温度:600 〜250 ℃とする加速冷却
    を行った後、空冷することを特徴とする降伏比80%以下
    を有し、超大入熱溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構
    造用厚鋼板の製造方法。 記 ACR ={Ca-(0.18+130×Ca) ×O}/(1.25/S)………(1) ここで、Ca,O,S:各元素の含有量(mass%)
  4. 【請求項4】 前記鋼素材が、溶鋼中の溶存酸素量を0.
    0050mass%以下に調整したのちCaを添加し、前記(1)
    式で定義されるACR が0.3 以上0.8 以下を満足するよう
    に、Ca,S含有量を調整したのち、連続鋳造してなる鋼
    素材であることを特徴とする請求項3に記載の超大入熱
    溶接HAZ 靱性に優れた低降伏比建築構造用厚鋼板の製造
    方法。
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